JP2000213273A - 電気破砕方法及び電気破砕用電極 - Google Patents

電気破砕方法及び電気破砕用電極

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JP2000213273A
JP2000213273A JP11012042A JP1204299A JP2000213273A JP 2000213273 A JP2000213273 A JP 2000213273A JP 11012042 A JP11012042 A JP 11012042A JP 1204299 A JP1204299 A JP 1204299A JP 2000213273 A JP2000213273 A JP 2000213273A
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electrode
electrodes
crushing
crushed
pair
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JP11012042A
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Izumi Nishizawa
泉 西澤
Shusuke Akiyama
秀典 秋山
Hikosaburo Hiraki
彦三郎 平木
Koichiro Ito
光一郎 伊藤
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B02CRUSHING, PULVERISING, OR DISINTEGRATING; PREPARATORY TREATMENT OF GRAIN FOR MILLING
    • B02CCRUSHING, PULVERISING, OR DISINTEGRATING IN GENERAL; MILLING GRAIN
    • B02C19/00Other disintegrating devices or methods
    • B02C19/18Use of auxiliary physical effects, e.g. ultrasonics, irradiation, for disintegrating
    • B02C2019/183Crushing by discharge of high electrical energy

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  • Drilling And Exploitation, And Mining Machines And Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】破砕対象物を電気破砕する際に、流体容器の製
造、運搬、設置に係わる人的労力を軽減し、効率良く破
砕対象物を電気破砕することができる電気破砕方法及び
電気破砕用電極を提供すること。 【解決手段】まず最初に一対の電極13を所定の距離だ
け離隔して破砕対象物17に当接し、一方の電極13a
の周辺を保水カバー16で覆った後に、オイルタンク1
2に保持したオイルを注入する。他方の電極13bは、
保水カバー16の外部に配設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、破砕対象物に当接
した一対の電極の周囲に絶縁流体を供給し、該一対の電
極への高電圧パルスの印加に伴う電極間放電により前記
破砕対象物を破砕する電気破砕方法及び電気破砕用電極
に関し、特に、破砕対象物を電気破砕する際に、流体容
器の製造、運搬、設置に係わる人的労力を軽減し、効率
良く破砕対象物を電気破砕する電気破砕方法及び電気破
砕用電極に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トンネルの掘削、解体、砕石及び
産業廃棄物の処理を行う際に、岩やコンクリート等の絶
縁性のある固体を電気エネルギーの放電により破砕する
電気破砕技術が知られている。
【0003】例えば、特開平9−119283号公報に
は、固体絶縁体の表面上に電極を配置し、該固体絶縁体
よりも絶縁度の高い液体(絶縁流体)で電極部分の周囲
を覆った後に、パルス電圧をかけて放電して固体絶縁体
を破壊するよう構成した固体絶縁体の破壊方法が開示さ
れている。
【0004】すなわち、かかる電気破砕技術では、電極
部分が大気中に露出していたのでは、電極に印加した電
圧が大気中で放電し、破砕対象物内での放電を引き起こ
すことができないため、この電極先端部を絶縁流体中に
水没させている。
