JP2000208899A - 厚膜パタ―ンの形成方法 - Google Patents

厚膜パタ―ンの形成方法

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JP2000208899A
JP2000208899A JP11006190A JP619099A JP2000208899A JP 2000208899 A JP2000208899 A JP 2000208899A JP 11006190 A JP11006190 A JP 11006190A JP 619099 A JP619099 A JP 619099A JP 2000208899 A JP2000208899 A JP 2000208899A
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thick film
thick
paste
pattern
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JP11006190A
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English (en)
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Takashi Inoue
崇司 井上
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Noritake Co Ltd
Noritake Electronics Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Noritake Electronics Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所期の機能を損なうことなくファイン・パター
ン化を実現し得る厚膜パターンの形成方法を提供する。 【解決手段】基板10の一面12に厚膜導体14を形成
するに際しては、撥油膜形成工程において、厚膜導体ペ
ースト24に対する接触角が基板10の一面12よりも
高く且つフッ素樹脂等から成る撥油膜16がその一面1
2に形成され、続く印刷工程において、その撥油膜16
上にその厚膜導体ペースト24を厚膜スクリーン印刷す
ることにより印刷膜18が形成され、更に、焼成工程に
おいて、その印刷膜18が形成された基板10を焼成処
理することにより、その印刷膜18から厚膜導体14が
生成されると同時に撥油膜16が分解除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、基体の一面に厚膜スクリーン印
刷および焼成処理によって厚膜パターンを形成する技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス(ガラスを含む)等のよう
に耐熱性を有する基板等の基体の一面に、厚膜スクリー
ン印刷法を用いて導電性或いは電気絶縁性の厚膜形成材
料を含む厚膜印刷ペーストを所定のパターンで塗布し、
その厚膜形成材料の種類に応じて定められる所定の温度
で焼成処理を施すことにより、ペースト中の有機化合物
を分解して除去すると共に厚膜形成材料を硬化乃至焼結
させて、その基体上に所定の厚膜パターンを形成する技
術が知られている。
【0003】例えば、回路基板或いはパッケージ等のセ
ラミックIC基板や、プラズマ・ディスプレイ・パネル
(Plasma Display Panel:PDP)、蛍光表示管(Vacu
um Fluorescent Display:VFD)或いは電界放出表示
装置(Field Emission Display:FED)等の表示装置
等は、その製造過程で上記の膜形成技術が適用され得る
ものの一例である。前者のIC基板においては、それに
実装される半導体素子や抵抗器等に接続される導体配線
が基板上に設けられる。また、後者の表示装置において
は、装置に備えられる気密空間内を複数の発光区画に区
分して様々な表示パターンを形成するためのリブ状壁
や、発光に寄与する放電を発生させ或いは電子を放出す
るための電極等が、その気密空間を構成する平板上に設
けられる。これら導体配線、リブ状壁、および電極等と
して機能する厚膜パターンの形成に上記の厚膜技術が用
いられ得るのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なIC基板や表示装置に形成される厚膜パターンは、所
期の機能を満足できる範囲でその幅寸法を可及的に細く
すること、すなわちファイン・パターン化が望まれてい
