JP2000218357A - 薄肉アルミニウム系ダイカスト成形品の製造方法 - Google Patents

薄肉アルミニウム系ダイカスト成形品の製造方法

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JP2000218357A JP11020437A JP2043799A JP2000218357A JP 2000218357 A JP2000218357 A JP 2000218357A JP 11020437 A JP11020437 A JP 11020437A JP 2043799 A JP2043799 A JP 2043799A JP 2000218357 A JP2000218357 A JP 2000218357A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゲートの厚さが薄い金型を用い、外観の良好な
品質のよい厚さ0.4〜1.2mmの薄肉アルミニウム系ダ
イカスト成形品を、ゲート部の湯流れ性が良好で、効率
よく製造する方法を提供する。 【解決手段】金型として、ゲートの厚さが0.2mm以上
で成形品の厚さ以下であって、ゲートを構成する部材表
面に窒化処理を施したものを用い、厚さ0.4〜1.2mm
の薄肉アルミニウム系ダイカスト成形品を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉アルミニウム
系ダイカスト成形品の製造方法に関する。さらに詳しく
は、本発明は、ゲートの厚さが薄い金型を用い、外観の
良好な厚さ0.4〜1.2mmの薄肉アルミニウム系ダイカ
スト成形品を、ゲート部の湯流れ性が良好で、効率よく
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムは軽量性、塑性加工性、耐
食性に優れ、かつ電気・熱伝導性が良好であるなど、金
属として優れた特性を有している。また、このアルミニ
ウムに銅、マグネシウム、亜鉛、珪素、リチウム、ニッ
ケル、クロム、マンガン、鉄、ジルコニウムなどを加え
合金化すれば、固溶体硬化、加工硬化、時効硬化などに
よって、常温並びに高温において機械的性質が著しく向
上し、また耐食性、耐摩耗性、低熱膨張係数などの特性
も付加されることが知られている。したがって、このよ
うな性質を有するアルミニウム又はアルミニウム合金
は、生活に最も近い家庭用品や飲料用缶、家具、インテ
リアをはじめ、航空・宇宙、自動車、電気・電子製品、
車両、船舶、土木・建築など、多くの分野において幅広
く用いられている。このようなアルミニウムやアルミニ
ウム合金などのアルミニウム系材料の加工方法の1つと
してダイカスト法が知られており、現在、各種成形品を
製造するのに広く使用されている。このダイカスト法
は、金属製金型内に、溶湯を圧入プランジャーにより高
速(20〜60m/秒程度)、高圧(30〜200MPa
程度)で射出、充填し、急速に凝固させる鋳造方式であ
って、最小肉厚1mm程度の薄肉鋳物の製造が可能で、寸
法精度や鋳肌が良く、かつ高い生産性を有するなどの長
所を有している。しかしながら、このダイカスト法にお
いては、溶湯の射出速度が速く、充填時間が約0.3秒
と短いため、金型空間内(キャビティ)の空気や反応ガ
スを巻込みやすく、その結果、空孔欠陥(ポロシティ)
が生じやすいという問題がある。したがって、品質改善
のために、(1)射出速度を1m/秒以下にする低速充
填ダイカスト法、(2)厚肉部での引けをなくすため時
間差で二段加圧するアキュラッド法、(3)厚肉部を局
部的に加圧して引けをなくす局部スクイブ法、(4)金
型内を減圧してガスの巻込みを少なくする真空ダイカス
ト法、(5)金型内を酸素雰囲気にし、酸素はすべて微
細な酸化物として分散させてガスとしての巻込みを防ぐ
PFダイカスト法、などが開発されている。しかしなが
ら、これらの従来技術は、いずれもダイカスト成形品の
品質改良を目的としたものであって、薄肉化を目的とし
た技術ではなく、アルミニウム系ダイカスト成形品にお
いては、肉厚は約1mmが限度であり、それより薄肉の成
形品は得られないのが実状であった。ところで、近年、
多数の半導体などを備えた素子や内部配線を特殊な方法
で1つの固体として結合してなる超小型電子回路を備え
たICが多くなってきている。このようなICにおいて
