JP2000219908A - 底吹き羽口の冷却方法 - Google Patents
底吹き羽口の冷却方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 吹錬の条件に応じて適正な冷却条件に制御す
るすることにより羽口寿命の向上を達成することを可能
とする方法を提供する。 【解決手段】 攪拌用ガスと羽口冷却用ガスを、互いに
接近した独立な流路を通して供給する底吹き羽口におい
て、(1)式で示すパラメータAが0.07〜0.50
となるようにガス流量を制御することを特徴とする底吹
き羽口の冷却方法。 【数1】 ここで、Cはガス比熱(kcal/m2/K)、Qはガス流量(Nm3/
s)、qは有効反応熱(kcal/Nm3)で下添え字のi、jはガ
ス種類を示し、iは攪拌用ガスをjは冷却用ガスを示
す。また、nは攪拌換算係数であり、TEPは吹き止め目
標温度(℃)、TMEは吹き止めマッシュルーム生成温度で
ある溶湯の固相線温度(℃)である。
るすることにより羽口寿命の向上を達成することを可能
とする方法を提供する。 【解決手段】 攪拌用ガスと羽口冷却用ガスを、互いに
接近した独立な流路を通して供給する底吹き羽口におい
て、(1)式で示すパラメータAが0.07〜0.50
となるようにガス流量を制御することを特徴とする底吹
き羽口の冷却方法。 【数1】 ここで、Cはガス比熱(kcal/m2/K)、Qはガス流量(Nm3/
s)、qは有効反応熱(kcal/Nm3)で下添え字のi、jはガ
ス種類を示し、iは攪拌用ガスをjは冷却用ガスを示
す。また、nは攪拌換算係数であり、TEPは吹き止め目
標温度(℃)、TMEは吹き止めマッシュルーム生成温度で
ある溶湯の固相線温度(℃)である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は上底吹き転炉や電気
炉での溶銑の精錬において、底吹き羽口の冷却能を適正
条件として、安定したマッシュルームを生成させること
により羽口寿命を向上させることを可能とする方法に関
する。
炉での溶銑の精錬において、底吹き羽口の冷却能を適正
条件として、安定したマッシュルームを生成させること
により羽口寿命を向上させることを可能とする方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】内管に酸素、外管にLPGを流す2重管
ノズルを用いた羽口から溶鉄へガスを底吹きする技術
は、転炉や電気炉で広く用いられている。この場合、羽
口寿命を増加させることは安定したガスの吹き込みを可
能とするため、操業上も精錬コスト上も最も重要な課題
である。羽口の溶損を防止するには、羽口先端に生成付
着するマッシュルーム(MR)と呼ばれる凝固鉄を安定
して生成させることが重要である。MRの生成挙動はガ
スによる冷却や発熱と、溶鋼からの入熱とのバランスで
規定される。
ノズルを用いた羽口から溶鉄へガスを底吹きする技術
は、転炉や電気炉で広く用いられている。この場合、羽
口寿命を増加させることは安定したガスの吹き込みを可
能とするため、操業上も精錬コスト上も最も重要な課題
である。羽口の溶損を防止するには、羽口先端に生成付
着するマッシュルーム(MR)と呼ばれる凝固鉄を安定
して生成させることが重要である。MRの生成挙動はガ
スによる冷却や発熱と、溶鋼からの入熱とのバランスで
規定される。
【0003】しかし、転炉精錬においては、吹き止め時
点の温度や炭素濃度が大きく変化するため、全てのチャ
ージで同一の冷却条件で制御することはできない。さら
に、1回の精錬中にも、炭素濃度が4%以上から0.1
%以下までと大きく変化し、溶鉄温度も1250℃から
1700℃に至る範囲で大きく変化するため、1回の精
錬中においても適正な冷却条件は大きく変化する。これ
らのことは、電気炉においても同様である。
