JP2015020374A - 液体噴射ヘッド、液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電気による悪影響を低減した液体噴射ヘッドの提供を目的とする。
【解決手段】液体を噴射する複数のノズルが形成された、導電性のノズルプレートと、前記ノズルプレートの一方の面に固定され、前記ノズルと繋がる流路を備える流路部材と、前記ノズルプレートの前記流路部材が固定される面と反対の面に形成され、前記ノズルプレートを被膜する撥水性の保護膜と、前記ノズルプレートと電気的に接続されたグランド回路と、を有し、前記保護膜には、前記ノズルプレートを露出させた導通部を有する。
【選択図】図4
【解決手段】液体を噴射する複数のノズルが形成された、導電性のノズルプレートと、前記ノズルプレートの一方の面に固定され、前記ノズルと繋がる流路を備える流路部材と、前記ノズルプレートの前記流路部材が固定される面と反対の面に形成され、前記ノズルプレートを被膜する撥水性の保護膜と、前記ノズルプレートと電気的に接続されたグランド回路と、を有し、前記保護膜には、前記ノズルプレートを露出させた導通部を有する。
【選択図】図4
Description
本発明は、液体を噴射するノズルを備える液体噴射ヘッド、及び液体噴射装置に関する。
従来、液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドが知られている。液体噴射ヘッドは、複数のノズルが形成されたノズルプレートと、このノズルプレートの各ノズルと繋がる流路を備える流路部材とを有している。そのため、流路部材の流路を流れる液体は、ノズルプレートのノズルから噴射されて、被噴射媒体に着弾する。
また、ノズルプレートと被噴射媒体との間に静電気が発生する場合がある。静電気の電荷がある程度の値を有するようになると、この静電気が液体噴射ヘッドに害を及ぼすため、静電気を帯電させることは望ましくない。そのため、本体部の流路の壁面を金属でメッキしてメッキ層を形成し、このメッキ層をグランド接続したものが開示されている。このような構成とすることで、ノズルプレートは液体及びメッキ層を介して常に接地しているため、帯電を抑制することができる(例えば、特許文献1参照。)。
ノズルから噴射される液体がノズルプレートに付着することがある。そのため、ノズルプレートの表面を撥水性の保護膜で覆うことで、ノズルプレートに液体を付き難くすることができる。しかし、ノズルプレートの表面を保護膜で覆うと、ノズルプレートが絶縁されてしまうため、静電気の帯電を助長する。また、特許文献のように流路の内壁にメッキ層を形成する場合、製造工程が複雑化し、液体噴射ヘッドを製造するコストが高くなる。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、静電気による悪影響を低減した液体噴射ヘッドの提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様では、液体を噴射する複数のノズルが形成された、導電性のノズルプレートと、前記ノズルプレートの一方の面に固定され、前記ノズルと繋がる流路を備える流路部材と、前記ノズルプレートの前記流路部材が固定される面と反対の面に形成され、前記ノズルプレートを被膜する撥水性の保護膜と、前記ノズルプレートと電気的に接続されたグランド回路と、を有し、前記保護膜は、前記ノズルプレートを露出させた導通部を有する。
上記のように構成された発明では、液体がノズルプレートに付着しても、撥水性の保護膜によりノズルプレートを保護することができる。また、ノズルプレートはグランド回路に電気的に接続されているため、保護膜に形成された導通部を経由して静電気をグランド回路に流すことができる。
ここで、保護膜は、フッ素系高分子を含む金属膜や樹脂膜、撥液性を有する金属アルコキシドの分子膜等を採用することができる。
ここで、保護膜は、フッ素系高分子を含む金属膜や樹脂膜、撥液性を有する金属アルコキシドの分子膜等を採用することができる。
また、前記導通部は、ノズルプレートの両端に形成されていてもよい。
ノズルプレートが傾くと、ノズルプレートの端と基準面との距離が、傾き方向に応じて変化する。そのため、上記のように構成された発明では、各導通部の導通状態を比較することで、ノズルプレートの傾きを検出することができる。
ノズルプレートが傾くと、ノズルプレートの端と基準面との距離が、傾き方向に応じて変化する。そのため、上記のように構成された発明では、各導通部の導通状態を比較することで、ノズルプレートの傾きを検出することができる。
そして、前記導通部は、ノズルプレートの中央部に形成されていてもよい。
ノズルプレートが下側が凸となるよう撓むと、基準面とノズルプレートとの距離が狭くなる。そのため、上記のように構成された発明では、中央部に位置する導通部の導通状態をもとに、ノズルプレートの撓みを検出することができる。
ノズルプレートが下側が凸となるよう撓むと、基準面とノズルプレートとの距離が狭くなる。そのため、上記のように構成された発明では、中央部に位置する導通部の導通状態をもとに、ノズルプレートの撓みを検出することができる。
さらに、本発明は、液体噴射ヘッドとして捉えるのみならず、この液体噴射ヘッドを一部に含む液体噴射装置の発明としても捉えることができる。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
