JP3760878B2 - 陰極の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンナノチューブ(以下、CNT)を用いた陰極の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年フラットパネルディスプレイの開発が盛んであり、液晶、プラズマディスプレイ、有機ELなどさまざまな方式の画像表示装置が開発され、一部実用化されている。
その中で、ミクロンサイズの微小電子放出部を備えた冷陰極を用いたFED(Field Emission Display)は、現在でも画像表示装置の主流であるCRT(Cathode Ray Tube)の、高輝度、広視野角、長寿命および速い応答性などの特徴を維持して薄型の表示装置を実現することができるとして注目されている。
冷陰極にはさまざまな方式があるが、最近微細加工技術を必要とせずスクリーン印刷法などの簡単なプロセスで電子放出部が形成できるCNTを用いた冷陰極を応用したFEDがもっとも実用化に近いと考えられ始めた。
【0003】
CNTとは炭素原子が六角形に規則正しく並んで網目状につながったものが筒状にとじて円柱状になったもので、このCNTの微小な先端に電界を集中させて電子放出を得ることで電子放出部を形成することが可能である。
CNTとしては、円柱が1本のシングルウォールナノチューブ(SWCNT)と直径が異なる円柱が同心円状に重なったマルチウォールナノチューブ(MWCNT)があるが、いずれにしても円柱の直径が数十nmで長さが数十μmから数百μmの極めて細いチューブである。
【0004】
図6は、特開2000−90813号公報に記載された陰極の説明図であり、51は基板、52は第1の電極、54は電子放出部で、第1の電極52に付着した、CNTまたはグラファイトなどを主成分とする六炭素環構造を有するカーボン材料を含む粒子53で構成され、上記粒子53は表面がプラズマ等によりエッチングされてCNTの一部が飛び出した構造となっている。55は第2の電極で、第1の電極52と絶縁層56を介して設けられ、第1の電極52との間に所定の電位差を印加することにより粒子53からの電子放出を開始させる。
上記粒子53のサイズはばらついているので、粒子53の最上部と電子放出を得るために必要な第2の電極55との間隔がばらつき、上記電子放出部を例えば一画素毎に電子放出部を有するFEDに応用した場合、複数の電子放出部を必要とするため、各電子放出部の放出特性にばらつきが生じる。
【0005】
上記ばらつきを抑える方法として、例えば特開平11−329312号公報には、エミッタとしてCNTの長手方向を同一方向に向けて集合させた柱状グラファイトの束を作り、その側面から長手方向に垂直にレーザービームを照射してCNTの束を切断して先端を揃えたものが開示されている。
また、特開2000‐223004号公報には、CNTを分散した複合材料のインゴットを形成し、このインゴット表面を研磨することによりインゴット中のCNTを切断して表面に露出させる量を増加させ、その後インゴットの表面から金属をエッチ除去してCNTを上記インゴット表面から突き出させ、その後これをデバイスに組立てる技術や、はんだ層で予めコートされたエミッタにCNTを含むものをスピンコートする技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにCNTの微小な先端に電界を集中させて電子を放出させることにより電子放出部を形成する場合、CNTの先端ができるだけ鋭利であることが望ましく、またCNTの先端は終端せずに開放している方が電子放出特性は向上する。
しかしながら、特開平11−329312号公報に示されたように、電子放出部の表面を平坦にするために、レーザービームでCNTの先端を溶断して揃える方法では、CNTの先端は高熱によりとじた状態になることが多く、CNTの十分な特性を引き出すことができないという課題があった。
【0007】
また、上記レーザービームでCNTの束を切断する方法(特開平11−329312号公報)を、図6(特開2000−90813号公報)の電子放出部54において、粒子53の最上部を平坦化する方法として用いた場合について説明する。
