JP2000220066A - 炭素繊維絡合体及びその製造方法 - Google Patents

炭素繊維絡合体及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】炭素繊維の短繊維からなる絡合体を効率的に製
造することを主な目的とする。 【解決手段】曲状炭素繊維どうしが絡合してなる炭素繊
維絡合体、曲状炭素繊維と柔軟性球体とを共に撹拌する
ことを特徴とする炭素繊維絡合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な炭素繊維絡
合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体又は破砕体において、特にその取扱
い性の向上を目的として、これらを粒状体に加工する技
術(造粒技術)が知られている(例えば「造粒ハンドブ
ック日本粉体工業技術協会編 (株)オーム社発行 平
成3年3月10日」など)。
【0003】一方、繊維の凝集した粒状体、いわゆるフ
ァイバーボールに関する技術例は少なく、例えば繊維の
ファイバーボール化及びファイバーボール状の維持のた
めに、繊維どうしの熱融着あるいは一部配合した繊維と
の熱融着を利用する方法、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化
性樹脂接着剤等の造粒化の補助材(造粒化材)を用いる
方法が提案されている(特表平9−503255号)。
【0004】繊維の中でもとりわけ炭素繊維は、融点が
ないことから熱融着が行えず、このため樹脂による接着
によって粒状化・ファイバーボール化が行われている。
炭素繊維のうち直状の長繊維フィラメントにあっては、
繊維の飛散防止又は取扱い性の向上を目的として、これ
らを千本単位で収束し、少量の樹脂(収束剤)で相互に
接着結束し、必要に応じて3〜10mmにカットして粒
状又はペレット状に加工される。長繊維フィラメント
は、紡糸後の段階から千本単位に収束され、それ以後の
耐炎化工程又は炭化工程も収束体のまま処理できるの
で、長繊維フィラメントの炭素繊維粒状体の製造は生産
性、経済性等において有利である。
【0005】また、これら粒状体は、例えば熱可塑性プ
ラスチックス等の補強、改質等の用途にも有用である。
炭素繊維の粒状体は、改質すべき熱可塑性プラスチック
スの粒状体、ペレット等と同様の流動性を示すので、連
続的で定量的な仕込みができる。具体的には、押出混練
機で一方のホッパーからは熱可塑性プラスチックスの粒
状体、他方のホッパーからは炭素繊維の粒状体をそれぞ
れ連続的に供給して定量的に仕込むことができる。すな
わち、炭素繊維の粒状体によれば、生産性が高いダブル
ホッパー方式を採用することが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、炭素繊維の短繊
維は、紡糸段階から短繊維の嵩高い集積体である短繊維
ステープルとして回収されるものであるが、一般に曲状
である。従って、炭素繊維の短繊維も粒状化できれば、
その性状を有効に利用することができ、その用途も拡大
できる可能性がある。
【0007】しかしながら、炭素繊維の短繊維は、直状
の長繊維フィラメントとは異なり、曲状であるがゆえに
引き揃えることができず、少量の樹脂で相互に接着して
結束させて粒状化することも困難である。従って、各種
の用途において炭素繊維の短繊維のもつ特徴を十分に活
かすことができない。また、例えば熱可塑性プラスチッ
クスに炭素繊維の短繊維を配合する場合にも、止むを得
ず1mm以下の粉状、ミルになるまで粉砕し、これを改
質すべきプラスチックに前もって配合し、ホッパーから
仕込む方式、すなわちプレミックス方式を採用せざるを
得ない。この方法では、前記ダブルホッパー方式と比較
して粉砕工程と前もって混合配合する工程の2工程が余
分に加わり、生産性の悪化を余儀なくされる。
【0008】従って、本発明は、炭素繊維の短繊維から
なる絡合体を効率的に製造することを主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、炭素繊維の