点の温度や炭素濃度が大きく変化するため、全てのチャ
ージで同一の冷却条件で制御することはできない。さら
に、1回の精錬中にも、炭素濃度が4%以上から0.1
%以下までと大きく変化し、溶鉄温度も1250℃から
1700℃に至る範囲で大きく変化するため、1回の精
錬中においても適正な冷却条件は大きく変化する。これ
らのことは、電気炉においても同様である。
【0004】例えば、特開昭57−43921号公報に
は、Cが0.1%以下になる吹錬の末期に、酸素流量に
対する炭化水素系の羽口冷却用ガス吹き込み流量の比率
を10%以下の範囲内で増大させる方法が開示されてい
る。また、特開昭56−44707号公報には、排ガス
の分析値と送酸量から演算したスラグ中に吸蔵された酸
素量の値の変化速度に連動させて、羽口冷却用炭化水素
ガスやArガスの流量を増減させる方法が開示されてい
る。さらに、特開昭57−76117号公報には、酸素
と不活性ガスを用いた底吹き羽口において溶鉄温度と吹
き込みガスの圧力を測定し、設定値との差により酸素又
は不活性ガスの流量を調整する方法が開示されている。
は、Cが0.1%以下になる吹錬の末期に、酸素流量に
対する炭化水素系の羽口冷却用ガス吹き込み流量の比率
を10%以下の範囲内で増大させる方法が開示されてい
る。また、特開昭56−44707号公報には、排ガス
の分析値と送酸量から演算したスラグ中に吸蔵された酸
素量の値の変化速度に連動させて、羽口冷却用炭化水素
ガスやArガスの流量を増減させる方法が開示されてい
る。さらに、特開昭57−76117号公報には、酸素
と不活性ガスを用いた底吹き羽口において溶鉄温度と吹
き込みガスの圧力を測定し、設定値との差により酸素又
は不活性ガスの流量を調整する方法が開示されている。
【0005】しかし、以上のような従来技術は、吹錬の
条件に応じて羽口を適正な冷却条件に制御するという思
想が無いため、羽口寿命が極めて短いという問題があっ
た。
条件に応じて羽口を適正な冷却条件に制御するという思
想が無いため、羽口寿命が極めて短いという問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特開昭57
−43921号公報、特開昭56−44707号公報、
特開昭57−76117号公報に開示された技術におけ
る、吹錬の条件に応じて炭素濃度と溶鉄温度に追従させ
て、適正な冷却条件に制御するという思想がまったく無
いため、羽口寿命が極めて短いという問題を解決し、底
吹き羽口の冷却能を一定に保つ事により、安定したマッ
シュルームを生成させることにより羽口寿命を向上させ
ることを可能とする方法を提供するものである。
−43921号公報、特開昭56−44707号公報、
特開昭57−76117号公報に開示された技術におけ
る、吹錬の条件に応じて炭素濃度と溶鉄温度に追従させ
て、適正な冷却条件に制御するという思想がまったく無
いため、羽口寿命が極めて短いという問題を解決し、底
吹き羽口の冷却能を一定に保つ事により、安定したマッ
シュルームを生成させることにより羽口寿命を向上させ
ることを可能とする方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は以下の各
方法にある。 (1)攪拌用ガスと羽口冷却用ガスを、互いに接近した
独立な流路を通して供給する底吹き羽口を冷却する方法
において、(1)式で示すパラメータAが0.07〜
0.50となるようにガス流量を制御することを特徴と
する底吹き羽口の冷却方法。
方法にある。 (1)攪拌用ガスと羽口冷却用ガスを、互いに接近した
独立な流路を通して供給する底吹き羽口を冷却する方法
において、(1)式で示すパラメータAが0.07〜
0.50となるようにガス流量を制御することを特徴と
する底吹き羽口の冷却方法。
【0008】
