JP2000217613A - テープ付き係脱具 - Google Patents

テープ付き係脱具

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JP2000217613A
JP2000217613A JP11022972A JP2297299A JP2000217613A JP 2000217613 A JP2000217613 A JP 2000217613A JP 11022972 A JP11022972 A JP 11022972A JP 2297299 A JP2297299 A JP 2297299A JP 2000217613 A JP2000217613 A JP 2000217613A
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knitting
disengaging
knitted
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English (en)
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Kiyomasa Segawa
清正 瀬川
Shunji Akashi
俊次 明石
Yoshio Matsuda
義雄 松田
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Original Assignee
YKK Corp
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    • A44B17/00Press-button or snap fasteners
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    • D04B21/00Warp knitting processes for the production of fabrics or articles not dependent on the use of particular machines; Fabrics or articles defined by such processes
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D10INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10BINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10B2501/00Wearing apparel
    • D10B2501/06Details of garments
    • D10B2501/063Fasteners

Abstract

(57)【要約】 【課題】湾曲線に沿って縫着しやすく、伸縮性を備えた
被着物によく馴染み、係脱具の係脱操作を確実に且つ正
確に行うことができ、しかもテープ上への合成樹脂製係
脱具の円滑な連続成形を可能とする経編テープを使用し
たテープ付きの合成樹脂性係脱具を提供する。 【解決手段】テープ付き係脱具のテープが、幅方向の左
右端縁部に配される1以上のウェール(W1 〜W6;W17〜W
22)により形成される被着物取付領域(A) と、その幅方
向中央部の複数のウェール(W7 〜W16)により形成される
係脱具成形領域(B) とからなる経編組織から構成され、
例えば前記経編テープ(T) の全体をトリコット編糸(11)
とシングルコード編糸(12)との交絡による編み組織から
編成し、上記係脱具成形領域(B) には更に鎖編糸(13)を
編み込んで、前記係脱具成形領域(B) の経方向への伸縮
性を極力抑制すると共に寸法形態的に安定させ、前記取
付領域(A) では経方向に所要の伸縮性をもたせると共に
寸法形態的にもある程度の安定性を保持する編み構造と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テープに熱可塑性
合成樹脂材料からなる雄雌のスナップファスナーなどの
係脱具を一体成形により固着したテープ付き係脱具に関
し、詳しくは、前記テープが柔軟性とある程度の伸縮性
及び形態安定性とを具備する編成テープからなり、係脱
具の成形時における寸法安定性が確保され、しかも被着
物の伸縮性にもよく追随でき、特に曲線部の縫着を美麗
になし得るテープ付き係脱具に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性合成樹脂材料からなる係脱具を
成形と同時にテープに一体に取り付けたテープ付き係脱
具類にあって、同係脱具に使用されるテープの多くは非
伸縮性の経糸及び緯糸により織成された織物である。こ
れは、スナップファスナーや鳩目などの係脱具類をテー
プ上に成形するとき及び各種の衣料や袋物類、カーテン
などの被着物に対して縫着するとき、テープ形態の安定
性が確保されるためである。従って、一般的なテープ付
き係脱具は必然的に伸縮性に乏しい。
【0003】かかるテープ付き係脱具類の製造方法が、
例えば米国特許第2,821,764号明細書に開示さ
れている。その製造方法によれば、テープと鳩目との結
合力を優れたものにするために、釦取付兼紐挿通用の孔
を構成する取付孔の周辺に更に複数の小孔を穿ち、テー
プの表裏面に前記取付孔を介して一体成形される鳩目本
体を、更に前記小孔を通じて成形される脚部により強固
に固着するものである。更に、同明細書の記載によれ
ば、成形にあたりテープの前記取付孔周縁部が大きく波
打ち、或いは表裏方向の偏りが発生することを防止する
ため、可動型及び固定型に形成された鳩目成形用のキャ
ビテイの内部にあって、前記テープの取付孔周縁部が挿
入される部位に、各キャビティの内面から相対して突出
