JP2000218167A - ポリエチレンテレフタレートの解重合用触媒 - Google Patents
ポリエチレンテレフタレートの解重合用触媒Info
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- JP2000218167A JP2000218167A JP11021654A JP2165499A JP2000218167A JP 2000218167 A JP2000218167 A JP 2000218167A JP 11021654 A JP11021654 A JP 11021654A JP 2165499 A JP2165499 A JP 2165499A JP 2000218167 A JP2000218167 A JP 2000218167A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、PET解重合反応を加速すること
ができ、かつ、生成物であるモノマーの精製上、問題と
なる副生成物や、着色、臭いのないモノマー生成に有効
に用いられる触媒を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレートとテレフタ
ル酸ジメチルを混合溶解し、超臨界状態のメタノールを
作用させて、ポリエチレンテレフタレートを解重合して
テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールへとモノマ
ー化するためのポリエチレンテレフタレートの解重合触
媒であって、金属化合物を含んでなる解重合触媒が提供
される。
ができ、かつ、生成物であるモノマーの精製上、問題と
なる副生成物や、着色、臭いのないモノマー生成に有効
に用いられる触媒を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレートとテレフタ
ル酸ジメチルを混合溶解し、超臨界状態のメタノールを
作用させて、ポリエチレンテレフタレートを解重合して
テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールへとモノマ
ー化するためのポリエチレンテレフタレートの解重合触
媒であって、金属化合物を含んでなる解重合触媒が提供
される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンテレ
フタレート(以下、PETと略することがある。)を解
重合し、原料及び原料誘導体へとモノマー化する際の反
応を促進するための触媒に関する。
フタレート(以下、PETと略することがある。)を解
重合し、原料及び原料誘導体へとモノマー化する際の反
応を促進するための触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートは、テレフ
タル酸またはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコー
ルを重縮合することによって得られるポリエステルであ
る。このようなポリエステルを同種のポリエステル材料
として再利用する際、マテリアルリサイクルとケミカル
リサイクルとがある。マテリアルリサイクルでは、ポリ
エステルを熱等で軟化し、再成形する。この場合、プロ
セスが単純であるため、1回限りで見るとリサイクルの
コストは低い。しかし、再成形を行う毎に成形性などの
物性が元の材料に対して劣っていくため、リサイクル回
数が限られたり、より低位の物性で対応できる用途への
変換を余儀なくされる。一方、ケミカルリサイクルで
は、ポリエステルを化学変換し、原料まで戻し、精製し
た後に再合成する。そのため、システムが複雑で1回限
りで見るとリサイイクルのコストは高くなる。しかし、
リサイクル回数が飛躍的に伸び、また、リサイクル先の
用途が限定されないため、付加価値が高い。
タル酸またはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコー
ルを重縮合することによって得られるポリエステルであ
る。このようなポリエステルを同種のポリエステル材料
として再利用する際、マテリアルリサイクルとケミカル
リサイクルとがある。マテリアルリサイクルでは、ポリ
エステルを熱等で軟化し、再成形する。この場合、プロ
セスが単純であるため、1回限りで見るとリサイクルの
コストは低い。しかし、再成形を行う毎に成形性などの
物性が元の材料に対して劣っていくため、リサイクル回
数が限られたり、より低位の物性で対応できる用途への
変換を余儀なくされる。一方、ケミカルリサイクルで
は、ポリエステルを化学変換し、原料まで戻し、精製し
た後に再合成する。そのため、システムが複雑で1回限
りで見るとリサイイクルのコストは高くなる。しかし、
リサイクル回数が飛躍的に伸び、また、リサイクル先の
用途が限定されないため、付加価値が高い。
【0003】ポリエステルをモノマー化する方法は多数
存在する。その中で代表的な方法としては、メタノール
を用いて加溶媒分解するメタノリシス法が挙げられる。
この方法は、再生したモノマーの純度を確保する上で有
力な方法であるが、反応速度が遅く、実用上の問題を抱
えている。その他の方法としては、超臨界メタノールを
利用したメタノリシス法が挙げられる。この方法では、
反応時間を短縮するためには反応器の構造が複雑にな
り、装置コストが高くなる問題がある。その反面、反応
器の構造を単純化すれば、反応時間が長くなってしま
う。
存在する。その中で代表的な方法としては、メタノール
を用いて加溶媒分解するメタノリシス法が挙げられる。
この方法は、再生したモノマーの純度を確保する上で有
力な方法であるが、反応速度が遅く、実用上の問題を抱
えている。その他の方法としては、超臨界メタノールを
利用したメタノリシス法が挙げられる。この方法では、
反応時間を短縮するためには反応器の構造が複雑にな
り、装置コストが高くなる問題がある。その反面、反応
器の構造を単純化すれば、反応時間が長くなってしま
う。
【0004】また、その他には、PETとテレフタル酸
ジメチル(以下、DMTと略す。)とメタノールを適切
