JP2008184656A - アルミニウム合金ダイカスト製品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム合金ダイカスト製品において、アルミニウム合金がマンガン0.5〜1.9重量%を含有し、射出速度3m/s以上で鋳造され、かつ該鋳造品が陽極酸化処理されてなることを特徴とするアルミニウム合金ダイカスト製品、及び、マンガン0.5〜1.9重量%を含有するアルミニウム合金を溶融し、金型キャビティに射出速度3m/s以上で注入し、冷却凝固することによりダイカスト鋳造品とし、得られたダイカスト鋳造品に陽極酸化処理を施すことを特徴とするアルミニウム合金ダイカスト製品の製造方法。
【選択図】なし
Description
アルミニウム合金ダイカストは、JIS H 5302に、Al−Si系、Al−Si−Mg系、Al−Mg系、Al−Si−Cu系の合金系が化学成分によって区分されて規定され、例えば、ダイカスト用アルミニウム合金として最も広く用いられているADC12は、Cu1.5〜3.5%、Si9.6〜12.0%、Mg0.3%以下、Zn1.0%以下、Fe1.3%以下、Mn0.5%以下、Ni0.5%以下、Sn0.3%以下、Al残部とされている。
ダイカスト用アルミニウム合金の多くは、7.5〜18.0%程度の比較的多くのSiを含有している。アルミニウム合金にSiを含有させることにより、溶湯の流動性が向上して薄肉製品の成形が容易になり、鋳造品の硬度と強度が大きくなる。しかし、Siを含有させると、鋳造品に光沢が出にくくなり、茶色っぽい汚れ色になりやすい。アルミニウム合金にCuを含有させることにより、鋳造品の機械的性質が向上する。アルミニウム合金にMnを含有させると、Al−Si−Fe−Mnの金属間化合物が生成し、鋳造品の伸度、衝撃強度、切削性が低下すると言われている。
アルミニウム合金ダイカスト製品の光沢を改良するために、さまざまな試みがなされているが、その多くは鋳造品の二次加工である。例えば、ダイカスト製品の表面の湯皺や凹部にも十分な厚さのめっき層を形成できるような構成のアルミニウムダイカストのめっき層構造として、アルミニウムダイカストの表面上に、半光沢ニッケルめっき層と硫酸銅めっき層とを順次交互に積層してなる下地めっき層を形成し、この下地めっき層の上に光沢ニッケルめっき層と装飾クロムめっき層とを順次積層してなる表面めっき層を形成したアルミニウムダイカストのめっき層構造が提案されている(特許文献1)。しかし、このめっき層を形成するためには、多数回のめっき処理を行う長い工程が必要であるのみならず、現在ではクロムめっき処理は公害防止のために極力避けることが望まれている。
また、光沢性に優れたダイカスト鋳造アルミニウム製自動車用ホイールの製造方法として、Si:7〜12重量%、Mg:0.1〜0.4重量%、Fe:0.3〜0.6重量%及びMn:0.2〜0.5重量%を含むアルミニウム合金溶湯を脱ガス、脱滓処理したのち、ダイカスト鋳造し、T6処理後、寸法精度を確保するための機械加工を行い、ホイールデザイン面の表面チル層をバフ研磨加工し、チル層に光沢性を付与してデザイン装飾面とし、さらにその表面に透明のクリア塗装を施す自動車用ホイールの製造方法が提案されている(特許文献2)。しかし、この製造方法は、ダイカスト鋳造後の二次加工として、T6処理、機械加工、バフ研磨加工、塗装の4工程が必要であり、コスト高となりやすい。
アルミニウム合金ダイカスト製品の表面を改質するために、陽極酸化が広く行われている。アルミニウムを陽極で電解し、厚い酸化皮膜を形成することにより、外観を改良し、耐食性と耐摩耗性を与えることができる。陽極酸化は、アルミニウム合金ダイカスト製品への金属光沢の付与にも応用されている。例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金材料の表面を金属光沢と装飾性としての立体的な結晶模様に変換する方法として、アルミニウム又はアルミニウム合金材料に、アルカリ又はアルカリ土類金属の水酸化物溶液を用いて段差型結晶析出処理を施し、次いで陽極酸化処理、PVD又はCDC処理を施す方法が提案されている(特許文献3)。しかし、PVD又はCVD処理には高価な装置を必要とするのみならず、ダイカスト製品の形状によっては均一な処理が不可能な場合もある。
すなわち、本発明は、
(1)アルミニウム合金ダイカスト製品において、アルミニウム合金がマンガン0.5〜1.9重量%を含有し、射出速度3m/s以上で鋳造され、かつ該鋳造品が陽極酸化処理されてなることを特徴とするアルミニウム合金ダイカスト製品、
(2)アルミニウム合金が、マンガン0.5〜1.9重量%、コバルト0.5〜2.0重量%及び銅0.02〜0.12重量%を含有する(1)記載のアルミニウム合金ダイカスト製品、及び、