短繊維からなる粒状体及びその製造方法につき鋭意研究
を重ねた結果、所定の短繊維を用いて特定条件下で粒状
化することにより、上記目的を達成できることを見出
し、ついに本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、下記の炭素繊維絡合
体及びその製造方法に係るものである。
【0011】1.曲状炭素繊維どうしが絡合してなる炭
素繊維絡合体。
【0012】2.曲状炭素繊維と柔軟性球体とを共に撹
拌することを特徴とする炭素繊維絡合体の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の炭素繊維絡合体(以下
「ファイバーボール」ともいう)は、曲状炭素繊維どう
しが絡合してなる。すなわち、曲状炭素繊維どうしが互
いに三次元的に絡合して粒状物を構成している。
【0014】絡合する度合いは、用いる炭素繊維の性
状、最終製品の用途、所望の特性等に応じて適宜変更す
れば良いが、通常は嵩密度が0.01〜0.30g/c
3程度、好ましくは0.02〜0.20g/cm3とな
るように設定すれば良い。嵩密度が大きくなりすぎると
製造条件が過酷になりすぎるおそれがあり、また嵩密度
が小さすぎるとその後の取扱中において形状が崩れやす
くなるおそれがある。
【0015】炭素繊維絡合体の大きさは、特に制限され
ず、絡合体の形状、曲状炭素繊維の性状、最終製品の用
途等に応じて適宜設定することができる。例えば、球状
である場合、通常は直径0.5〜20mm程度、好まし
くは1〜10mmとすれば良い。炭素繊維絡合体の形状
としては、例えば球状、楕円球状、扁平状、円柱状、釣
鐘状等のいずれの形状であっても良い。
【0016】また、本発明の炭素繊維絡合体における反
発弾性率は、用いる曲状炭素繊維の性状等によって異な
るが、一般には10〜60%程度、好ましくは30〜5
0%である。また、体積固有抵抗も、用いる曲状炭素繊
維の性状等によって異なるが、一般には0.1〜10Ω
・cm程度、好ましくは0.2〜3Ω・cmである。
【0017】本発明の炭素繊維絡合体を構成する曲状炭
素繊維とは、後記実施例の「(1)曲状炭素繊維の比容
積」に示した測定条件下における比容積が9cm3/g
以上となるような炭素繊維を使用する。上記比容積が9
cm3/g未満である場合には、絡み程度が不足して安
定した絡合体(ファイバーボール)とならないおそれが
ある。ちなみに、直状炭素繊維の比容積は一般に7〜8
cm3/g程度である。
【0018】また、曲状炭素繊維の平均繊維長(カット
長)も、最終製品の用途等に応じて適宜設定すれば良い
が、通常は0.3〜30mm程度、好ましくは0.5〜
10mmとすれば良い。上記絡合体を構成する曲状炭素
繊維の平均繊維径も、最終製品の用途等に応じて適宜決
定することができ、好ましくは平均繊維長/平均繊維径
比で8以上、より好ましくは12以上のものを使用する
ことができる。
【0019】さらに、曲状炭素繊維は、乾燥時における
炭素含有量が好ましくは70wt%以上、より好ましく
は90wt%以上である。最終製品の用途等によって
は、この範囲外となっても差し支えない。また、本発明
では、ファイバーボール化に先立って、予め黒鉛化処
理、炭素化処理等が施された曲状炭素繊維も用いること
ができる。
【0020】曲状炭素繊維自体は、これらの要件を満た
す限りは公知のものを使用でき、また市販品も用いるこ
とができる。さらに、いずれの製法によって作製された
曲状炭素繊維も使用できる。
【0021】曲状炭素繊維は、一般に、炭素繊維前駆体
を炭化して製造することができる。この場合、短繊維の
曲状化は、いずれの段階で行われても良いが、一般的に
は紡糸工程あるいは不融化工程後に機械的に巻縮させる
工程のいずれかで行われる。前者に係る曲状炭素繊維の
市販品としては、例えば、等方性ピッチを原料として渦
流法で得られる等方性炭素繊維(「ドナカーボ」ドナッ
ク製)、等方性ピッチを原料として遠心法で得られる等