図6(特開2000−90813号公報)に示す電子放出部54において、粒子53の最上部をレーザービームで切断して平坦化する場合、上記切断に用いるレーザービームと基板51が精密に平行となることが必要となる。何故なら、上記電子放出部54をFEDに適用した場合、上記電子放出部が複数必要であり、しかもFEDの発光輝度の均一性を得るためには、複数の電子放出部の電子放出を一定にする必要があり、そのためには各電子放出部54のそれぞれの粒子53最上部と第2の電極55との間隔を一定に保つ必要があるからである。
しかしながら、上記精密な平行性を実現するためには精度の高い製造装置が要求され、その平行度設定に長時間要するなどスループットが上がらない問題を生じる。
【0008】
また、平面状に複数配置された電子放出部に対して横方向からレーザービームを照射する場合、レーザービームの入射側に近い電子放出部から順次切断していくため、より遠い位置の電子放出部を切断したときには入射側に近い電子放出部は通過するレーザービームの余熱により電子放出部の高さが低くなる。そのため、FED平面上の複数の陰極間で、印加する電圧と得られるエミッションの関係(電流−電圧特性)が大きくばらつくという課題があった。
【0009】
また、特開2000‐223004号公報のCNTを分散した複合材料のインゴットを用いたものでは、電子放出部を製造後基板上に組み入れるプロセスが必要で微細化が困難になるという課題があった。
【0010】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、電子放出特性に優れ、複数で用いた場合でも、印加する電圧と得られるエミッションの関係(電流−電圧特性)のばらつきが抑制された陰極の製造方法を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の陰極の製造方法は、基板に設けられた第1の電極に、カーボンナノチューブを含有する電子放出部を設けてなる電子源と、上記第1の電極と絶縁層を介して設けられ、上記第1の電極との間に電位差を印加する第2の電極とを備えた陰極の製造方法であって、基板に設けられた第1の電極にカーボンナノチューブを含有する樹脂層を設ける工程と、上記樹脂層の表面と上記第2の電極との間隔が揃うように、上記樹脂層の表面を研磨する工程と、研磨後上記樹脂層の樹脂成分を加熱分解除去して、カーボンナノチューブを露出させて電子源を得る工程と、上記第1の電極と絶縁層を介して第2の電極を設ける工程とを備えた方法である。
【0012】
本発明に係る第2の陰極の製造方法は、基板に設けられた第1の電極に、カーボンナノチューブを含有する電子放出部を設けてなる電子源と、上記第1の電極と絶縁層を介して設けられ、上記第1の電極との間に電位差を印加する第2の電極とを備えた陰極の製造方法であって、基板に設けられた第1の電極に、カーボンナノチューブを含有する樹脂層を設ける工程と、上記樹脂層の樹脂成分を加熱分解除去して上記カーボンナノチューブを露出させる工程と、上記露出したカーボンナノチューブ群に水ガラスを含浸させて焼成し、上記水ガラスでカーボンナノチューブを上記第1の電極に付着させる工程と、上記カーボンナノチューブ表面と上記第2の電極との間隔が揃うように、上記カーボンナノチューブ表面を研磨して電子源を得る工程と、上記第1の電極と絶縁層を介して第2の電極を設ける工程とを備えた方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1(a)〜(e)は本発明の第1の実施の形態の陰極の製造方法を工程順に示す工程図であり、図中、1は基板、2は第1の電極、13はCNTを含有する樹脂層、3は電子放出部、4は電子源、5は研磨手段、6は絶縁層、7は第2の電極、8は開口である。
まず、基板1の上に、通常数mmピッチのストライプ状に第1の電極2を形成する{図1(a)}。
第1の電極2は例えば銀、アルミニウム、金、銅などの金属電極、またはITO、酸化スズなどの透明電極を用いることができる。
形成方法は、スクリーン印刷などの厚膜形成方法あるいは蒸着、スパッタなどの薄膜形成方法を用いることができる。
【0015】
次に、第1の電極2にCNTを含んだ樹脂層13を以下の手順で設ける{図1(b)}。