(3)マンガン0.5〜1.9重量%を含有するアルミニウム合金を溶融し、金型キャビティに射出速度3m/s以上で注入し、冷却凝固することによりダイカスト鋳造品とし、得られたダイカスト鋳造品に陽極酸化処理を施すことを特徴とするアルミニウム合金ダイカスト製品の製造方法、
を提供するものである。
本発明のアルミニウム合金ダイカスト製品の製造方法においては、マンガン0.5〜1.9重量%を含有するアルミニウム合金を溶融し、金型キャビティに射出速度3m/s以上で注入し、冷却凝固することによりダイカスト鋳造品とし、得られたダイカスト鋳造品に陽極酸化処理を施す。
本発明においては、マンガン0.5〜1.9重量%を含有するアルミニウム合金を、ダイカストマシンを用いて射出速度3m/s以上、より好ましくは射出速度3.5m/s以上で鋳造する。射出速度を3m/s以上とすることにより、金型の薄肉部であっても溶湯を高速度で注入し、溶湯の粘度が十分に低く、溶湯が凝固をはじめる前に充填を完了させ、美麗な表面を有する鋳造品を得ることができる。射出速度の上限に特に制限はないが、現在のダイカストマシンでは、高応答性、操作性、安定性を重視した油圧回路と機械系の構築、コンタミネーションに強いサーボバルブの採用、これを制御するリアルタイムフィードバック制御技術の開発などにより、射出速度12m/s程度が実現している。
本発明に用いるアルミニウム合金は、マンガン0.5〜1.9重量%、より好ましくは0.8〜1.5重量%を含有する。アルミニウム合金にマンガンを含有させることにより、溶湯の流動性を向上し、ダイカスト製品の硬度と強度を高め、ダイカスト製品に優れた光沢を付与することができる。マンガンの含有量が0.5重量%未満であると、これらの効果が十分に発現しないおそれがある。マンガンの含有量が1.9重量%を超えると、ダイカスト製品に湯皺、湯流れ模様が発生し、硬度、強度、光沢のいずれもが低下するおそれがある。
本発明においては、アルミニウム合金に、マンガン、コバルト、銅以外に、珪素、マグネシウム、亜鉛、鉄、ニッケル、錫などを含有させることができる。珪素を含有させると、硬度と強度が向上し、伸度と外観が低下する。珪素の含有量は、1.0重量%以下であることが好ましい。マグネシウムを含有させると、光沢と強度と耐食性が向上するが、ヒビ割れが発生しやすくなるおそれがある。マグネシウムの含有量は、4.0重量%以下であることが好ましい。亜鉛を含有させると、耐食性が低下する。亜鉛の含有量は3.0重量%以下であることが好ましい。鉄を含有させると焼付きとかじりを防止することができるが、過剰の鉄は強度を低下させる。鉄の含有量は、1.3重量%以下であることが好ましい。ニッケルの含有量は、0.5重量%以下であることが好ましい。錫の含有量は、0.3重量%以下であることが好ましい。
本発明方法においては、一般ダイカスト鋳造法以外に特殊ダイカスト鋳造法を適用することができる。特殊ダイカスト鋳造法としては、例えば、溶湯を充填する直前にキャビティ内を真空状態に減圧する真空ダイカスト法、溶湯を充填する直前にキャビティ、ランナー、スリーブ内を活性ガスで置換し、活性ガスと溶湯金属との酸化反応によりキャビティ内を減圧状態にする無孔性ダイカスト法、溶湯充填後、凝固過程においてキャビティの一部を直接加圧する局部加圧ダイカスト法などを挙げることができる。
本発明においては、ダイカスト鋳造により成形された鋳造品に陽極酸化処理を施す。陽極酸化処理においては、アルミニウム合金ダイカスト鋳造品を陽極として電解し、鋳造品の表面に酸化皮膜を形成する。鋳造品の陽極酸化処理に先立って、鋳造品を脱脂処理することが好ましい。鋳造品の脱脂処理は、例えば、鋳造品をアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの有機溶剤に浸漬し、超音波洗浄することによって行うことができる。
硫酸水溶液を電解液として用いる場合は、硫酸濃度5〜15重量%、温度20℃以下、電流密度0.5〜2A/dm2であることが好ましい。硫酸水溶液を電解液として用いると、無色透明で染色性に優れた皮膜が形成される。シュウ酸水溶液を電解液として用いる場合は、シュウ酸濃度3〜5重量%、温度25〜35℃、電流密度2〜3A/dm2であることが好ましい。シュウ酸水溶液を電解液として用いると、黄褐色でやや硬質の蛍光特性を有する皮膜が形成される。リン酸水溶液を電解液として用いる場合は、リン酸濃度0.5〜2重量%、温度15〜25℃、電流密度0.5〜2A/dm2であることが好ましい。リン酸水溶液を電解液として用いると、乳白色で多孔性が大きく、めっきの下地に適した皮膜が形成される。スルファミン酸を電解液として用いる場合は、スルファミン酸濃度5〜10重量%、温度25〜35℃、電流密度0.5〜2A/dm2であることが好ましい。スルファミン酸を電解液として用いると、乳白色でやや硬質の皮膜が形成される。
