JP2000211242A - 型付けインクジェット記録シ―ト及びそれを使用した印画物の作成方法 - Google Patents

型付けインクジェット記録シ―ト及びそれを使用した印画物の作成方法

Info

Publication number
JP2000211242A
JP2000211242A JP11012756A JP1275699A JP2000211242A JP 2000211242 A JP2000211242 A JP 2000211242A JP 11012756 A JP11012756 A JP 11012756A JP 1275699 A JP1275699 A JP 1275699A JP 2000211242 A JP2000211242 A JP 2000211242A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fine particles
organic polymer
thermoplastic organic
ink
polymer fine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11012756A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigehiko Miyamoto
成彦 宮本
Takao Chiga
孝雄 千賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP11012756A priority Critical patent/JP2000211242A/ja
Publication of JP2000211242A publication Critical patent/JP2000211242A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐水性及び美的感覚に優れたインクジェット印
画物を提供することである。 【解決手段】支持体の少なくとも片面に、熱可塑性有機
高分子微粒子を含有する層を設け、該熱可塑性有機高分
子微粒子を含有する層の表面にエンボスによる型付けを
施したインクジェット記録シートであって、インクジェ
ット記録後、該熱可塑性有機高分子微粒子を溶解または
融解して、該熱可塑性有機高分子微粒子が融着した層と
するインクジェット印画物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
シートに関するものであり、更に詳しくは、該インクジ
ェット印画物の表面に型付けをほどこした、耐水性及び
美的感覚に優れたインクジェット記録シート、及びそれ
を使用したインクジェット印画物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、騒音がなく、高
速印字が可能であり、端末プリンターなどに採用され近
年急速に普及している。また、複数個のインクノズルを
使用することにより、多色記録を行うことも容易であ
り、各種のインクジェット記録方式による多色インクジ
ェット記録が行われている。特にコンピューターにより
作成した文字や各種図形及び写真等の画像情報のハード
コピー作成装置として、複雑な画像を迅速で正確に形成
する事ができるインクジェットプリンターの利用が注目
されている。近年特に注目されているインクジェットプ
リンターの利用分野としては、大型のインクジェットプ
ロッターを用いて簡便に作成することができる大判のポ
スター、ディスプレー、旗等である。
【0003】これらの分野で用いられるインクジェット
記録用シートには高画質であることに加え美的感覚に優
れ、さらに屋外の大判展示ポスター等に用いる場合は、
優れた耐候性、耐水性が要求される。
【0004】このような要求に応えるべくインク及び記
録シートの両面から種々の改良が提案されている。
【0005】従来からインクジェット記録方式では、イ
ンクとして水性或は油性の溶媒中に染料や顔料を溶解あ
るいは分散させたインクが使用され、中でも各種の水溶
性染料を水または水と有機溶媒との混合物に溶解させた
水溶性染料インクが主流である。水溶性染料インクはイ
ンクジェット記録装置のインク吐出ヘッドのメンテナン
ス性に優れており、また、印字後の発色性、解像力等に
優れている。しかし、水溶性なるが故に記録画像の耐水
性に問題がある。また、水溶性染料は本来耐候性(光や
空気、温湿度による画像の退色や消失)が劣るため特に
記録シートを屋外展示する場合急速に画像が退色した
り、消失したりする欠点がある。
【0006】これを改良するために、多孔質の顔料から