1.液体噴射ヘッドの構成:
2.液体噴射装置の構成:
3.PG調整:
4.その他の実施形態:
1.液体噴射ヘッドの構成:
2.液体噴射装置の構成:
3.PG調整:
4.その他の実施形態:
1.液体噴射ヘッドの構成:
図1は、液体噴射ヘッドの一例を示す分解斜視図であり、図2は、その組立斜視図である。この第1の実施形態では、液体噴射ヘッド1は、後述する液体噴射装置に搭載され、液体を噴射する。
図1は、液体噴射ヘッドの一例を示す分解斜視図であり、図2は、その組立斜視図である。この第1の実施形態では、液体噴射ヘッド1は、後述する液体噴射装置に搭載され、液体を噴射する。
図1及び図2に示すように、液体噴射ヘッド1は、ホルダヘッド10と、ヘッド部材20と、ヘッド部材20のノズル面に接合されてヘッド部材20が位置決め固定される固定板(固定部材)50とを有する。また、ヘッド部材20は、ノズルプレート30と、流路部材21とを有する。
ホルダヘッド10は、インクカートリッジ(図示なし)がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部11を有する。またカートリッジ装着部11には、インクカートリッジに挿入されるインク供給針12が形成されている。なお、図示しないが、これらのインク供給針12には、各ヘッド部材20にインクを供給するためのインク導入路が設けられている。ホルダヘッド10は、例えば、樹脂材料で形成される。
ホルダヘッド10の下方には、固定板50が固定されている。固定板50には、第2方向D2を長手方向とする矩形状の開口部51が4つ形成されている。各開口部51は、第2方向D2と交差する第1方向D1に併設するよう固定板50に形成されている。また固定板50の周縁部には、ヘッド部材20の高さ(第3方向D3での高さ)と同程度の高さの側壁部52が形成されている。即ち、固定板50は、一方面側が開口する略箱形に形成され、側壁部52によって画成される凹部53を有する。
ホルダヘッド10と、固定板50との間には、第1方向D1で所定間隔で位置決めされた複数(本実施形態では、4個)のヘッド部材20が固定されている。具体的には、ヘッド部材20は、ノズル31が形成されたノズルプレート30を固定板50の凹部53の底面で位置決めして固定されている。各ヘッド部材20は、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの各色のインクに対応してそれぞれ設けられている。なお、液体噴射ヘッド1が使用するインクを、上記した4色とすることは一例に過ぎない。また、各ヘッド部材20は、固定板50に接着固定されることにより互いに位置決めされた状態で、ホルダヘッド10の内部に固定されている。
この第1の実施形態では、固定板50は、導電性部材で構成されている。一例として、固定板50は、ステンレス鋼(SUS:Steel Use Stainless)、酸化アルミニウム(Al2O3)、又は銅(Au)等のいずれかで構成されている。無論、固定板50を構成する部材は、導電性であればどの様なものであってもよい。また、固定板50のヘッド部材20が固定されない側の表面には、撥水性の保護膜が製膜されていてもよい。
図3は、液体噴射ヘッドの要部を示す断面図である。図4は、ノズルプレートを説明する図である。
図3に示すように、ヘッド部材20は、流路部材21と、ノズルプレート30と、ヘッドケース22と、を主に備える。また、流路部材21は、第1〜第3の基板24〜26を積層して構成されている。
第1の基板24には、圧力発生室23と、第1リザーバー部28と、インク供給路29とが、形成されている。例えば、第1の基板24には、複数の圧力発生室23が、第2方向D2に併設している。また、圧力発生室23の長手方向の辺の外側には、各圧力発生室23と繋がる第1リザーバー部28が位置している。この第1のリザーバー部28は、各圧力発生室23の共通のインク室となるリザーバー27の一部を構成する。そして、インク供給路29は、第1のリザーバー部28と各圧力発生室23とをそれぞれ繋ぐ流路である。
第1の基板24の上方には、圧力発生素子36が形成されている。圧力発生素子36は、第1の基板24の各圧力発生室23に対応する位置にそれぞれ形成されている。本実施形態では、圧力発生素子36は、ユニモルフ型の圧電素子により構成されている。この圧力発生素子36では、共通電極と、個別電極と、共通電極と個別電極との間に位置する圧電体とを備える。共通電極は、複数の圧力発生素子36で共有されている。また、圧電体と個別電極とは、圧力発生室23毎にそれぞれ形成されている。共通電極や個別電極は、金(Au)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)等の導電物質により構成されている。また、圧電体は例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)といった誘電体により構成されている。
そして、各圧力発生素子36の電極には、リード電極37が接続されており、このリード電極37を介して圧力発生素子36に選択的に電圧が印加されるようなっている。