図3は、実施例及び比較例において作製したテストピースの斜視図である。このテストトピースは、半径25mm、高さ15mmの半円筒形の基部7の上に、高さ70mm、幅50mm、厚さ1.0mmの薄肉部8と、その上に高さ40mm、幅50mm、厚さ5.0mmの厚肉部9を有し、薄肉部の表面側の中央に、基部から厚肉部に至る長さ70mm、高さ8mm、幅3mmのリブ10を有する。アルミニウム合金の溶湯は、基部の底面に設けられた湯口から鋳込まれる。
実施例1
ダイカスト用アルミニウム合金[三菱化学(株)、5KDM3−Z、Co0.94重量%、Cu0.06重量%、Si0.04重量%、Fe0.10重量%、Al残部]98.6重量部にマンガン1.4重量部を加えて、Mn1.4重量%、Co0.93重量%、Cu0.06重量%、Si0.04重量%、Fe0.10重量%、Al残部なる組成のアルミニウム合金を調製した。このアルミニウム合金を用いて、テストピースをダイカスト鋳造と陽極酸化処理により作製した。
型締力2,500kNのコールドチャンバーダイカストマシンを用い、アルミニウム合金を溶解し、脱ガス、脱滓の溶湯処理を行ったのち、溶湯温度730℃、金型温度150℃、鋳造圧力64MPa、射出速度4.0m/sでテストピースを鋳造した。
得られたテストピースをアセトンで洗浄して脱脂したのち、10重量%硫酸浴中、浴温18℃、電流密度1.5A/dm2で30分間電解し、膜厚10μmの陽極酸化皮膜を形成した。テストピースをさらに純水中で30分間煮沸することにより、封孔処理を行った。
得られたテストピースの薄肉部の裏面について、JIS Z 8741に従い、光沢度計を用いて60度鏡面光沢度を測定したところ、55%であった。テストピースの薄肉部の裏面のビッカース硬度は、125Hvであった。テストピースから、平行部の幅12.5mmの引張試験片を切り出し、引張試験を行ったところ、引張強度は341MPaであった。
実施例2
ダイカスト用アルミニウム合金[三菱化学(株)、5KDM3−Z]98.8重量部にマンガン1.2重量部を加えて調製したMn1.2重量%、Co0.93重量%、Cu0.06重量%、Si0.04重量%、Fe0.10重量%、Al残部なる組成のアルミニウム合金を用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピースを作製し、評価を行った。
60度鏡面光沢度は62%であり、ビッカース硬度は119Hvであり、引張強度は328MPaであった。
実施例3
ダイカスト用アルミニウム合金[三菱化学(株)、5KDM3−Z]99.0重量部にマンガン1.0重量部を加えて調製したMn1.0重量%、Co0.93重量%、Cu0.06重量%、Si0.04重量%、Fe0.10重量%、Al残部なる組成のアルミニウム合金を用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピースを作製し、評価を行った。
60度鏡面光沢度は68%であり、ビッカース硬度は110Hvであり、引張強度は310MPaであった。
ダイカストマシンの射出速度を0.5m/sとした以外は、実施例1と同様にしてテストピースの作製を試みた。
射出速度が遅く、湯皺、湯流れ模様が発生し、形にはなるが良好なテストピースが得られなかったために、物性の評価は行わなかった。
比較例2
ダイカスト用アルミニウム合金[三菱化学(株)、5KDM3−Z」97.5重量部にマンガン2.5重量部を加えて調製したMn2.5重量%、Co0.92重量%、Cu0.06重量%、Si0.04重量%、Fe0.10重量%、Al残部なる組成のアルミニウム合金を用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピースを作製し、評価を行った。
60度鏡面光沢度は15%であり、ビッカース硬度は135Hvであり、引張強度は535MPaであった。
比較例3
ダイカスト用アルミニウム合金[サミット昭和アルミ(株)、63SC、Mn0.04重量%、Cu0.05重量%、Si0.65重量%、Fe0.27重量%、Mg0.62重量%、Zn0.05重量%、Ni0.01重量%、Cr0.03重量%、Ti0.01重量%、Al残部]を用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピースを作製した。
陽極酸化処理において、美麗な表面が得られなかったので、物性の評価は行わなかった。
比較例4
ダイカスト用アルミニウム合金[三菱化学(株)、5KDM3−Z、Co0.94重量%、Cu0.06重量%、Si0.04重量%、Fe0.10重量%、Al残部]を用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピースを作製し、評価を行った。
