JP2005285493A - 冷陰極およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】CNTに対する密着性が良好な導電材料を基板上のCNT形成領域に形成し、CNTに対する密着性が不良な導電材料を基板上のCNT非形成領域に形成して、スクリーン印刷時にパターンから滲みだしたCNTを焼成工程後の洗浄工程で完全に除去し、パターン間の短絡の発生を抑えて、歩留まりを向上できる冷陰極およびその製造方法を得る。
【解決手段】クロム膜10がガラス基板2の全面に被覆形成され、ついでITO膜からなる電子放出部形成用導電層4がクロム膜10上に行列状に配列して形成される。そして、CNTを含む樹脂ペーストが電子放出部形成用導電層4上にスクリーン印刷され、焼成工程が実施される。その後、ブラシによる洗浄工程を実施し、クロム膜10上にはみ出したCNT層を選択的に除去する。
【選択図】図3

Description

この発明は、カーボンナノチューブ(Cabon Nano Tube、以下CNTと称す。)を電子放出源とする冷陰極およびその製造方法に関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイの開発が盛んであり、液晶、プラズマディスプレイ、有機ELなどの様々な方式の画像表示装置が開発され、一部実用化されている。その中で、ミクロンサイズの微小電子放出部を備えた冷陰極を用いたFED(Field Emission Display)は、現在でも、画像表示装置の主流であるCRT(Cathode Ray Tube)の、高輝度、高視野角、長寿命および高応答性などの特徴を有して薄型の表示装置を実現できるとして注目されている。そして、冷陰極には、様々な方式があるが、スクリーン印刷法などの簡単なプロセスで電子放出部を形成できるCNTを用いた冷陰極を応用したFEDが最も注目されている。
CNTとは、例えば、炭素原子が六角形に規則正しく並んで網目状につながったものが筒状に閉じて円柱状になったものである。この円柱状のCNTには、円柱が1本のシングルウォールナノチューブと、直径が異なる円柱が同心状に重なったマルチウォールナノチューブとがあるが、いずれにしても円柱の直径が数十nmで長さが数十nmから数百nmの極めて細いチューブである。そして、CNTが電場のある空間に置かれると、その微小な先端に電界集中が発生し、低い電圧でも電子放出が可能となる。
従来、CNTを用いた冷陰極を作製するには、まずカソード電極が基板上に所定ピッチでストライプ状に形成し、さらにCNTを含んだペーストをスクリーン印刷によりカソード電極上に四角形や円形などの形状に孤立した形でカソード電極と同じピッチに形成する。ついで、CNTを含んだ樹脂層の間に絶縁層をスクリーン印刷し、その後大気雰囲気中で焼成する。これにより、CNTを含む樹脂層の樹脂成分が分解し、CNTが露出して電子放出部が形成される。最後に、グリッド電極を絶縁層上に形成して冷陰極を作製していた。(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−272517号公報
一般に、スクリーン印刷法を用いた場合、印刷パターンが微細になると、ペーストがパターン端から滲みだし、隣り合うパターンがつながってしまうという問題がある。
そこで、従来のCNTを用いた冷陰極の製造方法では、CNTを含んだペーストをスクリーン印刷した基板に乾燥・焼成工程を施した後、洗浄工程を施して、正規のパターン以外の不要な部位のCNTを除去する必要がある。
しかしながら、従来のCNTを用いた冷陰極の製造方法では、カソード電極をストライプ状に基板上に形成し、CNTを含んだペーストをカソード電極上にスクリーン印刷しているので、印刷パターンが微細になると、ペーストがカソード電極から基板上に滲みだして隣のパターンにつながることになる。そして、CNTは、カソード電極や基板に使われるガラス基板に対する密着性が良好であることから、滲みだしたCNTが洗浄工程で完全に除去されず、パターン間の短絡が発生し、歩留まりが向上されないという不具合があった。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、CNTに対する密着性が良好な導電材料を基板上のCNT形成領域に形成し、CNTに対する密着性が不良な導電材料を基板上のCNT非形成領域に形成して、スクリーン印刷されたパターンから滲みだしたCNTを焼成工程後の洗浄工程で完全に除去し、パターン間の短絡の発生を抑えて、歩留まりを向上できる冷陰極およびその製造方法を得ることを目的とする。