【0005】例えば、図7(a)に示すように、比較的
小さな岩石などを電気破砕する場合には、オイルや水な
どの絶縁流体で満たしたオイルタンク内に岩石を投入し
た後、この岩石に当接した電極先端部に高電圧パルスを
印加する。
【0006】また、同図(b)に示すように、地表面な
どを電気破砕する場合には、この地表面に当接した電極
先端部の周囲を保水カバーで覆い、この保水カバーにオ
イルや水などの絶縁流体を注入した後に、電極先端部に
高電圧パルスを印加する。
【0007】さらに、同図(c)に示すように、地表面
に溝などを形成する場合には、該地表面に開孔した孔に
一方の電極先端部を挿入するとともに、孔口近傍の地表
面に他方の電極先端部を当接し、これらの周囲を保水カ
バーで覆ってオイルや水などの絶縁流体を注入した後
に、電極先端部に高電圧パルスを印加する。
【0008】このように、従来の電気破砕技術では、破
砕対象物に当接する一対の電極の先端部がともに絶縁流
体に水没するようにした後に、該一対の電極に高電圧パ
ルスを印加していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の電気破砕技術を用いる場合には、一対の電極の両
電極先端をともに絶縁流体中に水没させねばならないた
めに、大きな流体容器が必要となる。
【0010】例えば、図7(a)に示す場合には、岩石
全体が絶縁流体に完全に浸るだけの大きさの容器が必要
となり、また同図(b)に示す場合には、2本の電極を
中に収容できる大きさの流体容器又は各電極それぞれを
個別に収容できる2つの流体容器が必要となる。さら
に、同図(c)に示す場合には、孔口付近の地表面に当
接する電極を絶縁流体で覆うための流体容器が必要にな
る。
【0011】このため、これらの流体容器の製造、破砕
作業場所までの流体容器の運搬、流体容器の設置及びシ
ール作業などのような流体容器に係わる作業労力が大き
な問題となっていた。
【0012】これらのことから、破砕対象物を電気破砕
する際に、流体容器の製造、運搬、設置に係わる人的労
力をいかに軽減するかが電気破砕技術の分野で極めて重
要な課題となっていた。
【0013】そこで、本発明では、上記課題を解決し
て、破砕対象物を電気破砕する際に、流体容器の製造、
運搬、設置に係わる人的労力を軽減し、効率良く破砕対
象物を電気破砕することができる電気破砕方法及び電気
破砕用電極を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上記目的を
達成するため、請求項1に係わる発明は、破砕対象物に
当接した一対の電極の周囲に絶縁流体を供給し、該一対
の電極への高電圧パルスの印加に伴う電極間放電により
前記破砕対象物を破砕する電気破砕方法において、前記
一対の電極の一方にのみ前記絶縁流体を供給する流体供
給工程と、前記流体供給工程によって絶縁流体を供給さ
れた前記一対の電極の一方と、該絶縁流体を供給されな
い該一対の電極の他方とに前記高電圧パルスを印加する
パルス印加工程とを含むことを特徴とする。
【0015】この請求項1に係わる電気破砕方法では、
一対の電極の一方にのみ絶縁流体を供給し、絶縁流体を
供給された一対の電極の一方と、該絶縁流体を供給され
ない該一対の電極の他方とに高電圧パルスを印加するよ
う構成したので、一対の電極の一方のみに絶縁流体を供
給して破砕対象物を効率良く破砕し、もって流体容器の
製造、運搬、設置に係わる人的労力を軽減するととも
に、絶縁流体の使用量を低減することができる。
【0016】また、請求項2に係わる発明は、前記流体
供給工程は、前記破砕対象物に少なくとも一つの孔を開
孔する開孔工程と、前記開孔工程で開孔した孔内に前記
絶縁流体を注入する注入工程と、前記開孔工程で開孔さ
れ前記注入工程で前記絶縁流体を注入された孔内に前記
一対の電極の一方を配設する配設工程とを含むことを特
徴とする。
【0017】この請求項2に係わる電気破砕方法では、
破砕対象物に少なくとも一つの孔を開孔し、開孔した孔
内に絶縁流体を注入し、絶縁流体を注入された孔内に一
対の電極の一方を配設するよう構成したので、流体容器
自体を不要にし、電気破砕に必要な絶縁流体の量を低減
することができる。
【0018】また、請求項3に係わる発明は、破砕対象
物に開孔された孔に一対の電極を挿入し、絶縁流体下で
の前記一対の電極への高電圧パルスの印加と該一対の電
極の電極位置の移動によって前記破砕対象物に溝を形成
する電気破砕方法において、前記破砕対象物に開孔され
た孔に前記絶縁流体を供給する流体供給工程と、前記流
体供給工程において絶縁流体が供給された孔内に前記一
対の電極の一方を配設するとともに、該孔の孔口付近に
前記一対の電極の他方を配設する電極配設工程と、前記