60度鏡面光沢度は30%であり、ビッカース硬度は88Hvであり、引張強度は118MPaであった。
実施例1〜3及び比較例1〜4で用いたアルミニウム合金の組成と射出速度を第1表に、得られたアルミニウム合金ダイカスト製品の光沢度、硬度、強度を第2表に示す。
2 バリアー型酸化皮膜
3 微細孔
4 多孔質層
5 アルミニウム合金基材
6 酸化膜
7 基部
8 薄肉部
9 厚肉部
10 リブ
アルミニウム合金ダイカストは、JIS H 5302に、Al−Si系、Al−Si−Mg系、Al−Mg系、Al−Si−Cu系の合金系が化学成分によって区分されて規定され、例えば、ダイカスト用アルミニウム合金として最も広く用いられているADC12は、Cu1.5〜3.5%、Si9.6〜12.0%、Mg0.3%以下、Zn1.0%以下、Fe1.3%以下、Mn0.5%以下、Ni0.5%以下、Sn0.3%以下、Al残部とされている。
ダイカスト用アルミニウム合金の多くは、7.5〜18.0%程度の比較的多くのSiを含有している。アルミニウム合金にSiを含有させることにより、溶湯の流動性が向上して薄肉製品の成形が容易になり、鋳造品の硬度と強度が大きくなる。しかし、Siを含有させると、鋳造品に光沢が出にくくなり、茶色っぽい汚れ色になりやすい。アルミニウム合金にCuを含有させることにより、鋳造品の機械的性質が向上する。アルミニウム合金にMnを含有させると、Al−Si−Fe−Mnの金属間化合物が生成し、鋳造品の伸度、衝撃強度、切削性が低下すると言われている。
アルミニウム合金ダイカスト製品の光沢を改良するために、さまざまな試みがなされているが、その多くは鋳造品の二次加工である。例えば、ダイカスト製品の表面の湯皺や凹部にも十分な厚さのめっき層を形成できるような構成のアルミニウムダイカストのめっき層構造として、アルミニウムダイカストの表面上に、半光沢ニッケルめっき層と硫酸銅めっき層とを順次交互に積層してなる下地めっき層を形成し、この下地めっき層の上に光沢ニッケルめっき層と装飾クロムめっき層とを順次積層してなる表面めっき層を形成したアルミニウムダイカストのめっき層構造が提案されている(特許文献1)。しかし、このめっき層を形成するためには、多数回のめっき処理を行う長い工程が必要であるのみならず、現在ではクロムめっき処理は公害防止のために極力避けることが望まれている。
また、光沢性に優れたダイカスト鋳造アルミニウム製自動車用ホイールの製造方法として、Si:7〜12重量%、Mg:0.1〜0.4重量%、Fe:0.3〜0.6重量%及びMn:0.2〜0.5重量%を含むアルミニウム合金溶湯を脱ガス、脱滓処理したのち、ダイカスト鋳造し、T6処理後、寸法精度を確保するための機械加工を行い、ホイールデザイン面の表面チル層をバフ研磨加工し、チル層に光沢性を付与してデザイン装飾面とし、さらにその表面に透明のクリア塗装を施す自動車用ホイールの製造方法が提案されている(特許文献2)。しかし、この製造方法は、ダイカスト鋳造後の二次加工として、T6処理、機械加工、バフ研磨加工、塗装の4工程が必要であり、コスト高となりやすい。
アルミニウム合金ダイカスト製品の表面を改質するために、陽極酸化が広く行われている。アルミニウムを陽極で電解し、厚い酸化皮膜を形成することにより、外観を改良し、耐食性と耐摩耗性を与えることができる。陽極酸化は、アルミニウム合金ダイカスト製品への金属光沢の付与にも応用されている。例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金材料の表面を金属光沢と装飾性としての立体的な結晶模様に変換する方法として、アルミニウム又はアルミニウム合金材料に、アルカリ又はアルカリ土類金属の水酸化物溶液を用いて段差型結晶析出処理を施し、次いで陽極酸化処理、PVD又はCVD処理を施す方法が提案されている(特許文献3)。しかし、PVD又はCVD処理には高価な装置を必要とするのみならず、ダイカスト製品の形状によっては均一な処理が不可能な場合もある。
すなわち、本発明は、
(1)アルミニウム合金ダイカスト製品において、アルミニウム合金がマンガン0.5〜1.9重量%を含有し、射出速度3m/s以上で鋳造され、かつ該鋳造品が陽極酸化処理されてなることを特徴とするアルミニウム合金ダイカスト製品、
(2)アルミニウム合金が、マンガン0.5〜1.9重量%、コバルト0.5〜2.0重量%及び銅0.02〜0.12重量%を含有する(1)記載のアルミニウム合金ダイカスト製品、
(3)アルミニウム合金の珪素含有量が1.0重量%以下である(1)又は(2)記載のアルミニウム合金ダイカスト製品、
