JP2000210264A - 血管の画像化装置および血管の識別装置並びに散乱流体の流速測定装置 - Google Patents

血管の画像化装置および血管の識別装置並びに散乱流体の流速測定装置

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JP2000210264A
JP2000210264A JP11329360A JP32936099A JP2000210264A JP 2000210264 A JP2000210264 A JP 2000210264A JP 11329360 A JP11329360 A JP 11329360A JP 32936099 A JP32936099 A JP 32936099A JP 2000210264 A JP2000210264 A JP 2000210264A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検者に対する負荷が少なく、動脈と静脈の
一方を他方と明確に識別して画像化することができる装
置を得る。 【解決手段】 計測光Lを被検体22に入射させ、X−Y
ステージ23により走査させる。計測光Lを一部分岐させ
て周波数シフター34により周波数シフトを与え、被検体
22を透過した計測光Lと合成し、それらのビート成分を
光検出器13で検出する。光検出器13が出力するビート信
号Iの、中心周波数から所定幅外れた周波数帯域の成分
をフィルター手段14によって検出する。そしてパーソナ
ルコンピュータ20等により、フィルター手段14が検出し
た中心ずれビート信号Ioと、所定の閾値との大小関係
に基づいて画像信号Spを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管を画像化して
示す装置に関し、特に詳細には、動脈と静脈の一方を他
方と識別して画像化する装置に関するものである。
【0002】また本発明は、動脈と静脈とを明確に識別
することができる装置に関するものである。
【0003】さらに本発明は、動脈血や静脈血等の散乱
流体(光を散乱させる流体)の流速を測定する装置に関
するものである。
【0004】
【従来の技術】臨床においては、動脈と静脈の一方を他
方と識別して画像化する要求が広く存在する。例えば、
動脈硬化は一般に末梢部から起こるので、この末梢部の
動脈内径像を静脈像と識別して画像化できれば、それは
動脈硬化に対する診断情報として活用することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、血管を画像化し
て示す装置としては、X線血管造影撮影装置が広く知ら
れている。しかしこのX線血管造影撮影は被検者に対す
る負荷が大きく、その実施には入院を伴うのが普通で、
外来で簡単に行なうのは難しいという問題がある。
【0006】それに対して、日本ME学会雑誌BME V
ol.8,No.5,1994,pp41〜50に示されるように、光透視に
よって生体の部位を画像化する技術も提案されている。
しかしこの光透視による画像化技術では、動脈と静脈の
一方を他方と明確に識別して画像化することは極めて困
難となっている。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、被検者に対する負荷が少なく、動脈と静脈の一
方を他方と明確に識別して画像化することができる装置
を提供することを目的とする。
【0008】また本発明は、被検者に対する負荷が少な
く、動脈と静脈とを明確に識別することができる装置を
提供することを目的とする。
【0009】さらに本発明は、動脈血や静脈血等の散乱
流体(光を散乱させる流体)の流速を正確に測定できる
散乱流体の流速測定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の血管
の画像化装置は、散乱媒体である生体に対して高い空間
分解能が確保できるように画像化に光ヘテロダイン検出
を適用した上で、この光ヘテロダイン検出系が出力した
ビート成分検出信号のスペクトル拡がり(ドプラー拡が
り)が血流速に応じて変化することを利用して動脈と静
脈とを識別するようにしたものである。
【0011】すなわち、具体的に本発明による第1の血
管の画像化装置は、生体に入射する計測光を発する光源
手段と、この計測光を前記生体に対して走査させる走査
手段と、前記計測光の一部を前記生体に入射する前の光
路から分岐した後、前記生体から出射した計測光と合成
する光学系、前記分岐がなされて2系統の光路を進む該
計測光に互いに周波数差を与える周波数シフター、およ
び前記合成がなされた計測光のビート成分を検出する手
段を備えてなる光ヘテロダイン検出系と、この光ヘテロ
ダイン検出系が出力したビート成分検出信号の、中心周
波数から所定幅外れた周波数帯域の成分を検出するフィ
ルター手段と、このフィルター手段が検出した中心ずれ
ビート信号と、所定の閾値との大小関係に基づいて画像
信号を生成する画像信号生成手段とからなることを特徴
とするものである。
【0012】なお上記画像信号生成手段は、より具体的
には、例えば前記閾値よりも大である中心ずれビート信
号から、生体の動脈部分を示す画像信号を生成するよう
に構成され、あるいは前記閾値よりも小である中心ずれ
ビート信号から、生体の静脈部分を示す画像信号を生成
するように構成される。
【0013】また、上記構成を有する血管の画像化装置
においては、前記ビート成分検出信号の、脈動によるス
ペクトル拡がりがほぼ一定の位相となる時点を検出する
同位相点検出手段と、この同位相点検出手段が検出した
時点における前記中心ずれビート信号をサンプリングし
て、その中心ずれビート信号を前記画像信号生成手段に
入力させる同期検出手段とが設けられるのが望ましい。
【0014】上記同位相点検出手段としては、例えば生
体の脈波を検出する手段や、あるいは、前記ビート成分
検出信号の中心周波数成分が所定のピーク値を取った時
点を検出する手段から構成することができる。
【0015】さらに、上記構成を有する血管の画像化装
置においては、前記光源手段として、前記計測光を発す
る複数の発光部が1次元または2次元的に並設されてな
るものが用いられるとともに、前記光ヘテロダイン検出
系として、前記複数の発光部からの計測光の各々のビー
ト成分を並列検出可能なものが用いられて、これらの光
源手段および光ヘテロダイン検出系により、前記走査手
段の少なくとも一部が構成されるのが好ましい。
【0016】また、本発明による第2の血管の画像化装
置は、生体に入射する計測光を発する光源手段と、この
計測光を前記生体に対して走査させる走査手段と、前記
計測光の一部を前記生体に入射する前の光路から分岐し
た後、前記生体から出射した計測光と合成する光学系、
前記分岐がなされて2系統の光路を進む該計測光に互い
に周波数差を与える周波数シフター、および前記合成が
なされた計測光のビート成分を検出する手段を備えてな
る光ヘテロダイン検出系と、この光ヘテロダイン検出系
が出力したビート成分検出信号の中心周波数成分の強度
を検出する手段と、前記ビート成分検出信号の中心周波
数から所定幅外れた中心ずれ周波数成分の強度を検出す
る手段と、前記中心周波数成分の強度と前記中心ずれ周
波数成分の強度との比に基づいて画像信号を生成する画
像信号生成手段とからなるものである。
【0017】なお、この血管の画像化装置においては、
前記中心ずれ周波数成分の強度を検出する手段が、周波
