JP3502067B2 - 光散乱媒体の屈折率分布情報の計測装置 - Google Patents

光散乱媒体の屈折率分布情報の計測装置

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JP3502067B2
JP3502067B2 JP2001198610A JP2001198610A JP3502067B2 JP 3502067 B2 JP3502067 B2 JP 3502067B2 JP 2001198610 A JP2001198610 A JP 2001198610A JP 2001198610 A JP2001198610 A JP 2001198610A JP 3502067 B2 JP3502067 B2 JP 3502067B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は光散乱媒体の屈折率分布
情報の計測装置に関し、詳細には光ヘテロダイン検出方
式により光散乱媒体内部の屈折率(粗密)分布を計測す
る装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より光散乱媒体内部の形態を観察す
るために種々の装置が用いられている。例えば、光散乱
媒体内部に散在する介在物の光に対する屈折率の差を利
用してその介在物の形態を観察する装置として特開昭63
-179223 号に記載された、極短パルス時間ゲート法によ
る装置が知られている。この装置は、タイミング制御装
置により制御されたタイミングでパルス状の光を出射す
る光源と、この光源より出射されたパルス状の光を計測
しようとする光散乱媒体に照射し、その光散乱媒体を透
過した前記パルス状の光を検出する光検出器と、光散乱
媒体と光検出器との間に、タイミング制御装置による制
御に応じて上記光散乱媒体を透過した光の光検出器への
入射を許容する開位置と遮断する閉位置とを採る得る高
速シャッタとを備えたものであって、光散乱媒体内部に
散在する介在物の光に対する屈折率に応じて、そのパル
ス光が光散乱媒体を通過するのに要する時間が異なるこ
とを利用し、高速シャッタの開閉を制御することによっ
て、介在物の光に対する屈折率に応じた透過光を選択的
に得るものである。 【0003】一方、生体等の光散乱媒体の直進透過光を
検出する方法の1つとして光ヘテロダイン検出法が知ら
れている(特開平 2-110345 号,同 2-110346 号公報参
照)。この光ヘテロダイン検出方式は、波長の僅かに異
なる2つの光束をそれらの進行方向が一致するように重
ね合わせ、波長の差によって生じる光の干渉現象を利用
するものであって、重ね合わされる2つの光束の進行方
向が完全に一致しないと、その光束の垂直な面において
時間的に強弱を繰返すビート信号を検出することができ
ないため、光散乱媒体を直進透過した直進透過光だけを
極めて高精度に弁別することができる。そしてこの高精
度な方向弁別性能を有する光ヘテロダイン検出方式によ
れば、光散乱媒体内部の介在物を透過した光によって検
出された上記ビート信号の位相と、基準となる所定の光
の位相との差(位相差)は、その介在物の屈折率差に応
じたものであるため、この位相差を演算処理することに
よって、この介在物の屈折率差を得ることができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし前記極短パルス
時間ゲート法は、光散乱媒体からの所望の透過光だけを
高精度に選択するために、高速シャッタとして高コスト
のストリークカメラを使用する必要があり、装置全体が
高価になる。さらに光散乱媒体内部の前記介在物は散在
しているため、その分布を得るためには、光散乱媒体の
一点一点について計測を行う必要があり計測時間が長大
化するという問題がある。 【0005】一方、干渉波のビート信号の位相差から屈
折率差を得る光ヘテロダイン検出法は、波長オーダの光
路差に相当する屈折率差を高精度に得られるものの、こ
の波長オーダより大きな光路差に相当する程度の大きな
屈折率の差を計測することはできない。また媒体の内部
で何回も散乱し、媒体の表面より種々の方向に向って出
射する散乱光のうち、直進透過光と同一進行方向に向う
散乱光(クロストーク光)が直進透過光に混入し、その
ため光検出器はこの散乱光の混入した直進透過光を検出
することになり、検出信号のS/Nが劣化するという難