は、半導体を作動する過程で大量の熱が発生するため、
温度が上昇して半導体自体の動作が不安定となったり、
半導体が破壊するなど、好ましくない事態を招来するお
それがある。このため、半導体を冷却する放熱板をIC
に取り付け、放熱板と空気とを熱交換させて半導体の熱
を空気中に放出し、半導体が高温になり、動作不安定に
なったり、破壊するのを防止している。 このような放熱板としては、通常基板上に多数の細長い
放熱ピンを配置したものが用いられており、そして、こ
のものには、アルミニウム系ダイカスト成形品が多用さ
れている。この放熱板は、最近のICのコンパクト化に
伴い、特にその軽量化が望まれている。また、携帯用電
子機器のケースカバーにおいても、アルミニウム系ダイ
カスト成形品が多用されており、そして、前記と同様
に、電子機器の小型化(例えばノート型パソコンなど)
に伴い、その軽量化が求められている。軽量材料として
は、比重1.74のマグネシウム(アルミニウムの比重
2.70)やマグネシウム合金などのマグネシウム系材
料が知られている。しかしながら、このマグネシウム系
材料からなる成形品は、アルミニウム系成形品に比べて
高価である上、不良率が高いという欠点を有している。
したがって、安価なアルミニウム系ダイカスト成形品で
あって、マグネシウム系成形品に匹敵する軽量のものが
要望されている。アルミニウム系ダイカスト成形品を比
重の小さいマグネシウム製品に匹敵させるには、薄肉化
することが必要であるが、前述のように、従来技術で
は、肉厚が1mmより薄いアルミニウム系ダイカスト成形
品を製造することが困難であり、したがって、肉厚1mm
未満のアルミニウム系ダイカスト成形品を効率よく製造
する技術の開発が望まれていた。そこで、本発明者は、
肉厚1mm未満の薄肉のアルミニウム系ダイカスト成形品
の製造方法について鋭意研究を重ね、先に、キャビティ
を囲繞する部材の一部に、アルミニウム系材料の溶湯は
通過しないが、ガスは通過し、かつ外部に開口したガス
通路に接する鉄製多孔質部材を1つ以上設け、キャビテ
ィにアルミニウム系材料の溶湯を圧入充填するととも
に、該ガス及び空気を上記多孔質部材を介して外部へ排
出させることにより、厚さ1mm未満の薄肉アルミニウム
ダイカスト成形品が得られることを見出した。ところ
で、アルミニウム系材料の溶湯を金型のキャビティ内に
圧入充填する際に、ゲートから充填するが、このゲート
部のアルミニウム系材料は、得られたダイカスト成形品
から切り離される。したがって、ゲートの厚さは薄いほ
ど、成形品を傷付けることが少なく、外観の良好な成形
品が得られる。しかしながら、ゲートの厚さが薄すぎる
と湯流れ性が悪くなるため、従来のアルミニウム系ダイ
カスト成形品(厚さ1mm以上)の製造においては、一般
に成形品の厚さの0.6〜1倍程度の厚さのゲートが用
いられている。すなわち、ゲートの厚さは約0.6mm程
度が限界であり、これ未満では湯流れ性が悪く、品質の
良好なアルミニウム系ダイカスト成形品が得られない。
したがって、厚さが1mm未満の薄肉アルミニウム系ダイ
カスト成形品の製造において、成形品の厚さの1/2程
度の厚さであっても、湯流れ性の良好なゲートが望まれ
ていた。このような厚さが薄く、かつ湯流れ性の良好な
ゲートを用いることにより、外観が良好で、品質の良い
薄肉アルミニウム系ダイカスト成形品が得られることが
期待される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、ゲートの厚さが薄い金型を用い、外観が
良好で、品質のよい厚さ0.4〜1.2mmの薄肉アルミニ
ウム系ダイカスト成形品を、湯流れ性がよく、効率的に
製造する方法を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、金型として、ゲ
ートの厚さが0.2mm以上で、かつ成形品の厚さ以下で
あって、ゲートを構成する部材表面に窒化処理を施した
ものを用いることにより、その目的を達成しうることを
見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、(1)金型のキャビティ内
に、アルミニウム系材料の溶湯を圧入充填して、厚さ
0.4〜1.2mmの薄肉アルミニウム系ダイカスト成形品
を製造するに当たり、金型として、ゲートの厚さが0.
