JP2000212260A - ポリ乳酸系樹脂組成物及び製造方法 - Google Patents
ポリ乳酸系樹脂組成物及び製造方法Info
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Abstract
00,000のポリ乳酸系成分100重量部に対して、
芳香族イソシアネート化合物0.01〜20重量部を押
出機内で溶融混練し、反応して得られるポリ乳酸系樹脂
組成物であって、GPCクロマトグラムにおいて、標準
ポリスチレンの重量平均分子量に換算して3,000,
000以上の成分の面積比が、全成分の面積に対して1
%以上10%以下であることを特徴とするポリ乳酸系樹
脂組成物。 【効果】 本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、高い溶融
張力を有し、加工性の改良が期待できる。
Description
発泡成形に好適なポリ乳酸系樹脂及びその製造方法に関
する。
リプロピレン、ポリスチレン等の樹脂から製造されてお
り、軽量、断熱性、防音性、クッション性などの性能を
生かした分野にわたり使用されている。しかしながら、
これらの発泡材料は、使用後の回収や再利用が困難であ
り、自然環境下でほとんど分解されないために、半永久
的に地中に残留する。また投棄されたプラスチック類に
より、景観が損なわれ、海洋生物の生活環境が破壊され
るなどの問題が起こっている。
するポリマーとして、ポリ乳酸及び乳酸と他の脂肪族ヒ
ドロキシカルボン酸とのコポリマー等の乳酸系ポリマ
ー、脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸から
誘導される脂肪族ポリエステル等が開発されている。こ
れらのポリマーの中には、動物の体内で数カ月から1年
以内に100%生分解し、又は、土壌や海水中に置かれ
た場合、湿った環境下では数週間で分解を始め、約1年
から数年で消滅するものもある。特にポリ乳酸は、その
分解生成物が、人体に無害な乳酸及び/又は二酸化炭素
と水になるという特性を有し、また、近年、原料のL−
乳酸が発酵法により大量且つ安価に製造されるようにな
ってきたことや、堆肥中での分解速度が速く、カビに対
する抵抗性、食品に対する耐着臭性や耐着色性等の優れ
た特徴を有することにより、その利用分野の拡大が期待
されている。
が低いため、発泡成形のような成形方法には不十分な点
が残されている。すなわち、溶融成形する際に十分な溶
融張力がないため、高倍率の発泡成形体を得るのが困難
であり、また、適切な発泡成形条件を見出すのが困難で
ある等の問題点がある。特開平4−304244号公
報、特開平5−140361号公報、特開平6−287
347号公報には、ポリ乳酸系樹脂組成物の発泡に関す
る成形技術が記載されているが、ポリ乳酸をはじめとす
る脂肪族ポリエステルの発泡成形を効果的に行う方法と
してはまだ不十分なものである。
を用いてポリマーを微架橋させるということが考えられ
る。特開平9−158021号公報、特開平10−17
756号公報、特開平10−77395号公報等には押
出機内でポリ乳酸系化合物とイソシアネート化合物を反
応させた例が記載されているが、いずれもポリ乳酸以外
の成分を必須としたものである。これはポリ乳酸の末端
の水酸基が第3級であり、反応性が低いために他なら
ず、本発明の目的であるポリ乳酸の溶融張力を上げると
いう目的を達成するのにはまだ不十分なものである。
する課題は、高い溶融張力を有し、発泡成形等に際し、
優れた成形加工性を有するポリ乳酸系樹脂組成物、及び
ポリ乳酸系樹脂組成物の製造方法を提供することであ
る。
について鋭意検討した結果、ポリ乳酸に芳香族多価イソ
シアネート化合物を特定の割合で添加、水分量を規定
し、押出機内で反応させることにより溶融張力が向上
し、上記の課題を満足するポリ乳酸系樹脂が得られるこ
とを見出し、本発明を完成した。
に記載した事項により特定される。 [1]重量平均分子量Mwが50,000〜500,0
00のポリ乳酸系成分100重量部に対して、芳香族多
価イソシアネート化合物0.01〜20重量部を押出機
内で溶融混練し、反応して得られるポリ乳酸系樹脂組成
物であって、GPCクロマトグラムにおいて、標準ポリ
スチレンの重量平均分子量に換算して3,000,00
0以上の成分の面積比が、全成分の面積に対して1%以
上10%以下であることを特徴とするポリ乳酸系樹脂組
成物。 [2]メルトフローインデックスが10g/10分にお
いて、溶融張力が0.7〜20gの範囲である[1]記
載のポリ乳酸系樹脂組成物。 [3]芳香族多価イソシアネート化合物が、ジフェニル
メタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、又はこれらの2〜5核体の