方性炭素繊維(「クレカカーボンファイバー」呉羽化学
製)、異方性ピッチを原料として遠心法の一種により得
られる異方性炭素繊維(「メルブロン」ペトカ製)等が
挙げられる。後者に係る曲状炭素繊維の市販品として
は、例えば、ポリアクリロニトリル繊維を熱処理した耐
炎化繊維(例えば「ラスタン」旭化成製、「パイロメッ
クス」東邦レーヨン製)を巻縮させたステープルを炭化
して得られる炭素繊維等が挙げられる。これらは1種又
は2種以上で使用することができる。
【0022】本発明の炭素繊維絡合体は、例えば上記曲
状炭素繊維と柔軟性球体とを共に撹拌することによって
製造することができる。
【0023】柔軟性球体は、用いる曲状炭素繊維の種類
等により適宜変更できるが、通常は次のいずれかの基準
を満たすものであれば良い。すなわち、JIS K−6
301のスプリング式硬さ試験A形による硬度で30以
上(好ましくは40以上)及びJIS K−6253の
ディロメーター硬さ試験のタイプDディロメーターによ
る硬度で通常80以下(好ましくは70以下)の少なく
ともいずれか一方の基準を満たせば良い。硬すぎる場合
は糸切れが優先して粉状になりやすく、柔らかすぎる場
合は圧縮力が不足してファイバーボールが形成しにくく
なるおそれがある。
【0024】柔軟性球体の材質も特に制限されず、クロ
ロプレン系ゴム、アクリロニトリルブタジエン系ゴム、
ポリイソプレン系ゴム、ブチルゴム等のゴム類、ポリエ
ステルエラストマー等の合成樹脂等が挙げられ、この中
で上記硬度を満たすものを好ましく使用することができ
る。これらは、公知のもの又は市販品を用いることもで
きる。市販品として、例えば「ネオプレン」ゴム(クロ
ロプレン系ゴム、デュポン社商品名)等を使用すること
ができる。
【0025】本発明方法における撹拌は、例えば容器自
体が回転する転動造粒機中で実施しても良いし、あるい
は容器自体は不動で撹拌羽根を有する撹拌造粒機中で実
施することもできる。これら造粒機自体は、公知の装置
を使用することができる(前出「造粒ハンドブック」な
ど参照)。また、操作条件(回転数、撹拌時間等)も基
本的には、公知の条件を採用でき、装置の種類、絡合体
の所望の形状等に応じて適宜変更することができる。
【0026】転動造粒機としては、回転する容器の形状
によりドラム型造粒機と皿型造粒機に大別され、いずれ
も本発明方法で使用することができる。また、撹拌造粒
機は、内部に回転撹拌翼をもち、容器の回転を伴わない
造粒機であり、容器の形状と回転軸の方向により竪型円
筒型容器・垂直軸・撹拌造粒装置、竪型上すぼまり円筒
型容器・垂直軸・撹拌造粒装置、横型円筒型容器・水平
軸・撹拌造粒装置、揺動型円筒型容器・同芯軸・撹拌造
粒装置等があり、いずれも本発明方法で使用することが
できる。本発明の製造方法では、これらの造粒機を用い
て回分式に生産できるし、また単位要素(各工程)を組
合わせて半連続式又は完全連続式で生産することもでき
る。
【0027】本発明の製造方法における曲状炭素繊維と
柔軟性球体との配合割合(仕込み割合)は、用いる曲状
炭素繊維・柔軟性球体の種類、最終製品の用途等に応じ
て適宜設定すれば良いが、好ましくは曲状炭素繊維1重
量部に対して柔軟性球体0.01〜10重量部程度、よ
り好ましくは0.2〜5重量部とすれば良い。柔軟性球
体が0.01重量部未満ではファイバーボール化に長時
間を要し、また10重量部を超えると生産量(歩留ま
り)が低下するおそれがある。曲状炭素繊維又は柔軟性
球体は、上記所定量を一度に配合しても良いが、数回に
分けて配合することもできる。
【0028】また、本発明の製造方法では、造粒化等を
実質的に使用しない条件で実施することができるが、そ
の効果を妨げない範囲内で、必要に応じて造粒化材、
水、溶剤等を併用することが可能である。
【0029】撹拌後は、形成された絡合体をそのまま回
収すれば良いが、必要に応じて公知の篩分け等による分
級処理を行うこともできる。篩下の未絡合の曲状炭素繊
維は、さらに本発明の製造方法によりファイバーボール
化することも可能である。
【0030】なお、本発明の製造方法では、賦形を促進