なるインク受容層とその上に樹脂層を配置して、水溶性
染料インクにより印字後に樹脂層を緻密化する記録用紙
及び記録方法も多数提案されている。特公平2−316
73号では顔料層と熱溶融層の組み合わせが、特開平8
−2090号、同9−104163号、同9−1041
64号では顔料層にアルミナ水和物を用いて、熱溶融層
との組み合わせの配合が提案されている。印字後に熱溶
融樹脂層を緻密化する方法としては、バライタ写真印画
紙の乾燥に用いられるフェロタイプ乾燥機のような熱ド
ラムに圧着するあるいは加圧、加熱の2本のロールの間
を通す等種々の方法があるが、一般的には加熱した平滑
な金属ロールに圧着することにより緻密化する場合が多
い。この緻密化処理により熱溶融樹脂層が成膜されて耐
水性、耐候性、光沢性或は透明性を得るという提案であ
るが、性能的には不十分であり、更なる改善が求められ
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐水
性、及び美的感覚に優れたインクジェット印画物を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の構成によって達成された。支持体の少なくとも片面
に、熱可塑性有機高分子微粒子を含有する層を設け、該
熱可塑性有機高分子微粒子を含有する層の表面に、エン
ボスによる型付けを施したインクジェット記録シートで
あり、該インクジェット記録シートにインクジェット記
録後、該熱可塑性有機高分子微粒子を溶解または融解し
て、該熱可塑性有機高分子微粒子が融着した層とするイ
ンクジェット印画物の作成方法である。また該熱可塑性
有機高分子微粒子を溶解または融解する方法が、該熱可
塑性有機高分子微粒子を含有する層に非接触で加熱する
印画物の作成方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するインクジェット記録用シートは、支持
体上に少なくとも熱可塑性有機高分子微粒子を含有する
層を有し、支持体と熱可塑性有機高分子微粒子を含有す
る層との間には、別のインク受容層があってもよく、ま
た該支持体が紙などのインク吸収能力がある場合、ある
いは該熱可塑性有機高分子微粒子の層が十分なインク吸
収能力を有する場合などは、インク受容層は無くてもよ
い。
【0010】上記記録シートの支持体としては、従来公
知のものがいずれも使用でき、例えば、 a)LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PG
W、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの
機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどの天然パルプ
と従来公知の顔料を主成分として、バインダーおよびサ
イズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力
増強剤などの各種添加剤を1種以上用いて混合したスラ
リーを用い、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー
抄紙機などの各種装置で抄造された非塗工紙類;
【0011】b)非塗工紙に、澱粉、ポリビニルアルコ
ールなどでのサイズプレスやアンカーコート層を設けた
紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート
紙、キャストコート紙などの塗工紙類;
【0012】c)マシンカレンダー、TGカレンダー、
ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を用いて平滑化
処理を施したような非塗工紙類;
【0013】d)非塗工紙あるいは塗工紙の両面または
片面に溶融押し出し法などにて高密度、或は低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどをコート
したレジンコート紙類;
【0014】e)ポリエチレンテレフタレート、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ノルボルネン、ビニロン、ポリビニルアルコー
ル、ナイロンなどの透明合成樹脂フィルムやこれら材料
に顔料、発泡剤などを含有して透明度を低下させた半透
明合成樹脂フィルム類;
【0015】f)ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン/プロピレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重
