JP2000219090A - 車両の内装構造および内装材 - Google Patents

車両の内装構造および内装材

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JP2000219090A
JP2000219090A JP11022191A JP2219199A JP2000219090A JP 2000219090 A JP2000219090 A JP 2000219090A JP 11022191 A JP11022191 A JP 11022191A JP 2219199 A JP2219199 A JP 2219199A JP 2000219090 A JP2000219090 A JP 2000219090A
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air
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Kazuhiro Iida
一裕 飯田
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸音効果が優れると共に、車両走行時の通気
汚れの問題を簡単な構成により確実に防止することがで
きる車両の内装構造および内装材を提供する。 【解決手段】 車両のボデーパネルPの室内側の面に配
設される内装材1が、ボデーパネルP側に配置される通
気性を有する基材11と、該基材11の室内側に配置さ
れる通気性を有する表皮材12とからなり、内装材1を
介してドームランプ2がボデーパネルPに固設され、ボ
デーパネルPの室内側の面と内装材1との間と、車両の
室内Rとの通気を可能にする通気手段3を設けた。車両
の走行時に生じる気圧差によって、車両室内Rの空気
は、ランプカバー25に形成されたカバー通気部32を
通り、ランプ本体21に形成された本体通気部31を通
ってルーフパネル側の空間に流入するため、通気汚れが
発生することがない。内装材に非通気性の樹脂フィルム
等を使用していないため、吸音効果が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の内装構造お
よび内装材に関し、より詳しくは、ボデーパネルの室内
側の面に内装材が配設された車両の内装構造、および、
車両の内装に用いられる内装材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両のルーフパネル等ボデーパ
ネルの室内側には、内装材が設けられている。内装材
は、室内側に配置される通気性を有する表皮材と、ボデ
ーパネル側に配置される通気性を有する基材等とを積層
してなるものが用いられている。内装材は、車両の室内
の見栄えを良くするだけでなく、室内に侵入する騒音を
吸収する機能を有する。
【0003】このような機能を有する車両の内装材につ
いての従来の技術としては、実公平3−47946号公
報に開示されているように、ルーフパネルの端部に、車
体構成部材で形成された第1共鳴空間と、車体構成部材
に穿設された車室内に連通する第1共鳴孔と、で構成さ
れた第1共鳴器と、ルーフパネルの端部に、非通気性部
を備える内装材で構成され、前記第1共鳴孔を介して前
記第1共鳴空間に連通する第2共鳴空間と、前記内装材
に設けられ第2共鳴空間と車室内とを連通する第2共鳴
孔と、で構成された第2共鳴器と、が備えられているこ
とを特徴とする車両の吸音構造が知られている。
【0004】この車両の吸音構造における内装材は、車
室に面する側に、通気性を有する表皮材と、ルーフパネ
ルに面する側に、通気性を有し内装材の取付け形状を保
持する程度にやや剛性を有する内装裏材とが、2層に一
体化されている。そして、内装材は、その端部とシール
材との間において、表皮材と内装裏材の両者間に、非通
気性のフィルムを挟み込んでいる。その内装材の曲がり
部には車室と第2共鳴空間を連通するための第2共鳴孔
がフィルムと内装裏材に開口されている。
【0005】ところで、車両の走行時においては、内装
材の室内側の空間とルーフパネル側の空間との間に気圧
差が生じ、室内側の空気が表皮材や基材等を通過しルー
フパネル側に吸引される。このとき、室内側の空気に含
まれる塵や埃が表皮材に付着する現象が引き起こされて
表皮が汚れることとなる(以下、この現象を通気汚れと
いう)。特に、一般的な車両の天井内装材は、車室内の