する複数のピン部材を設け、該ピン部材によりテープの
前記取付孔周縁を挟持し、その状態で溶融樹脂材料を射
出してテープの前記取付孔周片に鳩目を成形一体化して
いる。かかる波打ちなどの防止構造は雄及び雌のテープ
付きスナップファスナーの製造方法にも適用され、例え
ば特開昭62−155805号公報にも開示されてい
る。
【0004】また、例えば実開昭56−16311号公
報や特開平10−33211号公報などによれば、前記
テープを織物又は編物から構成し、少なくともその幅方
向中央部のファスナー成形部を粗に織編成して、同中央
部にスナップファスナーを成形一体化している。この場
合には、上記米国特許のようにファスナー取付部に係脱
具の取付孔を形成することなく、溶融樹脂材料をテープ
の粗に織編成された糸条間の間隙を通過させることによ
り、テープの表裏にスナップファスナーを一体に成形す
る。
【0005】ところで、従来の金属製係脱具を取り付け
たテープ付き係脱具に代わる前述のようなテープ付き合
成樹脂係脱具は、生産性に優れていることに加えて感触
にも優れるため、アウターウエアや各種のバッグ類など
の係脱具として適用されるに止まらず、例えば人肌に直
接接触するファンデーション、インナーウエア、乳幼児
用衣料、医療用衣服などにも多用されるようになってき
ている。一方、近年、多様なファッションに対応し得る
各種の衣料用素材が開発され、例えば伸縮性を備えたア
ウターウエア、或いは柔軟で適度な伸縮性を有する衣料
素材を使った各種衣料やメリヤス衣料などが使われてい
る。
【0006】通常は、前記ファンデーションなどの人肌
に直接接触する衣料や、前述のような独特の衣料素材を
使った衣料に適用される前記テープ付き合成樹脂係脱具
のテープにも、上記織物テープが使われている。この織
物テープの場合、前記柔軟で伸縮性に富む衣料と馴染み
にくいため、衣料とテープ付き係脱具との間で独自に動
きやすく、係脱具の係脱にあたって指先による雄及び雌
の係脱具同士を互いに合わせにくく、或いは指先による
係脱操作力が各係脱具に円滑に伝わりにくく、その係脱
に手間のかかる場合が多い。
【0007】また、前記織物テープとして、例えば柔軟
性に富む薄手でしなやかな織物テープを使用したとして
も、相変わらず伸縮性に乏しく、これらの織物テープを
伸縮性衣料や衣料の曲線部に縫着する場合に、伸縮性衣
料であればその伸縮性に追随できず、また曲線部への縫
着であればテープに皺が寄ったり、縫着部の曲線が崩れ
てしまうといった不具合が生じる。
【0008】そこで、特に曲線部への縫着に適したテー
プ付き係脱具のテープ素材として、例えば登録実用新案
第3040449号公報によれば経緯糸を所望の角度を
もって斜めに切断して得られるバイヤス織物を使用する
ことが提案されている。ただし、バイヤス織物はその切
断端縁において構成糸条のほつれが起こりやすいため、
同登録考案によればテープの幅方向の両端縁部を中央側
に折り返して、その対向縁間に合成樹脂製スナップファ
スナーを一体成形している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記実開昭
56−16311号公報や特開平10−33211号公
報には、前記テープ素材として編成テープを使用するこ
とが記載はされているが、編み組織や使用糸条の繊度等
に関する具体的なテープ構造が示されていない。また、
上記登録実用新案第3040449号公報に開示された
バイヤス織物テープを使ったテープ付き合成樹脂係脱具
にあっても、そのテープ付き合成樹脂係脱具の製造方
法、特にその係脱具の成形方法に関して、具体的な方法
は開示されていない。
【0010】従来も、この種のテープ付き合成樹脂係脱
具にあって、そのテープ素材として伸縮性テープ、例え
ば編み構造に基づく伸縮性を利用する編物テープ、或い
は構成糸条(経糸)として伸縮糸を使った織物テープを
採用しようとする試みが多くなされているが、この場
合、後述するようなテープ上に合成樹脂係脱具を一体成
形するときに発生する様々な課題が克服されていないた
め、未だ実用化には達していないのが現状である。ま
た、仮に編物テープを使用するとしても、織物と同程度
の形態安定性を確保することができず、この形態の安定
性を確保するには編物組織の上で、或いはコーティング
等により、伸縮性を完全に抑える必要がある。しかしな
がら、このように伸縮性が完全に抑えられると、編物の
もつ本来の柔軟性や伸縮性が生かされず、上述の要求に
は応えられない。
【0011】一般に、この種のテープ付き合成樹脂係脱
具を製造するには、既述したようにテープの挿入通路を
有すると共に、対向して係脱具の成形用キャビティが形
成された上下金型のテープ挿入通路にテープを挿通し、
前記キャビティ内に成形材料である熱可塑性合成樹脂を
溶融状態で射出し、テープの表裏面に係脱具を一体成形
する。この係脱具をテープの表裏面に成形するため、テ
ープの表裏面を挟んで配された上下金型の前記キャビテ
ィ内に前記溶融樹脂を導入するには、上述のようにテー
プの幅方向中央部に係脱具取付孔を形成しておくことが
一般的であり、或いはテープの織編み組織を粗にして織
編成している。
【0012】前記係脱具は間欠的に上下金型間に移送さ
れる一本の長尺テープ上に溶融樹脂材料を所望のピッチ
をもって順次射出することにより成形一体化される。そ
して、仕上がり製品としての雄雌一対のテープ付き合成
樹脂係脱具における各テープ上の雄及び雌係脱具の取付
位置は正確に対応して成形される必要がある。つまり、
テープ上に成形される複数の係脱具間のピッチに狂いが
あってはならない。
【0013】しかるに、上述のごとき伸縮性を有する編
物にあっては、その構造からある程度の伸縮性を得るこ
とは容易であるが、同時に相反する機能である形態の安
定性を求めることは極めて難しい。そのため、編物テー
プの表裏面に正確なピッチを刻んで複数の係脱具を連続
的に成形しようとするには、テープ張力、移送速度など