この発明は、平板状基板と、上記平板状基板の主面上に形成されたカソード電極と、上記カソード電極上の電子放出部形成領域に形成された電子放出部形成用導電層と、上記電子放出部形成用導電層上に形成されたカーボンナノチューブ層とを備えた冷陰極の製造方法において、第1導電材料を上記平板状基板の主面上の全面に被覆して第1導電材料膜を形成する工程と、上記第1導電材料のカーボンナノチューブに対する密着性より優れたカーボンナノチューブに対する密着性を有する第2導電材料を上記第1導電材料膜上に被覆し、上記電子放出部形成用導電層を形成する工程と、上記カーボンナノチューブを含む樹脂ペーストを上記平板状基板の主面上にパターン印刷し、該樹脂ペーストを上記電子放出部形成用導電層上に形成する工程と、上記カーボンナノチューブを含む樹脂ペーストを焼成して、カーボンナノチューブを露出させ、上記カーボンナノチューブ層を形成する工程と、上記カーボンナノチューブ層の不要部分を除去する工程と、上記第1導電材料膜をパターニングして上記カソード電極を形成する工程と、を備えたものである。
この発明によれば、パターン印刷されたCNTを含んだ樹脂ペーストが、電子放出部形成用導電層上から第1導電材料膜に滲みだし、隣の電子放出部形成用導電層上の樹脂ペーストにつながっても、第1導電材料のCNTに対する密着性がよくないことから、第1導電材料膜上に存在するCNT層は除去工程により除去される。さらに、除去工程の後に、第1導電材料膜をパターニングしてカソード電極を形成しているので、除去工程で除去しきれなかった第1導電材料膜上のCNT層も第1導電材料膜とともに除去される。そこで、パターン間の短絡の発生が抑制され、歩留まりが向上される。
また、第2導電材料のCNTに対する密着性がよいことから、電子放出部形成用導電層上に存在するCNT層は除去工程により除去されないので、CNT層のパターン欠けの発生が抑制され、歩留まりが向上される。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る冷陰極の構成を説明する図であり、図1の(a)はその平面図、図1の(b)はその断面図である。図2はこの発明の実施の形態1に係る冷陰極の要部を説明する図であり、図2の(a)はその拡大平面図、図2の(b)はその拡大断面図である。
図1および図2において、冷陰極1は、平板状基板のガラス基板2と、ガラス基板2の主面上に所定のピッチでストライプ状に形成されたカソード電極3と、カソード電極3上の各電子放出部形成領域に対応するように形成された電子放出部形成用導電層4と、電子放出部形成用導電層4上に形成された電子放出部としてのCNT層5と、CNT層5の形成領域を避けてガラス基板2上に形成された絶縁層6と、CNT層5の形成領域でカソード電極3と直交するように所定のピッチでストライプ状に絶縁層6上に形成されたグリッド電極7とを備えている。
ここで、開口部6aが絶縁層6に行列状に形成され、CNT層5が各開口部6a内に位置している。そして、絶縁層6の厚みは、CNT層5の厚みより厚くなっている。
また、カソード電極3は、CNTが密着しにくい第1導電材料、例えばクロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)等の金属、あるいはこれらの合金を成膜して作製されている。また、電子放出部形成用導電層4は、CNTが密着しやすい第2導電材料、例えば錫ドープ酸化インジウム(Indium Tin Oxide、以下ITOと称す。)や酸化錫などを成膜して作製されている。つまり、カソード電極3のCNTに対する密着性が電子放出部形成用導電層4のCNTに対する密着性より悪くなっている。
ここで、密着力評価方法としては、テープ引き剥がし法、スクラッチ法、セバスチャン法、ナノインテンダー法などがある。例えば、テープ引き剥がし法を用いて、ガラス、ITOおよびクロムのCNTに対する密着性を評価したところ、ガラス上のCNTはほとんど剥がれず、ITO上のCNTは僅かに剥がれ、クロム上のCNTはほとんど剥がれる結果が得られた。このような評価方法を用い、CNTに対する密着性が第2導電材料であるITO(あるいは酸化錫)のCNTに対する密着性より劣る導電材料を第1導電材料として選択することになる。
このように構成された冷陰極1では、カソード電極3とグリッド電極7との間に電圧を印加すると、CNT層5の露出したCNTの微小な先端に電界集中が発生し、電子eがCNTの先端から放出される。そして、電圧を印加するカソード電極3とグリッド電極7とを選択することにより、行列状に配列されている多数の電子放出部(CNT層5)の中の所望の電子放出部(CNT層5)から電子が放出される。