印象を明るく演出する等のために、比較的明度の明るい
色が採用されており、通気汚れが発生するとその天井内
装材に付着した塵や埃が余計に目立つこととなる。
【0006】この通気汚れの問題を考慮した従来の技術
としては、特開平7−117571号公報や、実開平2
−64474号公報、特開平7−323789号公報等
に開示されたものが挙げられる。
【0007】特開平7−117571号公報に開示され
た車両用内装材は、ボデーパネル側に配置され、通気性
を有する基材と、この基材の室内側に配置され、通気性
を有する表皮材と、基材と表皮材との間に設けられ、通
気性を有するクッション材とを有し、前記基材と前記ク
ッション材との間に非通気性の樹脂フィルムを配置し、
かつ、この樹脂フィルムによってクッション材を基材に
接着したことを特徴とするものである。
【0008】この車両用内装材にあっては、『基材とク
ッション材との間に非通気性の樹脂フィルムを配置した
ので、室内側空間の空気は表皮材、クッション材を通過
し得ても、基材側を通過することができないため、表皮
が車室内空間の塵や埃によって汚れるのを極力抑えるこ
とができる。』等と記載されている。
【0009】一方、実開平2−64474号公報に開示
された車両用ルーフの吸音構造は、車両のルーフパネル
とこのルーフパネルに対して離間して装着される通気性
を備えたルーフ用内装材との間に、ルーフ周縁のやや内
側に沿って枠状のバリア部材を配設し、このバリア部材
に包囲される空間部への空気流れを遮断すると共に、空
気通路と車室内とを区画する部位の内装材を非通気構造
としたことを特徴とするものである。
【0010】この車両用ルーフの吸音構造にあっては、
『ルーフ周縁のやや内側に沿って枠状のバリア部材が設
定され、このバリア部材により、空間部内へ空気流れが
遮断され、車両走行時、この空間部内に負圧が加わるこ
とがないため、ルーフ用内装材を通して車室内からの空
気流れが可及的に防止できる。さらに、バリア部材の外
周に沿って形成される空気通路の下面側に位置するルー
フ内装材には非通気構造が採用されるため、この部位に
おいても、車室内から空気通路への空気の流れが防止で
きる。このように、ルーフ用内装材全体を通して、車室
内から裏面側への空気流れが確実に防止できるためルー
フ用内装材の汚損が確実に防止できるとともに、吸音性
能が低下することもない。』等と記載されている。
【0011】なお、特開平7−323789号公報にあ
っては、吸音材自体の具体的な構造についての図示され
ていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術のう
ち、実公平3−47946号公報に開示された車両の吸
音構造にあっては、フィルムに車室と第2共鳴空間を連
通するための第2共鳴孔が開口されているため、上述し
たように、車両走行時の通気汚れの問題が引き起こされ
る、すなわち、表皮材の第2共鳴孔と対応する部位が汚
れるという問題があった。
【0013】一方、特開平7−117571号公報に開
示された車両用内装材にあっては、その全面にわたって
非通気性の樹脂フィルムが配置されるため、室内側の騒
音、すなわち空気の振動あるいは音圧が通気性を有する
基材に伝播されにくくなり減衰されないために、室内に
侵入する騒音を吸収する機能(吸音効果)が低下すると
いう問題があった。そして、この吸音効果を高めるため
に、非通気性の樹脂フィルムを配置しない場合には、上
述したように内装材の室内側の空間とルーフパネル側の
空間との間に生じる気圧差によって、通気汚れが引き起
こされるという問題がある。さらに、この車両用内装材
にあっては、通気汚れを防止するために、内装材の全面
にわたって非通気性の樹脂フィルムを配置する必要があ
る。そのため、樹脂フィルムの分の材料コストや、その
配置および接着のための手間あるいは時間による加工コ
スト等、製造コストがかかるという問題があった。ま
た、基材とクッション材との間における樹脂フィルムの
配置が完全でなく、あるいは樹脂フィルムにピンホール
や裂け目等が発生して室内側空間の空気が基材側に通過
する場合には、その部分に通気汚れが発生する。このよ
うに、内装材の室内側の空間とルーフパネル側の空間と
の間の気圧差を完全且つ確実に防止することは困難が伴
うという問題があった。
【0014】また、実開平2−64474号公報に開示
された車両用ルーフの吸音構造にあっても、バリア部材