点がある。 【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
媒体から出射する直進透過光と散乱光とを完全に分離し
て直進透過光を高S/Nで検出するとともに、波長オー
ダより大きな光路差に相当する程度の大きな屈折率変化
の分布を短時間で計測する光散乱媒体の屈折率分布情報
の計測装置を提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の光散乱媒体の屈
折率分布情報の計測装置は、媒体より出射した直進透過
光の進行方向と同一方向に出射する散乱光が、その方向
に出射する直進透過光よりも媒体内部において長い光路
長の光路を通過するという特性を利用して直進透過光を
弁別し、この弁別された直進透過光がこの媒体を通過す
る光学的な光路長と物理的な光路長との差を求め、それ
によって媒体内部の介在物の屈折率差を得る。媒体の各
部分を通過する各直進透過光を、光検出器の光検出素子
によりそれぞれ同時に検出したうえで上記動作を行うこ
とにより、媒体の各部分の介在物の屈折率分布を得るこ
とを特徴とするものである。 【0008】すなわち本発明の光散乱媒体の屈折率分布
情報の計測装置は、請求項1に記載したように、コヒー
レント光を出射する光源と、該光源より出射された前記
コヒーレント光を時間的に周波数掃引する変調手段と、
該変調されたコヒーレント光を2つの光束に分割し、予
め設定された光路差を有する2つの光路に沿ってそれぞ
れ進行させたのち合成する光学系と、該2つの光路のう
ち一方の光路上に配された光散乱媒体を直進透過した光
束および該直進透過した光束と同一方向に進む散乱光
と、他方の光路を進行した光束とが、前記光学系により
それぞれ合成されたのちの光束の強度を検出する、該合
成されたのちの光束の進行方向に対して垂直な面に沿っ
て光検出素子を1次元的あるいは2次元的に並設してな
る光検出器と、該光検出器の各光検出素子によりそれぞ
れ検出された光強度に基づいて前記合成される以前の直
進透過する光束ともう一方の光路を通過する光束との光
学的光路差を各光検出素子ごとに求め、該各光検出素子
ごとに求められた光学的光路差から、ある基準となる光
学的光路差との差を求め、この差を光散乱媒体の厚さで
除することにより、前記媒体の位置毎の屈折率差を算出
する演算手段とを備えてなることを特徴とするものであ
る。 【0009】ここで上記コヒーレント光を出射する光源
は、上記光源より出射されたコヒーレント光を時間的に
周波数掃引する変調手段を兼用するものであってもよ
い。 【0010】なお上記光路上に配された光散乱性の媒体
の表面形状が曲面であったり、また凹凸を有している場
合は、この媒体に光束が入射する際にその媒体の界面で
屈折し、また媒体から直進透過光が出射する際にその界
面で屈折して、媒体に入射した光束の進行方向と媒体か
ら出射した直進透過光の進行方向とが一致しない場合が
ある。そこでこのような場合は媒体を、この媒体の屈折
率とほぼ同一の屈折率を有し、媒体に入射する光束の進
行方向に対して垂直に仕上げられた光入射面と光出射面
を有する光透過性の媒体によって覆うようにしてもよ
い。 【0011】また上記光散乱媒体の屈折率分布情報の計
測装置において、1次元光検出器を使用する場合は、こ
の1次元光検出器とこの1次元光検出器を除く系とのう
ち少なくとも一方を、この1次元光検出器の延びる方向
と略垂直な方向に走査する走査手段を備える構成として
2次元分布を計測することもできる。 【0012】さらに上記光散乱媒体の屈折率分布情報の
計測装置は、被測定体である上記光散乱媒体とこの光散
乱媒体以外の系の全体あるいは一部とをこの光散乱媒体
を照射する光が光散乱媒体に対して相対的に回転移動し
うる移動手段と、屈折率情報計測手段の後段に画像再構
成手段とを設けることにより、各回転位置において得ら
れた屈折率分布情報をCT手法のアルゴリズムを備えた
画像再構成手段等により3次元の屈折率分布画像として
出力するように構成することもできる。 【0013】 【作用および発明の効果】本発明の光散乱媒体の屈折率
分布情報の計測装置は、光源より出射されたコヒーレン
ト光が、変調手段により時間的に周波数掃引され、光学
系により第1の光束と第2の光束とに分割され、予め設
定された光路差を有する第1の光路、第2の光路に沿っ
て進行したのち合成される。この2つの光路は予め設定
された光路差を有するため、各光束が各光路を通過する