(4)アルミニウム合金のマグネシウム含有量が4.0重量%以下である(1)〜(3)のいずれか記載のアルミニウム合金ダイカスト製品、
(5)マンガン0.5〜1.9重量%を含有するアルミニウム合金を溶融し、金型キャビティに射出速度3m/s以上で注入し、冷却凝固することによりダイカスト鋳造品とし、得られたダイカスト鋳造品に陽極酸化処理を施すことを特徴とするアルミニウム合金ダイカスト製品の製造方法、及び、
(6)アルミニウム合金の珪素含有量が1.0重量%以下である(5)記載のアルミニウム合金ダイカスト製品の製造方法。
を提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1)アルミニウム合金ダイカスト製品において、マンガン0.5〜1.9重量%、コバルト0.5〜2.0重量%及び銅0.02〜0.12重量%を含有し、珪素含有量が1.0重量%以下であるアルミニウム合金を用いて、射出速度3m/s以上で鋳造し、かつ該鋳造品を陽極酸化処理することによって、該鋳造品の表面光沢度を60度鏡面光沢度55%以上にすることを特徴とする厚さ1.5mm以下の薄肉部を有するアルミニウム合金ダイカスト製品、
(2)アルミニウム合金のマグネシウム含有量が4.0重量%以下である(1)記載の厚さ1.5mm以下の薄肉部を有するアルミニウム合金ダイカスト製品、及び、
(3)アルミニウム合金を溶融し、金型キャビティに射出速度3m/s以上で注入し、冷却凝固することによりダイカスト鋳造品とし、得られたダイカスト鋳造品に陽極酸化処理を施すことを特徴とする(1)又は(2)記載の厚さ1.5mm以下の薄肉部を有するアルミニウム合金ダイカスト製品の製造方法、
を提供するものである。
アルミニウム合金ダイカストは、JIS H 5302に、Al−Si系、Al−Si−Mg系、Al−Mg系、Al−Si−Cu系の合金系が化学成分によって区分されて規定され、例えば、ダイカスト用アルミニウム合金として最も広く用いられているADC12は、Cu1.5〜3.5%、Si9.6〜12.0%、Mg0.3%以下、Zn1.0%以下、Fe1.3%以下、Mn0.5%以下、Ni0.5%以下、Sn0.3%以下、Al残部とされている。
ダイカスト用アルミニウム合金の多くは、7.5〜18.0%程度の比較的多くのSiを含有している。アルミニウム合金にSiを含有させることにより、溶湯の流動性が向上して薄肉製品の成形が容易になり、鋳造品の硬度と強度が大きくなる。しかし、Siを含有させると、鋳造品に光沢が出にくくなり、茶色っぽい汚れ色になりやすい。アルミニウム合金にCuを含有させることにより、鋳造品の機械的性質が向上する。アルミニウム合金にMnを含有させると、Al−Si−Fe−Mnの金属間化合物が生成し、鋳造品の伸度、衝撃強度、切削性が低下すると言われている。
アルミニウム合金ダイカスト製品の光沢を改良するために、さまざまな試みがなされているが、その多くは鋳造品の二次加工である。例えば、ダイカスト製品の表面の湯皺や凹部にも十分な厚さのめっき層を形成できるような構成のアルミニウムダイカストのめっき層構造として、アルミニウムダイカストの表面上に、半光沢ニッケルめっき層と硫酸銅めっき層とを順次交互に積層してなる下地めっき層を形成し、この下地めっき層の上に光沢ニッケルめっき層と装飾クロムめっき層とを順次積層してなる表面めっき層を形成したアルミニウムダイカストのめっき層構造が提案されている(特許文献1)。しかし、このめっき層を形成するためには、多数回のめっき処理を行う長い工程が必要であるのみならず、現在ではクロムめっき処理は公害防止のために極力避けることが望まれている。
また、光沢性に優れたダイカスト鋳造アルミニウム製自動車用ホイールの製造方法として、Si:7〜12質量%、Mg:0.1〜0.4質量%、Fe:0.3〜0.6質量%及びMn:0.2〜0.5質量%を含むアルミニウム合金溶湯を脱ガス、脱滓処理したのち、ダイカスト鋳造し、T6処理後、寸法精度を確保するための機械加工を行い、ホイールデザイン面の表面チル層をバフ研磨加工し、チル層に光沢性を付与してデザイン装飾面とし、さらにその表面に透明のクリア塗装を施す自動車用ホイールの製造方法が提案されている(特許文献2)。しかし、この製造方法は、ダイカスト鋳造後の二次加工として、T6処理、機械加工、バフ研磨加工、塗装の4工程が必要であり、コスト高となりやすい。
アルミニウム合金ダイカスト製品の表面を改質するために、陽極酸化が広く行われている。アルミニウムを陽極で電解し、厚い酸化皮膜を形成することにより、外観を改良し、耐食性と耐摩耗性を与えることができる。陽極酸化は、アルミニウム合金ダイカスト製品への金属光沢の付与にも応用されている。例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金材料の表面を金属光沢と装飾性としての立体的な結晶模様に変換する方法として、アルミニウム又はアルミニウム合金材料に、アルカリ又はアルカリ土類金属の水酸化物溶液を用いて段差型結晶析出処理を施し、次いで陽極酸化処理、PVD又はCVD処理を施す方法が提案されている(特許文献3)。しかし、PVD又はCVD処理には高価な装置を必要とするのみならず、ダイカスト製品の形状によっては均一な処理が不可能な場合もある。
