JP2000219947A - 連続溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥抑止方法 - Google Patents

連続溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥抑止方法

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JP2000219947A
JP2000219947A JP11022123A JP2212399A JP2000219947A JP 2000219947 A JP2000219947 A JP 2000219947A JP 11022123 A JP11022123 A JP 11022123A JP 2212399 A JP2212399 A JP 2212399A JP 2000219947 A JP2000219947 A JP 2000219947A
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Masahiko Hori
雅彦 堀
Teruaki Arioka
照晃 有岡
Masahiro Arai
正浩 荒井
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融亜鉛めっき鋼板、とくに合金化溶融亜鉛
めっき鋼板のドロス欠陥を抑止する方法を提供する。 【解決手段】 亜鉛浴温度T(℃)と鋼板の亜鉛浴への
浸漬時間ts (s)、およびF=T+40ts −560
で表される関数Fの関係を、ts :1〜3s、F≦0、
とする。Fの値が60分以上正になる操業を行なった場
合、その後にはF≦0で、かつF>0のときのFの値に
対応した時間以上のクリーニング操業を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドロス欠陥のない溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家電、建材、および自動車などの
産業分野において、溶融亜鉛めっき鋼板が大量に使用さ
れている。とりわけ、経済性、防錆機能、塗装性能の点
で合金化溶融亜鉛めっき鋼板が広く用いられている。
【0003】合金化溶融亜鉛めっき鋼板の素材となる溶
融亜鉛めっき鋼板は通常、脱脂洗浄工程を経た後、もし
くは脱脂洗浄を経ず非還元性雰囲気または還元性雰囲気
で予熱された後、水素+窒素の還元性雰囲気で鋼板を焼
鈍され、めっき温度付近まで冷却され、溶融亜鉛浴に浸
漬され製造される。後工程で合金化処理を行う場合、合
金化処理の時間を短縮する目的で亜鉛浴のAl濃度は
0.08〜0.15重量%程度であり、通常の溶融亜鉛
めっき鋼板が0.15〜0.20重量%であるのに比べ
て低い。
【0004】通常の溶融亜鉛めっき鋼板の亜鉛浴にはF
e−Al−Zn系のドロスと称する異物が生成される。
このドロスは比重が小さいため亜鉛浴上部に浮かび、比
較的除去しやすい。これに対して、Al濃度が低い合金
化溶融亜鉛めっき用の亜鉛浴では比重の大きいFe−Z
n系のドロスが亜鉛浴中に生成され、これが鋼板に付着
すると製品品質を著しく劣化させる。特に、自動車外装
材のプレス成形で、「プレスぶつ」と称する表面欠陥が
発生し問題になる。このFe−Zn系のドロス欠陥を総
称してドロス欠陥という。
【0005】Fe−Zn系のドロスは生成後、粒子同士
が凝集し、比重が大きいため、時間が経てば浴底に沈降
するが、沈降するまでの浮遊ドロス、および浴底から巻
き上げられたドロスがドロス欠陥の原因になる。
【0006】従来、ドロス欠陥を抑止するため、例え
ば、特開平3−47956号公報には鋼板またはシンク
ロールの動きによる亜鉛浴の攪拌作用によって、浴底の
堆積ドロスが巻き上げられないように、遮蔽板を用いて
亜鉛浴の流動を抑制する方法が開示されている。
【0007】しかし、同公報に記載の方法は、ドロスが
粗大に成長するまでは亜鉛浴中に浮遊したままとなるの
でドロス欠陥を完全には抑止できず、長期間操業すると
沈降したドロスが遮蔽板の上部にも多量に堆積し、溶融
亜鉛の流動によってドロスが巻き上げられるため、短周
期で沈殿したドロスを除去する作業が必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は亜鉛浴
中のFe−Zn系浮遊ドロスを低減し、ドロス欠陥を抑
制する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、まず、め
っき条件と鋼板からの溶出Fe量との関係について、検
討を行った。焼鈍済み冷延鋼板(化学組成は重量%で
C:0.02、Si:0.015、Mn:0.020、
P:0.007、S:0.010、sol−Al:0.