そして、各圧力発生素子36の電極には、リード電極37が接続されており、このリード電極37を介して圧力発生素子36に選択的に電圧が印加されるようなっている。
圧力発生素子36は、ユニモルフ型の圧電素子以外にも、少なくとも2個以上の圧電素子を積層したバイモルフ型や、複数の圧電素子を積層した連続型であってもよい。これ以外にも、圧力発生素子36は、発熱素子等であってもよい。
第2の基板25は、第1の基板24の上面で接合されている。第2の基板25は、各圧力発生素子36を収容する凹部である圧電素子保持部38が形成されている。また第2の基板25には、第1の基板24の各第1のリザーバー部28のそれぞれに連通する第2のリザーバー部39が形成されている。
第3の基板26は、第2の基板25の上面で接合されている。第3の基板26は、各第2のリザーバー部39のそれぞれに連通する第3のリザーバー部40が形成されている。第3のリザーバー部40は、第2の基板25に設けられた圧電素子保持部38に対向する部分まで連続的に形成されており、比較的大容量のインクを貯留可能に形成されている。そのため、リザーバー27は、第1〜第3のリザーバー部28、39,40により構成されている。
第1〜第3の基板24〜26は、例えば、シリコン単結晶基板により構成されている。また、圧力発生室23や、第1〜第3のリザーバー部28,39,40等は、これら第1〜第3の基板24〜26を異方性エッチングすることによって形成されている。これ以外にも、第1〜第3の基板24〜26を、部分安定化ジルコニアや安定化ジルコニアを用いたセラミックスにより構成してもよい。
さらに、流路部材21が、第1〜第3の基板24〜26で構成されることは一例であり、これ以外の基板を用いて構成されるものであってもよい。
さらに、流路部材21が、第1〜第3の基板24〜26で構成されることは一例であり、これ以外の基板を用いて構成されるものであってもよい。
第1の基板24の下面側にはノズルプレート30が接合されている。ノズルプレート30は、同ノズルプレート30を貫通して形成された複数のノズル31を有する。各ノズル31は、第1の基板24の圧力発生室23の位置に応じて形成されている。また、ノズルプレート30は、導電性の材料で形成されている。例えば、ノズルプレート30は、ステンレス鋼(SUS)、酸化アルミニウム(Al2O3)、銅(Au)のいずれかの材質で構成されている。また、ノズルプレート30の流路部材21が固定される面と反対の面には、保護膜32が形成されている。
図4(a)は、ノズルプレート30を下面側の流路部材21が固定される面と反対の面(以下、第1面30aとも記載する。)から見た図である。また、図4(b)は、図4(a)のA−A’線における断面図である。また、図4(c)は、図4(a)のB−B’線における断面図である。
保護膜32は、ノズル31の位置に対応する32f、32g、及び、後述する導通部32a〜32eを除いて、第1面30a全体に形成されている。保護膜32は撥水性であり、この第1面30aにインクが付着することを抑制する機能を有する。また、この保護膜32は絶縁性であるため、ノズルプレート30の保護膜32で覆われた部位は電流を流さない。保護膜32は、液体に対して撥水性を有するものであれば特に限定されず、例えば、フッ素系高分子を含む金属膜や樹脂膜、撥液性を有する金属アルコキシドの分子膜などを用いることができる。
図4(a)(b)に示すように、保護膜32のノズルプレート30の4隅に対向する位置には、導通部32a〜32dが形成されている。また、図4(a)(c)に示すように、保護膜32のノズルプレート30の中央部に対向する位置には、導通部32eが形成されている。即ち、この導通部32a〜32eにおいては、ノズルプレート30の表面が露出しており、導電性を有することになる。
導通部32a〜32eの形成方法としては、ノズルプレート30に保護膜32を製膜した後、該当する部位の保護膜32を除去するものであってもよい。これ以外にも、保護膜32を製膜する工程で、周知のパターニングにより導通部32a〜32eを形成してもよい。
導通部32a〜32eの形成方法としては、ノズルプレート30に保護膜32を製膜した後、該当する部位の保護膜32を除去するものであってもよい。これ以外にも、保護膜32を製膜する工程で、周知のパターニングにより導通部32a〜32eを形成してもよい。
図3に戻り、第2及び第3の基板25,26の中央部には、これら第2及び第3の基板25,26を厚さ方向に貫通して形成された貫通部46が設けられている。貫通部46の内部には、リード電極37の圧力発生素子36と接続されていない側の一端が位置している。そして、リード電極37の端部は、貫通部46内で、図示しない外部配線に接続されている。この外部配線には駆動ICが実装されており、各圧力発生素子36は、リード電極37を通じて、駆動ICからの信号の供給を受ける。
また、ノズルプレート30を固定する固定板50は、ヘッド部材20のグランドとしても機能する。固定板50は導電性部材で構成されており、GNDに接地されることで、GND電位となっている(図3)。そして、ノズルプレート30は、保護膜32が形成されない位置において、固定板50と電気的に接続されることで固定板50と同電位(GND電位)になっている。例えば、ノズルプレート30は、保護膜32が形成されていない位置において、導電性のペースト(図示しない)を用いて固定板50に電気的に接続されている。そのため、本実施形態では、固定板50とグランドとで本発明のグランド回路を構成している。