すなわち、本発明は、
(1)アルミニウム合金ダイカスト製品において、マンガン0.5〜1.9質量%、コバルト0.5〜2.0質量%及び銅0.02〜0.12質量%を含有し、珪素含有量が1.0質量%以下であり、残部はアルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金を用いて、射出速度3m/s以上で鋳造し、かつ該鋳造品を陽極酸化処理することによって、該鋳造品の表面光沢度を60度鏡面光沢度55%以上としたことを特徴とする厚さ1.5mm以下の薄肉部を有するアルミニウム合金ダイカスト製品、
(2)アルミニウム合金ダイカスト製品において、マンガン0.5〜1.9質量%、コバルト0.5〜2.0質量%及び銅0.02〜0.12質量%を含有し、珪素含有量が1.0質量%以下であり、マグネシウム含有量が4.0質量%以下であり、残部はアルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金を用いて、射出速度3m/s以上で鋳造し、かつ該鋳造品を陽極酸化処理することによって、該鋳造品の表面光沢度を60度鏡面光沢度55%以上としたことを特徴とする厚さ1.5mm以下の薄肉部を有するアルミニウム合金ダイカスト製品、及び、
(3)(1)又は(2)記載のアルミニウム合金ダイカスト製品に用いたアルミニウム合金を溶融し、金型キャビティに射出速度3m/s以上で注入し、冷却凝固することによりダイカスト鋳造品とし、得られたダイカスト鋳造品に陽極酸化処理を施すことを特徴とする(1)又は(2)記載の厚さ1.5mm以下の薄肉部を有するアルミニウム合金ダイカスト製品の製造方法、
を提供するものである。
本発明のアルミニウム合金ダイカスト製品の製造方法においては、マンガン0.5〜1.9質量%を含有するアルミニウム合金を溶融し、金型キャビティに射出速度3m/s以上で注入し、冷却凝固することによりダイカスト鋳造品とし、得られたダイカスト鋳造品に陽極酸化処理を施す。
本発明においては、マンガン0.5〜1.9質量%を含有するアルミニウム合金を、ダイカストマシンを用いて射出速度3m/s以上、より好ましくは射出速度3.5m/s以上で鋳造する。射出速度を3m/s以上とすることにより、金型の薄肉部であっても溶湯を高速度で注入し、溶湯の粘度が十分に低く、溶湯が凝固をはじめる前に充填を完了させ、美麗な表面を有する鋳造品を得ることができる。射出速度の上限に特に制限はないが、現在のダイカストマシンでは、高応答性、操作性、安定性を重視した油圧回路と機械系の構築、コンタミネーションに強いサーボバルブの採用、これを制御するリアルタイムフィードバック制御技術の開発などにより、射出速度12m/s程度が実現している。
本発明に用いるアルミニウム合金は、マンガン0.5〜1.9質量%、より好ましくは0.8〜1.5質量%を含有する。アルミニウム合金にマンガンを含有させることにより、溶湯の流動性を向上し、ダイカスト製品の硬度と強度を高め、ダイカスト製品に優れた光沢を付与することができる。マンガンの含有量が0.5質量%未満であると、これらの効果が十分に発現しないおそれがある。マンガンの含有量が1.9質量%を超えると、ダイカスト製品に湯皺、湯流れ模様が発生し、硬度、強度、光沢のいずれもが低下するおそれがある。
本発明においては、アルミニウム合金に、マンガン、コバルト、銅以外に、珪素、マグネシウム、亜鉛、鉄、ニッケル、錫などを含有させることができる。珪素を含有させると、硬度と強度が向上し、伸度と外観が低下する。珪素の含有量は、1.0質量%以下であることが好ましい。マグネシウムを含有させると、光沢と強度と耐食性が向上するが、ヒビ割れが発生しやすくなるおそれがある。マグネシウムの含有量は、4.0質量%以下であることが好ましい。亜鉛を含有させると、耐食性が低下する。亜鉛の含有量は3.0質量%以下であることが好ましい。鉄を含有させると焼付きとかじりを防止することができるが、過剰の鉄は強度を低下させる。鉄の含有量は、1.3質量%以下であることが好ましい。ニッケルの含有量は、0.5質量%以下であることが好ましい。錫の含有量は、0.3質量%以下であることが好ましい。