数が互いに異なる第1およぴ第2の中心ずれ周波数成分
を検出するように構成され、前記画像信号生成手段が、
前記中心周波数成分の強度と前記第1の中心ずれ周波数
成分の強度との比に基づいて生体の動脈部分を示す画像
信号を生成し、前記中心周波数成分の強度と前記第2の
中心ずれ周波数成分の強度との比に基づいて生体の静脈
部分を示す画像信号を生成するように構成されるのが望
ましい。
【0018】さらに、本発明による第3の血管の画像化
装置は、生体に入射する計測光を発する光源手段と、こ
の計測光を前記生体に対して走査させる走査手段と、前
記計測光の一部を前記生体に入射する前の光路から分岐
した後、前記生体から出射した計測光と合成する光学
系、前記分岐がなされて2系統の光路を進む該計測光に
互いに周波数差を与える周波数シフター、および前記合
成がなされた計測光のビート成分を検出する手段を備え
てなる光ヘテロダイン検出系と、この光ヘテロダイン検
出系が出力したビート成分検出信号のスペクトルを求め
るスペクトル分析手段と、この求められたスペクトル
の、中心周波数成分に対して所定強度となる2つの周波
数成分間のスペクトル幅、例えばスペクトルの半値幅等
に基づいて画像信号を生成する画像信号生成手段とから
なるものである。
【0019】さらに、本発明による第4の血管の画像化
装置は、生体に計測光を照射する光照射手段と、照射さ
れた前記計測光の、前記生体との相互作用によるスペク
トル拡がりに基づいて該生体の動脈および/または静脈
を画像化する画像化手段とからなることを特徴とするも
のである。
【0020】なお、この第4の血管の画像化装置におい
て、前記画像化手段としては、生体で散乱した前記計測
光の周波数成分を検出し、その周波数成分検出信号のス
ペクトルの半値幅を検出し、この半値幅に基づいて動脈
および/または静脈を画像化するものが好適に用いられ
る。
【0021】またこの画像化手段として、生体で散乱し
た計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検出信
号の中心周波数から所定幅外れた中心ずれ周波数成分の
強度を検出し、この強度に基づいて動脈および/または
静脈を画像化するものを用いることもできる。
【0022】またこの画像化手段として、生体で散乱し
た計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検出信
号の中心周波数成分の強度と、この中心周波数から所定
幅外れた周波数成分の強度との比を検出し、この比に基
づいて前記動脈および/または静脈を画像化するものを
用いることもできる。
【0023】さらにこの画像化手段として、生体で散乱
した計測光の周波数成分を光ヘテロダイン検出信号に基
づいて検出するものも好適に用いられ得る。
【0024】一方、本発明による血管の識別装置は、生
体に計測光を照射する光照射手段と、照射された前記計
測光の、前記生体との相互作用によるスペクトル拡がり
に基づいて該生体の動脈と静脈とを識別する識別手段と
からなることを特徴とするものである。
【0025】なお、この血管の識別装置において、上記
識別手段としては、生体で散乱した計測光の周波数成分
を検出し、その周波数成分検出信号のスペクトルの半値
幅を検出し、この半値幅に基づいて前記動脈と静脈とを
識別するものが好適に用いられる。
【0026】またこの識別手段として、生体で散乱した
計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検出信号
の中心周波数から所定幅外れた中心ずれ周波数成分の強
度を検出し、この強度に基づいて前記動脈と静脈とを識
別するものを用いることもできる。
【0027】またこの識別手段として、生体で散乱した
計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検出信号
の中心周波数成分の強度と、この中心周波数から所定幅
外れた周波数成分の強度との比を検出し、この比に基づ
いて前記動脈と静脈とを識別するものを用いることもで
きる。
【0028】さらにこの識別手段として、生体で散乱し
た計測光の周波数成分を光ヘテロダイン検出信号に基づ
いて検出するものも好適に用いられ得る。
【0029】他方、本発明による散乱流体の流速測定装
置は、散乱流体に計測光を照射する光照射手段と、照射
された前記計測光の、前記散乱流体との相互作用による
スペクトル拡がりに基づいて該散乱流体の流速を分析す
る分析手段とからなることを特徴とするものである。
【0030】なお、この散乱流体の流速測定装置におい
て、上記分析手段としては、流体で散乱した計測光の周
波数成分を検出し、その周波数成分検出信号のスペクト
ルの半値幅を検出し、この半値幅に基づいて前記流速を
分析するものが好適に用いられる。
【0031】またこの分析手段として、流体で散乱した
計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検出信号
の中心周波数から所定幅外れた中心ずれ周波数成分の強
度を検出し、この強度に基づいて前記流速を分析するも
のを用いることもできる。
【0032】またこの分析手段として、流体で散乱した
計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検出信号
の中心周波数成分の強度と、この中心周波数から所定幅
外れた周波数成分の強度との比を検出し、この比に基づ
いて前記流速を分析するものを用いることもできる。
【0033】さらにこの分析手段として、流体で散乱し
た計測光の周波数成分を光ヘテロダイン検出信号に基づ
いて検出するものも好適に用いられ得る。
【0034】
【発明の効果】まず、第1の血管の画像化装置による効
果について説明する。上述のような光ヘテロダイン検出
系が出力するビート成分検出信号(ビート信号)は、散
乱媒体である生体の散乱の影響を除いて、生体を透過し
て来た直進光成分あるいはそれに近い散乱光成分のみの
強度を示すものとなる。
【0035】そして、計測光を多重散乱させる流体が該
計測光の進行方向に対して垂直に流れていると、ビート
信号のピーク値が低下するとともに、そのスペクトルが
拡がるようになる。図4はこのドプラー拡がりの様子を
概略的に示すものである。同図(1)、(2)、
(3)、(4)は、(1)の流速ゼロの場合を始めとし
てこの順で流速がより速い場合を示しており、図示の通
り流速が大であるほどビート信号Iのピーク値はより低
下し、またスペクトルのドプラー拡がりはより大きくな
る。
【0036】血液も光を多重散乱させる流体であり、し
たがって、計測光が血管部を透過するとこの現象が生じ
る。そして、動脈血流の流速は一般的に静脈血流の流速
よりも大であるので、計測光が動脈部を透過した場合と
静脈部を透過した場合とを比べると、上記ピーク値の低
下およびスペクトルの拡がりは、前者の方がより顕著と
なる。
【0037】図5には、上記の点を分かりやすく示して
ある。図中の曲線aが動脈血流によるビート信号Iのス
ペクトル拡がりを示し、曲線bが静脈血流によるビート
信号Iのスペクトル拡がりを示している。そこで、例え
ば同図中に曲線cで示す通過特性のバンドパスフィルタ
ー(BPF)を用いて、ビート信号Iの中心周波数ωか
ら所定幅Δfだけ外れた周波数(ω+Δf)近辺の帯域
の成分を検出し、検出された中心ずれビート信号と所定
の閾値との大小関係に基づいて画像信号を生成すれば、
動脈部分のみ、あるいは静脈部分のみを画像化すること
