JP2000216008A - 抵抗器およびその製造方法 - Google Patents

抵抗器およびその製造方法

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JP2000216008A
JP2000216008A JP1676499A JP1676499A JP2000216008A JP 2000216008 A JP2000216008 A JP 2000216008A JP 1676499 A JP1676499 A JP 1676499A JP 1676499 A JP1676499 A JP 1676499A JP 2000216008 A JP2000216008 A JP 2000216008A
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resistor
electrode terminal
element portion
coating layer
terminal portion
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Masaaki Ito
政昭 伊藤
Mitsunari Nakatani
光成 中谷
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実装基板へのはんだ付け部となる抵抗器の電
極端子部の酸化を抑えることができて、長期的に安定し
たはんだ濡れ性を有する抵抗器を提供することを目的と
する。 【解決手段】 抵抗素子部11と電極端子部12,13
とが一体構造の金属板からなる抵抗体11aの抵抗素子
部11と電極端子部12,13の少なくとも上面および
下面を覆うように、錫または鉛のいずれかの金属を少な
くとも含有する被覆層14を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路中の電流
値を電圧値として検出するための電流検出用の抵抗器お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の抵抗器としては、特開平
8−288107号公報に開示されたものが知られてい
る。
【0003】以下、従来の抵抗器について図面を参照し
ながら説明する。
【0004】図8は従来の抵抗器の斜視図である。
【0005】図8において、1は所定の抵抗値を有し、
かつ銅ニッケルまたはニッケルクロムからなる金属板に
より構成された抵抗部である。2,3は金属板からなる
抵抗部1の両端部に設けられた一対の第1、第2の浮き
上げ部で、この浮き上げ部2,3は前記抵抗部1を実装
基板の表面より浮かすために折り曲げられたものであ
る。
【0006】4,5は実装基板上への抵抗部1の自立安
定性を保つために設けられた一対の第1、第2の端子部
で、この第1、第2の端子部4,5の表面は実装基板の
表面に対して同一面方向に設けられているものである。
【0007】以上のように構成された従来の抵抗器につ
いて、以下にその製造方法を図面を参照しながら説明す
る。
【0008】図9(a)〜(c)は従来の抵抗器の製造
方法を示す工程図である。
【0009】まず図9(a)に示すように、所定の形状
寸法および抵抗値を有する銅ニッケルまたはニッケルク
ロム製の金属板1aを用意する。
【0010】次に図9(b)に示すように、所定のピッ
チで金属板1aの端部を折り曲げて抵抗部1を形成する
とともに、この抵抗部1を実装基板面より浮き上がらせ
て実装基板面からの距離が保てるように、抵抗部1の両
端部に一対の第1、第2の浮き上げ部2,3を形成す
る。
【0011】最後に図9(c)に示すように、第1、第
2の浮き上げ部2,3の端部が実装基板面と同一面方向
となるように折り曲げ加工を施して、第1、第2の端子
部4,5を形成する。
【0012】以上のような方法で従来の抵抗器を製造し
ていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、抵抗部1と第1、第2の浮き上げ部2,3
および第1、第2の端子部4,5のいずれの部分も、母
材の金属である銅ニッケルまたはニッケルクロムが素地
のまま露出し、それらの表面が保護されていない状態で
あるため、抵抗器製造後に長期保管された場合に、抵抗
部1と第1、第2の浮き上げ部2,3および第1、第2
の端子部4,5に至るすべての金属表面において酸化が
進行しやすく、この場合、特に第1、第2の端子部4,
5におけるはんだ濡れ性が劣化して実装基板へのはんだ
付けができなくなるという課題を有していた。