一対の電極への高電圧パルスの印加により、該一対の電
極間に所在する破砕対象物を破砕する破壊工程と、前記
破壊工程による破砕後に前記電極配設工程で配設された
一対の電極の電極位置を移動する電極移動工程とを含
み、前記破壊工程と電極移動工程とを繰り返して前記破
砕対象物に所望の溝を形成することを特徴とする。
【0019】この請求項3に記載の電気破砕方法では、
破砕対象物に開孔された孔に絶縁流体を供給し、絶縁流
体が供給された孔内に一対の電極の一方を配設するとと
もに、該孔の孔口付近に他方を配設する。そして、一対
の電極への高電圧パルスの印加により電極間に所在する
破砕対象物を破砕し、一対の電極の電極位置を移動する
工程とを繰り返して破砕対象物に所望の溝を形成するよ
う構成したので、破砕対象物上に効率良く所望の溝を形
成することができる。
【0020】また、請求項4に係わる発明は、破砕対象
物に開孔され絶縁流体で満たした孔に挿入され、所定の
高電圧パルスを供給される電気破砕用電極において、前
記孔内に挿入される電極本体と、前記高電圧パルスの供
給に伴って電極間放電を行う電極先端とを所定の弾性体
を介して結合したことを特徴とする。
【0021】この請求項4に係わる電気破砕用電極は、
孔内に挿入される電極本体と、高電圧パルスの供給に伴
って電極間放電を行う電極先端とを所定の弾性体を介し
て結合するよう構成したので、この電気破砕用電極を用
いることによって孔壁との接触を確実なものとしてより
効率良く電気破砕を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では、
オイルを絶縁流体として用いる場合を示すこととする。
【0023】(第1の実施の形態)図1は、第1の実施
の形態で用いる電気破砕装置の構成を示す図である。図
1に示す電気破砕装置は、従来の電気破砕装置のよう
に、一対の電極13a及び13b(以下「電極13」と
総称する。)をともに保水カバー16内部に配設して電
気破砕するのではなく、一方の電極13aのみを保水カ
バー16内部に配設し、他方の電極13bを保水カバー
16の外部に配設し、電極13aの周囲のみを絶縁流体
たるオイルで満たすよう構成したものである。
【0024】従来、絶縁流体を利用して破砕対象物を電
気破砕する場合には、一対の電極13をともに絶縁流体
環境下においていたが、これでは流体容器となる保水カ
バー16が大型化し、該保水カバー16の製造面、運搬
面及び設置面からみて効率的ではない。
【0025】このため、本実施の形態に係わる電気破砕
装置では、一方の電極13aの周囲のみを絶縁流体たる
オイル15で満たすことにより、保水カバー16の小型
化及び絶縁流体たるオイル15の使用量の低減を図って
いる。
【0026】同図に示すように、この電気破砕装置は、
立ち上がりの早いパルスを発生する電圧パルス発生部1
1と、絶縁流体たるオイルを蓄えるオイルタンク12
と、破砕対象物17に当接する一対の電極13と、オイ
ルタンク12から注入したオイル15の漏れを防ぐプラ
スチックなどの絶縁物で形成された保水カバー16と、
電気破砕装置の全体制御を行う制御部18とからなる。
【0027】そして、破砕対象物17を電気破砕する場
合には、まず最初に一対の電極13を所定の距離だけ離
隔して破砕対象物17に当接し、一方の電極13aの周
辺を保水カバー16で覆った後に、オイルタンク12に
保持したオイルを注入する。
【0028】なお、他方の電極13bは、保水カバー1
6の外部に配設されるので、保水カバー16を小型化し
つつ、電気破砕に要するオイル15の使用量を低減する
ことができる。
【0029】その後、電圧パルス発生部11から所定の
電圧パルスを発生すると、破砕対象物17を介して電極
13a〜13b間に放電経路が形成され、破砕対象物1
7表面が電気破砕される。
【0030】次に、本実施の形態に係わる電気破砕装置
において、電極13bを保水カバー16の外部に配設で
きる理由を図2を用いて説明する。図2は、図1に示す
電気破砕装置において電極13bを保水カバー16の外
部に配設するための条件を説明するための図である。
【0031】図2(a)に示すように、電圧パルス発生
部11から発生した電圧パルスを電極13aに印加する
と、電極13aと電極13bとの間で放電が発生する
が、この放電経路としては、図中に示す経路21〜23
が考えられる。
【0032】まず、上記経路21は、電極13aの電極
先端部14aからオイル15中、電極13aのケーブル
沿面又は保水カバー16の内壁沿面を通ってオイル15
の液面に至り、大気中を介して電極13bの電極先端部
14bに至る放電経路である。
【0033】また、経路22は、電極13aの電極先端
