JP2000206445A - 走査光学系 - Google Patents
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Abstract
ーバリエーションを補正することができる走査光学系を
提供することを課題とする。 【解決手段】 半導体レーザー10から発したレーザー
光は、コリメートレンズ11、シリンドリカルレンズ1
2を介してポリゴンミラー13に入射し、反射、偏向さ
れて回折素子20を透過し、結像光学系であるfθレン
ズ30を透過することにより収束され、被走査面40に
主走査方向に走査するスポットを形成する。回折素子2
0は、ポリゴンミラー13側の面に回折面21が形成さ
れたほぼ平行平面板状の素子であり、光源の波長のバラ
ツキによる色収差を補正する機能、そして、結像光学系
であるfθレンズ30の軸上と軸外との透過光量の差を
打ち消す機能を有している。このため、回折面21は、
軸上での回折効率が軸外での回折効率より小さくなるよ
うに設定されている。
Description
ター等の走査光学装置の露光ユニットに利用される走査
光学系に関する。
から発したレーザー光をポリゴンミラーにより反射・偏
向し、fθレンズを介して感光体ドラム上に結像・走査
させ、半導体レーザーを変調することにより感光体ドラ
ム上に走査線を形成する。走査光学系では、fθレンズ
の光軸上を通って走査範囲の中心に向かう軸上光束と、
走査範囲の周辺に向かう軸外光束とでレンズ内を通過す
る光路長や、レンズの各面に対する入射角度が異なるこ
とから、fθレンズの透過光量が画角によって変化する
という問題がある。一般的には、軸上光の透過光量が軸
外光の透過光量より大きくなる。このような軸上と軸外
の光量の変化をパワーバリエーションと呼ぶが、パワー
バリエーションが許容量を超えると、感光体ドラムに対
する露光量にバラツキが生じ、描画品質が悪化する。
て、fθレンズのレンズ面に使用波長とは異なる特定の
波長に対して反射率が最小となるような反射防止コーテ
ィングを施すことが考えられる。単波長用のコーティン
グの反射率は、垂直入射を前提に決定されているため、
入射角度が変化すると波長が同一であっても反射率が変
化する。そこで、使用波長で垂直に入射する光束に対す
る反射率が、軸外の角度を持つ入射光に対する反射率よ
り大きくなるようなコーティングを施せば、理論的には
パワーバリエーションを補正することができる。
パワーバリエーションを補正するためには、単一の面に
コーティングを施すだけでは不十分な場合が多く、十分
な補正効果を得るためには複数の面に上記のようなコー
ティングが必要となり、コストがかかる。なお、パワー
バリエーションの原因となるのは、fθレンズのみでな
く、ポリゴンミラー自体、ポリゴンミラーのカバーガラ
ス、fθレンズと感光体ドラムとの間に配置されたミラ
ー等が原因となり得る。そして、ポリゴンミラーの反射
率の変化に起因するパワーバリエーションは、光軸を境
とした対称形ではなく、非対称な変化となる。このよう
な非対称なパワーバリエーションをコーティングで補正
するためには、レンズ面に反射率が異なる不均一なコー
ティングを施す必要があり、技術的に実現が困難であ
る。
鑑みてなされたものであり、コストのかかるコーティン
グによらずにパワーバリエーションを補正することがで
きる走査光学系を提供することを課題とする。
学系は、光源からの光束を偏向器を用いて偏向し、偏向
器と被走査面との間に配置された結像光学系を介して被
走査面に結像、走査する光走査光学系において、偏向器
と被走査面との間に、色収差補正用の回折面を配置し、
この回折面の回折効率を、少なくとも結像光学系の軸上
と軸外との透過光量の差を打ち消すように、軸上と軸外
とで異なるように設定したことを特徴とする。
を用いたマルチビームの走査光学系において、光源毎の
発光波長のバラツキによる走査線のずれを補正するため
に採用されている。回折面は、一般的には全像高に対し
