JP2000213272A - 電気破砕方法 - Google Patents

電気破砕方法

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JP2000213272A
JP2000213272A JP11012023A JP1202399A JP2000213272A JP 2000213272 A JP2000213272 A JP 2000213272A JP 11012023 A JP11012023 A JP 11012023A JP 1202399 A JP1202399 A JP 1202399A JP 2000213272 A JP2000213272 A JP 2000213272A
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electrode
electrodes
crushed
hole
discharge
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JP11012023A
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Izumi Nishizawa
泉 西澤
Shusuke Akiyama
秀典 秋山
Hikosaburo Hiraki
彦三郎 平木
Koichiro Ito
光一郎 伊藤
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】破砕対象物を無発破工法によって掘削する場合
に、この破砕対象物上に必要十分な幅を持つスリットを
効率良く形成することができる電気破砕方法を提供する
こと。 【解決手段】孔16の底部に電極先端部13a及び14
aが接触する位置まで電極13及び14を挿入して該電
極13と14の間に電圧パルスを印加し、電極先端部1
3aと電極先端部14aとの間の破砕対象物の部分に放
電によりクラックを形成した後に、この電極13及び1
4を上方に引き上げながら電圧パルスを電極13と14
の間に印加して新たな放電によりクラックを形成する処
理を繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、破砕対象物に開孔
され所定の絶縁流体で満たした複数の孔に一対の電極を
挿入し、該挿入した電極に高電圧パルスを印加して破砕
対象物を破砕する電気破砕方法に関し、特に、破砕対象
物を無発破工法によって掘削する場合に、この破砕対象
物上に必要十分な幅を持つスリットを効率良く形成する
電気破砕方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ブレーカ、ロードヘッダ、静的膨
張剤などの無発破工法によって岩盤などの破砕対象物を
掘削する場合には、岩盤にあらかじめクラックやスリッ
トを入れることにより、掘削を容易にして掘削効率の向
上を図ることが多い。
【0003】特に、破砕対象物が非常に強固である場合
には、かかるクラックやスリットを設けなければ掘削そ
のものを実行することができなくなる。
【0004】このため、破砕対象物にスリットやクラッ
クを入れるために、削岩機のビットを多連にしたスリッ
ト削孔機械などが広く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
スリット削孔機械を用いた場合には、破砕対象物に必要
以上の幅を持つスリットを形成してしまうために、作業
効率が低下するという問題がある。また、必要以上のス
リットを形成したのでは、必要十分な幅のスリットを形
成する場合に比べて作業速度が遅延することとなる。さ
らに機械的なスリット削孔方法では、対象岩盤が強固な
場合にはビットなどの摩耗も問題となる。
【0006】具体的には、本来岩盤などの破砕対象物に
設けるクラックやスリット(以下、「スリット」と総称
する。)は、後の掘削の際に自由面となれば良いので、
スリットの幅(厚み)は非常に狭いもので足りるわけで
あるが、上記スリット削孔機械はさく岩機のビットを多
連にしたものであるので、ビット径と同等(数センチメ
ートル)の幅を持つスリットしか形成できないのであ
る。