つぎに、この冷陰極1の製造方法について図3乃至図5を参照しつつ説明する。図3はこの発明の実施の形態1に係る冷陰極の製造方法における電子放出部形成用導電層の形成工程を説明する工程図であり、図3の(a)はその平面図、図3の(b)はその断面図である。図4はこの発明の実施の形態1に係る冷陰極の製造方法におけるCNT層の形成工程を説明する工程図であり、図4の(a)はその平面図、図4の(b)は図4の(a)のA−A矢視断面図である。図5はこの発明の実施の形態1に係る冷陰極の製造方法におけるカソード電極の形成工程を説明する工程図であり、図5の(a)はその平面図、図5の(b)はその断面図である。
まず、蒸着やスパッタなどにより、クロム膜10をガラス基板2の主面の全面に成膜する。ついで、蒸着やスパッタなどにより、ITO膜をクロム膜10の全面に成膜する。そして、レジストをITO膜の全面に塗布し、レジストを所望のパターンを残して除去する。ここで、レジストは、電子放出部の形成領域上にのみ残っている。ついで、酸などにより露出するITO膜をエッチングし、レジストを除去して、図3に示されるように、電子放出部形成用導電層4をクロム膜10上に行列状に形成する。ここでは、各電子放出部形成用導電層4は、例えば概略100μm×50μmの矩形形状に形成されているが、その形状は矩形に限定されるものではなく、例えば円形の形状に形成されてもよい。
ついで、例えば、ブチルカルビトールとブチルカルビトールアセテートとを3:1の割合で混合し、その溶液に重合度200のエチルセルロースを溶解してビークルを作製する。そして、このビークルにCNTと分散剤(商品名:ホモゲノールL−18、花王石鹸(株)製)とを混合し、CNTを含む樹脂ペーストを作製する。なお、この場合、ビークルとCNTとの割合は、8:2程度(重量比)とした。また、分散剤は、CNTの重量に対して0.01%程度とした。また、CNTは、アーク放電や熱CVD(Chemical Vapor Deposition)などで作製することができる。
また、別の例としては、テルピネオール100mLに、塩基櫛形ブロッコリーポリマーであるソルスパース24000GRを0.15g溶解し、これにCNT3gを混入する。得られた液を直径1mmのジルコニアボールでビーズミルを用いて撹拌し、この液にエチルセルロース4重量部を添加し、樹脂ペーストにする。
そして、パターン印刷としてのスクリーン印刷により、このCNTを含む樹脂ペーストを各電子放出部形成用導電層4上に形成する。この印刷された樹脂ペースト11は、図4に示されるように、各電子放出部形成用導電層4上からクロム膜10上に滲みだし、最悪の場合には、隣り合うパターン同士を繋ぐパターン不良部12を発生させることになる。
ついで、このガラス基板2を120℃の大気雰囲気中で乾燥し、さらに500℃の大気雰囲気中で焼成する。これにより、樹脂ペースト11中のエチレンセルロースなどの樹脂成分が分解除去され、CNTが露出されたCNT層5を得る。
その後、ブラシ(図示せず)でガラス基板2の主面上を擦るブラシ洗浄を施す(除去工程)。このブラシ洗浄により、クロム膜10上に位置するCNT層5は密着力が弱く、除去される。一方、電子放出部形成用導電層4上に位置するCNT5は密着力が強く、除去されない。そこで、電子放出部形成用導電層4上からクロム膜10へのはみ出し部分や、隣り合うパターン同士を繋ぐパターン不良部12のCNT層5が選択的に除去される。これにより、CNT層5が各電子放出部形成用導電層4上に位置して、互いに分離されて行列状に形成される。
そして、レジストをガラス基板2の主面の全面に塗布し、レジストを所望のパターンを残して除去する。ついで、酸などにより露出するクロム膜10をエッチングし、レジストを除去する。これにより、図5に示されるように、ストライプ状のカソード電極3が得られる。
ついで、エチルセルロースをターピネオール(和光純薬(株)製)に溶解し、その溶液にほう珪酸鉛ガラス粉末とアルミナ粉末とを分散混合し、絶縁ペーストを作製する。なお、エチルセルロースを1〜5重量%、ターピネオールを25〜30重量%、ほう珪酸鉛ガラス粉末を35〜40重量%、アルミナ粉末を30〜40重量%とした。そして、この絶縁ペーストをガラス基板2の主面上にスクリーン印刷する。この絶縁ペーストの塗布パターンは、開口部6aが行列状に配列するもので、CNT層5が各開口部6a内に位置している。そして、絶縁ペーストの塗布厚みは、例えば30μmである。