て回折効率が最高になるように設計されているが、本発
明では軸上光に対する回折効率と、軸外光に対する回折
効率を意図的に変化させることでパワーバリエーション
を補正している。これにより、コーティングなどの追加
的な工程を増やすことなく、パワーバリエーションを補
正/低減できる。
状の回折素子の一面に形成してもよいし、結像光学系を
構成する素子の一面に形成してもよい。別個の回折素子
として形成される場合には、回折素子は、偏向器と結像
光学系との間に配置すると、素子を小型化できるため望
ましい。
素子の軸上での透過光量Ty0と軸外での透過光量Ty1との
比をΤ=(Ty1/Ty0)、回折面の軸上での回折効率η0と軸
外での回折効率η1との比をΝ=(η1/η0)としたとき
に、これらの積Ν・Τがほぼ1.0に保たれていれば、
被走査面に到達する有効光量が軸上と軸外でほぼ一定に
保たれる。具体的には、以下の条件[1]を満たすことが
望ましい。 0.8<Ν・Τ<1.1 ・・・[1]
が少ない場合には、軸上での回折効率η0を下げ、軸外
での回折効率η1を上げればよい。そのための手段とし
て、ブレーズ化波長を使用波長に対してシフトさせる方
法が考えられる。その際、使用波長をλ0、軸上でのブ
レーズ化波長をλ1とすると、ブレーズ化波長λ1は使用
波長λ0に対して小さな値でも大きな値でも回折効率の
適当な変化を得る解が存在する。これらの波長の比をΛ
=(λ1/λ0)とすると、λ1<λ0の場合には条件[2]、λ
1>λ0の場合には条件[3]を満たすことが望ましい。 0.8<Λ/Τ<1.2 ・・・[2] 0.8<1/(Λ・Τ)<1.2 ・・・[3]
は、光源からの光束を有効走査範囲外から偏向器に入射
させ、該偏向器により偏向された光束を、該偏向器と被
走査面との間に配置された結像光学系を介して被走査面
に結像、走査する光走査光学系において、偏向器と被走
査面との間に、色収差補正用の回折面が配置され、該回
折面は、回折効率が光軸に対して非対称に変化するよう
設定されていることを特徴とする。
ワーバリエーションは光軸に対して非対称となるため、
上記のように回折効率を光軸に対して非対称に変化する
よう設定することにより、補正が可能となる。
対してS偏光として入射する場合には、結像光学系の光
軸を境として、光源からの入射光と同じ側に偏向された
光束に対する回折効率を、入射光とは反対側に偏向され
た光束に対する回折効率よりも高く設定することが望ま
しい。
てP偏光として入射する場合には、結像光学系の光軸を
境として、光源からの入射光と同じ側に偏向された光束
に対する回折効率を、入射光とは反対側に偏向された光
束に対する回折効率よりも低く設定することが望まし
い。なお、被走査面に達する描画光としては、回折格子
による1次回折光を用いることが望ましい。また、この
発明は、単一ビームの光学系のみでなく、複数のレーザ
ー光を発するマルチビーム光源を備えたマルチビームの
走査光学系に適用することもできる。
系の実施形態を3例説明する。第1の実施形態は、偏向
器と結像光学系との間に平面板状の回折素子を設けた
例、第2の実施形態は結像光学系の一面に回折面を形成
した例、第3の実施形態は第2の実施形態と同様の構成
で偏向器と結像光学系との間にカバーガラスが設けられ
ている例である。それぞれの実施形態につき、具体的な
実施例を複数説明する。
査光学系を示す主走査面(偏向器により偏向されるレー
ザー光の中心軸の軌跡として形成される平面)内の平面
図である。光源である半導体レーザー10から発した発
散光であるレーザー光は、コリメートレンズ11により
平行光とされ、シリンドリカルレンズ12により副走査
方向にのみ収束される。シリンドリカルレンズ12を介
したレーザー光は、ポリゴンミラー13に入射し、反
射、偏向されて回折素子20を透過し、結像光学系であ
るfθレンズ30を透過することにより収束され、被走
査面40に主走査方向に走査するスポットを形成する。
リンドリカルレンズ12によりポリゴンミラー13の反
射面の近傍で一旦結像し、fθレンズ30のパワーによ
