JP2000215967A - 面状ヒ―タ - Google Patents

面状ヒ―タ

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JP2000215967A
JP2000215967A JP11016144A JP1614499A JP2000215967A JP 2000215967 A JP2000215967 A JP 2000215967A JP 11016144 A JP11016144 A JP 11016144A JP 1614499 A JP1614499 A JP 1614499A JP 2000215967 A JP2000215967 A JP 2000215967A
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Japan
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carbon fiber
heater
heat
temperature
heating
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JP11016144A
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English (en)
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Yumiko Kataoka
由美子 片岡
Shingo Tanaka
真吾 田中
Takenori Fukushima
武徳 福島
Hiroyuki Tsuboi
宏之 坪井
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、赤外線放射率及び温度上昇勾配
の高い面状ヒータ及びそのヒータを利用した暖房装置及
び熱交換装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 炭素繊維を混抄する炭素繊維混抄紙か
らなる発熱体において、炭素繊維の近傍に空気層を形成
することを特徴とする。これにより、炭素繊維から周辺
への熱移動が主に放射によって行われ、早く効率的に行
われるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素繊維を有機パ
ルプとともに混抄することにより製造する面状ヒータお
よび、面状ヒータを組み込んだ暖房装置及び熱交換装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、面状ヒータは、暖房、融雪、
凍結防止などに用いられ、比較的広い面積を暖め、また
昼夜連続して暖める用途に用いられている。従来技術と
して、チュービングヒータを面状に貼り巡らした物や、
グラファイト、カーボンブラック、金属粉等と合成樹脂
バインダーを印刷した面状発熱体があるが、広い面積を
加熱するためにはコストが過大であり、発熱効率が低
く、また均一な温度分布が得られない。
【0003】例えば、特開平9−260034公報に
は、炭素繊維混抄紙を用いる面状発熱体が提案されてい
る。コウゾ、マニラ麻、ミツマタ等からなる和紙用靭皮
繊維と、炭素繊維とを混合し抄紙して形成され、炭素繊
維としては、フィラメント径6.8μ、比抵抗20μΩ
程度のPAN系炭素繊維を約5〜15%程度混合したも
のが提案されている。この面状発熱体は、混抄されてい
る炭素繊維に通電すると、その抵抗により発熱するもの
であるが、その炭素繊維は細かく裁断され、相互に電気
的に接続されているので、この部分で温度上昇に応じた
高抵抗作用を生じ面状発熱体の全面にわたって自動的に
均一な温度分布とすることができるとしている。
【0004】また暖房便座の発熱体として各種の提案が
なされている。 例えば、特開平10−192192号
公報には、特定のエマルジョンで表面処理した炭素繊維
ロービングに熱可塑性樹脂で押出被覆し造粒した樹脂を
成形することによって、導電材料の少量添加で高い導電
性があり、表面が均一に発熱し、軽くて容易に加工成形
できるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−26003