008、板厚0.8mm)から単板の試験片を採取し、
亜鉛浴るつぼに浸漬して、浴温度、浸漬時間を変化させ
て溶出するFe量を調査した。
【0010】図1は、浸漬時間と溶出Fe量を亜鉛浴温
度をパラメータとして示すグラフである。
【0011】同図に示すように、浸漬時間が増加するに
つれ、溶出Fe量が急に増大する点(変曲点。同図の塗
りつぶし点で表す)がある。また、この変曲点は亜鉛浴
温度が高いほど浸漬時間が短くなる。Fe溶出量がこの
ようなグラフになる理由は以下のように考えられる。
【0012】鋼板の浸漬の初期、鋼板のFeとAlが反
応し、鋼板界面にFe−Al合金層を形成する。この反
応はきわめて速く、鋼板から溶出するFeは、殆どFe
−Al合金層の生成に消費される。そして、その残分が
溶出Fe量となる。従って、浸漬初期にFe−Al合金
層が形成されている間は、Fe溶出量は極めて少なくな
る。さらに、このFe−Al合金層は一時的にFeの溶
出反応を阻害するものと考えられる。しかし、浸せき時
間が長くなると、Fe−Al合金層は破壊され、界面に
はFe−Zn合金層が形成されてくる。このとき、Fe
−Zn反応速度は遅いため、反応に使用されないFeは
溶出Feとなり、その量は急激に増加する。界面のFe
−Al形成と破壊の速度に大きく影響を及ぼす因子とし
て、浴温が関係しており、低温では、Fe−Al合金層
の形成速度は変化しないが、破壊速度が遅延するため、
Fe溶出量が減少する範囲が低温側で増加したものと推
定される。
【0013】次に本発明者らは、連続溶融亜鉛めっきシ
ミュレータにて亜鉛浴の条件を変更したときの溶融亜鉛
中のFe濃度変化を調査した。図2は、亜鉛浴中の温度
Tと浸漬時間ts を変化させたときのFe濃度を示すグ
ラフである。同図および図1から、以下のことがわか
る。
【0014】(a) 亜鉛浴温度が高く、浸漬時間(浸漬パ
ス長さ/ライン速度)が長い場合、亜鉛浴中のFe濃度
が増加する。これはある程度で上限飽和するが、上限飽
和値は亜鉛浴温度が高いほど、浸漬時間が長いほど飽和
Fe濃度は高い。
【0015】(b) 亜鉛浴温度が低く、浸漬時間が短い
と、亜鉛浴中のFe濃度は減少するが、ある値で下限飽
和する。下限飽和値は浴温度、浸漬時間には無関係にほ
ぼ一定である。
【0016】(c) Fe濃度が亜鉛浴温度および浸漬時間
に比例した上限値で飽和するのは、鋼板からFeが溶出
すると同時に、Fe−Zn系のドロスが生成され、凝集
沈降するためである。
【0017】図3は、浮遊ドロスの成長時間とドロスの
粒径サイズの関係を示すグラフである。溶出Feが十分
に供給された場合、同図に示すようにドロス粒子径は成
長時間に比例する。沈降速度は粒子径の2乗に比例する
が、溶融亜鉛めっき浴では、ドロスの粒径が10μm程
度以上になると、沈降速度が急に大きくなる。すなわ
ち、その後のFe溶出がなければ生成したドロスは5時
間程度で完全に沈降する。
【0018】一方、Feが継続的に溶出する場合は、ド
ロスの成長速度は溶出Fe濃度に律速されるため、ドロ
スの沈降速度も浴中のFe濃度に比例すると考えられ
る。その結果、図2に示すように、Fe濃度が漸次上昇
して上限で飽和し、かつ亜鉛浴温度および浸漬時間に比
例した上限値になると考えられる。
【0019】(d) 亜鉛浴温度が低く浸漬時間が短いと
き、生成したドロスの沈降は前記(c)と同様に進行する
がFe溶出量が小さいため、Fe濃度が漸次低下する。
このとき、一定の下限値で飽和するのは、浴温度と浸漬
時間条件が一定値以下の場合、Fe溶出速度が亜鉛浴温
度と浸漬時間に無関係に一定値になるためと考えられ
る。
【0020】図1と図2から、亜鉛浴温度と浸漬時間の
組合わせにより、この条件がある値を超えると、急速に
溶出Fe量が増大し、連続めっきにおいては浴中のFe
濃度が増大して浮遊ドロスが増加し、沈降堆積するドロ
スも増加することが予想される。実操業においては、F
e濃度が高い状態(浮遊ドロスが多い状態と対応する)
で製造すると、ドロス欠陥が増加する恐れがある。
【0021】このとき、亜鉛浴を低温にし、および/ま
たは鋼板の浸漬時間を短縮してめっきを続行すれば、亜
鉛浴中のFe濃度は漸次低下し、低位安定する。この