【0007】このため、破砕対象物を無発破工法によっ
て掘削する場合に、この破砕対象物上に必要十分な幅を
持つスリットをいかに効率良く形成するかが極めて重要
な課題となっている。
【0008】なお、特開平10−61371号公報に
は、破砕対象物に設けた予備孔に電極を挿入し、この電
極の周囲を溶液で満たし、この電極に高電圧パルスを印
加し、この電極での放電電流により破砕対象物を電気破
砕するパルス電気エネルギー放電による物質の破砕方法
(電気破砕方法)が開示されているが、かかる電気破砕
方法は、破砕対象物にスリットを形成するものではな
く、あくまでも破砕対象物表面などを幅広く破砕するも
のである。
【0009】そこで、本発明では、上記課題を解決し
て、破砕対象物を無発破工法によって掘削する場合に、
この破砕対象物上に必要十分な幅を持つスリットを効率
良く形成することができる電気破砕方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上記目的を
達成するため、請求項1に係わる発明は、破砕対象物に
設けられ所定の絶縁流体で満たした複数の孔に一対の電
極を挿入し、該挿入した電極に高電圧パルスを印加して
前記破砕対象物を破砕する電気破砕方法において、前記
複数の孔に挿入した一対の電極に高電圧パルスを印加し
て前記破砕対象物内に放電によりクラックを形成する放
電クラック形成工程と、前記放電クラック形成工程によ
る放電クラック形成後に前記複数の孔に挿入した一対の
電極の深さを変位させる変位工程とを複数回繰り返して
前記破砕対象物にスリットを形成することを特徴とす
る。
【0011】この請求項1の発明によれば、複数の孔に
挿入した一対の電極に高電圧パルスを印加して破砕対象
物内に放電によりクラックを形成し、放電クラック形成
後に複数の孔に挿入した一対の電極の深さを変位させて
再び放電によりクラックを形成する処理を複数回繰り返
して破砕対象物にスリットを形成するよう構成したの
で、下記に示す効果が得られる。 1)破砕対象物上に必要十分な幅を持つスリットを効率
良く形成することができる。 2)必要以上の幅を持つスリットを形成することなく、
作業速度の向上を図ることができる。
【0012】3)ビットなどの摩耗部分がないため、そ
の交換の時間や費用が節約できる。 また、請求項2に係わる発明は、破砕対象物に設けられ
所定の絶縁流体で満たした複数の孔に一対の電極を挿入
し、該挿入した電極に高電圧パルスを印加して前記破砕
対象物を破砕する電気破砕方法において、第1の孔に電
極先端部を長く露出した第1の電極を配設し、第2の孔
に電極先端部の短い第2の電極を配設する電極配設工程
と、前記電極配設工程で配設した第1の電極及び第2の
電極間に高電圧パルスを印加して前記破砕対象物内に放
電によりクラックを形成する放電クラック形成工程と、
前記放電クラック形成工程による放電クラック形成後に
前記第2の孔に配設した第2の電極の深さを変位させる
変位工程とを複数回繰り返して前記破砕対象物を破砕す
ることを特徴とする。
【0013】この請求項2に係わる発明によれば、第1
の孔に電極先端部を長く露出した第1の電極を配設する
とともに、第2の孔に電極先端部の短い第2の電極を配
設し、第1の電極及び第2の電極間に高電圧パルスを印
加して破砕対象物内に放電によりクラックを形成し、こ
の放電クラック形成後に第2の孔に挿入した第2の電極
の深さを変位させて再び放電によりクラックを形成する
処理を複数回繰り返して破砕対象物にスリットを形成す
るよう構成したので、一方の電極のみを移動するだけ
で、破砕対象物上に必要十分な幅を持つスリットを効率
良く形成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では、
オイルを絶縁流体として用いる場合を示すこととする。
【0015】図1は、第1の実施の形態で用いる電気破
砕装置の構成を示す図である。図1に示す電気破砕装置
は、ブレーカ、ロードヘッダ、静的膨張剤などの無発破
工法によって破砕対象物17を掘削しやすくするための
スリットを、孔16aに挿入した電極13の電極先端部
13aと孔16bに挿入した電極14の電極先端部14
aとの間に形成する装置である。