まず、ブチルカルビトール(和光純薬製)とブチルカルビトールアセテート(和光純薬製)を3:1の割合で混合し、その溶液に重合度200のエチルセルロース{ハーキュレス(株)製}を溶解して、ビークルと呼ばれる溶液を作る。
上記ビークルにCNTと分散剤{商品名:ホモゲノールL−18,花王石鹸(株)製}を分散混合してスクリーン印刷用ペーストを作製するが、ビークルとCNTの割合は重量比で8:2とする。また、分散剤はCNTの重量に対して0.01%とする。CNTはアーク放電や熱CVD(Chemical VaporDeposition)で作製することができる。
メッシュ開口が250番のステンレスメッシュを用いたスクリーン印刷用マスクを用意し、上記ペーストを用いてCNTを含有する樹脂層13をスクリーン印刷で形成したのち120℃大気雰囲気中で乾燥する。
CNTを含有する樹脂層13は第1の電極2の上に四角形または円形などの形状に孤立した形で第1の電極と同じピッチで形成される。
【0016】
次に、研磨手段5として機械研磨を採用し、1000番の研磨テープを用い、基板1を固定して研磨テープ5を移動させてCNTを含有する樹脂層13の表面を研磨する{図1(c)}。
このとき、研磨テープ5がCNTを含有する樹脂層13と接触する面およびその移動方向と基板1の表面との平行が維持されるように調整する。
なお、研磨を行う際、研磨テープ5を固定して基板1を移動させても、基板と研磨テープを同時に移動させてもよい。
【0017】
次に、CNTを含有する樹脂層13の間に、高さ約30μmの絶縁層6をスクリーン印刷で形成する{図1(d)}。
このとき使用するペーストは、例えばエチルセルロースをターピネオール{和光純薬(株)製}に溶解し、その溶液にほう珪酸鉛ガラスとアルミナ粉末を分散混合したものを用いる。
成分比は、エチルセルロース1〜5wt%、ターピネオール25〜30wt%、ほう珪酸鉛ガラス粉末35〜40wt%、アルミナ粉末30〜40wt%の範囲である。高さを30μmにするために2〜3回重ねて印刷し、印刷終了後は120℃大気雰囲気中で乾燥する。
【0018】
次に、大気雰囲気中500℃で焼成し、CNTを含有する樹脂層13のエチルセルロースなどの樹脂成分を分解してCNTを露出させて電子放出部3とし、電子源4を得、なおかつ絶縁層6の低融点ガラスを固着させる。
本実施の形態では、絶縁層の形成と、CNTを含有する樹脂層の樹脂成分の加熱分解を同時に行ったが、別々に行っても良い。
【0019】
最後に薄い金属板からなる第2の電極7を絶縁層6の上に架橋し、陰極を製造する{図1(e)}。
第2の電極7は第1の電極2のストライプピッチと同じで、第1の電極2と直交する方向に複数のスリット状になったものであり、電子放出部3の直上は開口部8が設けてある。
【0020】
図2は本実施の形態により得られた陰極を用いた画像表示装置の構成図であり、図中31は背面基板(図1における基板1に相当する)、32はスペーサ、33は前面基板、35は蛍光面、39は開口である。
即ち、背面基板31とスペーサ32と透光性の前面基板33とで真空気密されており、背面基板31の内側の表面にはストライプ状の第1の電極2と電子放出部3、絶縁層6および第1の電極2に直交する方向に複数のスリット状になった第2の電極7とで構成された陰極が形成されており、前面基板33の内側の表面に陰極と対向するように蛍光面35が形成されている。
なお、第1の電極2と電子放出部3からなる電子源4と、第2の電極7とからなる陰極は、上記本実施の形態の製造方法により得られたものを用いた。
蛍光面35は赤、青および緑色蛍光体でそれぞれ塗り分けられ田の字に配列された一組(緑色は2つ)で一画素を構成している。ひとつの画像表示素子は4画素以上で構成されている。
なお、背面基板31に開けられた排気孔(図示せず)から排気管(図示せず)を通して、真空排気され、真空排気後は排気管をチップオフされている。
【0021】
以上のように構成された画像表示装置において、第1の電極2に対して、第2の電極7に百数十ボルトの直流または交流の電圧を印加すると、電子放出部3に含まれるCNTの中で、チューブの先端が第2の電極7側に向いている部分に電界が集中して電子が放出さる。放出された電子は第2の電極7に開けられた開口部39を通過して数kVに印加され、蛍光面35に向かって加速され蛍光体を励起発光させる。