ができる。
【0038】すなわち、例えば図5においてdで示すよ
うな閾値を設定し、それよりも大きい中心ずれビート信
号のみから画像信号を生成すれば、動脈部分のみを示す
画像信号が得られる。それに対して、上記閾値よりも小
さい中心ずれビート信号のみから画像信号を生成すれ
ば、静脈部分のみを示す画像信号が得られる。
【0039】なお、さらに詳しく考えると、動脈血流に
よるビート信号Iのスペクトル拡がりは一定ではない。
つまり図6に示す通り、動脈最高血流によるビート信号
Iのスペクトル拡がりは曲線a−1のようなものとなる
のに対し、動脈最低血流によるビート信号Iのスペクト
ル拡がりは曲線a−2のようなものとなる。そして、こ
の曲線a−2が示す動脈最低血流によるビート信号Iの
スペクトル拡がりは、曲線cで示すバンドパスフィルタ
ー(BPF)の通過帯域内に限れば、曲線bで示す静脈
血流によるビート信号Iのスペクトル拡がりと近似して
いるので、これら両者の識別が困難になることもある。
【0040】そこで、前述したように、ビート成分検出
信号の脈動によるスペクトル拡がりがほぼ一定の位相と
なる時点(最も好ましくは動脈最高血流が生じる時点)
を同位相点検出手段によって検出し、同期検出手段によ
りこの検出時点における中心ずれビート信号をサンプリ
ングして、その中心ずれビート信号を画像信号生成手段
に入力させれば、動脈部分と静脈部分とを互いに明確に
識別して画像化できるようになる。
【0041】他方、前記光源手段として、計測光を発す
る複数の発光部が1次元または2次元的に並設されてな
るものを用いるとともに、光ヘテロダイン検出系とし
て、上記複数の発光部からの計測光の各々のビート成分
を並列検出可能なものを用いて、これらの光源手段およ
び光ヘテロダイン検出系によって走査手段の少なくとも
一部を構成させれば、計測光の機械的な走査が1次元方
向について、あるいは2次元方向とも不要になり、走査
速度つまりは画像化速度が向上する。先に述べたような
同期検出を行なう場合は、中心ずれビート信号のサンプ
リングに時間がかかりがちであるから、上記のようにし
て計測光の機械的走査を省くのが特に望ましい。
【0042】次に、第2の血管の画像化装置による効果
について説明する。上述のような光ヘテロダイン検出系
が出力するビート成分検出信号(ビート信号)は、散乱
媒体である生体の散乱の影響を除いて、生体を透過して
来た直進光成分あるいはそれに近い散乱光成分のみの強
度を示すものとなる。
【0043】そして、計測光を多重散乱させる流体が該
計測光の進行方向に対して垂直に流れていると、ビート
信号のピーク値が低下するとともに、そのスペクトルが
拡がるようになる。図11はこのドプラー拡がりの様子
を概略的に示すものである。同図(1)、(2)、
(3)、(4)は、(1)の流速ゼロの場合を始めとし
てこの順で流速がより速い場合を示しており、図示の通
り流速が大であるほどビート信号Iのピーク値はより低
下し、またスペクトルのドプラー拡がりはより大きくな
る。以上は、第1の血管の画像化装置におけるのと同様
である。
【0044】そこで、ビート信号の中心周波数ωの成分
の信号強度I(ω)と、そこから所定幅Δf外れた中心
ずれ周波数(ω+Δf)の成分の信号強度I(ω+Δ
f)との比について考えると、この強度比I(ω+Δ
f)/I(ω)は流体流速vに応じて、大略、図12に
示すように変化する。
【0045】血液も光を多重散乱させる流体であり、し
たがって、計測光が血管部を透過する際にもこの現象が
生じる。そして、動脈血流の流速は一般的に静脈血流の
流速よりも大であるので、計測光が動脈部を透過した場
合と静脈部を透過した場合とを比べると、前者の場合の
方が上記強度比I(ω+Δf)/I(ω)がより大きく
なる。
【0046】なおビート信号の値そのものは、計測光が
生体を透過する際の吸収や散乱による減衰の影響を受け
て変動するが、上述の強度比I、つまり強度I(ω+Δ
f)を中心周波数成分の強度I(ω)で正規化した値
は、計測光減衰の影響を補償して、基本的に血流速のみ
に応じて上記のように変化する。
【0047】そこで、画像信号生成手段において、計測
光の走査毎位置に求められる信号強度比I(ω+Δf)
/I(ω)の値に基づいて、例えばその値が大であるほ
ど大きい値を取るような画像信号を生成すれば、動脈部
分と静脈部分とを互いに濃度や輝度で明確に識別して画
像化できるようになる。
【0048】次に、第3の血管の画像化装置による効果
について説明する。上述した信号強度比I(ω+Δf)
/I(ω)は、ビート信号のスペクトル波形と対応した
ものであるから、この信号強度比の代わりにビート信号
のスペクトル波形に基づいて画像信号を生成しても、動
脈部分と静脈部分とを互いに識別して画像化することが
できる。本発明による第3の血管の画像化装置は、その
ようにして画像化を行なうものである。
【0049】すなわちこの本発明による第3の血管の画
像化装置では、ビート信号のスペクトルの、中心周波数
成分に対して所定強度となる2つの周波数成分間のスペ
クトル幅(例えばスペクトルの半値幅)に基づいて画像
信号を生成している。このようなスペクトル幅は、図1
1の(1)〜(4)から明らかな通り流体流速が速いほ
どより大となるので、例えば、このスペクトル幅が大で
あるほど大きい値を取るような画像信号を生成すれば、
動脈部分と静脈部分とを互いに濃度や輝度で明確に識別
して画像化できるようになる。
【0050】なお上記半値幅等のスペクトル幅も、前述
した計測光の吸収や散乱による減衰を補償して、基本的
に血流速のみに応じて上記のように変化するから、この
スペクトル幅に基づいて正確に動脈部分と静脈部分とを
識別可能である。
【0051】本発明による第4の血管の画像化装置は、
必ずしも光ヘテロダイン検出系を利用するものではない
が、生体に計測光が照射されたとき、該計測光に生体と
の相互作用によりスペクトル拡がりが生じることに着目
し、このスペクトル拡がりに基づいて生体の動脈および
/または静脈を画像化するようにしているので、上述し
た光ヘテロダイン検出系を利用する場合と同様にして動
脈および/または静脈を画像化することが可能である。
【0052】以上説明した本発明による血管の画像化装
置においては全て、生体との相互作用による計測光のス
ペクトル拡がりに基づいて動脈および/または静脈を画
像化するようにしているから、その過程で、動脈血ある
いは静脈血の血流速と対応しているスペクトル拡がりを
検出することになる。そこでこのスペクトル拡がりに基
づけば、動脈と静脈とを識別可能であるし、また動脈血
あるいは静脈血の血流速を測定することも可能となる。
【0053】本発明による血管の識別装置は、以上の仕
組みによって動脈と静脈とを識別できるものである。ま
た本発明による散乱流体の流速測定装置は、上に述べた
動脈血あるいは静脈血の血流速測定の仕組みを散乱流体
全般の流速計測に適用して、流速測定ができるようにし
たものである。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0055】<第1実施形態>図1は、本発明の第1実
施形態による血管の画像化装置を示す概略構成図であ
る。この実施形態の装置は、波長λの計測光Lを発する
レーザー11と、光ヘテロダイン光学系12と、この光ヘテ
ロダイン光学系12から出射した計測光Lを受光する光検
出器13と、この光検出器13に接続されて後述する帯域の
信号のみを通過させるバンドパスフィルター14と、この
バンドパスフィルター14に接続されたレベル測定器15と