合体、ポリスチレン、アクリル酸エステル類などの熱可
塑性樹脂と炭酸カルシウム、タルク、シリカ、焼成クレ
ーなどの無機顔料を混合して延伸積層した合成紙等;
【0016】g)あるいはこれら支持体の表面にコロナ
放電処理、火炎処理、プラズマ処理、アンカー層塗工処
理などの易接着性を改良したようなものを好適に用いる
ことができる。
【0017】さらに、これらの支持体には、マシンカレ
ンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、艶消
しカレンダー、摩擦カレンダー、ブラシカレンダーなど
のカレンダー処理を行うことができる。支持体の坪量と
しては、通常50〜300g/m2程度のものが用いら
れる。
【0018】本発明において、熱可塑性有機高分子微粒
子を含有する層は、最表面にあることが好ましく、印字
後この熱可塑性有機高分子微粒子含有層を加熱によって
融解して皮膜化させることによって耐水性、耐候性が得
られる。
【0019】本発明における熱可塑性有機高分子微粒子
は熱可塑性を有する有機物であれば特に制限はないが、
皮膜性、皮膜強度、皮膜光沢、皮膜形成性等の点からポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ
エチレンワックス、酸化ポリエチレン、ポリ四フッ化エ
チレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−ア
クリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体等のオレフィン単独または共重合体あるいはこれらの
誘導体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリ
塩化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、NBRゴム
等を単独であるいは混合して用いられる。
【0020】本発明における熱可塑性有機高分子微粒子
の最低成膜温度(MFT)は40℃から150℃の範囲
にあることが好ましい。最低成膜温度とは熱可塑性有機
高分子微粒子が結合して成膜するのに最低必要な温度を
意味する。この最低成膜温度は室井宗一著「高分子ラテ
ックスの化学」(1997年)等に記載されているよう
に温度勾配板法により測定することができる。熱可塑性
有機高分子微粒子の最低成膜温度が40℃よりも低い場
合は通常のインクジェット記録シート製造工程において
は熱可塑性有機高分子微粒子が成膜してしまいインクの
吸収性が悪化する。さらに熱可塑性有機高分子微粒子が
成膜しない温度にてインクジェット記録シートを製造す
るには、乾燥効率の点から困難が伴う。また、熱可塑性
有機高分子微粒子の最低成膜温度が150℃を超える場
合には通常の加熱処理により十分な熱量が得られず均一
な皮膜が形成され難いために光沢が低下したり、耐水性
が低下したりする。さらに、皮膜形成の容易さ、皮膜の
均一性、皮膜の強度を最適にするために本発明における
熱可塑性有機高分子微粒子の最低成膜温度(MFT)は
60℃から130℃の範囲にあることがより好ましい。
【0021】これら熱可塑性有機高分子微粒子の大きさ
としては通常直径0.01μm〜50μmが好ましく、
0.01μmより小さいと形成される空隙が小さくなり
すぎ、インクの吸収性を遅くするため好ましくない。ま
た50μmより大きいと、インクのドットより大きな面
積を占める粒子が表面に存在することになり、画質が低
下するので好ましくない。
【0022】本発明において、熱可塑性有機高分子微粒
子を含有する層には、塗布後の接着性を得るために、微
量の水溶性バインダーまたは最低成膜温度の低い(例え
ば30℃以下)ポリマーラテックスを含有させても良
い。その含有量は、熱可塑性有機高分子微粒子に対して
1〜30重量%程度で、好ましくは2〜20重量%であ
る。バインダーの含有量が多くなると、耐水性が著しく
低下するので好ましくない。好ましい水溶性バインダー
としては、ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0023】本発明において、熱可塑性有機高分子微粒
子を含有する層には不定形多孔質シリカ、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、カオリン、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、
珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム等の無機顔料、コロ