このとき、電子放出部3の表面は、上記製造方法において研磨により一定の高さに揃っているため、電子放出部3の表面と第2の電極7との間隔はすべての陰極で揃っており、電子放出特性は同じとなる。
したがって、スリット状の第2の電極に順次電圧を印加して表示を行う場合、その印加電圧に対して、すべての陰極で常に同じ電子の量が放出されるため、その電子で励起発光される蛍光体からの発光量も同じとなり、画像表示素子内のすべての画素が同じ発光強度を示す。つまり、画像表示素子の発光輝度の均一性が向上する。
【0022】
図3は、図2に示す画像表示装置において、本実施の形態により製造された各陰極における、印加する電圧と得られるエミッションの関係(電流−電圧特性)を示す特性図で、図中a1、b1およびc1は各々、上記陰極において、所定の電圧を印加した時の陰極からのエミッション放出電流が最小、平均および最大であるもののエミッション特性を示す。
図3に示すように、電子放出部3の表面は研磨により一定の高さに揃っているため、電子放出部3の表面と第2の電極6との間隔は各電極間で揃っており、各電子源における電流−電圧特性のばらつきが小さいことが示されている。
【0023】
なお、図4は、一般的に陰極を用いる雰囲気における、真空度とエミッション半減期の関係を示す特性図で、図に示す様に、エミッション半減期は真空度が高くなるほど向上し、特に真空度1×10−6の領域で大きく変化することがわかる。
本実施の形態の陰極を用い真空排気して得られた図2に示す画像表示装置における真空度は1×10−8であり、エミッション半減期は5000時間程度であった。
一方、上記画像表示装置にはんだ層を用いると、真空度は5×10−6となり、エミッション半減期は2時間となり、はんだにより装置内の真空度が低下し寿命が低下することになる。
【0024】
なお、画像表示装置として、本実施の形態の陰極の第2の電極と蛍光面の間に、電子の収束用に第3の電極を設けることもできる。
また、下記第2の本実施の形態により製造された陰極を用いた画像表示装置でも同様の効果が得られる。
【0025】
実施の形態2.
上記第1の実施の形態において、図1(b)に示す工程までは、実施の形態1と同様に製造する。
その後、大気雰囲気中500℃で焼成して、電子放出部に含まれる樹脂成分を加熱分解する。
【0026】
一方、これとは別に水ガラス{商品名:オーカジールB,東京応化(株)製}と酢酸バリウムを混合した水溶液を用意する。
上記水溶液において、水ガラスの濃度は20wt%、酢酸バリウムの濃度は0.4wt%となるように混合する。
この溶液を、上記加熱分解した後に残ったCNT群に含浸させる。このとき、水溶液が電子放出部の全面に広がるように滴下量を調整する。
最後に、120℃大気雰囲気中で乾燥させた後、450℃大気雰囲気中で焼成する。
【0027】
その後は、上記実施の形態の図1(c)に示す工程と同様、1000番の研磨テープを用いて、基板を固定して研磨テープを移動させて電子放出部の表面を研磨する。
以下、上記実施の形態の図1(d)、(e)に示す工程と同様にして、スペーサの形成、第2の電極の設置を行う。
【0028】
以上のように構成された陰極は第1の実施の形態と同様の効果がある。
さらに、実施の形態1では研磨後に樹脂成分を加熱分解するため、樹脂成分の分解時の燃焼ガス発生によって、電子放出部表面の平坦性が研磨時より悪くなる恐れがあるが、本実施の形態においては研磨時の平坦性を維持することができる。
また、本実施の形態では電子放出部のカーボンナノチューブが第1の電極と水ガラスにより強固に接着されるため、カーボンナノチューブの脱落を防ぐことができる。そのため、動作中にCNTが脱落してショートが起こることが防止され安定な陰極が得られるという効果がある。
【0029】
なお、上記実施の形態1および2において、CNTを含む電子放出部をスクリーン印刷で形成したが、他の方法例えばグラビア印刷やフレキソ印刷などを用いてもよい。
さらには、CVDなどの方法を用いてCNTを含む電子放出部を形成した場合でも本実施の形態で説明した研磨を行うことは可能である。
【0030】
比較例1.