ついで、ガラス基板2を120℃の大気雰囲気中で乾燥し、さらに500℃の大気雰囲気中で焼成する。これにより、絶縁ペースト中の樹脂成分が加熱分解されるとともに、珪酸鉛ガラスがガラス基板2に固着され、絶縁層6が得られる。
ついで、ストライプ状の金属薄板を開口部6aでカソード電極3と直交するように絶縁層6上に架橋し、グリッド電極7を得る。これにより、図1に示される冷陰極1が得られる。
この実施の形態1では、クロム(第1導電材料)をガラス基板2の主面上の全面に被覆してクロム膜(第1導電材料膜)10を形成し、ITO(第2導電材料)をクロム膜10上に被覆して電子放出部形成用導電層4を形成し、CNTを含む樹脂ペーストをガラス基板2の主面上にスクリーン印刷して該樹脂ペーストを電子放出部形成用導電層4上に形成し、CNTを含む樹脂ペーストを焼成し、その後ブラシでガラス基板2を擦ってCNT層5の不要部分を除去している。
そこで、このブラシによる除去工程により、クロム膜10とCNT層5との密着力と、ITO膜とCNT層5との密着力との差から、クロム膜10上のCNT層5が剥離除去されるので、パターン間の短絡の発生が抑制され、歩留まりが向上される。
また、ITO膜とCNT層5との密着性がよいことから、電子放出部形成用導電層4上に存在するCNT層5はブラシによる除去工程で除去されないので、CNT層5のパターン欠けの発生が抑制され、歩留まりが向上される。
また、除去工程の後に、クロム膜10をパターニングしてカソード電極3を形成しているので、除去工程で除去しきれなかったクロム膜10上のCNT層5もクロム膜10とともに除去される。そこで、パターン間の短絡の発生が抑制され、歩留まりが向上される。
このように、スクリーン印刷に起因するCNT層5のはみ出し、パターン欠け、パターン間の短絡の発生が抑制され、CNT層5の形成に安価なスクリーン印刷が適用でき、冷陰極1を安価に製造することができる。
この製造方法により製造された冷陰極1は、電子放出部であるCNT層5が電子放出部形成用導電層4からはみ出さない。そこで、この冷陰極1を電子源アレイとしてFEDに適用すれば、滲みのない画像表示が得られるFEDを安価に実現できる。
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係る冷陰極の構成を説明する図であり、図6の(a)はその平面図、図6の(b)はその断面図である。図7はこの発明の実施の形態2に係る冷陰極の要部を説明する図であり、図7の(a)はその拡大平面図、図7の(b)はその拡大断面図である。
図6および図7において、電子放出部形成用導電層4が、電子放出部形成領域に対応するようにガラス基板2の主面上に行列状に配列されて形成されている。この電子放出部形成用導電層4は、電子放出部形成領域より大形に形成されている。カソード電極3が、それぞれ、各行に配列されている各電子放出部形成用導電層4の外周部を覆うように、ガラス基板2の主面上にストライプ状に形成されている。この電子放出部形成用導電層4の露出部が、電子放出部形成領域となる。そして、CNT層5が、カソード電極3からの電子放出部形成用導電層4の露出部上に形成されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
つぎに、このように構成される冷陰極1Aの製造方法について図8乃至図10を参照しつつ説明する。図8はこの発明の実施の形態2に係る冷陰極の製造方法における電子放出部形成用導電層の形成工程を説明する工程図であり、図8の(a)はその平面図、図8の(b)はその断面図である。図9はこの発明の実施の形態2に係る冷陰極の製造方法におけるCNT層の形成工程を説明する工程図であり、図9の(a)はその平面図、図9の(b)は図9の(a)のA−A矢視断面図である。図10はこの発明の実施の形態2に係る冷陰極の製造方法におけるカソード電極の形成工程を説明する工程図であり、図10の(a)はその平面図、図10の(b)はその断面図である。
まず、蒸着やスパッタなどにより、ITO膜をガラス基板2の主面の全面に成膜する。そして、レジストをITO膜の全面に塗布し、レジストを所望のパターンを残して除去する。ここで、レジストは、電子放出部の形成領域上にのみ残っている。ついで、酸などにより露出するITO膜をエッチングし、レジストを除去して、電子放出部形成用導電層4をガラス基板2上に行列状に形成する。なお、各電子放出部形成用導電層4は、設定された電子放出部の形成領域より大形に形成されている。