イダルシリカ、コロイダルアルミナ等のコロイド状無機
微粒子等を適宜加えても良い。
【0024】本発明において、熱可塑性有機高分子微粒
子を含有する層の塗工量としては、固形分として1〜5
0g/m2が好ましい。又該層の下に別のインク受容層
を設けない場合には、その塗工量(乾燥固形分)として
は、5g/m2〜50g/m2が好ましい。この場合は、
熱可塑性有機高分子微粒子含有層がインク中の色材の保
持層として働き、原紙層がインク中の溶媒の吸収層とし
て働くから、塗工量が5g/m2以上のインク受容層が
必要となるからである。熱可塑性有機高分子微粒子を含
有する層の塗布量が1g/m2未満では加熱緻密化した
際の皮膜性が十分でなく光沢、耐水性が悪化する。ま
た、50g/m2を超えて多い場合には、印字性が悪化
するばかりでなく皮膜にひびが入りやすくなり結果とし
て耐水性、見映えも悪化する。
【0025】本発明において、熱可塑性有機高分子微粒
子を含有する層の下に別のインク受容層を設ける態様の
場合には、インク吸収性のポリマー層或は無機或は有機
の顔料を主成分として含有する多孔質の層が用いられ、
特に多孔質の顔料を含有する層が好ましく用いられる。
多孔質の顔料としては、公知の有機、無機の顔料が用い
られる。一般的には無機微粒子が用いられている。例え
ば、湿式法により製造される多孔質シリカ、微細アルミ
ナ水和物、コロイダルシリカ等が好ましく用いられる。
【0026】インク受容層が主に無機微細粒子によって
形成される場合は、塗層強度を向上させる目的でバイン
ダーが加えられる。バインダーとしてはゼラチン、ポリ
ビニルピロリドン、水溶性セルロース誘導体、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリアク
リルアミド、ポリアクリル酸等の各種水溶性ポリマーの
他にSBR、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸
エステル、塩化ビニル、スチレン等の高分子ラテックス
等も用いられる。これらのバインダーの中でもポリビニ
ルアルコールまたはポリビニルアルコール誘導体が最も
好ましく用いられる。
【0027】無機微粒子と共に用いられるバインダーの
量は、無機微粒子に対して、50重量%以下、好ましく
は1〜30重量%の範囲である。
【0028】本発明において、インク受容層にはバイン
ダーに加えてドット再現性を向上させる目的で界面活性
剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はア
ニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系の何れ
のタイプでもよく、また、低分子のものでも高分子のも
のでも良い。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク
受容層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組
み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカチオ
ン系のものとを組み合わせて用いることは好ましくな
い。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバイ
ンダー100gに対して0.001g〜5gが好まし
く、より好ましくは0.01〜3gである。
【0029】本発明において、インク受容層の塗布量と
しては3〜40g/m2が好ましく、5〜30g/m2
さらに好ましい。インク受容層の塗布量が3g/m2
りも少ないとインクが溢れてしまい見苦しい画像とな
る。また、インク受容層の塗布量が40g/m2より多
い場合、無機微細粒子を用いたインク受容層の場合はイ
ンクが沈み込んでしまい不鮮明な画像しか得られないば
かりか、折れ割れ性が悪化してプリンターでの搬送中に
ひびが発生する場合がある。
【0030】本発明において、更に、インク受容層と熱
可塑性有機高分子微粒子を含有する層には、界面活性
剤、硬膜剤、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤
(カチオン性ポリマー等)、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍
光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添
加剤を添加することもできる。
【0031】本発明におけるインク受容層塗液と熱可塑
性有機高分子微粒子を含有する層の塗液の塗布方法とし
