JP2022047659A - 光干渉装置、及び、生体情報解析装置 - Google Patents

光干渉装置、及び、生体情報解析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】S/N比の高い計測が可能な生体情報解析装置を提供すること。【解決手段】光干渉装置10は、発光部11と、受光部17と、発光部11から射出された光を、参照光72と、生体Hに入射される測定光71と、に分離する光分離部と、分離された参照光72を反射するミラー9と、を備え、測定光71は、生体Hの内部で反射して検出光75となり、検出光75は、ミラー9で反射された参照光72と合波されて受光部17に入射する。【選択図】図7

Description

本発明は、光干渉装置、及び、当該光干渉装置を備えた生体情報解析装置に関する。
従来、非侵襲で血流や血圧等の生体情報を解析する測定技術が提案されている。例えば、特許文献1には、レーザードップラー法を用いた血液速度の測定装置が開示されている。当該測定装置では、光源から射出されたビームをサンプルビームと、基準ビームとに分割し、サンプルビームを生物試料中の領域へ導き、その領域から反射したサンプルビームと反射された基準ビームとの干渉を検出することで血液の速度を測定するとしている。
また、サンプルビームと基準ビームは少なくともその進行経路の一部分にわたって光ファイバに結合するという記載や、特許文献1の図5の描写から、両ビームの導光距離はかなりの長さがあるものと推測される。なお、サンプルビームのことを測定光、測定光が生体の内部で反射した光を検出光、基準ビームのことを参照光ともいう。
特開平08-206086号公報
しかしながら、特許文献1の測定装置では、S/N比の高い計測が困難であるという課題があった。詳しくは、生体からの検出光、及び、参照光の導光距離が長いため、受光部で受光される光の強度が小さかった。また、生体の皮膚などの表面や、生体に向けて測定光が出射されるカバー部材などで反射された表面反射光は、検出光と参照光とを合波した干渉光におけるノイズ要因となっていた。
本願に係る光干渉装置は、発光部と、受光部と、前記発光部から射出された光を、参照光と、生体に入射される測定光と、に分離する光分離部と、前記分離された前記参照光を反射する反射部と、を備え、前記測定光は、前記生体の内部で反射して検出光となり、前記検出光は、前記反射部で反射された前記参照光と合波されて前記受光部に入射する。
本願に係る生体情報解析装置は、上記記載の光干渉装置と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記検出光と、前記参照光とが合波された干渉光の干渉信号に基づいて、生体の情報を解析する。
実施形態1に係る解析装置の側面図。 解析装置の機能ブロック図。 光ビート信号の説明図。 光ビート信号の単位時間における出力電圧を示すグラフ図。 パワースペクトルを示すグラフ図。 血流量の変化を示すグラフ図。 光干渉装置の構成図。 実施形態2の光干渉装置の構成図。 実施形態3の光干渉装置の構成図。 実施形態4の光干渉装置の構成図。 実施形態5の光干渉装置の構成図。 従来の光干渉装置の構成図。
実施形態1
***生体情報解析装置の概要***
図1は、実施形態1に係る解析装置の側面図である。
解析装置100は、被験者の生体情報を非侵襲的に測定する生体情報解析装置である。
解析装置100は、被験者の生体における特定の部位の血流量、及び、血圧を生体情報として測定する。以下の説明では、好適例として被験者の手首を生体Hとして例示する。なお、測定部位となる生体Hは、内部に細動脈が存在する生体部位であれば良く、例えば、上腕や、首などであっても良い。
解析装置100は、筐体部12とベルト14とを具備する腕時計型の携帯機器であり、好適例において手首に装着される。
筐体部12には、光干渉装置10や、表示装置21などが内蔵されており、光干渉装置10は、手首の内側に面している。表示装置21は、測定結果を表示する液晶パネルなどの表示部であり、光干渉装置10の反対側の面に設けられており、被験者が視認可能となっている。なお、光干渉装置10は、後述する各実施形態の光干渉装置10a~10dと置換することができる。
ベルト14の長さ調整や、筐体部12のデザインにより、手首への装着状態において、光干渉装置10が手首の動脈位置と対向する位置に配置される。
図2は、解析装置の機能ブロック図である。
解析装置100の筐体部12には、光干渉装置10、表示装置21に加えて、制御部としての制御装置20、記憶装置22などが内蔵されている。なお、光干渉装置10の詳細は、後述する。
制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)、又は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算処理装置であり、解析装置100の全体を制御する。また、制御装置20には、演算部25が含まれている。演算部25は、後述の制御プログラム実行時において各種演算を行う仮想部位である。詳細は後述するが、制御装置20は、光干渉装置10が検出した干渉光の干渉信号に基づいて、演算部25や、記憶装置22と共働して、血流量や、血圧などの生体の情報を解析する。
記憶装置22は、RAM(Random Access Memory)、及び、ROM(Read Only Memory)を備えて構成される。RAMは、各種データ等の一時記憶に用いられ、ROMは、解析装置100の動作を制御するための制御プログラムや、付随するデータなどを記憶する。制御プログラムには、解析装置100を起動させるときの処理の順序と内容を指示する起動プログラムや、血流量の測定における処理の順序と内容を規定した血流量測定プログラムや、血流量から血圧を導出するアルゴリズムを含む血圧演算プログラムなどが含まれている。付随データには、血圧演算の際に用いられる血管径指標テーブルなどが含まれている。
なお、制御装置20の機能を複数の集積回路に分散した構成や、制御装置20の一部または全部の機能を専用の電子回路で実現した構成であっても良い。
また、図2では制御装置20と記憶装置22とを別個の要素としたが、記憶装置22を内包する制御装置20を、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により実現した構成であっても良い。
***血流量の測定原理***
図3は、光ビート信号の説明図である。図4は、光ビート信号の単位時間における出力電圧を示すグラフである。図5は、パワースペクトルを示すグラフである。図6は、血流量の変化を示すグラフである。図12は、従来の光干渉装置の構成図である。