時、鋼板からのFe溶出速度は低位で一定であるため、
Fe濃度が低下して安定化するまでの時間は低減開始時
のFe濃度に対応すると考えられる。
【0022】前記のようにFe濃度が増加した亜鉛浴で
は高グレード品の製造が危ぶまれる場合、一旦低グレー
ド品で亜鉛浴を「クリーニング」すれば、以後のサイク
ルで高グレード品を製造できると考えられる。
【0023】上記の知見に基づき完成した本発明の要旨
は、以下の(1) 〜(2) にある。 (1) 連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造において、亜鉛浴温
度T(℃)と鋼板の亜鉛浴への浸漬時間ts (s)をt
s :1〜3sとし、F=T+40ts −560で表され
る関数Fを、F≦0とすることを特徴とする連続溶融亜
鉛めっき鋼板のドロス欠陥抑止方法。
【0024】(2) 連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造におい
て、亜鉛浴温度をT(℃)とし、鋼板の亜鉛浴への浸漬
時間ts (s)をts :1〜3sとし、F=T+40t
s −560で表される関数Fが正の値となる操業が30
分以上継続した場合には、その後にF≦0とし、前記が
正であったときのFの値に対応する時間以上のクリーニ
ング操業を行うことを特徴とする連続溶融亜鉛めっき鋼
板のドロス欠陥抑止方法。
【0025】ここで、クリーニング操業とは、亜鉛浴中
のFe濃度もしくはドロス量を低減するため、前記(1)
項の条件範囲で亜鉛浴温度および/または浸漬時間を低
減した操業を行うことをいう。実際の操業においては、
該クリーニング操業中は製品のドロス欠陥発生の恐れが
あり、特段の品質管理に留意する必要があるが、この操
業によって出荷可能な品質の製品を製造するか否かは関
係しない。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明においては、亜鉛浴の組成
をとくに限定しないが、Al含有量を0.08〜0.1
8重量%とするのが好ましい。このAl含有量は通常の
合金化溶融亜鉛めっきのもので、0.08重量%未満で
あると、Fe−Zn反応が急激に進行し、目付量の制御
が困難になる。0.18重量%を超えると、溶融めっき
後の合金化反応の速度が低下し、生産効率が落ちる。ま
た、Al含有量が高いため、ドロスの比重が小さいトッ
プドロスが生成されるので、本発明のFe−Zn系のド
ロス欠陥とは課題が異なってくる。さらに好ましい範囲
は0.08〜0.14重量%である。
【0027】亜鉛浴温度Tは特に限定しないが、合金化
溶融亜鉛めっきの通常の操業条件で440〜500℃と
するのが好ましい。亜鉛浴温度が440℃未満の場合、
亜鉛浴中の循環が少ない部分で局所的な凝固が発生する
恐れがある。亜鉛浴温度が500℃を超えると、亜鉛の
蒸発が激しくなり、スナウト(焼鈍炉出側の亜鉛浴導入
部)内壁に凝縮し、凝縮亜鉛が肥大化すると鋼板または
亜鉛浴に再落下して塊状の欠陥の原因になるからであ
る。
【0028】本発明において、浸漬時間は1〜3sとす
る。前述の図1において、亜鉛浴温度を440〜500
℃としたとき、Fe溶出量が急増する点(変曲点)の浸
漬時間限界は3s以下となるからである。一方、浸漬時
間が1s未満では通常の連続溶融めっき装置では実質的
にめっき不可能である。
【0029】図4は図1のFe溶出量が急増する点の亜
鉛浴温度と浸漬時間の関係を示すグラフである。同図の
直線で回帰したグラフの下側、つまり、T≦560−4
0ts の条件において、Fe溶出が大きく減少する。
【0030】従って、本発明の第1発明においては、亜
鉛浴温度T(℃)と鋼板の亜鉛浴への浸漬時間t
s (s)の関数Fを、F=T+40ts −560とした
場合、F≦0とする。この条件を維持することによっ
て、浮遊ドロスは低位安定に保つことができドロス欠陥
を抑止できる。
【0031】本発明では何らかのやむをえない事情によ
り前記Fの値が正の状態で操業することを考慮してい
る。F>0の状態が30分以上継続した場合、浮遊ドロ
ス量が増加するが、このまま、表面品質要求に厳しい高
グレード品を製造するのは危険である。本発明では浮遊