ては、特に制限はなく、通常用いられている塗布方法
(例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エクス
トルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティン
グ方式、ロッドバーコーティング方式等)が用いられる
が、インク受容層と熱可塑性高分子微粒子を含有する層
を一度に設けることができる点でスライドリップ方式、
カーテン方式が好ましく用いられる。
【0032】本発明における支持体には帯電防止性、搬
送性、カール防止性などのために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤、マット化剤などを適
宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0033】本発明における、インクジェット記録シー
ト表面の型付けは、好みのパターンの連続した型をオス
型とすれば、これに相当するメス型を表面に設けた金属
ロールと、これに圧着されたニップロールの間に、熱可
塑性有機高分子微粒子を塗布した面を上記型付けロール
に当てて通過させることにより行われる。
【0034】上記パターンは美的感覚が優れた物であれ
ば種類の制限はないが、通常、写真印画紙業界に於いて
は、絹目、又は微粒面と呼ばれるパターンが好んで用い
られる。絹目は通常連続した円錐形、四角形、又は菱形
よりなり、微粒面は通常連続した頭がなだらかな短い山
脈状のパターンよりなり、谷部からの山の高さは大きい
方がパターンが鮮明になるので15μm以上が好まし
い。
【0035】本発明に用いられる型付けロールの表面加
工方法を簡単に説明する。鉄等のロールの表面にグライ
ンダー研磨を行い、更にバフ研磨を行った後、この上に
クロムメッキを施す。再度バフ研磨を行った後、その表
面にマザーと称する例えば絹目を表面に設けた小型のロ
ールを圧着、回転させて、絹目のメス型に相当するパタ
ーンを刻み付ける。その後、更にクロムメッキを施し、
必要ならばこの上に特定のサイズの砥砂を用いてサンド
ブラスト加工をして仕上げる。
【0036】上記型付けロールによる熱可塑性有機高分
子微粒子含有層表面の型付けの際のニップロールの圧力
は、鮮明な型付けが出来る圧力であればよい。通常25
〜800kg/cmの範囲より選択される。
【0037】本発明におけるインクジェット記録用シー
トを加熱により熱可塑性有機高分子微粒子含有層を緻密
化する処理装置としては、熱可塑性有機高分子微粒子の
最低成膜温度以上に加熱出来るものであれば良い。その
加熱手段としては特に制限はないが、本発明においては
該熱可塑性有機高分子微粒子含有層に非接触で該層を加
熱する手段が採用される。これら加熱手段は伝熱方式に
より、輻射伝熱方式、対流伝熱方式、熱伝導方式等に分
類できる。
【0038】本発明に用いられる伝熱方式の1つの、輻
射伝熱方式を用いた加熱手段としては、輻射熱を利用し
たものであり、赤外線ランプを用いたものやキセノンフ
ラッシュを用いたもの或は遠赤外線を発するセラミック
ヒーターを用いたもの等が挙げられるが、輻射熱を用い
るもの全てに適用でき、輻射熱源の種類には制約されな
い。
【0039】本発明に用いられる伝熱方式の1つの、対
流伝熱方式を用いた加熱手段としては、対流により熱を
熱可塑性有機高分子微粒子含有層に伝達するものであ
り、面状ヒーターまたはリボン状ヒーターを用いたボッ
クス内で加熱する方法や、熱風をエアーノズルのスリッ
トから熱可塑性有機高分子微粒子含有層に吹き付け加熱
する方法等が挙げられる。
【0040】本発明に用いられる伝熱方式の1つの、熱
伝導方式を用いた加熱手段としては、接触による熱伝導
により熱を熱可塑性有機高分子微粒子含有層に伝達する
ものであり、本発明に於いては熱可塑性有機高分子微粒
子含有層に加熱手段を接触させないために、支持体の裏
側に熱伝導体である熱ローラーや熱板等を接触させて加
熱する方法等が挙げられる。熱ローラーで加熱する方法
は、一般的にヒーターを内蔵してローラーを加熱した
り、電磁誘導加熱を利用して加熱した熱ローラーに接触
させることで加熱する。また熱板で加熱する方法は、一
般的にパネルヒーターとかヒートプレートと呼ばれ内部
にヒーターを内蔵するか背面部にヒーターを接続させた
熱伝導体に接触させて加熱する。
【0041】以上述べたように本発明に用いられる伝熱
方式は、要は熱を熱可塑性有機高分子微粒子含有層に伝
達するものであり、該層の熱可塑性有機高分子微粒子を
その最低成膜温度以上に加熱して、可塑融着状態にする
ことが目的であり、その手段に制限はない。また、これ