に対する高精度な制御の他に、精密な位置決め精度が要
求される。しかし、これらの要求を満足させるためには
可撓性材料に対する高精度な制御技術と設備とが必要で
あり、例えば技術的には可能ではあっても、経済的には
到底対応し切れない。
【0014】また特に、衣料などの開閉部が湾曲してい
る場合などには、その開閉部に沿って伸縮性に乏しいテ
ープ付き係脱具を縫着すると、既述したとおりテープに
皺が寄ったり、開閉部の曲線が崩れてしまうなどの不具
合が生じやすく、これをなくすため上記登録実用新案第
3040449号公報に開示されているようなバイヤス
織物をテープとして使用しようとすると、バイヤス織物
の端縁で経糸・緯糸を問わず糸がほぐれやすいため、上
述のごとく幅方向の端縁同士を中央内側に折り返し、そ
の対向端縁に沿って係脱具を一体成形して、糸のほぐれ
を防止するようにしている。
【0015】従って、その製造方法には、例えば織物を
バイヤスカットしてテープを製造し、これを長さ方向に
沿って左右から折り返したのち、係脱具成形用の射出成
形機に導入するなどの通常の工程数に幾つかの工程が加
わるため、製造設備の増加に止まらず、生産効率が著し
く低下する。また、バイヤスカットにより得られるテー
プの場合には、経及び緯方向に伸縮性を有しているがた
め、射出成形機に正確なピッチで導入することができ
ず、その位置決めのための複雑な機構と制御とが必要で
ある。しかも、完成したテープ付き係脱具のテープは筒
状となり形態的にも安定しないため、美麗に縫着使用と
すると縫着作業にも煩雑性が伴う。
【0016】本発明は、これらの課題を解決すべくなさ
れたものであり、その具体的な目的は、この種のテープ
付き係脱具にあって、経編み組織からなる寸法形態の安
定性とある程度の伸縮性とを保有する経編テープを使
い、湾曲する開閉部に沿って容易に且つ美麗に縫着で
き、例えば柔軟性に富み、或いは伸縮性を有する被着物
に対しても係脱具の係脱操作が的確になし得ると共に、
従来の製造設備を使って、複数の係脱具を高精度なピッ
チをもって前記テープ上に連続的に一体成形されるテー
プ付き合成樹脂製の係脱具を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用効果】前記目的
は、本件請求項1〜5に記載され、以下に述べる構成を
備えたテープ付き係脱具によって達成される。
【0018】請求項1に係る発明は、熱可塑性合成樹脂
材料からなるスナップファスナーなどの係脱具を、テー
プ類の表裏面に一体成形して得られるテープ付き係脱具
であって、前記テープ類は幅方向に複数のウェールを配
した経編組織から構成され、その幅方向の左右端縁部に
配される1以上のウェールにより形成される領域が被着
物に対する取付領域であり、その幅方向中央部の複数の
ウェールにより形成される領域が係脱具成形領域であっ
て、前記取付領域が経方向に伸縮性を有し、且つ寸法形
態的にある程度安定した編み構造を有し、前記係脱具取
付領域では経方向の伸縮性が抑えられると共に寸法形態
的に安定した編み構造を有してなることを特徴とするテ
ープ付き係脱具にある。
【0019】本発明のテープ付き係脱具は、テープの幅
方向中央部である係脱具の成形領域が経方向に伸縮性を
有しない編み構造とされた経編テープを使用するため、
同経編テープの長さ方向に所定のピッチをもって連続的
に係脱具を成形一体化するにあたっても、同経編テープ
の間欠的な移送位置決めに格別の不具合が生ずることが
なく、従来の織物テープに使用している一般的なテープ
移送装置を適用しても、高精度な位置決め移送が可能と
なる。
【0020】また、前記経編テープを使った本発明のテ
ープ付き係脱具を衣料などの湾曲した開閉部に沿って縫
着により取り付ける場合にも、その縫着線がテープの幅
方向両端縁の経方向に伸縮性を有する取付領域内である
ため、テープ自体を同一平面内で湾曲線に沿って湾曲さ
せやすくなり、縫着作業の容易性と美麗な縫着とを可能
にすると共に、伸縮性を有する被着物の伸縮にもよく馴
染み、縫糸等による衣料の損傷が回避される。
【0021】請求項2に係る発明は、請求項1の構成を
更に具体化したものであり、前記経編テープの全体がト
リコット編糸とシングルコード編糸との交絡による編み
組織から編成され、上記係脱具成形領域には更に鎖編糸
が編み込まれる。一般に、経編み組織にあってシンカー
ループが延びる方向には伸縮性が抑えられる。従って、
トリコット編糸もシングルコード編糸も緯方向に対する
伸縮性は抑えられるが経方向の伸縮性は大きい。一方、
鎖編糸は経方向の伸縮性に乏しいが、緯方向には自由な
動きが許される。そこで本発明では、経編テープの全体
をトリコット編糸とシングルコード編糸とを交絡させな
がら編成すると共に、係脱具の成形領域であるテープ幅
の中央部に配されるウエールには鎖編糸を編み込んでい
る。
【0022】かかる構成により、経編テープの幅方向両
端縁には経方向の伸縮性を保有させる一方で、同テープ
の幅方向中央部では経方向の伸縮性が抑えられ、テープ
の移送位置決め制御を容易にすると共に、同テープを同
一平面内で湾曲させることが容易となり、湾曲する縫着
線に沿わせても無理なく縫着ができ、しかも縫着後のテ
ープに皺が寄らず、また被着物の開閉部に沿った湾曲線
が崩れることもない。請求項3に係る発明にあっては、
前記トリコット編糸及び/ 又はシングルコード編糸が閉
じ目により編成されている。その結果、各編糸による編
目の崩れが防止され、全体としての形態が安定化する。
【0023】請求項4に係る発明は、請求項2又は3の
発明にあって、経編テープの幅方向両端縁部の取付領域
内の最も外側のウエールに配されるシングルコード編糸
として、他の編糸よりも太い編糸を使っている。このこ
とは、前記取付領域の最も外側部分の編目を緻密化して
経方向の伸縮性を一部抑制すると共に、その部分での緯
方向における寸法の形態安定性をも確保している。