本発明方法においては、一般ダイカスト鋳造法以外に特殊ダイカスト鋳造法を適用することができる。特殊ダイカスト鋳造法としては、例えば、溶湯を充填する直前にキャビティ内を真空状態に減圧する真空ダイカスト法、溶湯を充填する直前にキャビティ、ランナー、スリーブ内を活性ガスで置換し、活性ガスと溶湯金属との酸化反応によりキャビティ内を減圧状態にする無孔性ダイカスト法、溶湯充填後、凝固過程においてキャビティの一部を直接加圧する局部加圧ダイカスト法などを挙げることができる。
本発明においては、ダイカスト鋳造により成形された鋳造品に陽極酸化処理を施す。陽極酸化処理においては、アルミニウム合金ダイカスト鋳造品を陽極として電解し、鋳造品の表面に酸化皮膜を形成する。鋳造品の陽極酸化処理に先立って、鋳造品を脱脂処理することが好ましい。鋳造品の脱脂処理は、例えば、鋳造品をアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの有機溶剤に浸漬し、超音波洗浄することによって行うことができる。
硫酸水溶液を電解液として用いる場合は、硫酸濃度5〜15質量%、温度20℃以下、電流密度0.5〜2A/dm2であることが好ましい。硫酸水溶液を電解液として用いると、無色透明で染色性に優れた皮膜が形成される。シュウ酸水溶液を電解液として用いる場合は、シュウ酸濃度3〜5質量%、温度25〜35℃、電流密度2〜3A/dm2であることが好ましい。シュウ酸水溶液を電解液として用いると、黄褐色でやや硬質の蛍光特性を有する皮膜が形成される。リン酸水溶液を電解液として用いる場合は、リン酸濃度0.5〜2質量%、温度15〜25℃、電流密度0.5〜2A/dm2であることが好ましい。リン酸水溶液を電解液として用いると、乳白色で多孔性が大きく、めっきの下地に適した皮膜が形成される。スルファミン酸を電解液として用いる場合は、スルファミン酸濃度5〜10質量%、温度25〜35℃、電流密度0.5〜2A/dm2であることが好ましい。スルファミン酸を電解液として用いると、乳白色でやや硬質の皮膜が形成される。
図3は、実施例及び比較例において作製したテストピースの斜視図である。このテストトピースは、半径25mm、高さ15mmの半円筒形の基部7の上に、高さ70mm、幅50mm、厚さ1.0mmの薄肉部8と、その上に高さ40mm、幅50mm、厚さ5.0mmの厚肉部9を有し、薄肉部の表面側の中央に、基部から厚肉部に至る長さ70mm、高さ8mm、幅3mmのリブ10を有する。アルミニウム合金の溶湯は、基部の底面に設けられた湯口から鋳込まれる。
実施例1
ダイカスト用アルミニウム合金[三菱化学(株)、5KDM3−Z、Co0.94質量%、Cu0.06質量%、Si0.04質量%、Fe0.10質量%、Al残部]98.6重量部にマンガン1.4重量部を加えて、Mn1.4質量%、Co0.93質量%、Cu0.06質量%、Si0.04質量%、Fe0.10質量%、Al残部なる組成のアルミニウム合金を調製した。このアルミニウム合金を用いて、テストピースをダイカスト鋳造と陽極酸化処理により作製した。
型締力2,500kNのコールドチャンバーダイカストマシンを用い、アルミニウム合金を溶解し、脱ガス、脱滓の溶湯処理を行ったのち、溶湯温度730℃、金型温度150℃、鋳造圧力64MPa、射出速度4.0m/sでテストピースを鋳造した。
得られたテストピースをアセトンで洗浄して脱脂したのち、10質量%硫酸浴中、浴温18℃、電流密度1.5A/dm2で30分間電解し、膜厚10μmの陽極酸化皮膜を形成した。テストピースをさらに純水中で30分間煮沸することにより、封孔処理を行った。
得られたテストピースの薄肉部の裏面について、JIS Z 8741に従い、光沢度計を用いて60度鏡面光沢度を測定したところ、55%であった。テストピースの薄肉部の裏面のビッカース硬度は、125Hvであった。テストピースから、平行部の幅12.5mmの引張試験片を切り出し、引張試験を行ったところ、引張強度は341MPaであった。
実施例2
ダイカスト用アルミニウム合金[三菱化学(株)、5KDM3−Z]98.8重量部にマンガン1.2重量部を加えて調製したMn1.2質量%、Co0.93質量%、Cu0.06質量%、Si0.04質量%、Fe0.10質量%、Al残部なる組成のアルミニウム合金を用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピースを作製し、評価を行った。
60度鏡面光沢度は62%であり、ビッカース硬度は119Hvであり、引張強度は328MPaであった。
実施例3
ダイカスト用アルミニウム合金[三菱化学(株)、5KDM3−Z]99.0重量部にマンガン1.0重量部を加えて調製したMn1.0質量%、Co0.93質量%、Cu0.06質量%、Si0.04質量%、Fe0.10質量%、Al残部なる組成のアルミニウム合金を用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピースを作製し、評価を行った。