のに要する時間は異なる。光源より出射された光は時間
的に周波数掃引されているため、2つの光路をそれぞれ
通過した2つの光束が合成される際の各光束の周波数は
異なった値を示す。 【0014】ここで上記2つの光路のうち第2の光路に
沿って進行する光束は、単にその光路に沿って進行する
だけであるが、第1の光路に沿って進行する光束は、そ
の光路上に配された光散乱性の媒体に入射し、直進透過
光および散乱光が媒体より出射する。 【0015】ここで直進透過光はこの透過光が通過した
媒体の部分の屈折率情報を有している。これは、光が媒
体を通過する光学的な光路長が、通過する媒体の屈折率
に対応することによる。 【0016】一方、散乱光はこの媒体へ入射した光の方
向とは無関係に不定の方向に向かって媒体より出射する
が、その一部の散乱光は直進透過光と同一方向に向かっ
て媒体より出射する(この一部の散乱光を以下、クロス
トーク光と呼ぶ)。 【0017】このため上記媒体の部分の屈折率情報を高
S/Nで得るためには、直進透過光とクロストーク光と
を分離することが必要である。以下本発明におけるこの
分離を行う作用について説明する。 【0018】上述のように、散乱光のうちクロストーク
光の光路長は直進透過光の光路長よりも長い。 【0019】このため、第1の光路の長さより第2の光
路の長さ(第2の光路長)の方が長い場合、直進透過光
の光路を通過する第1の光路長と第2の光路長との差
は、クロストーク光の光路を通過する第1の光路長と第
2の光路長との差より大きい値となり、したがってこの
光学系上で干渉される直進透過光の周波数と第2の光路
を通過した第2の光束の周波数との差は、クロストーク
光の周波数と第2の光路を通過した第2の光束の周波数
との差より大きい値を示す。干渉した光は、干渉する以
前の2つの光の差周波数で強弱を繰り返すビート信号を
生じるため、直進透過光と第2の光束とが干渉した光の
ビート周波数は、クロストーク光と第2の光束とが干渉
した光のビート周波数より高い値を示す。 【0020】一方、第2の光路の長さ(第2の光路長)
より第1の光路の長さの方が長い場合、直進透過光の光
路を通過する第1の光路長と第2の光路長との差は、ク
ロストーク光の光路を通過する第1の光路長と第2の光
路長との差より小さい値となり、したがってこの光学系
上で干渉される直進透過光の周波数と第2の光路を通過
した第2の光束の周波数との差は、クロストーク光の周
波数と第2の光路を通過した第2の光束の周波数との差
より小さい値を示す。その結果、直進透過光と第2の光
束とが干渉した光のビート周波数は、クロストーク光と
第2の光束とが干渉した光のビート周波数より低いもの
となる。 【0021】ここで、上記ビート周波数ごとの干渉光の
強度に基づいて、光学的に最短距離を通過する直進透過
光に係る干渉光とクロストーク光に係る干渉光とを弁別
する。弁別された光学的に最短距離を通過する直進透過
光にかかる干渉光の周波数より、直進透過光の周波数
と、この直進透過光と干渉する他の光路を進行した光の
周波数との差周波数を求め、その差周波数および周波数
掃引特性に基づいて、直進透過光が通過した光路と干渉
する光が通過した光路との光学的光路差を光検出素子の
各位置で算出し、その各位置での光学的光路差と、この
中のある基準とする位置での光学的光路差との差を算出
し、該光散乱媒体の厚さでこれを除することにより、媒
体の位置ごとの相対的な屈折率差の分布を得ることがで
きる。 【0022】この得られた媒体の各部分の屈折率差の分
布は、媒体の、光が通過した方向の空間的積分値の分布
であるから、前述のように、移動手段により、光散乱媒
体とこの光散乱媒体以外の系の全体あるいは一部とのう
ち少なくとも一方を、この光散乱媒体を照射する光が光
散乱媒体に対して相対的に回転移動し、各回転位置毎に
上記作用を繰り返して各回転位置毎の屈折率差の分布情
報を求め、得られた各回転位置毎の屈折率差の分布情報
を画像再構成手段によるCT手法のアルゴリズムにより
再構成することにより、媒体の3次元屈折率差の分布画
像を出力することが可能である。 【0023】このように本発明の光散乱媒体の屈折率分
布情報の計測装置によれば、,媒体から出射する直進透
過光と散乱光とを完全に分離して直進透過光を高S/N
で検出するとともに、波長オーダより大きな光路差に相
当する程度の大きな屈折率変化の分布を短時間で計測す