4や特開平10−192192において開示される面状
発熱体は、密度が高いため抵抗発熱体である炭素繊維に
隣接して基材やバインダーがあり、炭素繊維の近傍に空
隙を有していない。そのため、抵抗加熱により発生した
炭素繊維の熱が接触面を介して基材等の近傍へと逃げや
すく、炭素繊維が所望の温度に達するまでに時間がかか
りすぎるという問題点があった。さらに面状ヒータの坪
量が60g/cm2と高いために、熱容量が高く面状発熱
体自身の温度上昇勾配も低い物であった。炭素繊維の放
射率は90%程度と高いため効率のよい赤外線放射体で
あるが、上記のような理由により炭素繊維の表面温度が
あがらず、赤外線ヒータとしての効果はあまり期待でき
なかった。
【0006】そこで本発明は、これまで考慮されなかっ
た面状ヒータ内の空隙が持つ断熱性に着眼し、空隙を取
り入れることで赤外線放射率及び温度上昇勾配の高い面
状ヒータ及びそのヒータを利用した暖房装置及び熱交換
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】本発明
では、次のような手段により前記課題を解決している。
請求項第1項記載の発明は、炭素繊維と天然パルプとを
混抄する炭素繊維混抄紙からなる面状発熱体において、
炭素繊維の周囲に空隙を形成したことを特徴とする。
【0008】本発明においては、面状ヒータにおいて、
炭素繊維混抄紙からなる発熱体内の炭素繊維近傍に空隙
を形成することにより、炭素繊維周辺の空隙が断熱層を
形成するので、炭素繊維の熱が近傍へと逃げにくく、通
電後直ちに炭素繊維が昇温し、遠赤外線の放射がはじま
り、温度上昇勾配を大きくすることができ、ヒータの即
暖機能が向上する。
【0009】請求項第2項記載の発明は炭素繊維近傍の
空隙の占有率を面状ヒータの単位体積に対して80体積
%以上とすることを特徴とする。
【0010】本発明により、炭素繊維の周囲に断熱層で
ある空隙が確実に形成されるので、炭素繊維の昇温速度
が増大し、熱源である混抄紙への通電から遠赤外線の放
射開始までの時間が短縮される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
本発明による炭素繊維混抄紙を有する発熱体は、基材と
しての麻等のパルプとバインダーとしてPVA系の樹脂
を炭素繊維に水中で混抄してパルプ液とし、抄紙用の網
の上に流し、ウエットシートを形成する。
【0012】次にウエットシートを搾水用のロールを用
いて機械的に脱水し、乾燥させ炭素繊維混抄紙を形成す
る。このときの炭素繊維と基材の含有量により、炭素繊
維通しの接点状態が決まり、それによって炭素繊維混抄
紙の抵抗値が定まる。これを炭素繊維混抄紙内に混入さ
れているバインダーが加熱により溶着することで、炭素
繊維と基材の位置関係を保持する。
【0013】繊維通しは点接触であるため、炭素繊維と
基材のみではその位置関係を保持することはできない。
そこで、炭素繊維混抄紙に含まれたバインダーを熱溶着
させることにより、炭素繊維の接点状態を維持し、安定
した抵抗値を持った面状ヒータを作ることができる。
【0014】
【実施例1】図1は第一の実施例である。1は面状ヒー
タ、2は炭素繊維混抄紙、3は電極である。図2は本発
明の炭素繊維混抄紙の拡大図であり、5は炭素繊維、6
は基材、7はバインダー、18は空隙である。基材6に
は麻パルプを、バインダー7にはPVA系樹脂を用いて
いる。
【0015】次に作用について説明する。炭素繊維混抄
紙2は、長さが1〜5mmの炭素繊維含有率が25%、
坪量が20.5g/cm2、厚みが200μm程度である
ため、図2に示すように炭素繊維の近傍に空隙18が存
在する。バインダー7を熱溶着させることで、この位置
関係を保持している。この状態の炭素繊維混抄紙2に電
極3を取り付け通電すると、炭素繊維5に電流が流れ
て、抵抗加熱により炭素繊維5の温度が上昇する。熱の
移動は、温度が高い方から低い方へと起こるが、炭素繊
維5と基材6の間にある空隙が断熱の役目を果たし、炭
素繊維5の熱が周りへと移動しにくくなっている。
【0016】このため、炭素繊維5の温度勾配が大きく
なり、通電開始直後から周辺温度とに差が生じ、その温
度差により周辺物体へと赤外線が放射される。
【0017】赤外線放射による熱移動量は、主に放射体