【0024】請求項5に係る発明は、請求項1に記載の
構成にあって、前記経編テープの全体が二目編糸と緯挿
入糸との交絡による編み組織から編成され、その係脱具
成形領域におけるに配される二目編糸として、他の編糸
よりも太い編糸を使っている。すなわち、この発明にあ
っては、テープの全体を二目編糸と緯挿入糸との交絡に
よる同一編み組織をもって編成して、織物風合いの経編
テープが得ているが、テープの幅方向中央部の係脱具成
形領域に配される二目編糸として、特に他の編糸よりも
太い編糸を用い、その領域の編目を緻密化して経方向の
伸縮性を極力抑制している。かかる構成によっても、上
述と同様の作用効果が期待できる。
【0025】請求項6に係る発明は、請求項5と同様に
前記請求項1に記載の構成にあって、前記経編テープの
全体が二目編糸と緯挿入糸との交絡による編み組織から
編成され、そのテープ幅方向中央部の係脱具成形領域に
は鎖編糸を編み込んでいる。
【0026】この発明にあっても、緯方向の形態安定性
が確保されると共に、テープ幅方向の両端部に配される
被着物に対する取付領域では二目編糸の特性に基づく経
方向の伸縮性を確保し、同時にテープ幅方向中央部の係
脱具成形領域では鎖編糸により経方向の伸縮性を大きく
抑えて、係脱具の取付孔形成部及び係脱具の成形部にお
いて上述と同様の作用効果を奏するものである。
【0027】
【発明の実施形態】以下、本発明の好適な実施の形態を
図示実施例に基づいて具体的に説明する。図1は本発明
のテープ付き係脱具に適用される代表的な経編み構造を
有するテープの編み組織図であり、図2は同経編みテー
プの各編み糸ごとの編み組織を示している。
【0028】図1において、経編み組織により編成され
る経編テープTは、その全幅がW1〜W22の22ウエー
ルから形成された細幅の経編テープからなる。この経編
テープTの幅方向の左右両側縁部の6ウエールW1 〜W
6 及びW17〜W22は、長手方向の伸縮性を有し、しかも
ある程度の寸法形態的に安定した編組織から構成されて
被着物に対する取付領域Aを構成する。一方、この取付
領域A以外のテープ幅中央部の経編部分は長さ方向の伸
縮性が極力抑えられると共に寸法形態的にも極めて安定
性を備えた編み組織により編成され、係脱具成形領域B
を構成する。
【0029】この実施例における経編テープTは、図1
及び図2に示すように経編テープTの全ウエールW1
22にわたって編成される1−2/1−0のトリコット
編糸11と0−1/4−3のシングルコード編糸12に
より編成されると共に、上記係脱具成形領域Bであるテ
ープ幅方向中央部の9ウエールW7 〜W16にわたって1
−0/0−1の鎖編糸13が編み込まれている。図示例
にあっては、前記シングルコード編糸12は開き目によ
り編成されているが、編目の安定性を確保するため閉じ
目により編成することもある。このことは、上記トリコ
ット編糸11についても同様のことがいえる。
【0030】更に、この実施例では前記シングルコード
編糸12のうち、前記係脱具成形領域Bに配されるシン
グルコード編糸12′を他の編糸よりも太くしている。
例えば、他の編糸として100dのマルチフィラメント
からなる単糸が使われるとき、経編テープTの係脱具成
形領域Bに配されるシングルコード編糸12′には20
0dのマルチフィラメントの単糸、或いは100dの単
糸を2本揃えた双糸を使う。勿論、これらの繊度に限定
されるものではなく、被着物との関係で多様な繊度の糸
条を使うことができる。このように、他の編糸よりも太
い糸条を使うときは、度目が同じである場合に編目が緻
密となり、伸縮性が抑制されると同時に形態の安定性も
得られる。
【0031】図1及び図2に示す実施例では、前述のご
とく編み組織及び使用糸条の繊度を部分的に変更するこ
とにより、経編テープ10に経方向のある程度の伸縮性
と形態安定性とを確保している。一般に、経編み組織に
あってシンカーループが延びる方向には伸縮性が少な
い。従って、上記経編み組織にあっては、上記経編テー
プTの全ウエールにわたって編成される1−2/1−0
のトリコット編糸11及び0−1/4−3のシングルコ
ード編糸12の各シンカーループが1コースごとに複数
のウエール間をジグザグ状に斜めに延びているため、緯
方向の伸縮性は僅かであるが、経方向の伸縮性は大き
い。一方、テープ幅方向の中央部に配される係脱具成形
領域Bの鎖編糸11はシンカーループがウエールに沿っ
て経方向に延びているため、その編み組織から経方向の
伸縮が最も抑えられる。
【0032】従って、本実施例にあっては、前記取付領
域Aにはトリコット編糸11とシングルコード編糸1
2′とが配されるのみであるため、経方向の伸縮性が確
保されると共に、前記係脱具成形領域Bにあってはそれ
らの編糸11,12に更に鎖編糸13が編み込まれるた
め、緯方向及び経方向の伸縮性が抑えられる。しかも、
図示例にあっては前記取付領域Aに配されるシングルコ
ード編糸12′を他の構成編糸よりも太くしているた
め、上述のように経方向の伸縮性もある程度抑えて寸法
安定性を高めている。
【0033】こうして得られた本実施例による経編テー
プTは、全体としてその幅方向の左右両側縁部の被着物
取付領域Aでは経方向に経編地としての伸縮性を有する
と共に寸法安定性を保持し、その中央部である係脱具成
形領域Bにあっては経方向の伸縮性を極力抑えると共に
形態的にも極めて安定化させている。
【0034】かかる経編テープTを使って、テープ付き
係脱具を製造する場合、例えば本出願人が先に提案した
テープ付きファスナー類の製造方法(特願平10−13
8722号)が適用できる。勿論、その製造方法として
は、既述した米国特許第2,821,764号明細書や
特開昭62−155805号公報に開示された方法を適
用することも可能であり、更には他のテープ付き係脱具
の連続的な製造方法を適用することができる。
【0035】この種のテープ付き係脱具の一般的な製造