上記実施の形態1において、従来のレーザを用いて平坦化することにより得られた陰極を用いる以外は、実施の形態1と同様にして図2に示す画像表示装置を製造し、この装置の陰極における、印加する電圧と得られるエミッションの関係(電流−電圧特性)を測定したところ、図5に示す特性が得られた。
図5は画像表示装置の各陰極における、印加する電圧と得られるエミッションの関係(電流−電圧特性)を示す特性図で、図中a2、b2およびc2は各々、上記陰極において、所定の電圧を印加した時の陰極からのエミッション放出電流が最小、平均および最大であるもののエミッション特性を示す。
図5に示すように、電子放出部の表面と第2の電極7との間隔は各電極間でばらついているため、各電子源における電流−電圧特性のばらつきが大きいことが示されている。
【0031】
【発明の効果】
本発明の第1の陰極の製造方法は、基板に設けられた第1の電極に、カーボンナノチューブを含有する電子放出部を設けてなる電子源と、上記第1の電極と絶縁層を介して設けられ、上記第1の電極との間に電位差を印加する第2の電極とを備えた陰極の製造方法であって、基板に設けられた第1の電極にカーボンナノチューブを含有する樹脂層を設ける工程と、上記樹脂層の表面と上記第2の電極との間隔が揃うように、上記樹脂層の表面を研磨する工程と、研磨後上記樹脂層の樹脂成分を加熱分解除去して、カーボンナノチューブを露出させて電子源を得る工程と、上記第1の電極と絶縁層を介して第2の電極を設ける工程とを備えた方法で、電子放出特性に優れ、複数で用いた場合でも、印加する電圧と得られるエミッションの関係(電流−電圧特性)のばらつきが抑制されるという効果がある。
【0032】
本発明の第2の陰極の製造方法は、基板に設けられた第1の電極に、カーボンナノチューブを含有する電子放出部を設けてなる電子源と、上記第1の電極と絶縁層を介して設けられ、上記第1の電極との間に電位差を印加する第2の電極とを備えた陰極の製造方法であって、基板に設けられた第1の電極に、カーボンナノチューブを含有する樹脂層を設ける工程と、上記樹脂層の樹脂成分を加熱分解除去して上記カーボンナノチューブを露出させる工程と、上記露出したカーボンナノチューブ群に水ガラスを含浸させて焼成し、上記水ガラスでカーボンナノチューブを上記第1の電極に付着させる工程と、上記カーボンナノチューブ表面と上記第2の電極との間隔が揃うように、上記カーボンナノチューブ表面を研磨して電子源を得る工程と、上記第1の電極と絶縁層を介して第2の電極を設ける工程とを備えた方法で、電子放出特性が安定で優れ、複数で用いた場合でも、印加する電圧と得られるエミッションの関係(電流−電圧特性)のばらつきが抑制されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の電子源の製造方法を工程順に示す工程図である。
【図2】 本実施の形態により得られた陰極を用いた画像表示装置の構成図である。
【図3】 本実施の形態により製造された各陰極における、印加する電圧と得られるエミッションの関係(電流−電圧特性)を示す特性図である。
【図4】 陰極のエミッション半減期と真空度の関係を示す特性図である。
【図5】 従来の陰極を用いた画像表示装置の各陰極における、印加する電圧と得られるエミッションの関係(電流−電圧特性)を示す特性図である。
【図6】 従来の陰極の説明図である。
【符号の説明】
1 基板、2 第1の電極、3 電子放出部、13 CNTを含有する樹脂層、4 電子源、5 研磨手段、6 絶縁層、7 第2の電極。

Claims (2)

  1. 基板に設けられた第1の電極に、カーボンナノチューブを含有する電子放出部を設けてなる電子源と、上記第1の電極と絶縁層を介して設けられ、上記第1の電極との間に電位差を印加する第2の電極とを備えた陰極の製造方法であって、基板に設けられた第1の電極にカーボンナノチューブを含有する樹脂層を設ける工程と、上記樹脂層の表面と上記第2の電極との間隔が揃うように、上記樹脂層の表面を研磨する工程と、研磨後上記樹脂層の樹脂成分を加熱分解除去して、カーボンナノチューブを露出させて電子源を得る工程と、上記第1の電極と絶縁層を介して第2の電極を設ける工程とを備えた陰極の製造方法。
  2. 基板に設けられた第1の電極に、カーボンナノチューブを含有する電子放出部を設けてなる電子源と、上記第1の電極と絶縁層を介して設けられ、上記第1の電極との間に電位差を印加する第2の電極とを備えた陰極の製造方法であって、基板に設けられた第1の電極に、カーボンナノチューブを含有する樹脂層を設ける工程と、上記樹脂層の樹脂成分を加熱分解除去して上記カーボンナノチューブを露出させる工程と、上記露出したカーボンナノチューブ群に水ガラスを含浸させて焼成し、上記水ガラスでカーボンナノチューブを上記第1の電極に付着させる工程と、上記カーボンナノチューブ表面と上記第2の電極との間隔が揃うように、上記カーボンナノチューブ表面を研磨して電子源を得る工程と、上記第1の電極と絶縁層を介して第2の電極を設ける工程とを備えた陰極の製造方法。
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