【数3】
【0009】ここで、Cはガス比熱(kcal/m2/K)、Qは
ガス流量(Nm3/s)、qは有効反応熱(kcal/Nm3)で下添え
字のi、jはガス種類を示し、iは攪拌用ガスをjは冷
却用ガスを示す。また、nは攪拌換算係数であり、TEP
は吹き止め目標温度(℃)、TMEは吹き止めマッシュルー
ム生成温度である溶湯の固相線温度(℃)で、吹き止め炭
素濃度(CEP:%)を用いて(2)式で計算される。 TME=1536−181.8×CEP ……(2) (2)(1)において、(1)式のかわりに炭素濃度及
び溶鉄温度に基づいて、(3)式で示すパラメータBが
0.11〜0.40となるようにガス流量を制御するこ
とを特徴とする底吹き羽口の冷却方法。
ガス流量(Nm3/s)、qは有効反応熱(kcal/Nm3)で下添え
字のi、jはガス種類を示し、iは攪拌用ガスをjは冷
却用ガスを示す。また、nは攪拌換算係数であり、TEP
は吹き止め目標温度(℃)、TMEは吹き止めマッシュルー
ム生成温度である溶湯の固相線温度(℃)で、吹き止め炭
素濃度(CEP:%)を用いて(2)式で計算される。 TME=1536−181.8×CEP ……(2) (2)(1)において、(1)式のかわりに炭素濃度及
び溶鉄温度に基づいて、(3)式で示すパラメータBが
0.11〜0.40となるようにガス流量を制御するこ
とを特徴とする底吹き羽口の冷却方法。
【0010】
【数4】
【0011】ここで、Cはガス比熱(kcal/m2/K)、Qは
ガス流量(Nm3/s)、qは有効反応熱(kcal/Nm3)で下添え
字のi、jはガス種類を示し、iは攪拌用ガスをjは冷
却用ガスを示す。また、nは攪拌換算係数であり、Tは
吹錬中の溶鉄温度(℃)、TMRは吹錬中マッシュルーム生
成温度である溶湯の固相線温度(℃)で、吹錬中の炭素濃
度(C:%)により(4)式で示される。 TMR=1536−181.8×C (C<2.14) TMR=1147 (C≧2.14)……(4)
ガス流量(Nm3/s)、qは有効反応熱(kcal/Nm3)で下添え
字のi、jはガス種類を示し、iは攪拌用ガスをjは冷
却用ガスを示す。また、nは攪拌換算係数であり、Tは
吹錬中の溶鉄温度(℃)、TMRは吹錬中マッシュルーム生
成温度である溶湯の固相線温度(℃)で、吹錬中の炭素濃
度(C:%)により(4)式で示される。 TMR=1536−181.8×C (C<2.14) TMR=1147 (C≧2.14)……(4)
【0012】ここで、溶鉄温度はサブランスによるバッ
チ測温、炉体に設けた専用観察孔を通した光ファイバー
を用いた連続測温や、過去の実績に基づく回帰での推定
値等のいずれかを用いて決定し、炭素濃度は、サブラン
スによるバッチ測定、排ガス分析による連続測定、炉体
に設けた専用観察孔を通したレーザー発光を用いた連続
測定や、過去の実績に基づく回帰での推定値等のいずれ
かを用いて決定する。
チ測温、炉体に設けた専用観察孔を通した光ファイバー
を用いた連続測温や、過去の実績に基づく回帰での推定
値等のいずれかを用いて決定し、炭素濃度は、サブラン
スによるバッチ測定、排ガス分析による連続測定、炉体
に設けた専用観察孔を通したレーザー発光を用いた連続
測定や、過去の実績に基づく回帰での推定値等のいずれ
かを用いて決定する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者らは、羽口冷却能を一定
に保つには吹き止め条件を基準とした炭素濃度と溶鉄温
度に基づく制御が重要であるという知見を得た。パラメ
ータA式は、その制御方法を示した式である。
に保つには吹き止め条件を基準とした炭素濃度と溶鉄温
度に基づく制御が重要であるという知見を得た。パラメ
ータA式は、その制御方法を示した式である。
【0014】
【数5】
【0015】ここで、Cはガス比熱(kcal/m2/K)、Qは