ついで、蒸着やスパッタなどにより、クロム膜10をガラス基板2の主面の全面に成膜する。そして、レジストをクロム膜10の全面に塗布し、レジストを所望のパターンを残して除去する。ここで、レジストは、電子放出部の形成領域以外の領域に残っている。ついで、露出するクロム膜10をエッチングし、レジストを除去する。これにより、各電子放出部形成用導電層4の外周部がクロム膜10により覆われ、各電子放出部形成用導電層4の外周部を除く部位がクロム膜10から露出する。この電子放出部形成用導電層4の露出部(電子放出部の形成領域)が、図8に示されるように、行列状に配列される。
ついで、スクリーン印刷により、CNTを含む樹脂ペーストを各電子放出部形成用導電層4の露出部上に形成する。この印刷された樹脂ペースト11は、図9に示されるように、各電子放出部形成用導電層4の露出部上からクロム膜10上に滲みだし、最悪の場合には隣り合うパターン同士を繋ぐパターン不良部12を発生させることになる。
ついで、このガラス基板2を120℃の大気雰囲気中で乾燥し、さらに500℃の大気雰囲気中で焼成する。これにより、樹脂ペースト11中のエチレンセルロースなどの樹脂成分が分解除去され、CNTが露出されたCNT層5を得る。
その後、ブラシ(図示せず)でガラス基板2の主面上を擦るブラシ洗浄を施す(除去工程)。このブラシ洗浄により、クロム膜10上に位置するCNT層5は密着力が弱く、除去される。一方、電子放出部形成用導電層4上に位置するCNT5は密着力が強く、除去されない。そこで、電子放出部形成用導電層4上からクロム膜10へのはみ出し部分や、隣り合うパターン同士を繋ぐパターン不良部12のCNT層5が選択的に除去される。これにより、CNT層5が各電子放出部形成用導電層4上に位置して、互いに分離されて行列状に形成される。
そして、レジストをガラス基板2の主面の全面に塗布し、レジストを所望のパターンを残して除去する。ついで、露出するクロム膜10をエッチングし、レジストを除去する。これにより、図10に示されるように、ストライプ状のカソード電極3が得られる。
ついで、絶縁ペーストをガラス基板2の主面上にスクリーン印刷する。この絶縁ペーストの塗布パターンは、開口部6aが行列状に配列するもので、CNT層5が各開口部6a内に位置している。そして、絶縁ペーストの塗布厚みは、例えば30μmである。
ついで、ガラス基板2を120℃の大気雰囲気中で乾燥し、さらに500℃の大気雰囲気中で焼成する。これにより、絶縁ペースト中の樹脂成分が加熱分解されるとともに、珪酸鉛ガラスがガラス基板2に固着され、絶縁層6が得られる。
ついで、ストライプ状の金属薄板を開口部6aでカソード電極3と直交するように絶縁層6上に架橋し、グリッド電極7を得る。これにより、図6に示される冷陰極1Aが得られる。
この実施の形態2では、ITO(第2導電材料)をガラス基板2上に被覆して電子放出部形成用導電層4を形成し、クロム(第1導電材料)をガラス基板2の主面上の全面に被覆して電子放出部形成用導電層4の外周部を除く領域(電子放出部形成領域)を露出するようにクロム膜10を形成し、CNTを含む樹脂ペーストをガラス基板2の主面上にスクリーン印刷して該樹脂ペーストを電子放出部形成用導電層4の露出部上に形成し、CNTを含む樹脂ペーストを焼成し、その後ブラシでガラス基板2を擦ってCNT層5の不要部分を除去している。
そこで、ブラシによる除去工程により、クロム膜10とCNT層5との密着力と、ITO膜とCNT層5との密着力との差から、クロム膜10上のCNT層5が剥離除去されるので、パターン間の短絡の発生が抑制され、歩留まりが向上される。
また、ITO膜とCNT層5との密着性がよいことから、電子放出部形成用導電層4上に存在するCNT層5はブラシによる除去工程で除去されないので、CNT層5のパターン欠けの発生が抑制され、歩留まりが向上される。
また、除去工程の後に、クロム膜10をパターニングしてカソード電極3を形成しているので、除去工程で除去しきれなかったクロム膜10上のCNT層5もクロム膜10とともに除去される。そこで、パターン間の短絡の発生が抑制され、歩留まりが向上される。
このように、この実施の形態2においても、スクリーン印刷に起因するCNT層5のはみ出し、パターン欠け、パターン間の短絡の発生が抑制され、CNT層5の形成に安価なスクリーン印刷が適用でき、冷陰極1を安価に製造することができる。
この製造方法により製造された冷陰極1Aは、電子放出部であるCNT層5が電子放出部形成用導電層4の露出部(電子放電部形成領域)からはみ出さない。そこで、この冷陰極1Aを電子源アレイとしてFEDに適用すれば、滲みのない画像表示が得られるFEDを安価に実現できる。