な混合比で投入し、反応温度をメタノールの臨界点以下
とすることで、反応を均一液相で進行させる方法があ
る。この方法では、反応器の構造を非常に単純化できる
が、反応時間が2時間以上となり、同じ量の原料を処理
するときでも装置がより大型になる問題がある。
ジメチル(以下、DMTと略す。)とメタノールを適切
な混合比で投入し、反応温度をメタノールの臨界点以下
とすることで、反応を均一液相で進行させる方法があ
る。この方法では、反応器の構造を非常に単純化できる
が、反応時間が2時間以上となり、同じ量の原料を処理
するときでも装置がより大型になる問題がある。
【0005】そこで、上述の問題を解決する方策とし
て、上記モノマー化方法において、更に反応を加速させ
るために触媒の利用が有効であると考えられる。しか
し、このようなポリエステルをモノマー化する解重合反
応において、適切な触媒の選定には困難が伴う。
て、上記モノマー化方法において、更に反応を加速させ
るために触媒の利用が有効であると考えられる。しか
し、このようなポリエステルをモノマー化する解重合反
応において、適切な触媒の選定には困難が伴う。
【0006】ポリエステル合成用触媒としては、チタ
ン、マンガン、アンチモン、亜鉛、スズ、鉛、カルシウ
ム、コバルト、クロム、カドミウム、鉄、ニッケル、
銅、リチウム、ゲルマニウムなどの金属の無機化合物、
及び有機化合物が一般に知られている。触媒の活性にお
いて金属の対イオンの影響は大きく、同一金属では、触
媒の活性は、金属酢酸塩、金属アルコキシド>酸化物>
塩化物>硫酸塩>リン酸塩の順になる。一般に、対イオ
ンの酸性が弱いほど触媒活性が高くなることが知られて
いる。
ン、マンガン、アンチモン、亜鉛、スズ、鉛、カルシウ
ム、コバルト、クロム、カドミウム、鉄、ニッケル、
銅、リチウム、ゲルマニウムなどの金属の無機化合物、
及び有機化合物が一般に知られている。触媒の活性にお
いて金属の対イオンの影響は大きく、同一金属では、触
媒の活性は、金属酢酸塩、金属アルコキシド>酸化物>
塩化物>硫酸塩>リン酸塩の順になる。一般に、対イオ
ンの酸性が弱いほど触媒活性が高くなることが知られて
いる。
【0007】また、合成の際の金属触媒の電気陰性度と
反応速度の間には、明確な相関が見られる。例えば、ア
ルミニウムを例外として、電気陰性度1.5をピークと
して反応速度の向上が見られる(「重縮合(講座重合反
応論9)」緒方直載著、化学同人刊、1971年)。従
って、代表的な金属としては、特に限定されることな
く、亜鉛、マンガン、コバルト、チタン、鉛、カドミウ
ム、マグネシウム、スズ、カルシウムなどが挙げられ
る。
反応速度の間には、明確な相関が見られる。例えば、ア
ルミニウムを例外として、電気陰性度1.5をピークと
して反応速度の向上が見られる(「重縮合(講座重合反
応論9)」緒方直載著、化学同人刊、1971年)。従
って、代表的な金属としては、特に限定されることな
く、亜鉛、マンガン、コバルト、チタン、鉛、カドミウ
ム、マグネシウム、スズ、カルシウムなどが挙げられ
る。
【0008】なお、酢酸塩触媒の活性としては、金属の
ジベンゾイルメタン錯体の安定度定数値(logβ1)
と反応速度定数との間に明確な相関がみられ、logβ
1=11をピークとした反応促進効果が見られる(「飽
和ポリエステル樹脂ハンドブック」湯木和男編、日刊工
業新聞社刊)。代表的な金属としては、特に限定される
ことなく、チタン、スズ、アンチモン、セリウム、亜
鉛、コバルト、鉛、マンガンなどがある。しかし、上記
の金属化合物が重合反応に用いられる場合においては、
副反応の問題を留意しなければならない。この副反応に
は、ジエチレングリコール脱炭酸、アセトアルデヒド、
ジオキサンなどの生成、その他、微量生成物による着
色、臭いなどがある。従って、工業的に使用するため
に、触媒は種々の制約を受ける。工業的に使用されてい
る触媒としては、ゲルマニウム、アンチモンなどが主流
をなしている。
ジベンゾイルメタン錯体の安定度定数値(logβ1)
と反応速度定数との間に明確な相関がみられ、logβ
1=11をピークとした反応促進効果が見られる(「飽
和ポリエステル樹脂ハンドブック」湯木和男編、日刊工
業新聞社刊)。代表的な金属としては、特に限定される
ことなく、チタン、スズ、アンチモン、セリウム、亜
鉛、コバルト、鉛、マンガンなどがある。しかし、上記
の金属化合物が重合反応に用いられる場合においては、
副反応の問題を留意しなければならない。この副反応に
は、ジエチレングリコール脱炭酸、アセトアルデヒド、
ジオキサンなどの生成、その他、微量生成物による着
色、臭いなどがある。従って、工業的に使用するため
に、触媒は種々の制約を受ける。工業的に使用されてい
る触媒としては、ゲルマニウム、アンチモンなどが主流
をなしている。
【0009】ポリエステルをモノマー化する解重合反応
における触媒としては、その逆反応であるポリエステル
合成における重縮合反応で高い触媒活性を示す金属化合
物の有効性を考慮することができる。重縮合反応におけ
る高い触媒活性は、電気陰性度及びジベンゾイルメタン
錯体の安定度定数がある特定範囲に存在する金属に見ら
れる。しかし、これらの金属化合物は、上述のように、
重縮合反応において、製品に有害な物質を生成する副反
応を同時に誘発する問題が一般に知られており、適切な
触媒の選定は困難とされている。現在、工業的に使用で
きる重合触媒としては、ゲルマニウムやアンチモンが主
流である。従って、解重合反応において、これらの金属
化合物や、現在工業的に用いられているゲルマニウム、
アンチモンが同様に有効であるかは明らかではない。
における触媒としては、その逆反応であるポリエステル
合成における重縮合反応で高い触媒活性を示す金属化合
物の有効性を考慮することができる。重縮合反応におけ
る高い触媒活性は、電気陰性度及びジベンゾイルメタン
錯体の安定度定数がある特定範囲に存在する金属に見ら
れる。しかし、これらの金属化合物は、上述のように、
重縮合反応において、製品に有害な物質を生成する副反
応を同時に誘発する問題が一般に知られており、適切な
触媒の選定は困難とされている。現在、工業的に使用で