まず、従来の光干渉装置90による血流量の測定原理について説明する。
図12に示す、従来の光干渉装置90は、発光部1、ビームスプリッター2、ミラー4、受光部7を備えたマイケルソン干渉計である。また、図12では、測定に寄与する光を抜粋して図示している。他の図面においても、同様である。
発光部1はコヒーレンスなレーザー光を出射するレーザー光源であり、出射されたレーザー光70は、キューブ状のビームスプリッター2のハーフミラー膜3で、生体Hに向かう測定光71と、ミラー4に向かう参照光72とに分割される。測定光71が生体Hの内部で反射した検出光75の一部は、ハーフミラー膜3を介して受光部7に入射する。また、ミラー4で反射した参照光72の一部は、ハーフミラー膜3で反射して、受光部7に入射する。受光部7は、フォトダイオード等の受光素子を備えている。なお、ここでは、血流量の測定に寄与する検出光75を主体に説明したが、ハーフミラー膜3で反射されて発光部1に向かう検出光75もある(図示省略)。また、同様に、参照光72においても、ハーフミラー膜3を透過して、発光部1に向かう参照光72もあるが、図示を省略している。
生体Hに入射する測定光71の周波数を周波数f0としたときに、入射した測定光71は、生体Hの組織内において散乱と反射を繰り返しながら伝搬することで散乱光となり、その一部が検出光75として受光部7に入射する。
ここで、生体Hの表面の皮膚や、皮下組織といった静止組織で反射された測定光71による検出光の周波数は、周波数f0のままである。これに対して、血管55内において、ある流速で移動する血液中の赤血球56などの血球で反射された測定光71による検出光75の周波数は、ドップラ効果によって流速に応じた周波数変化が生じ、周波数f0とは異なる周波数fdとなる。
一般的に、レーザー光の周波数は数100THzであり、既存のフォトダイオードなどの受光素子の応答特性では、ドップラシフト周波数を直接計測することが困難であった。
このため、図3に示すように、静止組織における周波数f0の検出光と、血球からの周波数fdの検出光とが干渉して生じた光ビート信号を検出し、ドップラシフト周波数fbを計測することにより、血流の速度情報を取得することができる。これにより、光学計測により、非侵襲で生体Hの血流速度情報が取得可能となる。なお、光ビート信号のことをうなり信号ともいう。なお、周波数f0の検出光に換えて、周波数f0の参照光72を周波数fdの検出光と干渉させても良く、両者が干渉した生じた光ビート信号を検出しても良い。
詳細に説明する。
一定速度で移動する血球で反射した検出光75の周波数fdは、数式(1)の通り、血球の速度Vel、入射光波長λ、血球の速度ベクトルと入射光ベクトルのなす角θで決定する。
Figure 2022047659000002
しかし、生体計測では組織での入射光の散乱による入射角θの分布や、血管内の血流速度Velの分布があるため、様々なドップラシフト周波数のうなりが重畳した信号が受光部7に入射する。
図4は、光ビート信号の単位時間における出力電圧を示すグラフであり、横軸に時間t(ms)、縦軸に出力電圧(V)を取っている。
光ビート信号I(t)を、図4における時間ta単位で周波数展開すると、図5に示すパワースペクトルが得られる。図5のパワースペクトルは血流速度分布を示しており、横軸の周波数f(kHz)は血球の速度に相当し、縦軸のパワーP(f)は動いている血球数に相当する。換言すれば、パワーP(f)は、光ビート信号I(t)の交流成分を周波数展開したものである。
そして、周波数で重み付けしたパワースペクトルを、所定の周波数帯域で積分した数値は、血流量の相対値であるFLOWと定義することができる。よって、図6に示すように、縦軸のFLOWを時間t単位ごとにプロットすることにより、FLOWの過渡応答が得られる。なお、横軸は、時間t(ms)を取っている。
図12に戻る。
前述の通り、ドップラシフトした生体Hからの検出光75はハーフミラー膜3を介して受光部7に進行し、ミラー4で反射した参照光72はハーフミラー膜3で反射して受光部7に進行し、両者は合波して干渉し、受光部7に入射する。
ここで、検出光75と参照光72との光路差が時間変動しない場合、両者が干渉した光ビート信号の強度I(t)は数式(2)で表される。
Figure 2022047659000003
なお、数式(2)において、検出光の電場強度をAs、参照光の電場強度をArとしている。また、右辺の第1項と第2項は直流成分として、第3項は交流成分として観測される。
フーリエスペクトルF(f)は、光ビート信号の強度I(t)をフーリエ変換した周波数の関数であり、数式(3)で表される。
そして、図5のパワースペクトルP(f)は、数式(4)に示すように、検出光強度Isと参照光強度Irとの積に比例する。
Figure 2022047659000004
パワースペクトルP(f)と同様、数式(5)に示すように、図6の血流量の相対値FLOWも、検出光強度Isと参照光強度Irとの積に比例する。
Figure 2022047659000005
ここまで、血流量の計測原理について説明した。
血圧については、血流量と、生体Hの細動脈の血管径とが解れば、演算により導出することができる。詳しくは、血圧は、血流量、及び、血管径と相関関係があるため、両者が解れば、導出可能である。血流量と血管径(血管抵抗)の相対値は、レーザードップラー計測にて取得することができる。
発明者等の実験結果によれば、生体計測において検出光強度Isを大きくすることは困難であるが、数式(4)からすると、参照光強度Irを大きくすることができれば、パワースペクトル、及び、FLOWを大きくできることが解る。
***光干渉装置の構成***
図7は、本実施形態の光干渉装置の構成図であり、図12に対応している。
本実施形態の光干渉装置10は、従来の光干渉装置(図12)に比べてコンパクトな構成となっている。詳しくは、図1に示す略腕時計サイズの筐体部12の内部に収納するために、約5mm角のビームスプリッター8の周囲に各部を配置したコンパクトな構成となっている。
光干渉装置10は、光分離部としてのビームスプリッター8、発光部11、反射部としてのミラー9、カバー部材18、受光部17などから構成されている。
ビームスプリッター8は、2つの三角柱のプリズムを貼り合わせたキューブ状のビームスプリッターであり、光学膜13を備えている。好適例では、一辺の長さが約5mmのキューブ状のビームスプリッター8を用いる。なお、ビームスプリッター8の形状は、立方体に限らず、直方体であっても良い。また、寸法も、図1の筐体部12の内部に収まるサイズであれば良く、上記寸法に限定されない。