【0016】具体的には、この電気破砕装置は、破砕対
象物17に設けた孔16a及び16bの底部に電極先端
部13a及び14aが接触する位置まで一対の電極13
及び14を挿入し、孔16a及び16b(以下「孔1
6」と総称する。)内にオイルタンク12のオイルを注
入する。
【0017】この状態で、電極13と14の間に電圧パ
ルス発生部11で発生した電圧パルスを印加して、電極
先端部13aと電極先端部14aとの間の破砕対象物の
部分に放電を生ぜしめ、その周囲にクラックを形成す
る。
【0018】次に、電極位置制御部18が電極13及び
14を所定長だけ上方に引き上げたならば、再度電圧パ
ルス発生部11が高電圧パルスを電極13と14の間に
印加して、電極先端部13aと電極先端部14aとの間
に放電によりクラックを形成する。
【0019】同様にして電極13及び14を孔16内か
ら順次引き上げながら、電極13と14の間に高電圧パ
ルスを印加して、最終的に孔16aと孔16bとの間に
無発破工法によって破砕対象物17を掘削しやすくする
ためのスリットを形成する。
【0020】このように、この電気破砕装置では、電極
位置制御部18の制御の下で電極13及び14を孔16
内から引き上げつつ放電によりクラックを形成するの
で、必要以上に幅の大きなスリットを形成することな
く、無発破工法による掘削に必要十分な幅のスリットを
効率よく形成することができる。
【0021】次に、この電気破砕装置の構成について説
明する。図1に示すように、この電気破砕装置は、電圧
パルス発生部11と、オイルタンク12と、一対の電極
13及び14と、電極位置制御部18と、これらの各部
を制御する図示しない制御部とを有する。なお、説明の
便宜上図示省略するが、破砕対象物17に孔16を形成
するための開孔手段も必要となる。
【0022】電圧パルス発生部11は、電極13及び1
4を挿入した孔16a及び16b間の破砕対象物17の
部分を絶縁破壊し放電によってクラックを形成するのに
必要十分な電圧とエネルギーを有する電圧パルスを発生
するジェネレータである。
【0023】なお、必要十分な電圧を発生できないと、
破砕対象物17を絶縁破壊することができず、また必要
以上に高いエネルギーを投入すると、スリットを形成す
るだけでなく破砕対象物17の余分な部分まで破砕して
しまい効率的ではないので、この電圧パルス発生部11
が発生する電圧パルスの電圧とエネルギーには注意を要
する。
【0024】オイルタンク12は、電極13及び14を
挿入した孔16内に供給する絶縁流体たるオイルを保持
するためのタンクである。
【0025】一対の電極13及び14は、それぞれ先端
に電極先端部13a及び14aを有する電極であり、例
えば電線を非導電性材料で被覆したケーブルなどにより
形成される。
【0026】電極位置制御部18は、孔16aに挿入し
た電極13の電極先端部13aと孔16bに挿入した電
極14の電極先端部14aとの間で放電によるクラック
が形成される都度、電極13及び14を所定量だけ上方
に引き上げる制御を行う制御部である。
【0027】次に、この電気破砕装置によるスリット形
成工程の一例について具体的に説明する。図2は、図1
に示す電気破砕装置によるスリット形成工程の一例を示
す図である。
【0028】同図(a)に示すように、まず最初に電極
13の電極先端部13a及び電極14の電極先端部14
aがそれぞれ孔16a及び16bの底部に接触する位置
まで電極13及び14を挿入した状態で、電圧パルス発
生部11が発生した電圧パルスを電極13と14の間に
印加する。すると、電極13の電極先端部13aと電極
14の電極先端部14aとの間に図示したように放電経
路21が形成され、その周囲にクラック21aが形成さ
れる。
【0029】その後、同図(b)に示すように、電極位
置制御部18の制御下に電極13及び14を孔16の上
方に引き上げ、電圧パルス発生部11が発生した電圧パ
ルスを電極13と14の間に印加すると、電極13の電
極先端部13aと電極14の電極先端部14aとの間に
図示したように新たな放電経路22と新たなクラック2
2aが形成される。
【0030】また、同図(c)に示すように、電極位置
制御部18の制御下に電極13及び14を孔16の上方