きる重合触媒としては、ゲルマニウムやアンチモンが主
流である。従って、解重合反応において、これらの金属
化合物や、現在工業的に用いられているゲルマニウム、
アンチモンが同様に有効であるかは明らかではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の有する問題に鑑み、PET解重合反応を加
速することができ、かつ、生成物であるモノマーの精製
上問題となる副生成物や、着色、臭いのないモノマー生
成に有効に用いられる触媒を提供することを目的とす
る。
な従来技術の有する問題に鑑み、PET解重合反応を加
速することができ、かつ、生成物であるモノマーの精製
上問題となる副生成物や、着色、臭いのないモノマー生
成に有効に用いられる触媒を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め本発明の一態様によれば、ポリエチレンテレフタレー
トとテレフタル酸ジメチルを混合溶解し、超臨界状態の
メタノールを作用させて、ポリエチレンテレフタレート
を解重合してテレフタル酸ジメチルとエチレングリコー
ルへとモノマー化するためのポリエチレンテレフタレー
トの解重合触媒であって、金属化合物を含んでなる解重
合触媒が提供される。また、本発明の別の態様によれ
ば、ポリエチレンテレフタレートとテレフタル酸ジメチ
ルとメタノールを、反応を均一液相で進行させる混合比
率で投入し、反応温度をメタノールの臨界点以下とする
ことにより、ポリエチレンテレフタレートを解重合して
テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールへとモノマ
ー化するためのポリエチレンテレフタレートの解重合触
媒であって、金属化合物を含んでなる解重合触媒が提供
される。
め本発明の一態様によれば、ポリエチレンテレフタレー
トとテレフタル酸ジメチルを混合溶解し、超臨界状態の
メタノールを作用させて、ポリエチレンテレフタレート
を解重合してテレフタル酸ジメチルとエチレングリコー
ルへとモノマー化するためのポリエチレンテレフタレー
トの解重合触媒であって、金属化合物を含んでなる解重
合触媒が提供される。また、本発明の別の態様によれ
ば、ポリエチレンテレフタレートとテレフタル酸ジメチ
ルとメタノールを、反応を均一液相で進行させる混合比
率で投入し、反応温度をメタノールの臨界点以下とする
ことにより、ポリエチレンテレフタレートを解重合して
テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールへとモノマ
ー化するためのポリエチレンテレフタレートの解重合触
媒であって、金属化合物を含んでなる解重合触媒が提供
される。
【0012】本発明のさらに別の態様によれば、ポリエ
チレンテレフタレートとテレフタル酸ジメチルを混合溶
解し、金属化合物を含んでなる触媒の存在下において超
臨界状態のメタノールを作用させて、ポリエチレンテレ
フタレートを解重合してテレフタル酸ジメチルとエチレ
ングリコールへとモノマー化するポリエチレンテレフタ
レートの解重合方法が提供される。また、本発明のもう
一つの態様によれば、金属化合物を含んでなる触媒の存
在下においてポリエチレンテレフタレートとテレフタル
酸ジメチルとメタノールを、反応を均一液相で進行させ
る混合比率で投入し、反応温度をメタノールの臨界点以
下とすることにより、ポリエチレンテレフタレートを解
重合してテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールへ
とモノマー化するポリエチレンテレフタレートの解重合
方法が提供される。
チレンテレフタレートとテレフタル酸ジメチルを混合溶
解し、金属化合物を含んでなる触媒の存在下において超
臨界状態のメタノールを作用させて、ポリエチレンテレ
フタレートを解重合してテレフタル酸ジメチルとエチレ
ングリコールへとモノマー化するポリエチレンテレフタ
レートの解重合方法が提供される。また、本発明のもう
一つの態様によれば、金属化合物を含んでなる触媒の存
在下においてポリエチレンテレフタレートとテレフタル
酸ジメチルとメタノールを、反応を均一液相で進行させ
る混合比率で投入し、反応温度をメタノールの臨界点以
下とすることにより、ポリエチレンテレフタレートを解
重合してテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールへ
とモノマー化するポリエチレンテレフタレートの解重合
方法が提供される。
【0013】ここで用いられる解重合触媒としては、チ
タン、亜鉛、マンガン、スズ、コバルト、鉛、カドミウ
ム、マグネシウム、カルシウム、セリウムなどの化合
物、特に、酢酸塩等の弱酸性塩、アルコキシド、酸化
物、塩化物、硫化物、硫酸塩、リン酸塩がある。さら
に、上記の触媒としては、電気陰性度が1.2〜2.0
の範囲にある金属が有効であるが、その中でも特に、電
気陰性度が1.4〜1.6の範囲にある金属が有効であ
る。あるいは、ジベンゾイルメタン錯体の安定度定数値
(logβ1)9〜14を有する金属類の弱酸性塩また
はアルコキシドが好適であるが、その中でも特に、ジベ
ンゾイルメタン錯体の安定度定数値(logβ1)9〜
13を有する金属類の弱酸性塩またはアルコキシドが好
適である。
タン、亜鉛、マンガン、スズ、コバルト、鉛、カドミウ
ム、マグネシウム、カルシウム、セリウムなどの化合
物、特に、酢酸塩等の弱酸性塩、アルコキシド、酸化
物、塩化物、硫化物、硫酸塩、リン酸塩がある。さら
に、上記の触媒としては、電気陰性度が1.2〜2.0
の範囲にある金属が有効であるが、その中でも特に、電
気陰性度が1.4〜1.6の範囲にある金属が有効であ
る。あるいは、ジベンゾイルメタン錯体の安定度定数値
(logβ1)9〜14を有する金属類の弱酸性塩また
はアルコキシドが好適であるが、その中でも特に、ジベ
ンゾイルメタン錯体の安定度定数値(logβ1)9〜
13を有する金属類の弱酸性塩またはアルコキシドが好
適である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるPET
は、特に限定されないが、リサイクル用のPETボト