る。例えば、IC基板において回路構成要素の実装密度
を高めるためには、導体配線の密度を高くする必要があ
る。また、表示装置においては、表示パターンを高精細
化し、或いは、表示面内において実際に表示に寄与する
面積を拡大して輝度を向上させると共に装置を小型化す
ることが望まれている。そのため、リブ状壁の幅寸法を
細くすると共にその配列間隔を小さくし、或いは、電極
の幅寸法を十分な導電性が確保される範囲で細くすると
共に十分な絶縁性が確保される範囲で相互間隔を小さく
する必要がある。
【0005】一般に、基体の一面に厚膜スクリーン印刷
された厚膜ペーストは、そのレオロジ(流動性および表
面張力)に基づく経時的フローによってその一面上で広
がるため、形成された印刷膜のパターン幅は製版上のパ
ターン幅よりも大きくなる。また、厚膜スクリーン印刷
の後の焼成処理においても、一旦、乾燥処理を施される
ことでペースト中に含まれる樹脂成分によって硬化させ
られた印刷膜が、加熱により軟化させられたその樹脂成
分のレオロジに従って広がるため、パターン幅は一層拡
大させられる。すなわち、前記の膜形成技術において
は、厚膜パターンの幅寸法がこれら印刷時および焼成処
理時のペーストの流動(だれ)によって製版上のパター
ン幅よりも拡大するため、このような寸法拡大に起因し
てファイン・パターン化が困難となっていた。
【0006】上記の印刷時の寸法拡大は、例えば、厚膜
印刷ペーストの流動性を低下させることで抑制できる。
また、焼成時の寸法拡大は、その焼成時における樹脂成
分の流動性を低下させることで抑制できる。しかしなが
ら、厚膜印刷ペーストの流動性を低下させると、スクリ
ーン製版から吐出されるペースト量が不均一になり易い
ことから、厚膜パターンの幅寸法が不均一になり或いは
連続が断たれるという問題がある。また、樹脂成分の種
類は、焼成処理時の燃え抜け性等も考慮して定められる
ため、流動性の低いものを用いることは現状では困難で
ある。したがって、基体上に塗布形成された印刷膜の幅
寸法は、焼成時の寸法拡大量が相殺される程度まで細く
する必要があるため、このことがペーストの流動性を低
下させる方法でファイン・パターンを実現することを一
層困難としている。なお、上記のような寸法拡大量を考
慮してスクリーン製版上のパターン幅寸法を細く設定す
ることも考えられるが、その場合にも、ペーストの流動
性を低下させる場合と同様にスクリーン製版からペース
トが均一に吐出されなくなるという問題が生じる。した
がって、何れの方法を用いても、厚膜パターンの所期の
機能を損なうことなくその幅寸法拡大を抑制することが
できないのである。
【0007】因みに、IC基板の導体配線や表示装置の
電極の幅寸法が不均一になり或いは断線すると、導電性
が不十分となり或いは通電不能となる。また、表示装置
のリブ状壁にこれらの不具合が生じると、PDPやFE
D等においては放電や電子の仕切りが不完全となり、リ
ブ・グリッド型VFDにおいてはその頂部に形成される
グリッド電極の欠けが生じて電子の制御機能が損なわれ
る。なお、PDP等の放電表示装置においては、隔壁を
越えて誤放電することを防止するためには一定以上の隔
壁幅が必要であることから、幅方向に貫通していない角
の欠けや頂部の窪み等の欠陥も問題となり得るのであ
る。このような問題は、IC基板や表示装置に限られ
ず、厚膜スクリーン印刷および焼成を伴う種々の厚膜パ
ターンの形成において、平板上或いは曲面上に膜形成す
る場合にも同様に生じ得る。
【0008】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、所期の機能を損なうこと
なくファイン・パターン化を実現し得る厚膜パターンの
形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、所定の基体の一面に
所定の厚膜形成材料から成る厚膜パターンを形成する方
法であって、(a) 前記厚膜形成材料を含む所定の厚膜印
刷ペーストに対する接触角が前記基体の一面よりも高く
且つ有機化合物から成る撥液膜をその一面に形成する撥
液膜形成工程と、(b) その撥液膜上に前記厚膜印刷ペー
ストを所定パターンで厚膜スクリーン印刷することによ
り所定パターンの印刷膜を形成する印刷工程と、(c) そ
の印刷膜が形成された前記基体を焼成処理することによ
り、その印刷膜から前記厚膜パターンを生成すると同時
に前記撥液膜を分解して除去する焼成工程とを、含むこ
とにある。
【0010】
【発明の効果】このようにすれば、基体の一面に厚膜パ
ターンを形成するに際しては、撥液膜形成工程におい