【0014】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、実装基板へのはんだ付け部となる抵抗器の電極端子
部の酸化を抑えることができて、長期的に安定したはん
だ濡れ性を有する抵抗器を提供することを目的とするも
のである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の抵抗器は、抵抗素子部と電極端子部とが一体
構造の金属板からなる抵抗体の抵抗素子部と電極端子部
の少なくとも上面および下面を覆うように、錫または鉛
のいずれかの金属を少なくとも含有する被覆層を設けた
もので、この構成によれば、実装基板へのはんだ付け部
となる抵抗器の電極端子部の酸化を抑えることができ
て、長期的に安定したはんだ濡れ性を有する抵抗器が得
られるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、抵抗素子部と電極端子部とが一体構造の金属板から
なる抵抗体の抵抗素子部と電極端子部の少なくとも上面
および下面を覆うように、錫または鉛のいずれかの金属
を少なくとも含有する被覆層を設けたもので、この構成
によれば、抵抗体の抵抗素子部と電極端子部の上面およ
び下面に設けた被覆層により、抵抗器保管時の表面酸化
を抑えることができるため、長期的に安定したはんだ濡
れ性を有する抵抗器を得ることができるという作用を有
するものである。
【0017】請求項2に記載の発明は、抵抗素子部と電
極端子部とが一体構造の金属板からなる抵抗体と、この
抵抗体の抵抗素子部を内包し、かつ少なくとも一つの開
口部を有する絶縁材料からなるケースと、前記抵抗素子
部を前記ケース内に封止するための絶縁材料からなる封
止材とを備え、前記抵抗体の抵抗素子部と電極端子部の
少なくとも上面および下面を覆うように、錫または鉛の
いずれかの金属を少なくとも含有する被覆層を設けたも
ので、この構成によれば、抵抗器に通電される大電流に
対しても熱容量の大きいケースで抵抗器の発熱を効率よ
く放熱させることができ、これにより、電力形の抵抗器
にも対応させることが可能になるという作用を有するも
のである。
【0018】請求項3に記載の発明は、被覆層を、抵抗
体の抵抗素子部と電極端子部の少なくとも上面および下
面を覆うように形成した銅またはニッケルのいずれかの
金属を少なくとも含有する下地層と、この下地層の少な
くとも上面および下面を覆うように形成した錫または鉛
のいずれかの金属を少なくとも含有する表面層とにより
構成したもので、この構成によれば、銅またはニッケル
のいずれかの金属を少なくとも含有する下地層を設けて
いるため、抵抗体の素地と表面層間の密着性を強固にす
ることができ、これにより、抵抗器の実装基板への実装
後の電極端子部の剥離強度を高めることができるという
作用を有するものである。
【0019】請求項4に記載の発明は、抵抗体を、銅ま
たはニッケルのいずれかの金属を少なくとも含有する金
属板で構成したもので、この構成によれば、大電流検出
に必要な抵抗値領域である数mΩ〜数100mΩの広範
囲の抵抗値領域をカバーすることが可能になるという作
用を有するものである。
【0020】請求項5に記載の発明は、被覆層の膜厚ま
たは下地層と表面層の総膜厚を、これらの層を形成して
いない抵抗器の抵抗値に対してこれらの層を形成した場
合の抵抗器の抵抗値変化量が−5%以下となる膜厚にし
たもので、この構成によれば、抵抗器に対して定格を上
回る過大な負荷が印加された場合でも、抵抗器の抵抗値
変化を小さくでき、その結果、過大な負荷に対して安定
した信頼性を有する抵抗器が得られるという作用を有す
るものである。
【0021】請求項6に記載の発明は、被覆層または下
地層と表面層を、抵抗体を加工した際に形成される電極
端子部のはんだ付け面の側のみに設けたもので、この構
成によれば、製造時の材料コストを抑えた安価な抵抗器
が得られるという作用を有するものである。
【0022】請求項7に記載の発明は、所定の抵抗値に
なるように寸法および形状を調整した抵抗素子部と電極
端子部が一体構造の金属板からなる抵抗体を得る工程
と、前記抵抗体の抵抗素子部と電極端子部の少なくとも
上面および下面を覆うように錫または鉛のいずれかの金
属を少なくとも含有する被覆層を設ける工程と、前記抵
抗体を所定の形状に加工する工程を備えたもので、この
製造方法によれば、被覆層形成時の膜厚の均一性に優れ
た精度の高い抵抗器の製造が可能になるという作用を有
するものである。
【0023】請求項8に記載の発明は、所定の抵抗値に
なるように寸法および形状を調整した抵抗素子部と電極
端子部が一体構造の抵抗体を得る工程と、前記抵抗体の
抵抗素子部と電極端子部の少なくとも上面および下面を
