JP2000218481A - ガラス板表面の筋状凹凸の除去方法および筋状凹凸を減じたガラス板 - Google Patents

ガラス板表面の筋状凹凸の除去方法および筋状凹凸を減じたガラス板

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JP2000218481A
JP2000218481A JP1904799A JP1904799A JP2000218481A JP 2000218481 A JP2000218481 A JP 2000218481A JP 1904799 A JP1904799 A JP 1904799A JP 1904799 A JP1904799 A JP 1904799A JP 2000218481 A JP2000218481 A JP 2000218481A
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glass
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polishing
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Hiroshi Komura
浩史 小村
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 STN型液晶表示素子用のガラス板に要求さ
れる優れた表面平坦度を有するガラス板を、加工効率よ
くフロートガラス素板から得る研磨方法を提供する。 【解決手段】 セラミックス製のガラス板保持側定盤の
ガラス板貼付面にフロートガラス板を貼りつけて保持
し、その後ガラス板に対向配置した研磨パッドを貼りつ
けた定盤の研磨パッドに、ガラス板を押しつけながら定
盤を回転させるとともに、研磨パッドに酸化セリウム研
磨液を供給してガラス板表面をポリッシングする。この
とき、ガラス板貼付面の表面平坦度を3μm以下とす
る。表面凹凸が0.05μmとなるように研磨したガラ
ス板は、表示ムラのない高品質の液晶表示を可能とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融錫の上を移動
しながら板状に成形されたフロートガラス板のガラス成
形時に、移動方向に生じた筋状の凹凸を除去する方法に
関する。また、本発明は、筋状凹凸が除去されることに
より液晶表示のガラス板として用いたとき、表示ムラが
生じない表示を可能とするガラス板に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示用のガラス板は、表面の平坦度
が厳しく要求されるガラス板であり、通常この平坦度を
達成するために溶融錫上をガラスを移動させながら板状
に成形するフロート式製造装置で製造される。
【0003】しかしながら、STN(スーパーツイステ
ッドネマチック)液晶表示素子は、表示ムラがガラス表
面のわずかな凹凸により影響を受けて生じることが知ら
れており、このため良好な平坦性が要求される。したが
って、上記方法で製造したフロートガラス板を、酸化セ
リウムなどの微粉末研磨剤を用いてポリッシング研磨す
る場合がある。
【0004】ガラス表面に存在する筋状の凹凸を、その
ガラス表面から除去あるいは表示ムラが生じない程度に
するために、ガラス表面を研磨することが行われてい
る。このとき、ガラス板をアルミニウム、鋳鉄、ステン
レスなどの金属製の回転可能なガラス板保持側定盤に保
持し、ガラス板を対向配置した金属製の回転可能な定盤
に押し当て、ガラス板表面を研磨する方法が採用されて
いた。
【0005】一方、液晶表示用のガラス板に比べてサイ
ズが小さい半導体ウエーハの表面を研磨する方法が、特
公平7−1759号公報に開示されている。この公報に
よれば、ガラス、セラミックス等の材質のウエーハ保持
プレートに半導体ウエーハを貼りつけ、このウエーハ保