2mm以上で、かつ成形品の厚さ以下であって、ゲートを
構成する部材表面に窒化処理を施したものを用いること
を特徴とする薄肉アルミニウム系ダイカスト成形品の製
造方法、(2)金型として、キャビティを囲繞する部材
の一部に、アルミニウム系材料の溶湯は通過しないが、
ガスは通過し、かつ外部に開口したガス通路に接する鉄
製多孔質部材を1つ以上設けたものを用いる第(1)項記
載の薄肉アルミニウム系ダイカスト成形品の製造方法、
及び(3)金型として、キャビティを構成する部材表面
に窒化処理を施したものを用いる第(1)又は(2)項記載
の薄肉アルミニウム系ダイカスト成形品の製造方法、を
提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の薄肉アルミニウム系ダイ
カスト成形品の製造方法において用いられるアルミニウ
ム系材料としては、アルミニウムを主成分とする金属材
料であればよく特に制限はないが、鋳造用アルミニウム
合金が好ましく、ダイカスト成形品の用途に応じて、鋳
造用アルミニウム合金の中から適宜選択するのがよい。
鋳造用アルミニウム合金としては、例えばAl−Cu
系、Al−Si系、Al−Mg系、Al−Si−Cu
系、Al−Si−Mg系、Al−Co−Cu系、Al−
Mn−Mg系、Al−Mn−Fe系、Al−Mn−Zn
−Fe−Mg系などが挙げられる。本発明方法において
は、上記アルミニウム系材料の溶湯を、金型のキャビテ
ィ内に圧入充填して、厚さ0.4〜1.2mmの薄肉アルミ
ニウム系ダイカスト成形品を製造する。この厚さ0.4
〜1.2mmの薄肉アルミニウム系ダイカスト成形品は、
成形品の全部が0.4〜1.2mmの厚さを有する必要はな
く、一部が0.4〜1.2mmの厚さを有するものであって
もよい。本発明においては、金型として、ゲートの厚さ
が0.2mm以上で、かつ成形品の厚さ以下であって、ゲ
ートを構成する部材表面に窒化処理を施したものが用い
られる。ゲートの厚さが0.2mm未満では湯流れ性が悪
く、品質の良好な成形品が得られないし、成形品の厚さ
を超えるとゲート部を切り離す際に成形品が傷付きやす
く、品質の良好な成形品が得られない。ゲートを構成す
る部材の材質としては、窒化処理が可能なもの、例え
ば、鋳鉄、炭素鋼、合金鋼、Al、Cr、Vなどを含む
窒化用鋼などの鋼材が用いられる。
【0006】窒化処理の方法としては特に制限はなく、
従来、耐摩耗性などを付与するための窒化処理法として
慣用されている方法の中から、適宜選択して用いること
ができる。この窒化処理法としては、様々な方法が開発
されているが、特に(1)塩浴窒化法、(2)ガス窒化
法、(3)ガス軟窒化法及び(4)イオン窒化法が好ま
しい。前記(1)の塩浴窒化法は、シアン酸ナトリウム
やシアン酸カリウムなどのシアン酸アルカリを含む混合
塩の塩浴中に、被処理部材を浸漬して、500〜700
℃程度の温度で加熱処理することにより、シアン酸アル
カリの分解によって生じる窒素により、窒化処理を行う
方法である。この塩浴窒化法の中で、特にタフトライド
法が好適である。このタフトライド法においては、シア
ン酸アルカリとシアン化アルカリと炭酸アルカリとの混
合塩浴が用いられ、この混合塩浴中に被処理部材を浸漬
し、空気などの酸素含有ガスを吹込みながら、加熱し、
窒化処理が行われる。このようにして窒化処理された部
材は、通常酸化浴中に350〜450℃で浸漬し、中和
と同時に焼入れ処理が行われる。前記(2)のガス窒化
法は、ガス圧8,000〜10,000Pa程度のアンモ
ニア気流中において、被処理部材を500〜550℃程
度の温度で加熱処理する方法である。この方法において
は、被処理部材表面上でアンモニアが分解して発生する
原子状の窒素により、窒化処理が行われる。また、前記
(3)のガス軟窒化法は、アンモニアガスと、N240
容量%、H240容量%及びCO220容量%からなる混
合ガスとを、容量比50:50程度の割合で含有するガ