また、流路部材21の上には、ヘッドケース22が接合されている。ヘッドケース22には、インクカートリッジ等のインク貯留手段からのインクをリザーバー27に供給するインク導入路47が形成されている。また、ヘッドケース22には、貫通部46に連通する配線保持孔48が形成されている。上述した外部配線はこの配線保持孔48内に挿通された状態でリード電極37と接続されている。例えば、ヘッドケース22は、樹脂材料等の絶縁材料により構成されている。
以上説明したように、液体がノズルプレート30に付着しても、撥水性の保護膜32によりノズルプレート30を保護することができる。また、ノズルプレート30はグランド回路(固定板50)に電気的に接続されているため、保護膜に形成された導通部を経由して静電気をグランド回路に流すことができる。そのため、ノズルプレート30に静電気に起因する放電が発生した場合でも、その放電電流はノズルプレート30から固定板50を経由してGNDに流れる。そのため、静電気により液体噴射ヘッド1を損傷させたり、駆動IC等の電子部品を破損させるという不都合を未然に防止し得る。
2.液体噴射装置の構成:
次に、本実施形態に係る液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置の一例を説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の概略斜視図である。
次に、本実施形態に係る液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置の一例を説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の概略斜視図である。
本実施形態の液体噴射装置は、例えば、インクジェット式記録装置60であり、図5に示すように、液体噴射ヘッド1は、インク供給手段を構成するインクカートリッジ2が着脱可能に設けられ、この液体噴射ヘッド1を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、液体噴射ヘッド1が搭載されたキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿って被噴射媒体を支持するプラテン8が設けられている。そのため、インクジェット式記録装置では、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の被噴射媒体Sがプラテン8上を搬送されるようになっている。
3.PG調整:
上述したインクジェット式記録装置60において、液体噴射ヘッド1と、被噴射媒体Sとの相対的な位置関係が適切でないと、ノズル31から噴射される液体が正しく被噴射媒体Sに着弾しない。そのため、液体噴射ヘッド1をインクジェット式記録装置60に組み付ける際、作業者は、ノズルプレート30とプラテン8との相対的な傾きを検出し、この検出結果に応じてプラテン8の傾きを調整する。以下、このような作業者が行う調整をPG(Paper Gap)調整とも記載する。このPG調整において、ノズルプレート30の導通部32a〜32eが使用される。
上述したインクジェット式記録装置60において、液体噴射ヘッド1と、被噴射媒体Sとの相対的な位置関係が適切でないと、ノズル31から噴射される液体が正しく被噴射媒体Sに着弾しない。そのため、液体噴射ヘッド1をインクジェット式記録装置60に組み付ける際、作業者は、ノズルプレート30とプラテン8との相対的な傾きを検出し、この検出結果に応じてプラテン8の傾きを調整する。以下、このような作業者が行う調整をPG(Paper Gap)調整とも記載する。このPG調整において、ノズルプレート30の導通部32a〜32eが使用される。
図6は、PG調整の原理を説明する図である。また、図7は、検出装置100の構成を説明する回路図である。PG調整の原理として、まず、検出装置100の接点端子102、103をノズルプレート30とプラテン8とにそれぞれ繋ぎ、ノズルプレート30とプラテン8との間が開放したオープン回路(等価回路)を形成する。
次に、ノズルプレート30のいずれかの導通部32a〜32eとプラテン8との間の隙間に、隙間端子101を挿入する。隙間端子101は、プラテン8からノズルプレート30の導通部32a〜32eまでの距離に応じた長さを備える。隙間端子101が導通部32a〜32eとプラテン8とに接触しない場合、検出装置100に電流が流れない。このような場合は、ノズルプレート30とプラテン8との相対的な位置関係は正常である。一方、隙間端子101の両端101a、101bが、ノズルプレート30のいずれかの導通部32a〜32eとプラテン8とに接触すると、検出装置100の接点端子102、103が導通し、電流が流れる。このような場合、ノズルプレート30とプラテン8との相対的な位置関係は異常である。
ノズルプレート30とプラテン8との相対的な位置関係が異常となるのは、液体噴射ヘッド1がプラテン8に対して傾いて固定されている場合である。このような場合、作業者はプラテン8の位置を調整することで、液体噴射ヘッド1とプラテン8との相対的な位置関係を調整する。