に包囲される空間部への空気流れを遮断すると共に、空
気通路と車室内とを区画する部位を非通気構造とするた
めに、バリア部材を気密性材料により構成したり、ある
いは気密性シートを用いる必要があり、製造コストがか
かるという問題があった。また、この吸引構造にあって
も、完全且つ確実にバリア部材に包囲される空間部の空
気流れを遮断したり、気密性シートによる空気通路と車
室内とを区画する部位を非通気とすることは、困難が伴
うという問題があった。
【0015】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、吸音効果が優れると共に、車両走行時の通気汚れの
問題を簡単な構成により確実に防止することができる車
両の内装構造および内装材を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両の内装構
造に係る発明は、上記課題を解決するため、車両のボデ
ーパネルの室内側の面に配設される内装材が、ボデーパ
ネル側に配置される通気性を有する基材と、該基材の室
内側に配置される通気性を有する表皮材とからなり、該
内装材を介して内装部品がボデーパネルに固設され、ボ
デーパネルの室内側の面と内装材との間と、車両の室内
との通気を可能にする通気手段が設けられたことを特徴
とするものである。
【0017】また、請求項2の車両の内装材に係る発明
は、上記課題を解決するため、車両のボデーパネル側に
配置される通気性を有する基材と、該基材の室内側に配
置される通気性を有する表皮材と、通気性を有し、基材
と表皮材との間に配設されて、両者の間を選択的に通気
させることを許容する部位を形成する選択通気部材と、
を備え、表皮材の室内側の面の選択通気部材が配設され
ていない部位と対応する部位に、選択通気部材が配設さ
れた部位と対応する部位の明度よりも暗い明度の色彩に
着色したことを特徴とするものである。
【0018】請求項1の車両の内装構造に係る発明で
は、内装材の室内側の空間とルーフパネル側の空間との
間に気圧差が生じた場合には、通気手段を介して空気が
流通するため、その空気に含まれる塵や埃が内装材に付
着し汚れることが防止される。また、内装材が、非通気
性のフィルム等を用いることなく、基材と表皮材とによ
り構成され、これらの構成材がそれぞれ通気性を有して
いることにより、車両の騒音となる室内の空気の振動あ
るいは音圧が内装材によって確実に減衰される、すなわ
ち、室内に侵入した騒音が吸収される。
【0019】また、請求項2の内装材に係る発明では、
内装材の室内側の空間とルーフパネル側の空間との間に
気圧差が生じた場合に、空気は、基材と表皮材との間の
主に選択通気部材が配設されていない部位を介して選択
的に通気する。そして、この通気する際に空気に含まれ
る塵や埃は、表皮材の室内側の面の選択通気部材が配設
された部位と対応する部位の明度よりも暗い明度の色彩
に着色された部位に付着する。そのため、表皮材の汚れ
が目立つことはない。さらに、内装材が、非通気性のフ
ィルム等を用いることなく、基材と表皮材と選択通気部
材とにより構成され、これらの構成材がそれぞれ通気性
を有していることにより、車両の騒音となる室内の空気
の振動あるいは音圧が内装材によって確実に減衰され
る、すなわち、室内に侵入した騒音が吸収される。
【0020】
【発明の実施の形態】最初に、本発明の車両の内装構造
の実施の一形態を、図1〜図4に基づいて詳細に説明す
る。なお、図において同一符号は同一部分または相当部
分とする。
【0021】本発明の車両の内装構造は、概略、車両の
ボデーパネルPの室内側の面に配設される内装材1が、
ボデーパネルP側に配置される通気性を有する基材11
と、該基材11の室内側に配置される通気性を有する表
皮材12とからなり、該内装材1を介して内装部品2が
ボデーパネルPに固設され、ボデーパネルPの室内側の
面と内装材1との間と、車両の室内Rとの通気を可能に
する通気手段3が設けられたものである。なお、この実
施の形態においては、車両のボデーパネルPがルーフパ
ネルであり、内装材1が車両室内Rの天井を構成するも
のであり、内装部品2が天井灯や室内灯等のドームラン
プである場合によって説明する。
【0022】図1に示すように、車両のルーフパネルP
の下面には、所定の遮音性能を有するルーフサイレンサ
パッド5が配設されており、このルーフサイレンサパッ
ド5の下面(室内側)に車両室内Rの天井を構成する内