ここで、上記実施の形態2では、電子放出部形成用導電層4が独立して行列状に配列されているものとしているが、電子放出部形成用導電層をカソード電極と同等のピッチでストライプ状に形成し、電子放出部の形成領域が開口するようにクロム膜を電子放出部形成用導電層上に形成してもよい。
なお、上記各実施の形態では、ブチルカルビトールとブチルカルビトールアセテートとの混合溶液にエチルセルロースを溶解したビークルに、CNTと分散剤とを混合してCNTを含む樹脂ペーストを作製するもの等としているが、CNTを含む樹脂ペーストはこれに限定されるものではなく、スクリーン印刷できるものであればよい。
また、CNTを含む樹脂ペーストに低融点ガラスを更に添加してもよい。この場合、スクリーン印刷後の焼成工程において、樹脂ペースト中の低融点ガラスが電子放出部形成用導電層4に固着し、CNT層5の密着力が向上される。この時、クロム膜10がガラス基板2の全面に被覆されているので、樹脂ペースト中の低融点ガラスのガラス基板2への固着が阻止され、除去工程において、CNT層5の不要部分を確実に除去できる。
また、上記各実施の形態では、CNTを含む樹脂ペーストをスクリーン印刷するものとしているが、樹脂ペーストのパターン印刷はスクリーン印刷に限定されるものではなく、例えば転写でもよい。
また、上記各実施の形態では、ブラシでガラス基板2上を擦ることでCNT層5の不要部分の除去するものとしているが、除去方法はこれに限定されるものではなく、CNT層5の不要部分の除去できる方法であればよく、例えば水と気体とを混交した2流体ジェット洗浄を用いてもよい。そして、ブラシによる洗浄や2流体ジェット洗浄などは、機械的な力をコントロールでき、有効である。
また、上記各実施の形態では、平板状基板としてガラス基板を用いるものとしているが、石英、シリコン、アルミナ、セラミックスなどを用いることができる。
また、上記各実施の形態では、第1導電材料をクロムとしたが、最表面がクロムであれば、配線抵抗を下げるために多層とすることも可能である。
この発明の実施の形態1に係る冷陰極の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る冷陰極の要部を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る冷陰極の製造方法における電子放出部形成用導電層の形成工程を説明する工程図である。 この発明の実施の形態1に係る冷陰極の製造方法におけるCNT層の形成工程を説明する工程図である。 この発明の実施の形態1に係る冷陰極の製造方法におけるカソード電極の形成工程を説明する工程図である。 この発明の実施の形態2に係る冷陰極の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る冷陰極の要部を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る冷陰極の製造方法における電子放出部形成用導電層の形成工程を説明する工程図である。 この発明の実施の形態2に係る冷陰極の製造方法におけるCNT層の形成工程を説明する工程図である。 この発明の実施の形態2に係る冷陰極の製造方法におけるカソード電極の形成工程を説明する工程図である。
符号の説明
1、1A 冷陰極、2 ガラス基板(平板状基板)、3 カソード電極、4 CNT形成用導電層、5 CNT層(電子放電部)、10 クロム膜(第1導電性材料膜)、11 樹脂ペースト。

Claims (6)

  1. 平板状基板と、上記平板状基板の主面上に形成されたカソード電極と、上記カソード電極上の電子放出部形成領域に形成された電子放出部形成用導電層と、上記電子放出部形成用導電層上に形成されたカーボンナノチューブ層とを備え、
    上記カーボンナノチューブ層は、カーボンナノチューブを含む樹脂ペーストをパターン印刷した後、該樹脂ペースト中の樹脂成分を加熱分解除去して該カーボンナノチューブを露出して形成されたものであり、
    上記電子放出部形成用導電層が、上記カソード電極を構成する導電材料のカーボンナノチューブに対する密着性より優れたカーボンナノチューブに対する密着性を有する導電材料で構成されていることを特徴とする冷陰極。
  2. 平板状基板と、上記平板状基板の主面上に形成された電子放出部形成用導電層と、上記平板状基板の主面上および上記電子放出部形成用導電層上に上記電子放出部形成用導電層の電子放出部形成領域を露出するように形成されたカソード電極と、上記電子放出部形成用導電層の電子放出部形成領域に形成されたカーボンナノチューブ層とを備え、