光学膜13は、ハーフミラー膜であり、発光部11からのレーザー光70の進行方向に対して約45°の角度を持って配置されている。
発光部11から出射されたレーザー光70は、光学膜13で反射して生体Hに向かう測定光71と、光学膜13を透過してミラー9に向かう参照光72とに分割される。好適例において分割比は50:50としているが、レーザー光70の強度や、光学構成に応じて、光学膜13の透過/反射率を調節して、分割比を適宜設定すれば良い。透過/反射率は、光学膜13を構成する複数層の光学薄膜の積層構成や、厚さを変更することにより調整できる。なお、光学膜13は、ハーフミラー膜に限定するものではなく、同様の光学機能を有する光学膜であれば良く、例えば、無偏光ビームスプリッターや、偏光ビームスプリッターを用いても良い。
ここで、ビームスプリッター8における生体H側の面を第1面41とする。そして、第1面41と対向する面を第2面42、第1面41と隣り合う面を第3面43とし、第3面43と対向する面を第4面44として以下説明する。
発光部11は、狭帯域でコヒーレントなレーザー光70を出射するレーザー光源であり、ビームスプリッター8の第3面43に設けられる。なお、レーザー光70は光に相当する。好適例では、ビームスプリッター8の第3面43に収まる小型の半導体レーザー光源を用いており、発光部11のサイズを約2mm角としている。なお、小型で同様なレーザー光70を出射可能な光源であれば良く、例えば、面発光型半導体レーザーや、ガスレーザーを用いても良い。
また、発光部11は、共振器内に偏光子を備えており、出射するレーザー光70を任意の偏光とする機能を備えている。なお、この偏光調整機能は、後続の実施形態で使用する。
ミラー9は、反射ミラーであり、ビームスプリッター8の第4面44に設けられる。好適例では、第4面44のサイズに合せた約5mm角のシート状のミラー9を当該面に貼り付ける。
カバー部材18は、ビームスプリッター8の第1面41に設けられた光学部材である。カバー部材18は、生体Hの皮膚表面と接触し、生体Hに測定光71を照射するとともに、生体Hからの検出光75を含む光を取り込むための透明な光学部材である。好適例では、低反射コートを備える光学ガラスを用いている。なお、同様な機能を有する材質であれば良く、例えば、カバー部材18として、透明な樹脂を用いても良い。
受光部17は、検出光75、及び、参照光72を受光し、電気量に変換する光センサであり、ビームスプリッター8の第2面42に設けられる。好適例では、ビームスプリッター8の第2面42に収まる小型のフォトダイオードを用いており、受光部17のサイズを約2mm角としている。光センサは、発光部11の出射波長に応じて受光素子を選定することが好ましい。光源波長が近赤外領域の場合、感度が高いInGaAs(インジウムガリウム砒素)や、GaAs(ガリウム砒素)で光電変換層が形成された光センサが好適である。光源波長が可視光から近赤外領域(~900nm)では、シリコンで形成された光センサが好適である
***光干渉装置による検出態様***
図7を用いて、本実施形態の光干渉装置10による検出態様を説明する。
発光部11から出射されたコヒーレンスなレーザー光70は、ビームスプリッター8の光学膜13で、生体Hに向かう測定光71と、ミラー9に向かう参照光72とに分離される。
生体Hに入射した測定光71は、生体Hの組織内において散乱と反射を繰り返しながら伝搬することで散乱光となり、その一部がカバー部材18を透過し、検出光75としてビームスプリッター8に入射する。ビームスプリッター8に入射した検出光75の一部は、光学膜13を通過して受光部17に進行する。
他方、光学膜13を透過した参照光72は、ミラー9で反射されて光学膜13に向かい、その一部が光学膜13で反射されて、受光部17に進行する。
そして、図7に示すように、光学膜13を通過した検出光75と、光学膜13で反射された参照光72とは、合波されて受光部17に入射する。
以上述べた通り、本実施形態の光干渉装置10、及び、解析装置100によれば、以下の効果を得ることができる。
光干渉装置10は、発光部11と、受光部17と、発光部11から射出されたレーザー光70を参照光72と生体Hに入射される測定光71とに分離する光分離部としてのビームスプリッター8と、分離された参照光72を反射するミラー9と、を備え、測定光71は、生体Hの内部で反射して検出光75となり、検出光75は、ミラー9で反射された参照光72と合波されて受光部17に入射する。
ビームスプリッター8の光学膜13の構成を変更することにより透過/反射率を調節できるため、参照光72の割合を大きくすることができる。参照光72が増えれば、大きな干渉信号を得ることができるため、S/N比の高い計測を行うことができる。
さらに、キューブ状のビームスプリッター8の周囲に、発光部11、受光部17、ミラー9を配置したコンパクトな構成で、従来の測定装置に比べて導光距離が短いため、光の減衰が少なく、受光部17で受光される光の強度が強くなる。
従って、S/N比の高い計測が可能な光干渉装置10を提供することができる。
また、光分離部は、内部に光学膜13を有する長方体状のビームスプリッター8であり、ビームスプリッター8における生体H側の面を第1面41としたとき、第1面41と対向する第2面42には受光部17が配置され、第1面41と隣り合う第3面43には発光部11が配置され、第3面43と対向する第4面44にはミラー9が配置されており、光学膜13はハーフミラー膜であり、発光部11から射出されたレーザー光70は、光学膜13で反射して第1面41に向かう測定光71と、光学膜13を透過して第4面44に向かう参照光72とに分離され、第1面41から出射された測定光71は、カバー部材18を透過し、生体Hの内部で反射して検出光75となり、検出光75の一部は、光学膜13を透過して第2面42に進行し、ミラー9で反射した参照光72は、光学膜13で反射して第2面42に進行し、検出光75と合波されて、受光部17に入射する。
これによれば、ビームスプリッター8の周囲に各部を配置したコンパクトな構成とできる。好適例では、約5mm角のビームスプリッター8の各面に、当該面に収まるサイズの発光部11、ミラー9、カバー部材18、受光部17を配置したコンパクトな構成としている。
よって、図1に示す筐体部12の内部に、光干渉装置10を収納することが可能となり、解析装置100を腕時計型の携帯機器として構成することができる。
従って、コンパクトで、S/N比の高い計測が可能な解析装置100を提供することができる。
実施形態2