と被放射体の表面温度とそれぞれの放射率に依存する。
本発明の場合、放射体である炭素繊維の表面温度は通電
開始直後から急激に上昇し、放射率も高いため、効率よ
く被放射体へと赤外線放射による熱移動が行われてい
る。このとき、被放射体の放射率が高いと、放射体から
の放射熱を被放射体が効率的に吸収し熱に変わるので、
赤外線放射による加熱がより効果的に行われる。
【0018】また、被放射体と同様に基材6も放射体か
らの熱を受けるが、天然パルプの放射率は一般的に高い
ので、基材6への熱伝達も効率よく行われる。その結
果、面状ヒータ1の温度勾配も大きくなる。
【0019】本実施例によれば、炭素繊維混抄紙の空隙
の占有率を80%以上とすることにより、効率よく赤外
線を放射する面状ヒータが実現できる。図3に空隙の占
有率が80%程度の面状ヒータと50%程度の面状ヒー
タの定格消費電力に対する分光放射量を示したが、空隙
の占有率が高い面状ヒータの方が多く放射しているのが
わかる。
【0020】また、空隙の占有率が高い面状ヒータの被
放射体と対向しない側に反射板を設けると、面状ヒータ
から反射板側へ放射されたものは、反射板によって人体
と対向する側へと方向変換され、面状ヒータを通過、も
しくは透過してさらに放射量が増加する。
【0021】
【実施例2】図4は第二の実施例として本発明を応用し
た面状の暖房装置を示す斜視図、図5は暖房装置の断面
図である。図4および図5において、8は暖房装置、9
は面状ヒータ、10は表面層、11は断熱層、12は反
射板、13は裏面層、14は電極である。
【0022】暖房装置8は、人体に吸収されやすい赤外
線を透過し、かつ絶縁効果有する樹脂である表面層10
を持ち、その人体と対向しない側に熱源である面状ヒー
タ9を埋設し、面状ヒータ9と裏面との間に、面状ヒー
タ9側から順に断熱層11,反射板12、裏面層13と
なっている。断熱層11には、多孔質な薄い和紙などの
ような熱容量が大きく、熱伝導率の低いものを用いる。
反射板12には、アルミ箔のような赤外線に対する反射
率が90%以上と高い物を用いる。
【0023】次に作用について説明する。暖房装置8に
通電開始後、面状ヒータ9から表面層10に熱が伝達さ
れるとともに赤外線が放射される。この暖房装置8を天
井などの人体と非接触の場所に設置した場合、表面層を
非常に薄くできるので、面状ヒータ9から人体との接触
面までの距離を赤外線の浸透深度未満とすると、人体と
対向する側に放射された赤外線は表面層内ですべて吸収
されるわけではなく、表面層内で吸収された赤外線がそ
の場所で熱に変換されるとともに、吸収されなかった赤
外線は表面層を透過して輻射熱として人体に到達する。
この輻射熱が人体を直接加温する為、即暖効果が得ら
れる。表面層内で吸収された熱によって温められた暖房
装置8の表面からの輻射熱によっても人体が加温され
る。
【0024】また、面状ヒータ9の人体と対向しない側
に反射板12や、断熱層11を設けることにより、人体
と対向する側により有効的にエネルギーを伝達すること
ができ、省エネルギー効果が得られる。
【0025】本実施例によれば、表面層内で吸収されず
に透過した赤外線が、輻射熱として人体を直接加温する
為人体への即暖効果がある。通常の暖房装置では、暖房
装置からの熱エネルギーが熱伝導で非加熱物に接触面を
介して移動する場合と、エアコンのような非接触の場合
対流によって移動する。前者の場合、接触面のみが加温
されることと、人体と直接接するため暖房装置に絶縁層
を設けなくてはならない。後者の場合、対流で熱を移動
するので、空気が移動する際に室内のほこりを巻き上げ
るなど衛生上問題がある。
【0026】一方赤外線放射による加熱の場合、熱伝達
に媒体を必要とせず、直接被加熱物に熱伝達を行うこと
ができるうえ、熱移動の途中で失う熱量もほとんどな
く、熱損失を小さくすることができる。
【0027】また、伝導、対流に対して放射による熱移
動は非常に早いので、暖房装置のスイッチをONしてか
ら短時間で人体が温感を得ることができる。
【0028】
【実施例3】図6は第三の実施例として本発明を応用し
た便座の例を示す斜視図、図7は便座の断面図である。
図6において、15は便座である。また、図6、図7に
おいて、16は熱源である面状ヒータ、17は樹脂層で