装材1が配設される。車両のルーフパネルPの幅方向の
端部には、閉断面構造のルーフサイドレール6が形成さ
れており、その下側にはドアオープニングトリム7が設
けられている。内装材1は、その幅方向端部近傍がルー
フパネルPの形状に沿って湾曲するように成形されてお
り、また、幅方向端縁がドアオープニングトリム7のク
リップ部7aに嵌め込まれ固定される。
【0023】図2に示すように、この実施の形態におけ
る内装材1は、室内側に配置される表皮材12と、この
表皮材12の室外側の面に設けられるクッション材13
と、このクッション材13の室外側に配置される基材1
1と、クッション材13と基材11との間に介装されて
両者13,11を接着し一体に保持するホットメルトフ
ィルム15とにより構成されている。
【0024】表皮材12は、例えば、ファブリック、不
織布等、通気性を有する材質により構成される。クッシ
ョン材13は、弾性および通気性を有する、例えば、ス
ラブウレタン等の材質からなるものである。また、クッ
ション材13は、成形時に熱溶着等によって表皮材12
と一体化され、この一体化された状態で表皮材12との
間も通気性を有する。なお、クッション材13は、必要
に応じて設けられるもので、内装材1によっては設けら
れない場合もある。基材11は、例えば、ガラスウー
ル、レジンフェルト、木質マット等、表皮材12やクッ
ション材13と同様に、通気性を有する材質によって構
成されるもので、内装材1の形状の保持機能と吸音機能
とを果たすためのものである。ホットメルトフィルム1
5は、加熱されることにより溶融化し接着機能を果たす
ものであるが、さらに、従来の技術における非通気性の
樹脂フィルムとは異なり、クッション材13と基材11
とを接着した状態においても通気性を有する材質が選択
採用されている。したがって、クッション材13と一体
化された(図2に示した実施の形態の場合)表皮材12
と基材11とは、ホットメルトフィルム15によって、
接着され一体に保持されているが、両者12,11の間
の通気性が損なわれないように構成されている。
【0025】図3に示すように、車両のルーフパネルP
の下面には、ルーフパネル補強材Paが設けられてい
る。そして、内装材1のルーフパネル補強材Paと対応
する位置には、ドームランプ2のランプ本体21の取付
け部21aを挿通するための孔1aが形成されている。
ランプ本体21の取付け部21aは、ボルトまたはタッ
ピンねじ等の締結部材22が挿通されており、内装材1
の孔1aに挿入した状態で、締結部材22をルーフパネ
ル補強材Paに対して螺合し締め付けることにより、内
装材1を介してドームランプ2がルーフパネルPに固設
されることとなる。ランプ本体21のルーフパネル側の
外周縁と内装材1の孔1aの周囲とは当接されており、
この両者21,1の当接面の間で空気が流通することは
ない。なお、図3では、図1に示したルーフサイレント
パッド5と、図2に示したクッション材13およびホッ
トメルトフィルム15との図示は省略されている。
【0026】ランプ本体21の室内側には、必要に応じ
て点灯するランプ23が設けられ、このランプ23を覆
うように透光性を有するランプカバー25が取付けられ
ている。そしてこの実施の形態では、通気手段3とし
て、ランプ本体21には、そのルーフパネル側の面と室
内側の面とにわたって貫通する孔状の本体通気部31が
形成されており、また、ランプカバー25には、その内
側と外側にわたって連通する切欠状のカバー通気部32
が形成されている。本体通気部31およびカバー通気部
32は、複数形成することが望ましいが、ボデーパネル
Pの室内側の面と内装材1との間と、車両の室内Rとの
通気を可能にすることができるものであれば、その数が
特に限定されることはない。
【0027】以上のように構成された本発明の車両の内
装構造の作動について説明する。既述したように、車両
の走行時には、内装材1の室内側の空間の気圧に比し
て、ルーフパネルP側の空間の気圧が低くなり、両空間
の間に気圧差が生じる。したがって、室内側の空間の空
気は、ルーフパネル側の空間へと吸引されることとな
る。このとき、車両室内Rの空気は、ランプカバー25
に形成されたカバー通気部32を通ってその内部に流入
し、ランプ本体21に形成された本体通気部31を通っ
てルーフパネル側の空間に流入し、やがては車外へと排
出されることとなる。そして、室内側からルーフパネル