部14aから破砕対象物17の沿面を通ってシール16
aの下面に至り、大気中を介して電極13bの電極先端
部14bに至る放電経路である。
【0034】さらに、経路23は、電極13aの電極先
端部14aから破砕対象物17の内部を通って電極13
bの電極先端部14bに至る放電経路である。
【0035】そして、この電気破砕装置では、上記経路
21及び22の放電経路が形成されてしまうと破砕対象
物17を破砕できないので、経路23に放電経路が形成
される必要がある。
【0036】ここで、図2(b)のV-t曲線に示すよう
に、岩石の絶縁破壊電圧は、図中に示す曲線24のよう
に時間とともに変化し、また、経路21及び22のよう
にオイルと空気を含む場合の絶縁破壊電圧は、図中に示
す曲線25のように時間とともに変化する。
【0037】このため、曲線24と曲線25のクロス点
pに至る時間tよりも早く立ち上がる電圧パルスを印加
すれば、一対の電極13間の放電は破砕対象物17中に
生じ、放電経路23が形成される。
【0038】なお、空気のみの場合の絶縁破壊電圧は、
図中の曲線26に示すように、非常に低いため、クロス
点よりも早く立ち上がる電圧パルスを供給することは現
在の技術では極めて困難である。
【0039】ただし、絶縁流体であるオイルの経路長が
長くなれば、絶縁破壊曲線の立ち下がりが緩やかになる
ので、オイル15内での経路長が十分な長さになるよう
に、保水カバー16を配置すれば破砕対象物17中に放
電生じさせることができる。
【0040】また、オイル15中に配設される電極13
aを高電圧側とし、大気中に配設される電極13bを接
地側とした理由は、高電圧側電極13aから出たストリ
ーマの進展が絶縁流体たるオイル15で妨げられる点を
考慮したためである。大気中に配設される電極13bを
高電圧側にすると、そこから外部の接地電位にある部位
に向かって放電してしまう可能性があるが、オイル15
中に配設される電極13aを高電圧側とし、大気中に配
設される電極13bを接地側とすることによって、この
ようなトラブルを防ぐことができる。
【0041】上述してきたように、第1の実施の形態で
は、一方の電極13aのみを保水カバー16内部に配設
し、他方の電極13bを保水カバー16の外部に配設
し、電極13aの周囲のみを絶縁流体たるオイル15で
満たすよう構成したので、流体容器たる保水カバー16
の製造、運搬、設置に係わる人的労力を軽減するととも
に、絶縁流体たるオイル15の使用量を低減することが
できる。
【0042】(第2の実施の形態)ところで、上記第1
の実施の形態では、地表面等を破砕対象物17として電
極の周囲を保水カバー16で覆う場合について説明した
が、本発明は、破砕容器内に岩石などの破砕対象物を投
入する場合についても適用することができる、図3は、
第2の実施の形態で用いる電気破砕装置の構成を示す図
である。図3に示す電気破砕装置は、図7(a)に示す
従来の電気破砕装置のように、破砕対象物17全体を破
砕容器31内のオイル15中に水没させるのではなく、
電極13bを当接する破砕対象物17の一部がオイル1
5の液面よりも上部に突出することを許容するよう構成
したものである。
【0043】従来のように、破砕対象物17全体をオイ
ル15中に水没させねばならない場合には、破砕対象物
17を水没させるに足る十分な大きさの破砕容器31を
準備する必要が生じ、効率的ではなかった。
【0044】そこで、この電気破砕装置では、かかる制
約を廃することにより、効率良く破砕対象物17を電気
破砕し得るようにしている。
【0045】同図に示すように、この電気破砕装置は、
電圧パルス発生部11、オイルタンク12、一対の電極
13及び制御部18と、破砕対象物17を投入する破砕
容器31とからなる。この破砕容器31の内部には、電
極13aの破砕対象物17への当接を容易にするため
に、電極13aに電気的に接続された導電性の網32が
設けられている。
【0046】そして、破砕対象物17を電気破砕する場
合には、まず最初に電極13aと網32を破砕容器31
の所定の位置に配設し、この破砕容器31内に破砕対象
物17を投入する。
【0047】その後、破砕対象物17が水没しない程度
の所定の位置までオイルタンク12内に保持したオイル
を破砕容器31内に注入し、破砕対象物17に電極13
bを当接する。
【0048】その後、電圧パルス発生部11から所定の
電圧パルスを発生すると、破砕対象物17を介して電極
13a〜13b間に放電経路が形成され、破砕対象物1
7が電気破砕される。
【0049】なお、この場合にも、破砕対象物17を介
した電極先端部13a及び13b間の放電経路が形成さ
れるように、オイル15の量などを調整する必要があ
る。
【0050】上述してきたように、第2の実施の形態で