ル、写真用フィルムに代表されるPETフィルム、磁気
テープに代表されるPETテープ、ポリエステル繊維と
して使用されるPET繊維、カップ、トレー、透明包装
等に利用されるPETシートが挙げられる。PETは、
モノマー化に先立ち、通常の方法により他の材料との分
離、洗浄等の前処理をして、フレーク状にしておくこと
が好ましい。
は、特に限定されないが、リサイクル用のPETボト
ル、写真用フィルムに代表されるPETフィルム、磁気
テープに代表されるPETテープ、ポリエステル繊維と
して使用されるPET繊維、カップ、トレー、透明包装
等に利用されるPETシートが挙げられる。PETは、
モノマー化に先立ち、通常の方法により他の材料との分
離、洗浄等の前処理をして、フレーク状にしておくこと
が好ましい。
【0015】本発明においては、解重合反応について、
電気陰性度が1.5を中心として、1.2〜2.0の範
囲にある金属の弱酸性塩またはアルコキシドを触媒とし
て使用するのが好適である。図3に示す電気陰性度と重
合反応速度定数との関係から、電気陰性度1.5である
Znを頂点として最高の触媒活性を示すことが分かる。
電気陰性度が1.2〜2.0の範囲にある金属類が、解
重合反応においては何れも高い触媒活性を示し、かつ、
収率及び解重合後の精製に悪影響を及ぼす副生成物を生
じないため、触媒として使用されうる。代表的な金属と
しては、例えば、特に限定されることなく、亜鉛、マン
ガン、コバルト、チタン、鉛、カドミウム、マグネシウ
ム、スズなどの金属がある。この中でも、チタン、亜
鉛、マンガンが好ましい。実際に触媒として用いられる
のはこれらの金属の化合物であり、これらの金属の弱酸
性塩またはアルコキシド、酸化物、塩化物、硫酸塩、リ
ン酸塩が挙げられるが、好ましくは、酢酸塩といった弱
酸性塩、アルコキシド、酸化物である。
電気陰性度が1.5を中心として、1.2〜2.0の範
囲にある金属の弱酸性塩またはアルコキシドを触媒とし
て使用するのが好適である。図3に示す電気陰性度と重
合反応速度定数との関係から、電気陰性度1.5である
Znを頂点として最高の触媒活性を示すことが分かる。
電気陰性度が1.2〜2.0の範囲にある金属類が、解
重合反応においては何れも高い触媒活性を示し、かつ、
収率及び解重合後の精製に悪影響を及ぼす副生成物を生
じないため、触媒として使用されうる。代表的な金属と
しては、例えば、特に限定されることなく、亜鉛、マン
ガン、コバルト、チタン、鉛、カドミウム、マグネシウ
ム、スズなどの金属がある。この中でも、チタン、亜
鉛、マンガンが好ましい。実際に触媒として用いられる
のはこれらの金属の化合物であり、これらの金属の弱酸
性塩またはアルコキシド、酸化物、塩化物、硫酸塩、リ
ン酸塩が挙げられるが、好ましくは、酢酸塩といった弱
酸性塩、アルコキシド、酸化物である。
【0016】また、図4は、金属のジベンゾイルメタン
錯体の安定度定数値(logβ1)と反応速度定数との
関係を示す。図4から、チタンの場合は、logβ1=
11.7でピークを示す。さらに、各種金属の酢酸塩を
触媒として使用した場合のlogβ1値を表1に示す。
しかし、金属のジベンゾイルメタン錯体の安定度定数値
は、用いられた触媒と反応物との間の結合力に係わり、
その結合力がより強くても、弱くても触媒の活性は劣
る。従って、本発明においてはジベンゾイルメタン錯体
の安定度定数値(logβ1)が9〜14の範囲にある
金属類が、何れも高い触媒活性を示し、かつ、収率およ
び解重合後の精製に悪影響を及ぼす副生成物を生じない
ため、触媒として使用されることがわかっている。例え
ば、特に限定されることなく、チタン、スズ、カルシウ
ム、セリウム、亜鉛、コバルト、鉛、マンガンなどがあ
るが、好ましくは、チタン、亜鉛、マンガンである。触
媒として用いられる化合物としては、金属酢酸塩、金属
アルコキシド、酸化物、塩化物、硫酸塩、リン酸塩があ
り、その中でも酢酸塩、アルコキシドが好ましい。
錯体の安定度定数値(logβ1)と反応速度定数との
関係を示す。図4から、チタンの場合は、logβ1=
11.7でピークを示す。さらに、各種金属の酢酸塩を
触媒として使用した場合のlogβ1値を表1に示す。
しかし、金属のジベンゾイルメタン錯体の安定度定数値
は、用いられた触媒と反応物との間の結合力に係わり、
その結合力がより強くても、弱くても触媒の活性は劣
る。従って、本発明においてはジベンゾイルメタン錯体
の安定度定数値(logβ1)が9〜14の範囲にある
金属類が、何れも高い触媒活性を示し、かつ、収率およ
び解重合後の精製に悪影響を及ぼす副生成物を生じない
ため、触媒として使用されることがわかっている。例え
ば、特に限定されることなく、チタン、スズ、カルシウ
ム、セリウム、亜鉛、コバルト、鉛、マンガンなどがあ
るが、好ましくは、チタン、亜鉛、マンガンである。触
媒として用いられる化合物としては、金属酢酸塩、金属
アルコキシド、酸化物、塩化物、硫酸塩、リン酸塩があ
り、その中でも酢酸塩、アルコキシドが好ましい。
【0017】
【表1】
【0018】本発明において、超臨界メタノールによる
PETのモノマー化法の一例を図1に基づき説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。まず、P
ETとDMTの混合物を処理混合物2として反応容器1
に投入する。さらに、メタノールと触媒を加えて密栓す
る。これを所定の温度に設定したハンダ浴3に入れるこ
とで、温度をメタノールの超臨界状態(臨界点は239
℃、80気圧である。)、例えば、270℃、120気
圧に調整する。その温度は容器内部に挿入した熱電対で
確認することができる。また、圧力は、加えるメタノー
ル量より80〜170気圧に調整する。この際、加える
メタノール量は、PETの重量1に対して、3〜10の
重量比、好ましくは、4〜7の重量比になるようにす
る。さらに、触媒の添加量は30ppm以上、好ましく
は200ppm以上必要であり、300ppm以上10
00ppm以下であることが最も好ましい。30ppm
以下であると反応速度の向上は少ない。上限は特にない
が、1000ppm以上加えても反応速度の向上は増大