ある。
【0029】樹脂には飽和ポリエステルの一種であるポ
リエチレンテレフタレートを用いた。
【0030】次に作用について説明する。面状ヒータ1
6に通電開始後、面状ヒータ16から樹脂層17に熱が
伝達されるとともに遠赤外線が放射される。上側樹脂層
17(a)の厚みを遠赤外線の浸透深度未満としたの
で、上側樹脂層17(a)側に放射された遠赤外線は上
側樹脂層17(a)内ですべて吸収されるわけではな
く、上側樹脂層17(a)内で吸収された遠赤外線が上
側樹脂層17(a)内で熱に変換されるとともに、吸収
されなかった遠赤外線は上側樹脂層17(a)を透過し
て輻射熱として人体に到達する。この輻射熱が人体を直
接加温する為、即暖効果が得られる。
【0031】本実施例によれば、上側樹脂層17(a)
で吸収されずに透過した遠赤外線が、輻射熱として人体
を直接加温する為人体への即暖効果がある。通常の便座
暖房装置では、熱源と絶縁体との密着性が低いうえ、絶
縁体の厚みが厚い為、熱源から絶縁体表面への熱移動に
時間を要するとともに、遠赤外線を透過しないので、熱
源からの輻射熱が人体へと到達せず、通電開始から便座
が暖まるまでに数分かかっていた。そのため、人体への
ヒヤリ感をなくすには常時通電しておく必要が有り、無
駄な電力消費が行われていた。
【0032】それに対して上記の便座では、樹脂暖房装
置の即暖効果により、トイレ内に人体検知装置を設け
て、トイレ空間に人が進入時通電を開始しても、人体に
ヒヤリ感を与えない程度に温度を上昇させるのに10秒
程度を要するだけである。そのため、トイレ内に人がい
ないときに通電しておく必要が無く、無駄な電力消費を
なくすことができる。
【0033】
【実施例4】図8は第4の実施例として本発明を応用し
た発熱装置を搭載した足下暖房装置の例であり、図9
(a)は装置全体の斜視図であり、図8(b)は断面図
である。図中の26は足下暖房装置、27は暖房装置2
6のフレーム、28は運転SW、29は暖房装置のコン
トローラ、30は暖房装置自立用の脚である。
【0034】電源コード7をコンセントに投入後、運転
SW10をONにすると発熱装置1に通電を開始し、面
状発熱ヒータ20から赤外線が放射される。絶縁層21
は、ガラスのように赤外線を透過する材質のものであ
り、絶縁層22は赤外線を反射するように処理を施した
ものであるので、赤外線はすべて矢印方向に集光され
る。暖房装置の設定温度は、コントローラ29によっ
て、赤外線の放射量をコントロールすることにより、保
持される。
【0035】赤外線は空気に吸収されることなく輻射熱
として人体に到達し、輻射熱が人体を直接加温する為、
即暖効果が得られる。
【0036】
【実施例5】図9は第5の実施例として、反射板を用い
ることにより、赤外線の放射方向を自由に変えられる暖
房装置31を示す。図9において、図9(a)は暖房装
置31の斜視図であり、図9(b)はその断面図であ
る。図中の32は反射板、33は暖房装置のフレームで
ある。
【0037】電源コード25をコンセントに投入後、運
転SW10をONにすると発熱装置19に通電を開始
し、面状発熱ヒータ20から赤外線が放射される。絶縁
層21及び22は、ガラスのように赤外線を透過する材
質でできている。
【0038】絶縁層21を透過した赤外線は、前方に放
射されるが、絶縁層22を透過した赤外線は、反射板3
2によって反射されることにより、放射方向を前方に変
えられる。この時、反射板32の湾曲角度によって、放
射方向が決まるので、この角度を調整することにより、
放射範囲をコントロールすることができる。
【0039】
【実施例6】図10は第6の実施例として、温水洗浄便
座の温水をつくりだす熱交換装置を示すものであり、3
4は熱交換装置、35は面状ヒータ、36は熱交換装置
タンク内壁、37は熱交換装置タンク外壁、38は給水
ホース、39は洗浄ノズル(図示しない)への給湯ホー
ス、40は温度センサ、41はコントローラを示す。
【0040】まず、熱交換装置34内には温水が溜めら
れており、設定された温度で保温されている。温水洗浄
機能を働かせると、洗浄ノズルへの給湯ホース39から
温水が流れだし、その分の水が給水ホース38から熱交
換装置34内に供給され、熱交換装置34内の水温が下
がり、温度センサ40によって検知された温度はコント