するという点で柔軟性球体の使用は必須であるが、例え
ば柔軟性球体と曲状炭素繊維の併用で本発明の条件下に
撹拌し、回収物を篩分けた場合、篩下の未造粒の繊維を
柔軟性球体なしで撹拌すればファイバーボールを製造で
きる場合もある。
【0031】本発明に係る炭素繊維絡合体(ファイバー
ボール)は、必要に応じて炭素化処理、黒鉛化処理等を
行うことができる。また、必要に応じて賦活処理して活
性炭とすることもできる。これらの処理条件は、公知の
条件をそのまま採用することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、造粒化材等
を用いることなく、物理的な繊維の絡み合いにより炭素
繊維の短繊維(曲状炭素繊維)の粒状化を実現すること
ができる。このため、各種炭素繊維の用途において、短
繊維の特徴を活かすことができる。
【0033】すなわち、曲状炭素繊維の物理的な絡み合
いで構成されている本発明炭素繊維絡合体は、例えば反
発弾性、流動性、取扱い性、安全性等の諸特性に優れて
いるので、従来からの炭素繊維の用途を含む各種の用途
においてこれらの特性を十分に活かすことが可能にな
る。
【0034】例えば、本発明炭素繊維絡合体は、反発弾
性に優れているので、クッション材として椅子、ソフ
ァ、ベッド等の家具・事務用家具をはじめ、自動車、航
空機、鉄道等のシート類その他の構造材等にも利用する
ことができる。クッション材は、例えば炭素繊維絡合体
をそのまま、あるいは必要に応じて樹脂を含浸させてプ
リプレグを作製し、これを所定の形状の柔軟性容器、袋
体等に充填することにより製造することができる。また
例えば、流動性に優れていることから、プラスチックス
の改質(複合化)において、連続定量仕込の生産性の高
いダブルホッパー押出混練機等を用いて生産ができる。
また、本発明炭素繊維絡合体は、繊維の飛散が防止ない
し抑制されているので高い安全性を有し、作業環境の改
善にも貢献できる。
【0035】さらに、本発明の炭素繊維絡合体は、造粒
化材等を使用せずにファイバーボール化されている場合
は、特に炭素繊維の導電性、耐熱性、耐薬品性等の特長
を利用する製品においては非常に有利である。例えば、
断熱材、防音材、耐熱材不燃材、耐火材等として有効に
利用できる。また、導電性、耐薬品性等を利用する用途
として、例えば電極材料、フィルター等にも有用であ
る。この点において、収束剤として樹脂を使用しなけれ
ばならない直状の長繊維フィラメントの粒状物よりも有
利である。
【0036】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴をより詳細に説明する。なお、実施例中の各物性の測
定方法は以下の通りである。
【0037】(1)曲状炭素繊維の比容積 容量250mlのメスシリンダー(内径40mm×高さ
290mm)に試料(アスペクト比(長さ/直径)=5
00の炭素繊維)を満たし、試料の表面に円形厚紙(直
径38mm)を介して均一に150g/cm2の荷重を
ゆっくりとかける。その体積が安定した時点で体積V
(cm3)を測定する。その後、試料の重量W(g)を
測定し、次式にて比容積(cm3/g)を求める。測定
は3回行い、その平均値を本発明における比容積とす
る。
【0038】 比容積(cm3/g)=V(cm3)/W(g) (2)反発弾性率 直径46mm・高さ65mmのポリエチレン製シリンダ
ーにほぼ一杯試料を入れる。次いで、その上に円形厚紙
(直径44mm)を置き、厚紙上に100g分銅を水平
に置く。その時の試料の高さY1を測定する。分銅を取
り去り5分静置後、試料の高さY2を測定する。得られ
たY1及びY2の値を用いて下式に従って反発弾性率を算
出する。
【0039】 反発弾性率(%)={(Y2−Y1)/Y1}×100 (3)体積固有抵抗 直径46mm・高さ65mmのポリエチレン製コップ
(2ヶ所に目盛り付き、下部に2mm×6mmの穴付
き)の底に真鍮製円板(厚さ数10μm、5mm×12
0mmの真鍮製ひも付き)を入れ、真鍮製ひもを外に出