60度鏡面光沢度は68%であり、ビッカース硬度は110Hvであり、引張強度は310MPaであった。
ダイカストマシンの射出速度を0.5m/sとした以外は、実施例1と同様にしてテストピースの作製を試みた。
射出速度が遅く、湯皺、湯流れ模様が発生し、形にはなるが良好なテストピースが得られなかったために、物性の評価は行わなかった。
比較例2
ダイカスト用アルミニウム合金[三菱化学(株)、5KDM3−Z」97.5重量部にマンガン2.5重量部を加えて調製したMn2.5質量%、Co0.92質量%、Cu0.06質量%、Si0.04質量%、Fe0.10質量%、Al残部なる組成のアルミニウム合金を用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピースを作製し、評価を行った。
60度鏡面光沢度は15%であり、ビッカース硬度は135Hvであり、引張強度は535MPaであった。
比較例3
ダイカスト用アルミニウム合金[サミット昭和アルミ(株)、63SC、Mn0.04質量%、Cu0.05質量%、Si0.65質量%、Fe0.27質量%、Mg0.62質量%、Zn0.05質量%、Ni0.01質量%、Cr0.03質量%、Ti0.01質量%、Al残部]を用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピースを作製した。
陽極酸化処理において、美麗な表面が得られなかったので、物性の評価は行わなかった。
比較例4
ダイカスト用アルミニウム合金[三菱化学(株)、5KDM3−Z、Co0.94質量%、Cu0.06質量%、Si0.04質量%、Fe0.10質量%、Al残部]を用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピースを作製し、評価を行った。
60度鏡面光沢度は30%であり、ビッカース硬度は88Hvであり、引張強度は118MPaであった。
実施例1〜3及び比較例1〜4で用いたアルミニウム合金の組成と射出速度を第1表に、得られたアルミニウム合金ダイカスト製品の光沢度、硬度、強度を第2表に示す。
2 バリアー型酸化皮膜
3 微細孔
4 多孔質層
5 アルミニウム合金基材
6 酸化膜
7 基部
8 薄肉部
9 厚肉部
10 リブ
すなわち、本発明は、
(1)マンガン0.5〜1.9質量%、コバルト0.5〜2.0質量%及び銅0.02〜0.12質量%を含有し、珪素含有量が1.0質量%以下であり、残部はアルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金を用いて、射出速度3m/s以上で鋳造し、かつ該鋳造品を陽極酸化処理することによって、該鋳造品の表面光沢度を60度鏡面光沢度55%以上としたことを特徴とする厚さ1.5mm以下の薄肉部を有するアルミニウム合金ダイカスト製品、
(2)マンガン0.5〜1.9質量%、コバルト0.5〜2.0質量%及び銅0.02〜0.12質量%を含有し、珪素含有量が1.0質量%以下であり、マグネシウム含有量が4.0質量%以下であり、残部はアルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金を用いて、射出速度3m/s以上で鋳造し、かつ該鋳造品を陽極酸化処理することによって、該鋳造品の表面光沢度を60度鏡面光沢度55%以上としたことを特徴とする厚さ1.5mm以下の薄肉部を有するアルミニウム合金ダイカスト製品、及び、
(3)(1)又は(2)記載のアルミニウム合金を溶融し、金型キャビティに射出速度3m/s以上で注入し、冷却凝固することによりダイカスト鋳造品とし、得られたダイカスト鋳造品に陽極酸化処理を施すことを特徴とする(1)又は(2)記載の厚さ1.5mm以下の薄肉部を有するアルミニウム合金ダイカスト製品の製造方法、
を提供するものである。
Claims (3)
- アルミニウム合金ダイカスト製品において、アルミニウム合金がマンガン0.5〜1.9重量%を含有し、射出速度3m/s以上で鋳造され、かつ該鋳造品が陽極酸化処理されてなることを特徴とするアルミニウム合金ダイカスト製品。
- アルミニウム合金が、マンガン0.5〜1.9重量%、コバルト0.5〜2.0重量%及び銅0.02〜0.12重量%を含有する請求項1記載のアルミニウム合金ダイカスト製品。
- マンガン0.5〜1.9重量%を含有するアルミニウム合金を溶融し、金型キャビティに射出速度3m/s以上で注入し、冷却凝固することによりダイカスト鋳造品とし、得られたダイカスト鋳造品に陽極酸化処理を施すことを特徴とするアルミニウム合金ダイカスト製品の製造方法。
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