を有している。
【0056】またこの画像化装置は、レベル測定器15の
出力を受けて該レベル測定器15とともに画像信号生成手
段を構成するパーソナルコンピュータ20と、このパーソ
ナルコンピュータ20に接続された、例えばCRT表示装
置等からなる画像モニター21とを有している。
【0057】さらに、血管画像化の対象である被検体
(例えば人体の指等)22を載置して2次元方向に移動し
得るX−Yステージ23が設けられている。このX−Yス
テージ23はステージドライバー24によって駆動され、こ
のステージドライバー24の動作は上記パーソナルコンピ
ュータ20によって制御されるようになっている。
【0058】また、光検出器13とともに光ヘテロダイン
検出系を構成する光学系12は、レーザー11から出射した
計測光Lを2系統に分岐するハーフミラー30と、ここで
反射、分岐した計測光Lを反射させて被検体22に入射さ
せるミラー31と、上記ハーフミラー30を透過した計測光
Lを反射させるミラー32と、このミラー32で反射した計
測光Lを、被検体22を透過して来た計測光Lと合成する
ハーフミラー33と、合成された計測光Lを反射させて光
検出器13に導くミラー35とから構成されている。
【0059】そして、上記ハーフミラー30を透過した計
測光Lの光路には、例えばAOMから構成されてこの計
測光Lに中心周波数ωの所定の周波数シフトを与える周
波数シフター34が挿入されている。
【0060】以下、上記構成を有する本実施形態の装置
の作用について説明する。被検体22の血管画像を得る際
には、レーザー11から発せられた計測光Lが被検体22に
照射される。それとともにX−Yステージ23が駆動され
ることにより、この計測光Lが被検体22を2次元的に走
査する。
【0061】被検体22を透過した計測光Lと、周波数シ
フター34により周波数シフトが与えられた計測光Lとを
ハーフミラー33によって合成すると、合成後の計測光L
にはシフト周波数と同じ中心周波数ωのビート成分が含
まれるようになる。この合成後の計測光Lを受光する光
検出器13の出力は、上記ビート成分によるビート信号I
を含むものであり、該出力はバンドパスフィルター14に
入力される。
【0062】なおこのビート信号Iは、散乱媒体である
被検体22を透過した計測光Lの直進成分および、それに
近い散乱成分のみの強度を示している。したがって、こ
のビート信号Iに基づいて被検体22に関する画像を得る
ようにすれば、被検体22において計測光Lが散乱するに
も拘わらず、高い空間分解能が確保される。
【0063】バンドパスフィルター14は、図5に曲線c
で通過特性を示すように、ビート信号Iの中心周波数ω
から所定幅Δfだけ外れた周波数(ω+Δf)近辺の帯
域の信号を通過させるものである。このバンドパスフィ
ルター14を通過した信号すなわち中心ずれビート信号I
oは、レベル測定器15に入力される。レベル測定器15
は、この中心ずれビート信号Ioの所定のレベル、例え
ばピークレベル等を測定して、そのレベルを示す信号S
Lをパーソナルコンピュータ20に入力する。
【0064】パーソナルコンピュータ20は、信号SLが
示すレベルと、図5にdで示すような所定の閾値とを比
較し、該レベルが閾値を上回る場合は比較的高濃度(低
輝度)を担持する画像信号Sp、該レベルが閾値以下の
場合は比較的低濃度(高輝度)のバックグラウンドを担
持する画像信号Spを生成し、それらの画像信号Spを
画像モニター21に入力させる。
【0065】レベル測定器15からは、前述したようにし
てなされる計測光Lの走査に伴って、被検体22の各走査
位置毎にそれぞれ中心ずれビート信号Ioが出力され
る。したがって上記のような2値の画像信号Spも、被
検体22の2次元走査位置毎に各々生成される。
【0066】画像モニター21においては、以上のように
して生成された画像信号Spに基づいて、2値の2次元
画像が再生表示される。この画像は、被検体22の静脈部
分は除いて、動脈部分のみを示す動脈画像となる。その
理由は、先に図5を参照して詳しく説明した通りであ
る。
【0067】それに対して、パーソナルコンピュータ20
において、信号SLが示すレベルと、図5にdで示すよ
うな所定の閾値とを比較し、該レベルが閾値を下回る場
合は比較的高濃度(低輝度)を担持する画像信号Sp、
該レベルが閾値以上の場合は比較的低濃度(高輝度)の
バックグラウンドを担持する画像信号Spを生成し、そ
の画像信号Spに基づいて画像を再生すれば、その画像
は被検体22の静脈画像となる。
【0068】<第2実施形態>次に、本発明の第2の実
施形態について説明する。図2は、本発明の第2実施形
態による血管の画像化装置の概略構成を示すものであ
る。なおこの図2において、図1中の要素と同等の要素
には同番号を付し、それらについての説明は特に必要の
無い限り省略する(以下、同様)。
【0069】この第2の実施形態の装置は、図1に示し
た装置と比較すると、被検体22の脈波を検出する脈波信
号検出部50と、レベル測定器15が出力するレベル計測信
号SLを脈波信号検出部50からの脈波信号Scに基づい
てサンプリングする同期検出部51とが設けられている点
が基本的に異なるものである。
【0070】同期検出部51は上記脈波信号Scに基づい
て、ビート信号Iの脈動によるスペクトル拡がりがほぼ
一定の位相となる時点(本例では、動脈最高血流が生じ
る時点)でレベル計測信号SLをサンプリングし、それ
をパーソナルコンピュータ20に入力させる。このような
同期検出を行なえば、ビート信号Iのスペクトル拡がり
が図6の曲線b(静脈血流によるスペクトル拡がり)と
はかけ離れた、曲線a−1の状態にある時点で中心ずれ
ビート信号Ioのレベルが検出される。それにより、動
脈部分を静脈部分と明確に識別して画像化できるように
なる。
【0071】<第3実施形態>次に、本発明の第3の実
施形態について説明する。図3は、本発明の第3実施形
態による血管の画像化装置の概略構成を示すものであ
る。この第3の実施形態の装置は、図2に示した装置と
比較すると、脈波信号検出部50に代えて、ハーフミラー
33で合成された計測光Lを受光する光検出器63と、この
光検出器63に接続されて後述する帯域の信号のみを通過
させるバンドパスフィルター64と、このバンドパスフィ
ルター64に接続されたレベル測定器65とが設けられてい
る点が基本的に異なるものである。
【0072】上記バンドパスフィルター64は、光検出器
63の出力に含まれるビート信号Iの中心周波数ω近辺の
帯域の信号を通過させる。このバンドパスフィルター64
を通過した信号Iωは、レベル測定器65に入力される。
レベル測定器65はこの信号Iωのピークレベルがある設
定値を下回ったときタイミング信号Stを出力し、この
タイミング信号Stは同期検出部51に入力される。同期
検出部51は、タイミング信号Stが入力された時点で、
レベル測定器15が出力するレベル計測信号SLをサンプ
リングし、それをパーソナルコンピュータ20に入力させ
る。
【0073】このような同期検出を行なうことにより、
本例においても、ビート信号Iの脈動によるスペクトル
拡がりがほぼ一定の位相となる時点(本例では、動脈最
高血流が生じる時点)でレベル計測信号SLをサンプリ
ングすることができる。そこで、ビート信号Iのスペク
トル拡がりが図6の曲線b(静脈血流によるスペクトル
拡がり)とはかけ離れた、曲線a−1の状態にある時点
で中心ずれビート信号Ioのレベルが検出され、動脈部