ローラ41へ伝えられ、検知された温度が設定温度より
も低ければ、面状発熱ヒータ35をONし、水を加熱す
る。加熱することによって、温水温度が設定温度に達す
ると、面状発熱ヒータ35をOFFする。この繰り返し
によって、設定温度を保持するようにコントロールされ
ている。
【0041】この熱交換装置では、従来の熱交換装置に
比べて、発熱部と水との接触面積を大きくできるので、
タンク内の水を全体的に加熱することができ、タンク内
の温水温度のむらを小さくすることができる上、ヒータ
の熱容量を上げても沸騰しにくくなるため、ヒータを大
容量化できるので昇温速度を上げることができる。
【0042】さらに、ヒータがタンク内壁に埋設されて
いるので、ヒータを外部から挿入する必要がないので、
外部から挿入した場合に必要となる厳密なシール構造を
とる必要がなくなり、組立工程が簡素化できる。
【0043】
【実施例7】図11は、電気燗付け器の外観を示す図で
あり、図12はその断面を示す図である。図中42は電
気燗付け器、43は面状発熱ヒータ、44は電極、45
は温度を制御するコントローラ、46は電極とコントロ
ーラを結ぶリード線、47は電源コード、48は電気燗
付け器のタンク内壁、49は電気燗付け器のタンク外
壁、50は温度センサ、51は酒である。
【0044】面状ヒータ46は、可撓性を有する薄葉状
のヒータであって、例えば、カーボン繊維を和紙状に抄
造したヒータのように、ごく薄くて形を自由に変形で
き、撓んだ際に繊維の伸び縮みによって、撓みを吸収で
きるものが望ましい。
【0045】温度センサ50によって、酒の温度を検知
し、酒の温度がコントローラ12に設定された温度より
も低ければ、コントローラ45に組み込まれた通電ON
/OFF回路がONし、電極44を通じて面状ヒータ4
3に通電する。通電により、面状ヒータ43が発熱する
と、その熱が酒51に伝導し、温度が上昇する。温度が
上昇するとその温度を温度センサ50が検知し、設定温
度に達した時点で、通電をOFFし、面状ヒータ43の
発熱を停止するので、酒の温度は設定温度で保たれる。
【0046】この構造であれば、従来の燗付け器に比べ
て、発熱部と酒との接触面積を大きくできるので、タン
ク内の酒を全体的に加熱することができ、ヒータの熱容
量を上げても沸騰しにくくなるため、ヒータを大容量化
できるので昇温速度を上げることができる。また、沸騰
することによる酒の味が落ちるのを防止することができ
る。
【0047】次に、製造方法について説明する。図13
は、熱交換装置の製造工程を示す図で、52はブロー成
形用樹脂供給ノズルであり、53はタンク内壁用樹脂で
あり溶融した樹脂の内側に空気が入った状態を示し、5
4はブロー成形用金型である。
【0048】まず、ブロー成形用金型54にあらかじめ
面状ヒータ43を貼り付ける。次に、燗付け器のタンク
内壁となる樹脂53をノズル52から中に空気を吹き込
まれて風船状になった状態で金型54内に供給し、さら
に空気を吹き込むことにより、図14に示すように金型
54内に樹脂を密着させる。
【0049】金型54に密着した樹脂は、金型54に放
熱することにより冷やされて固まる時に、あらがじめ金
型54に貼り付けられていた面状ヒータ43と一体的に
なる。この面状ヒータ43を可撓性を有する薄葉状のヒ
ータにすれば、ヒータ内に樹脂が浸透して、樹脂とヒー
タの密着性が非常に良くすることができる。
【0050】燗付け器のタンク外壁については、絶縁フ
ィルムで包皮する方法や二色成形によって樹脂でモール
ドする等の方法が可能である。
【0051】
【実施例8】図15は第8の実施例を示したものであ
る。55は防曇鏡、57は面状発熱ヒータ、59は被覆
層、61は保護膜、63は反射金属層、65はガラス層
である。面状発熱ヒータ57は炭素繊維と麻を混抄した
厚さが50μm程度の炭素繊維混抄紙であり、リード線
等で電源に接続されている電極が配設されている。ガラ
ス表面に反射金属層63として銀引き、銀膜の保護膜6
1としての銅引きを順に行い、そのうえにエポキシ樹脂
でプリプレグした面状発熱ヒータ57を置き圧着する。
面状発熱ヒータ57は、天然パルプとカーボングラファ
イトを混合して製造することもできる。
【0052】次に作用について説明する。面状発熱ヒー
タ57に通電されると、プリプレグされた面状発熱ヒー