方法は、例えば長尺のテープを間欠的に供給しながら、
パンチなどにより同テープ上に所定のピッチをもって係
脱具取付孔を形成したのち、順次係脱具成形部に挿入さ
れ、同係脱具成形部にて前記係脱具取付孔を内側から抱
持するようにして、同係脱具取付孔の周辺部を含むテー
プの表裏面に合成樹脂製の係脱具を一体成形する。
【0036】図3及び図4は、本出願人により先に提案
された特願平10−138722号に係る製造方法によ
って製造されるテープ付きスナップファスナーの構成例
を示している。この実施例におけるテープ付きスナップ
ファスナーの雄スナップファスナー20は、同図からも
理解できるように、リング状基材21と雄係脱部材22
の2部材により構成されている。前記雄係脱部材22
は、前記基材21の開口部21aに嵌着するようにして
成形一体化される基部22aと、同基部22aから起立
する柱部22bと、同柱部22bの先端に形成された係
脱頭部22cとからなる。また、図示例にあっては、前
記リング状基材21はその内周面に前記雄スナップファ
スナー20に係脱する係脱面を有する雌スナップファス
ナー25として使用できる構造とされている。
【0037】前記基材21の外郭形状は4個の弧状部分
がその外周で接続された全体に花型形態を呈しており、
中央部に前記開口部21aを有し、その肉厚方向の中間
において、前記テープTの取付孔3が前記開口部21a
の周縁部近傍まで延びており、同テープTを前記取付孔
3を中心として抱持状態で一体的に固着されている。ま
た、本実施例にあっても上記米国特許発明と同様に、基
材21の前記弧状領域の略中央表裏面には、その表裏方
向に延びて前記キャビティ内に突設された挟持ピンによ
り成形される都合4個の成形孔21bが、その中間をテ
ープTが横切った状態で形成されている。
【0038】図5は、前記リング状基材21をテープT
に一体成形するときの成形金型の一例を示している。こ
の例では、前記金型は上下に可動の第1金型(可動型)
100と第1金型100と相対して設置される第2金型
(固定型)150とからなり、前記第1金型100は更
に相対的に上下に可動な三枚のプレート101〜103
が積層されて構成されている。上部のプレート101は
基枠に対して図示せぬ昇降手段(流体圧シリンダー等)
により上下に可動に設けられた可動側取付板であり、前
記中間のプレート102及び下部のプレート103も、
同様にそれぞれが前記可動側取付板101である上部プ
レートに対して独立して上下に移動する。一方、第2金
型150は機台に固設された一枚の独立したプレートか
ら構成される。
【0039】前記可動側取付板101にはスプルー10
4aを形成するスプルーブッシュ104の略上半分が常
法に従って密嵌固定されており、同スプルーブッシュ1
04の略下半分は中間プレートであるストリッパプレー
ト102の嵌合孔に摺動自在に嵌合されている。前記下
部プレート103には、前記スプルー104aに連通す
るランナー103aがテープTの移動方向に直交して形
成されており、同ランナー103aの一端には垂直下方
に延びるサブランナー103bが形成されている。な
お、前記可動側取付板101及びストリッパプレート1
02の前記サブランナー103bの延設線上にはランナ
ーロックピン108が取り付けられている。前記サブラ
ンナー103bの下端には、樹脂貯留部105を介して
水平に直線的に延びるゲート106が第2金型である固
定型150のパーティング面151に形成されている。
【0040】ゲート106の先端部は、上記雌係脱具2
5でもある基材21の成形用キャビティ107に連結し
ている。図示例にあっては、同成形用キャビティ107
はパーティング面を挟んで前記下部プレート103及び
第2金型である固定型150にわたって形成されてお
り、前記樹脂貯留部105も前記固定型150にわたっ
て形成されている。また、固定型150の前記キャビテ
ィ107の周辺にはテープTの移動方向(図5の紙面に
垂直な方向)に延びるテープ挿通路152が形成されて
いる。
【0041】前記基材成形用キャビティ107は、図5
に示すように中央に形成された樹脂貯留部105を含む
前記ゲート106が形成され、中央が略円形の中実部を
なす花型形態をもつ成形空間からなり、その基材成形用
キャビティ107のリング状空間の内部には90°の位
相差をもって上下から内部に向けて突設された4組のテ
ープ支持部材であるピン107aが配されている。各組
の上下ピン107aの間隙はテープTを挟持するに十分
な寸法に設定されている。また、本実施例にあっては前
記固定型150の前記ゲート106と向き合うピン10
7aの軸線に沿ってエジェクトピン153の挿入孔が貫
通して形成されており、同エジャクトピン153が前記
ピン107a内を図示せぬエジェクトピン昇降手段によ
り上下に摺動可能とされている。
【0042】なお、図5及び図6ではテープTを幅方向
に同一の厚さとして記載しているが、実際には図4に示
すように中央部の係脱具取付領域Bが幅方向両端縁部の
取付領域Aよりも厚くなっている。
【0043】さて、以上のように構成された図示成形金
型を有する射出成形装置によって基材付きテープの製造
手順を説明すると、先ず既述したように長尺のテープT
が図示せぬパンチ部に所定のピッチごとに位置決めされ
ながら間欠的に送り込まれ、同パンチ部において係脱具
取付孔3が順次形成される。このパンチ部に隣接して上
記金型を備えた射出成形部が設置されており、係脱具取
付孔3が形成された前記テープTは、その係脱具取付孔
3の中心を前記基材成形用キャビティ107の中心位置
となるように位置決めして、前記パンチ部への移送と同
調させて前記射出成形部に移送される。
【0044】従って、基材付きテープの製造にあたって
は、移送される長尺のテープTに係脱具取付孔3を形成
するときと、前記係脱具取付孔3の周辺に基材21を成
形一体化するときとの2回にわたり位置決めがなされ