***光干渉装置の異なる態様(1)***
図8は、本実施形態の光干渉装置の構成図であり、図7に対応している。
本実施形態の光干渉装置10aは、実施形態1の光干渉装置10の構成をベースとして、ノイズ要因となる生体Hにおける表面反射光を除去する光学構成を備えている。
以下、実施形態1と同じ構成部位には、同一の附番を附し、重複する説明は省略する。
光干渉装置10aは、光分離部としてのビームスプリッター8、発光部11、反射部としてのミラー9、カバー部材18、受光部17に加えて、偏光板26、偏光板27、波長板28を備えている。
まず、ビームスプリッター8における発光部11、ミラー9、カバー部材18、受光部17の設置面は、実施形態1の光干渉装置10と同じである。
偏光板26は、第1偏光成分を透過する第1偏光板であり、発光部11とビームスプリッター8の第3面43との間に配置されている。
偏光板27は、第1偏光成分と異なる第2偏光成分を透過する第2偏光板であり、ビームスプリッター8の第2面42と受光部17との間に配置されている。
偏光板26、偏光板27は、同じ偏光フィルターであるが、両者の透過偏光軸が直交した状態で、ビームスプリッター8の第3面43、第2面42に貼り付けられている。
波長板28は、1/4波長板であり、ビームスプリッター8の第4面44と、ミラー9との間に配置させている。なお、1/4波長板のことを、λ/4位相差板ともいう。
***光干渉装置による検出態様***
図8を用いて、本実施形態の光干渉装置10aによる検出態様を説明する。
発光部11から出射されたコヒーレンスなレーザー光のうち、その第1偏光成分が偏光板26を透過し、レーザー光70としてビームスプリッター8の光学膜13に進行する。以下、第1偏光成分を、例えば、p偏光として説明する。
偏光板26を透過したレーザー光70pは、ハーフミラーからなる光学膜13で、生体Hに向かう測定光71pと、ミラー9に向かう参照光72pとに分離される。
生体Hに向かう測定光71pのうち、一部は、カバー部材18で反射されてp偏光のまま光学膜13に進行する。また、測定光71pのうち、生体Hの皮膚などの表面で反射された光は、p偏光のまま、カバー部材18を透過して光学膜13に進行する。これらの光が表面反射光であり、血液中の赤血球56の動きを反映していないため、血流測定におけるノイズ要因となっていた。なお、表面反射光のことを界面反射光ともいう。
また、生体Hに入射した測定光71pは、散乱体である生体Hの血球を含む組織内において散乱と反射を繰り返す多重散乱過程により偏光が解消されて、ランダム偏光の散乱光となる。そして、散乱光となった検出光75の一部は、カバー部材18を透過し、ビームスプリッター8に入射する。ビームスプリッター8に入射した検出光75の一部は、光学膜13を通過して偏光板27に入射する。
そして、光学膜13を通過した検出光75のうち、s偏光の検出光75sは偏光板27を透過して受光部17に進行する。
他方、光学膜13を通過したp偏光の表面反射光は、偏光板27で遮光される。換言すれば、表面反射光は、受光部17に入射する前に、偏光板27で除去される。
また、光学膜13を透過した参照光72は、波長板28を透過した後、ミラー9で反射されて、再度、波長板28を透過して、光学膜13に進行する。つまり、p偏光の参照光72pは、1/4波長板である波長板28を2回透過することで、s偏光の参照光72sとなって光学膜13に進行する。詳しくは、波長板28を2回透過することで、p偏光の参照光72pの位相差がλ/4+λ/4=λ/2加えられて、元の偏光とは直交する偏向角のs偏光の参照光72sとなる。
そして、参照光72sの一部は、光学膜13で反射されて、第2偏光成分であるs偏光を透過する偏光板27に入射する。
そして、図8に示すように、光学膜13を通過した検出光75sと、光学膜13で反射された参照光72sとは、偏光板27を透過し、合波されて受光部17に入射する。
なお、コヒーレント光であっても、偏光角度が異なる光は干渉しないことが知られている。上記の通り、ランダム偏光の検出光75のうち、p偏光は偏光板27で遮光されるが、p偏光の検出光はs偏光の参照光72sとは干渉しないため、仮に、受光部17に入射したとしても測定には寄与しない。つまり、測定に寄与する光量が損なわれることはない。
なお、上記では、第1偏光成分をp偏光、第2偏光成分をs偏光として説明したが、これに限定するものではなく、第1偏光成分をs偏光、第2偏光成分をp偏光としても良い。この場合、偏光板26、偏光板27の透過偏光軸の方向を入れ替えれば良く、この構成であっても、同様の光学作用を得ることができる。
以上述べた通り、本実施形態の光干渉装置10a、及び、解析装置100によれば、以下の効果を得ることができる。
光干渉装置10aは、発光部11とビームスプリッター8の第3面43との間に配置され、第1偏光成分を透過する偏光板26と、ビームスプリッター8の第2面42と受光部17との間に配置され、第1偏光成分と異なる第2偏光成分を透過する偏光板27と、ビームスプリッター8の第4面44とミラー9との間に配置された1/4波長板である波長板28とを、さらに備えている。
生体H内部で複数回反射した検出光75は、多重散乱過程において偏光が解消されてランダム偏光となる。他方、生体H表面で反射した表面反射光は、入射時の偏光が保たれる。
この構成によれば、上記の関係性を利用し、表面反射光を除去して、受光部17に選択的に検出光75を入射させることができる。具体的には、光学膜13を通過した検出光75のうち、s偏光の検出光75sは偏光板27を透過して受光部17に入射する。他方、光学膜13を通過したp偏光の表面反射光は、偏光板27で遮光される。
よって、生体に向けて出射された測定光71pのうち、生体Hの表面で反射した、血流状態を反映しない表面反射光を除去することができる。
そして、光学膜13を通過した検出光75sと、光学膜13で反射された参照光72sとは、偏光板27を透過し、合波されて受光部17に入射する。換言すれば、検出光75と参照光72とにおける、干渉可能な同一の偏光角を持つ偏光成分を選択的に抽出し、測定に寄与する光量を損なうことなく、両者を合波させて受光部17に入射させる。
従って、S/N比の高い計測が可能な光干渉装置10aを提供することができる。
解析装置100は、光干渉装置10に換えて光干渉装置10aを搭載することができる。
従って、コンパクトで、S/N比の高い計測が可能な解析装置100を提供することができる。
実施形態3
***光干渉装置の異なる態様(2)***
図9は、本実施形態の光干渉装置の構成図であり、図7に対応している。