持プレートを対向配置させた定盤に押し当てながらウエ
ーハ保持プレートと定盤とを同一軸中心に回転させる方
法が開示されている。また、特開平8−323615号
公報には、半導体ウエーハを研磨するための研磨装置が
開示されている。その装置では、ウエーハを保持する定
盤と反対側の定盤の表面をアルミナ等のセラミックス製
の円板を用いることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示は、現在ノー
ト型パソコンの表示画面に多く用いられており、液晶表
示素子の製造コストを低減させるために、一枚のガラス
板から複数の表示画面を得るいわゆる多面取りの製造方
法が採用されている。それに要するガラス板のサイズ
は、液晶表示サイズの大型化に伴って、また多面取り数
の増加に伴って大きくなってきている。
【0007】このため、フロート製造方法で製造される
ガラス板は、表面平滑性がよく、かつ、大きなサイズの
ガラス板を得るのに適しており、とりわけSTN液晶表
示用のガラス板として大量に用いられている。
【0008】ところで、STN方式で液晶表示素子を製
造する場合、表示品質(表示ムラあるいは色ムラとも言
われる)が液晶セルを構成する2枚のガラス板の液晶と
接する側の面の凹凸に影響を受けることが知られてお
り、フロートガラス板を未研磨で用いた場合、フロート
ガラス板の製造方法に特有のガラス板の成形過程で生じ
る筋状の凹凸が、表示ムラの発生原因になるという課題
があった。
【0009】この筋状凹凸は、溶融錫浴上で成形される
ときのガラスの移動方向に沿った方向に筋状で存在し、
筋状の凹凸の断面方向プロファイルは図2(a)で示さ
れるように、大略0.1〜0.2μmの大きさを有する
ものである。
【0010】この筋状凹凸を除去するために、図3に示
す研磨装置でガラス板を研磨することが行われていた
が、ガラスを保持する定盤に金属製の定盤を用いてい
た。金属製の定盤であると、繰り返しガラス板を研磨す
るにしたがい、研磨中の押し圧力、引っ張り力および回
転時の遠心力により、ガラスを保持する定盤に塑性変形
による永久変形が生じてくる。とくに、ガラス板保持側
の定盤は、その回転軸を埋設した中央部の筒を引っ張り
上げたり、押さえつけたりすることを繰り返し行うた
め、ガラス板を貼りつける面が凹型にあるいは凸型に変
形しやすいという課題があった。
【0011】ガラス板を貼りつける面が凹型あるいは凸
型に変形すると、研磨中にワークであるガラス板の各部
位にかかる荷重が等しくならず、ガラス板のポリッシン
グによる取り代のバラツキ(ガラス板の場所による研磨
速度の大小)が生じるようになってしまうという課題が
あった。
【0012】フロートガラス板の筋状凹凸を除去するに
は、ガラス板全面に対してある一定以上の取り代を必要
とするが、その場合ガラス板面内の最も研磨速度の遅い
部分で、凹凸の除去に要する時間が決まる。すなわち、
ガラス板を貼りつける面が変形してくると、凹凸の除去
に要する時間の長時間化を招き、ガラス板の加工効率が
低下してしまうという課題があった。
【0013】上記の特公平7−1759号公報に開示さ
れている装置は、上側のワーク保持プレートと下側の定
盤とを同一軸中心に回転させるため、半導体ウエーハの
ような比較的小さな円盤状のワークに対して一度に何枚
ものワークをセットして能率を落とすことなく研磨でき
るが、液晶表示用のガラス板のように長方形で、たとえ
ば30cm角以上もある大きさのガラス板を均一に能率
良く研磨することは難しい。
【0014】また、上記の特開平8−323615号公
報に開示されている装置では、ワークを保持する上側の
真空チャックは固定されており、長方形の形状のガラス
板の全面を研磨するには大がかりな装置になり、設備に
要する製造コストが大きくなるという問題点があった。