ドロス量を低減するため、次のサイクルではFの値が0
または負の状態での操業、すなわちクリーニング操業を
実施した後、高グレード品を製造するのがよい。F>0
の状態が30分以上継続したときにクリーニング操業が
必要、としているのは、亜鉛浴の浮遊ドロス量が無視で
きない程度に増加する(汚れる)までの時間を意味して
おり、F>0の状態が30分未満であれば、クリーニン
グ操業の必要はないからである。すなわち、本発明は断
続的にF>0の状態が30分以上継続した時に亜鉛浴を
クリーニングする方法である。
【0032】図2に示すように、F>0の条件の下で
は、亜鉛浴中の浮遊ドロスが漸次増加する。この浮遊ド
ロス量(亜鉛浴中のFe濃度に対応)は60分程度でほ
ぼ飽和し、飽和の上限値はFの大きさに対応している。
従って、本発明の第2発明ではクリーニング操業の時間
の下限は、Fの値に対応した時間とするのが望ましい。
【0033】このクリーニング操業時間下限値tclは例
えば、Fが正の状態の時の値をF1とするとき、tcl
a・F1(a>0))とする方法、tcl=a・FK (a
>0、K>0))とする方法など、Fが大きいほどtcl
を大きくする形式であれば任意であるが、亜鉛浴温度の
操業平均値、浸漬時間の操業平均値、亜鉛浴の容量、形
状、シンクロール径、鋼板の幅の操業平均値などの操業
条件、設備条件を考慮して実験的に求めればよい。
【0034】通常亜鉛めっきの浴温度、浸漬時間の条件
は1ロット内では一定であるが、この条件が変動する場
合、前記F1(F1>0)の値は直近の30〜60分の
亜鉛浴温度平均値、浸漬時間平均値から求めればよい。
【0035】
【実施例】(実施例1)亜鉛浴温度と浸漬時間の条件を
各種変更し、連続操業状態での浮遊ドロスの個数密度
と、浮遊ドロス量を評価する試験を行った。
【0036】試験では、連続溶融めっきシミュレータを
用い、幅80mmの鋼帯を連続して各2時間めっきする
試験を行った。めっきシミュレータのライン速度は5m
pmで一定とした。浸漬時間の調整は、亜鉛浴中のパス
長さを変更することにより調整した。めっきの総面積は
1条件あたり両面で96m2 であった。亜鉛浴中のAl
濃度は0.14重量%とした。
【0037】試験結果を表1に示す。同表においてドロ
スカウントとは、各試験の最後(1時間後)に亜鉛浴の
上部〜中央部の鋼板パス近傍から溶融亜鉛を採取し、凝
固させ研磨後、顕微鏡視野下で1cm2 中に存在するド
ロスの個数と大きさを測定したものである。同表の「1
0μm」とは、大きさが5μm以上15μm未満、「2
0μm」は15μm以上25μm未満、「30μm」は
35μm以上のドロス粒を意味する。
【0038】
【表1】
【0039】同表において、試験No.1〜13はF≦
0の要件を満たし、亜鉛浴中のドロス量も少ない。これ
に対して、試験No.14〜22はF>0であって、浮
遊ドロス量、ドロスカウントとも大きかった。
【0040】(実施例2)連続亜鉛めっきシミュレータ
にて亜鉛浴温度および浸漬時間条件を変えて、幅80m
mの鋼帯を連続して各2時間づつ、合計20時間のめっ
きをする試験を行った。溶融亜鉛めっき後、合金化処理
を行った。溶融亜鉛めっき条件は表2の試験No.31
〜40の順に変更し、本発明の関数Fの値の変化によっ
て、めっき鋼板のドロス欠陥がどのように変化するかを
調査した。試験結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2において、試験No.が奇数のものが
F≦0の条件を満たし、偶数のものがF>0である。各
試験No.ごとにめっき条件を2時間毎に切替え、めっ
き条件切替え後、20分、40分、60分および100
分後に鋼板のサンプルを採取した。試験No.3、5、
7、9がクリーニング操業のサイクルに相当する。
【0043】表2のドロス欠陥の欄は試験材表面50m
m×50mmあたりの直径50μm以上のドロス欠陥を
数え、鋼板表面100m2 の面積あたりの欠陥数で表し
たものである。
【0044】試験No.33、35、37、39のクリ
ーニング操業の必要時間tclの算定には、その直前の試
験No.32、34、36、38における関数Fの値:
F1=T+40ts −560に対して、tcl≧2×F1
0.5 +30(分)と設定した。
【0045】試験No.31はF≦0の条件範囲内であ
り、各サンプルともドロス欠陥は低レベルに止まった。
試験No.32はF>0であり、めっき条件切替え直後
は欠陥が少ないが、20分後にはドロス欠陥が多くなっ
た。60分後と100分後の欠陥レベルは大略一致して
おり、浮遊ドロスは60分後にはほぼ飽和していること
がわかった。
【0046】試験No.33はクリーニング操業に相当
する。20分後のサンプルには直前の試験No.32の
影響が残っており、ドロス欠陥が多かったが、40分後
には減少し、60〜100分後にはほぼ安定して低レベ
ルになった。
【0047】以下、F値の高い高ドロス操業、F値の低
いクリーニング操業の繰り返しで、ドロス欠陥発生レベ
ルが変動した。試験No.31、33、35、37、3
9の110分後には欠陥レベルはほぼ一定の良好な水準
になった。
【0048】また試験No.35のクリーニング操業で
は、必要クリーニング時間tclは直前の試験No.34
のFの値に基づいて38.9分と算出しており、40分
後のサンプルで欠陥レベルは良好な水準になった。これ
に対して、試験No.33、37、39のクリーニング
操業では、必要クリーニング時間tclは42〜48分と
なっており、それぞれの40分後の欠陥レベルは悪く、
60分後のサンプルでようやく良好なレベルに達してい
た。
【0049】
【発明の効果】本発明により、ドロス欠陥を抑制し、表
面品質の良好な合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造が可能
である。また、簡単な数式で亜鉛めっき浴の浮遊ドロス
の量を推定することができ、適切な品質管理を行なうこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】亜鉛浴浸漬時間と溶出Fe量を亜鉛浴温度をパ
ラメータとして示すグラフである。
【図2】亜鉛浴中の温度Tと浸漬時間ts を変化させた
ときのFe濃度を示すグラフである。
【図3】浮遊ドロスの成長時間とドロスの粒径サイズの
関係を示すグラフである。
【図4】図1のFe溶出量が急増するときの亜鉛浴温度
と浸漬時間の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 正浩 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 Fターム(参考) 4K027 AA02 AA22 AB28 AB42 AC73 AE01 AE02 AE04 AE18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造におい
    て、亜鉛浴温度T(℃)と鋼板の亜鉛浴への浸漬時間t
    s (s)をts :1〜3sとし、F=T+40ts −5
    60で表される関数Fを、F≦0とすることを特徴とす
    る連続溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥抑止方法。
  2. 【請求項2】 連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造におい
    て、亜鉛浴温度をT(℃)とし、鋼板の亜鉛浴への浸漬
    時間ts (s)をts :1〜3sとし、F=T+40t
    s −560で表される関数Fが正の値となる操業が30
    分以上継続した場合には、その後にF≦0とし、前記関
    数Fが正であったときのFの値に対応する時間以上のク
    リーニング操業を行うことを特徴とする連続溶融亜鉛め
    っき鋼板のドロス欠陥抑止方法。
JP11022123A 1999-01-29 1999-01-29 連続溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥抑止方法 Withdrawn JP2000219947A (ja)

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