タ57の熱が保護膜61、反射金属層63へと順に伝達
され、さらにガラス層65に伝達されその表面温度を上
昇させる。その温度が防曇鏡55の表面付近の高湿度な
空気の露点を上回ると、鏡表面に露結していた水が水蒸
気となり曇りが除去される。
【0053】本実施例によれば、厚さ50μmの非常に
薄い多孔質な面状発熱ヒータを用いている為、プリプレ
グすることで樹脂が孔に入り込み、被覆層59内に面状
発熱ヒータを一体化させることができる。
【0054】面状発熱ヒータを樹脂に含浸させたものが
硬化する前に、保護膜61のうえに積層して圧着するこ
とで、ガラス層65、反射金属層63、保護膜61、被
覆層59を一体にすることができる。
【0055】そのために面状発熱ヒータの発熱量を無駄
無く保護膜61へ伝達することができるうえ、従来のヒ
ータを用いたときのように通電開始直後に温度分布に斑
ができ、鏡の表面温度が一様になるのに時間がかかると
いうことはなく、通電開始直後から全面の温度が均一の
まま上昇する。
【0056】従来の防曇鏡のように鏡の裏側に別途ヒー
タを取り付ける場合、ヒータへの防水性や絶縁性を確保
する為に、防水層や絶縁層を積層する必要があり、ノー
マルな鏡に比べ厚みがかなり増したり、デザインに制限
が設けられたりしていた。
【0057】しかし、本発明によれば、面状発熱ヒータ
を被覆層に埋設した為、露出しておらず防水性が確保で
き、かつ絶縁性も確保されており、別途防水層や絶縁層
を設ける必要が無く、ノーマルな鏡とほぼ同じ厚みを維
持できる。このため、洗面化粧台のようなシステムに組
み込むこと無く、防曇鏡単体での使用が可能となった。
【0058】面状発熱ヒータは炭素繊維と麻を混抄した
状態で、鏡の形状に合わせて容易に切断加工でき、適切
な位置に電極を設けて、絶縁層と一体化できるため、多
様な形の防曇鏡を製造することができる。
【0059】また、鏡と言えば割れやすいものである
が、従来の鏡の場合割れるとバラバラに散ってしまうこ
とが多々あったが、本発明品の場合、ガラス層、反射金
属層、保護膜、和紙抄造された面状発熱ヒータが埋設さ
れている被覆層が一体となっている為、割れたときにも
混抄紙である面状発熱ヒータがつなぎとなってバラバラ
になりにくく、飛散防止効果が得られるうえ、割れた鏡
の破片を片づけるときにけがをするといった危険性を軽
減できる。
【0060】
【実施例9】図16は第9の実施例を示したものであ
る。56は防曇鏡、58は面状発熱ヒータ、60は被覆
層、62は保護膜、64は反射金属層、66はガラス層
である。面状発熱ヒータ58は炭素繊維と麻を混抄した
厚さが50μm程度の炭素繊維混抄紙であり、リード線
等で電源に接続されている電極が配設されている。ガラ
ス表面に反射金属層64として銀引き、銀膜の保護膜6
2としての銅引きを順に行い、エポキシ樹脂を塗布した
上に面状発熱ヒータ58を置き、さらにその上からエポ
キシ樹脂を塗布して圧着し被覆層60を形成する。
【0061】上記本実施例の製造方法によれば、鏡自体
の製造工程(ガラス66と反射金属層64と保護膜62
とを一体化する工程)において、面状発熱ヒータ58と
被覆層60とを一体化する加工も同時に行うことがで
き、第8実施例に比べ製造工程を簡略化することができ
る。
【0062】
【実施例10】図17は、第10の実施例を示す図であ
り、キッチンの人体と対向する側に熱源を設けた例であ
る。キャビネットの表面部は断面を示す。図18は、図
17のキャビネット表面部の断面図である。
【0063】まず、構成について説明する。キッチン6
7の人体と対向する側にヒータ68が埋設してあり、ヒ
ータ68は表面層69で絶縁されている。次に、動作に
ついて説明する。人がキャビネット扉70の前に来ると
図示しないセンサが人体を検知し、自動的にヒータ68
は加熱を始める。また、人がキャビネット扉の前からい
なくなると自動的にヒータ68はOFFされる。これに
より無駄な電力を節約することができる。
【0064】
【発明の効果】本発明においては、面状ヒータ内に空隙
をもうける事で赤外線放射率の高い面状ヒータを提供で
きる。その結果、熱効率が良く省エネな暖房装置、熱交
換装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施例を示す図である。