【0015】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、ガラス板表面の微小な筋状凹凸を
能率良く除去もしくは表示ムラが生じない程度に減じる
方法を提供することを目的とする。また、本発明の第2
の目的は、表示ムラが生じない液晶表示素子用のガラス
板を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のガラス
板の筋状凹凸の除去方法は、溶融錫浴の上を移動させる
ことにより板状に成形したガラス板表面の前記移動方向
に発生した筋状の凹凸を除去する方法であって、前記ガ
ラス板をセラミックス製のガラス板保持側定盤の貼付面
に保持し、前記ガラス板保持側定盤に対向配置した他方
の定盤のポリッシング面に前記ガラス板を押しつけなが
ら、前記他方の定盤を回転させるとともに、前記ガラス
板保持側定盤を他方の定盤のポリッシング面と平行方向
に揺動させることを特徴とする。
【0017】ガラス板保持側定盤の材質をセラミックス
製とすることにより、ポリッシング作業を繰り返し行っ
ても、定盤の変形が生じにくくなる。すなわち定盤のガ
ラス板貼付面の表面平坦性が維持されるので、ガラス板
の表面の微小の筋状凹凸の除去を少ないガラスの研磨取
り代で行うことができる。
【0018】請求項2の筋状凹凸の除去方法は、請求項
1において、ガラス板貼付面の表面平坦度を3μm以下
としたことを特徴とする。初期の表面平坦度を3μm以
下とすることが、高品質の表面平坦性を有するガラス板
を短時間で加工する上で好ましい。ここでいう表面平坦
度とは、触針式表面粗さ計でカットオフ波長を0.8〜
8mmとしたときに得られる表面凹凸チャートの測定長
20mm以内についての山谷間の最大距離で定義され
る。
【0019】ガラス板の貼付面の平坦度は、小さい程好
ましいが、平坦度を限りなく0μmに近い定盤を製作す
ることは、定盤の製作費用が高価になるので、実用性が
低下する。実用的には0.5μmの平坦度があれば、ガ
ラス板の加工コストを上昇させることなく目的とする品
質が得られる。
【0020】請求項3の除去方法は、請求項1または2
において、ポリッシングによるガラス板の取り代を3μ
m以上とすることを特徴する。ガラス板が溶融錫上を移
動するときに生じるガラス板の筋状凹凸は、通常0.1
〜0.2μmである。したがって、取り代を約10倍の
3μm以上とすることにより、表示ムラが生じないよう
にすることができる。取り代を5μm以上とすることは
さらに好ましい。
【0021】一方、ポリッシングによるガラス板の取り
代は、15μm以下とするのが好ましい。取り代を大き
くすることは、ガラス板の筋状凹凸をより完全に除去
し、その平坦度をより良くするので好ましいが、ガラス
の研磨に要する時間が長くなり、凹凸の除去に要するコ
ストが大きくなるので好ましくない。通常この観点か
ら、15μm以下とするのが好ましい。
【0022】請求項4のガラス板は、溶融錫浴の上を移
動させながら板状に成形したガラス板であって、前記ガ
ラス板表面に前記移動方向に筋状に生じた凹凸を、ポリ
ッシングにより0.05μm以下にしたことを特徴とす
る液晶表示用のガラス板である。
【0023】ここで、凹凸は触針式表面粗さ計でカット
オフ波長を0.8〜8mmとしたときに得られる表面凹
凸チャートの測定長20mm以内についての山谷間の最
大距離で定義される。
【0024】STN液晶表示素子は、液晶表示素子内に
封入された液晶と接する側のガラス板表面の凹凸状態
に、その表示品質が大きく影響を受ける。フロートガラ
ス板の表面に存在する溶融錫上を移動するときに生じる
筋状の凹凸(凹みを伴った筋状の微細な突起)は、液晶
表示素子に筋状の表示ムラを与える。この表示ムラを実
用的に目に見えない程度にするために、筋状凹凸を0.
05μm以下にする。好ましくは0.03μm以下にす
る。
【0025】筋状の凹凸は、皆無であるのが表示ムラを
よくする観点から好ましいのは言うまでもないが、0.