らの方式を複数組み合せてより効率よく加熱することも
可能であり、より好ましい。
【0042】本発明においては、上記加熱方法で加熱さ
れ溶融されて融着した熱可塑性有機高分子微粒子が可塑
状態にある間には、その表面に触らず、温度が下がり固
定状態になるまで放置する時間が必要である。従来熱可
塑性有機高分子微粒子含有層を設け、加熱して該層を溶
融し、透明化したり、光沢付けをしたりする方式のイン
クジェット記録画像作成方法が提案されているが、これ
らは殆ど加熱溶融が加圧された加熱ロール間で同時に行
われていたため、ロールと熱可塑性有機高分子微粒子含
有層の間に剥離を容易にするため、フィルム等を挟むこ
とが必要であった。従って熱可塑性有機高分子微粒子含
有層が冷えて固定されてから該フィルムを剥離する工程
が必要になる。本発明者らは、その方法だと表面に接触
したフィルムの面が転写し、平滑な表面しか出来ないこ
とから、型付けした熱可塑性有機高分子微粒子含有層を
加熱溶融するだけで型付けインクジェット印画物の作成
されることを見出し、本発明を完成した。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。 <記録用シート1の作製>下記に示した樹脂被覆紙支持
体上に、下記に示すインク受容層塗液と熱可塑性有機高
分子微粒子を含有する層を多層エクストルージョン法に
より支持体に近い方にインク受容層の固形分塗布量が1
7g/m2、表層に熱可塑性有機高分子微粒子を含有す
る層の固形分塗布量が7g/m2になるように各々の塗
液量を調整して同時塗布した後、直ちに10秒間冷却セ
ットし、それから徐々に温度が高い乾燥ゾーンを通過さ
せ、表面湿球温度が30℃以下になるように乾燥ゾーン
の温湿度をコントロールして、インクジェット記録用シ
ート1を作製した。
【0044】<樹脂被覆紙支持体>LBKP(50部)
とLBSP(50部)のパルプ配合からなる120g/
2の基紙の表面に低密度ポリエチレン(70部)と高
密度ポリエチレン(20部)と酸化チタン(10部)か
らなる樹脂組成物を25g/m2塗布し、裏面に高密度
ポリエチレン(50部)と低密度ポリエチレン(50
部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布してなる樹
脂被覆紙。
【0045】 <インク受容層> シリカ微粒子((株)トクヤマ製、ファインシールX60) 69部 ポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA235) 14部 カチオン定着剤(住友化学工業(株)製、スミレーズレジン1001) 17部
【0046】 <熱可塑性有機高分子微粒子を含有する層> エチレン−酢酸ビニル共重合体(MFT:90℃、粒径:4μm) 86部 ポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA235) 14部
【0047】<記録用シート2の作製>下記に示した紙
支持体上に、インク受容層組成物として、アルミナゾル
AS−3(触媒化成社製)7部(固形分)、ポリビニル
アルコールMA−26(信越化学社製)1部(固形分)
及び水からなる固形分約7%の塗工液を調製し、バーコ
ーターにより乾燥塗工量15g/m2になるように塗
工、乾燥してインク受容層の第1層とした。次いでこの
上に、熱可塑性有機高分子微粒子の水分散物であるポリ
オレフィン系ラテックス(ケミパールM200:三井化
学社製)25部(固形分)、ポリビニルピロリドン3.
0部からなる固形分約30%の塗工液をカーテンコータ
により乾燥塗工量5g/m2になるように塗工、乾燥し
て、インクジェット記録用シート2を作製した。
【0048】<紙支持体の作製>広葉樹漂白クラフトパ
ルプ85重量%、及び針葉樹漂白サルファイトパルプ1
5重量%から成る混合パルプを叩解度320ml.cs
fになるように叩解後、パルプ100重量部に対して、
カチオン化澱粉3重量部、アニオン化ポリアクリルアミ
ド0.2重量部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテ
ンダイマー分として)0.3重量部、ポリアミドエピク
ロルヒドリン樹脂0.4重量部を添加して紙料スラリー
を調製した。その後、紙料スラリーを長網抄紙機で紙匹
を形成し、ウェットパートで3段のウェットプレスを行
った後、スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パ
ートで2段の緊度プレスを行った後、乾燥した。乾燥の
途中でカルボキシ変性ポリビニルアルコール溶液をサイ