り被走査面40上に再結像する。この構成により、ポリ
ゴンミラー13の面倒れ誤差による被走査面40上での
走査線のずれを防止することができる。
レンズ32、第3レンズ33の3枚構成であり、軸上の
透過光量が軸外の透過光量よりも大きくなるような透過
特性を有している。回折素子20は、ポリゴンミラー1
3側の面に回折面21が形成されたほぼ平行平面板状の
素子であり、光源の波長のバラツキによる色収差を補正
する機能、そして、結像光学系であるfθレンズ30の
軸上と軸外との透過光量の差を打ち消す機能を有してい
る。このため、回折面21は、軸上での回折効率が軸外
での回折効率より小さくなるように設定されている。
量Ty0と軸外での透過光量Ty1との比をΤ=(Ty1/Ty0)、
回折面21の軸上での回折効率η0と軸外での回折効率
η1との比をΝ=(η1/η0)としたときに、回折面21は
以下の条件[1]を満たすよう設計される。 0.8<Ν・Τ<1.1 ・・・[1]
外での回折効率η1を上げるための手段として、軸上の
ブレーズ化波長を使用波長に対してシフトさせている。
すなわち、回折格子の回折効率は、波長に依存すると共
に、入射角度にも依存するため、入射角度が変化すると
波長が同一であっても回折効率が変化する。そこで、垂
直に入射する使用波長の光束に対する回折効率が、軸外
の角度を持つ使用波長の入射光に対する回折効率より小
さくなるような回折面を設計すれば、パワーバリエーシ
ョンを補正することができる。このような回折面は、上
記のように設計上のブレーズ化波長λ1を使用波長λ0と
は異なる特定の値とすることにより得られる。そして、
このようなブレーズ化波長λ1の解は、使用波長λ0より
小さい値としても、大きい値としても存在する。これら
の波長の比をΛ=(λ1/λ0)とすると、λ1<λ0の場合
には条件[2]、λ1>λ0の場合には条件[3]を満たすよう
に設計する。 0.8<Λ/Τ<1.2 ・・・[2] 0.8<1/(Λ・Τ)<1.2 ・・・[3]
るパワーバリエーションの補正効果を規定し、条件を満
たす場合には十分な補正効果を得ることができる。条件
を満たさない場合には、補正が不足し、あるいは補正が
過剰となる。
より付加される光路長の分布により定義することがで
き、その付加量は、光軸からの高さh、n次(偶数次)の
光路差関数係数Pnを用いて、 φ(h)=(P2・h2+P4・h4+P6・h6+P8・h8+P10・h10) により定義される光路差関数φ(h)により表すことがで
きる。
る面上にフレネルレンズ状の輪帯が多数形成された不連
続面であり、光軸と回折面の交点での接平面からのサグ
量SAG(h)であらわすと以下の通りとなる。 SAG(h)=X(h)+S(h)
回転対称非球面のサグ量、S(h)は光路差関数φ(h)から
計算される巨視形状に付加されるサグ量であり、それぞ
れ以下のようにあらわされる。 X(h)=h2/[r{1+√(1-(k+1)h2/r2)}]+A4・h4+A6・h6+A8・h8
+A10・h10 S(h)={|MOD(φ(h)+C,-1)|-C}λ0/{n-1+B0+B1・h+B2・h2}
kは円錐係数、A4、A6、A8、A10は4次、6次、8
次、10次の非球面係数である。また、Cは輪帯の境界
位置の位相を設定する定数で、0から1の任意の値を取る
(以下の実施例ではC=0.2とした)。MOD(X、Y)はXをYで割
った剰余を与える関数であり、MOD(φ(h)+C,-1)の値が0
になるhの点が輪帯の境になる。λ0は使用波長、nは回
折面が形成される素子の屈折率、B0,B1,B2は、回
折効率を回折面の入射高さによって変えるために位相付
加量を変化させる位相変更係数である。ベース形状X(h)
の上に、S(h)の光路差を持つように、勾配、段差を設
定することにより、最終的な形状SAG(h)が求められる。
表される。 N=INT(|φ(h)/λ0+C|) 次に、第1の実施形態に基づく具体的な実施例を2例説
明する。