覆うように錫または鉛のいずれかの金属を少なくとも含
有する被覆層を設ける工程と、前記被覆層を設けた抵抗
体を所定の形状に加工する工程と、少なくとも一つの開
口部を有するケース内に前記抵抗体の抵抗素子部を挿入
する工程と、封止材により前記抵抗体の抵抗素子部を前
記ケース内に封止する工程を備えたもので、この製造方
法によれば、大電流に対応した電力形の抵抗器を安価に
得ることができるという作用を有するものである。
【0024】請求項9に記載の発明は、所定の抵抗値に
なるように寸法および形状を調整した抵抗素子部と電極
端子部が一体構造の抵抗体を得る工程と、前記抵抗体の
抵抗素子部と電極端子部の少なくとも上面および下面を
覆うように銅またはニッケルのいずれかの金属を少なく
とも含有する下地層を設ける工程と、前記下地層の少な
くとも上面および下面を覆うように錫または鉛のいずれ
かの金属を少なくとも含有する表面層を設ける工程と、
前記下地層と表面層を設けた抵抗体を所定の形状に加工
する工程と、少なくとも一つの開口部を有するケース内
に前記抵抗体の抵抗素子部を挿入する工程と、封止材に
より前記抵抗体の抵抗素子部を前記ケース内に封止する
工程を備えたもので、この製造方法によれば、電極端子
部の強度が強固な抵抗器を安価に製造できるという作用
を有するものである。
【0025】請求項10に記載の発明は、被覆層または
下地層と表面層を、抵抗体の抵抗素子部と電極端子部の
少なくとも上面および下面を覆うように形成した後、1
00〜1300℃の加熱処理を行うようにしたもので、
この製造方法によれば、100〜1300℃の加熱処理
を行うようにしているため、抵抗体加工時の機械的スト
レスによる被覆層または下地層と表面層への機械的損傷
も抑えることができるという作用を有するものである。
【0026】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態1について、図面を参照しながら説明する。
【0027】図1(a)は本発明の実施の形態1におけ
る抵抗器の斜視図、図1(b)は同抵抗器の側断面図で
ある。
【0028】図1(a),(b)において、11は銅ニ
ッケル合金製の金属板からなる抵抗体11aの中央部に
位置する抵抗素子部で、この抵抗素子部11と、抵抗体
11aの両端部に位置する第1、第2の電極端子部1
2,13とは一体構造で形成されているものである。1
4は抵抗素子部11および第1、第2の電極端子部1
2,13の表面全体を覆うように設けた被覆層で、この
被覆層14は錫と鉛を含有しているものである。
【0029】以上のように構成された本発明の実施の形
態1における抵抗器について、以下にその製造方法を図
面を参照しながら説明する。
【0030】図2(a)〜(c)は本発明の実施の形態
1における抵抗器の製造方法を示す工程図である。
【0031】まず最初に図2(a)に示すように、銅ニ
ッケル合金からなる金属板を所定の寸法で切断して、所
望の抵抗値を有する短冊状の抵抗体11aを作製する。
【0032】次に図2(b)に示すように、抵抗体11
aの表面全体に錫および鉛を含有した被覆層14を電気
めっきや無電解めっきまたは溶融めっき法などのめっき
法により形成する。
【0033】この場合、被覆層14を形成した後に、抵
抗体11aを加工する際に金型を用いる場合には、10
0〜1300℃で0.1秒〜60秒間の加熱処理を行う
場合もある。
【0034】最後に図2(c)に示すように、抵抗体1
1aの両端部を折り曲げて、抵抗体11aの中央部に抵
抗素子部11を形成し、かつ抵抗体11aの両端部に第
1、第2の電極端子部12,13を形成することによ
り、抵抗器の製造を終えるものである。
【0035】以下、本発明の実施の形態1における抵抗
器と従来の抵抗器とのはんだ濡れ性の比較結果について
説明する。
【0036】本発明の実施の形態1における抵抗器と従
来の抵抗器において、それぞれの抵抗器を温度40℃、
湿度95%の雰囲気に保持された恒温恒湿槽内に放置し
て、時系列的なはんだ濡れ性の変化を比較した。
【0037】なお、はんだ濡れ性の評価は、230℃に
保持したはんだ槽中に抵抗器の電極端子部を5秒間浸漬
させ、そして浸漬した電極端子部の表面のはんだ濡れ具
合を目視で観察して比較したものである。
【0038】その結果、従来の抵抗器は放置後48時間
からはんだ濡れ性の変化が認められ、そして68時間後
には試料表面にはんだが全く濡れない状態となった。
【0039】しかしながら、本発明の実施の形態1にお
ける抵抗器においては、放置後700時間以上はんだ濡
れ性の変化は認められず、1000時間後よりわずかに
はんだ濡れ性の低下が認められたにすぎなかった。