ガス流量(Nm3/s)、qは有効反応熱(kcal/Nm3)で下添え
字のi、jはガス種類を示し、iは攪拌用ガスをjは冷
却用ガスを示す。また、nは攪拌換算係数であり、TEP
は吹き止め目標温度(℃)、TMEは吹き止めマッシュルー
ム生成温度である溶湯の固相線温度(℃)で、吹き止め炭
素濃度(CEP:%)を用いて(2)式で計算される。 TME=1536−179×CEP ……(2)
ガス流量(Nm3/s)、qは有効反応熱(kcal/Nm3)で下添え
字のi、jはガス種類を示し、iは攪拌用ガスをjは冷
却用ガスを示す。また、nは攪拌換算係数であり、TEP
は吹き止め目標温度(℃)、TMEは吹き止めマッシュルー
ム生成温度である溶湯の固相線温度(℃)で、吹き止め炭
素濃度(CEP:%)を用いて(2)式で計算される。 TME=1536−179×CEP ……(2)
【0016】パラメータAにおいて、分子はガスの顕熱
と潜熱による冷却量を示し、分母は溶鉄からマッシュル
ームが受ける受熱量を示している。さらに、分子の第1
項はガスの顕熱による冷却であり、第2項は反応熱(潜
熱)による冷却又は発熱量である。パラメータAにおい
て、従来知見では得られなかった重要なる要因が3つ含
まれている。
と潜熱による冷却量を示し、分母は溶鉄からマッシュル
ームが受ける受熱量を示している。さらに、分子の第1
項はガスの顕熱による冷却であり、第2項は反応熱(潜
熱)による冷却又は発熱量である。パラメータAにおい
て、従来知見では得られなかった重要なる要因が3つ含
まれている。
【0017】1)羽口冷却のために必要なマッシュルー
ムが安定して生成する条件は吹き止め時の鋼浴組成で計
算される固相線温度と吹き止め温度により決まる。つま
り、吹き止め条件を考慮した上で冷却条件を適正にする
ことで、羽口寿命の大幅な増加が可能となる。これは、
吹き止め時にマッシュルームを適正にしない限り、出
鋼、排滓、炉補修、次チャージの溶銑装入といった精錬
以外の時期において、安定して羽口が保護されないため
である。
ムが安定して生成する条件は吹き止め時の鋼浴組成で計
算される固相線温度と吹き止め温度により決まる。つま
り、吹き止め条件を考慮した上で冷却条件を適正にする
ことで、羽口寿命の大幅な増加が可能となる。これは、
吹き止め時にマッシュルームを適正にしない限り、出
鋼、排滓、炉補修、次チャージの溶銑装入といった精錬
以外の時期において、安定して羽口が保護されないため
である。
【0018】2)羽口先端の冷却バランスに有効に作用
する有効反応熱(q)は、熱力学的に計算される潜熱では
なく反応速度に依存した値となる。つまり、反応速度が
早い場合はほとんどが羽口先端の冷却に寄与するが、反
応速度が小さい場合には羽口先端での冷却に寄与する分
は少なくなり、溶鉄内部までガスが侵入した後に反応す
ることになる。ここで、本発明者らの詳細なる実験によ
り、各ガスの有効反応熱(q:kcal/Nm3)は以下のように
決定された。ここで、マイナスは発熱、プラスは吸熱を
示す。尚、溶鉄との反応が無い、Ar、N2、COにつ
いてはqはゼロである。 CO2 :+65kcal/Nm3 LPG:+810kcal/Nm3 O2 :−4190kcal/Nm3
する有効反応熱(q)は、熱力学的に計算される潜熱では
なく反応速度に依存した値となる。つまり、反応速度が
早い場合はほとんどが羽口先端の冷却に寄与するが、反
応速度が小さい場合には羽口先端での冷却に寄与する分
は少なくなり、溶鉄内部までガスが侵入した後に反応す
ることになる。ここで、本発明者らの詳細なる実験によ
り、各ガスの有効反応熱(q:kcal/Nm3)は以下のように
決定された。ここで、マイナスは発熱、プラスは吸熱を
示す。尚、溶鉄との反応が無い、Ar、N2、COにつ