本実施形態の光干渉装置10bは、実施形態1の光干渉装置10と同じ光学作用を、
2つのビームスプリッターを用いた構成で実現した形態である。
以下、実施形態1と同じ構成部位には、同一の附番を附し、重複する説明は省略する。
光干渉装置10bは、光学体53、発光部11、受光部17、カバー部材18などから構成されている。
光学体53は、光分離部としての第1ビームスプリッター51と、反射部としての第2ビームスプリッター52とが隣接して1体に構成された直方体状の光学ブロックである。
第1ビームスプリッター51は、2つの三角柱のプリズムを貼り合わせたキューブ状のビームスプリッターであり、第1光学膜33を備えている。好適例では、一辺の長さが約4mmのキューブ状のビームスプリッターを用いる。なお、第1ビームスプリッター51の形状は、立方体に限らず、直方体であっても良い。また、寸法も、図1の筐体部12の内部に収まるサイズであれば良く、上記寸法に限定されない。第1光学膜33は、ハーフミラー膜であり、発光部11からのレーザー光70の進行方向に対して約45°の角度を持って配置されている。
また、好適例では、第1光学膜33における透過/反射率の分割比は50:50としているが、レーザー光70の強度や、光学構成に応じて透過/反射率を調節して、分割比を適宜設定すれば良い。透過/反射率は、第1光学膜33を構成する複数層の光学薄膜の積層構成や、厚さを変更することにより調整できる。また、実施形態1の光学膜13と同様に、ハーフミラー膜に限らず、同様の光学作用を有する光学膜を用いても良い。例えば、無偏光ビームスプリッターや、偏光ビームスプリッターを用いても良い。
第2ビームスプリッター52は、第1ビームスプリッター51と同一のビームスプリッターであるが、ハーフミラー膜からなる第2光学膜34が、第1光学膜33と異なる向きに配置されている。詳しくは、直方体状の光学体53における生体H側の面を第1面41とし、第1面41と対向する面を第2面42としたときに、第1光学膜33と第2光学膜34とは、第2面42から第1面41に向かってV字状に設けられる。換言すれば、第1ビームスプリッター51を基準として、第2ビームスプリッター52は、第1ビームスプリッター51を時計回りに90°回転させた状態となっている。
第2光学膜34は、第1光学膜33とは逆方向に約45°の角度を持って配置されており、第1光学膜33で反射された参照光72を受光部17に向けて反射する。
なお、光学体53において、第1ビームスプリッター51と第2ビームスプリッター52との接合部を境界部45とする。本実施形態では、境界部45は透明性の接着剤により、2つのビームスプリッターが連続した透明体として接合されている。
発光部11、及び、受光部17は、実施形態1と同様の小型部品を用いているが、本実施形態では、光学体53の第2面42に、発光部11と受光部17とが並んで配置される。詳しくは、第2面42において、第1ビームスプリッター51の上に発光部11が、第2ビームスプリッター52の上に受光部17が、それぞれ配置される。発光部11、受光部17は、基板39に実装された状態で、出射口、受光面を光学体53に向けて取り付けられる。
カバー部材18は、実施形態1での説明と同様の透明な板状部材であり、光学体53の生体H側の面に設けられている。
***光干渉装置による検出態様***
図9を用いて、本実施形態の光干渉装置10bによる検出態様を説明する。
発光部11から出射されたコヒーレンスなレーザー光70は、第1光学膜33で、生体Hに向かう測定光71と、第2光学膜34に向かう参照光72とに分離される。
生体Hに入射した測定光71は、生体Hの組織内において散乱と反射を繰り返しながら伝搬することで散乱光となり、その一部がカバー部材18を透過し、検出光75として光学体53に入射する。光学体53に入射した検出光75の一部は、第2光学膜34を透過して受光部17に進行する。
他方、第1光学膜33で反射された参照光72は、境界部45を透過した後、その一部が第2光学膜34で反射されて、受光部17に進行する。
そして、図9に示すように、第2光学膜34を通過した検出光75と、第2光学膜34で反射された参照光72とは、合波されて受光部17に入射する。
以上述べた通り、本実施形態の光干渉装置10b、及び、解析装置100によれば、上記実施形態での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
光分離部は、内部に第1光学膜33を有する長方体状の第1ビームスプリッター51であり、反射部は、内部に第2光学膜34を有する長方体状の第2ビームスプリッター52であり、光分離部と反射部とは、隣接して長方体状の光学体53を構成し、光学体53における生体H側の面を第1面41としたとき、第1面41と対向する第2面42には、発光部11と受光部17とが隣り合って設けられており、第1面41と第2面42との間において、第1光学膜33と第2光学膜34とは、第2面42から第1面41に向かってV字状に設けられ、第1光学膜33、及び、第2光学膜34はハーフミラー膜であり、発光部11から射出されたレーザー光70は、第1光学膜33で反射して第2光学膜34に向かう参照光72と、第1光学膜33を透過して第1面41に向かう測定光71とに分離され、第1面41から出射された測定光71は、カバー部材18を透過し、生体Hの内部で反射して検出光75となり、検出光75の一部は、カバー部材18を透過して光学体53に入射し、第2光学膜34を透過して第2面42に進行し、第2光学膜34で反射した参照光72と合波されて、受光部17に入射する。
第1ビームスプリッター51の第1光学膜33の構成を変更することにより透過/反射率を調節できるため、参照光72の割合を大きくすることができる。参照光72が増えれば、大きな干渉信号を得ることができるため、S/N比の高い計測を行うことができる。
さらに、数ミリサイズの長方体状の光学体53の上面に、発光部11、受光部17を配置したコンパクトな構成で、従来の測定装置に比べて導光距離が短いため、光の減衰が少なく、受光部17で受光される光の強度が強くなる。
従って、S/N比の高い計測が可能な光干渉装置10bを提供することができる。
また、光干渉装置10bのサイズは、上述した光干渉装置10,10aと略同等で、同様の光学作用を有しており、図1に示す筐体部12の内部に収容可能である。
よって、解析装置100を腕時計型の携帯機器として構成することができる。
従って、コンパクトで、S/N比の高い計測が可能な解析装置100を提供することができる。
実施形態4
***光干渉装置の異なる態様(3)***
図10は、本実施形態の光干渉装置の構成図であり、図9に対応している。