【0040】上記の結果より、従来の抵抗器と比較して
本発明の実施の形態1における抵抗器によれば、はんだ
濡れ性で少なくとも20倍以上の長期はんだ濡れ性が確
保できていることが確かめられた。
【0041】なお、上記本発明の実施の形態1において
は、金属板からなる抵抗素子部11および第1、第2の
電極端子部12,13の表面全体に被覆層14を形成し
たが、図3に示すように実装基板面とはんだ付け面とが
一致する第1、第2の電極端子部12,13の表面以外
にはマスキングを施し、前記はんだ付け面と一致する側
のみに被覆層14aを形成してもよく、この場合は、上
記本発明の実施の形態1の効果に加えて、抵抗器の製造
時の材料コストを低減させることができて、安価な抵抗
器を製造することが可能になるという更なる効果を有す
るものである。
【0042】また上記本発明の実施の形態1において、
被覆層14の膜厚を、被覆層14を形成する前の抵抗器
の抵抗値に対して被覆層14を形成した後の抵抗器の抵
抗値変化量が−5%以下となる膜厚にすることにより、
万一、抵抗器の使用時に定格以上の過大な負荷が印加さ
れた場合でも、抵抗器の抵抗値変化を少なくとも±5%
以内に抑えることができ、その結果、過大な負荷に対し
て安定した信頼性を有する抵抗器が得られるという更な
る効果を有するものである。
【0043】そしてまた上記本発明の実施の形態1にお
いては、抵抗素子部11を銅ニッケル合金製の金属板で
構成したものについて説明したが、ニッケルクロム合金
などの銅またはニッケルのいずれかの金属を少なくとも
含有する金属板で構成することにより、上記本発明の実
施の形態1の効果に加えて、大電流検出に必要な抵抗値
領域である数mΩ〜数100mΩの広範囲の抵抗値領域
をカバーすることができるという更なる効果を有するも
のである。
【0044】さらに本発明の実施の形態1においては、
被覆層14を錫と鉛を含有するもので構成していたが、
この場合、錫または鉛のいずれかの金属を少なくとも含
有しておれば、本発明の実施の形態1と同様の効果を有
するものである。
【0045】さらにまた上記本発明の実施の形態1にお
いては、第1、第2の電極端子部12,13を抵抗素子
部11に対して抵抗素子部11より外側に折り曲げて構
成したが、抵抗器の実装基板上の占有面積を縮小して高
密度実装に対応させるために、図4に示すように、第
1、第2の電極端子部12,13を抵抗素子部11に対
して抵抗素子部11より内側に折り曲げて構成しても、
本発明の実施の形態1と同様の効果を有するものであ
る。
【0046】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2について、図面を参照しながら説明する。
【0047】図5(a)は本発明の実施の形態2におけ
る抵抗器の斜視図、図5(b)は同抵抗器の側断面図で
ある。
【0048】図5(a),(b)において、21は銅ニ
ッケル合金製の金属板からなる抵抗体21aの中央部に
位置する抵抗素子部で、この抵抗素子部21と、抵抗体
21aの両端部に位置する第1、第2の電極端子部2
2,23とは一体構造で形成されている。24は抵抗素
子部21および第1、第2の電極端子部22,23の少
なくとも上面および下面を覆うように設けた被覆層で、
この被覆層24は錫と鉛を含有しているものである。2
5は少なくとも抵抗素子部21を内包し、かつ少なくと
も一つの開口部を有するセラミック製の絶縁材料からな
るケースで、このケース25はアルミナまたはシリカの
いずれかを含有したもので形成されている。26は前記
抵抗素子部21を前記ケース25内に封止するための封
止材で、この封止材26はアルミナまたはシリカのいず
れかを含有したセメントまたは樹脂からなる絶縁材料に
より構成されている。
【0049】上記構成とすることにより、抵抗器を実装
基板上に実装し、抵抗器の定格に対して2倍の過負荷を
印加した状態で、側面方向から荷重を加えた場合、電極
剥離(破壊)に至るまでの強度比較で約2.5倍の向上
が認められた。
【0050】以上のように構成された本発明の実施の形
態2における抵抗器について、以下にその製造方法を図
面を参照しながら説明する。
【0051】図6は本発明の実施の形態2における抵抗
器の製造方法を示す工程図である。
【0052】ここで抵抗器製造の抵抗体加工までの工程
については、本発明の実施の形態1の図2(a)〜
(c)に示したものと同様であるため、その説明は省略
する。
【0053】次に図6(a)に示すように、予め作製し
たセラミック製のケース25の一つの開口部より、図2
(c)の工程と同じ工程で作製した抵抗体21aの抵抗
素子部21のみを挿入する。
【0054】最後に図6(b)に示すように、ケース2
