JP2000205542A - ごみ焼却装置の運転制御方法及び運転制御装置 - Google Patents

ごみ焼却装置の運転制御方法及び運転制御装置

Info

Publication number
JP2000205542A
JP2000205542A JP11010162A JP1016299A JP2000205542A JP 2000205542 A JP2000205542 A JP 2000205542A JP 11010162 A JP11010162 A JP 11010162A JP 1016299 A JP1016299 A JP 1016299A JP 2000205542 A JP2000205542 A JP 2000205542A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
model
combustion
refuse
amount
incinerator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11010162A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinari Hori
嘉成 堀
Yoshio Sato
美雄 佐藤
Hiroshi Matsumoto
弘 松本
Masahide Nomura
政英 野村
Ryuhei Kawabe
隆平 川部
Takeshi Kono
豪 河野
Shigeki Takegawa
茂樹 武川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP11010162A priority Critical patent/JP2000205542A/ja
Publication of JP2000205542A publication Critical patent/JP2000205542A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Incineration Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ごみ焼却装置において、CO,ダイオキシン前
駆物質,炭化水素等の未燃分がピーク的に発生する挙動
を模擬可能なモデルを用いて、モデル予測制御し、より
低レベルに未燃分の発生を抑制し、ダイオキシンの発生
を抑制する。 【解決手段】ごみ焼却装置の操作量と少なくとも燃焼ガ
ス中の未燃分の濃度との関係を表し、未燃分が突発的に
発生する状態を模擬する未燃分生成モデルと、焼却炉モ
デルをオンラインで同定するモデル同定部と、焼却炉モ
デルをオンラインまたはオフラインで利用し、焼却炉の
操作パターンを決定する操作量決定部を持つ制御装置を
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般廃棄物および
産業廃棄物を焼却処理する廃棄物処理プラントの運転制
御方法および運転制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却炉燃焼制御技術に関する従来技
術としては、特開平9−273733 号公報に記載されたもの
がある。該公報に記載の技術は、ごみを安定燃焼させ、
蒸気を安定して供給することを目的とした制御技術であ
る。蒸気発生量を測定して、一次空気ダンパ、その配分
を決定するダンパ及び燃焼ストーカ速度を操作し、さら
に、排ガス中O2 濃度を測定し、二次空気のダンパ開度
を操作する。具体的な操作の方法は以下の通りである。
まず、蒸気発生量の目標値を設定し、実際の蒸気発生量
が目標値を上回った場合は一次空気のダンパ開度及びそ
の配分を決定するダンパ開度を操作し、燃焼ストーカに
供給する空気量のみを減少させる。逆に、実際の蒸気発
生量が目標値を下回った場合は、燃焼ストーカに供給す
る空気量のみを増加させる。また、一次空気の供給量を
操作すると同時に、排ガス中のO2濃度を計測し、O2
濃度が低い場合は二次空気を増加させ、O2 濃度が高い
場合は二次空気を減少させる。このように、燃焼ストー
カ上の空気量のみを操作することで蒸発量を安定化し、
同時に二次空気量を操作することで、炉内温度低下また
は酸素不足を回避することができ、CO等の未燃分の増
加を抑制している。すなわち、発生蒸気量とO2 濃度を
安定させることで間接的にCO等の未燃分を抑制してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】文献「都市ごみ焼却施
設における一酸化炭素排出特性に関する調査研究」(日
本環境衛生センタ所報N019,1992)によれば、
COが発生する要因の大半はO2 の不足によるとされて
いる。しかし、その発生パターンは複数あり、大まかに
は慢性的に発生する場合と、ピーク的に発生する場合が
ある。また両者では、その発生原因は異なると考えられ
る。COがピーク的に発生する場合にはO2 濃度は一旦