側の空間へと吸引されるとき、塵や埃を含む室内の空気
は、内装材1が通気性を有しているものの、通気抵抗の
少ないカバー通気部32および本体通気部31を通って
ルーフパネル側の空間に流出される。そのため、内装材
1の表面が通気汚れによって汚損されることを防止する
ことができる。一例として、ランプ本体21に直径2m
mの本体通気部31が10か所形成された本発明の内装
構造の車両を、実際に10000kmのテスト走行を行
ったところ、通気汚れは確認されなかった。
【0028】さらに、本発明の車両の内装構造では、従
来の技術のような非通気性のシートが用いられておら
ず、表皮材12および基材11が通気性を有しているこ
とにより、室内Rに侵入してきた騒音、すなわち空気の
振動あるいは音圧を直接減衰することができるため、吸
音効果が向上する。図4は、従来の技術である非通気性
のシートを有する内装材を用いた内装構造(破線で示し
た)と本発明による内装構造(実線で示した)との、オ
クターブバンド幅周波数における音圧レベルをそれぞれ
測定した結果を示したグラフである。そして、図4中に
斜線で示された部分は、従来の技術と本発明との測定さ
れた音圧レベルの差を表している。図4からも明らかな
ように、本発明による内装構造は、従来の技術と比較し
て、各オクターブバンド幅周波数において測定された音
圧レベルが低く、吸音効果に優れていることが証明され
た。
【0029】次に、本発明の車両の内装材50の実施の
一形態を図5〜図7に基づいて詳細に説明する。なお、
上述した車両の内装構造の実施の形態と同様の部分また
は相当する部分については同じ符号を付してその説明を
省略する。
【0030】本発明の車両の内装材50は、概略、車両
のボデーパネル側に配置される通気性を有する基材11
と、該基材11の室内側に配置される通気性を有する表
皮材52と、通気性を有し、基材11と表皮材52との
間に配設されて、両者の間を選択的に通気させることを
許容する部位を形成する選択通気部材55と、を備え、
表皮材52の室内側の面の選択通気部材55が配設され
ていない部位55aと対応する部位52aに、選択通気
部材55が配設された部位55bと対応する部位52b
の明度よりも暗い明度の色彩に着色したものである。な
お、この実施の形態においても、車両のボデーパネルが
ルーフパネルPであり、内装材50が車両室内Rの天井
を構成するものである場合によって説明する。
【0031】図5および図6に示すように、表皮材52
と基材11とは、間に介装されたホットメルトフィルム
55により、接着され一体に保持されている。ホットメ
ルトフィルム55は、図5に参照されるように、斜線で
示された部位52a(この部位については、後に詳しく
説明する)と対応する部位がそれぞれ開口するように孔
55aが形成された略格子状に形成されてなるもので、
表皮材52と基材11とを接着した状態においても通気
性を有する材質が選択採用されている。しかしながら、
ホットメルトフィルム55が通気性を有しているもの
の、このホットメルトフィルム55が介装されている部
位55bと、ホットメルトフィルム55が介装されてい
ない(すなわち、孔55aが形成された)部位とを比較
した場合、表皮材52と基材11との間の通気性は、ホ
ットメルトフィルム55が介装されている部位55bよ
りも、介装されていない部位55aの方が通気性が優れ
ることとなる。この実施の形態において略格子状に形成
されたホットメルトフィルム55は、孔55aを形成さ
れた部位が基材11と表皮材52との間を選択的に通気
させることを許容する。したがって、本発明における選
択通気部材は、孔55aが形成された通気性を有するホ
ットメルトフィルム55により構成されている。
【0032】さらに、この実施の形態における内装材5
0は、図5に斜線で示すように、表皮材52の室内側の
面のホットメルトフィルム55に形成された孔55aと
対応する部位52aには、ホットメルトフィルム55が
介装された部位55bの明度よりも暗い明度の色彩が着
色されている。この表皮材52の着色された部位52a
は、着色されていない部位52bと比較して通気性が変
化しないものであれば、予め着色された糸を織り込んだ
り(ファブリックの場合)、染色する(不織布の場合)
等によって形成することができる。
【0033】なお、ホットメルトフィルム55が介装さ
れていない部位55aと対応して着色された表皮材52
の表面の部位52aの明度指数はL値=30以下とする