て、厚膜形成材料を含む所定の厚膜印刷ペーストに対す
る接触角が基体の一面よりも高く且つ有機化合物から成
る撥液膜がその一面に形成され、続く印刷工程におい
て、その撥液膜上にその厚膜印刷ペーストを厚膜スクリ
ーン印刷することにより所定パターンの印刷膜が形成さ
れ、更に、焼成工程において、その印刷膜が形成された
基体を焼成処理することにより、その印刷膜から厚膜パ
ターンが生成されると同時に撥液膜が分解除去される。
そのため、基体の一面にその一面よりも厚膜印刷ペース
トに対する接触角が大きく濡れ難い撥液膜が設けられた
後に、印刷膜を形成するためのその厚膜印刷ペーストが
所定パターンで印刷されることから、厚膜印刷ペースト
の表面張力が大きく作用して、その表面積の拡大すなわ
ち広がりが好適に抑制される。また、撥液膜は有機化合
物からなるものであることから、印刷膜から厚膜パター
ンを生成するための焼成処理の際に分解され且つ除去さ
れるため、基体および厚膜パターンの特性に何ら影響し
ない。したがって、厚膜印刷ペーストの吐出量や流動性
を変化させることなく印刷パターン幅の拡大を抑制でき
ることから、その幅寸法が不均一になること等に起因し
て機能を損なうことなく、好適に厚膜パターンをファイ
ン・パターン化できる。
【0011】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記厚膜印刷ペ
ーストは油性ペーストであり、前記有機化合物はシリコ
ーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤である。こ
のようにすれば、これらの界面活性剤は撥油性を有する
ことから、油性の厚膜印刷ペーストを塗布するに先立っ
てこれらで撥油膜を基体の一面に設けることによって、
好適に線幅の細い印刷膜を形成できる。
【0012】また、好適には、前記厚膜パターンは、50
乃至100(μm)程度の幅寸法で設けられる。このような細
幅の厚膜パターンを印刷および焼成によって形成するこ
とは、基体の一面に直接厚膜印刷ペーストを塗布する従
来の膜形成方法では極めて困難である。本発明によれ
ば、ペーストの流動性を低下させることなく均一な幅で
連続的な厚膜パターンを容易に形成できる。
【0013】また、好適には、前記基体は、セラミック
スから成るものである。このようにすれば、セラミック
スは厚膜印刷ペーストを印刷および焼成してその一面に
厚膜パターンを形成する方法を好適に適用し得る材料で
あるが、一般に厚膜印刷ペーストに対して接触角が小さ
く濡れ易い性状を有していることから、厚膜スクリーン
印刷法を用いて細幅の厚膜パターンを形成することが困
難である。本発明によれば、基体がセラミックスから構
成される場合にも、好適に細幅の厚膜パターンを形成し
得る。
【0014】また、好適には、前記の撥液膜形成工程
は、前記有機化合物を含む液状またはペースト状物を前
記基体の一面に塗布することによって前記撥液膜をその
一面上に設けるものである。このようにすれば、液状ま
たはペースト状物を塗布することによって容易に撥液膜
を形成できる。
【0015】また、好適には、前記の撥液膜形成工程
は、前記有機化合物を含む液状またはペースト状物を厚
膜スクリーン印刷、スプレーまたはスピン・コート法に
よって前記一面上に塗布するものである。このようにす
れば、厚膜スクリーン印刷、スプレーまたはスピン・コ
ート法によって、基体の一面上に一様な厚さの撥液膜を
容易に形成し得る。
【0016】また、好適には、前記の撥液膜は、0.001
乃至5(μm)程度の厚さに設けられる。このようにすれ
ば、撥液膜が十分に厚く設けられることから、基体の一
面に十分な撥液性が付与されて印刷膜の広がりが好適に
抑制されると共に、印刷膜と基体の一面との間に介在さ
せられて焼成処理の過程において燃え抜けることとなる
撥液膜が十分に薄く設けられることから、その分解ガス
等によって厚膜パターンが変形させられ或いは途切れる
ことが好適に抑制される。なお、一層好適には、撥液膜
の厚みは0.01乃至2(μm)程度である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例におい
て、各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0018】図1は、本発明の一実施例の厚膜パターン
の形成方法を用いて、基板10の一面12上に形成した
厚膜導体14を示す斜視図である。図において、基板1
0は、例えば、ソーダ・ライム・ガラス等から成ってP
DPやVFD等の表示装置の背面板を構成し、或いはア
ルミナや窒化アルミニウム等のセラミックスから成って