いてはqはゼロである。 CO2 :+65kcal/Nm3 LPG:+810kcal/Nm3 O2 :−4190kcal/Nm3
【0019】3)マッシュルームの受けうる受熱量はガ
ス流量の0.3乗に比例する。これは、羽口から供給さ
れたガスによる溶鉄の攪拌に伴い、マッシュルーム周囲
の流動状態が変化して熱伝達係数に影響を及ぼすことを
示している。また、各ガスは溶湯内で反応し攪拌力が大
きくなるため、各ガスについて攪拌換算係数nを乗じる
必要があり、それぞれ、1(Ar、N2の場合)、2
(CO、CO2、O2の場合)、4(LPGの場合)であ
る。尚、Cについては、以下の数値である。 Ar :0.222kcal/m2/K N2 :0.309kcal/m2 /K CO :0.310kcal/m2/K CO2 :0.497kcal/m2/K LPG:1.346kcal/m2/K O2 :0.342kcal/m2/K
ス流量の0.3乗に比例する。これは、羽口から供給さ
れたガスによる溶鉄の攪拌に伴い、マッシュルーム周囲
の流動状態が変化して熱伝達係数に影響を及ぼすことを
示している。また、各ガスは溶湯内で反応し攪拌力が大
きくなるため、各ガスについて攪拌換算係数nを乗じる
必要があり、それぞれ、1(Ar、N2の場合)、2
(CO、CO2、O2の場合)、4(LPGの場合)であ
る。尚、Cについては、以下の数値である。 Ar :0.222kcal/m2/K N2 :0.309kcal/m2 /K CO :0.310kcal/m2/K CO2 :0.497kcal/m2/K LPG:1.346kcal/m2/K O2 :0.342kcal/m2/K
【0020】前記(1)に係る発明において、Aを0.
07〜0.50とした理由は、第1図に示すように、A
が0.07よりも小さい場合にはマッシュルームが小さ
いため、次チャージの精錬が開始する前にマッシュルー
ムが剥離し羽口寿命が低下し、0.50よりも大きい場
合にはマッシュルームが過大成長するため、次チャージ
の精錬が開始する時に羽口通気性が悪化し必要ガス流量
が供給できなくなるためである。冷却制御は、ガス流
量、ガス組成のいずれか一方又は両方を変化させること
で可能となる。
07〜0.50とした理由は、第1図に示すように、A
が0.07よりも小さい場合にはマッシュルームが小さ
いため、次チャージの精錬が開始する前にマッシュルー
ムが剥離し羽口寿命が低下し、0.50よりも大きい場
合にはマッシュルームが過大成長するため、次チャージ
の精錬が開始する時に羽口通気性が悪化し必要ガス流量
が供給できなくなるためである。冷却制御は、ガス流
量、ガス組成のいずれか一方又は両方を変化させること
で可能となる。
【0021】前記(2)に係る発明は、さらに羽口寿命
を向上させるために、精錬中にも羽口の冷却条件を一定
に保つ条件を定義したもので、パラメータBを精錬中に
0.11〜0.40に制御するものである。
を向上させるために、精錬中にも羽口の冷却条件を一定
に保つ条件を定義したもので、パラメータBを精錬中に
0.11〜0.40に制御するものである。
【0022】
【数6】
【0023】ここで、Cはガス比熱(kcal/m2/K)、Qは
ガス流量(Nm3/s)、qは有効反応熱(kcal/Nm3)で下添え
字のi、jはガス種類を示し、iは攪拌用ガスをjは冷
却用ガスを示す。また、nは攪拌換算係数であり、Tは
吹錬中の溶鉄温度(℃)、TMRは吹錬中マッシュルーム生
成温度である溶湯の固相線温度(℃)で、吹錬中の炭素濃
度(C:%)により(4)式で示される。 TMR=1536−181.8×C (C<2.14) TMR=1147 (C≧2.14)……(4)
ガス流量(Nm3/s)、qは有効反応熱(kcal/Nm3)で下添え
字のi、jはガス種類を示し、iは攪拌用ガスをjは冷
却用ガスを示す。また、nは攪拌換算係数であり、Tは