ことが望ましい。図示した実施の形態においては、ホッ
トメルトフィルム55を矩形の孔が形成された格子状に
形成し、表皮材52の表面の着色された部位52aも矩
形に形成した場合によって説明したが、本発明はこれに
限定されることなく、ホットメルトフィルム55に形成
する孔55aおよび表皮材52の着色する部位52aの
形状を丸や円、三角、菱形など、表皮材52の意匠に応
じて形成することができる。また、図5には、内装材5
0の一部のみが示されており、表皮材52の表面に着色
される部位52aの数や大きさも限定されることはな
い。
【0034】また、本発明の内装材50は、基材と表皮
材との間の通気性を有するホットメルトフィルムを一部
分のみに配設し、車両室内の天井の略全面にわたって両
者の間が通気することが可能な部位を形成すると共に、
表皮材の略全面を一般的な表皮材の明度と比較して暗い
明度の色彩に着色することもできる。さらに、本発明の
内装材50は、車両室内Rの天井を構成する全体のうち
の一部分のみに採用し、他の部分については従来の技術
と同様に、非通気性の樹脂フィルム(図示は省略する)
が基材11と表皮材52との間等に配置された内装材5
0を用いることもできる。そして、本発明の内装材50
は、上述した車両の内装構造で説明した実施の形態と同
様に、通気性を有するクッション材13を必要に応じて
ホットメルトフィルム55と表皮材52または基材11
との間に配設することもできる。
【0035】以上のように構成された本発明の車両の内
装材の作動について説明する。既述したように、車両の
走行時には、内装材50の室内側の空間とルーフパネル
側の空間との間に気圧差が生じ、室内Rの空気がルーフ
パネル側の空間へと吸引されることとなる。このとき、
表皮材52と基材11との間の通気性は、孔55aを形
成することによりホットメルトフィルム55の介装され
ていない部位55aの方が、ホットメルトフィルム55
を介装されている部位55bに比べて良好となる。した
がって、車両室内Rの空気は、表皮材52のホットメル
トフィルム55に形成された孔55aと対応して着色さ
れた部位52aから、ホットメルトフィルム55に形成
された孔55aを通り、基材11を介してルーフパネル
側の空間に流入し、やがては車外へと排出されることと
なる。そして、塵や埃を含む室内の空気は、表皮材52
の表面の、ホットメルトフィルム55が介装された部位
52bの明度よりも暗い明度の色彩が着色されている部
位52aからほぼ吸引されるため、表皮材52のホット
メルトフィルム55が介装されている部位55bと対応
する一般的な明度の色彩の部位52bに通気汚れが発生
することがない。一例として、ホットメルトフィルム5
5に形成された孔55aおよびこの孔55aと対応して
表皮材52の表面に着色される部位52aを、各一辺が
50mm×50mmの矩形の大きさで10か所に設け、
そして、表皮材52の着色された部位52aの色彩を黒
色に設定した。そして、このような内装材50が取付け
られた車両を実際に10000kmのテスト走行を行っ
たところ、表皮材52の着色されていない一般的な明度
の色彩の部位52bに通気汚れは確認されなかった。
【0036】さらに、本発明の車両の内装材50では、
従来の技術のような非通気性のシートが用いられておら
ず、表皮材52、基材11および選択通気部材であるホ
ットメルトフィルム55が通気性を有していることによ
り、車両室内Rに侵入してきた騒音、すなわち空気の振
動あるいは音圧を直接減衰することができるため、吸音
効果が向上する。図7は、図4と同様に、従来の技術で
ある非通気性のシートを有する内装材を用いた内装構造
(破線で示した)と本発明による内装材(実線で示し
た)との、オクターブバンド幅周波数における音圧レベ
ルをそれぞれ測定した結果を示したグラフである。そし
て、図7中に斜線で示された部分は、従来の技術と本発
明との測定された音圧レベルの差を表している。図7か
らも明らかなように、本発明による内装材50は、図4
に示された測定結果と特性が異なるが、従来の技術と比
較して、各オクターブバンド幅周波数において測定され
た音圧レベルが低く、吸音効果に優れていることが証明
された。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、内装材を、ボ
デーパネル側に配置される通気性を有する基材と、該基