しない。
PETのモノマー化法の一例を図1に基づき説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。まず、P
ETとDMTの混合物を処理混合物2として反応容器1
に投入する。さらに、メタノールと触媒を加えて密栓す
る。これを所定の温度に設定したハンダ浴3に入れるこ
とで、温度をメタノールの超臨界状態(臨界点は239
℃、80気圧である。)、例えば、270℃、120気
圧に調整する。その温度は容器内部に挿入した熱電対で
確認することができる。また、圧力は、加えるメタノー
ル量より80〜170気圧に調整する。この際、加える
メタノール量は、PETの重量1に対して、3〜10の
重量比、好ましくは、4〜7の重量比になるようにす
る。さらに、触媒の添加量は30ppm以上、好ましく
は200ppm以上必要であり、300ppm以上10
00ppm以下であることが最も好ましい。30ppm
以下であると反応速度の向上は少ない。上限は特にない
が、1000ppm以上加えても反応速度の向上は増大
しない。
【0019】また、図2は、本発明に係わるPETのモ
ノマー化法のもう一つの例を示す。即ち、PETとDM
Tとメタノールを適切な混合比で投入し、反応温度をメ
タノールの臨界点以下とすることで、反応を均一液相で
進行させる方法において、反応速度を促進するために本
発明の触媒を用いる。まず、PETとDMTの混合物を
処理PET9として観察窓付反応容器4に投入する。さ
らに、メタノールと触媒を加えて密栓する。反応開始の
際のPET、DMT、メタノールの投入組成の範囲は、
これらの混合物が均一相となる範囲であることを要す
る。
ノマー化法のもう一つの例を示す。即ち、PETとDM
Tとメタノールを適切な混合比で投入し、反応温度をメ
タノールの臨界点以下とすることで、反応を均一液相で
進行させる方法において、反応速度を促進するために本
発明の触媒を用いる。まず、PETとDMTの混合物を
処理PET9として観察窓付反応容器4に投入する。さ
らに、メタノールと触媒を加えて密栓する。反応開始の
際のPET、DMT、メタノールの投入組成の範囲は、
これらの混合物が均一相となる範囲であることを要す
る。
【0020】続いて、上記の混合物を所定の温度に設定
した恒温槽に入れた後、反応温度をメタノールの臨界点
以下とするために、ヒーターで230℃にて加熱する。
この温度は、熱電対7を使用して制御することができ
る。1時間保持した後、メタノール注入管8を通じて、
反応に必要な残りのメタノールを注入し、反応を完了さ
せる。上記反応の際に加えるメタノールの総量は、PE
Tの重量1に対して、3〜10重量比、好ましくは、4
〜7量比となるようにする。メタノールの量が少ないと
モノマーが十分には得られず、メタノールの量が多すぎ
ると後段のメタノール分離プロセスの規模が大きくな
る。さらに、触媒の添加量は、30ppm以上、好まし
くは200ppm以上必要であり、300ppm以上1
000ppm以下であることが最も好ましい。なお、解
重合反応の完了に要する時間は、反応条件などによって
異なるが、通常は、1〜4時間である。
した恒温槽に入れた後、反応温度をメタノールの臨界点
以下とするために、ヒーターで230℃にて加熱する。
この温度は、熱電対7を使用して制御することができ
る。1時間保持した後、メタノール注入管8を通じて、
反応に必要な残りのメタノールを注入し、反応を完了さ
せる。上記反応の際に加えるメタノールの総量は、PE
Tの重量1に対して、3〜10重量比、好ましくは、4
〜7量比となるようにする。メタノールの量が少ないと
モノマーが十分には得られず、メタノールの量が多すぎ
ると後段のメタノール分離プロセスの規模が大きくな
る。さらに、触媒の添加量は、30ppm以上、好まし
くは200ppm以上必要であり、300ppm以上1
000ppm以下であることが最も好ましい。なお、解
重合反応の完了に要する時間は、反応条件などによって
異なるが、通常は、1〜4時間である。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 [実施例1〜13]本実施例では、超臨界メタノールに
よるPETのモノマー化法における本発明の触媒の効果
を現す。反応容器は、図1に示すものと同様なものを用
いた。市販されているPET(商品名:アルドリッチ社
製ペレット)1.8gとDMT0.9gの混合物に表2
に挙げられた触媒とメタノール18.0gを加え、それ
を約80mlの内容量を有する反応容器に入れ、その反
応容器を密栓した。その後、270℃で10〜500分
処理した。別途試験にて圧力を測定したところ、この時
の圧力は120気圧であり、メタノールは超臨界状態で
あった。 反応の終了後は、容器を強制空冷し、さらに
氷水につけ、内容物を取り出した。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 [実施例1〜13]本実施例では、超臨界メタノールに
よるPETのモノマー化法における本発明の触媒の効果
を現す。反応容器は、図1に示すものと同様なものを用
いた。市販されているPET(商品名:アルドリッチ社
製ペレット)1.8gとDMT0.9gの混合物に表2
に挙げられた触媒とメタノール18.0gを加え、それ
を約80mlの内容量を有する反応容器に入れ、その反
応容器を密栓した。その後、270℃で10〜500分
処理した。別途試験にて圧力を測定したところ、この時
の圧力は120気圧であり、メタノールは超臨界状態で
あった。 反応の終了後は、容器を強制空冷し、さらに
氷水につけ、内容物を取り出した。
【0022】内容物を1000mlのメタノールで溶解
し、不溶物を濾過した後、ガスクロマトグラフィー及び
高速液体クロマトグラフィーにて成分の分析を行った。
さらに、反応時間と収率を整理して、テレフタル酸ジメ
チルを90%以上、かつ、エチレングリコール85%以
上の収率で得られる反応時間についてまとめた。それら
の結果を表2に示す。また、何れの反応においても、ガ
スクロマトグラフィーとFD質量分析法の結果、残りの
成分は、ビスヒドロキシエチルジテレフタレートとヒド