した後、上記コップにほぼ一杯試料を入れる。次いで、
その上に同様の真鍮製円板を置き、さらに円形厚紙を載
せ、その上に400g分銅を水平に置く。その状態で電
気抵抗測定器で下式により体積固有抵抗(Ω・cm)を
求めた。
【0040】S=R×A/H S:体積固有抵抗(Ω・cm) R:試料の抵抗(Ω) A:試料と真鍮製円板との接触面積(cm2) H:測定時における試料の厚さ(cm) (4)炭素繊維絡合体の嵩密度 2リットルのプラスチックス製メスシリンダーに試料を
ほぼ一杯に入れた後、蓋をして200回上下に振動を与
える。このときの容積と試料の重量を測定し、嵩密度を
求めた。
【0041】実施例1 竪型円筒型容器・垂直軸・撹拌造粒装置を用い、その3
5リットル容器に曲状炭素繊維として渦流法紡糸ピッチ
系等方性炭素繊維ドナカーボ(ドナック製、平均繊維径
13μm、比容積12.6cm3/g)を3.3mmに
カットした炭素質チョップ1000gと直径20mmの
ネオプレンゴムボール(JIS K−6301のスプリ
ング式硬さ試験A形での硬さ50)2000gとを仕込
み、回転数380rpmで15分間撹拌した。開封後、
30メッシュ篩により粒分と粉分に分け、粒分である絡
合体は900g(90%)回収できた。絡合体の形状は
略球形で平均粒径は4.3mmであった。繊維は解しに
くく互いに三次元的に絡み合っていた。光学顕微鏡によ
る観察においても繊維が相互に絡み合い、毛羽立ってい
ることが確認された。上記絡合体の嵩密度は0.038
g/cm3、反発弾性率は45%、体積固有抵抗は1.
56Ω・cmであり、解した繊維の平均繊維長は1.9
mmであった。
【0042】実施例2 ドラム型転動造粒機を用い、そのドラム(直径30cm
×高さ40cm)に、実質例1と同じ曲状炭素繊維30
0gと直径20mmのネオプレンゴムボール(JIS
K−6301のスプリング式硬さ試験A形での硬さ5
0)900gとを仕込み、回転数60rpmで150分
間撹拌した。開封後、30メッシュ篩で粒分と粉分に分
け、粒分である絡合体は1520g(95%)回収でき
た。絡合体の形状は略楕円形で平均粒径は5.6mmで
あった。繊維は解しにくく互いに三次元的に絡み合って
いた。光学顕微鏡による観察においても繊維が相互に絡
み合い、毛羽立っていることが確認された。上記絡合体
の嵩密度は0.041g/cm3、反発弾性率は36
%、体積固有抵抗は1.75Ω・cmであり、解した繊
維の平均繊維長は2.3mmであった。
【0043】実施例3 ドラム型転動造粒機を用い、そのドラム(直径30cm
×高さ40cm)に、実施例1と同じ炭素繊維を10m
m長にカットした炭素質チョップ300gと直径32m
mのネオプレンゴムボール(JIS K−6301のス
プリング式硬さ試験A形での硬さ50)900gとを仕
込み、回転数60rpmで150分撹拌した。その後、
炭素繊維絡合体の形成を促進するため、さらに直径40
mmのゴルフボール(JIS K−6253のデュロメ
ーター硬さ試験タイプDでの硬さ63)1.0kgを追
加して150分間撹拌した。開封後、30メッシュ篩で
粒分と粉分に分け、粒分である絡合体は243g(81
%)回収できた。絡合体の形状は略楕円形で平均粒径は
6.8mmであった。繊維は解しにくく互いに三次元的
に絡み合っていた。光学顕微鏡による観察においても繊
維が相互に絡み合い、毛羽立っていることが確認され
た。上記絡合体の嵩密度は0.054g/cm3、反発
弾性率は42%、体積固有抵抗は1.73Ω・cmであ
り、解した繊維の平均繊維長は2.7mmであった。
【0044】実施例4 竪型円筒型容器・垂直軸・撹拌造粒装置を用い、その3
5リットル容器に曲状炭素繊維としてポリアクリロニト
リル繊維を熱処理した耐炎化繊維パイロメックス(東邦
レーヨン製 原糸の繊度1.97d 比容積12.0c
3/g)を3mm長にカットしたチョップ250gと
直径20mmのネオプレンゴム(JISK−6301の
スプリング式硬さ試験A形での硬さ50)ボール500
gとを仕込み、回転数400rpmで5分間、さらに回
転数500rpmで5分間撹拌した。開封後、30メッ