は、電極13bを当接する破砕対象物17の一部がオイ
ル15の液面よりも上部に突出することを許容するよう
構成したので、破砕対象物17を水没させるに足る大き
な破砕容器31を準備する必要をなくし、また絶縁流体
たるオイルの使用量を低減することができる。
【0051】(第3の実施の形態)次に、地表面などの
破砕対象物にスリット状の溝などを形成する場合を示す
第3の実施の形態について説明する。
【0052】図4は、第3の実施の形態で用いる電気破
砕装置の構成を示す図である。図4に示す電気破砕装置
は、図7(c)に示す従来の電気破砕装置のように、一
対の電極13の双方をオイル15中に配設するのではな
く、地表面等の破砕対象物17に開孔した孔に一方の電
極13aを挿入するとともに、孔口近傍の破砕対象物1
7に他方の電極13bを当接し、孔内にオイル15を注
入した後に、電極13に高電圧パルスを印加するよう構
成している。
【0053】従来のように、電極13a及び13bをと
もにオイル15中に配設しなければならないと、破砕対
象物17の孔周辺の表面に保水カバーなどの流体容器を
配設し、該流体容器内にオイル15を注入しなければな
らないので、流体容器が別途必要となり、また多くのオ
イル15が必要であった。
【0054】そこで、この電気破砕装置では、かかる流
体容器を不要にし、オイル15の使用量を低減すること
により、効率良く破砕対象物17を電気破砕し得るよう
にしている。特に、破砕対象物17表面にスリット状の
溝を形成する場合には、順次電極13の位置を移動する
必要があるため、流体容器を不要とする効果は大きい。
【0055】同図に示すように、この電気破砕装置は、
電圧パルス発生部11、オイルタンク12、一対の電極
13及び制御部18と、電極13の位置を移動する電極
位置移動部41とからなる。
【0056】そして、破砕対象物17の表面にスリット
状の溝を形成する場合には、まず最初に一方の電極13
aを孔に挿入し、孔口近傍の破砕対象物17に他方の電
極13bを当接し、孔内にオイル15を注入した後に、
電極13に高電圧パルスを印加する。
【0057】そして、電極間の放電によって電極間に所
在する破砕対象物を破砕したならば、電極13の位置を
移動して、再度電極13に電圧パルスを供給する処理を
繰り返す。
【0058】図5は、図4に示す電気破砕装置により破
砕対象物表面にスリット状の溝が形成される過程を示す
図である。なお、ここでは破砕対象物17上に開孔した
孔の断面図と上面図とを示している。
【0059】同図(a)に示すように電極13を配置
し、該電極13に高電圧パルスを印加すると、電極13
間に所在する破砕対象物17を介した放電経路51が形
成され、同図(b)に示すように当該破砕対象物17の
一部が破砕される。なお、この時点でオイルタンク12
内のオイルが孔内に補充される。
【0060】そして、同図(c)に示すように、電極位
置移動部41が電極13の位置をスリット状の溝を形成
する方向に移動した後、電極13に高電圧パルスを印加
し、同図(d)に示すように、破砕対象物17上の孔を
さらに広げる。
【0061】同様の処理を繰り返すことにより、破砕対
象物17上のスリット状の溝が形成される。
【0062】なお、この場合にも、破砕対象物17を介
した電極先端部13a及び13b間の放電経路が形成さ
れるように、オイル15の量などを調整する必要があ
る。
【0063】次に、図4に示す電極13の構造について
説明する。図4に示したように、電極13aの電極先端
部を孔壁に当接すると、破砕対象物17を介する放電経
路が生じやすくなる。
【0064】逆に、図6(a)に示すように、電極13
aの電極先端部が孔壁に当接されない場合には、破砕対
象物17を介する放電経路を形成するための絶縁破壊電
圧が高くなってしまう。
【0065】図6(b)〜(d)に示すような電極先端
部を有する電極を用いることにより、絶縁破壊電圧が高
くなってしまうことなく、破砕対象物17を介した放電
経路を効率良く形成することができる。
【0066】例えば、同図(b)に示す形状の電極を用
いると、電極先端部が湾曲して孔壁に接触しているの
で、電極が孔の途中の位置にあっても放電は絶縁流体中
を経由することなく破砕対象物に直接伝わる。
【0067】また、同図(c)に示すように電極先端部
を一文字にしたり、同図(d)に示すように電極先端部
を十文字にすることもでき、さらに、同図(e)に示す
ように、電極先端部にバネなどの弾性体を設け、孔壁と
の密着度を高めることもできる。
【0068】上述してきたように、第3の実施の形態で
は、地表面等の破砕対象物17に開孔した孔に一方の電
極13aを挿入するとともに、孔口近傍の破砕対象物1