005μm以下に平坦化しても、さらに表示品質の向上
が認められない。かかる観点から、実用的には、0.0
05μmとなるまで平坦化すればよい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を実施
例と比較例により詳細に説明する。図1は、本発明のガ
ラス板を得るためのフロートガラス素板の表面に存在す
る筋状凹凸を示した図である。図上の上面が溶融錫浴と
の接触面(ボトム面)で、溶解されたガラスが溶融錫の
上を移動しながら板状に成形されるときのガラスの移動
方向には、凹凸がほとんど認められないが、ガラス移動
方向と直交する方向に凹凸が認められる。
【0027】フロートガラス板は通常0.4〜1.2m
mの厚みのガラスであり、ガラス板の移動方向にこのよ
うな凹凸が認められる。この筋状凹凸を有するガラス板
を封入する液晶と接するようにして液晶表示素子を製作
すると、この凹凸に基因する筋状の表示ムラが生じる。
【0028】図2は、本発明のガラス板(図2(b):
サンプル1で用いたガラス板)およびそれを得るための
凹凸を除去する前のガラス素板(図2(a):比較サン
プル3で用いたガラス板)の表面凹凸を示す図である。
ガラス板の移動方向とほぼ直交する方向に、20mmの
間隔で縦横約280mmの領域について触針式表面粗さ
計の針を走査して得られた表面凹凸プロファイル群を示
す。
【0029】図3(b)は、本発明の実施に用いたガラ
ス板研磨機の概略断面図であり、図3(a)は研磨機の
定盤の動作モードを説明する図である。駆動モータ(図
示されない)により回転する直径600mm、厚み15
mmのアルミナ製の円盤状のガラス保持側定盤1を新た
に製作し、そのガラス貼付面1aに、ガラス保持具5が
加工すべきガラス板2の周縁を囲むように取り付けてあ
る。一方、他の駆動モータ(図示しない)により回転す
る直径850mm、厚み50mmの鋳鉄製の定盤4のポ
リッシュ面4aに厚み2mmのポリウレタン製研磨パッ
ド3を貼りつけ、研磨砥粒供給ノズル6から研磨パッド
3の上に酸化セリウムの微小砥粒が供給される。ガラス
板保持側定盤1は自由回転させるとともに、Cを揺動中
心として角度θで揺動(往復運動)させた。このときガ
ラス板保持側定盤1には、下方向に荷重がかけられ、ガ
ラス保持具5内に、ガラス保持側定盤1に貼りつけられ
たガラス板2は、2つの定盤の回転と揺動により、その
全面が均一に研磨され、ガラス表面に存在する筋状の凹
凸が除去される。
【0030】本発明においては、上記のガラス板保持側
定盤として、ジルコニアセラミックス、炭化珪素セラミ
ックス、窒化珪素セラミックス、アルミナー炭化チタン
系セラミックスを用いることができる。とりわけアルミ
ナセラミックスがコスト面、平坦度を3μm以下にする
のが容易であるという観点から好ましい。
【0031】実施例 厚み0.7mmで30cm角のフロートガラス板(ソー
ダライムシリカ組成)をガラス保持側定盤1のガラス保
持具5内の貼付面に水ばりで接着固定し、水1000m
lに酸化セリウム微粉末100gを含む懸濁液を研磨パ
ッドに一定量供給しながら、ガラス保持側定盤(平坦度
3μm)の自重がガラス板を介して定盤4(平坦度2μ
m)にかかるようにして10分間研磨した。このときの
定盤4の回転数は50RPMで、ガラス板保持側定盤1
は定盤4に貼られた研磨パッド3上を図2に示すよう
に、Cを揺動中心として6秒周期で揺動させた。以上に
より図2(a)で示した筋状の凹凸を除去あるいは減じ
た。
【0032】筋状凹凸を除去または減じたガラス板の9
点(コーナー部4点、周縁の中央部4点、中央部1点)
について、超音波式厚み計により測定した研磨前後のガ
ラス板厚みの厚み差から、研磨取り代を求めた。その結
果を表1に示す。ポリッシングによる平均取り代は1
4.89μmで、取り代の9点の標準偏差は0.74μ
mであった。表1で最小取り代である14μmを除去す
るのに必要なポリッシング時間は、18.49μmをポ
リッシングするのに要する時間であることになる。
【0033】標準偏差の値は、後述する比較対象である
比較例1のガラス板保持側定盤1に鋳鉄製の定盤を用い
た場合に比べて約2分の1であり、このことからガラス
板全面にわたって筋状凹凸を除去するのに、短い時間で
ポリッシングすることができることが分かる。