IC基板等を構成するものである。また、厚膜導体14
は、例えば、銀(Ag)等の導体材料を主成分とする厚膜導
体から成るものであり、例えば、表示装置の電極やIC
基板の導体配線を構成するものである。本実施例におい
ては、上記の基板10が基体に、厚膜導体14が厚膜パ
ターンにそれぞれ相当する。
【0019】上記の厚膜導体14は、それぞれw=80〜
90(μm)程度の幅寸法を有する複数本が、互いに平行に
p=300(μm)程度の中心間隔を以て基板10上に配列さ
せられている。これら複数本の電極12は、上記のよう
に幅寸法wが極めて小さくされているにも拘わらず、そ
の寸法・形状や配列間隔、すなわち例えば幅寸法wや中
心間隔p等が略一様に構成されており、導体としての特
性が相互に同様となっている。
【0020】図2は、上記の厚膜導体14の形成方法を
説明する工程図である。以下、形成工程の各段階におけ
る断面形状を模式的に示す図3(a) 〜(d) を参照して、
厚膜導体14の形成方法を説明する。先ず、撥油膜形成
工程S1において、基板10の一面12に、撥油膜16
を形成する。図3(a) は、この状態を示している。この
撥油膜16は、例えば、トリメチルクロロシラン(変性
シリコーンオイル)、フルオロアルキル(C2 〜C10
カルボン酸(フッ素系界面活性剤)等の撥油性の高い
(すなわち、油性の液に対する接触角が大きく、濡れ難
く、親和性に乏しい)有機化合物(溶剤或いは樹脂)か
ら成るものであって、例えば、よく知られた印刷法、ス
ピン・コート法、或いはスプレー塗布方法等の適当な塗
布方法によって樹脂溶液を塗布し、自然乾燥させること
によって、例えば、t= 10(μm)程度の厚さ寸法に形成
されている。なお、十分な均一性を以て塗布することが
可能であれば、例えば、脱脂綿等に樹脂溶液をしみ込ま
せ、これで基板10の一面を拭くことで撥油膜16を形
成してもよい。
【0021】次いで、印刷工程S2においては、例え
ば、エチルセルロース系或いはアクリル系樹脂等のバイ
ンダ(有機結合剤)を、ターピネオール系、カルビトー
ルアセテートやブチルカルビトールアセテート等の油性
溶剤に溶解させたビヒクル中に、銀粉末等の導体粉末お
よびガラス粉末を分散させることによって銀ペースト等
の油性の厚膜導体ペーストを作製し、厚膜スクリーン印
刷法を用いて上記撥油膜16上に塗布することにより印
刷膜18を形成する。図3(b) は、この印刷中の状態を
示している。図において、基板10の一面12と略平行
且つ撥油膜16から僅かな距離を隔てた位置に、フォト
レジスト20等で開口パターンを形成したスクリーン製
版22が、下面の位置を図に一点鎖線で示すように配置
される。このスクリーン製版22上に適量の上記厚膜導
体ペースト24を載置し、例えば、スキージ26でスク
リーン製版22を基板10側に押圧して撥油膜16に順
次密着させつつ、そのスキージ26を例えば図のS方向
に沿って走査する。これにより、スクリーン製版22に
フォトレジスト20によって形成された開口部(非エマ
ルジョン部)28から厚膜導体ペースト24が吐出させ
られて撥油膜16上に塗布され、その開口部28に応じ
た形状の印刷膜18が形成される。
【0022】このとき、厚膜導体ペースト24は流動性
を有していることから、図3(b) において左端に位置す
る印刷膜18に矢印F、Fで示すように、スキージ26
が通過してスクリーン製版22が撥油膜16から離れた
瞬間から、自身のレオロジに従って広がろうとする。そ
のため、形成される印刷膜18の幅寸法Wpは、スクリ
ーン製版22の開口部28の幅寸法Wsよりも大きくな
っている。この場合において、本実施例では、基板10
の一面12の全面に撥油膜16が設けられて、その撥油
膜16上に油性の厚膜導体ペースト24が塗布される。
そのため、その厚膜導体ペースト24の撥油膜16に対
する接触角は、基板10の一面12に直接塗布される場
合に比較して大きくなることから、その流動性に従って
幅寸法Wpが広がることが厚膜導体ペースト24自身の
表面張力の作用で抑制される。したがって、製版22の
パターン幅寸法すなわち開口部28の幅寸法Wsに対す
る印刷膜18の幅寸法Wpの拡大量△wが、例えば6 〜
50(%) 程度に減じられるため、開口部28の幅寸法W
sを小さくし或いはペースト24の流動性を低下させる
ことなく、細幅の印刷膜18を塗布形成できる。
【0023】続く乾燥工程S3においては、印刷膜18
が形成された基板10を、ビヒクル中の溶剤の種類に応
じて定められる例えば100(℃) 程度の温度で乾燥処理す
ることにより、印刷膜18中の溶剤を揮発させて除去し
て硬化させる。図3(c) は、この状態を示している。そ