る光散乱媒体の屈折率差分布情報を得ることができる。 【0024】 【実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施の形態
について詳細に説明する。 【0025】図1は本発明にかかる光散乱媒体の屈折率
分布情報計測装置の実施形態の概略を示すブロック図で
ある。図示の屈折率分布情報計測装置は、レーザ光源50
と、この光源50から出射されるレーザ光を図2に示すよ
うに鋸歯状に周波数掃引する周波数掃引ドライブ回路66
と、このドライブ回路66によって周波数掃引されて光源
50より出射されるレーザ光aを平行光aとする
コリメータレンズ51と、この平行光aを2つの光束
,aに分割し、光路長がわずかに異なる2つ
の光路A,Bに沿って進行させたのち重ね合わせるビー
ムスプリッタ52,53およびミラー54,55と、ビームスプ
リッタ53により重ね合わせられた光a の光強度を検出
し光電変換して電気信号を出力するフォトダイオード
(以下PD(x,y)という)が複数個2次元
的に配された光検出器60と、該光検出器60の各PD(x
,y)により検出された各光の強度変化の周波
数に基づいて、干渉された2つの光の差周波数を検出
し、この差周波数と周波数掃引ドライブ回路66の周波数
掃引特性とに基づいて、媒体10の位置ごとの相対的な屈
折率差の分布を算出するデータ処理装置61とを備えた構
成である。 【0026】上記PD(x,y)の(x
)とは、光検出器30の2次元光検出面のx−y座
標系における位置を示すものであり、したがってPD
(x ,y)は座標位置(x,y)に配さ
れたPDを意味する。 【0027】ここで上記ビームスプリッタ52により2つ
の光路A,Bに沿ってそれぞれ進行する2つの光束a
,aのうち一方の光路A上には、屈折率分布を
計測しようとする光散乱性の媒体10(光の透過方向の厚
さl)が配置されている。この媒体10は図3(A)
に示すようにその表面形状が曲面によって形成されてお
り、そのため光ビームが媒体10に入出射する際、その界
面において屈折して光の主ビームの進行方向が変わり、
アーチファクトの原因となる。そこで図3(B)に示す
ように、媒体10とほぼ同一の屈折率を有する光透過性の
マッチング媒体11を媒体10に密着させて主ビームの進行
方向を変えないようにする。なお、このマッチング媒体
10への光の入出射面は光の進行方向に対してほぼ垂直に
仕上げられている。このマッチング媒体10は例えば図3
(C)に示すように、媒体10と同一屈折率の液状媒体14
が充填されたポリエチレン等の極薄の可撓性袋体13を、
平行平板ガラス12に密着させたものによって構成するこ
とができ、これを媒体10に光の入出射方向よりそれぞれ
押し付けてサンドイッチ構造を構成することによって実
現することができる。 【0028】以下、説明簡略化のため媒体10とこのマッ
チング媒体11との全体を媒体10とみなして記述する。 【0029】次に本実施例の作用について説明する。 【0030】光源50より出射される光は前述のとおり周
波数掃引ドライブ回路66により図2に示す如く時間的に
周波数掃引される。この周波数掃引されて光源50より出
射した光aはコリメータレンズ51により平行光a
とされ、ビームスプリッタ52によって2つの光路
A,Bに沿って進む2つの光束aおよびaに分
割される。光路Aに沿って進む光束aは媒体10に入
射し、この媒体10内部の光散乱媒質により種々の方向に
散乱されて出射する散乱光a20と、この媒体10の屈折
率情報を担持し入射方向と同一方向に出射される直進透
過光a10とに分けられるが、図4(A)に示すよう
に、散乱光a20の一部は多重散乱されるなどにより、
直進透過光a10が出射する方向と同一方向に出射する
光があり、以下これをクロストーク光と呼ぶ。 【0031】このクロストーク光a21は媒体10内部で
多重散乱されることにより、直進透過光a10が媒体10
内部で通過する光路長よりも長い光路長の光路を通過す
るという特徴を有する。 【0032】これに対し、図4(B)に示すように、直
進透過光a10を組成する、媒体10の直進透過光a10
と垂直なx−y座標系の各部分(x,y)をそ
れぞれ直進透過した直進透過光をa10(x,y
)とすると、これら各直進透過光a10(x
)は媒体10内部の各光路上の屈折率に応じた光路
長を通過して、この媒体10より出射する。なおこの直進
透過光a10(x,y)は、座標位置
(x,y)の対応するPD(x,y