ロキシエチル−メチル−テレフタレートを主成分とした
解重合中間体、および、重合時に副生し、PET中に含
まれるジエチレングリコールであった。反応時間を表中
の5倍以上としたときには、極微量のエチレングリコー
ルモノメチルエーテルの生成が確認されたが、表中の全
ての反応において、アセトアルデヒド、ジオキサン、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルなど
のガスクロマトグラフィーにて分析できる副生成物は検
出されず、また、生成物には、着色、臭いを生じなかっ
た。
し、不溶物を濾過した後、ガスクロマトグラフィー及び
高速液体クロマトグラフィーにて成分の分析を行った。
さらに、反応時間と収率を整理して、テレフタル酸ジメ
チルを90%以上、かつ、エチレングリコール85%以
上の収率で得られる反応時間についてまとめた。それら
の結果を表2に示す。また、何れの反応においても、ガ
スクロマトグラフィーとFD質量分析法の結果、残りの
成分は、ビスヒドロキシエチルジテレフタレートとヒド
ロキシエチル−メチル−テレフタレートを主成分とした
解重合中間体、および、重合時に副生し、PET中に含
まれるジエチレングリコールであった。反応時間を表中
の5倍以上としたときには、極微量のエチレングリコー
ルモノメチルエーテルの生成が確認されたが、表中の全
ての反応において、アセトアルデヒド、ジオキサン、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルなど
のガスクロマトグラフィーにて分析できる副生成物は検
出されず、また、生成物には、着色、臭いを生じなかっ
た。
【0023】[比較例1]本比較例では、超臨界メタノ
ールによるPETのモノマー化法における従来法の結果
を現す。反応容器は、図1に示すものと同様なものを用
いた。市販されているPET(商品名:アルドリッチ社
製ペレット)1.8gとDMT0.9gの混合物にメタ
ノール18.0gを加え、それを約80mlの内容量を
有する反応容器に入れ、その反応容器を密栓した。その
後、上記実施例1〜13と同様に反応を行い、その結果
を表2に示す。
ールによるPETのモノマー化法における従来法の結果
を現す。反応容器は、図1に示すものと同様なものを用
いた。市販されているPET(商品名:アルドリッチ社
製ペレット)1.8gとDMT0.9gの混合物にメタ
ノール18.0gを加え、それを約80mlの内容量を
有する反応容器に入れ、その反応容器を密栓した。その
後、上記実施例1〜13と同様に反応を行い、その結果
を表2に示す。
【表2】 上記表2から判るように、重合触媒として工業的に使用
されているゲルマニウムとアンチモンは、PETの解重
合反応の際、反応時間の短縮にあまり効果的ではない。
されているゲルマニウムとアンチモンは、PETの解重
合反応の際、反応時間の短縮にあまり効果的ではない。
【0024】[実施例14〜24]本実施例では、PE
TとDMTとメタノールを適切な混合比で投入し、反応
温度をメタノールの臨界点以下とすることで、反応を均
一液相で進行させる方法において本発明の触媒の効果を
現す。反応容器は、図2に示すものと同様なものを用い
た。PET0.4gとDMT0.2gの混合物に表3に
挙げられた触媒とメタノール1.6gを加え、それを約
10mlの内容量を有する反応容器に入れ、その反応容
器を密栓した。その後、反応容器を230℃まで加熱し
た。この時、系内は均一であることが確認された。20
分保持した後、さらに2.4gのメタノールを追加し
た。反応後は、容器を強制空冷し、内容物を取り出し
た。内容物を300mlのメタノールで溶解し、不溶物
を濾過した後、ガスクロマトグラフィー及び高速液体ク
ロマトグラフィーにて成分の分析を行った。
TとDMTとメタノールを適切な混合比で投入し、反応
温度をメタノールの臨界点以下とすることで、反応を均
一液相で進行させる方法において本発明の触媒の効果を
現す。反応容器は、図2に示すものと同様なものを用い
た。PET0.4gとDMT0.2gの混合物に表3に
挙げられた触媒とメタノール1.6gを加え、それを約
10mlの内容量を有する反応容器に入れ、その反応容
器を密栓した。その後、反応容器を230℃まで加熱し
た。この時、系内は均一であることが確認された。20
分保持した後、さらに2.4gのメタノールを追加し
た。反応後は、容器を強制空冷し、内容物を取り出し
た。内容物を300mlのメタノールで溶解し、不溶物
を濾過した後、ガスクロマトグラフィー及び高速液体ク
ロマトグラフィーにて成分の分析を行った。
【0025】さらに、反応時間と収率を整理して、テレ
フタル酸ジメチルを80%以上、かつ、エチレングリコ
ール85%以上の収率で得られる反応時間についてまと
めた。それらの結果を表3に示す。また、何れの反応に
おいても、ガスクロマトグラフィーとFD質量分析法の
結果、残りの成分は、ビスヒドロキシエチルジテレフタ
レートとヒドロキシエチル−メチル−テレフタレートを
主成分とした解重合中間体、および、重合時に副生し、
PET中に含まれるジエチレングリコールであった。反
応時間を表中の5倍以上としたときには、極微量のエチ
レングリコールモノメチルエーテルの生成が確認された
が、表中の全ての反応において、アセトアルデヒド、ジ
オキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル
エーテルなどのガスクロマトグラフィーにて分析できる
副生成物は検出されず、また、生成物には、着色、臭い
を生じなかった。
フタル酸ジメチルを80%以上、かつ、エチレングリコ
ール85%以上の収率で得られる反応時間についてまと
めた。それらの結果を表3に示す。また、何れの反応に
おいても、ガスクロマトグラフィーとFD質量分析法の
結果、残りの成分は、ビスヒドロキシエチルジテレフタ
レートとヒドロキシエチル−メチル−テレフタレートを
主成分とした解重合中間体、および、重合時に副生し、
PET中に含まれるジエチレングリコールであった。反
応時間を表中の5倍以上としたときには、極微量のエチ
レングリコールモノメチルエーテルの生成が確認された