にさらに引き上げ、電圧パルス発生部11が発生した電
圧パルスを電極13と14の間に印加すると、電極13
の電極先端部13aと電極14の電極先端部14aとの
間に図示したように新たな放電経路23と新たなクラッ
ク23aが形成される。
【0031】さらに、同図(d)に示すように、電極位
置制御部18の制御下に電極13及び14を孔16の上
方に引き上げ、電圧パルス発生部11が発生した電圧パ
ルスを電極13と14の間に印加すると、電極13の電
極先端部13aと電極14の電極先端部14aとの間に
図示したように新たな放電経路24と新たなクラック2
4aが形成される。
【0032】このようにして、電極13及び14を順次
孔16の上方に引き上げながら放電経路21〜24なら
びに新たなクラック21a〜24aを形成することによ
り、孔16aと孔16bとで挟まれた破砕対象物17の
部分にスリットを形成することができる。
【0033】なお、必ずしも各クラック21a〜24a
が連続的につながって一つのスリット面を形成している
必要はなく、クラック同士の間には多少間があいていて
もよい。この場合にはスリット面が完全に一体には形成
されないことになるが、そのような状態でも破砕対象物
がその後の無発破工法によって掘削可能な程度までゆる
められてさえいれば、必要な目的は達成されるので問題
はない。
【0034】ここでは放電によるクラック形成と電極1
3及び14の上方への引き上げとを交互に行う例を説明
したが、電極が停止した状態で放電を行う必要は必ずし
もなく、ある速度で電極を引き上げつつ放電を繰り返し
行うようにすることもできる。
【0035】図3は、図2に示すスリット形成工程によ
り孔16a及び16b間に形成されたスリット面を上方
から見た図である。同図(a)に示すように、このスリ
ット面は必ずしも直線的には形成されないが、無発破工
法による掘削に必要十分な幅のスリットを形成すること
ができる。
【0036】なお、同図(b)に示すように、かかるス
リット面は、孔間のみに限られるわけではなく、放電エ
ネルギーの大きさによっては、2本の孔を含む面内で孔
の外側部分にも形成される。
【0037】上述してきたように、第1の実施の形態で
は、孔16の底部に電極先端部13a及び14aが接触
する位置まで電極13及び14を挿入して該電極13と
14の間に電圧パルスを印加し、電極先端部13aと電
極先端部14aとの間の破砕対象物の部分に放電により
クラックを形成した後に、この電極13及び14を上方
に引き上げながら電圧パルスを電極13と14の間に印
加して新たな放電によりクラックを形成する処理を繰り
返すよう構成したので、下記に示す効果が得られる。
【0038】1)破砕対象物17上に必要十分な幅を持
つスリットを効率良く形成することができる。 2)必要以上の幅を持つスリットを形成することなく、
作業速度の向上を図ることができる。
【0039】3)ビットなどの摩耗部分がないため、そ
の交換の時間や費用が節約できる。 なお、ここでは垂直方向に開孔する場合を示したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、図4(a)に示
すように水平方向に開孔した場合に適用することも可能
である。ただし、この場合には、孔の入口をパッキン4
1でシールし、絶縁流体たるオイルが漏れないようにす
る必要がある。
【0040】また、ここでは孔16内にのみ絶縁流体た
るオイルを注入した場合を示したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、図4(b)に示すように孔の上
部にまでオイルを注入する場合に適用することもでき
る。ただし、この場合には、オイルカバーで電極13及
び14を含む破砕対象物17表面を覆う必要がある。
【0041】さらに、ここでは孔16a及び16bの両
方に絶縁流体たるオイルを注入した場合を示したが、一
方の孔のみにオイルを注入した場合に本発明を適用する
こともできる。具体的には、図5(a)〜(d)に示す
ように、図2に示す手順と同様の手順でスリットを形成
することができる。この場合には、絶縁流体を入れない
方の電極を接地電極とし、高電圧は絶縁流体を入れた方
の電極に加えるようにするのが良い。