次に、ノズルプレート30のいずれかの導通部32a〜32eとプラテン8との間の隙間に、隙間端子101を挿入する。隙間端子101は、プラテン8からノズルプレート30の導通部32a〜32eまでの距離に応じた長さを備える。隙間端子101が導通部32a〜32eとプラテン8とに接触しない場合、検出装置100に電流が流れない。このような場合は、ノズルプレート30とプラテン8との相対的な位置関係は正常である。一方、隙間端子101の両端101a、101bが、ノズルプレート30のいずれかの導通部32a〜32eとプラテン8とに接触すると、検出装置100の接点端子102、103が導通し、電流が流れる。このような場合、ノズルプレート30とプラテン8との相対的な位置関係は異常である。
ノズルプレート30とプラテン8との相対的な位置関係が異常となるのは、液体噴射ヘッド1がプラテン8に対して傾いて固定されている場合である。このような場合、作業者はプラテン8の位置を調整することで、液体噴射ヘッド1とプラテン8との相対的な位置関係を調整する。
図7に示す、検出装置100は、接点端子102に抵抗108を介してベース接続され、端子103に電源106を介してエミッター接続されたトランジスタ104を有する。また、トランジスタ104のコレクターは、抵抗105を通じて警告音を出力するブザー回路107に接続されている。また、ブザー回路107の抵抗105と接続されない側の端は、電源106を通じて、トランジスタ104とエミッター接続されている。そのため、検出装置100では、接点端子102、103の間を、隙間端子101により導通させることで、トランジスタ104がオンし、ブザー回路107を動作させる。
図6(a)(b)は、液体噴射ヘッド1の第1方向D1での相対的な傾きを調整するPG調整の一例を示している。このPG調整では、固定板50に固定された4つのヘッド部材20a〜20dの内、第1方向D1において両端に位置するヘッド部材20a、20dを用いて調整を行う。
例えば、図6(a)に示すように、液体噴射ヘッド1の第1方向D1での傾きが所定範囲以内であれば、ノズルプレート30のいずれの位置(32a〜32d)においても隙間dは一定となる。そのため、隙間端子101をノズルプレート30とプラテン8との隙間dに挿入しても、接点端子102、103間は導通せず、検出装置100は警告音を出力しない。
例えば、図6(a)に示すように、液体噴射ヘッド1の第1方向D1での傾きが所定範囲以内であれば、ノズルプレート30のいずれの位置(32a〜32d)においても隙間dは一定となる。そのため、隙間端子101をノズルプレート30とプラテン8との隙間dに挿入しても、接点端子102、103間は導通せず、検出装置100は警告音を出力しない。
一方、図6(b)では、液体噴射ヘッド1が傾いて固定されており、ヘッド部材20aとプラテン8との隙間d1がヘッド部材20dとプラテン8との隙間d2に比べて狭くなっている。このような状態でヘッド部材20aの導通部32aとプラテン8との間に隙間端子101を挿入すると、接点端子102、103間は導通し、検出装置100は警告音を出力する。一方、ヘッド部材20dとプラテン8との間に隙間端子101を挿入しても、接点端子102、103間は導通しない。その結果、利用者は、液体噴射ヘッド1が、ヘッド部材20a側が下となるよう傾いていると判断することができる。このような場合、作業者はプラテン8を傾けることで、液体噴射ヘッド1とプラテン8との相対的な位置関係を調整する。
なお、説明を省略するが、任意のヘッド部材20において、第2方向D2に並ぶ導通部を用いることで、液体噴射ヘッド1の第2方向D2での傾きを調整することができる。
なお、説明を省略するが、任意のヘッド部材20において、第2方向D2に並ぶ導通部を用いることで、液体噴射ヘッド1の第2方向D2での傾きを調整することができる。
上述した図6(a)(b)とは別に、ノズルプレート30の導通部32eをもとに、ヘッド部材20aの単体での位置関係を判断することができる。即ち、図6(c)に示すように、任意のヘッド部材20において、ノズルプレート30が下側で凸となるよう撓んでいる場合、隙間端子101を導通部32eとプラテン8の隙間に挿入すると、隙間端子101の両端101a、101bが、導通部32aとプラテン8とにそれぞれ接続する。その結果、検出装置100は警告音を出力し、利用者は任意のヘッド部材20においてノズルプレート30が下に凸となるよう撓んでいると判断することができる。このような場合、作業者は、液体噴射ヘッド1を不良品として判断することができる。
なお、上述したPG調整の手法は一例に過ぎず、導通部32a〜32eを用いた検査手法はどの様なものであってもよい。
なお、上述したPG調整の手法は一例に過ぎず、導通部32a〜32eを用いた検査手法はどの様なものであってもよい。
4.その他の実施形態:
また上述の実施形態では、インク滴を噴射するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置を例示して本発明を説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及びそれを具備する液体噴射装置全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
