JP2000210571A - チタニア系光触媒 - Google Patents

チタニア系光触媒

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JP2000210571A
JP2000210571A JP11056047A JP5604799A JP2000210571A JP 2000210571 A JP2000210571 A JP 2000210571A JP 11056047 A JP11056047 A JP 11056047A JP 5604799 A JP5604799 A JP 5604799A JP 2000210571 A JP2000210571 A JP 2000210571A
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JP
Japan
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sulfur
sulfur compound
water
acid
baking
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JP11056047A
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English (en)
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Suzuko Yamazaki
鈴子 山崎
Seiichiro Miyata
征一郎 宮田
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ZAIKEN KK
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ZAIKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高硬度、高機能、かつ低い温度で焼成できる
チタニア系の光触媒にかかわる。 【解決方法】 チタンアルコキシドに硫黄化合物を加え
てゲル化、焼成したものであって、該焼成体に硫黄成分
を残留せしめてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタニア系の光触媒に
かかわるものである。
【0002】
【従来の技術】チタニア(二酸化チタン)を使った光触
媒は、抗菌、除菌あるいはガス、水、の浄化、有機溶剤
の分解等に広く利用されている。通常薄膜を被覆する形
で、あるいはタイル等に加工して利用されているが、薄
膜は薄くてはがれる問題がある。またタイル等のバルク
体にしたものは、バインダーを加えて高温で焼成する必
要があり、このバインダーの添加で触媒機能が低下する
問題がある。また高温で焼成する点も大きな欠点であ
る。
【0003】
【発明が解決する課題】本発明は、かかる問題点に鑑み
てなされたもので、その目的とするところは、バインダ
ーを添加する事なく、低い温度で焼成するだけで硬くて
高強度で高い触媒活性を有する新しいチタニア系光触媒
を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記問題に関
して鋭意研究を行った結果、次の知見を得た。すなわ
ち、 1.チタンアルコキシドに硫黄化合物を加えてゲル化、
焼成し、該焼成体に硫黄成分を残留させたものは、高硬
度で高い触媒活性を有することがわかった。また、 2.上記硫黄化合物には水溶性硫黄化合物が好ましく、
硫酸、チオ硫酸、亜硫酸等の無機の酸類や、あるいはベ
ンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トル
エンスルホン酸、エタンスルホン酸等の鎖式および芳香
族の各種有機スルホン酸等々が好適に使用できること。
そして 3.上記焼成温度は100〜600℃の温度範囲が好ま
しいこと。 以上の知見を得た。本発明は以上の知見を元になされた
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明はチタンアルコキシドを出
発原料とし、該原料に硫黄化合物を加えてゲル化、焼成
したものである。焼成体の強度は、100℃程度のむし
ろ乾燥の範疇にいるような低い温度から実用的な高い硬
度が発現されるようになる。以後高い温度に至るまで実
用的な硬度は保持されるが、とくに硬度の高くなる温度
は、200〜300℃の範囲と、700℃を越える温度
範囲である。チタニアは、通常、温度によって結晶型が
変化する。すなわち概ね600℃以下ではアナターゼ型
が安定で、600℃を越えるとルチル型に変化する。ア
ナターゼ型は触媒活性が高い反面、自己焼結性に劣り、
高硬度の焼結体は得難い欠点がある。一方ルチル型は、