【図2】図1の拡大図である
【図3】坪量の異なる面状ヒータの分光放射量を示した
グラフである。
【図4】第二の実施例を示す斜視図である。
【図5】面状のヒータの断面図である。
【図6】第三の実施例を示す斜視図である。
【図7】暖房便座の断面図である。
【図8】(a) 第四の実施例を示した赤外線を放射す
る発熱装置を利用した暖房装置の構成を説明する略図で
ある。 (b) 図8(a)の断面図である。
【図9】(a) 第五の実施例として赤外線の放射方向
を自由に変えることのできる暖房装置の構成を説明する
略図である。 (b) 図9(a)の断面図である。
【図10】第六の実施例として温水洗浄便座の熱交換装
置を説明する略図である。
【図11】第七の実施例として電気燗付け器の構成を説
明する略図である。
【図12】図11の断面を示す略図である。
【図13】ブロー成形の初期工程を示す略図である。
【図14】ブロー成形の最終工程を示す略図である。
【図15】第八の実施例を示す図である。
【図16】第九の実施例を示す図である。
【図17】第十の実施例を示す図である。
【図18】第十の実施例の断面図である。
【符号の説明】
1,9,16、20,35,43,57,58、68…
面状ヒータ、2、4…炭素繊維混抄紙、3,14、2
4,44…電極、5…炭素繊維、6…基材、7…バイン
ダー、8、26…暖房装置、10、69…表面層、11
…断熱層、12…反射板、13…裏面層、15…便座、
17…樹脂、18…空隙19…発熱装置、21、22…
絶縁層、25、47…電源コード、26…暖房装置、2
7…フレーム、28…運転SW、29、45…コントロ
ーラ、30…自立脚、31…暖房装置、32…反射板、
33…フレーム34…熱交換装置、36…タンク内壁、
37…タンク外壁、38…給水ホース、39…給湯ホー
ス、40…温度センサ、41、45…コントローラ、4
2…電気燗付け器、46…リード線、47…電源コー
ド、48…タンク内壁、49…タンク外壁、50…温度
センサ、51…酒、52…ブロー成形用樹脂供給ノズ
ル、53…タンク内壁用樹脂、54…ブロー成形用金型 55,56…防曇鏡、59、60…被覆層、61、62
…保護膜、63,64…反射金属層、65,66…ガラ
ス層 67…キッチン、70…キャビネット扉
フロントページの続き (72)発明者 坪井 宏之 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 3K092 QB16 QB19 QB31 QB80 RF02 RF04 RF13 RF17 VV21 VV40

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維と天然パルプとを混抄する炭
    素繊維混抄紙からなる面状発熱体において、炭素繊維の
    周囲に空隙を形成したことを特徴とする面状ヒータ。
  2. 【請求項2】 炭素繊維と天然パルプとを混抄する炭
    素繊維混抄紙からなる面状発熱体において、炭素繊維の
    周囲に空隙を形成し、その空隙の占有率が80体積%以
    上であることを特徴とする面状ヒータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004023845A1 (en) * 2002-08-02 2004-03-18 Nanotech Co., Ltd. Seat-like heating units using carbon nanotubes
US7468579B2 (en) 2003-08-21 2008-12-23 Dialight Japan Co., Ltd. Lighting device with anode including carbon fiber mixed paper

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WO2004023845A1 (en) * 2002-08-02 2004-03-18 Nanotech Co., Ltd. Seat-like heating units using carbon nanotubes
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