が、表中の全ての反応において、アセトアルデヒド、ジ
オキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル
エーテルなどのガスクロマトグラフィーにて分析できる
副生成物は検出されず、また、生成物には、着色、臭い
を生じなかった。
【0026】[比較例2]本比較例では、PETとDM
Tとメタノールを適切な混合比で投入し、反応温度をメ
タノールの臨界点以下とすることで、反応を均一液相で
進行させる方法において従来法の結果を現す。反応容器
は、図2に示すものと同様なものを用いた。PET0.
4gとDMT0.2gの混合物にメタノール1.6gを
加え、それを約10mlの内容量を有する反応容器に入
れ、その反応容器を密栓した。その後、上記実施例14
〜24と同様に反応を行い、その結果を表3に示す。
Tとメタノールを適切な混合比で投入し、反応温度をメ
タノールの臨界点以下とすることで、反応を均一液相で
進行させる方法において従来法の結果を現す。反応容器
は、図2に示すものと同様なものを用いた。PET0.
4gとDMT0.2gの混合物にメタノール1.6gを
加え、それを約10mlの内容量を有する反応容器に入
れ、その反応容器を密栓した。その後、上記実施例14
〜24と同様に反応を行い、その結果を表3に示す。
【表3】 上記表3から判るように、重合触媒として工業的に使用
されているゲルマニウムとアンチモンは、PETの解重
合反応の際、反応時間の短縮に余り効果的ではない。
されているゲルマニウムとアンチモンは、PETの解重
合反応の際、反応時間の短縮に余り効果的ではない。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、超臨界
メタノールによる解重合反応は、2相系で進行し、2相
の比接触面積に大きく依存するため、反応は界面律速も
しくは拡散律速と予想され、触媒の効果は小さいと考え
るのが自然であるが、実施例の通り、添加触媒の効果を
大きく受ける。また、メタノールによるPETの解重合
に関する解重合反応は、従来、明確に均一相で進行する
ものは知られていないが、亜臨界メタノールを用いた均
一相の反応においても、触媒を用いて、反応を加速する
ことができる。重合反応においては、活性の高い触媒を
用いた場合に、副生成物、着色などが起こり問題とな
る。また、解重合反応に酸触媒・塩基触媒を使用した場
合にも、副生成物、着色、臭いが生じ問題となる。しか
し、本出願における上記触媒を用いた解重合反応の生成
物中には、モノマーの精製上問題となる副生成物、着
色、臭いなどがなかった。
メタノールによる解重合反応は、2相系で進行し、2相
の比接触面積に大きく依存するため、反応は界面律速も
しくは拡散律速と予想され、触媒の効果は小さいと考え
るのが自然であるが、実施例の通り、添加触媒の効果を
大きく受ける。また、メタノールによるPETの解重合
に関する解重合反応は、従来、明確に均一相で進行する
ものは知られていないが、亜臨界メタノールを用いた均
一相の反応においても、触媒を用いて、反応を加速する
ことができる。重合反応においては、活性の高い触媒を
用いた場合に、副生成物、着色などが起こり問題とな
る。また、解重合反応に酸触媒・塩基触媒を使用した場
合にも、副生成物、着色、臭いが生じ問題となる。しか
し、本出願における上記触媒を用いた解重合反応の生成
物中には、モノマーの精製上問題となる副生成物、着
色、臭いなどがなかった。
【図1】本発明に係わる超臨界メタノールによるPET
のモノマー化法の一例を示す。
のモノマー化法の一例を示す。
【図2】本発明に係わるPETのモノマー化法のもう一
例を示す。
例を示す。
【図3】金属の電気陰性度と反応速度定数の関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図4】金属のジベンゾイルメタン錯体の安定度定数値
(logβ1)と反応速度定数との関係を示すグラフで
ある。
(logβ1)と反応速度定数との関係を示すグラフで
ある。
1 反応容器 2 処理混合物 3 ハンダ浴 4 観察窓付反応容器 5 石英窓 6 セル内壁 7 熱電対 8 メタノール注入管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 亘 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 三井 武志 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 木代 修 神奈川県厚木市毛利台1丁目22番1号 Fターム(参考) 4G069 AA02 BB04A BB04B BB08A BB09A BB10A BB13A BB14A BB20A BB20B BC09A BC09B BC10A BC10B BC21A BC21B BC22A BC22B BC23B BC26B BC35A BC35B BC36A BC36B BC43A BC50A BC50B BC62A BC62B BC67A CB35 DA08
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートとテレフタ
ル酸ジメチルを混合溶解し、超臨界状態のメタノールを
作用させて、ポリエチレンテレフタレートを解重合して
テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールへとモノマ
ー化するためのポリエチレンテレフタレートの解重合用
触媒であって、金属化合物を含んでなる解重合用触媒。 - 【請求項2】 ポリエチレンテレフタレートとテレフタ
ル酸ジメチルとメタノールを、反応を均一液相で進行さ
せる混合比率で投入し、反応温度をメタノールの臨界点
以下とすることにより、ポリエチレンテレフタレートを
解重合してテレフタル酸ジメチルとエチレングリコール
へとモノマー化するためのポリエチレンテレフタレート
の解重合用触媒であって、金属化合物を含んでなる解重
合用触媒。 - 【請求項3】 金属化合物が、1.2〜2.0範囲の電
気陰性度を有する金属の弱酸性塩またはアルコキシドで