混合物である[1]又は[2]記載のポリ乳酸系樹脂組
成物。
〜500,000であり、1,000ppm以下の水分
量を有するポリ乳酸系成分100重量部に対して、芳香
族多価イソシアネート化合物0.01〜20重量部を押
出機内で溶融混練し、反応することを特徴とする、ポリ
乳酸系樹脂組成物の製造方法。 [5]芳香族多価イソシアネート化合物が、ジフェニル
メタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、又はこれらの2〜5核体の
混合物である、[4]記載のポリ乳酸系樹脂組成物の製
造方法。
は、ポリ乳酸、ポリ乳酸と他の脂肪族ポリエステルとの
コポリマー(ランダムコポリマーを含む)、ポリ乳酸と
他の脂肪族ポリエステルとのブレンド又はアロイをい
う。ポリ乳酸系成分がコポリマー、ブレンド或いはアロ
イである場合、含まれる乳酸成分の量は50重量%以
上、好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重
量%以上である。
エステルとのコポリマー]本発明において用いられるポ
リ乳酸系成分として、ポリ乳酸、又はポリ乳酸と他の脂
肪族ポリエステルとのコポリマーが好ましく、ポリ乳酸
がより好ましい。ポリ乳酸系成分として、乳酸ユニット
の含有量が多いコポリマーやポリ乳酸を用いた場合、透
明で高い溶融張力を有するポリ乳酸系樹脂組成物が得ら
れる。乳酸系成分を構成する乳酸は、L−乳酸、D−乳
酸、DL−乳酸又はそれらの混合物、又は、乳酸の環状
2量体であるラクタイドを挙げることができる。本発明
において使用されるポリ乳酸、ポリ乳酸と他の脂肪族ポ
リエステルとのコポリマーの製造方法は、例えば、
ルボン酸の混合物を原料として、直接脱水重縮合する方
法(例えば、USP 5,310,865号に示されて
いる製造方法)、(2)乳酸の環状二量体(ラクタイ
ド)を溶融重合する開環重合法(例えば、米国特許2,
758,987号に開示されている製造方法)、(3)
乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状2量体、例え
ば、ラクタイドやグリコライドとε一カプロラクトン
を、触媒の存在下、溶融重合する開環重合法(例えば、
米国特許4,057,537号に開示されている製造方
法)、(4)乳酸、脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩
基酸の混合物を、直接脱水重縮合する方法(例えば、米
国特許5,428,126号に開示されている製造方
法)、
と脂肪族二塩基酸とのポリマーを、有機溶媒存在下に縮
合する方法(例えば、欧州特許公報0712880 A
2号に開示されている製造方法)、(6)乳酸を触媒の
存在下、脱水重縮合反応を行うことによりポリエステル
重合体を製造するに際し、少なくとも一部の工程で、固
相重合を行う方法、等を挙げることができるが、その製
造方法には、特に限定されない。また、少量のグリセリ
ンのような脂肪族多価アルコール、ブタンテトラカルボ
ン酸のような脂肪族多塩基酸、多糖類等のような多価ア
ルコール類を共存させて、共重合させても良く、又ジイ
ソシアネート化合物等のような結合剤(高分子鎖延長
剤)を用いて分子量を上げてもよい。
リ乳酸系成分は、必要に応じてポリ乳酸と脂肪族ポリエ
ステルのブレンドやアロイであっても差し支えない。脂
肪族ポリエステルは、乳酸以外の脂肪族ヒドロキシカル
ボン酸、脂肪族二価アルコール及び脂肪族二塩基酸を種
々組み合わせて製造できる生分解性を有するポリマーで
ある。脂肪族ポリエステルの製造方法としては、ポリ乳
酸やポリ乳酸と脂肪族ポリエステルのコポリマーの製造
方法と同様な方法を用いることもできるが、その方法に
限定されない。
ポリ乳酸系成分を構成する脂肪族ヒドロキシカルボン酸
の具体例としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪
酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−
ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等を挙げ
ることができ、さらに、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の
環状エステル、例えば、グリコール酸の2量体であるグ
リコライドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステル
であるε−カプロラクトンを挙げることができる。これ
らは、単独で又は二種以上組合せて使用することができ
る。
酸系成分を構成する脂肪族二価アルコールの具体例とし
