JP2000211133A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2000211133A
JP2000211133A JP1712999A JP1712999A JP2000211133A JP 2000211133 A JP2000211133 A JP 2000211133A JP 1712999 A JP1712999 A JP 1712999A JP 1712999 A JP1712999 A JP 1712999A JP 2000211133 A JP2000211133 A JP 2000211133A
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JP
Japan
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ink
jet head
substrate
thin film
resistant film
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP1712999A
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English (en)
Inventor
Yuji Kayano
祐治 茅野
Yasushi Karasawa
康史 柄沢
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェットヘッド材質、特に振動板材質が
インクによって腐食される場合、インク接触面に耐イン
ク保護膜を形成することにより、材質、インク組成、ヘ
ッドの製造プロセスを大きく変更することなく、耐イン
ク性を向上させる。 【解決手段】インクジェットヘッドのインク流路に、ス
パッタリング法・真空蒸着法等によって、イリジウムと
スズを含む導電性酸化膜を積層して、耐インク性薄膜2
1を形成する。耐インク性薄膜21は、振動板11の表
面まで形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出し
て印字するためのインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、高画質化・
カラー化が進み、近年急速に普及している。その内、高
画質化については、まずインクジェットヘッドのノズル
密度の向上が果たした役割が非常に大きい。そのために
様々な研究・開発が行なわれ、微細加工の容易さ、加工
精度、プロセスなどの観点から、インクジェットヘッド
には、従来用いられてきた金属、プラスチックのほか
に、シリコン、ガラス、感光性ドライフィルム、セラミ
ックス等も使用されるようになっている。また、高画質
化、カラー化を実現するために、インクについても研究
・開発が行われている。記録紙に付着した時の浸透性や
発色性を最適化するために、また、長期間にわたる保存
性を高めるために、インクの成分および組成についても
研究・開発が行われており、その結果、隣り合った異な
る色のインクが混ざることなく、鮮やかな色で印刷する
ことができるようになっている。
【0003】このようにして、印字の高画質化・カラー
化が実現されてきたが、インクジェットヘッドの材質と
インク成分との組み合わせによっては、ヘッド材質がイ
ンクに溶解することが考えられる。その場合には、イン
クの成分および組成、或いはヘッドの材質を変更するの
が一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヘッド
の材質を変更して、インクに対して溶解しない材質を用
いた場合には、次のような問題点が指摘される。
【0005】まず、インクジェットヘッドの材質を変更
することは、加工精度、微細加工の容易さを犠牲にする
ことに繋がり、その結果、ノズル密度の低下、ひいては
印字品質の低下が引き起こされる。また、材質によって
はプロセスを大幅に変更する必要も出てくる。
【0006】更に、インクの成分および組成は、印字品
質を高めるため記録紙に対する浸透性、発色性が最適と
なるように、また長期間の保存性が良くなるように調整
されている。そのインクの成分および組成を変更するこ
とは、記録紙に対するインク浸透性や発色性、印字品
質、長期間の保存性といった単独又はいくつかのインク
特性低下を引き起こす原因になる。
【0007】本発明の目的は、インクによって腐食され
ないインクジェットヘッドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、ヘッドのインク流路内の少なくともインクに
接触する面(好適には、少なくともヘッドのインク流路
の一部を構成する振動板のインク接触面)に耐インク性
薄膜が形成されており、前記耐インク性薄膜がイリジウ
ムとスズの化合物からなることを特徴とする。また、そ
のイリジウムとスズの化合物が導電性酸化物であること
を特徴とする。
【0009】これらの耐インク性薄膜は、インクジェッ
ト記録装置に好適に用いられるインクに接触しても変化
がないことが確認されている。そのため上記構成によれ
ば、その薄膜が形成された部分についてはインクによる
浸食が避けられるという効果を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】本実施形態によるインクジェット
ヘッド10は静電方式の駆動方法が採用されており、図
1に示されるように、下記に詳述する構造を持つ3枚の
基板1,2,3を重ねて接合した積層構造となってい
る。上側の基板1は、例えばシリコン、ガラスまたはプ
ラスチックからなり、複数のノズル孔4(ピッチは70
μm程度、直径25μm程度)が穿設されており、ノズ
ルプレートを構成している。中間の基板2は、例えばシ
リコン単結晶基板から構成されており、ノズル孔4に連
通し、底壁を振動板5とする圧力室6を構成することに
なる凹部21と、凹部21の後部に設けられオリフィス
7を構成することになるインク流入のための細溝22
と、各々の圧力室6にインクを供給するための共通のリ
ザーバー8を構成することになる凹部23とを有する。
【0011】この中間の基板2は上側の基板1と接合さ
れることにより、圧力室6、オリフィス7およびリザー
バー8を構成しており、上側の基板1とともに流路ユニ
ットを構成する。そして、リザーバー8には接続パイ
プ、チューブ、インク供給口9等を介してインクタンク
からのインクが供給され、インクはリザーバー8および
圧力室6を満たしている。中間の基板2の下面(下側の
基板3が接合される面)には、絶縁膜が形成されてい
る。
【0012】中間の基板2の下面に接合される下側の基
板3は、例えばガラスまたはプラスチックからなり、下
側の基板3の表面に振動板5に対応する各々の位置に、