レーズ化波長λ1を使用波長λ0に対して短波長側にシフ
トさせたものである。
具体的な数値構成を示す。面番号#0がポリゴンミラー
13の反射面、#1,#2が回折素子20、#3,#4
が第1レンズ31、#5,#6が第2レンズ32、#
6,#7が第3レンズ33を示している。表中、fは回
折素子20とfθレンズ30とを含む光学系の主走査方
向の焦点距離(単位:mm)、fDは回折面21の焦点距離
(単位:mm)、2ωは画角(単位:degree)、rはレンズ各面
の巨視的な曲率半径(非球面については軸上の値、単位:
mm)、dはレンズ厚またはレンズ間隔(単位:mm)、nは各
レンズの屈折率である。
面21は、回転対称非球面であるベースカーブ上に回折
構造が形成されて構成され、面を特定する円錐係数、非
球面係数、光路差関数係数、位相変更係数の値は以下の
表2に示される。また、面番号#6で表される第3レン
ズ33の入射側の面は、回転対称非球面であり、その円
錐係数、非球面係数は表2に示される。なお、表示され
ない次数の非球面係数は0.000である。面番号#7で表
される第3レンズ33の射出側の面は、主走査面内に含
まれる非円弧曲線を光軸に対して垂直で主走査平面に含
まれる回転軸を中心に回転させた軌跡として定義される
yトーリック面である。非円弧曲線は、光軸からの主走
査方向の高さがhとなる非円弧曲線上の座標点の軸上接
点からのサグ量をX(h)とすると、上記の非球面と同一の
式により表される。表2には、#7面の非円弧曲線を規
定する円錐係数、非球面係数、光軸を含み主走査平面に
垂直な面内での曲率半径rzの値とが示される。yトー
リック面は、非円弧曲線を、面と光軸との交点からrz
離れた位置(rz>0の場合はポリゴンミラー13側)で
光軸と交わる回転軸を中心に回転させた軌跡として規定
される。
Ν=1.154、Λ=0.828となるため、Τ・Ν=0.999、Λ/Τ=
0.956となり、条件[1],[2]をいずれも満たすため、回折
面21により結像光学系であるfθレンズ30の透過率
分布によるパワーバリエーションを効果的に補正するこ
とができる。
構成に基づいて、回折面21の軸上でのブレーズ化波長
λ1を使用波長λ0に対して長波長側にシフトさせたもの
である。位相変更係数B0,B2の値のみが以下の表3に
示すように第1実施例とは異なり、他の数値は第1実施
例と同一である。
Ν=1.152、Λ=1.262となるため、Τ・Ν=0.997、(Λ・Τ)
-1=0.915となり、条件[1],[3]をいずれも満たすため、
回折面21により結像光学系であるfθレンズ30の透
過率分布によるパワーバリエーションを効果的に補正す
ることができる。
査光学系を示す主走査面内の平面図である。半導体レー
ザー10、コリメートレンズ11、シリンドリカルレン
ズ12、ポリゴンミラー13は第1の実施形態と同一で
ある。結像光学系であるfθレンズ50は、第1,第
2,第3レンズ51,52,53から構成され、第2レ
ンズ52の入射側の面に回折面が形成されている。回折
面は、光源の波長のバラツキによる色収差を補正する機
能、そして、fθレンズ50の軸上と軸外との透過光量
の差を打ち消す機能を有している。このため、回折面
は、軸上での回折効率が軸外での回折効率より小さくな
るように設定されている。以下、第2の実施形態に基づ
く実施例を2例説明する。
ズ化波長λ1を使用波長λ0に対して短波長側にシフトさ
せたものである。具体的な数値構成は表4に示される。
面番号#0がポリゴンミラー13の反射面、#1,#2
が第1レンズ51、#3,#4が第2レンズ52、#
5,#6が第3レンズ53を示している。
称非球面、#5がyトーリック面である。これらの面を
規定する各係数は、表5に示される。なお、回折面のベ
ースカーブは球面であるため、非球面係数は記載されて
いない。光路差関数φ(h)から求められる回折面形状S
(h)を球面に形成することにより、回折面の形状SAG(h)
が得られる。
=1.071、Λ=0.874となるため、Τ・Ν=1.014、Λ/Τ=0.