吹錬中の溶鉄温度(℃)、TMRは吹錬中マッシュルーム生
成温度である溶湯の固相線温度(℃)で、吹錬中の炭素濃
度(C:%)により(4)式で示される。 TMR=1536−181.8×C (C<2.14) TMR=1147 (C≧2.14)……(4)
【0024】パラメータBにおいて、従来知見では得ら
れなかった以下の重要なる要因が含まれている。 1)吹錬中の羽口冷却のために必要なマッシュルームが
安定して生成する温度は、液相線温度には対応せず、本
発明者らにより見出された(4)式で示されるマッシュル
ーム生成温度である溶湯の固相線温度 (TMR)で表され
る。
れなかった以下の重要なる要因が含まれている。 1)吹錬中の羽口冷却のために必要なマッシュルームが
安定して生成する温度は、液相線温度には対応せず、本
発明者らにより見出された(4)式で示されるマッシュル
ーム生成温度である溶湯の固相線温度 (TMR)で表され
る。
【0025】Bを0.11〜0.40とした理由は、第
2図に示すように、Bが0.11よりも小さい場合には
精錬中にマッシュルームが小さいままで推移するため羽
口寿命が低下し、0.40よりも大きい場合には精錬中
にマッシュルームが過大成長するため通気性が悪化し必
要ガス流量が供給できなくなるためである。
2図に示すように、Bが0.11よりも小さい場合には
精錬中にマッシュルームが小さいままで推移するため羽
口寿命が低下し、0.40よりも大きい場合には精錬中
にマッシュルームが過大成長するため通気性が悪化し必
要ガス流量が供給できなくなるためである。
【0026】
【実施例】(実施例−1)実施例−1は300トン規模
の上底吹き転炉を用いて実施した。上吹きランスは45
mmφの7孔ランスを用い、酸素供給速度は70000Nm
3/Hrとした。底吹きは、内径24mmφで肉厚2.5mmの
ステンレス管を内管とし、内径32mmで肉厚3mmのステ
ンレス管を外管とした2重管羽口を炉底に4本配置し
た。基準条件としては、内管からは酸素を750Nm3/H
r、CO2を200Nm3/Hr供給したが、外管からはLPG
とCO2をパラーメータAを変化させるために、実験条
件により変化させた。溶鉄の炭素濃度は排ガス分析値と
排ガス流量、及び、サブランスによる中間測定値とによ
り推定し、溶鉄温度は熱収支計算で推定した。
の上底吹き転炉を用いて実施した。上吹きランスは45
mmφの7孔ランスを用い、酸素供給速度は70000Nm
3/Hrとした。底吹きは、内径24mmφで肉厚2.5mmの
ステンレス管を内管とし、内径32mmで肉厚3mmのステ
ンレス管を外管とした2重管羽口を炉底に4本配置し
た。基準条件としては、内管からは酸素を750Nm3/H
r、CO2を200Nm3/Hr供給したが、外管からはLPG
とCO2をパラーメータAを変化させるために、実験条
件により変化させた。溶鉄の炭素濃度は排ガス分析値と
排ガス流量、及び、サブランスによる中間測定値とによ
り推定し、溶鉄温度は熱収支計算で推定した。
【0027】第1表に各ガスの流量、吹き止め温度、吹
き止め炭素濃度、パラメータAと羽口の溶損速度を示す
が、Aが0.07〜0.50の範囲にある場合に溶損速
度は0.5mm/ch以下であることがわかる。
き止め炭素濃度、パラメータAと羽口の溶損速度を示す
が、Aが0.07〜0.50の範囲にある場合に溶損速
度は0.5mm/ch以下であることがわかる。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例−2)実施例−2も実施例−1と
同一の装置を用いた。吹錬中の溶鉄温度を、炉体に設け
た専用観察孔を通した光ファイバーを用いた連続測温方
法で測定し、また、炭素濃度をサブランスによるバッチ
測定と排ガス分析による連続測定とを組み合わせて推定
した。その値に基づきパラーメータBを0.20〜0.