ス気流中において、被処理部材を550〜600℃程度
の温度で加熱処理する方法である。この方法において
は、浸炭と窒化が同時に起こり、浸炭作用により、窒化
が促進され、前記(2)のガス窒化法に比べて処理時間
が短い。一方、前記(4)のイオン窒化法は、密閉容器
中において、ガス圧0.1〜2.5MPa程度の窒素と水
素との混合ガス雰囲気下、被処理部材を陰極、容器壁を
陽極として300〜1,500V程度の直流電圧を印加
する方法である。この方法においては、被処理部材の表
面近くでグロー放電が発生し、その結果、N2ガスは陰
極近くでイオン化され、イオン化されたN+イオンが高
速に加速されて被処理部材に衝突し、その表面が窒化さ
れる。これらの方法により、ゲートを構成する部材表面
を窒化処理することにより、アルミニウム系材料の溶湯
をこのゲートからキャビティ内に充填する際、窒化処理
しない場合に比べて、1.5〜2倍程度湯流れ性が良く
なる。また、ゲートを構成する部材の耐摩耗性が良くな
り、耐久性も向上する。
【0007】本発明方法における金型としては、前記の
ようにゲートを構成する部材表面が窒化処理され、かつ
ゲートの厚さが0.2mm以上で、成形品の厚さ以下のも
のであって、厚さ0.4〜1.2mmの薄肉アルミニウム系
ダイカスト成形品を製造しうるものであればよく、特に
制限はないが、固定金型と可動金型との当接により形成
されるキャビティを有し、このキャビティを囲繞する部
材の一部に、アルミニウム系材料の溶湯は通過しない
が、ガスは通過し、かつ外部に開口したガス通路に接す
る鉄製多孔質部材を1つ以上設けてなるものが好まし
い。前記多孔質部材は、アルミニウム系材料の溶湯をキ
ャビティ内に圧入充填する際、該溶湯中に存在する潤滑
剤などに起因するガスや反応ガス及びキャビティ内の空
気により、湯流れ性が悪くなるのを防止する目的で、上
記ガスや空気をキャビティから外部を排出させるために
設けられるものである。したがって、この多孔質部材
は、アルミニウム系材料の溶湯を通過させずに、ガスを
通過させうるものであることが必要であり、またその材
質としては、アルミニウム系材料の溶湯温度に耐性を有
し、かつ適度の機械的強度を有し、金型部材に溶接加工
できる点から鉄製のものが用いられる。このような多孔
質部材としては、例えば「ポーセラックス」[商品名、
新東工業(株)製]など、市販品として入手可能である。
前記多孔質部材は、キャビティを囲繞する部材の一部に
設けられるが、その設置場所については特に制限はな
く、ダイカスト成形品の種類に応じて、適宜選定され
る。例えば、ダイカスト成形品が、基板に複数の放熱ピ
ンを設けた放熱板である場合には、キャビティにおける
該放熱ピン部の先端部側に設けるのが有利である。ま
た、ダイカスト成形品が携帯用電子機器のケースカバー
である場合には、キャビティにおける溶湯流に沿った金
型部材の一部に設けるのがよい。この鉄製多孔質部材
は、1つ設けてもよいし、必要に応じ複数設けてもよ
い。前記キャビティは、固定金型と可動金型との当接に
より形成されるが、このキャビティを形成させるため
に、固定金型若しくは可動金型又はその両方に直彫りし
てもよいし、あるいは入れ子に形彫りし、これを主型に
はめ込んでもよい。
【0008】次に、本発明の好ましい態様について、放
熱板の製造を例に挙げ、添付図面に従って説明する。図
1は、本発明を実施するために用いられるダイカスト成
形金型(放熱板製造用)の1例の断面図であって、ダイ
カスト成形金型1は、固定金型2と可動金型3とから構
成されており、可動金型3は、主金型3aと入れ子金型
3bと押え金型3cとから構成されている。主金型3a
には、放熱板用キャビティ5が形彫りされており、そし
て、該キャビティ5の各放熱ピン部5’に接続するため
のスリット及びそれに接して多孔質部材6が設けられた
入れ子金型3bが篏入され、ボルトで固定されている。
各多孔質部材6は、鉄製であって、アルミニウム系材料
の溶湯を通過させずに、キャビティ内のガスを通過させ