【0034】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−− 左上隅 中央上辺 右上隅 (取り代平均)14.89μm 15 15 16 (標準偏差) 0.74μm 左辺中央 中央 右辺中央 15 16 14 左下隅 中央下辺 右下隅 14 14 15 −−−−−−−−−−−−−−−−−− 単位:μm
【0035】実施例2 実施例1と同じ条件でガラス板の凹凸除去のためのポリ
ッシングを毎日ほぼ一定枚数行い、合計15000枚の
ポリッシングを行った。このとき累積正味時間は216
0時間であった。15000枚目のガラス板のポリッシ
ングによる研磨取り代の面内分布を実施例1と同じ方法
で測定した結果を表2に示す。
【0036】取り代の平均は、14.33μmであり、
9点の標準偏差は1.05μmであった。表2から、最
小13μmの厚みの取り代を除去するのに必要な時間
は、14.33μmの取り代を得るのに要する時間であ
った。上述の取り代の標準偏差は、後述の比較対象であ
る比較例2のガラス板保持側定盤に鋳鉄製の定盤を用い
た場合の約3分の1以下であり、よりガラス全面にわた
って筋状凹凸を除去するのに短い時間のポリッシングで
行い得ることが分かった。また、この筋状凹凸を除去す
るのに要する加工時間は、実施例と比較例を対比して、
設備の新設時よりも加工処理を15000枚も行ったと
きの方が大きいことが分かった。
【0037】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 左上隅 中央上辺 右上隅 (取り代平均)14.33μm 13 14 13 (標準偏差) 1.05μm 左辺中央 中央 右辺中央 15 16 14 左下隅 中央下辺 右下隅 14 16 14 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 単位:μm
【0038】実施例3 実施例2の次に、液晶表示素子の表示ムラが減じると考
えられた約3μmの取り代を確保するポリッシングを行
った。ポリッシングしたガラスの取り代の測定結果は表
3に示すとおりで、最小5μmの取り代を確保するに
は、5.72μmをポリッシングするのに要する時間で
あった。
【0039】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 左上隅 中央上辺 右上隅 (取り代平均)5.72μm 5 6 7 左辺中央 中央 右辺中央 5.5 6 6 左下隅 中央下辺 右下隅 5 5 6 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 単位:μm
【0040】比較例1 実施例1とは、ガラス保持側定盤を新たに製作した直径
600mm、厚み20mmの鋳鉄製の円盤状の定盤(定
盤の平坦度8μm)に取り替えたことのほかは全く同じ
ようにして、同じロットのガラス素板のポリッシングを
行った。このガラス板の取り代の分布を表4に示す。平
均取り代は14.11μmで、標準偏差は1.60μm
であった。この標準偏差の値は、実施例1に比較して大
きい値であった。最小厚みの12μmを除去するために
必要な時間は、14.11μmの取り代を要することに
なった。
【0041】用いたアルミニウム製の定盤の貼付面の平
坦度は8μmであったが、その面の加工中の自重による
たわみや熱変形により、この値以上に平坦度をよくする
ことは困難であった。
【0042】
【表4】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 左上隅 中央上辺 右上隅 (取り代平均)14.11μm 13 14 12 (標準偏差) 1.60μm 左辺中央 中央 右辺中央 15 17 14 左下隅 中央下辺 右下隅 14 16 12 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 単位:μm
【0043】比較例2 比較例1と同じ条件でガラス板の凹凸の除去を毎日ほぼ
一定枚数行い、合計15000枚の研磨を行った。この
とき累積正味研磨時間は2160時間であった。150
00枚目のガラス板の研磨取り代の面内分布を実施例1
と同じ方法で測定した結果を表5に示す。取り代の平均