ある請求項1または請求項2記載のポリエチレンテレフ
タレートの解重合用触媒。 - 【請求項4】 金属化合物が、ジベンゾイルメタン錯体
の安定度定数値(logβ1)9〜14を有する金属類
の弱酸性塩またはアルコキシドである請求項1または請
求項2記載のポリエチレンテレフタレートの解重合用触
媒。 - 【請求項5】 金属化合物が、チタン、亜鉛、マンガ
ン、スズ、コバルト、鉛、カドミウム、マグネシウム、
カルシウム、セリウムの弱酸性塩、アルコキシド、酸化
物、塩化物、硫化物、硫酸塩、リン酸塩およびそれらの
混合物から選ばれることを特徴とする請求項1または請
求項2記載のポリエチレンテレフタレートの解重合用触
媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11021654A JP2000218167A (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | ポリエチレンテレフタレートの解重合用触媒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11021654A JP2000218167A (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | ポリエチレンテレフタレートの解重合用触媒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000218167A true JP2000218167A (ja) | 2000-08-08 |
Family
ID=12061046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11021654A Withdrawn JP2000218167A (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | ポリエチレンテレフタレートの解重合用触媒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000218167A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003042288A1 (fr) * | 2001-11-16 | 2003-05-22 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | Methode de dissolution d'un polyester sature, solution de decomposition d'un polyester sature, et methode de decomposition utilisant cette solution |
JP2020507644A (ja) * | 2017-01-31 | 2020-03-12 | イオニカ・テクノロジーズ・ベー・フェー | 縮合重合体の分解 |
WO2021211499A1 (en) | 2020-04-13 | 2021-10-21 | Eastman Chemical Company | Chemical recycling of waste plastics from various sources, including wet fines |
-
1999
- 1999-01-29 JP JP11021654A patent/JP2000218167A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003042288A1 (fr) * | 2001-11-16 | 2003-05-22 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | Methode de dissolution d'un polyester sature, solution de decomposition d'un polyester sature, et methode de decomposition utilisant cette solution |
CN1298774C (zh) * | 2001-11-16 | 2007-02-07 | 日立化成工业株式会社 | 分解饱和聚酯的溶液及使用其的分解方法 |
US7202283B2 (en) | 2001-11-16 | 2007-04-10 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | Method for dissolving saturated polyester solution for decomposing saturated polyester and method for decomposition using the same |
DE10297453B4 (de) * | 2001-11-16 | 2008-11-27 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | Abbauverfahren für gesättigte Polyester unter Verwendung einer Lösung |
JP2020507644A (ja) * | 2017-01-31 | 2020-03-12 | イオニカ・テクノロジーズ・ベー・フェー | 縮合重合体の分解 |
JP7105785B2 (ja) | 2017-01-31 | 2022-07-25 | イオニカ・テクノロジーズ・ベー・フェー | 縮合重合体の分解 |
WO2021211499A1 (en) | 2020-04-13 | 2021-10-21 | Eastman Chemical Company | Chemical recycling of waste plastics from various sources, including wet fines |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060404 |