シュ篩で粒分と粉分に分けたが粉分はほとんどなかっ
た。絡合体の形状は略扁平球形であった。次に、これを
真空下2000℃で焼成して黒鉛化した。黒鉛化された
絡合体は平均粒径3.3mmであり、繊維は解しにくく
互いに絡み合っていた。光学顕微鏡による観察において
も繊維が相互に絡み合い、毛羽立っていることが確認さ
れた。上記絡合体の嵩密度は0.032g/cm3、反
発弾性率は45%、体積固有抵抗は1.10Ω・cmで
あり、解した繊維の平均繊維長は2.2mmであった。
【0045】実施例5 ドラム型転動造粒機を用い、そのダルマ型円筒ドラム
(内容量60リットル)に曲状炭素繊維として渦流法紡
糸ピッチ系等方性炭素繊維ドナカーボ(ドナック製、平
均繊維径18μm、比容積12.4cm3/g)を1.
0mm長にカットした炭素質ミルド2000gと40m
m直径ゴルフボール500g、さらに水400gを仕込
み、回転数30rpmで3時間撹拌した。開封後、10
メッシュの篩に通過した粉分は全体の3重量%のみだっ
た。絡合体は略球形状で平均粒径は2mmで概して均一
であった。乾燥後に真空下2000℃で焼成して黒鉛化
処理した。得られた絡合体は脆くなる傾向にあったが、
当初の形状を実質的に保っていた。
【0046】実施例6 竪型円筒型容器・垂直軸・撹拌造粒装置を用い、その3
5リットル容器に実施例1と同じ炭素質チョップ100
0gと実施例1と同じ直径20mmのネオプレンゴムボ
ール500gとを仕込み、回転数500rpmで10分
間撹拌した。開封後、30メッシュ篩で粒分と粉分に分
け、粒分である絡合体は870g(87%)回収でき
た。絡合体の形状は略球形で平均粒径は4.3mmであ
った。繊維は解しにくく互いに三次元的に絡み合ってい
た。上記絡合体の嵩密度は0.042g/cm3であ
り、解した繊維の平均繊維長は1.84mmであった。
【0047】一方、篩分けた粒分をルツボに収め、真空
下2000℃で黒鉛化したものを30メッシュ篩で粒分
と粉分に分けた。その粉分(嵩密度0.18g/c
3)を同上の撹拌造粒装置に入れ、柔軟性球体を使用
せずに同様に撹拌したところ、約10分後には絡合体が
生成していた。この絡合体は略球形で平均粒径は4.4
mmであった。繊維は解しにくく互いに三次元的に絡み
合っていた上記絡合体の嵩密度は0.045g/c
3、体積固有抵抗は1.53Ω・cmであり、解した
繊維の平均繊維長は1.84mmであった。
【0048】実施例7 竪型円筒型容器・垂直軸・撹拌造粒装置を用い、その3
5リットル容器に、曲状炭素繊維として遠心法紡糸ピッ
チ系等方性炭素繊維クレカカーボンファイバー(呉羽化
学製、原糸の直径14.5μm、比容積9.3cm3
g)を3mm長にカットしたチョップ250gと実施例
1と同じ直径20mmのネオプレンゴムボール500g
とを仕込み、回転数400rpmで5分間撹拌し、さら
に回転数500rpmで5分間撹拌した。開封後、30
メッシュ篩で粒分と粉分に分けたが、粉分はほとんどな
かった。回収された絡合体の形状は扁平球形で嵩密度は
0.043g/cm3であった。繊維は解しにくく互い
に三次元的に絡み合っていた。光学顕微鏡による観察に
おいても繊維が相互に絡み合い、毛羽立っていることが
確認された。絡合体の反発弾性率は45%、体積固有抵
抗は1.56Ω・cmであり、解した繊維の平均繊維長
は1.9mmであった。
【0049】比較例1 比容積が9cm3/g未満の炭素繊維を用いて絡合体の
製造を試みた。
【0050】竪型円筒型容器・垂直軸・撹拌造粒装置を
用い、その35リットル容器に曲状炭素繊維としてポリ
アクリロニトリル系炭素繊維ベスファイト(東邦レーヨ
ン製原糸の直径7μm 比容積7.8cm3/g)を3
mm長にカットしたもの1000gと実施例1と同じ直
径20mmのネオプレンゴムボール500gとを仕込
み、回転数500rpmで10分間撹拌したが、絡合体
は全く形成されていなかった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月15日(1999.3.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】1.曲状炭素繊維どうしが絡合してなる粒