は12.89μm、標準偏差3.80μmであった。標
準偏差が大きく、すなわちガラスの取り代に大きな偏り
があることが分かった。表5で最小の取り代7μmを確
保するのに、12.89μmの取り代を必要とすること
になっている。
【0044】
【表5】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 左上隅 中央上辺 右上隅 (取り代平均)12.89μm 8 10 7 (標準偏差) 3.80μm 左辺中央 中央 右辺中央 11 20 12 左下隅 中央下辺 右下隅 8 14 9 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 単位:μm
【0045】
【表6】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 左上隅 中央上辺 右上隅 (取り代平均)4.89μm 4 6 2.5 左辺中央 中央 右辺中央 5 8 6 左下隅 中央下辺 右下隅 3 7 2.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 単位:μm
【0046】比較例3 実施例3と対比するために比較例1と同じようにしてポ
リッシングした。その結果を表6に示す。
【0047】ガラス板の左辺中央の取り代は5μmであ
った。このときガラス板の中央部およびその他の辺の中
央部については5μm以上の取り代が確保されていた
が、四つのコーナー部については2.5〜4μmであ
り、取り代不足が認められた。
【0048】以上実施例の1〜3および比較例の1〜3
から、多数枚のガラス板の加工を行っても、本発明のガ
ラス板の筋状凹凸の除去方法によれば、ガラス板表面の
ほぼ全体にわたって存在する凹凸の除去を、ガラス表面
のより少ないポリッシングによる取り代により行うこと
ができることが分かる。
【0049】次に、本発明のガラス板を用いて液晶表示
素子を作製し、表示ムラの発生状況の確認実験を行っ
た。 実施例4 縦150cm、横200cm、厚み1.1mmのフロー
トガラス素板についてそのボトム面を実施例1と同じ方
法で研磨時間を変えてガラス板表面を研磨して種々の表
面平坦性を有するガラス板を作製した。このガラス板の
表面を測定(触針式表面粗さ計で測定。カットオフ波長
条件:0.8〜8mm)した結果を表7に示す。
【0050】表7で得たガラス板のサンプルを用いて液
晶表示素子を作製した。液晶表示素子の作製は公知の方
法によった。すなわち、まず研磨したガラス面にスパッ
タリングにより20Ω/□のITO透明導電膜を全面に
被覆後、所定形状にフォトリソグラフ法により電極パタ
ーン加工を行った。
【0051】その後、液晶が接する面にポリイミドの液
晶配向剤を塗布して約300℃に加熱硬化し、軽く布で
擦ることによりポリイミド表面に配向溝を形成した。そ
の後、液晶の注入口とするための部分を除いて、ガラス
板の周辺部に塗布したエポキシ樹脂のシール剤により2
枚のガラス板を貼り合わせ、液晶セルのギャップが約8
μmの液晶セルとした。液晶セル内にエステル系のST
N特性を有する液晶を注入し、紫外線硬化型樹脂により
注入口を封止し、ガラス板両面に偏光板を貼りつけて液
晶表示素子とした。
【0052】この液晶表示素子の電極に電圧を印加して
表示を行い、表示ムラの出現状況を観察した。その結果
を表7のサンプル1〜3に示した。表示ムラはいずれの
サンプルについても現れず、均一な表示ができた。
【0053】
【表7】 =================================== 例 凹凸の除 ガラス板の 液晶表示ムラの出現状況 去の有無 表面凹凸 (μm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (実施例4)サンフ゜ル 1 有り 0.003 全く認められずサンフ゜ル 2 有り 0.03 全く認められずサンフ゜ル 3 有り 0.05 全く認められず (比較例4) 比較サンフ゜ル1 有り 0.06 筋状のムラがかすかに認められる 比較サンフ゜ル2 有り 0.09 筋状ムラが数本認められる 比較サンフ゜ル3 無し 0.13 筋状のムラが多数濃く表示面全面 に認められる ===================================