る性質を有し、押え金型3cに設けられている外部に開
口したガス通路4に接している。キャビティ5には窒化
処理され、厚さが前記範囲にあるゲート9が連通し、こ
のゲート9は流路10を介してスリーブ7の内部に連通
している。スリーブ7には、内部の溶湯8を500〜
1,000kg/cm2の圧力で圧入充填するためのプランジ
ャーチップ11が装着されている。アルミニウム系ダイ
カスト成形品を成形する場合、まず、入れ子金型3bが
篏入されている主金型3aをヒータ(図示していない)
で成形可能な温度に加熱したのち、キャビティ5を形成
する部材にダイカスト成形品を容易に取り出すための離
型剤を塗布し、固定金型2と可動金型3とを閉じる。次
いで、スリーブ7内に収容されているアルミニウム系材
料の溶湯(温度680〜800℃程度)8を、プランジ
ャーチップ11により、流路10を介してゲート9か
ら、キャビティ5内に500〜1,000kg/cm2の圧力
で圧入充填する。溶湯の圧入により発生したガス及びキ
ャビティ内の空気は、多孔質部材6を通過してガス通路
4から外部へスムーズに排出される。したがって、アル
ミニウム系材料の溶湯は、容易に充填できるとともに、
各放熱ピン部5’の先端部まで容易に流入する。このよ
うにして、アルミニウム系材料の溶湯の充填が終了する
と、冷却装置(図示していない)でダイカスト成形金型
1を5〜8秒間程度で冷却したのち、固定金型2と可動
金型3を開くとともに、エジェクターピン(図示してい
ない)で、主金型3aより、ダイカスト成形品を押出
し、ゲート部を切り離す。このようにして得られたアル
ミニウム系ダイカスト放熱板は、バリや空孔欠陥などの
発生がなく、品質の良好なものである。また、この方法
によると、肉厚が1mm未満、好ましくは0.4〜0.8mm
程度の放熱ピンを有する放熱板を容易に製造することが
できる。このように、多孔質部材を設けることにより、
キャビティ内の溶湯の湯流れ性が向上し、品質の良好な
薄肉アルミニウム系ダイカスト成形品が得られるが、さ
らに湯流れ性を良好にするために、所望により、キャビ
ティを構成する部材の表面に、前記のゲートの場合と同
様に窒化処理を施すことができる。
【0009】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例1 金型として、図1に示すゲートの厚さが0.3mmのもの
を使用し、厚さ0.5mmで、高さ7mm、幅100mmの複
数の放熱ピンが基板上に設けられたアルミニウム系ダイ
カスト放熱板の製造を行った。まず、鋼材SKD−61
からなるゲートを構成する部材表面にタフトライド法に
よる塩浴窒化処理を下記のようにして施した。シアン酸
ナトリウムとシアン化カリウムと炭酸ナトリウムを含有
する混合塩浴中に、処理部材を浸漬し、空気を吹込みな
がら、600℃で60分間加熱処理し、次いで該被処理
部材を酸化浴中に450℃で30分間浸漬したのち、水
冷することにより、窒化処理を行った。アルミニウム系
材料として、Al−Mn−Fe合金(DM2)を使用
し、明細書本文に記載した方法に従って放熱板を製造し
たところ、バリや空孔欠陥の発生がなく、品質の良好な
放熱ピンの厚さ0.5mmの放熱板が得られた。なお、溶
湯の温度は740℃、溶湯の充填圧力は650kgf/c
m2、圧入時間は0.2秒で、ゲート部の湯流れ性は良好
であった。なお、ゲートの厚さが0.4mmのものも使用
し、同様にして放熱板の製造を行ったが、この場合もゲ
ート部の湯流れ性は良好であった。 比較例1 実施例において、ゲートを構成する部材の表面に窒化処
理を施さなかったこと以外は、実施例と同様にして、厚
さ0.5mmで、高さ7mm、幅100mmの複数の放熱ピン
が基板上に設けられたアルミニウム系ダイカスト放熱板
を製造した。その結果、溶湯の温度740℃、溶融の充
填圧力900kgf/cm2、圧入時間0.3秒であり、ゲー
ト部の湯流れ性は、成形中にバラツキが生じて悪く、得