る。この位置決めには既述したように高い精度が求めら
れるが、通常の伸縮性をもつ編成テープでは、その伸縮
性により高い位置決め精度が維持できず、加工が長尺に
わたったとき移送ごとには僅かな位置のずれであったも
のが、最後には大きな位置のずれにつながり、不良製品
が多発して量産を不可能にする。
【0045】しかるに、上述の編み構造を備えた本発明
の経編テープTによれば、その幅方向の中央部に形成さ
れる係脱具成形領域Bが、上述のごとく経緯方向ともに
伸縮性が抑えられて寸法形態的にも安定しているため、
通常の織物テープの移送機構をそのまま使用しても格別
の不具合は生じない。その結果、前述のような2回の位
置決めに際しても高い精度が得られ、長尺の基材付きテ
ープの連続的な製造によっても基材21の成形部位にず
れが生じず、量産を可能にする。
【0046】本実施例に係る上記経編テープTを金型の
上記テープ挿通路152に挿入して位置決めしたのち、
図5に示すように金型の全体が閉じた状態でスプルーブ
ッシュ104に射出装置の射出ノズル154が密接し、
射出が行われ、溶融樹脂がスプルー104a、ランナー
103a、サブランナー103b、樹脂貯留部105及
びゲート106を通って上記基材成形用キャビティ10
7に導入される。この射出時に、前記キャビティ107
に導入される溶融樹脂はゲート106の先端からテープ
Tの取付孔3の周縁に向けて流れ、そこでテープTの表
裏に分岐したのち、上下に対向して配されるピン107
aの周囲を巡りながらキャビティ全体に充填される。こ
のとき、テープTの取付孔3の周縁部で前記ピン107
aにより挟持されている部分以外が樹脂の流動圧により
僅かに波打ちながら溶融樹脂の内部に埋設一体化され
る。
【0047】射出された樹脂が冷却により固化すると、
先ず上記可動側取付板101及びストリッパプレート1
02が一緒に上昇して、ランナー成形品4をランナーロ
ックピン108にて支持しながらサブランナー成形品4
aと共に下部プレート103から引き離す。このとき、
前記サブランナー成形品4aの下端は、その引き離し力
により樹脂貯留部成形品5の上端から破断して分離す
る。次いで、ストリッパプレート102が僅かに可動し
て、ランナーロックピン108によるランナー成形品4
の支持を開放し、スプルー成形品と共に金型から離脱さ
せる。この離脱が終了すると、下部プレート103が上
方に移動して金型を開き、ほぼ同時にエジェクトピン1
53が上方に僅かに移動して前記支持ピン107aによ
り成形された成形孔21bの中間に露呈するテープTを
押し上げ、基材21をゲート成形品6と共に型外へと押
し出す。かかる操作が繰り返されて、基材付きテープ
T′が連続的に製造される。
【0048】図6は、こうして製造される基材付きテー
プT′を使って、雄スナップファスナー20を一体成形
するときの成形金型の要部を示している。図示例にあっ
ては、雌スナップファスナー25でもある前記基材21
の中央開口部に雌係脱部材22が一体成形される。同図
において、雄係脱部材成形用の射出金型110は既述し
た基材成形用の射出金型と同様に可動型111と固定型
112とを備えている。前記可動型111と固定型11
2とのパーティング面には、上記基材21と同基材21
を成形一体化したテープTとを、前記基材21を中心と
して密嵌収容する基材付きテープ収容空間部113が形
成されると共に、同基材付きテープ収容空間部113に
連結して前記基材21の中央開口部を基部22aで埋め
尽くすと共に、柱部22bと係脱頭部22cとを成形す
るための雄係脱部材成形用キャビティ114が形成され
ている。
【0049】そのため、前記可動型111には図示を省
略したランナーと連通するゲート111aが前記雄係脱
部材成形用キャビティ114の基部成形部114aの中
心部に連通させて形成されると共に、固定型112には
雄係脱部材22の前記柱部22b及び係脱頭部22cを
2分割するための摺動コア115の摺動路112aが形
成されている。図示例では、前記摺動路112aは前記
摺動コア115が固定型112を横切る方向に摺動可能
に形成されている。また、固定型112の基材付きテー
プ収容空間部113の内部であって、上記基材21が収
容される部位には、基材21の外面に当接するエジェク
トピン116が昇降自在に設けられている。
【0050】かかる構成を備えた射出金型内に上記基材
付きテープT′を挿入してセットする。基材付きテープ
T′を可動型111と固定型112とに形成された基材
付きテープ収容空間部113に挿入して型閉がなされる
と、所要の射出量をもって溶融樹脂が射出され、上記ゲ
ート111aを通って雄係脱部材成形用キャビティ11
4に導入される。前記雄係脱部材成形用キャビティ11
4に導入された溶融樹脂が冷却固化されると、前記可動
型111が上昇し、成形された雄係脱部材22の成形品
とゲート成形品26とが破断して分離する。次いで、可
動型111が型開き動作に入ると同時に、上記摺動コア
115も作動する。この摺動コア115が雄係脱部材2
2の成形用キャビティ部分から離脱すると、エジェクト
ピン116が作動して基材21と雄係脱部材22とから
なる雄スナップファスナー20を固定型112から押し
出す。
【0051】こうして得られるテープ付き雄スナップフ
ァスナーは、その経編テープTの幅方向端部の取付領域
Aが図示せぬ衣料などの開閉部の一側縁に沿って縫着に
より取り付けられる。この縫着にあたっても、例えば図
9に示すようなロンパース33などの幼児用衣服にあっ
て、股下部や前立部の湾曲する縫着部Ta〜Tcに上記
実施例によるテープ付き係脱具を縫着する場合、テープ
Tの幅方向両側縁部に形成された取付領域Aは上述のよ
うにテープ長さ方向にそれぞれ伸縮性を有しているた
め、曲線部に沿っても縫着作業が円滑になされるように
なり、また同テープ付き雄スナップファスナーを取り付
けた衣料が、例えば編物からなる場合であっても、その