自己焼結性にすぐれ、高硬度の焼結体が得られる反面、
触媒活性は低下する欠点がある。したがって実用的な硬
度を持つ従来の焼結体は殆どルチル型で触媒活性は劣っ
ている。本発明の最大の特徴は、高い触媒活性を有する
アナターゼ型であってなおかつ自己焼結性に優れ、実用
的な高い硬度を有していることである。上記したよう
に、100℃程度のむしろ乾燥の範疇にいるような低い
温度から実用的な高い硬度が発現されるようになり、6
00℃まで保持される。ここに本発明の最大の特徴があ
る。硫黄は、従来、触媒毒といわれているが、これが焼
成体に残留することによって低温焼結性が発現しアナタ
ーゼ型の硬い焼結体が得られるのである。
【0006】焼成体中の硫黄成分量は焼成温度によって
変化する。概ね300℃以上の温度になると温度上昇と
共に残留量は減少するが、600℃までは焼結体に残存
し、700℃を越えると消滅する。アナターゼ型安定域
で硫黄は残留し、自己焼結性の改善に寄与するのであ
る。したがって焼成温度は100〜600℃の範囲が好
ましい。
【0007】硫黄化合物は硬いチタニアを作製するのに
必須の成分である。本発明に適用できる硫黄化合物とし
ては水溶性硫黄化合物が好ましく、すべての水溶性硫黄
化合物が適用できる。たとえば、硫酸、チオ硫酸、亜硫
酸等の無機の酸類や、あるいはベンゼンスルホン酸、ド
デシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エタ
ンスルホン酸等の鎖式および芳香族の各種有機スルホン
酸等々が好適に使用できる。添加量は、モル比で、チタ
ン1に対して、硫黄0.5以下の範囲が一応の目安であ
る。
【0008】チタンアルコキシドとしてはあらゆる種類
のものが使用できる。たとえば、チタンテトライソプロ
ポキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラブト
キシド等々や、あるいはチタンアルコキシドを生成する
前駆体の様な材料も好適に利用できる。
【0009】アルコキシドの加水分解に酸は必須の成分
であり、本発明でも酸の添加は必須であり、塩酸、硝
酸、硫酸、有機酸等の各種の酸の添加が必要であるが、
本発明では上記した水溶性硫黄化合物として硫黄を含む
酸を使用することによって、これを加水分解用の酸とし
ても代用できる。たとえばスルホン酸を使用して、硫黄
の供給源としての水溶性硫黄化合物として、そしてアル
コキシドの加水分解用の酸として、この両方に共用する
ことができる。
【0010】本発明の光触媒は、タイル、板、パイプ、
ハニカム形状、多孔質構造等、任意の形状に成形して利
用できる。また粉、粒状にして気体、液体中に分散、懸
濁させて利用できる。また多孔体の表面に含浸、塗着し
て利用できる。また低温で高い結合力を有するので従来
使用されている低温での焼結が困難な光触媒の粉末のバ
インダーあるいはその他のセラミック粉末とのバインダ
ーとしても有効である。例えば従来のDegussaの
粉末のバインダーとして好適に使用できる。あるいは種
類の違う他の触媒粉末と混合、焼結して多機能の触媒機
能を持つ材料を作製できる。本発明の光触媒は厚くなる
ほど光の透過性が劣ってくる。この欠点を改善するため
には、透光性のガラス粉末と混合して焼結すると深部ま
で光が到達する。具体的な例としては、パイプ内部に発
光源を配置したガラスパイプの外表面に、透光性のガラ
ス粉末と混合して焼結した本発明の光触媒の層を塗着す
ると、ガラス管内部の光は塗着した光触媒層の中を通っ
て表面まで到達する様になり、表面で光触媒反応を起こ
させることができる。あるいは透光性のガラス粉末と混
合して多孔体を形成して、深部の孔の内部まで光が侵入
できる多孔質の光触媒を形成できる。用途は、除菌、殺
菌、ガス、廃液の浄化、有機溶剤の分解、PCBの分
解、ダイオキシンの分解、溶液中の有価金属成分の回収
等に有効に利用できる。本発明の光触媒を部材に塗着す
るとき、剥離の問題がある。剥離しない構造として、部
材に金属、セラミックを溶射して、溶射被膜の孔に含浸
塗着させるとよい。また金属、セラミックの不織布、織
布の片面に含浸させ、片面を部材に接着するようにする
とよい。
【0011】
【実施例】実施例1(エチレンの分解) 光触媒の作製 濃硫酸2.6mlを含む水540mlをマグネチック・
スターラーを用いて激しく撹拌しながら、ここにチタン
テトライソプロポキシド45mlをゆっくり添加し、得
られた乳白色の溶液をこのまま10日間撹拌した。次に
静置し、デカンテーションを10回繰り返し、上澄液の
PHが4付近に落ち着いた所で、濾過し、沈殿物を押し
固め、3日間乾燥後、次の各温度で4時間焼成した後、
放冷した。 焼成温度 200℃,300℃、400℃,500℃,700℃ 上記各温度で焼成した試料を粒状に粉砕したのち、0.