5内にアルミナまたはシリカを含有するセメントからな
る封止材26を適量注入し、100〜170℃の温度で
10〜120分間乾燥することにより硬化させて抵抗器
の製造を終えるものである。
【0055】以下、本発明の実施の形態2の抵抗器と従
来の抵抗器について、実装基板への実装後の温度上昇を
比較した結果を説明する。
【0056】本発明の実施の形態2における抵抗器と従
来の抵抗器について、同一寸法の基板形状およびランド
パターン寸法を有する実装基板にはんだによって実装固
定し、定格電力を印加した場合のはんだ付け部の温度上
昇を比較した。
【0057】その結果、従来の抵抗器においては、抵抗
素子部で発生した熱を他に放熱させるものがないため、
はんだ付け部の温度が上昇し、定格印加では170〜1
80℃となった。
【0058】これに対し、本発明の実施の形態2におけ
る抵抗器では、熱容量が大きく、かつ熱伝導性に優れて
いるアルミナまたはシリカのいずれかを含有したケース
25により外装した構成としているため、抵抗素子部2
1で発生した熱をケース25で放熱させることができる
もので、これにより、定格印加でのはんだ付け部の温度
は50〜60℃であった。
【0059】従って従来の抵抗器と比較して本発明の実
施の形態2における抵抗器では、定格印加の際のはんだ
付け部の温度上昇を1/3以下に抑えることができ、そ
の結果、はんだ付け部の熱的な信頼性を大幅に向上させ
る効果が確認された。
【0060】(実施の形態3)以下、本発明の実施の形
態3について、図面を参照しながら説明する。
【0061】図7は本発明の実施の形態3における抵抗
器の側断面図である。
【0062】図7において、31は銅ニッケル合金製の
金属板からなる抵抗体31aの中央部に位置する抵抗素
子部で、この抵抗素子部31と、抵抗体31aの両端部
に位置する第1、第2の電極端子部32,33とは一体
構造で形成されている。34は抵抗素子部31および第
1、第2の電極端子部32,33の少なくとも上面およ
び下面を覆うように設けた下地層で、この下地層34は
銅またはニッケルのいずれかの金属を少なくとも含有す
るものである。35は下地層34の少なくとも上面およ
び下面を覆うように設けた表面層で、この表面層35は
錫または鉛のいずれかの金属を少なくとも含有するもの
である。
【0063】以上のように構成された本発明の実施の形
態3の抵抗器の製造方法は、基本的には本発明の実施の
形態1の図2(a)〜(c)に示したものと同様であ
り、図2(b)の被覆層(表面層)を形成前に電気めっ
き、無電解めっき、溶融めっき法などにより下地層34
を形成することが異なるのみであるため、その説明は省
略する。
【0064】上記した本発明の実施の形態3において
は、銅またはニッケルのいずれかの金属を少なくとも含
有する下地層34を設けているため、抵抗体31aの素
地と表面層35間の密着性を強固にすることができ、こ
れにより、抵抗器の実装基板への実装後の第1、第2の
電極端子部32,33の剥離強度を高めることができる
という効果を有するものである。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明の抵抗器は、抵抗素
子部と電極端子部とが一体構造の金属板からなる抵抗体
の抵抗素子部と電極端子部の少なくとも上面および下面
を覆うように、錫または鉛のいずれかの金属を少なくと
も含有する被覆層を設けているため、この被覆層によ
り、抵抗器保管時の表面酸化を抑えることができ、これ
により、長期的に安定したはんだ濡れ性を有する抵抗器
が得られるというすぐれた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における抵抗器の
斜視図 (b)同抵抗器の側断面図
【図2】(a)〜(c)本発明の実施の形態1における
抵抗器の製造方法を示す工程図
【図3】本発明の実施の形態1における抵抗器の他の例
を示す側断面図
【図4】本発明の実施の形態1における抵抗器のさらに
他の例を示す側断面図
【図5】(a)本発明の実施の形態2における抵抗器の
斜視図 (b)同抵抗器の側断面図
【図6】(a)(b)本発明の実施の形態2における抵
抗器の製造方法を示す工程図
【図7】本発明の実施の形態3における抵抗器の側断面
【図8】従来の抵抗器の斜視図
【図9】(a)〜(c)従来の抵抗器の製造方法を示す
工程図
【符号の説明】
11,21,31 抵抗素子部 11a,21a,31a 抵抗体 12,22,32 第1の電極端子部 13,23,33 第2の電極端子部 14,14a,24 被覆層 25 ケース 26 封止材 34 下地層 35 表面層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗素子部と電極端子部とが一体構造の