また上述の実施形態では、インク滴を噴射するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置を例示して本発明を説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及びそれを具備する液体噴射装置全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。
即ち、上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用してもよい。
公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用してもよい。
公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用してもよい。
即ち、上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用してもよい。
公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用してもよい。
公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用してもよい。
1…液体噴射ヘッド、2…インクカートリッジ、3…キャリッジ、4…装置本体、5…キャリッジ軸、6…駆動モーター、7…タイミングベルト、8…プラテン、10…ホルダヘッド、11…カートリッジ装着部、12…インク供給針、20…ヘッド部材、20a…ヘッド部材、21…流路部材、22…ヘッドケース、23…圧力発生室、24…第1の基板、25…第2の基板、26…第3の基板、27…リザーバー、28…第1リザーバー部、29…インク供給路、30…ノズルプレート、31…ノズル、32…保護膜、32a〜32e…導通部、36…圧力発生素子、37…リード電極、38…圧電素子保持部、39…第2のリザーバー部、40…第3のリザーバー部、46…貫通部、47…インク導入路、48…配線保持孔、50…固定板、51…開口部、52…側壁部、53…凹部、60…インクジェット式記録装置、100…検出装置
Claims (4)
- 液体を噴射する複数のノズルが形成されたノズルプレートと、
前記ノズルプレートの一方の面に固定され、前記ノズルと繋がる流路を備える流路部材と、
前記ノズルプレートの前記流路部材が固定される面と反対の面に形成され、前記ノズルプレートを被膜する撥水性の保護膜と、
前記ノズルプレートと電気的に接続されたグランド回路と、を有し、
前記保護膜は、前記ノズルプレートを露出させた導通部を有する、ことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 前記導通部は、ノズルプレートの両端に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記導通部は、前記ノズルプレートの中央部に形成されている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
- 前記請求項1に記載の液体噴射ヘッドと、
被噴射媒体を支持するプラテンと、
前記保護膜を前記プラテンと対向するよう前記液体噴射ヘッドを固定する固定部材と、を有することを特徴とする液体噴射装置。
Priority Applications (1)
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JP2013151385A JP2015020374A (ja) | 2013-07-22 | 2013-07-22 | 液体噴射ヘッド、液体噴射装置 |
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JP2013151385A JP2015020374A (ja) | 2013-07-22 | 2013-07-22 | 液体噴射ヘッド、液体噴射装置 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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Cited By (1)
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JP2018176717A (ja) * | 2017-04-13 | 2018-11-15 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置 |
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2013
- 2013-07-22 JP JP2013151385A patent/JP2015020374A/ja active Pending
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JP7006308B2 (ja) | 2017-04-13 | 2022-01-24 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 |
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