られた放熱板は、実施例のものに比べて、高さが7−
(0.5〜3.5)mmのものがあり、不均一であった。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、ゲートの厚さが薄い金
型を用い、外観の良好な品質のよい厚さ0.4〜1.2mm
の薄肉アルミニウム系ダイカスト成形品を、ゲート部の
湯流れ性が良好で、効率よく製造することができる。本
発明方法は、特に放熱板や携帯用電子機器のケースカバ
ーなどの製造に好ましく用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法を実施するために用いられ
るダイカスト成形金型の1例の断面図である。
【符号の説明】
1 ダイカスト成形金型 2 固定金型 3 可動金型 3a 主金型 3b 入れ子金型 3c 押え金型 4 ガス通路 5 放熱板用キャビティ 5’ 放熱ピン部 6 多孔質部材 7 スリーブ 8 アルミニウム系材料の溶湯 9 ゲート 10 流路 11 プランジャーチップ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月15日(2000.5.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、金型として、ゲ
ートの厚さが0.2mm以上で、かつ成形品の厚さ以下で
あって、ゲートを構成する部材表面に窒化処理を施した
ものを用いることにより、その目的を達成しうることを
見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、(1)金型のキャビティ内
に、アルミニウム系材料の溶湯を圧入充填して、厚さ
0.4〜1.2mmの薄肉部を有するアルミニウム系ダイカ
スト成形品を製造するに当たり、金型として、ゲートの
厚さが0.2mm以上で、かつ成形品のゲート部から切り
離す部分の厚さ以下であって、ゲートを構成する部材表
面に窒化処理を施したものを用いることを特徴とする薄
肉アルミニウム系ダイカスト成形品の製造方法、(2)
金型として、キャビティを囲繞する部材の一部に、アル
ミニウム系材料の溶湯は通過しないが、ガスは通過し、
かつ外部に開口したガス通路に接する鉄製多孔質部材を
1つ以上設けたものを用いる第1項記載の薄肉アルミニ
ウム系ダイカスト成形品の製造方法、及び(3)金型と
して、キャビティを構成する部材表面に窒化処理を施し
たものを用いる第1項又は第2項記載の薄肉アルミニウ
ム系ダイカスト成形品の製造方法、を提供するものであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型のキャビティ内に、アルミニウム系材
    料の溶湯を圧入充填して、厚さ0.4〜1.2mmの薄肉ア
    ルミニウム系ダイカスト成形品を製造するに当たり、金
    型として、ゲートの厚さが0.2mm以上で、かつ成形品
    の厚さ以下であって、ゲートを構成する部材表面に窒化
    処理を施したものを用いることを特徴とする薄肉アルミ
    ニウム系ダイカスト成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】金型として、キャビティを囲繞する部材の
    一部に、アルミニウム系材料の溶湯は通過しないが、ガ
    スは通過し、かつ外部に開口したガス通路に接する鉄製
    多孔質部材を1つ以上設けたものを用いる請求項1記載
    の薄肉アルミニウム系ダイカスト成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】金型として、キャビティを構成する部材表
    面に窒化処理を施したものを用いる請求項1又は2記載
    の薄肉アルミニウム系ダイカスト成形品の製造方法。
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