2gを内径3.8mmのパイレックス製ガラス管に詰め
て、そこにエチレンを含むガスを88ml/分の流速で
通過させた。ガラス管の回りから4Wのブラックライト
(最大波長352nm)を4本照射し、光反応装置の入
口、出口でサンプリングして、分解したエチレン、及び
生成した二酸化炭素濃度を測定した。なお、エチレンを
含むガスの濃度は、 エチレン:160ppmv,酸素:22%,水蒸気:
0.19% である。 測定結果 反応開始後55分、100分後における焼成温度と反応
速度の関係を図1に示す。図から判るように400℃焼
結体でピークを示し、700℃ではエチレンの分解は殆
ど起こらなかった。
【0012】実施例2(水系での光触媒活性の測定) 実施例1で作製した200℃、500℃焼成体の光触媒
を粒状に粉砕したのち粉体0.5gをトリクロロエチレ
ン50ppmを含む水500ml(触媒量:0.1wt
%)に懸濁させ、マグネチックスターラーで撹拌しなが
ら4Wブラックライト6本を照射した。 結果:反応4時間後の分解効率は、200℃焼成体の場
合、66.2%,500℃焼成体の場合、87.2%で
あった。
【0013】実施例3(銅イオンの捕集) 実施例1で作製した200℃焼成体の塊(0.38g:
直径1.5cm)を銅イオンを含むギ酸水溶液(50p
pmCuSO,0.1M HCOONa,PH3.
6)400mlに浸し、窒素飽和の条件下で4Wブラッ
クライト4本を照射した。光照射直後から銅イオンが還
元析出し、白色のチタニア表面が茶褐色に変化した。こ
れを取り出し空気存在下で水に漬けると再び銅イオンと
なって水に溶け出し、触媒は白色に戻った。
【0014】実施例4(従来品との硬さの比較) 従来から使用されている光触媒の粉末(銘柄名:Deg
ussaP−25)を本発明と同じ様に200,50
0,700℃に焼結し、実施例1で作製した発明品と硬
さの比較をした。結果を表1に示す。 なお、爪は2.5、銅貨は3、釘が4.5である。 結果 表から判るように、本発明のものは200℃焼成で従来
品の700℃焼成品の硬さを有することが判明した。
【0015】実施例5(エチレンの分解) 光触媒の作製 硝酸2mlとベンゼンスルホン酸4gを含む水540m
lをマグネチック・スターラーを用いて激しく撹拌しな
がら、ここにチタンテトライソプロポキシド45mlを
ゆっくり添加し、得られた乳白色の溶液をこのまま10
日間撹拌した。次に静置し、デカンテーションを10回
繰り返し、上澄液のPHが4付近に落ち着いた所で、濾
過し、沈殿物を押し固め、3日間乾燥後、次の各温度で
4時間焼成した後、放冷した。 焼成温度:200℃,300℃、 上記各温度で焼成した試料を粒状に粉砕したのち、0.
2gをガラス管に詰めて、そこにエチレンを含むガスを
88ml/minの流速で通過させた。ガラス管の回り
から4Wのブラックライト(最大波長352nm)を4
本照射し、光反応装置の入口、出口でサンプリングし
て、分解したエチレン、及び生成した二酸化炭素濃度を
測定した。なお、エチレンを含むガスは、実施例1と同
じものを使用した。 測定結果 実施例1とほぼ同じ反応速度が得られた。
【0016】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明は低い温度
で焼成するだけで高硬度、かつ高い触媒活性が得られる
特徴を有し、従来品では得られない高機能の光触媒の創
製と新しい用途の創出に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例の焼成温度とエチレン分解の反
応速度の関係の説明図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタンアルコキシドに硫黄化合物を加え
    てゲル化、焼成したものであって、該焼成体に硫黄成分
    を残留せしめてなることを特徴とするチタニア系光触
    媒。
  2. 【請求項2】 上記硫黄化合物が水溶性硫黄化合物であ
    る請求項1に記載の光触媒。
  3. 【請求項3】 上記水溶性硫黄化合物が硫酸である請求
    項2に記載の光触媒。
  4. 【請求項4】 上記焼成温度が100〜600℃である
    請求項1〜3のいずれかに記載の光触媒。
JP11056047A 1999-01-26 1999-01-26 チタニア系光触媒 Pending JP2000210571A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115318337A (zh) * 2022-09-13 2022-11-11 西安工程大学 苯磺酸基团改性氮化碳光催化材料的制备方法及应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115318337A (zh) * 2022-09-13 2022-11-11 西安工程大学 苯磺酸基团改性氮化碳光催化材料的制备方法及应用
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