状物であって、嵩密度が0.01〜0.30g/cm3
である炭素繊維絡合体。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】2.曲状炭素繊維と柔軟性球体とを共に撹
拌することを特徴とする炭素繊維絡合体の製造方法。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月17日(1999.11.
17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】1.比容積が9cm3/g以上となるよう
な炭素繊維である曲状炭素繊維どうしが絡合してなる粒
状物であって、嵩密度が0.01〜0.30g/cm3
である炭素繊維絡合体。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】2.比容積が9cm3/g以上となるよう
な炭素繊維である曲状炭素繊維と柔軟性球体とを共に攪
拌することを特徴とする炭素繊維絡合体の製造方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000002886 大日本インキ化学工業株式会社 東京都板橋区坂下3丁目35番58号 (72)発明者 伊藤 正 大阪府大阪市此花区酉島5−11−68 株式 会社ドナック内 (72)発明者 中島 章夫 大阪府大阪市此花区酉島5−11−68 株式 会社ドナック内 (72)発明者 伊藤 正之 東京都板橋区坂下3丁目35番58号 大日本 インキ化学工業株式会社内 (72)発明者 戸田 明良 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 岡 憲司 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 4L047 AA03 AB09 AB10 CA15 CB02 CB10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】曲状炭素繊維どうしが絡合してなる炭素繊
    維絡合体。
  2. 【請求項2】嵩密度が0.01〜0.30g/cm3
    ある請求項1記載の炭素繊維絡合体。
  3. 【請求項3】曲状炭素繊維の平均繊維長が0.3〜30
    mmである請求項1又は2に記載の炭素繊維絡合体。
  4. 【請求項4】直径0.5〜20mmである請求項1〜3
    のいずれかに記載の炭素繊維絡合体。
  5. 【請求項5】曲状炭素繊維と柔軟性球体とを共に撹拌す
    ることを特徴とする炭素繊維絡合体の製造方法。
  6. 【請求項6】撹拌を、容器自体が回転する転動造粒機中
    で実施する請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】撹拌を、容器自体は不動で撹拌羽根を有す
    る撹拌造粒機中で実施する請求項5記載の製造方法。
  8. 【請求項8】曲状炭素繊維が平均繊維長0.3〜30m
    mである請求項5〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 【請求項9】曲状炭素繊維1重量部に対して柔軟性球体
    0.01〜10重量部を用いる請求項5〜8のいずれか
    に記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006104643A (ja) * 2004-09-08 2006-04-20 Osaka Gas Chem Kk 混紡フェルトおよび炭素繊維フェルト
WO2022265100A1 (ja) * 2021-06-18 2022-12-22 三菱ケミカル株式会社 繊維集合体の製造方法及びプリプレグシートの製造方法

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