分を静脈部分と明確に識別して画像化できるようにな
る。
【0074】<第4実施形態>図7は、本発明の第4実
施形態による血管の画像化装置を示す概略構成図であ
る。この実施形態の装置は、波長λの計測光Lを発する
レーザー111と、光ヘテロダイン光学系112と、この光ヘ
テロダイン光学系112から出射した計測光Lを受光する
光検出器113、114および115と、これらの光検出器113、
114および115に各々接続されて、それぞれが後述する帯
域の信号のみを通過させるバンドパスフィルター116、1
17および118と、これらのバンドパスフィルター116、11
7および118に各々接続されたレベル測定器119、120およ
び121とを有している。
【0075】またこの画像化装置は、レベル測定器11
9、120および121の出力を受ける画像信号生成手段とし
てのパーソナルコンピュータ122と、このパーソナルコ
ンピュータ122に接続された、例えばCRT表示装置等
からなる画像モニター123とを有している。
【0076】さらに、血管画像化の対象である被検体
(例えば人体の指等)124を載置して2次元方向に移動
し得るX−Yステージ125が設けられている。このX−
Yステージ125はステージドライバー126によって駆動さ
れ、このステージドライバー126の動作は上記パーソナ
ルコンピュータ122によって制御されるようになってい
る。
【0077】また、光検出器113、114および115ととも
に光ヘテロダイン検出系を構成する光学系112は、レー
ザー111から出射した計測光Lを2系統に分岐するハー
フミラー130と、ここで反射、分岐した計測光Lを反射
させて被検体124に入射させるミラー131と、上記ハーフ
ミラー130を透過した計測光Lを反射させるミラー132
と、このミラー132で反射した計測光Lを、被検体124を
透過して来た計測光Lと合成して光検出器113に入射さ
せるハーフミラー133と、合成された計測光Lを一部反
射させて光検出器114に入射させるハーフミラー135と、
このハーフミラー135を透過した計測光Lを反射させて
光検出器115に入射させるミラー136とから構成されてい
る。
【0078】そして、上記ハーフミラー130を透過した
計測光Lの光路には、例えばAOMから構成されてこの
計測光Lに中心周波数ωの所定の周波数シフトを与える
周波数シフター134が挿入されている。
【0079】以下、上記構成を有する本実施形態の装置
の作用について説明する。被検体124の血管画像を得る
際には、レーザー111から発せられた計測光Lが被検体1
24に照射される。それとともにX−Yステージ125が駆
動されることにより、この計測光Lが被検体124を2次
元的に走査する。
【0080】被検体124を透過した計測光Lと、周波数
シフター134により周波数シフトが与えられた計測光L
とをハーフミラー133によって合成すると、合成後の計
測光Lにはシフト周波数と同じ中心周波数ωのビート成
分が含まれるようになる。この合成後の計測光Lを受光
する光検出器113、114および115の各出力は、上記ビー
ト成分によるビート信号Iを含むものであり、該出力は
それぞれバンドパスフィルター116、117および118に入
力される。
【0081】このビート信号Iのスペクトルは、概略、
図8に曲線aあるいはbで示すようなものとなる。この
曲線aとbはそれぞれ、計測光Lが動脈部分、静脈部分
を透過した場合のスペクトルを示している。先に図11
を参照して説明した通り、血流速がより速い動脈部分を
透過した場合の方が、ビート信号Iのピーク値の低下お
よびスペクトルのドプラー拡がりはより顕著となってい
る。
【0082】なおこのビート信号Iは、散乱媒体である
被検体124を透過した計測光Lの直進成分および、それ
に近い散乱成分のみの強度を示している。したがって、
このビート信号Iに基づいて被検体124に関する画像を
得るようにすれば、被検体124において計測光Lが散乱
するにも拘わらず、高い空間分解能が確保される。
【0083】バンドパスフィルター116は、図8に曲線
cで通過特性を示すように、ビート信号Iの中心周波数
ω近辺の帯域の信号を通過させるものである。一方バン
ドパスフィルター117は、図8に曲線dで通過特性を示
すように、ビート信号Iの中心周波数ωから高周波側に
所定幅Δf2だけ外れた中心ずれ周波数(ω+Δf2)
近辺の帯域の信号を通過させるものである。またバンド
パスフィルター118は、図8に曲線eで通過特性を示す
ように、ビート信号Iの中心周波数ωから低周波側に所
定幅Δf3だけ外れた中心ずれ周波数(ω−Δf3)近
辺の帯域の信号を通過させるものである。なおΔf2と
Δf3は、Δf2>Δf3の関係を満たすように設定し
てある。
【0084】バンドパスフィルター116、117および118
の出力はそれぞれレベル測定器119、120および121に入
力される。これらのレベル測定器119、120および121
は、それぞれ入力された信号の所定レベルの強度(例え
ば最大値)を測定し、各々測定した信号強度I(ω)、
I(ω+2Δf)およびI(ω−3Δf)を示す信号を
パーソナルコンピュータ122に入力する。
【0085】パーソナルコンピュータ122は入力された
各信号に基づいて、動脈画像表示が指示されている場合
は強度比I(ω+2Δf)/I(ω)を求め、この強度
比が大きいほど高濃度(低輝度)を担持する画像信号S
pを生成し、その画像信号Spを画像モニター123に入
力させる。計測光Lの走査位置毎に生成されるこのよう
な画像信号Spに基づいて画像モニター123で画像表示
すれば、動脈部分が高濃度(低輝度)で示された画像が
得られる。その理由は、先に図11を参照して詳しく説
明した通りである。
【0086】パーソナルコンピュータ122は、静脈画像
表示が指示されている場合は強度比I(ω−3Δf)/
I(ω)を求め、この強度比が小さいほど高濃度(低輝
度)を担持する画像信号Spを生成し、その画像信号S
pを画像モニター123に入力させる。計測光Lの走査位
置毎に生成されるこのような画像信号Spに基づいて画
像モニター123で画像表示すれば、静脈部分が高濃度
(低輝度)で示された画像が得られる。
【0087】なお、強度比I(ω+2Δf)/I(ω)
や(ω−3Δf)/I(ω)の値を閾値処理することに
より、動脈部分のみあるいは静脈部分のみを2値画像で
示すことも可能である。しかし上記実施形態のようにす
れば、血流の流速分布も画像濃度の違いとして表示され
るので、臨床上の利用価値はより高いものとなる。
【0088】また、上記強度比I(ω+2Δf)/I
(ω)と(ω−3Δf)/I(ω)の一方のみを利用し
て、動脈画像と静脈画像を切替表示することも可能であ
る。つまり例えば、動脈画像表示が指示されている場合
は強度比I(ω+2Δf)/I(ω)が大きいほど高濃
度(低輝度)を担持するように、反対に静脈画像表示が
指示されている場合は強度比I(ω+2Δf)/I
(ω)が小さいほど高濃度(低輝度)を担持するよう
に、画像信号Spの生成の仕方を切り替えればよい。
【0089】しかし上記実施形態のようにすれば、極端
に小さい(ゼロに近い)強度比I(ω+2Δf)/I
(ω)の値から静脈画像を担う画像信号Spを生成した
り、反対に極端に大きい(1に近い)強度比I(ω−3
Δf)/I(ω)の値から動脈画像を担う画像信号Sp
を生成することがなくなり、信号の取り扱いが容易化さ
れる。
【0090】<第5実施形態>次に、本発明の第5の実