30になるように、外管から供給するLPGとCO2の
流量を変化させた結果、溶損速度は0.25mm/chと極め
て僅かであった。
同一の装置を用いた。吹錬中の溶鉄温度を、炉体に設け
た専用観察孔を通した光ファイバーを用いた連続測温方
法で測定し、また、炭素濃度をサブランスによるバッチ
測定と排ガス分析による連続測定とを組み合わせて推定
した。その値に基づきパラーメータBを0.20〜0.
30になるように、外管から供給するLPGとCO2の
流量を変化させた結果、溶損速度は0.25mm/chと極め
て僅かであった。
【0030】
【発明の効果】本発明により、吹錬の条件に応じた炭素
濃度と溶鉄温度に追従させて、適正な冷却条件に制御す
るすることが可能となったため、安定したマッシュルー
ムを生成させることによる羽口寿命の向上が成し遂げら
れた。
濃度と溶鉄温度に追従させて、適正な冷却条件に制御す
るすることが可能となったため、安定したマッシュルー
ムを生成させることによる羽口寿命の向上が成し遂げら
れた。
【図1】溶損速度と吹き止め時のA値との関係を示す
図。
図。
【図2】溶損速度と吹錬中のB値との関係を示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 攪拌用ガスと羽口冷却用ガスを、互いに
接近した独立な流路を通して供給する底吹き羽口を冷却
する方法において、(1)式で示すパラメータAが0.
07〜0.50となるようにガス流量を制御することを
特徴とする底吹き羽口の冷却方法。 【数1】 ここで、Cはガス比熱(kcal/m2/K)、Qはガス流量(Nm3/
s)、qは有効反応熱(kcal/Nm3)で下添え字のi、jはガ
ス種類を示し、iは攪拌用ガスをjは冷却用ガスを示
す。また、nは攪拌換算係数であり、TEPは吹き止め目
標温度(℃)、TMEは吹き止めマッシュルーム生成温度で
ある溶湯の固相線温度(℃)で、吹き止め炭素濃度
(CEP:%)を用いて(2)式で計算される。 TME=1536−181.8×CEP ……(2) - 【請求項2】 請求項1において、(1)式のかわりに
炭素濃度及び溶鉄温度に基づいて、(3)式で示すパラ
メータBが0.11〜0.40となるようにガス流量を
制御することを特徴とする底吹き羽口の冷却方法。 【数2】 ここで、Cはガス比熱(kcal/m2/K)、Qはガス流量(Nm3/
s)、qは有効反応熱(kcal/Nm3)で下添え字のi、jはガ
ス種類を示し、iは攪拌用ガスをjは冷却用ガスを示
す。また、nは攪拌換算係数であり、Tは吹錬中の溶鉄
温度(℃)、TMRは吹錬中マッシュルーム生成温度である
溶湯の固相線温度(℃)で、吹錬中の炭素濃度(C:%)
により(4)式で示される。 TMR=1536−181.8×C (C<2.14) TMR=1147 (C≧2.14)……(4)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11023610A JP2000219908A (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 底吹き羽口の冷却方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11023610A JP2000219908A (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 底吹き羽口の冷却方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000219908A true JP2000219908A (ja) | 2000-08-08 |
Family
ID=12115392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11023610A Withdrawn JP2000219908A (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 底吹き羽口の冷却方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000219908A (ja) |
-
1999
- 1999-02-01 JP JP11023610A patent/JP2000219908A/ja not_active Withdrawn
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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