【0042】なお、絶縁流体を一方の孔だけにしか入れ
ないと、両方に入れる場合に比べて絶縁能力が低くな
る。このため図5(d)に示すように孔口近くで放電す
る場合には、絶縁不足により放電が破砕対象物中で起こ
らずに、絶縁流体を通って孔口へ抜けて外部の空気を経
由して放電してしまう可能性がある。
【0043】このため、絶縁流体を一方の孔だけにしか
入れない場合には、両方の孔に絶縁流体を入れる場合よ
りも、孔口付近のスリット形成がやや困難になるという
マイナス面があるが、絶縁が確保できるようなある深さ
以上においては、片孔のみでも両方に入れる場合と同様
に問題なくスリットを形成することができる。
【0044】以上、第1の実施の形態について説明し
た。
【0045】ところで、上記第1の実施の形態では、電
極13の電極先端部13aと電極14の電極先端部14
aとを同程度の露出度とした場合を示したが、一方の電
極先端部のみを長く露出することもできる。
【0046】このため、以下では一方の電極先端部を長
く露出する第2の実施の形態について説明する。なお、
この場合の電気破砕装置の全体構成は図1に示すものと
同様のものになるので、ここでは電気破砕工程を中心に
説明する。
【0047】図6は、第2の実施の形態で用いる電気破
砕装置によるスリット形成工程を示す図である。同図に
示すように、この電気破砕装置では、孔16aに挿入す
る電極61については図1に示す電極13と同程度に露
出した電極先端部61aを有するが、孔16bに挿入す
る電極62については電極先端部62aが著しく長く露
出している。
【0048】そして、かかる電極61及び62を用いる
場合には、電極位置制御部18は、電極61のみを順次
上方に引き上げ、電極62については電極先端部62a
を孔16bの底部に接触する状態で維持する。
【0049】具体的には、同図(a)に示すように、ま
ず最初に電極61の電極先端部61a及び電極62の電
極先端部62aがそれぞれ孔16a及び16bの底部に
接触する位置まで電極61及び62を挿入した状態で、
電圧パルス発生部11が発生した電圧パルスを電極61
と62の間に印加する。
【0050】これにより、電極61の電極先端部61a
と電極62の電極先端部62aとの間に図示したように
放電経路63が形成され、その周囲にクラックが形成さ
れる。ここで、かかる放電経路63が図示したように水
平に形成され、斜めに形成されない理由は、図示した放
電経路の経路長が最も短いためである。
【0051】その後、同図(b)に示すように、電極位
置制御部18の制御下に電極61を孔16aの上方に引
き上げ、電圧パルス発生部11が発生した電圧パルスを
電極61と62の間に印加すると、電極61の電極先端
部61aと電極62の電極先端部62aとの間には図示
したように水平な新たな放電経路64と新たなクラック
が形成される。この場合にも、水平方向が最も経路長が
短いので、図示したように水平に放電経路64が形成さ
れ、斜め方向には形成されない。
【0052】また、同図(c)に示すように、電極位置
制御部18の制御下に電極61を孔16aの上方にさら
に引き上げ、電圧パルス発生部11が発生した電圧パル
スを電極61と62の間に印加すると、電極61の電極
先端部61aと電極62の電極先端部62aとの間に図
示したように水平の新たな放電経路65と新たなクラッ
クが形成される。
【0053】さらに、同図(d)に示すように、電極位
置制御部18の制御下に電極61を孔16aの上方に引
き上げ、電圧パルス発生部11が発生した電圧パルスを
電極61と62の間に印加すると、電極61の電極先端
部61aと電極62の電極先端部62aとの間に図示し
たように水平の新たな放電経路66と新たなクラックが
形成される。
【0054】このようにして、電極61を順次孔16a
の上方に引き上げながら放電経路63〜66ならびに新
たなクラックを順次形成することにより、孔16aと孔
16bとで挟まれた破砕対象物17の部分にスリットを
形成することができる。
【0055】このように、本実施の形態で用いる電気破
砕装置によるスリット形成工程は、基本的には図2に示
すものと同様であるが、一方の電極の電極先端部を長く
するとともに、電極先端部の短い電極のみを移動する点