施形態について説明する。図9は、本発明の第5実施形
態による血管の画像化装置の概略構成を示すものであ
る。
【0091】この第5の実施形態の装置において、周波
数シフター134で周波数シフトされた計測光Lと被検体1
24を透過して来た計測光Lはハーフミラー133で合成さ
れ、ミラー136を介して1つの光検出器115に導かれる。
この光検出器115が出力するビート信号Iは周波数分析
器150に入力され、該周波数分析器150の出力はパーソナ
ルコンピュータ122に入力される。
【0092】周波数分析器150はビート信号Iのスペク
トルを求め、そのスペクトルの半値幅(半値全幅)Wを
求める。この半値幅Wは図10に示す通り、ビート信号
Iのピーク値を取る中心周波数ωの成分に対して、強度
が1/2になる2点間のスペクトル幅である。周波数分
析器150は、この半値幅Wを示す信号SWをパーソナル
コンピュータ122に入力する。
【0093】パーソナルコンピュータ122はこの信号S
Wに基づいて、半値幅Wが大きいほど高濃度(低輝度)
を担持する画像信号Spを生成し、その画像信号Spを
画像モニター123に入力させる。計測光Lの走査位置毎
に生成されるこのような画像信号Spに基づいて画像モ
ニター123で画像表示すれば、動脈部分が比較的高濃度
で、また静脈部分が比較的低濃度で示された画像が得ら
れる。その理由は、先に詳しく説明した通りである。
【0094】なおこの場合も、信号SWを閾値処理する
ことにより、動脈部分のみが示された2値画像や、静脈
部分のみが示された2値画像を得ることができる。
【0095】<第6実施形態>次に、本発明の第6の実
施形態について説明する。図13は、本発明の第6実施
形態による散乱流体の流速測定装置の概略構成を示すも
のである。
【0096】この流速測定装置は、流速vで流れている
散乱流体200に計測光Lを照射する光照射手段としての
レーザー201と、周波数分析手段202と、この周波数分析
手段202とともに流速分析手段を構成する信号分析手段2
03とからなる。周波数分析手段202は、散乱流体200で散
乱した計測光Lを集光する集光レンズ210と、この集光
レンズ210で集光された計測光Lを平行光化するコリメ
ーターレンズ211と、このコリメーターレンズ211で平行
光化された計測光Lを集光する集光レンズ212と、集光
された計測光Lを検出する光検出器213と、上記コリメ
ーターレンズ211と集光レンズ212との間に配されてファ
ブリ・ペロー干渉計を構成する1対のハーフミラー220
および221とから構成されている。
【0097】上記ハーフミラー220は固定されている
が、他方のハーフミラー221は図示しない駆動手段によ
り図中の矢印H方向に移動自在とされている。また信号
分析手段203はコンピュータシステムからなり、そこに
は光検出器213が出力する光検出信号SQが入力され
る。
【0098】以下、上記構成を有する本実施形態の装置
の作用について説明する。散乱流体200の流速を測定す
る際には、この散乱流体200に計測光Lが照射される。
散乱流体200で散乱した計測光Lは集光レンズ210、コリ
メーターレンズ211および集光レンズ212を介して光検出
器213に導かれ、その光量が該光検出器213によって検出
される。その際、ハーフミラー221と別のハーフミラー2
20との間で定在波を生じる波長(すなわち光周波数)の
光が干渉によって強め合い、その光周波数の計測光Lが
光検出器213によって検出される。また、ハーフミラー2
21が一方向に移動されることにより、それと別のハーフ
ミラー220との間の距離が連続的に変化するので、光検
出器213によって検出される光の周波数が連続的に変化
する。
【0099】そこで、光検出器213が出力する光検出信
号SQは、ハーフミラー221の駆動と同期して、光周波
数毎に検出光強度Eを示すものとなる。この光周波数と
検出光強度Eとの関係は、基本的に図14の(1)、
(2)、(3)および(4)に示すようなものとなる。
ここで、同図(1)は散乱流体200の流速vがゼロの場
合、そして同図(2)、(3)および(4)はそれぞ
れ、流速v=v、vおよびv(v<v
<v)の場合を示している。
【0100】すなわちこの場合も、図4に示したビート
信号の場合と同様に、散乱流体200と計測光Lとの相互
作用による計測光Lのスペクトル拡がりが認められ、図
14に示す通り流速vが大であるほど検出光強度Eのピ
ーク値はより低下し、またスペクトル拡がりはより大き
くなる。つまり、このスペクトルの中心周波数νを挟ん
だ半値幅FWHMと流速vとの間には、図15に示すような
関係が存在する。信号分析手段203は光検出信号SQを
受けると、まずスペクトル半値幅FWHMを求め、そこか
ら、予め経験あるいは実験から求められている半値幅FW
HMと流速vとの関係に基づいて流速vを求める。この求
められた流速vは、例えば光電管や液晶パネル等からな
る表示手段(図示せず)に表示される。
【0101】以上の例では、検出された計測光Lのスペ
クトル半値幅FWHMに基づいて流速vを求めているが、計
測光Lのスペクトル拡がりを利用して流速vを求めるに
は、その他の手法を用いることもできる。例えば光検出
器213が出力する光検出信号SQを、図16に曲線c1
で示すような通過特性、つまりその中心周波数が計測光
Lの中心周波数νから+Δνだけ外れている通過特性の
バンドパスフィルターに通し、そこを通過した周波数成
分(中心ずれ周波数成分)の強度を検出し、この強度に
基づいて流速vを求めることもできる。すなわちこの中
心ずれ周波数成分の強度は、計測光Lのスペクトル拡が
りが大であるほど、言い換えれば流速vが大であるほど
大きくなるので、この関係に基づいて流速vを求めるこ
とができる。
【0102】また図17に示すように、光検出信号SQ
が示す計測光Lのスペクトルにおいて、計測光Lの中心
周波数νの成分の光強度E(ν)と、周波数(ν+Δ
ν)の成分の光強度E(ν+Δν)とを求め、それらの
強度比E(ν+Δν)/E(ν)に基づいて流速vを求
めることもできる。すなわちこの強度比E(ν+Δν)
/E(ν)は、図18にも示す通り、計測光Lのスペク
トル拡がりが大であるほど、言い換えれば流速vが大で
あるほど大きくなるので、この関係に基づいて流速vを
求めることができる。
【0103】以上、散乱流体の流速測定装置の一実施形
態について説明したが、本発明の流速測定装置は、前述
した光ヘテロダイン検出系が出力するビート成分検出信
号から流速を測定するように構成することも可能であ
る。例えば、図9に示した血管の画像化装置において光
検出器115が出力するビート信号Iは、先に図11を参
照して説明した通り、流速vがより速い散乱流体を透過
した場合の方が、そのピーク値の低下およびスペクトル
のドプラー拡がりがより顕著となっている。したがっ
て、周波数分析器150が求めたビート信号Iのスペクト
ル半値幅W(図10参照)は、散乱流体の流速vが大で
あるほど大となるので、この関係に基づいて半値幅Wか
ら流速vを求めることができる。
【0104】また、上記光検出器115が出力するビート
信号Iのスペクトルにおいて、図11に示すように中心
周波数ωの成分の信号強度I(ω)と、周波数(ω+Δ
f)の成分の信号強度I(ω+Δf)とを求め、それら
の強度比I(ω+Δf)/I(ω)に基づいて流速vを
求めることもできる。すなわちこの強度比I(ω+Δ
f)/I(ω)は、ビート信号Iのスペクトルのドプラ
ー拡がりが大であるほど、言い換えれば流速vが大であ