ては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−へキサ
ンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは、
単独で又は二種以上の組合せて使用することができる。
分を構成する脂肪族二塩基酸の具体例としては、例え
ば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等が挙げられ
る。これらは、単独で又は二種以上の組合せて使用する
ことができる。
前記した脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族二価アル
コール及び脂肪族二塩基酸を種々組み合わせて製造でき
る40℃〜250℃の融点を有する、生分解性を有する
脂肪族ポリエステルであれば何ら制限はない。特に、結
晶性を有し、軟質の脂肪族ポリエステルが好ましい。脂
肪族ポリエステルの融点が40℃より低くなると、得ら
れるポリ乳酸系樹脂組成物の耐熱性が低下し、逆に25
0℃より高くなるとペレット化時の溶融温度が高くなる
ためポリ乳酸成分が劣化したり、着色する傾向に有るの
で好ましくない。好ましい脂肪族ポリエステルとして
は、ポリエチレンオキサレート、ポリブチレンオキサレ
ート、ポリカプロラクトン、ポリネオペンチルグリコー
ルオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチ
レンサクシネート、ポリヒドロキシ酪酸及びβ−ヒドロ
キシ酪酸とβ−ヒドロキシ吉草酸とのコポリマー等が挙
げられ、特にポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸
及びβ−ヒドロキシ酪酸とβ−ヒドロキシ吉草酸とのコ
ポリマー、ポリエチレンサクシネート及びポリブチレン
サクシネートが好ましい。また、これらの脂肪族ポリエ
ステルは、ジイソシアネート等の結合剤によってポリマ
ー鎖が延長されたものであってもよく、また、少量のグ
リセリンのような脂肪族多価アルコール、ブタンテトラ
カルボン酸のような脂肪族多塩基酸、多糖類等のような
多価アルコール類を共存させて、共重合させても良い。
ポリ乳酸系成分の重量平均分子量Mwは50,000〜
500,000の範囲である。好ましくは80,000
〜300,000、より好ましくは100,000〜2
00,000の範囲である。50,000未満では分子
量が低く、イソシアネート化合物と反応しても、分子量
が上がらず、十分な機械的強度が得られない場合があ
る。500,000を超えると、芳香族イソシアネート
化合物と反応した時、分子量が高くなりすぎて成形加工
が困難になる場合がある。
本発明で使用される芳香族多価イソシアネート化合物と
しては、特に限定されるものではないが、ジフェニルメ
タンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キ
シレンジイソシアネート等の芳香族二価イソシアネー
ト、及びこれらの2〜5核体の混合物等の芳香族多価イ
ソシアネートが挙げられる。これらは単独で用いても、
2種類以上混合して用いてもよい。ヘキサメチレンジイ
ソシアネートのような脂肪族多価イソシアネートは、ポ
リ乳酸系成分、特にポリ乳酸との反応性が低く、本発明
のポリ乳酸系樹脂組成物は得られない。
量]芳香族多価イソシアネート化合物の添加量は、ポリ
乳酸系成分100重量部に対して0.01〜20重量部
の範囲である。好ましくは、0.1〜10重量部、より
好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。0.01重
量部未満では、架橋剤としての効果が十分でない。20
重量部を超えると、芳香族多価イソシアネート化合物の
種類によっては粘度が高くなりすぎて溶融成形できない
場合がある。また、添加量が多いとポリ乳酸系樹脂が分
解した時、芳香族多価イソシアネート化合物が環境中に
多く放出されることになり、好ましくない。
酸系成分、芳香族多価イソシアネート化合物、その他添
加物を乳鉢、ヘンシェルミキサー、ドラムブレンダー、
タンブラーブレンダー、ボールミル、リボンブレンダー
等を利用して予備混合し、次いで通常公知の一軸押出
機、二軸押出機、溶融混合機、バンバリーミキサー、ブ
ラベンダー、プラストグラフ、熱ロール、ニーダー等で
溶融混練する。また、芳香族イソシアネート化合物、そ
の他添加物は押出機のサイドフィーダー等を用いて供給
する方法も好ましい方法である。
度は、用いるポリ乳酸系成分の種類や分子量にもよる
が、通常、150〜250℃の範囲である。より好まし
くは160〜230℃の範囲、最も好ましくは170〜
200℃の範囲である。150℃未満では、樹脂が溶融
せず、成形ができない場合がある。250℃を超えると