ズプレスし、固形分付着量を、2.0g/m2とし、最
終的に得られる基紙水分が絶乾水分で8重量%になるよ
うに乾燥し、マシンカレンダー処理して、坪量150g
/m2のインクジェット記録用シート2用の支持体を製
造した。
【0049】<記録用シート3の作製>下記の支持体
に、熱可塑性有機高分子微粒子の水分散物であるポリオ
レフィン系ラテックス(ケミパールM200:三井化学
社製)25部(固形分)、ポリビニルピロリドン3.0
部からなる固形分約30%の塗工液をカーテンコータに
より乾燥塗工量25g/m2になるように塗工、乾燥し
て、インクジェット記録用シート3を作製した。
【0050】<紙支持体の作製>ダブルディスクリファ
イナーで320ml、csfまで叩解した広葉樹漂白ク
ラフトパルプを85重量%、及びダブルディスクリファ
イナーで430ml、csfまで叩解した針葉樹漂白ク
ラフトパルプを15重量%から成る混合パルプに対し、
カチオン化澱粉1.0重量%、アルキルケテンダイマー
サイズ剤0.1重量%、及び重質炭酸カルシウム填料を
12重量%添加して紙料スラリーを調製した。その紙料
スラリーから、長網抄紙機で紙匹を形成し、乾燥の途中
で酸化澱粉の5重量%溶液をサイズプレスし、最終的に
得られる基紙水分が絶乾水分で6重量%になるように乾
燥し、マシンカレンダー処理して、坪量80g/m2
インクジェット記録用シート3用の支持体を製造した。
【0051】<記録用シート4の作製>前記記録用シー
ト3の支持体に下記配合のインク受容層を10g/m2
塗工し、次いで前記記録用シート3と同じ塗工液を8g
/m2に成るようにその上に塗工、乾燥して、インクジ
ェット記録シート4を作製した。 <インク受容層配合> 合成非晶質シリカ(吸油量236ml/100g、平均粒子径 3.5μm) 100部 PVA(PVA117、クラレ製、10%水溶液) 200部 カチオン定着剤(SR1001、住友化学製、30%水溶液) 50部 水 450部
【0052】<インクジェット記録シートの型付け>上
記各インクジェット記録シートについて、直径200m
mのニップロールと直径4000mmの写真用絹目模様
の深さ100μmの彫刻を施した型付けロールを備えた
型付け機を使用し、プレスニップ圧80kg/cmで型
付け加工を行なって型付け加工が施されたインクジェッ
ト記録シート1、2、3、4を得た。
【0053】<インクジェット印画物の作成>上記の得
られた型付けインクジェット記録シート1〜4に、エプ
ソン社製インクジェットプリンター(PM-750C)を用
い、4原色のべた印字及び高精細な写真画像の記録を行
い、それぞれインクジェット印画物1、2、3、4を作
成した。
【0054】次いで得られたこれら印画物を、下記条件
で加熱溶融を行い、最終的なインクジェット印画物を作
成した。 インクジェット印画物1 インクジェット印画物1の印画面の上部20mmの所に
赤外線セラミックヒーターを設け、搬送速度を10mm/s
ec.で通過させて熱可塑性有機高分子微粒子を溶融させ
た。 インクジェット印画物2 インクジェット印画物2の印画面に、ヘアドライヤーの
熱風を当てて、熱可塑性有機高分子を溶融させた。 インクジェット印画物3 インクジェット印画物3の裏面を150℃に設定したア
イロンに接触させて、搬送速度を10mm/sec.で通過さ
せて熱可塑性有機高分子微粒子を溶融させた。 インクジェット印画物4 インクジェット印画物4の印画面を、電熱器の上であぶ
り、熱可塑性有機高分子微粒子を溶融させた。
【0055】以上のように作成した本発明のインクジェ
ット印画物は、表面に熱可塑性有機高分子微粒子の溶融
した皮膜が出来、耐水性に優れたものであった。また型
付け面が荒れたり、画像が歪むこともなく、型付け形状
がきれいに残され、美的感覚に優れた印画物であった。
【0054】
【発明の効果】本発明のインクジェット印画物は、表面
に耐水性の優れた皮膜が形成され、同時に表面に型付け
されたパターンが存在し、美的感覚に優れたインクジェ
ット印画物が得られる。又、本発明では熱可塑性有機高
分子微粒子含有層を加熱溶融する際、特別な装置が無く
ても出来るため、簡単に表面に型付け彫刻の施されたイ
ンクジェット印画物が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも片面に、熱可塑性有
    機高分子微粒子を含有する層を設けたインクジェット記
    録シートであって、該インクジェット記録シートの熱可
    塑性有機高分子微粒子を含有する層の表面に、エンボス
    による型付けをしたことを特徴とするインクジェット記
    録用シート。
  2. 【請求項2】 請求項1のインクジェット記録シートに