に入射する直進透過光である。 【0033】例えば図4(B)において、領域K,L,
Mはそれぞれ媒体10の主要部の屈折率と異なる部分であ
って、透過光a10(x,y)は領域Kを通過
し、透過光a10(x,y)は屈折率の異なる
領域Lを通過し、透過光a (x,y)は屈
折率の異なる領域Mを通過して媒体10より出射する。 【0034】上述のように、媒体10に入射した光束a
は、媒体10の最短距離を通って直線的に透過する直進透
過光a10、およびこの直進透過光a10よりも長い光
路長の光路を通過するクロストーク光a21として媒体
10より出射される。 【0035】このように光路Aを通過した光束a
うち媒体10より出射する直進透過光a10とクロストー
ク光a21とが、ビームスプリッタ53により、他方の光
路Bを通過した光束aとそれぞれ合成されて干渉を
生じる。 【0036】ここで直進透過光a10がビームスプリッ
タ53に到達するのに要する時間は、クロストーク光a
21がビームスプリッタ53に到達するのに要する場間よ
りも短いため、ビームスプリッタ53上で直進透過光a
10が干渉される光aの周波数は、クロストーク光
21が干渉される光aの周波数に対して低い。そ
のため例えば光路Aの長さよりも光路Bの長さが短い場
合は、直進透過光a10と干渉される光aの周波数
を直進透過光a10の周波数との差は、クロストーク光
21と干渉される光aの周波数とクロストーク光
21の周波数との差よりも小さく、干渉によって生じ
るビート信号の周波数は、直進透過光a10による干渉
51の方がクロストーク光a21による干渉光a52
よりも低いものとなる。 【0037】一方、光路Aの長さよりも光路Bの長さが
長い場合は、直進透過光a10と干渉される光a
周波数と直進透過光a10の周波数との差は、クロスト
ーク光a21と干渉される光aの周波数とクロスト
ーク光a21の周波数との差よりも小さく、従って干渉
によって生じるビート信号の周波数は、直進透過光a
10による干渉光a51の方がクロストーク光a21
よる干渉光a52よりも高いものとなる。 【0038】上述のとおり干渉によって生じるビート信
号の周波数に基づいて、直進透過光a10とクロストー
ク光a21とを弁別することが可能である。 【0039】また、直進透過光a10については、直進
透過光a10を組成する、媒体10の直進透過光a10
垂直なx−y座標系の各部分(x,y)をそれ
ぞれ直進透過した直進透過光をa10(x
)とすると、これら各直進透過光a
10(x,y)は媒体10内部の各光路上の屈折
率に応じた光路長を通過して、PD(x,y
に入射する。 【0040】図5はこの各PD(x,y)によ
り検出された光検出強度曲線のうち、PD(x,y
),PD(x,y),PD(x,y
)について示した図である。図示の光検出強度曲線
において例えばPD(x,y)について光検出
強度が特徴的に立ち上がる周波数ν(x,y
は、直進透過光a10(x,y)と参照光a
とが干渉した光a51(x,y)の周波数
であり、光検出強度が緩やかに小さくなる部分に対応す
る周波数はクロストーク光a21に係る干渉光a52
周波数を意味する。 【0041】データ処理装置61は各PD(x,y
)により検出されたこれら光検出強度からこの特徴
的に立ち上がる周波数ν(x,y)を検出す
る。この干渉光のビート信号の周波数は干渉前の2つの
光の周波数の差であるから、この特徴的に立ち上がる各
周波数ν(x,y)と周波数掃引ドライブ回路
66の周波数掃引特性(図2)とに基づいて、各直進透過
光a10(x,y)と参照光aとの各光路通
過時間の差t(x,y)を算出し、この時間差
t(x,y)に応じた光路差ΔL′(x
)を算出する。この光路差ΔL′(x,y
)は、光学的な光路差であり、媒体10の通過部分
(x,y)の屈折率に応じて変化する。 【0042】さらにデータ処理装置61は、この算出され
た光学的な光路差ΔL′(x,y)と、点(x
,y)の位置における光学的な光路差ΔL′
(x ,y)との差Δl(x,y)を算出
する。この差Δl(x,y)を媒体を通過する
物理的な厚さlで除算処理を行う。これにより媒体
10の通過部分(x,y)の屈折率差を算出す
る。 【0043】このようにデータ処理装置61によって計測
された媒体10の通過部分(x,y)毎の屈折率
差の分布はCRT34に出力されて、媒体10の屈折率差の
分布画像として表示される。 【0044】上述のように本実施形態の光散乱媒体の屈