    上記カーボンナノチューブ層は、カーボンナノチューブを含む樹脂ペーストをパターン印刷した後、該樹脂ペースト中の樹脂成分を加熱分解除去して該カーボンナノチューブを露出して形成されたものであり、
    上記電子放出部形成用導電層が、上記カソード電極を構成する導電材料のカーボンナノチューブに対する密着性より優れたカーボンナノチューブに対する密着性を有する導電材料で構成されていることを特徴とする冷陰極。
  3. 上記電子放出部形成用導電層を構成する上記導電材料は、ITO又は酸化錫であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の冷陰極。
  4. 平板状基板と、上記平板状基板の主面上に形成されたカソード電極と、上記カソード電極上の電子放出部形成領域に形成された電子放出部形成用導電層と、上記電子放出部形成用導電層上に形成されたカーボンナノチューブ層とを備えた冷陰極の製造方法において、
    第1導電材料を上記平板状基板の主面上の全面に被覆して第1導電材料膜を形成する工程と、
    上記第1導電材料のカーボンナノチューブに対する密着性より優れたカーボンナノチューブに対する密着性を有する第2導電材料を上記第1導電材料膜上に被覆し、上記電子放出部形成用導電層を形成する工程と、
    上記カーボンナノチューブを含む樹脂ペーストを上記平板状基板の主面上にパターン印刷し、該樹脂ペーストを上記電子放出部形成用導電層上に形成する工程と、
    上記カーボンナノチューブを含む樹脂ペーストを焼成して、カーボンナノチューブを露出させ、上記カーボンナノチューブ層を形成する工程と、
    上記カーボンナノチューブ層の不要部分を除去する工程と、
    上記第1導電材料膜をパターニングして上記カソード電極を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする冷陰極の製造方法。
  5. 平板状基板と、上記平板状基板の主面上に形成された電子放出部形成用導電層と、上記平板状基板の主面上および上記電子放出部形成用導電層上に上記電子放出部形成用導電層の電子放出部形成領域を露出するように形成されたカソード電極と、上記電子放出部形成用導電層の電子放出部形成領域に形成されたカーボンナノチューブ層とを備えた冷陰極の製造方法において、
    第2導電材料を上記平板状基板の主面上に被覆して上記電子放出部形成用導電層を形成する工程と、
    上記第2導電材料のカーボンナノチューブに対する密着性より劣るカーボンナノチューブに対する密着性を有する第1導電材料を上記平板状基板の主面上および上記電子放出部形成用導電層上に被覆して、上記電子放出部形成用導電層の上記電子放出部形成領域を露出するように第1導電材料膜を形成する工程と、
    上記カーボンナノチューブを含む樹脂ペーストを上記平板状基板の主面上にパターン印刷し、該樹脂ペーストを上記電子放出部形成用導電層の上記電子放出部形成領域に形成する工程と、
    上記カーボンナノチューブを含む樹脂ペーストを焼成して、カーボンナノチューブを露出させ、上記カーボンナノチューブ層を形成する工程と、
    上記カーボンナノチューブ層の不要部分を除去する工程と、
    上記第1導電材料膜をパターニングして上記カソード電極を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする冷陰極の製造方法。
  6. 上記第2導電材料として、ITO又は酸化錫を用いること特徴とする請求項4又は請求項5記載の冷陰極の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007273270A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Mitsubishi Electric Corp 電界放出型表示装置およびその製造方法
US20100005652A1 (en) * 2008-07-14 2010-01-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of manufacturing a wiring substrate, method of manufacturing a tape package and method of manufacturing a display device

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