で異なる。
【0056】なお、ここでは移動する側の電極61に電
圧パルス発生部11からの高電圧パルスの高電圧側を印
加することとしたが、固定側の電極62に高電圧側を印
加するよう構成することもできる。
【0057】移動側の電極61に高電圧側を印加する場
合には、移動機構部分への放電を防止する処理及び安全
対策を講じなければならないが、固定側の電極62に高
電圧側を印加する場合には、かかる対策が不要となる。
【0058】次に、本実施の形態で用いる電気破砕装置
において、一方の孔のみに絶縁流体たるオイルを注入す
る場合について説明する。図7は、第2の実施の形態で
用いる電気破砕装置において一方の孔のみに絶縁流体を
注入した場合のスリット形成手順を示す図である。な
お、ここでは電極61を孔16bに、また電極62を孔
16aにそれぞれ挿入し、孔16aのみにオイルを注入
する場合を示している。
【0059】この場合には、移動する電極61側の孔1
6bに絶縁流体たるオイルが注入されていないため、該
絶縁流体の補充の観点から見た利点がある。
【0060】すなわち、図7(b)〜(d)に示すよう
に電極61を順次上方に引き上げた場合には、本来は孔
16b中内の電極61の体積の変化分だけこの孔16b
に絶縁流体を補充する必要があるが、ここでは移動する
電極61側の孔16bに絶縁流体たるオイルを注入しな
いため、該絶縁流体の補充の観点から見て有利であり、
また図4(a)に示したように、横向きに孔を設ける場
合には摺動シールが不要になるという利点がある。
【0061】上述してきたように、第2の実施の形態で
は、一方の孔16bに挿入する電極62の電極先端部6
2aを著しく長く露出し、電極位置制御部18が、電極
61のみを順次上方に引き上げ、電極62については電
極先端部62aを孔の底部に接触する状態で維持するよ
う構成したので、電極位置制御部18の制御下での電極
位置の制御機構を簡略化することができる。
【0062】また、移動しない電極62側の孔にのみ絶
縁流体たるオイルを注入するよう構成したので、電極6
1の引き上げに伴う孔16b内へ絶縁流体たるオイルを
補充する必要をなくすことができる。
【0063】ところで、上記第1及び第2の実施の形態
では、図8(a)に示す形状の電極を用いた場合を示し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、図8
(b)〜(d)に示す形状の電極先端部を有する電極を
用いることもできる。
【0064】すなわち、同図(a)に示す形状の場合に
は、電極の導体部分は孔壁に接していないので、電極が
孔底にある場合を除いては、放電は絶縁流体中を通った
後に破砕対象物に伝わる。そもそも絶縁流体は、その名
のとおり放電しにくい性質を有するため、この絶縁流体
を経由することは望ましくない。
【0065】このため、同図(b)に示す形状の電極を
用いると、電極先端部が湾曲して孔壁に接触しているの
で、電極が孔の途中の位置にあっても放電は絶縁流体中
を経由することなく破砕対象物に直接伝わる。この電極
を用いる場合には他方の孔にも同様の形状の電極を設
け、互いの電極向けに電極先端部を湾曲させることにな
る。
【0066】なお、同図(c)に示すように電極先端部
を一文字にしたり、同図(d)に示すように電極先端部
を十文字にすることもでき、さらに、同図(e)に示す
ように、電極先端部にバネなどの弾性体を設け、孔壁と
の密着度を高めることもできる。
【0067】また、上記第1及び第2の実施の形態で
は、電極位置制御部18の制御の下に電極を移動する場
合を示したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、スイッチ切り換えにより電極位置を変位する場合に
適用することもできる。
【0068】図9は、スイッチ切り換えにより電極位置
を変位させる一例を示す図である。なお、ここでは説明
の便宜上、絶縁流体たるオイルを図示省略するととも
に、電極の図示を簡略化している。
【0069】同図に示すように、電圧パルス発生部11
が発生した高電圧パルスを電極先端部90〜93に印加
した場合には、各電極先端部90〜93からストリーマ
の伸延が開始されるが、例えば切換スイッチSWが電極
