JP3264463B2 - 光散乱媒体の吸光計測装置 - Google Patents
光散乱媒体の吸光計測装置Info
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Description
置に関し、詳細には光ヘテロダイン検出方式による吸光
計測装置を光散乱媒体に対して適用可能にした吸光計測
装置に関するものである。
媒体という)の透過吸光情報を検出する方法の1つとし
て光ヘテロダイン検出法が知られている(特開平 2-110
345 号,同 2-110346 号公報参照)。この光ヘテロダイ
ン検出方式は、波長の僅かに異なる2つの光束をそれら
の進行方向が一致するように重ね合わせ、波長の差によ
って生じる光の干渉現象を利用するものであって、重ね
合わされる2つの光束の進行方向が完全に一致しない
と、その光束の垂直な面において時間的に強弱を繰返す
ビート信号を検出することができないため、極めて高精
度な方向弁別性能を有した検出方式ということができ
る。
光ヘテロダイン検出方式によれば、光散乱媒体に入射し
た光は、この光散乱媒体の内部で多重散乱や拡散あるい
は反射、透過によって種々の方向に出射するが、これら
の光の中から直進透過光のみを容易に検出することがで
き、得られた直進透過光を分光分析することによってこ
の媒体の吸光情報を得ることができる。
ダイン検出方式を用いた吸光計測装置において、媒体に
ある程度大きなビーム径の光束を入射して媒体の吸光情
報を2次元的に検出しようとすると、媒体の内部で何回
も散乱し、媒体の表面より種々の方向に向って出射する
散乱光のうち、直進透過光と同一進行方向に向う散乱光
(クロストーク光)が直進透過光に混入し、そのため光
検出器はこの散乱光の混入した直進透過光を検出するこ
とになり、検出信号のS/Nが劣化するという難点があ
る。
報を2次元的に検出しようとする場合、散乱光が直進透
過光に極力混入しないように光束を小さいビーム径とし
て、媒体の小さい領域の吸光情報を検出し、この光束を
媒体に走査することによって小さい領域毎の吸光情報を
2次元的に再構成している。
媒体に走査して吸光情報を細分化して検出するのは非常
に時間がかかり、また光束のビーム径を限りなく小さく
したとしても散乱光を完全に除去することはできない。
媒体から出射する直進透過光と散乱光とを分離して、媒
体の吸光情報を高S/Nで検出し得る光散乱媒体の吸光
計測装置を提供することを目的とするものである。
光計測装置は、直進透過光の進行方向と同一方向に出射
する散乱光が、その方向に出射する直進透過光よりも媒
体内部において長い光路長を有する光路を通過するとい
う特性を利用し、媒体を通過せず他の光路を進行した光
(参照光)と直進透過光とが干渉して発生する光のビー
ト信号と、参照光とクロストーク光とが干渉して発生す
る光のビート信号とを分離して、直進透過光を選別し、
この選別された直進透過光に基づいて光散乱媒体の吸光
情報を計測することを特徴とするものである。
置は、請求項1に記載したように、可干渉距離の短い低
コヒーレンスな光を出射する光源と、この光源より出射
された前記低コヒーレンスな光を2つの光束に分割し、
それぞれ光路長の略等しい2つの異なる光路に沿って進
行させた後合成する光学系と、該2つの光路のうち少な
くとも一方の光路上に設けられた、前記2つの光路をそ
れぞれ各別に進行する2つの光束の周波数が互いに異な
るように該少なくとも一方の光路を進行する光束の周波
数をシフトせしめる周波数シフタと、前記2つの光路の
うち少なくとも一方の光路上に設けられた、該少なくと
も一方の光路の長さを変調せしめて前記2つの光路の光
路差を変調せしめる光路差変調手段と、前記2つの光路
のうち一方の光路上に配された光散乱性の媒体を直進透
過した光束と他方の光路を進行した光束とが前記光学系
により合成されたのちの光束の強度を検出する光検出器
と、前記光検出器により検出された光強度を示す信号の
うち、前記光学系により合成される際の2つの光束の周
波数差に応じた周波数で強弱を繰り返すビート信号を検
出し前記媒体を直進透過した光の成分を検出する光ヘテ
ロダイン検波手段と、該光ヘテロダイン検波手段により
得られた前記媒体を直進透過した光の成分に基づいて該