エアギャップ30と電極31が形成されている。電極3
1はリード部32および端子部33を持つ。各端子部3
3にはリード線がボンディングされる。
【0013】前記の基板1,2,3が接合されて組み立
てられ、さらに、中間の基板2と電極31の端子部33
との間にそれぞれ発振回路24を接続してインクジェッ
トヘッド10が構成される。
【0014】次に、図1のインクジェットヘッド10の
動作を説明する。電極31に発振回路24により、例え
ば0V〜+電圧のパルス電圧を印加し、電極31の表面
が+電位に帯電すると、対応する振動板5の下面は−電
位に帯電する。したがって、振動板5は静電気の吸引作
用により下方へ撓む。そして、振動板5が下方へ撓むこ
とにより、インクがリザーバー8よりオリフィス7を通
じて圧力室6内に補給される。次に、電極31をOFF
にすると、振動板5は復元する。したがって、圧力室6
内の圧力が急激に上昇し、ノズル孔4よりインク液滴が
記録紙に向けて吐出される。発振回路24には、上記の
ように0V〜+電圧間をON・OFFさせるものや交流
電源等が用いられる。記録にあたっては、それぞれのノ
ズル孔4の電極31に印加すべき電気パルスを制御すれ
ばよい。
【0015】次に、本実施形態の特徴である中間の基板
2について、図2を用いて更に詳細に説明する。図2
は、圧力室6となる凹部21で切断した中間の基板2の
断面図である。中間の基板2は、圧力室6を含めて、イ
ンクが流れる箇所(以下インク流路という。)、即ちオ
リフィス7及リザーバー8を形成している凹部21〜2
3の表面に、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプ
レーティング法およびCVD法のいずれかによってイリ
ジウムとスズの導電性酸化物(以下ITO)が耐インク
性薄膜25として形成されている。このときの各部の寸
法は、圧力室6(凹部21)の深さaが60μm、圧力
室6(凹部21)の幅bが50μm、圧力室隔壁26の
幅cが20μmである。中間の基板2の圧力室隔壁26
の上側の基板1が貼り付けられる面27はインクが直接
接触しないため、何らかの手段を用いて、その面27上
に耐インク性薄膜を形成しなくても、本実施形態の効果
は減じることはない。
【0016】耐インク性薄膜25の膜厚は、振動板5の
表面で1000オングストローム(図3の寸法d)とな
るように積層したが、その時の面27でのITO膜厚
(図3の寸法e)は、次の表1のように積層方法によっ
て異なったものになる。
【0017】
【表1】
【0018】なお、表1においては振動板5の表面で1
000オングストロームとしたときの上側の基板1(ノ
ズルプレート)に接する面27の膜厚を示しているが、
振動板5の表面の膜厚を測定することは難しく(図3に
示されるように窪んだ箇所の測定は難しい)、そして、
振動板5の表面の膜厚と面27の膜厚とは一義的な関係
があることから、振動板5の表面の膜厚を把握するため
に、表1に示される面27の膜厚の特性が利用される。
【0019】このようにして本実施例において、シリコ
ン製インク流路の表面に形成した耐インク性薄膜の耐イ
ンク性について評価した結果を、表2および表3に示
す。
【0020】このときの評価項目は、耐インク性薄膜の
膜厚変化量とピンホールおよび腐食の有無である。評価
方法は、耐インク性薄膜を形成したシリコン製インク流
路を、有機アミン含有顔料インクおよび1%KOH水溶
液に70℃で7日間浸漬して、耐インク性薄膜の膜厚変
化量を測定し、耐インク性薄膜のピンホールの有無、シ
リコン製インク流路の腐食の有無を確認した。比較のた
め、耐インク性薄膜を形成しないシリコン製インク流路
もインクに浸漬して、外観の変化を確認した。浸漬試験
をする時には、振動板5の電極基板側の面(裏側)が直
接インク、KOH水溶液に触れないようにした。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】薄膜材質がITOの場合には、インク浸漬
の前後で、耐インク性薄膜の膜厚はどの場合も変化が見
られなかった。また、インク浸漬後に金属顕微鏡、電子
顕微鏡などでピンホールの有無を確認したが、一つも観
察されなかった。さらに、耐インク性薄膜を除去した
後、金属顕微鏡、電子顕微鏡などで振動板において腐食
された所がないか確認したが、一つも観察されなかっ
た。
【0024】これに対し、耐インク薄膜が無いシリコン
製インク流路の場合(SiO、SiN)は、インクお
よびKOHどちらに浸漬しても材質が腐食されてしまっ
ており、SiOまたはSiNの薄膜は、浸漬後ほとん
ど残っていなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例のインクジェットヘッドの組立斜視
図。
【図2】 本実施例の2枚目の基板の断面図。
【符号の説明】 1 上側の基板 2 中間の基板 3 下側の基板 4 ノズル孔 5 振動板 6 圧力室 7 オリフィス 8 リザーバー 10 インクジェットヘッド 21、22、23 圧力室、オリフィス、リザーバーと
なる凹部 24 発振回路 25 耐インク性薄膜 30 エアギャップ 31 電極 32 リード部 33 端子部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットヘッドのインク流路内
    の、少なくともインクに接触する面に、耐インク性薄膜
    が形成されているインクジェットヘッドであって、前記
    耐インク性薄膜がイリジウムとスズの化合物からなるこ
    とを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記イリジウムとスズの化合物が導電性
    酸化物であることを特徴とする請求項1記載のインクジ
    ェットヘッド。
JP1712999A 1999-01-26 1999-01-26 インクジェットヘッド Withdrawn JP2000211133A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002210961A (ja) * 2001-01-12 2002-07-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 流体噴射装置及びその製造方法
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CN102152632A (zh) * 2009-11-06 2011-08-17 富士胶片株式会社 流体喷射器上的热氧化物涂层

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Effective date: 20060404