るほど大きくなるので、この関係に基づいて上記強度比
から流速vを求めることができる。
【0105】また、例えば図3に示した血管の画像化装
置において、同期検出部51がサンプリングして出力する
レベル計測信号SLは、図5を参照して説明した通り、
流速vがより速い散乱流体を透過した場合の方がより高
レベルとなっている。したがって、このこの関係に基づ
いてレベル計測信号SLから流速vを求めることもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による血管の画像化装置
を示す概略構成図
【図2】本発明の第2実施形態による血管の画像化装置
を示す概略構成図
【図3】本発明の第3実施形態による血管の画像化装置
を示す概略構成図
【図4】ビート信号のドプラー拡がりの、流体流速によ
る変化を示す概略図
【図5】ビート信号の血流によるスペクトル拡がりと、
中心ずれビート信号を検出するフィルターの通過特性を
示すグラフ
【図6】ビート信号の血流によるスペクトル拡がりと、
中心ずれビート信号を検出するフィルターの通過特性を
示すグラフ
【図7】本発明の第4実施形態による血管の画像化装置
を示す概略構成図
【図8】ビート信号の血流によるスペクトル拡がりと、
上記第4実施形態の装置において中心ずれビート信号を
検出するフィルターの通過特性を示すグラフ
【図9】本発明の第5実施形態による血管の画像化装置
を示す概略構成図
【図10】上記第5実施形態の装置において求められる
ビート信号の半値幅を説明する概略図
【図11】ビート信号のドプラー拡がりの、流体流速に
よる変化を示す概略図
【図12】ビート信号の中心周波数成分に対する中心ず
れ周波数成分の強度比と、流体流速との関係を示すグラ
【図13】本発明の第6実施形態による散乱流体の流速
測定装置を示す概略構成図
【図14】散乱流体を経た計測光のスペクトルの流体流
速による変化を、スペクトル半値幅と併せて示す概略図
【図15】散乱流体を経た計測光のスペクトルの半値幅
と流体流速との関係を示すグラフ
【図16】散乱流体を経た計測光のスペクトルと、中心
ずれ周波数成分を検出するフィルターの通過特性を示す
グラフ
【図17】散乱流体を経た計測光のスペクトルの流体流
速による変化を、中心ずれ周波数と併せて示す概略図
【図18】散乱流体を経た計測光の中心周波数およびそ
こから外れた周波数の各成分の強度比と、流体流速との
関係を示すグラフ
【符号の説明】
11 レーザー 12 光ヘテロダイン光学系 13 光検出器 14 バンドパスフィルター 15 レベル測定器 20 パーソナルコンピュータ 21 画像モニター 22 被検体 23 X−Yステージ 24 ステージドライバー 30、33、 ハーフミラー 31、32、35 ミラー 34 周波数シフター 50 脈波信号検出部 51 同期検出部 63 光検出器 64 バンドパスフィルター 65 レベル測定器 111 レーザー 112 光ヘテロダイン光学系 113、114、115 光検出器 116、117、118 バンドパスフィルター 119、120、121 レベル測定器 122 パーソナルコンピュータ 123 画像モニター 124 被検体 125 X−Yステージ 126 ステージドライバー 130、133、135 ハーフミラー 131、132、136 ミラー 134 周波数シフター 150 周波数分析器 200 散乱流体 201 レーザー 202 周波数分析手段 203 信号分析手段 210、212 集光レンズ 211 コリメーターレンズ 213 光検出器 220、221 ハーフミラー

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体に入射する計測光を発する光源手段
    と、 この計測光を前記生体に対して走査させる走査手段と、 前記計測光の一部を前記生体に入射する前の光路から分
    岐した後、前記生体から出射した計測光と合成する光学
    系、前記分岐がなされて2系統の光路を進む該計測光に
    互いに周波数差を与える周波数シフター、および前記合
    成がなされた計測光のビート成分を検出する手段を備え
    てなる光ヘテロダイン検出系と、 この光ヘテロダイン検出系が出力したビート成分検出信
    号の、中心周波数から所定幅外れた周波数帯域の成分を
    検出するフィルター手段と、 このフィルター手段が検出した中心ずれビート信号と、
    所定の閾値との大小関係に基づいて画像信号を生成する
    画像信号生成手段とからなる血管の画像化装置。
  2. 【請求項2】 前記画像信号生成手段が、前記閾値より
    も大である中心ずれビート信号から、生体の動脈部分を
    示す画像信号を生成するように構成されていることを特
    徴とする請求項1記載の血管の画像化装置。
  3. 【請求項3】 前記画像信号生成手段が、前記閾値より
    も小である中心ずれビート信号から、生体の静脈部分を
    示す画像信号を生成するように構成されていることを特
    徴とする請求項1または2記載の血管の画像化装置。
  4. 【請求項4】 前記ビート成分検出信号の、脈動による
    スペクトル拡がりがほぼ一定の位相となる時点を検出す
    る同位相点検出手段と、 この同位相点検出手段が検出した時点における前記中心
    ずれビート信号をサンプリングして、その中心ずれビー
    ト信号を前記画像信号生成手段に入力させる同期検出手
    段とを有することを特徴とする請求項1から3いずれか
    1項記載の血管の画像化装置。
  5. 【請求項5】 前記同位相点検出手段が、生体の脈波を
    検出する手段からなることを特徴とする請求項4記載の
    血管の画像化装置。
  6. 【請求項6】 前記同位相点検出手段が、前記ビート成
    分検出信号の中心周波数成分が所定のピーク値を取った
    時点を検出する手段からなることを特徴とする請求項4
    記載の血管の画像化装置。
  7. 【請求項7】 前記光源手段として、前記計測光を発す
    る複数の発光部が1次元または2次元的に並設されてな
    るものが用いられるとともに、 前記光ヘテロダイン検出系として、前記複数の発光部か
    らの計測光の各々のビート成分を並列検出可能なものが
    用いられて、 これらの光源手段および光ヘテロダイン検出系が、前記
    走査手段の少なくとも一部を構成していることを特徴と
    する請求項1から6いずれか1項記載の血管の画像化装
    置。
  8. 【請求項8】 生体に入射する計測光を発する光源手段
    と、 この計測光を前記生体に対して走査させる走査手段と、 前記計測光の一部を前記生体に入射する前の光路から分
    岐した後、前記生体から出射した計測光と合成する光学
    系、前記分岐がなされて2系統の光路を進む該計測光に
    互いに周波数差を与える周波数シフター、および前記合
    成がなされた計測光のビート成分を検出する手段を備え
    てなる光ヘテロダイン検出系と、 この光ヘテロダイン検出系が出力したビート成分検出信
    号の中心周波数成分の強度を検出する手段と、 前記ビート成分検出信号の中心周波数から所定幅外れた
    中心ずれ周波数成分の強度を検出する手段と、 前記中心周波数成分の強度と前記中心ずれ周波数成分の
    強度との比に基づいて画像信号を生成する画像信号生成
    手段とからなる血管の画像化装置。
  9. 【請求項9】 前記中心ずれ周波数成分の強度を検出す