して、焼成工程S4において、ペースト24中のバイン
ダ、導体粉末、およびガラス粉末の種類等に応じて定め
られる例えば600(℃)程度の所定温度で加熱処理を施
す。これにより、有機バインダが分解されてガス化して
除去されると同時に、導体粉末粒子相互が溶融させられ
たガラスによって結合させられ、前記の厚膜導体14が
生成される。このとき、基板10の一面12に設けられ
ていた撥油膜16も同時に加熱により分解させられ、ガ
ス化して除去されるため、厚膜導体14は基板10上に
直接形成されている。すなわち、厚膜導体14は、撥油
膜16を設けることなく一面12上に直接印刷した場合
と同様な状態で基板10上に備えられることとなる。
【0024】ここで、図4(a) 、(b) は、上記のように
して形成した厚膜導体14と、撥油膜16を設けること
なく一面12上に厚膜導体ペーストを直接印刷して同様
な幅寸法に形成した厚膜導体30とを、それぞれ一面1
2に垂直な方向から観察した状態で示す図である。前述
のように、厚膜導体ペースト24は一面12上で大きく
広がる傾向にあるため、図4(b) に示す従来の厚膜導体
30は、例えば溶剤量を少なくして流動性をペーストの
流動性を低下させることで幅寸法拡大を抑制した。両者
の対比から明らかなように、本実施例の厚膜導体の形成
方法によれば、細幅で一様な幅寸法の厚膜導体14を途
切れることなく形成できる。これに対して、従来のペー
ストの流動性を低下させる方法では、ペーストの流動性
の低下に伴ってスクリーン製版22からの吐出量が不安
定になるため、幅寸法の変動が大きくなってラインが波
うち、しかも、ペーストが途切れることにより部分的に
断線が生じている。
【0025】ここで、本実施例によれば、基板10の一
面12に厚膜導体14を形成するに際しては、撥油膜形
成工程S1において、厚膜導体ペースト24に対する接
触角が基板10の一面12よりも高く且つフッ素樹脂等
から成る撥油膜16がその一面12に形成され、続く印
刷工程S2において、その撥油膜16上にその厚膜導体
ペースト24を厚膜スクリーン印刷することにより所定
パターンの印刷膜18が形成され、更に、焼成工程S4
において、その印刷膜18が形成された基板10を焼成
処理することにより、その印刷膜18から厚膜導体14
が生成されると同時に撥油膜16が分解除去される。そ
のため、基板10の一面12にその一面12よりも厚膜
導体ペースト24に対する接触角が大きく濡れ難い撥油
膜16が設けられた後に、印刷膜18を形成するための
その厚膜導体ペースト24が所定パターンで印刷される
ことから、厚膜導体ペースト24の表面張力が大きく作
用して、その表面積の拡大すなわち広がりが好適に抑制
される。また、撥油膜16はフッ素樹脂等の有機化合物
からなるものであることから、印刷膜18から厚膜導体
14を生成するための焼成処理の際に分解され且つ除去
されるため、基板10および厚膜導体14の特性に何ら
影響しない。したがって、厚膜導体ペースト24の吐出
量や流動性を変化させることなく印刷パターン幅Wpの
拡大を抑制できることから、その幅寸法Wpが不均一に
なること等に起因して機能を損なうことなく、厚膜導体
14をファイン・パターン化できる。
【0026】また、本実施例においては、厚膜導体ペー
スト24は油性溶剤を用いた油性ペーストであり、撥油
膜16はフッ素樹脂等である。このようにすれば、フッ
素樹脂は撥油性を有することから、油性の厚膜導体ペー
スト24を塗布するに先立ってこれを用いて撥油膜16
を基板10の一面12に設けることによって、好適に線
幅の細い印刷膜18を形成できる。
【0027】また、本実施例においては、厚膜導体14
は、80〜 90(μm)程度の幅寸法で設けられるが、撥油膜
16でその広がりが好適に抑制されていることから、容
易に均一な幅で連続的な厚膜導体14を形成できる。
【0028】また、本実施例においては、基板10は、
セラミックス(ガラスを含む)から成るものである。こ
のようにすれば、厚膜導体ペースト24を印刷および焼
成してその一面12に厚膜導体14を形成する膜形成方
法を好適に適用し得る反面、一般に厚膜導体ペースト2
4に対して接触角が小さく濡れ易い性状を有しているこ
とから、厚膜スクリーン印刷法を用いて細幅の厚膜導体
14を形成することが困難なセラミックス上に、好適に
細幅の厚膜導体14を形成し得る。
【0029】また、本実施例においては、撥油膜16は
10(μm)程度の厚さに設けられる。そのため、撥油膜1
6が十分に厚く設けられることから、基板10の一面1
2に十分な撥油性が付与されて印刷膜18の広がりが好