923となり、条件[1],[2]をいずれも満たすため、回折面
#3により結像光学系であるfθレンズ50の透過率分
布によるパワーバリエーションを効果的に補正すること
ができる。
構成に基づいて、回折面#3の軸上でのブレーズ化波長
λ1を使用波長λ0に対して長波長側にシフトさせたもの
である。位相変更係数B0,B2の値のみが以下の表6に
示すように第3実施例とは異なり、他の数値は第3実施
例と同一である。
=1.051、Λ=1.141となるため、Τ・Ν=0.996、(Λ・Τ)-1
=0.926となり、条件[1],[3]をいずれも満たすため、回
折面#3により結像光学系であるfθレンズ50の透過
率分布によるパワーバリエーションを効果的に補正する
ことができる。
光学系を示す主走査面内の平面図である。半導体レーザ
ー10、コリメートレンズ11、シリンドリカルレンズ
12、ポリゴンミラー13は第1の実施形態と同一であ
る。結像光学系であるfθレンズ60は、第1,第2,
第3レンズ61,62,63から構成され、第2レンズ
62の入射側の面に回折面が形成されている。また、ポ
リゴンミラー13とfθレンズ60との間にポリゴンミ
ラー13用のカバーガラス14が配置されている。
収差を補正する機能、そして、fθレンズ60及びカバ
ーガラス14の軸上と軸外との透過光量の差を打ち消す
機能を有している。このため、回折面は、軸上での回折
効率が軸外での回折効率より小さくなるように設定され
ている。以下、第3の実施形態に基づく実施例を3例説
明する。
ズ化波長λ1を使用波長λ0に対して短波長側にシフトさ
せたものである。具体的な数値構成は表7に示される。
面番号#0がポリゴンミラー13の反射面、#1,#2
がカバーガラス14、#3,#4が第1レンズ61、#
5,#6が第2レンズ62、#7,#8が第3レンズ6
3を示している。
称非球面、#7がyトーリック面である。これらの面を
規定する各係数は、表8に示される。なお、回折面のベ
ースカーブは球面であるため、非球面係数は記載されて
いない。光路差関数φ(h)から求められる回折面形状S
(h)を球面に形成することにより、回折面の形状SAG(h)
が得られる。
=1.020、Λ=0.928となるため、Τ・Ν=0.880、Λ/Τ=1.
075となり、条件[1],[2]をいずれも満たすため、回折面
#5により結像光学系であるfθレンズ60及びカバー
ガラス14の透過率分布によるパワーバリエーションを
効果的に補正することができる。
構成に基づいて、回折面#5の軸上でのブレーズ化波長
λ1を使用波長λ0に対して長波長側にシフトさせたもの
である。位相変更係数B0,B2の値のみが以下の表9に
示すように第5実施例とは異なり、他の数値は第5実施
例と同一である。
=1.051、Λ=1.141となるため、Τ・Ν=0.907、(Λ・Τ)-1
=1.016となり、条件[1],[3]をいずれも満たすため、回
折面#5により結像光学系であるfθレンズ60及びカ
バーガラス14の透過率分布によるパワーバリエーショ
ンを効果的に補正することができる。
0上でのパワーバリエーションの原因として結像光学系
であるfθレンズの透過率分布のみを考慮して回折面が
設計されている。パワーバリエーションの主たる要因は
fθレンズの透過率分布であるため、上記の設計でもパ
ワーバリエーションをかなり補正することができる。た
だし、補正の要求がより厳しい場合には、ポリゴンミラ
ー13の反射率の変化による影響も考慮に入れて補正す
ることが望ましい。
によって発生するパワーバリエーションは光軸に対して
非対称となるため、回折効率を光軸に対して非対称に変
化するよう設定することにより、これを補正することが
できる。このとき、光源から発する光束がポリゴンミラ
ー13に対してS偏光として入射する場合には、fθレ