樹脂が分解し、分子量が大きく低下したりする場合があ
る。
間は用いる溶融混練機や溶融混練温度にもよるが、通
常、3〜15分程度である。
際用いるポリ乳酸系成分の含有水分は0〜1,000p
pmの範囲であることが重要である。好ましくは0〜5
00ppm、より好ましくは0〜100ppmの範囲で
ある。1,000ppmを超えると、芳香族多価イソシ
アネート化合物が水分と溶融混練時に反応し、ポリ乳酸
系成分との反応が十分に進行せず、効果が十分に現れな
い場合がある。
有水分を0〜1,000ppmにする方法としては、乾
燥機等で予め60〜150℃の範囲で1時間〜24時間
程度乾燥させればよい。また、押出機のベントから脱揮
した後、芳香族イソシアネート化合物を添加する方法を
用いてもよい。
を損なわなければ滑剤、フィラー、着色剤、可塑剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
布]本発明で得られるポリ乳酸系樹脂組成物のGPC分
析における分子量分布は通常、二山であり、重量平均分
子量Mwが50,000〜500,000の範囲である
主ピーク(A)と、ポリスチレン換算で重量平均分子量
3,000,000以上の超高分子量成分の副ピーク
(B)からなる。副ピーク(B)の全体に占める面積比
は1%〜10%の範囲である。このましくは3%〜6%
の範囲である。この範囲において、溶融張力の高いポリ
乳酸系樹脂組成物が得られ、溶融成形が容易である。1
%未満だと、溶融張力向上の効果が十分でない。10%
を超えると、場合によっては溶融成形が困難になること
がある。
主ピーク(A)の重量平均分子量Mwは50,000〜
500,000の範囲である。50,000未満では樹
脂の機械強度が十分でない場合がある。500,000
を超えると副ピーク(B)超高分子成分の量にもよる
が、溶融成形が困難になったりする場合がある。
副ピーク(B)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン
の重量平均分子量Mwに換算すると通常、3,000,
000以上である。
重量平均分子量Mwはポリスチレンを標準としたゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて
算出した値である。用いられる装置は、一般に市販され
ているものであれば差し支えない。展開溶媒はポリ乳酸
系樹脂組成物が溶解するものであれば特に限定されるも
のではないが、一般的にクロロホルム溶媒を用いて測定
する。使用するカラムとしては、検量線がリニアタイプ
のカラム(例えば、昭和電工製のShodex K-505Lが好ま
しい)を用いて測定する。GPC分析においては、分子
量測定のために分子量の異なる標準ポリスチレンを数点
用いて、検量線を作成しておく。標準ポリスチレンの分
子量は通常、数平均分子量、重量平均分子量ともほぼ同
じであり、500〜300万のものを用いる。作成した
検量線を用いることにより、リテンションタイムから相
当する分子量を導くことができる。超高分子量成分の面
積比は、GPCクロマトグラムの結果を解析し、各分子
量の範囲における積分値から算出するものである。
明するが、本発明の技術範囲を越えない限り、これに限
定されるものではない。ポリ乳酸系樹脂の重量平均分子
量(Mw)、実施例中の溶融張力(MT値)を以下に示
す方法により測定した。 (1)重量平均分子量(Mw) ポリスチレンを標準としてゲルバーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)により測定した。測定条件を以
下に記す。 GPC:Shodex System 11(昭和電工
製) 使用カラム:K−805L×2、K−800P(プレカ
ラム) カラム温度:40℃ 溶媒:クロロホルム 流速:1.0ml/min 試料濃度:3mg/1ml 検出器:RI検出器 標準ポリスチレン:昭和電工製、Shodex ポリス
チレン
ローインデックスを測定した後、温度−メルトフローイ
ンデックス−プロットより、メルトフローインデックス
が10g/10分となる温度を求め、その温度において
溶融張力を測定した。 (3)水分量 ポリマー中の水分量は、カールフィッシャー水分計(M
KC−210、京都電子工業製)を用いて測定した。
04gと、ラウリルアルコール0.12gを、撹拌機を
備えた肉厚の円筒型ステンレス製重合容器へ封入し、真
空で2時間脱気した。窒素ガスで置換した後、200℃
/10mmHgで2時間加熱撹拌した。反応終了後、下
部取り出し口からポリ乳酸の溶融物を抜き出し、空冷
し、ペレタイザーにてカットした。得られたポリ乳酸
(ポリ乳酸A)は、収量340g、収率85%、重量平
均分子量(Mw)13.8万であった。溶融張力は0.