折率分布情報の計測装置によれば、光散乱性の媒体より
出射する直進透過光と散乱光とを完全に分離することが
でき、その結果、高S/Nで媒体の吸光情報を得ること
ができる。 【0045】なお、本実施形態において、媒体10の散乱
成分が透過光成分より大きいために、また図5に示す光
検出強度曲線が広範な周波数帯域に亘るために、上記直
進透過光a10(x,y)と参照光aとの
干渉光a51(x,y )の周波数ν(x,y
)の検出が困難である場合は、データ処理装置61に
おいて相互相関処理装置を設け、媒体10のある1点(x
,y)より検出された上記干渉光a51(x
,y)の周波数ν(x,y)を基準と
して他の信号と相互相関の計算処理を行なうことによ
り、上記周波数ν(x,y)の検出を行えばよ
い。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明にかかる光散乱媒体の屈折率分布情報の
計測装置の実施形態の概略を示すブロック図 【図2】光源より出射されるレーザ光の周波数掃引波形
を示すグラフ 【図3】光散乱媒体への入出射光の界面における屈折の
補正について説明するための説明図 【図4】(A)直進透過光とクロストーク光との関係を
説明するための概念図(B)直進透過光により屈折率分
布を得ることを説明するための概念図 【図5】干渉光のビート周波数と光強度との関係を示す
グラフ 【符号の説明】 10 光散乱性の媒体 50 レーザ光源 51 コリメータレンズ 52,53 ビームスプリッタ 54,55 ミラー 60 2次元アレイ光検出器 61 データ処理装置 66 周波数掃引ドライブ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−27845(JP,A) 特開 平4−31744(JP,A) 特開 平2−150747(JP,A) 特開 昭54−123997(JP,A) 特開 平5−203563(JP,A) 特開 平6−70881(JP,A) 戸井田昌宏・近藤真・市村勉・稲葉文 男,生体画像計測のための光ヘテロダイ ン方式CT法の基礎的研究(1),光 学,日本,1990年 2月,VOL.19 NO.7,447−453 戸井田昌宏・近藤真・市村勉・稲葉文 男,生体画像計測のための光ヘテロダイ ン方式CT法の基礎的研究(2),光 学,日本,1990年 4月,VOL.19 NO.8,529−537 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/17 - 21/61 JICSTファイル(JOIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 コヒーレント光を出射する光源と、 該光源より出射された前記コヒーレント光を時間的に周
    波数掃引する変調手段と、 該変調されたコヒーレント光を2つの光束に分割し、予
    め設定された光路差を有する2つの光路に沿ってそれぞ
    れ進行させたのち合成する光学系と、 該2つの光路のうち一方の光路上に配された光散乱媒体
    を直進透過した光束および該直進透過した光束と同一方
    向に進む散乱光と、他方の光路を進行した光束とが、前
    記光学系によりそれぞれ合成されたのちの光束の強度を
    検出する、該合成されたのちの光束の進行方向に対して
    垂直な面に沿って光検出素子を1次元的あるいは2次元
    的に並設してなる光検出器と、 該光検出器の各光検出素子によりそれぞれ検出された光
    強度に基づいて前記合成される以前の直進透過する光束
    ともう一方の光路を通過する光束との光学的光路差を各
    光検出素子ごとに求め、該各光検出素子ごとに求められ
    た光学的光路差から、ある基準となる光学的光路差との
    差を求め、この差を光散乱媒体の厚さで除することによ
    り、前記媒体の位置毎の屈折率差を算出する演算手段と
    を備えてなることを特徴とする光散乱媒体の屈折率分布
    情報の計測装置。
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戸井田昌宏・近藤真・市村勉・稲葉文男,生体画像計測のための光ヘテロダイン方式CT法の基礎的研究(2),光学,日本,1990年 4月,VOL.19 NO.8,529−537

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