媒体の吸光情報を計測する吸光情報計測手段とを備え、
前記光路差変調手段により光路差を変調し、該光路差に
応じて特徴的に立ち上がる前記ビート信号を光ヘテロダ
イン検波することにより、前記媒体の吸光情報を計測す
るようにしたことを特徴とするものである。
スな光としては、例えば可干渉距離40〜50μmのS
LD(Super Luminescent Diode )や可干渉距離〜20
μmのLEDを用いることができるが、指向性の点で優
れるSLDを使用することが望ましい。
周波数とは異なる周波数にシフトせしめる手段を意味
し、例えば音響光学素子に光を通過せしめてこの回折光
を利用して周波数をシフトする方式や、時間的に位相を
鋸歯状に掃引するシフト方式を採用してもよい。
の表面形状が曲面であったり、また凹凸を有している場
合は、この媒体に光束が入射する際にその媒体の界面で
屈折し、また媒体から直進透過光が出射する際にその界
面で屈折して、媒体に入射した光束の進行方向と媒体か
ら出射した直進透過光の進行方向とが一致しない場合が
ある。そこでこのような場合は媒体を、この媒体の屈折
率とほぼ同一の屈折率を有し、媒体に入射する光束の進
行方向に対して垂直に仕上げられた光入射面と光出射面
を有する光透過性の媒体によって覆うようにしてもよ
い。
測装置においては、光源よりSLD等の可干渉距離の短
い低コヒーレンスな光が出射され、この光が例えばビー
ムスプリッタ等の光学系により第1の光束と第2の光束
とに分割され、それぞれ光路長のほぼ等しい第1の光
路、第2の光路に沿って進行した後ビームスプリッタ等
の光学系によって合成され干渉せしめられる。
方は、その光路上に配された周波数シフタによりその周
波数がシフトされ、それによりこれら2つの光束の周波
数は互いに異なる値となる。また第1の光路に沿って進
行する第1の光束は、その光路上に配された光散乱性の
媒質に入射し、直進透過光および散乱光が媒質より出射
する。
進行方向成分の光(クロストーク光)も生じる。しかし
直進透過光は媒質内を入射光の進行方向に沿って最短距
離で進行するが、クロストーク光は媒質内部の散乱媒質
により少なくとも1回散乱されたのち出射するため、ク
ロストーク光が媒質内部において通過する光路長は、直
進透過光の光路長に対して長くなる。
短いため、ビームスプリッタ等の光学系上において、上
記第2の光と、直進透過光またはクロストーク光とが干
渉し得る長さとなるように、第1の光路上にあるいは第
2の光路上に設けられた光路差変調手段によって、その
光路長が調整される。
つつ、これら干渉された光の強度を光検出器により検出
し、光ヘテロダイン検波手段により、この検出された光
強度の信号のうち上記2つの光束の周波数の差の周波数
で強弱を繰り返すビート信号を検出するとともに直進透
過光の光強度あるいはクロストーク光の光強度を光ヘテ
ロダイン検波し、また光路差に基づいて直進透過光の光
強度とクロストーク光の光強度とを弁別し、吸光情報計
測手段により、この弁別された直進透過光の光強度に基
づいて光散乱媒体の吸光情報が計測される。
装置によれば、媒体から出射する直進透過光と散乱光と
を分離することができ、その結果、光散乱性の媒体の吸
光情報を有する直進透過光からその吸光情報を高S/N
で検出することができる。
詳細に説明する。
測装置の実施例の概略を示すブロック図である。図示の
吸光計測装置は、SLD(Super Luminescent Diode)光
を出射するSLD光源20と、この光源20より出射された
光a1 を平行光a2 とするコリメータレンズ21と、
該平行光a2 を2つの光束a3 およびa4 に分割
し、それぞれ光路長の略等しい2つの光路A,Bに沿っ
て進行させた後重ね合わせるビームスプリッタ22,23お
よびミラー24,25と、この2つの光路A,Bのうち一方
の光路Bを進行する光束a4 の周波数を図2に示す鋸
歯状波に変調するピエゾ素子32およびこのピエゾ素子32
を駆動する信号を発生する鋸歯状波発生ドライブ回路33
と、ビームスプリッタ23により重ね合わせられた光a
6 の光強度を検出し光電変換して電気信号を出力する
光検出器30と、該光検出器30により検出された光強度を
示す信号を光ヘテロダイン検波するデータ処理装置31