適に抑制されると共に、印刷膜18と基板10の一面1
2との間に介在させられて焼成処理の過程において燃え
抜けることとなる撥油膜16が十分に薄く設けられるこ
とから、その分解ガス等によって厚膜導体14が変形さ
せられ或いは途切れることが好適に抑制される。なお、
撥油膜16を一定の厚さ以上に厚く形成しても、その上
に形成される印刷膜18の広がりを抑制する効果が特に
向上することはなく、却って、上記のような作用によっ
て前記図4(b) に示される従来の場合と同様に厚膜導体
14の断線や変形等が生じるのである。
【0030】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、その他の態様でも実施し
得る。
【0031】例えば、実施例においては、本発明が厚膜
導体14の形成に用いられた場合について説明したが、
厚膜スクリーン印刷法を用いて膜形成する場合におい
て、印刷幅の広がりを抑制することが望まれているもの
であれば、本発明は種々の厚膜ペーストから厚膜パター
ンを形成する場合に適用でき、例えば、PDP等の隔壁
を厚膜絶縁ペーストから形成する場合にも用いられ得
る。
【0032】また、実施例においては、厚膜導体ペース
ト24は油性のビヒクル中に導体粉末を分散させること
によって油性ペーストに構成されていたが、ポリビニル
アルコール(PVA)等の水性のバインダを水に溶解し
た水溶性のビヒクルを用いることにより、水性ペースト
とする場合にも本発明は同様に適用される。このように
水性ペーストを用いる場合には、撥液膜としては、撥油
膜16に代えて撥水膜を用いる必要がある。
【0033】また、実施例においては、撥油膜16とし
てフッ素樹脂が用いられていたが、例えば、シラン・カ
ップリング剤等の他の撥液性のある有機化合物を用いて
もよい。
【0034】また、実施例においては、平板状の基板1
0の上に厚膜導体14を設ける場合について説明した
が、例えば円筒状の基体の外周面に曲面印刷する場合等
のように、平面以外の面に膜形成する場合にも本発明は
同様に適用される。
【0035】また、厚膜導体14の幅寸法や中心間隔等
の各部の寸法は、基板10の用途に応じて適宜変更され
る。
【0036】また、実施例においては、撥油膜16が 1
0(μm)程度の厚さに設けられていたが、その厚さは、必
要な撥液性と焼成処理時の燃え抜け性等を考慮して適宜
変更される。
【0037】その他、一々例示はしないが、本発明は、
その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の厚膜パターンの形成方法が
適用された厚膜導体を示す図である。
【図2】図1の厚膜導体の形成方法を説明する工程図で
ある。
【図3】図2の工程の各段階における基板の断面状態を
説明する図である。
【図4】(a) は、図2の工程に従って形成した厚膜導体
を、(b) は、従来の形成方法で形成した厚膜導体をそれ
ぞれ示す図である。
【符号の説明】
10:基板(基体) 12:一面 14:厚膜導体(厚膜パターン) 16:撥油膜(撥液膜) 18:印刷膜 24:厚膜導体ペースト(厚膜印刷ペースト)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C035 AA06 FD01 FD52 5E343 AA23 BB72 CC22 DD03 EE37 ER33

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の基体の一面に所定の厚膜形成材料
    から成る厚膜パターンを形成する方法であって、 前記厚膜形成材料を含む所定の厚膜印刷ペーストに対す
    る接触角が前記基体の一面よりも高く且つ有機化合物か
    ら成る撥液膜を該一面に形成する撥液膜形成工程と、 該撥液膜上に前記厚膜印刷ペーストを所定パターンで厚
    膜スクリーン印刷するとにより所定パターンの印刷膜を
    形成する印刷工程と、 該印刷膜が形成された前記基体を焼成処理することによ
    り、該印刷膜から前記厚膜パターンを生成すると同時に
    前記撥液膜を分解して除去する焼成工程とを、含むこと
    を特徴とする厚膜パターンの形成方法。
  2. 【請求項2】 前記厚膜印刷ペーストは油性ペーストで
    あり、前記有機化合物はシリコーン系界面活性剤または
    フッ素系界面活性剤である請求項1の厚膜パターンの形
    成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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