ンズ60の光軸を境として、光源からの入射光と同じ側
に偏向された光束に対する回折効率を、入射光とは反対
側に偏向された光束に対する回折効率よりも高く設定す
る。他方、光源から発する光束が偏向器に対してP偏光
として入射する場合には、光源からの入射光と同じ側に
偏向された光束に対する回折効率を、入射光とは反対側
に偏向された光束に対する回折効率よりも低く設定す
る。
するレーザー光がS偏光である場合を想定し、fθレン
ズ60の透過率分布に加え、ポリゴンミラー13の反射
率の変化をも考慮して回折面を設計している。第7実施
例は、第5実施例とほぼ同一の構成に基づいて、位相変
更係数B0,B1,B2の値のみを以下の表10に示すよ
うに変更している。他のデータは全て第5実施例と同一
である。
る回折素子の回折効率ηyは以下の表11に示すとおり
となり、各像高におけるfθレンズの透過率Ty、ポリ
ゴンミラーの反射率Ryとの積Ty・Ry・ηyにより表され
る被走査面40上での有効光量は像高によらず一定とな
る。なお、H-は光源からの入射光と同じ側に偏向された
最大画角の光束の像高、H0は軸上、H+は入射光とは反対
側に偏向された最大画角の光束の像高を示す。
光量効率を示すグラフである。回折面は、曲線で示さ
れる光軸に対して非対称な回折効率分布を有している。
ポリゴンミラー13に対してレーザー光がS偏光として
入射する場合、反射率は曲線で示されるように変化す
る。fθレンズ60の透過率の変化は、曲線で示すと
おりであり、回折効率が全ての像高に対してηy=1で
一定であるとした場合(パワーバリエーション補正がな
い場合)の有効光量×は、曲線で示すとおりとな
る。ここで、回折面にに示すような回折効率分布を持
たせることにより、実際の有効光量××は、曲線
に示すように像高に依存しないフラットな特性を持
つ。
査方向において光軸に対して非対称な回折効率の分布を
持たせることにより、fθレンズ60の透過率分布のみ
でなく、ポリゴンミラー13の反射率変化をも原因とし
たパワーバリエーションを補正することができる。
ば、色収差補正用に設けられた回折面に、像高の変化に
対応した光学素子の透過率、反射率の変化を補正するよ
うな回折効率分布を持たせることにより、被走査面上で
のパワーバリエーションを補正することができる。
系の主走査面内の説明図。
系の主走査面内の説明図。
系の主走査面内の説明図。
示すグラフ。
4)
面21は、回転対称非球面であるベースカーブ上に回折
構造が形成されて構成され、面を特定する円錐係数、非
球面係数、光路差関数係数、位相変更係数の値は以下の
表2に示される。また、面番号#6で表される第3レン
ズ33の入射側の面は、回転対称非球面であり、その円
錐係数、非球面係数は表2に示される。なお、表示され
ない次数の非球面係数は0.000である。面番号#7で表
される第3レンズ33の射出側の面は、主走査面内に含
まれる非円弧曲線を光軸に対して垂直で主走査平面に含
まれる回転軸を中心に回転させた軌跡として定義される
yトーリック面である。非円弧曲線は、光軸からの主走
査方向の高さがhとなる非円弧曲線上の座標点の軸上接
点からのザク量をX(h)とすると、上記の非球面と同一の
式により表される。表2には、#7面の非円弧曲線を規
定する円錐係数、非球面係数、光軸を含み主走査平面に
垂直な面内での曲率半径rzの値とが示される。yトー
リック面は、非円弧曲線を、面と光軸との交点からrz
離れた位置(rz>0の場合は被走査面40側)で光軸
と交わる回転軸を中心に回転させた軌跡として規定され
る。
Claims (12)
- 【請求項1】 光源からの光束を偏向器を用いて偏向
し、該偏向器と被走査面との間に配置された結像光学系
を介して被走査面に結像、走査する光走査光学系におい
て、 前記偏向器と前記被走査面との間に、色収差補正用の回