と、光ヘテロダイン検波された光強度信号に基づいて所
定の帯域の光強度信号を抽出するバンドパイフィルタ34
と、この抽出された光強度信号より媒体10の吸光強度を
算出するレベル検出器35とを備えた構成である。
の光路A,Bに沿ってそれぞれ進行する2つの光束a
3 ,a4 のうちピエゾ素子32により周波数の変調さ
れる光束a4 を以下、参照光a4 といい、この参照
光a4 の光路B上には光路Bの長さを所定の長さに変
調し得る光路差制御器37およびこの光路差制御器37を駆
動する信号を発生するドライブ回路36が設けられてい
る。
6(A)に示すように光透過性のプレート38,38を対向
せしめ、これらの各中心点O,O′を中心として逆方向
に同角度だけ回転させるように構成したものや、図6
(B)に示すように入射光に対してわずかに傾斜して対
向する2枚のミラー39をそれらの間の距離が変化するよ
うに平行に移動し得るように構成したものなどを採用す
ることができる。
測しようとする光散乱性の媒体10が配置される。この媒
体10は図3(A)に示すようにその表面形状が曲面によ
って形成されており、そのため光ビームが媒体10に入出
射する際、その界面において屈折して光の主ビームの進
行方向が変わり、アーチファクトの原因となる。そこで
図3(B)に示すように、媒体10とほぼ同一の屈折率を
有する光透過性のマッチング媒体11を媒体10に密着させ
て主ビームの進行方向を変えないようにする。なお、こ
のマッチング媒体10への光の入出射面は光の進行方向に
対してほぼ垂直に仕上げられている。このマッチング媒
体10は例えば図3(C)に示すように、媒体10と同一屈
折率の液状媒体14が充填されたポリエチレン等の極薄の
可撓性袋体13を、平行平板ガラス12に密着させたものに
よって構成することができ、これを媒体10に光の入出射
方向よりそれぞれ押し付けてサンドイッチ構造を構成す
ることによって実現することができる。
ング媒体11との全体を媒体10とみなして記述する。
リメータレンズ21により平行光a2とされ、ビームスプ
リッタ22によって2つの光路A,Bに沿って進む2つの
光束a3 およひびa4 に分割される。光路Aに沿っ
て進む光束a3 は媒体10に入射し、この媒体10内部の
光散乱媒質により種々の方向に散乱されて出射する散乱
光a20と、この媒体10に特徴的に吸光されてこの媒体
10の吸光情報を担持し入射方向と同一方向に出射される
直進透過光a10とに分けられるが、図4に示すよう
に、散乱光a20の一部は多重散乱されるなどにより、
直進透過光a10が出射する方向と同一方向に出射する
光a21があり、これはクロストーク光と呼ばれる。
多重散乱されることにより、直進透過光a10が媒体10
内部で通過する光路長よりも長い光路長の光路を通過す
ることになる。
鋸歯状波発生ドライブ回路33により駆動されるピエゾ素
子32と一体的に駆動されるミラー25により、図2に示す
ように時間的に位相が鋸歯状に掃引されて一定の周波数
だけシフトした参照光a5となる。
束a10,a21とは、ビームスプリッタ23により合成
され、その光強度が光検出器30により検出されて光電変
換され光強度に応じた電気信号としてデータ処理装置31
へ出力される。
と非常に短いため、ドライブ回路36により駆動される光
路差制御器37により上記2つの光路A,Bの光路長がほ
ぼ等しくされることによって、その光路差に応じて、参
照光a5 と直進透過光a10とが干渉され、あるいは
参照光a5 とクロストーク光a21とが干渉される。
の強度が検出される。ここでこの干渉光a6 は、もと
の2つの光の差周波数に応じた周波数で強弱を繰り返す
ビート信号を生じる。光検出器30により検出された干渉
光a6 の強度変化からデータ処理装置31により、この
ビート信号が検出され、検出されたビート信号より光路
Aを直進して通過した光が光ヘテロダイン検波される。
図5は、光路Aを直進して通過した光と光路Bを通過し
た光a4 (a5 )との光路差と、光検出器30により
検出される光強度との関係を示すグラフであり、光路差
がゼロとなる位置を原点に設定したものである。この図
5は光路Aを直進して通過した光、すなわち直進透過光
a10およびクロストーク光a21の強度分布を示すも