本実施形態の光干渉装置10cは、実施形態3の光干渉装置10bの構成をベースとして、ノイズ要因となる生体Hにおける表面反射光を除去する光学構成を備えている。
以下、実施形態3と同じ構成部位には、同一の附番を附し、重複する説明は省略する。
光干渉装置10cの光学体54は、第1ビームスプリッター51と第2ビームスプリッター52との境界部45に、波長板35が設けられている点が、実施形態3の光学体53と異なる。また、第2ビームスプリッター52とカバー部材18との間に、偏光板29が設けられている。これらの点以外は、光干渉装置10cは、実施形態3の光干渉装置10bの構成と同じである。
波長板35は、1/2波長板であり、境界部45の全面に設けられている。換言すれば、波長板35は、第1光学膜33と第2光学膜34との間に設けられている。なお、1/2波長板のことを、λ/2位相差板ともいう。
偏光板29は、第2偏光成分を透過する偏光板である。好適例において、第1偏光成分をp偏光、第2偏光成分をs偏光とした場合、偏光板29は、その透過偏光軸をp偏光に直交させた状態で配置される。詳しくは、偏光板29は、その透過偏光軸が、生体Hに照射される測定光71pの偏光面と直交するように取り付けられる。偏光板29は、光学体54の第1面41における第2光学膜34と重なる部分に設けられている。
***光干渉装置による検出態様***
図10を用いて、本実施形態の光干渉装置10cによる検出態様を説明する。
まず、発光部11は、前述の偏光調整機能により、p偏光のレーザー光70pを出射する。出射されたレーザー光70pは、ハーフミラー膜である第1光学膜33で、生体Hに向かう測定光71pと、波長板35に向かう参照光72pとに分離される。
生体Hに向かう測定光71pのうち、一部は、カバー部材18で反射されてp偏光のまま偏光板29に進行する。また、測定光71pのうち、生体Hの皮膚などの表面で反射された光は、p偏光のまま、カバー部材18を透過して偏光板29に進行する。これらの光が表面反射光であり、血液中の赤血球56の動きを反映していないため、血流測定におけるノイズ要因となっていた。
また、生体Hに入射した測定光71pは、散乱体である生体Hの血球を含む組織内において散乱と反射を繰り返す多重散乱過程により偏光が解消されて、ランダム偏光の散乱光となる。散乱光となった検出光75の一部は、カバー部材18を透過し、偏光板29に入射する。
そして、ランダム偏光の検出光75のうち、s偏光の検出光75sは偏光板29を透過して第2光学膜34に進行する。
他方、p偏光の表面反射光は、偏光板29で遮光される。換言すれば、表面反射光は、光学体54に入射する前に、偏光板29で除去される。
また、第1光学膜33で反射された参照光72pは、1/2波長板である波長板35により、偏光面が90°回転されてs偏光の参照光72sに偏光変換され、第2光学膜34に進行する。参照光72sは、その一部が第2光学膜34で反射されて、受光部17に進行する。
そして、図10に示すように、第2光学膜34を通過した検出光75sと、第2光学膜34で反射された参照光72sとは、合波されて受光部17に入射する。
以上述べた通り、本実施形態の光干渉装置10c、及び、解析装置100によれば、上記実施形態での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
光干渉装置10cは、第1光学膜33と第2光学膜34との間に設けられた波長板35と、光学体54の第1面41における第2光学膜34と重なる部分に設けられた偏光板29と、をさらに備え、第1光学膜33で分離された参照光72pは、波長板35により偏光変換されて参照光72sとなり、第2光学膜34に入射し、生体Hの内部で反射した検出光75の一部は、偏光板29を介して検出光75sとなり、第2光学膜34に入射する。
生体H内部で複数回反射した検出光75は、多重散乱過程において偏光が解消されてランダム偏光となる。他方、生体H表面で反射した表面反射光は、入射時の偏光が保たれる。
この構成によれば、上記の関係性を利用し、表面反射光を除去して、受光部17に選択的に検出光75sを入射させることができる。具体的には、ランダム偏光の検出光75のうち、s偏光の検出光75sは偏光板29を透過して受光部17に進行する。他方、p偏光の表面反射光は、偏光板29で遮光される。換言すれば、表面反射光は、光学体54に入射する前に、偏光板29で除去される。
よって、生体Hに向けて出射された測定光71pのうち、生体Hの表面で反射した、血流状態を反映しない表面反射光を除去することができる。
そして、第2光学膜34を通過した検出光75sと、第2光学膜34で反射された参照光72sとは、合波されて受光部17に入射する。換言すれば、検出光75と参照光72とにおける、干渉可能な同一の偏光角を持つ偏光成分を選択的に抽出し、測定に寄与する光量を損なうことなく、両者を合波させて受光部17に入射させる。
従って、S/N比の高い計測が可能な光干渉装置10cを提供することができる。
解析装置100は、光干渉装置10に換えて光干渉装置10cを搭載することができる。
従って、コンパクトで、S/N比の高い計測が可能な解析装置100を提供することができる。
実施形態5
***光干渉装置の異なる態様(4)***
図11は、本実施形態の光干渉装置の構成図であり、図9に対応している。
本実施形態の光干渉装置10dは、実施形態3の光干渉装置10bの構成をベースとして、ノイズ要因となる生体Hにおける表面反射光を除去する光学構成を備えている。
以下、実施形態3と同じ構成部位には、同一の附番を附し、重複する説明は省略する。
光干渉装置10dの光学体59は、第3ビームスプリッター57と、第4ビームスプリッター58とを用いている点が、実施形態3の光学体53と異なる。また、第4ビームスプリッター58とカバー部材18との間に、偏光板29が設けられている。これらの点以外は、光干渉装置10dは、実施形態3の光干渉装置10bの構成と同じである。
第3ビームスプリッター57は、偏光ビームスプリッターであり、第3光学膜37を備えている。第3光学膜37は、誘電体多層膜を含む偏光分離膜であり、入射する偏光面が45°の光を、p偏光の透過光と、s偏光の反射光とに、偏光変換、及び、分離する。
第4ビームスプリッター58は、無偏光ビームスプリッターであり、第4光学膜38を備えている。第4光学膜38は、無偏光分離膜であり、例えば、ハーフミラー膜を用いることができる。