折面が配置され、該回折面は、少なくとも前記結像光学
系の軸上と軸外との透過光量の差を打ち消すように、回
折効率が軸上と軸外とで異なるように設定されているこ
とを特徴とする走査光学系。 - 【請求項2】 前記回折面は、前記結像光学系とは別個
の平行平板状の回折素子の一面に形成され、該回折素子
は、前記偏向器と前記結像光学系との間に配置されてい
ることを特徴とする請求項1に記載の走査光学系。 - 【請求項3】 前記回折面は、前記結像光学系を構成す
る素子の一面に形成されていることを特徴とする請求項
1に記載の走査光学系。 - 【請求項4】 前記偏向器と前記被走査面との間に配置
された光学素子の軸上での透過光量Ty0と軸外での透過
光量Ty1との比をΤ=(Ty1/Ty0)、前記回折面の軸上での
回折効率η0と軸外での回折効率η1との比をΝ=(η1/
η0)として、 0.8<Ν・Τ<1.1 ・・・[1] を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
載の走査光学系。 - 【請求項5】 前記回折面の軸上のブレーズ化波長を使
用波長に対してシフトさせたことを特徴とする請求項1
〜4のいずれかに記載の走査光学系。 - 【請求項6】 前記回折面の軸上でのブレーズ化波長λ
1が使用波長λ0より小さく設定され、これらの波長の比
をΛ=(λ1/λ0) 、前記偏向器と前記被走査面との間に
配置された光学素子の軸上での透過光量Ty0と軸外での
透過光量Ty1との比をΤ=(Ty1/Ty0)として、 0.8<Λ/Τ<1.2 ・・・[2] を満たすことを特徴とする請求項5に記載の走査光学
系。 - 【請求項7】 前記回折面の軸上でのブレーズ化波長λ
1が使用波長λ0より大きく設定され、これらの波長の比
をΛ=(λ1/λ0) 、前記偏向器と前記被走査面との間に
配置された光学素子の軸上での透過光量Ty0と軸外での
透過光量Ty1との比をΤ=(Ty1/Ty0)として、 0.8<1/(Λ・Τ)<1.2 ・・・[3] を満たすことを特徴とする請求項5に記載の走査光学
系。 - 【請求項8】 光源からの光束を有効走査範囲外から偏
向器に入射させ、該偏向器により偏向された光束を、該
偏向器と被走査面との間に配置された結像光学系を介し
て被走査面に結像、走査する光走査光学系において、 前記偏向器と前記被走査面との間に、色収差補正用の回
折面が配置され、該回折面は、回折効率が光軸に対して
非対称に変化するよう設定されていることを特徴とする
走査光学系。 - 【請求項9】 前記光源から発する光束が前記偏向器に
対してS偏光として入射し、前記結像光学系の光軸を境
として、前記光源からの入射光と同じ側に偏向された光
束に対する回折効率が、前記入射光とは反対側に偏向さ
れた光束に対する回折効率よりも高く設定されているこ
とを特徴とする請求項8に記載の走査光学系。 - 【請求項10】 前記光源から発する光束が前記偏向器
に対してP偏光として入射し、前記結像光学系の光軸を
境として、前記光源からの入射光と同じ側に偏向された
光束に対する回折効率が、前記入射光とは反対側に偏向
された光束に対する回折効率よりも低く設定されている
ことを特徴とする請求項8に記載の走査光学系。 - 【請求項11】 前記被走査面に達する描画光は、前記
回折面による1次回折光であることを特徴とする請求項
1〜10のいずれかに記載の走査光学系。 - 【請求項12】 前記光源は、複数のレーザー光を発す
るマルチビーム光源であり、これら複数のレーザー光が
前記被走査面上で同時に複数の走査線を形成することを
特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の走査光学
系。
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