のであるから、斜線を付した特徴的に立ち上る検出光強
度スペクトラムは、直進透過光a10の強度を示す。バ
ンドパスフィルタ34は、得られた検出光強度スペクラム
のうちこの斜線を付した特徴的に立ち上る検出光強度
(光路差がゼロである原点における検出光強度)を検出
し、検出された上記帯域の検出光強度スペクトラムに基
づいてレベル検出器30により、媒体10を透過した直進透
過光a10の強度を算出して媒体10の吸光情報を得る。
測装置によれば、光散乱性の媒体より出射する直進透過
光と散乱光とを分離することができ、その結果、高S/
Nで媒体の吸光情報を得ることができる。
よび周波数シフタとしてのピエゾ素子32,鋸歯状波発生
ドライブ回路33が、媒体10の配されていない側の光路B
上に配されている構成であるが、本発明の吸光計測装置
は本実施例の態様に限るものではなく、上記光路差制御
器37および周波数シフタがいずれも媒体10の配されてい
る側の光路A上に配された構成や、それぞれ各別に光路
A上,光路B上に配された構成をも採用することができ
る。
施例を示す概略ブロック図
補正について説明するための図
るための概念図
すグラフ
Claims (1)
- 【請求項1】 可干渉距離の短い低コヒーレンスな光を
出射する光源と、該光源より出射された前記低コヒーレ
ンスな光を2つの光束に分割し、それぞれ光路長の略等
しい2つの異なる光路に沿って進行させた後合成する光
学系と、該2つの光路のうち少なくとも一方の光路上に
設けられた、前記2つの光路をそれぞれ各別に進行する
2つの光束の周波数が互いに異なるように該少なくとも
一方の光路を進行する光束の周波数をシフトせしめる周
波数シフタと、前記2つの光路のうち少なくとも一方の
光路上に設けられた、該少なくとも一方の光路の長さを
変調せしめて前記2つの光路の光路差を変調せしめる光
路差変調手段と、前記2つの光路のうち一方の光路上に
配された光散乱性の媒体を直進透過した光束と他方の光
路を進行した光束とが前記光学系により合成されたのち
の光束の強度を検出する光検出器と、前記光検出器によ
り検出された光強度を示す信号のうち、前記光学系によ
り合成される際の2つの光束の周波数差に応じた周波数
で強弱を繰り返すビート信号を検出し前記媒体を直進透
過した光の成分を検出する光ヘテロダイン検波手段と、
該光ヘテロダイン検波手段により得られた前記媒体を直
進透過した光の成分に基づいて該媒体の吸光情報を計測
する吸光情報計測手段とを備え、 前記光路差変調手段により光路差を変調し、該光路差に
応じて特徴的に立ち上がる前記ビート信号を光ヘテロダ
イン検波することにより、前記媒体の吸光情報を計測す
るようにしたことを特徴とする光散乱媒体の吸光計測装
置。
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP14741293A Expired - Fee Related JP3264463B2 (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 光散乱媒体の吸光計測装置 |
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WO2000075633A1 (fr) * | 1997-12-12 | 2000-12-14 | Hamamatsu Photonics K.K. | Dispositif optique ct et procede de reformation d'images |
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JP5610063B2 (ja) * | 2011-03-24 | 2014-10-22 | 株式会社ニコン | 観察装置および観察方法 |
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-
1993
- 1993-06-18 JP JP14741293A patent/JP3264463B2/ja not_active Expired - Fee Related
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