【0054】比較例4 筋状凹凸の除去または減少が十分でないか行わなかった
ガラス板を用いて、実施例4と同じようにして作製した
液晶表示素子について調べた。表示ムラの発生状況を表
7の比較サンプル1〜3に示す。いずれの比較サンプル
についても、筋状の表示ムラが目視で認められ、凹凸の
程度が大きくなるにしたがい、表示ムラのコントラスト
は大きく、またその数が増加した。表7から、ガラス表
面の凹凸を0.05μm以下にすることにより表示ムラ
のない液晶表示素子が得られることが分かる。
【0055】実施例においては、フロートガラス板とし
てソーダライムシリケート系の組成のガラスについて示
したが、本発明においては、ガラスの組成はとくに限定
されるものでなく、たとえばアルミノ硼珪酸塩系のガラ
スや硼珪酸塩系のガラスであってもよい。また、液晶表
示素子に用いる液晶は、TN特性を有する液晶であって
も、また液晶の駆動方式が1画素に1つのアクティブ素
子を対応させた液晶表示素子であっても、本発明のガラ
ス板を用いることによりムラのない表示が得られる。
【0056】
【発明の効果】本発明の筋状凹凸の除去方法によれば、
ガラス板保持側の定盤をセラミックス製としたので、多
数枚のガラス板をポリッシング処理しても、ガラス保持
側定盤の変形が小さく、ガラス板面内の取り代(研磨速
度)のバラツキを小さくすることができる。これにより
必要とする取り代を小さくすることができ、凹凸の除去
に要するポリッシング時間の短縮化をはかることができ
る。
【0057】フロートガラス板をポリッシング加工して
得られる本発明の液晶表示素子用ガラス板は、溶融錫で
板状に成形されるときに生じた筋状凹凸が除去または軽
減されているので、ガラス板の表面平坦性に鋭敏に影響
を受けるSTN液晶表示素子のガラス板として用いても
表示ムラが生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】フロートガラス素板の表面に存在する筋状の凹
凸を説明する図である。
【図2】本発明の一実施例であるサンプル1のガラス板
とそのガラス板を得るために用いたガラス素板の溶融錫
接触面の表面形状を示す図である。
【図3】本発明の実施に用いた研磨装置の概略断面図お
よびその研磨装置の定盤の動作状態を示す図である。
【符号の説明】
1:ガラス板保持側定盤、1a:ガラス板保持側定盤の
貼付面 2:ガラス素板 3:研磨パッド 4:他方の定盤、4a:他方の定盤のパッド貼付面 5:ガラス板保持具 6:研磨砥粒供給ノズル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融錫浴の上を移動させることにより板
    状に成形したガラス板表面の前記移動方向に発生した筋
    状の凹凸を除去する方法であって、前記ガラス板をセラ
    ミックス製のガラス板保持側定盤の貼付面に保持し、前
    記ガラス板保持側定盤に対向配置した他方の定盤のポリ
    ッシング面に前記ガラス板を押しつけながら、前記他方
    の定盤を回転させるとともに、前記ガラス板保持側定盤
    を他方の定盤のポリッシング面と平行方向に揺動させる
    ことを特徴とするガラス板表面の筋状凹凸の除去方法。
  2. 【請求項2】 前記ガラス板保持側定盤の貼付面の表面
    平坦度を3μm以下としたことを特徴とする請求項1に
    記載のガラス板表面の筋状凹凸の除去方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリッシングによる前記ガラス板の
    取り代を3〜15μmとすることを特徴する請求項1ま
    たは2に記載のガラス板表面の筋状凹凸の除去方法。
  4. 【請求項4】 溶融錫浴の上を移動させながら板状に成
    形したガラス板であって、前記ガラス板表面に前記移動
    方向に生じた筋状凹凸を、ポリッシングにより0.05
    μm以下にしたことを特徴とする液晶表示用のガラス
    板。
  5. 【請求項5】 前記筋状凹凸を0.005μm以上であ
    る請求項4に記載の液晶表示用ガラス板。
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