6gであった。
0%L−乳酸10kg、錫末45gを装入し、150℃
/50mmHgで3時間撹拌しながら水を留出させた
後、150℃/30mmHgでさらに2時間撹拌してオ
リゴマー化した。このオリゴマーにジフェニルエーテル
21.1kgを加え、150℃/35mmHg共沸脱水
反応を行い、留出した水と溶媒を水分離器で分離して溶
媒のみを反応機に戻した。2時間後、反応機に戻す有機
溶媒を4.6kgのモレキュラシーブ3Aを充填したカ
ラムに通してから反応機に戻るようにして、130℃/
17mmHgで20時間反応を行い、重量平均分子量
(Mw)15.0万のポリ乳酸溶液を得た。この溶液に
脱水したジフェニルエーテル44kgをを加え希釈した
後、40℃まで冷却して、析出した結晶を瀘過した。こ
の結晶に0.5N−HCl12kgとエタノール12k
gを加え、35℃で1時間攪拌した後瀘過し、60℃/
50mmHgで乾燥して、ポリ乳酸粉末6.1kg(収
率85%)を得た。この粉末を押出機で溶融しペレット
化し、ポリ乳酸(ポリ乳酸B)を得た。このポリマーの
重量平均分子量(Mw)は14.7万であった。溶融張
力は0.6gであった。
は2で得られたポリ乳酸系樹脂、芳香族イソシアネート
化合物を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、シリン
ダー温度が170〜180℃の単軸押出機を用いて溶融
混練した。実験にあたり、ポリ乳酸系樹脂を乾燥機で乾
燥し、水分量を測定した。得られたペレットのメルトフ
ローインデックス、溶融張力、GPC測定をした。結果
は表−1(表1,2)、表−2(表3)にまとめた。な
お、ここで用いた芳香族多価アルコール等の略称は以下
のとおりである。 MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート TDI:トリレンジイソシアネート XDI:キシレンジイソシアネート MDImixture:MDIの2〜5核体混合物 HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
0%L−乳酸10kg、錫末45gを装入し、150℃
/50mmHgで3時間撹拌しながら水を留出させた
後、150℃/30mmHgでさらに2時間撹拌してオ
リゴマー化した。このオリゴマーにジフェニルエーテル
21.1kgを加え、150℃/35mmHg共沸脱水
反応を行い、留出した水と溶媒を水分離器で分離して溶
媒のみを反応機に戻した。2時間後、反応機に戻す有機
溶媒を4.6kgのモレキュラシーブ3Aを充填したカ
ラムに通してから反応機に戻るようにして、130℃/
17mmHgで反応を行った。10時間経過後サンプリ
ングし、重量平均分子量(Mw)を測定したところ8万
であった。反応マスにMDI100gを添加し、さらに
10時間反応を続け、ポリ乳酸溶液を得た。この溶液に
脱水したジフェニルエーテル44kgをを加え希釈した
後、40℃まで冷却して、析出した結晶を瀘過した。こ
の結晶に0.5N−HCl12kgとエタノール12k
gを加え、35℃で1時間攪拌した後瀘過し、60℃/
50mmHgで乾燥して、ポリ乳酸粉末6.2kg(収
率85%)を得た。この粉末を押出機で溶融しペレット
化し、ポリ乳酸を得た。このポリマーの重量平均分子量
(Mw)は18.7万であった。溶融張力は0.6gで
あった。なお、GPCチャートでは超高分子成分は観測
されなかった。
融張力を有し、加工性の改良が期待できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 重量平均分子量Mwが50,000〜5
00,000のポリ乳酸系成分100重量部に対して、
芳香族多価イソシアネート化合物0.01〜20重量部
を押出機内で溶融混練し、反応して得られるポリ乳酸系
樹脂組成物であって、GPCクロマトグラムにおいて、
標準ポリスチレンの重量平均分子量に換算して3,00
0,000以上の成分の面積比が、全成分の面積に対し
て1%以上10%以下であることを特徴とするポリ乳酸
系樹脂組成物。 - 【請求項2】 メルトフローインデックスが10g/1
0分において、溶融張力が0.7〜20gの範囲である
請求項1記載のポリ乳酸系樹脂組成物。 - 【請求項3】 芳香族多価イソシアネート化合物が、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、キシレンジイソシアネート、又はこれらの2〜
5核体の混合物である請求項1又は2記載のポリ乳酸系
樹脂組成物。 - 【請求項4】 重量平均分子量Mwが50,000〜5
00,000であり、1,000ppm以下の水分量を
有するポリ乳酸系成分100重量部に対して、芳香族多
価イソシアネート化合物0.01〜20重量部を押出機
内で溶融混練し、反応することを特徴とする、ポリ乳酸
系樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項5】 芳香族多価イソシアネート化合物が、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、キシレンジイソシアネート、又はこれらの2〜
5核体の混合物である、請求項4記載のポリ乳酸系樹脂
組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP01683299A JP3794853B2 (ja) | 1999-01-26 | 1999-01-26 | ポリ乳酸系樹脂組成物及び製造方法 |
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JP01683299A JP3794853B2 (ja) | 1999-01-26 | 1999-01-26 | ポリ乳酸系樹脂組成物及び製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000212260A true JP2000212260A (ja) | 2000-08-02 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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