    金属板からなる抵抗体の抵抗素子部と電極端子部の少な
    くとも上面および下面を覆うように、錫または鉛のいず
    れかの金属を少なくとも含有する被覆層を設けたことを
    特徴とする抵抗器。
  2. 【請求項2】 抵抗素子部と電極端子部とが一体構造の
    金属板からなる抵抗体と、この抵抗体の抵抗素子部を内
    包し、かつ少なくとも一つの開口部を有する絶縁材料か
    らなるケースと、前記抵抗素子部を前記ケース内に封止
    するための絶縁材料からなる封止材とを備え、前記抵抗
    体の抵抗素子部と電極端子部の少なくとも上面および下
    面を覆うように、錫または鉛のいずれかの金属を少なく
    とも含有する被覆層を設けたことを特徴とする抵抗器。
  3. 【請求項3】 被覆層を、抵抗体の抵抗素子部と電極端
    子部の少なくとも上面および下面を覆うように形成した
    銅またはニッケルのいずれかの金属を少なくとも含有す
    る下地層と、この下地層の少なくとも上面および下面を
    覆うように形成した錫または鉛のいずれかの金属を少な
    くとも含有する表面層とにより構成したことを特徴とす
    る請求項1または2記載の抵抗器。
  4. 【請求項4】 抵抗体を、銅またはニッケルのいずれか
    の金属を少なくとも含有する金属板で構成した請求項1
    〜3のいずれかに記載の抵抗器。
  5. 【請求項5】 被覆層の膜厚または下地層と表面層の総
    膜厚を、これらの層を形成していない抵抗器の抵抗値に
    対してこれらの層を形成した場合の抵抗器の抵抗値変化
    量が−5%以下となる膜厚にしたことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の抵抗器。
  6. 【請求項6】 被覆層または下地層と表面層を、抵抗体
    を加工した際に形成される電極端子部のはんだ付け面の
    側のみに設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の抵抗器。
  7. 【請求項7】 所定の抵抗値になるように寸法および形
    状を調整した抵抗素子部と電極端子部が一体構造の金属
    板からなる抵抗体を得る工程と、前記抵抗体の抵抗素子
    部と電極端子部の少なくとも上面および下面を覆うよう
    に錫または鉛のいずれかの金属を少なくとも含有する被
    覆層を設ける工程と、前記抵抗体を所定の形状に加工す
    る工程を備えたことを特徴とする抵抗器の製造方法。
  8. 【請求項8】 所定の抵抗値になるように寸法および形
    状を調整した抵抗素子部と電極端子部が一体構造の抵抗
    体を得る工程と、前記抵抗体の抵抗素子部と電極端子部
    の少なくとも上面および下面を覆うように錫または鉛の
    いずれかの金属を少なくとも含有する被覆層を設ける工
    程と、前記被覆層を設けた抵抗体を所定の形状に加工す
    る工程と、少なくとも一つの開口部を有するケース内に
    前記抵抗体の抵抗素子部を挿入する工程と、封止材によ
    り前記抵抗体の抵抗素子部を前記ケース内に封止する工
    程を備えたことを特徴とする抵抗器の製造方法。
  9. 【請求項9】 所定の抵抗値になるように寸法および形
    状を調整した抵抗素子部と電極端子部が一体構造の抵抗
    体を得る工程と、前記抵抗体の抵抗素子部と電極端子部
    の少なくとも上面および下面を覆うように銅またはニッ
    ケルのいずれかの金属を少なくとも含有する下地層を設
    ける工程と、前記下地層の少なくとも上面および下面を
    覆うように錫または鉛のいずれかの金属を少なくとも含
    有する表面層を設ける工程と、前記下地層と表面層を設
    けた抵抗体を所定の形状に加工する工程と、少なくとも
    一つの開口部を有するケース内に前記抵抗体の抵抗素子
    部を挿入する工程と、封止材により前記抵抗体の抵抗素
    子部を前記ケース内に封止する工程を備えたことを特徴
    とする抵抗器の製造方法。
  10. 【請求項10】 被覆層または下地層と表面層を、抵抗
    体の抵抗素子部と電極端子部の少なくとも上面および下
    面を覆うように形成した後、100〜1300℃の加熱
    処理を行うようにしたことを特徴とする請求項7〜9の
    いずれかに記載の抵抗器の製造方法。
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