材の室内側に配置される通気性を有する表皮材とにより
構成し、該内装材を介して内装部品をボデーパネルに固
設し、ボデーパネルの室内側の面と内装材との間と、車
両の室内との通気を可能にする通気手段を設たことによ
り、吸音効果が優れると共に、車両走行時の通気汚れの
問題を簡単な構成により確実に防止することができる車
両の内装構造を提供することができる。
【0038】請求項2の発明によれば、車両のボデーパ
ネル側に配置される通気性を有する基材と、該基材の室
内側に配置される通気性を有する表皮材と、通気性を有
し、基材と表皮材との間に配設されて、両者の間を選択
的に通気させることを許容する部位を形成する選択通気
部材と、を備え、表皮材の室内側の面の選択通気部材が
配設されていない部位と対応する部位に、選択通気部材
が配設された部位と対応する部位の明度よりも暗い明度
の色彩に着色したことにより、吸音効果が優れると共
に、車両走行時の通気汚れの問題を簡単な構成により確
実に防止することができる車両の内装材を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両のルーフサイド付近を示す断面図である。
【図2】本発明の車両の内装構造における内装材の実施
の一形態を示す断面図である。
【図3】本発明の車両の内装構造の実施の一形態を示す
断面図である。
【図4】従来の技術である非通気性のシートを有する内
装材を用いた内装構造(破線)と本発明による内装構造
(実線)との、オクターブバンド幅周波数における音圧
レベルをそれぞれ測定した結果とその音圧レベルの差を
示したグラフである。
【図5】本発明の車両の内装材の着色された部位が形成
された表皮材の表面の実施の一形態を示す下面図であ
る。
【図6】本発明の内装材の実施の一形態を示す断面図で
ある。
【図7】従来の技術である非通気性のシートを有する内
装材を用いた内装構造(破線)と本発明による内装材
(実線)との、オクターブバンド幅周波数における音圧
レベルをそれぞれ測定した結果とその音圧レベルの差を
示したグラフである。
【符号の説明】
P 車両のルーフパネル(車両のボデーパネル) R 車両の室内 1 内装材 2 ドームランプ(内装部品) 3 通気手段 11 基材 12 表皮材 31 本体通気部(通気手段) 32 カバー通気部(通気手段) 50 内装材 52 表皮材 52a 暗い明度に着色された部位 52b 一般的な明度の部位 55 ホットメルトフィルム(選択通気部材) 55a 孔(選択通気部材が配設されていない部位) 55b ホットメルトフィルムが介装された部位(選択
通気部材が配設された部位)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のボデーパネルの室内側の面に配設
    される内装材が、ボデーパネル側に配置される通気性を
    有する基材と、該基材の室内側に配置される通気性を有
    する表皮材とからなり、 該内装材を介して内装部品がボデーパネルに固設され、 ボデーパネルの室内側の面と内装材との間と、車両の室
    内との通気を可能にする通気手段が設けられた、ことを
    特徴とする車両の内装構造。
  2. 【請求項2】 車両のボデーパネル側に配置される通気
    性を有する基材と、 該基材の室内側に配置される通気性を有する表皮材と、 通気性を有し、基材と表皮材との間に配設されて、両者
    の間を選択的に通気させることを許容する部位を形成す
    る選択通気部材と、を備え、 表皮材の室内側の面の選択通気部材が配設されていない
    部位と対応する部位に、選択通気部材が配設された部位
    と対応する部位の明度よりも暗い明度の色彩に着色した
    ことを特徴とする車両の内装材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6758741B2 (en) * 2002-10-07 2004-07-06 Denso Corporation Vehicle interior structure which can uniformly ventilate interior of vehicle
JP2012126303A (ja) * 2010-12-16 2012-07-05 Toyota Motor Corp 車両の天井構造

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