先端部94側に切り換えられている場合には、経路長が
最も短い放電経路95が形成される。
【0070】また、切換スイッチSWが電極先端部96
側に切り換えられた場合には、経路長が最も短い放電経
路97が形成される。同様にして、かかる切換スイッチ
SWを順次切り換えることにより、電極位置を変位させ
ることもできる。
【0071】なお、本実施の形態では、オイルを絶縁流
体として用いた場合を示したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、水等の他の絶縁流体と用いた場合に
適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態で用いる電気破砕装置の構成
を示す図である。
【図2】図1に示す電気破砕装置によるスリット形成工
程の一例を示す図である。
【図3】図2に示すスリット形成工程により孔間に形成
されたスリット面を上方から見た図である。
【図4】孔を水平方向に開孔した場合を示す図及び孔の
上部までオイルを注入した場合を示した図である。
【図5】一方の孔のみに絶縁流体たるオイルを注入した
場合におけるスリット形成工程の一例を示す図である。
【図6】第2の実施の形態で用いる電気破砕装置による
スリット形成工程を示す図である。
【図7】第2の実施の形態で用いる電気破砕装置におい
て一方の孔のみに絶縁流体を注入した場合のスリット形
成手順を示す図である。
【図8】電極先端部の構成の一例を示す図である。
【図9】スイッチ切り換えにより電極位置を変位させる
一例を示す図である。
【符号の説明】
11…電圧パルス発生部 12…オイルタンク 13,14…電極 13a,14a…電極先端部 15…オイル 16,16a,16b…孔 17…破砕対象物 18…電極位置制御部 21,22,23,24…放電経路 41…パッキン 61,62…電極 61a,62a…電極先端部 63,64,65,66…放電経路 90,91,92,93,94,96…電極先端部 95,97…放電経路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 光一郎 東京都渋谷区東4−11−4 Fターム(参考) 2D065 EA26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 破砕対象物に設けられ所定の絶縁流体で
    満たした複数の孔に一対の電極を挿入し、該挿入した電
    極に高電圧パルスを印加して前記破砕対象物を破砕する
    電気破砕方法において、 前記複数の孔に挿入した一対の電極に高電圧パルスを印
    加して前記破砕対象物内に放電によりクラックを形成す
    る放電クラック形成工程と、 前記放電クラック形成工程によるクラック形成後に前記
    複数の孔に挿入した一対の電極の深さを変位させる変位
    工程とを複数回繰り返して前記破砕対象物にスリットを
    形成することを特徴とする電気破砕方法。
  2. 【請求項2】 破砕対象物に設けられ所定の絶縁流体で
    満たした複数の孔に一対の電極を挿入し、該挿入した電
    極に高電圧パルスを印加して前記破砕対象物を破砕する
    電気破砕方法において、 第1の孔に電極先端部を長く露出した第1の電極を配設
    し、第2の孔に電極先端部の短い第2の電極を配設する
    電極配設工程と、 前記電極配設工程で配設した第1の電極及び第2の電極
    間に高電圧パルスを印加して前記破砕対象物内に放電に
    よりクラックを形成する放電クラック形成工程と、 前記放電クラック形成工程による放電クラック形成後に
    前記第2の孔に配設した第2の電極の深さを変位させる
    変位工程とを複数回繰り返して前記破砕対象物にスリッ
    トを形成することを特徴とする電気破砕方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112177626A (zh) * 2020-08-25 2021-01-05 中国矿业大学 一种电极定向冲击作业巷道掘进方法

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