縫着作業は前述と同様に円滑になされ、しかも相手方の
テープ付き雌スナップファスナー25に対する係脱操作
時に、指先の操作に経編テープTの左右両側縁が衣料の
伸縮によく追随して伸縮するため、係脱部に指先の力が
無駄なく伝えられ、係脱操作が円滑に且つ確実に行える
ようになる。
【0052】図7は本発明のテープ付き係脱具に適用さ
れる経編テープの第2編み構造例を示している。なお、
同図はテープTの右半分を省略し、その左半分の編み組
織を示している。同図から理解できるように、この編み
構造例にあっては経編テープTの全体が0−2/2−0
の二目編糸14と0−0/4−4の緯挿入編糸15によ
り編成されると共に、その幅中央部の係脱具成形領域B
に配される10ウエールW7 〜W16の二目編糸14′に
は他の編糸よりも太い糸条が使われる。
【0053】従って、得られるテープTは幅方向の両端
部に形成される被着物に対する取付領域Aが経方向に伸
縮性を有し、テープ幅方向の中央部に形成される係脱具
成形領域Bは前記取付領域Aと同じ0−2/2−0の二
目編糸14と0−0/4−4の緯挿入編糸15とから構
成される編み組織であるにも関わらず、太い糸条を使っ
ているため、同じ度目である場合には取付領域Aよりも
編目が緻密となり、経方向の伸縮性が大きく抑えられる
と共に、形態的にも極めて安定化する。なお、図示例で
は緯挿入糸15を4ウエールに跨がる0−0/4−4の
編み組織としているが、3ウエール或いは5ウエールを
跨いで挿入される0−0/3−3、或いは0−0/5−
5の編み組織とすることもある。
【0054】かかる編み構造をもつ経編テープTを使
い、本発明のテープ付き雄係脱具を製造するにあたって
は、同経編テープTの係脱具成形領域Bの10ウエール
7 〜W16の部分が経方向に殆ど伸縮性を備えていない
ため、上述のように同経編テープTを図示せぬパンチ部
及び係脱具成形部に位置決めしながら間欠的に移送する
とき、位置決め精度が通常の織物テープと同様に確保さ
れ、テープ長さ方向に正確なピッチをもって雄スナップ
ファスナー20を成形一体化することができる。
【0055】また、製造されたテープ付き雄係脱具を、
衣料などの湾曲する開閉部に沿って縫着するときも、テ
ープ幅両端縁部の取付領域Aが経方向に伸縮性を有する
ため、前記開閉部に沿って容易に湾曲させることができ
るため、縫着作業が円滑になされるばかりでなく、縫着
後もテープTに皺が寄りにくく開閉部の曲線をも崩すこ
とがない。また、相手方のテープ付き雌係脱具に対する
係脱操作も、経編テープTの前記取付領域Aは勿論、前
記係脱具成形領域Bも経編み特有の伸縮性が残存するた
め、例えば被着物が柔軟で且つ伸縮性を備えている場合
に、同被着物の動きによく追随して動くようになり、雄
・雌の各スナップファスナー20,25に対する指先に
よる操作性及び力の伝達が向上し、容易に且つ正確に係
脱操作が行える。
【0056】図8は本発明のテープ付き係脱具に適用さ
れる経編テープTの第3編み構造例を示している。な
お、同図はテープTの幅方向右半分を省略し、左半分の
編み組織を示したものである。同図から理解できるよう
に、この編み構造例にあって図7に示した第2の編み構
造と異なるところは、テープ幅の中央部に形成される係
脱具成形領域Bに配された太い糸条からなる0−2/2
−0の二目編糸14を他の編糸と同じ太さにすると共
に、同係脱具成形領域Bの14ウエールW7 〜W15に鎖
編糸13を編み込んでいる点である。他の編み組織は上
記第2の編み構造例と同一である。
【0057】経編テープTの全体が0−2/2−0の二
目編糸14と0−0/4−4の緯挿入編糸15により編
成されると共に、テープ幅方向中央部の係脱具成形領域
B端取付領域Aに1−0/0−1の鎖編糸13を編み込
んだ上記編み構造を採用することにより、テープ幅方向
の左右端縁部に形成された取付領域Aでは経方向の伸縮
性が確保されると共に、中央部の係脱具成形領域Bが鎖
編糸13の存在により伸縮性が極力抑えられ、同時に前
記二目編糸13及び0−0/4−4の緯挿入糸15によ
り緯方向の伸縮性も抑えられるため、同領域Bは形態的
に極めて安定したものとなる。なお、緯挿入糸15の編
み組織は上記第2の編み構造と同様に図示例に限定され
ない。
【0058】従って、かかる編み構造をもつ経編テープ
Tを使って、本発明のテープ付き雄係脱具を製造するに
あたっては、同経編テープTの幅中央部に形成される係
脱具成形領域Bを構成するウエールW7 〜W16の部分が
殆ど経方向に伸縮性を備えていないため、同経編テープ
Tを図示せぬパンチ部及び係脱具成形装置に位置決めし
ながら間欠的に移送するときの高い位置決め精度が確保
でき、テープ長さ方向に正確なピッチをもって雄係脱具
20を成形一体化することができる。また、同経編テー
プTを被着物に縫着するときの縫着線が湾曲していて
も、その取付領域Aに配されるウエールW1 〜W6,16
〜W22が経方向に伸縮性を有しているため、同テープT
はテープ面に沿って湾曲しやすく、前記湾曲する縫着線
に沿って容易に且つ美麗に縫着することが可能となる。
【0059】更に、前記経編みテープ付き係脱具の係脱
操作を行う際にも、経編み特有の柔軟性と縫着線内側に
残る一部取付領域Aの経方向の伸縮性とが相まって、指
先により雄スナップファスナー20と雌スナップファス
ナー25とが合わせやすくなり、しかも上記実施例と同
様に指先の力を各スナップファスナー20,25に確実
に伝達され、正確で確実な係脱操作が可能となる。
【0060】以上の説明からも明らかなように、本発明
に係る経編テープTを使ったテープ付き係脱具は、同テ
ープTの幅方向中央部に形成される係脱具成形領域Bが
立て方向の伸縮性が極力抑えられているため、その製造
時における同テープTの移送に際しての位置決め精度が
確保でき、従来の織物に適用されるテープ付き係脱具の
製造装置を利用することが可能となる。