    インクジェット記録後、該熱可塑性有機高分子微粒子を
    溶解または融解して、該熱可塑性有機高分子微粒子が融
    着した層とするインクジェット印画物の作成方法。
  3. 【請求項3】 該熱可塑性有機高分子微粒子を溶解また
    は融解する方法が、該熱可塑性有機高分子微粒子を含有
    する層に非接触で加熱し、該熱可塑性有機高分子微粒子
    が融着した層とする請求項2に記載のインクジェット印
    画物の作成方法。
JP11012756A 1999-01-21 1999-01-21 型付けインクジェット記録シ―ト及びそれを使用した印画物の作成方法 Withdrawn JP2000211242A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11012756A JP2000211242A (ja) 1999-01-21 1999-01-21 型付けインクジェット記録シ―ト及びそれを使用した印画物の作成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11012756A JP2000211242A (ja) 1999-01-21 1999-01-21 型付けインクジェット記録シ―ト及びそれを使用した印画物の作成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000211242A true JP2000211242A (ja) 2000-08-02

Family

ID=11814261

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11012756A Withdrawn JP2000211242A (ja) 1999-01-21 1999-01-21 型付けインクジェット記録シ―ト及びそれを使用した印画物の作成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000211242A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6357871B1 (en) Ink jet recording medium, apparatus for preparing an ink jet printed product, and ink jet printed product
US6689432B2 (en) Ink jet recording material
JP3231245B2 (ja) 光沢層を有する記録媒体
JP2002274012A (ja) インクジェット記録シート
JP2000203008A (ja) インクジェット印画物作成装置及びそれで作成された型付けインクジェット印画物
JP2007118532A (ja) 昇華インク転写用インクジェット記録媒体及び転写記録方法
JP2001347750A (ja) インクジェット記録用紙
JP2000085242A (ja) インクジェット記録用紙
JP2000263955A (ja) 熱転写受像シートおよびその製造方法
JP3791030B2 (ja) インクジェット記録体の製造方法
JP2000211242A (ja) 型付けインクジェット記録シ―ト及びそれを使用した印画物の作成方法
JP3728062B2 (ja) インクジェット記録シート
JP2000263926A (ja) インクジェット記録用紙
JP2001277701A (ja) カットシート状インクジェット記録媒体
JP3617756B2 (ja) インクジェット記録シート
JP4068311B2 (ja) インクジェット記録シート及びその製造方法
JP2004074576A (ja) インクジェット記録シートの製造方法
JP4536080B2 (ja) インクジェット記録材料の製造方法
JP4034628B2 (ja) インクジェット記録材料の製造方法
JPH1134486A (ja) インクジェット記録用紙及びその製造方法
JP3832480B2 (ja) インクジェット記録用紙の製造方法
JP4048748B2 (ja) インクジェット記録体
JP2004322656A (ja) インクジェット記録用紙の製造方法
JP2004243641A (ja) インクジェット記録材料及びこれを用いたインクジェット画像形成方法
JP2004195795A (ja) インクジェット記録用紙およびインクジェット記録用紙の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20050413