7に他方の電極13bを当接し、孔内にオイル15を注
入した後に、電極13に高電圧パルスを印加する。そし
て、電極13間の放電後に電極位置を移動して該電極1
3に再度高電圧パルスを印加する処理を繰り返すよう構
成したので、破砕対象物17表面に効率良くスリット状
の溝を形成することができる。
【0069】また、電極先端部にバネやゴムなどの弾性
体を設け、孔壁との密着度を高めることができる電極を
用いることにより、破砕対象物17を介した放電経路を
形成し易くし、効率良く電気破砕を行うこともできる。
【0070】なお、本実施の形態では、絶縁流体として
オイル15を用いた場合を示したが、本発明はこれに限
定されるものではなく水などの他の絶縁流体を用いた場
合に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態で用いる電気破砕装置の構成
を示す図である。
【図2】図1に示す電気破砕装置において電極を保水カ
バーの外部に配設するための条件を説明するための図で
ある。
【図3】第2の実施の形態で用いる電気破砕装置の構成
を示す図である。
【図4】第3の実施の形態で用いる電気破砕装置の構成
を示す図である。
【図5】図4に示す電気破砕装置により破砕対象物表面
にスリット状の溝が形成される過程を示す図である。
【図6】図4に示す電極の他の構成例を示す図である。
【図7】従来の電気破砕装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
11…電圧パルス発生部 12…オイルタンク 13,13a,13b…電極 14a,14b…電極先端部 15…オイル 16…保水カバー 17…破砕対象物 18…制御部 21,22,23…放電経路 24,25…絶縁破壊曲線 31…破砕容器 32…網 41…電極位置移動部 51…放電経路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 光一郎 東京都渋谷区東4−11−4 Fターム(参考) 2D065 EA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 破砕対象物に当接した一対の電極の周囲
    に絶縁流体を供給し、該一対の電極への高電圧パルスの
    印加に伴う電極間放電により前記破砕対象物を破砕する
    電気破砕方法において、 前記一対の電極の一方にのみ前記絶縁流体を供給する流
    体供給工程と、 前記流体供給工程によって絶縁流体を供給された前記一
    対の電極の一方と、該絶縁流体を供給されない該一対の
    電極の他方とに前記高電圧パルスを印加するパルス印加
    工程とを含むことを特徴とする電気破砕方法。
  2. 【請求項2】 前記流体供給工程は、 前記破砕対象物に少なくとも一つの孔を開孔する開孔工
    程と、 前記開孔工程で開孔した孔内に前記絶縁流体を注入する
    注入工程と、 前記開孔工程で開孔され前記注入工程で前記絶縁流体を
    注入された孔内に前記一対の電極の一方を配設する配設
    工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の電気破
    砕方法。
  3. 【請求項3】 破砕対象物に開孔された孔に一対の電極
    を挿入し、絶縁流体下での前記一対の電極への高電圧パ
    ルスの印加と該一対の電極の電極位置の移動によって前
    記破砕対象物に溝を形成する電気破砕方法において、 前記破砕対象物に開孔された孔に前記絶縁流体を供給す
    る流体供給工程と、 前記流体供給工程において絶縁流体が供給された孔内に
    前記一対の電極の一方を配設するとともに、該孔の孔口
    付近に前記一対の電極の他方を配設する電極配設工程
    と、 前記一対の電極への高電圧パルスの印加により、該一対
    の電極間に所在する破砕対象物を放電により破砕する破
    壊工程と、 前記破壊工程による破砕後に前記電極配設工程で配設さ
    れた一対の電極の電極位置を移動する電極移動工程とを
    含み、前記破壊工程と電極移動工程とを繰り返して前記
    破砕対象物に所望の溝を形成することを特徴とする電気
    破砕方法。
  4. 【請求項4】 破砕対象物に開孔され絶縁流体で満たし
    た孔に挿入され、所定の高電圧パルスを供給される電気
    破砕用電極において、 前記孔内に挿入される電極本体と、前記高電圧パルスの
    供給に伴って電極間放電を行う電極先端とを所定の弾性
    体を介して結合したことを特徴とする電気破砕用電極。
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