【0061】また、こうして製造された本発明の経編テ
ープ付き係脱具を被着物、例えば伸縮性に富む衣料など
に縫着により取り付けるとき、テープ幅方向両端部に形
成される被着物の取付領域Aが、その長さ方向の伸縮性
を有しているため、柔軟性を備えた被着物や伸縮性に富
む被着物に対する縫着作業がしやすいばかりでなく、縫
着線が曲線である場合にも、テープ自体を縫着線に沿っ
て湾曲させることができるため、縫着後のテープに皺が
寄らず縫着線も崩れることがない。
【0062】更に、本発明の経編テープ付き係脱具を被
着物へ取付けた後に係脱するにあたっても、ケープ幅左
右の各縫着線間に存在する取付領域Aが伸縮性を備えて
いるため、同テープTの係脱具成形領域Bに局部的な外
力が作用するとき、その部分で被着物と共に局部的に伸
縮するようになり、指先による係脱具の取り扱いがしや
すくなり、しかも同係脱具に加えられる指先の力が確実
に伝えられるため、正確で且つ確実な係脱を行えるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテープ付き係脱具に適用される代表的
な経編テープの編み組織図である。
【図2】同経編テープの各編糸ごとの編み組織図であ
る。
【図3】本発明の実施例を示すテープ付きスナップファ
スナーの全体斜視図である。
【図4】本発明のテープ付き係脱具の雄及び雄スナツプ
釦の構造例を示す拡大断面図である。
【図5】本発明のテープ付き雌スナップファスナーの製
造装置の製造時における金型の内部構造を示す断面図で
ある。
【図6】本発明のテープ付きおスナップファスナーの雄
係脱部材成形時における金型の内部構造を示す断面図で
ある。
【図7】本発明のテープ付き係脱具に適用される代表的
な他の経編テープの編み組織図である。
【図8】本発明のテープ付き係脱具に適用される代表的
な更に他の経編テープの編み組織図である。
【図9】本発明のテープ付き係脱具が取り付けられた幼
児用衣服の一例を示す外観図である。
【符号の説明】
3 取付孔 4 ランナー成形品 4a サブランナー成形品 5 樹脂貯留部成形品 11 トリコット編糸 12 シングルコード編糸 13 鎖編糸 14,14′ 二目編糸 15 緯挿入糸(0−0/4−4) 20 雄スナップファスナー(雄係脱具) 21 リング状基材 21a 中央開口部 22 雄係脱部材 22a 基部 22b 柱部 22c 係脱頭部(係脱部) 22d 割り溝 25 雌スナップファスナー(雌係脱具) 100 第1金型(可動型) 101 上部プレート(可動側取付板) 102 中間プレート(ストリッパプレート) 103 下部プレート 103a 成形金型ランナー 103b サブランナー 104 スプループッシュ 104a スプルー 105 樹脂貯留部 106 ゲート 107 基材成形用キャビティ 107a 支持ピン(挟持部材) 107a′ テーパ面(波打ち制御部) 107a″ 平面(先端挟持部) 107a−1 ピン孔 108 ランナーロックピン 110 金型 111 可動型 111a ゲート 112 固定型 112a 摺動路 113 テープ収容空間部 114 雄係脱部材成形用キャビティ 114a 基部成形部 115 摺動コア 116 エジェクトピン 150 第2金型(固定型) 151 パーティング面 152 テープ挿通路 153 エジェクトピン 154 射出ノズル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性合成樹脂材料からなるスナップ
    ファスナーなどの係脱具(20,25) をテープ類(T) に一体
    成形して得られるテープ付き係脱具であって、 前記テープ類(T) は幅方向に複数のウェール(W1 〜W22)
    を配した経編組織から構成され、 その幅方向の左右端縁部に配される1以上のウェール(W
    1 〜W6;W17〜W22)により形成される領域が被着物に対す
    る取付領域(A) であり、 その幅方向中央部の複数のウェール(W7 〜W16)により形
    成される領域が係脱具成形領域(B) であって、 前記取付領域(A) が経方向に伸縮性を有し、且つ寸法形
    態的にある程度安定した編み構造を有し、 前記係脱具取付領域(B) では経方向の伸縮性が抑えられ
    ると共に寸法形態的に安定した編み構造を有してなる、
    ことを特徴とするテープ付き係脱具。
  2. 【請求項2】 前記経編テープ(T) の全体がトリコット
    編糸(11)とシングルコード編糸(12)との交絡による編み
    組織から編成され、上記係脱具成形領域(B) には更に鎖
    編糸(13)が編み込まれてなる請求項1記載のテープ付き
    係脱具。
  3. 【請求項3】 前記トリコット編糸(11)及び/ 又はシン
    グルコード編糸(12)が閉じ目により編成されてなる請求
    項2記載のテープ付き係脱具。
  4. 【請求項4】 前記取付領域(A) における外側ウエール
    (W1 〜W6,W17〜W22)に配されるシングルコード編糸(12)
    には、他の編糸よりも太い編糸が使われてなる請求項2
    又は3記載のテープ付き係脱具。
  5. 【請求項5】 前記経編テープ(T) の全体が二目編糸(1
    4)と緯挿入糸(15)との交絡による編み組織から編成さ
    れ、その係脱具成形領域(B) に配される二目編糸(14)に
    は、他の編糸よりも太い編糸が使われてなる請求項1記
    載のテープ付き係脱具。
  6. 【請求項6】 前記経編テープ(T) の全体が二目編糸(1
    4)と緯挿入糸(15)との交絡による編み組織から編成さ
    れ、その係脱具成形領域(B) には鎖編糸(13)が編み込ま
    れてなる請求項1記載のテープ付き係脱具。
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