光学体59は、第3ビームスプリッター57と第4ビームスプリッター58とが隣接して構成された1体の直方体状の光学ブロックであること、及び、第3光学膜37と第4光学膜38とは、第2面42から第1面41に向かってV字状に設けられることなどは、実施形態3の光学体54と同じである。また、第3ビームスプリッター57と第4ビームスプリッター58とが接合する境界部45は透明性の接着剤により、2つのビームスプリッターが連続した透明体として接合されている。
***光干渉装置による検出態様***
図11を用いて、本実施形態の光干渉装置10dによる検出態様を説明する。
まず、発光部11は、前述の偏光調整機能により、偏光面が45°のレーザー光70を出射する。出射されたレーザー光70は、偏光分離膜である第3光学膜37で、生体Hに向かう測定光71pと、波長板35に向かう参照光72sとに分離される。詳しくは、第3光学膜37を透過したレーザー光70はp偏光の測定光71pとなり、光学体59の第1面41に進行する。第3光学膜37で反射されたレーザー光70は、s偏光の参照光72sとなり、境界部45を透過して、第4光学膜38に進行する。
生体Hに向かう測定光71pのうち、一部は、カバー部材18で反射されてp偏光のまま偏光板29に進行する。また、測定光71pのうち、生体Hの皮膚などの表面で反射された光は、p偏光のまま、カバー部材18を透過して偏光板29に進行する。これらの光が表面反射光であり、血液中の赤血球56の動きを反映していないため、血流測定におけるノイズ要因となっていた。
また、生体Hに入射した測定光71pは、散乱体である生体Hの血球を含む組織内において散乱と反射を繰り返す多重散乱過程により偏光が解消されて、ランダム偏光の散乱光となる。散乱光となった検出光75の一部は、カバー部材18を透過し、偏光板29に入射する。
そして、ランダム偏光の検出光75のうち、s偏光の検出光75sは偏光板29を透過して第4光学膜38に進行する。
他方、p偏光の表面反射光は、偏光板29で遮光される。換言すれば、表面反射光は、光学体59に入射する前に、偏光板29で除去される。
また、第3光学膜37で反射された参照光72sは、境界部45を透過した後、その一部が第4光学膜38で反射されて、受光部17に進行する。
そして、図11に示すように、第4光学膜38を通過した検出光75sと、第4光学膜38で反射された参照光72sとは、合波されて受光部17に入射する。
以上述べた通り、本実施形態の光干渉装置10d、及び、解析装置100によれば、上記実施形態での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
光分離部は、内部に第3光学膜37を有する長方体状の第3ビームスプリッター57であり、反射部は、内部に第4光学膜を有する長方体状の第4ビームスプリッター58であり、光分離部と反射部とは、隣接して長方体状の光学体59を構成し、光学体59における生体H側の面を第1面41としたとき、第1面41と対向する第2面42には、発光部11と受光部17とが隣り合って設けられており、第1面41と第2面42との間において、第3光学膜37と第4光学膜38とは、第2面42から第1面41に向かってV字状に設けられ、第3光学膜37は偏光分離膜であり、第4光学膜38はハーフミラー膜であり、第1面41における第4光学膜38と重なる部分に設けられた偏光板29を、さらに備え、発光部11から射出されたレーザー光70は、第3光学膜37で反射して第4光学膜38に向かう参照光72sと、第3光学膜37を透過して第1面41に向かう測定光71pとに分離され、第1面41から出射された測定光71pは、生体Hの内部で反射して検出光75となり、検出光75の一部は、偏光板29、及び、第4光学膜38を透過して第2面42に進行し、第4光学膜38で反射した参照光72sと合波されて、受光部17に入射する。
生体H内部で複数回反射した検出光75は、多重散乱過程において偏光が解消されてランダム偏光となる。他方、生体H表面で反射した表面反射光は、入射時の偏光が保たれる。
この構成によれば、上記の関係性を利用し、表面反射光を除去して、受光部17に選択的に検出光75sを入射させることができる。具体的には、ランダム偏光の検出光75のうち、s偏光の検出光75sは偏光板29を透過して受光部17に進行する。他方、p偏光の表面反射光は、偏光板29で遮光される。換言すれば、表面反射光は、光学体59に入射する前に、偏光板29で除去される。
よって、生体Hに向けて出射された測定光71pのうち、生体Hの表面で反射した、血流状態を反映しない表面反射光を除去することができる。
そして、第4光学膜38を通過した検出光75sと、第4光学膜38で反射された参照光72sとは、合波されて受光部17に入射する。換言すれば、検出光75と参照光72とにおける、干渉可能な同一の偏光角を持つ偏光成分を選択的に抽出し、測定に寄与する光量を損なうことなく、両者を合波させて受光部17に入射させる。
従って、S/N比の高い計測が可能な光干渉装置10dを提供することができる。
解析装置100は、光干渉装置10に換えて光干渉装置10dを搭載することができる。
従って、コンパクトで、S/N比の高い計測が可能な解析装置100を提供することができる。
実施形態6
***光干渉装置の異なる態様(5)***
図7を用いて説明する。なお、上記各実施形態と同じ構成部位には、同一の附番を附し、重複する説明は省略する。
図7の受光部17において破線で示すように、光センサの前段に、集光用のレンズ6を設けても良い。レンズ6は、検出光75、及び、参照光72を集光して受光部17へ導く集光レンズである。好適例では、凸レンズや、コリメータレンズを用いることができる。また、ビームスプリッター8の内部に集光レンズを作り込んだ構成であっても良い。これによれば、光センサに入射する光量を増やすことができるため、よりS/N比の高い計測を行うことができる。
なお、他の各実施形態においても同様に、受光部17の光センサの前段に、集光用のレンズ6を設けても良い。この構成であっても、同様の作用効果を得ることができる。
また、図7の光干渉装置10において、ビームスプリッター8の第2面42と、第3面43とに、さらに偏光板を設ける構成としても良い。詳しくは、1枚目の偏光板は、発光部11と、ビームスプリッター8の第2面42との間に設ける。例えば、図8の偏光板26と同様に、透過偏光軸がp偏光と平行となるように取り付ける。2枚目の偏光板は、ビームスプリッター8の第2面42と受光部17との間に設ける。ここで、2枚目の偏光板の透過偏光軸は、1枚目の偏光板の透過偏光軸と平行とする。換言すれば、2枚目の偏光板は、p偏光を透過するように取り付ける。なお、この構成に限定するものではなく、1枚目の偏光板、2枚目の偏光板において、両者の透過偏光軸が平行な状態で、ビームスプリッター8の第3面43、第2面42に設けられれば良い。