    る手段が、周波数が互いに異なる第1およぴ第2の中心
    ずれ周波数成分を検出するように構成され、 前記画像信号生成手段が、前記中心周波数成分の強度と
    前記第1の中心ずれ周波数成分の強度との比に基づいて
    生体の動脈部分を示す画像信号を生成し、前記中心周波
    数成分の強度と前記第2の中心ずれ周波数成分の強度と
    の比に基づいて生体の静脈部分を示す画像信号を生成す
    るように構成されていることを特徴とする請求項8記載
    の血管の画像化装置。
  10. 【請求項10】 生体に入射する計測光を発する光源手
    段と、 この計測光を前記生体に対して走査させる走査手段と、 前記計測光の一部を前記生体に入射する前の光路から分
    岐した後、前記生体から出射した計測光と合成する光学
    系、前記分岐がなされて2系統の光路を進む該計測光に
    互いに周波数差を与える周波数シフター、および前記合
    成がなされた計測光のビート成分を検出する手段を備え
    てなる光ヘテロダイン検出系と、 この光ヘテロダイン検出系が出力したビート成分検出信
    号のスペクトルを求めるスペクトル分析手段と、 この求められたスペクトルの、中心周波数成分に対して
    所定強度となる2つの周波数成分間のスペクトル幅に基
    づいて画像信号を生成する画像信号生成手段とからなる
    血管の画像化装置。
  11. 【請求項11】 前記画像信号生成手段が、前記スペク
    トル幅として、前記スペクトル分析手段によって求めら
    れたスペクトルの半値幅を用いるものであることを特徴
    とする請求項10記載の血管の画像化装置。
  12. 【請求項12】 生体に計測光を照射する光照射手段
    と、 照射された前記計測光の、前記生体との相互作用による
    スペクトル拡がりに基づいて該生体の動脈および/また
    は静脈を画像化する画像化手段とからなる血管の画像化
    装置。
  13. 【請求項13】 前記画像化手段が、前記生体で散乱し
    た前記計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検
    出信号のスペクトルの半値幅を検出し、この半値幅に基
    づいて前記動脈および/または静脈を画像化するもので
    あることを特徴とする請求項12記載の血管の画像化装
    置。
  14. 【請求項14】 前記画像化手段が、前記生体で散乱し
    た前記計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検
    出信号の中心周波数から所定幅外れた中心ずれ周波数成
    分の強度を検出し、この強度に基づいて前記動脈および
    /または静脈を画像化するものであることを特徴とする
    請求項12記載の血管の画像化装置。
  15. 【請求項15】 前記画像化手段が、前記生体で散乱し
    た前記計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検
    出信号の中心周波数成分の強度と、この中心周波数から
    所定幅外れた周波数成分の強度との比を検出し、この比
    に基づいて前記動脈および/または静脈を画像化するも
    のであることを特徴とする請求項12記載の血管の画像
    化装置。
  16. 【請求項16】 前記画像化手段が、前記生体で散乱し
    た前記計測光の周波数成分を光ヘテロダイン検出信号に
    基づいて検出するものであることを特徴とする請求項1
    2から15いずれか1項記載の血管の画像化装置。
  17. 【請求項17】 生体に計測光を照射する光照射手段
    と、 照射された前記計測光の、前記生体との相互作用による
    スペクトル拡がりに基づいて該生体の動脈と静脈とを識
    別する識別手段とからなる血管の識別装置。
  18. 【請求項18】 前記識別手段が、前記生体で散乱した
    前記計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検出
    信号のスペクトルの半値幅を検出し、この半値幅に基づ
    いて前記動脈と静脈とを識別するものであることを特徴
    とする請求項17記載の血管の識別装置。
  19. 【請求項19】 前記識別手段が、前記生体で散乱した
    前記計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検出
    信号の中心周波数から所定幅外れた中心ずれ周波数成分
    の強度を検出し、この強度に基づいて前記動脈と静脈と
    を識別するものであることを特徴とする請求項17記載
    の血管の識別装置。
  20. 【請求項20】 前記識別手段が、前記生体で散乱した
    前記計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検出
    信号の中心周波数成分の強度と、この中心周波数から所
    定幅外れた周波数成分の強度との比を検出し、この比に
    基づいて前記動脈と静脈とを識別するものであることを
    特徴とする請求項17記載の血管の識別装置。
  21. 【請求項21】 前記識別手段が、前記生体で散乱した
    前記計測光の周波数成分を光ヘテロダイン検出信号に基
    づいて検出するものであることを特徴とする請求項17
    から20いずれか1項記載の血管の識別装置。
  22. 【請求項22】 散乱流体に計測光を照射する光照射手
    段と、 照射された前記計測光の、前記散乱流体との相互作用に
    よるスペクトル拡がりに基づいて該散乱流体の流速を分
    析する分析手段とからなる散乱流体の流速測定装置。
  23. 【請求項23】 前記分析手段が、前記流体で散乱した
    前記計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検出
    信号のスペクトルの半値幅を検出し、この半値幅に基づ
    いて前記流速を分析するものであることを特徴とする請
    求項22記載の散乱流体の流速測定装置。
  24. 【請求項24】 前記分析手段が、前記流体で散乱した
    前記計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検出
    信号の中心周波数から所定幅外れた中心ずれ周波数成分
    の強度を検出し、この強度に基づいて前記流速を分析す
    るものであることを特徴とする請求項22記載の散乱流
    体の流速測定装置。
  25. 【請求項25】 前記分析手段が、前記流体で散乱した
    前記計測光の周波数成分を検出し、その周波数成分検出
    信号の中心周波数成分の強度と、この中心周波数から所
    定幅外れた周波数成分の強度との比を検出し、この比に
    基づいて前記流速を分析するものであることを特徴とす
    る請求項22記載の散乱流体の流速測定装置。
  26. 【請求項26】 前記分析手段が、前記流体で散乱した
    前記計測光の周波数成分を光ヘテロダイン検出信号に基
    づいて検出するものであることを特徴とする請求項22
    から25いずれか1項記載の散乱流体の流速測定装置。
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