この構成によれば、受光部17に入射する参照光、検出光ともにp偏光となるが、実施形態1の光干渉装置10と同様に、両者が合波した干渉光による血流量の測定を行うことができる。
6…レンズ、8…ビームスプリッター、9…ミラー、10…光干渉装置、10a~10d…光干渉装置、11…発光部、12…筐体部、13…光学膜、14…ベルト、17…受光部、18…カバー部材、20…制御装置、21…表示装置、22…記憶装置、25…演算部、26…偏光板、27…偏光板、28…波長板、29…偏光板、33…第1光学膜、34…第2光学膜、35…波長板、37…第3光学膜、38…第4光学膜、39…基板、41…第1面、42…第2面、43…第3面、44…第4面、45…境界部、51…第1ビームスプリッター、52…第2ビームスプリッター、53…光学体、54…光学体、55…血管、56…赤血球、57…第3ビームスプリッター、58…第4ビームスプリッター、59…光学体、70…レーザー光、70p…レーザー光、71…測定光、71p…測定光、72…参照光、72p…参照光、72s…参照光、75…検出光、75s…検出光、90…従来の光干渉装置、100…解析装置。

Claims (9)

  1. 発光部と、
    受光部と、
    前記発光部から射出された光を、参照光と、生体に入射される測定光と、に分離する光分離部と、
    前記分離された前記参照光を反射する反射部と、を備え、
    前記測定光は、前記生体の内部で反射して検出光となり、
    前記検出光は、前記反射部で反射された前記参照光と合波されて前記受光部に入射する、
    光干渉装置。
  2. 前記光分離部は、内部に光学膜を有するビームスプリッターであり、
    前記光分離部における前記生体側の面を第1面としたとき、
    前記第1面と対向する第2面には、前記受光部が配置され、
    前記第1面と隣り合う第3面には、前記発光部が配置され、
    前記第3面と対向する第4面には、前記反射部が配置されており、
    前記光学膜は、ハーフミラー膜であり、
    前記発光部から射出された光は、前記光学膜で反射して前記第1面に向かう前記測定光と、前記光学膜を透過して前記第4面に向かう前記参照光とに分離され、
    前記第1面から出射された前記測定光は、前記生体の内部で反射して前記検出光となり、前記検出光の一部は、前記光学膜を透過して前記第2面に進行し、
    前記反射部で反射した前記参照光は、前記光学膜で反射して前記第2面に進行し、前記検出光と合波されて、前記受光部に入射する、
    請求項1に記載の光干渉装置。
  3. 前記発光部と前記第3面との間に配置され、第1偏光成分を透過する第1偏光板と、
    前記第2面と前記受光部との間に配置され、前記第1偏光成分と異なる第2偏光成分を透過する第2偏光板と、
    前記第4面と前記反射部との間に設けられた波長板とを、さらに備える、
    請求項2に記載の光干渉装置。
  4. 前記波長板は、1/4波長板である、
    請求項3に記載の光干渉装置。
  5. 前記光分離部は、内部に第1光学膜を有する第1ビームスプリッターであり、
    前記反射部は、内部に第2光学膜を有する第2ビームスプリッターであり、
    前記光分離部と前記反射部とは、隣接して長方体状の光学体を構成し、
    前記光学体における前記生体側の面を第1面としたとき、
    前記第1面と対向する第2面には、前記発光部と前記受光部とが隣り合って設けられており、
    前記第1面と前記第2面との間において、前記第1光学膜と前記第2光学膜とは、前記第2面から前記第1面に向かってV字状に設けられ、
    前記第1光学膜、及び、前記第2光学膜は、ハーフミラー膜であり、
    前記発光部から射出された光は、前記第1光学膜で反射して前記第2光学膜に向かう前記参照光と、前記第1光学膜を透過して前記第1面に向かう前記測定光とに分離され、
    前記第1面から出射された前記測定光は、前記生体の内部で反射して前記検出光となり、前記検出光の一部は前記第2光学膜を透過して前記第2面に進行し、前記第2光学膜で反射した前記参照光と合波されて、前記受光部に入射する、
    請求項1に記載の光干渉装置。
  6. 前記第1光学膜と前記第2光学膜との間に配置された波長板と、
    前記第1面における前記第2光学膜と重なる部分に設けられた偏光板と、をさらに備え、
    前記第1光学膜で分離された前記参照光は、前記波長板を介して、前記第2光学膜に入射し、
    前記生体の内部で反射した前記検出光の一部は、前記偏光板を介して、前記第2光学膜に入射する、
    請求項5に記載の光干渉装置。
  7. 前記波長板は、1/2波長板である、
    請求項6に記載の光干渉装置。
  8. 前記光分離部は、内部に第3光学膜を有する第3ビームスプリッターであり、
    前記反射部は、内部に第4光学膜を有する第4ビームスプリッターであり、
    前記光分離部と前記反射部とは、隣接して長方体状の光学体を構成し、
    前記光学体における前記生体側の面を第1面としたとき、
    前記第1面と対向する第2面には、前記発光部と前記受光部とが隣り合って設けられており、
    前記第1面と前記第2面との間において、前記第3光学膜と前記第4光学膜とは、前記第2面から前記第1面に向かってV字状に設けられ、
    前記第3光学膜は偏光分離膜であり、前記第4光学膜はハーフミラー膜であり、
    前記第1面における前記第4光学膜と重なる部分に設けられた偏光板を、さらに備え、
    前記発光部から射出された光は、前記第3光学膜で反射して前記第4光学膜に向かう前記参照光と、前記第3光学膜を透過して前記第1面に向かう前記測定光とに分離され、
    前記第1面から出射された前記測定光は、前記生体の内部で反射して前記検出光となり、前記検出光の一部は、前記偏光板、及び、前記第4光学膜を透過して前記第2面に進行し、前記第4光学膜で反射した前記参照光と合波されて、前記受光部に入射する、
    請求項1に記載の光干渉装置。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の光干渉装置と、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記検出光と、前記参照光とが合波された干渉光の干渉信号に基づいて、生体の情報を解析する、
    生体情報解析装置。
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