急激に減少するものの、しばらくすると回復するという
特性がある。
【0004】しかしながら、上記従来技術では、このよ
うな特性の違いを考慮していないため、特にCOがピー
ク的に発生する場合には、O2 の変動が激しいため、C
Oを低いレベルに抑制することが難しい。
【0005】また、操作量は、燃焼ストーカに供給する
空気量、燃焼ストーカ速度および二次空気量のみである
ため、十分にCOを抑制することができない場合があっ
た。本発明の目的は、上記課題を解決し、CO等の未燃
分がピーク的に発生するような状況においても、その発
生量をより低レベルに抑制可能な制御装置を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるごみ焼却装
置運転制御方法及び運転制御装置は、下記にある。
【0007】(1)ごみ焼却炉と排ガス処理設備を有す
るごみ焼却装置の運転制御方法において、該ごみ焼却装
置の操作量と燃焼ガス中の少なくとも未燃分の濃度との
関係を表わし、該未燃分がピーク的に発生する状態を模
擬する燃焼モデルを有し、該ごみ焼却装置の運転データ
のうち、モデルの入出力に使用する変数を用いて前記燃
焼モデルを同定し、同定した前記燃焼モデルを利用して
未燃分の発生量を低減する該ごみ焼却装置の操作量を決
定することを特徴とするごみ焼却装置の運転制御方法
(請求項1)。 (2)請求項1記載のごみ焼却装置の運転制御方法にお
いて、前記燃焼モデルが、前記ごみ焼却炉内の安定燃焼
状態を模擬する安定燃焼モデルと前記ごみ焼却炉内の燃
焼状態の変動を模擬する燃焼変動モデルとを有すること
を特徴とするごみ焼却装置の運転制御方法。
【0008】(3)請求項1記載のごみ焼却装置の運転
制御方法において、前記ごみ焼却炉がストーカ式ごみ焼
却炉であり、前記燃焼モデルが、ストーカ上のごみの状
態を模擬したごみモデルとごみ焼却炉内の燃焼ガスの状
態を模擬した燃焼ガスモデルとを有し、前記ごみモデル
が各ストーカ毎に複数の要素に分割され、各要素毎にご
みの成分のうち少なくとも水分と可燃分の量をモデルパ
ラメータとして持ち、少なくともごみの温度と可燃分の
揮発量を計算し、前記燃焼ガスモデルが、少なくとも前
記ごみモデルで計算した可燃分の揮発量から燃焼ガス温
度を計算し、ごみ焼却装置の運転データのうち、前記燃
焼モデルの入出力変数を使用して該燃焼モデルのパラメ
ータを同定することを特徴とするごみ焼却装置の運転制
御方法。
【0009】(4)請求項1記載のごみ焼却装置の運転
制御方法において、前記燃焼モデルのモデル出力が少な
くとも蒸気発生量,燃焼ガス温度,燃焼ガス中の水分量
の1つであり、前記同定を該モデル出力と実機データと
を比較して行うことを特徴とするごみ焼却装置の運転制
御方法。
【0010】(5)請求項1記載のごみ焼却装置の運転
制御方法において、前記同定を、未燃分のピーク発生前
の運転データと未燃分のピーク発生時の運転データとか
ら行い、未燃分のピーク発生前の運転データが、炉内温
度,蒸発量,ストーカ下温度,ストーカ速度,空気流
量,空気温度,燃焼ガス中のO2 濃度,燃焼ガス中水分
濃度,燃焼ガス中の各種炭化水素類の濃度,燃焼ガス中
のクロロフェノール類の少なくとも1つであり、未燃分
ピーク発生時の運転データが、未燃分濃度のピーク波
形,O2 濃度の波形,蒸発量の波形の少なくとも1つで
あることを特徴とするごみ焼却装置の運転制御方法。
【0011】(6)請求項1記載のごみ焼却装置の運転
制御方法において、前記燃焼モデルにごみ焼却装置の操
作量の候補を複数入力して、出力される未燃分濃度から
未燃分濃度が最も低い操作量を選択し、得られた操作量
と過去の運転データから求めた未燃分濃度を低くできる
操作量とを比較して、未燃分濃度が低い方の操作量をご
み焼却装置の操作量として決定することを特徴とするご
み焼却装置の運転制御方法。
【0012】(7)ごみ焼却炉と排ガス処理設備を有す
るごみ焼却装置の運転制御装置において、少なくともご
み焼却装置の操作量と燃焼ガス中の未燃分の濃度との関
係を表わし、該未燃分がピーク的に発生する状態を模擬
する燃焼モデルと、ごみ焼却装置の運転データのうち前
記燃焼モデルの入出力に使用する変数を用いて前記燃焼
モデルを同定するモデル同定部と、該モデル同定部によ
り同定した前記燃焼モデルを利用して未燃分の発生量を
低減するごみ焼却装置の操作量を決定する操作量決定部
とを有することを特徴とするごみ焼却装置の運転制御装
置(請求項7)。
【0013】(8)請求項7記載のごみ焼却装置の運転
制御装置において、前記燃焼モデルが、前記ごみ焼却炉
内の安定燃焼状態での燃焼状態を模擬する安定燃焼モデ
ルと、前記ごみ焼却炉内の燃焼状態の変動を模擬する燃
焼変動モデルを含むことを特徴とするごみ焼却装置の運
転制御装置。
【0014】(9)ごみ焼却炉と排ガス処理設備とを有
するごみ焼却装置の運転制御装置と、排ガス中の未燃分
濃度と酸素濃度及び水分量のうちの少なくとも一方とを
分析する排ガス分析装置とを備えたごみ焼却システムに
おいて、前記運転制御装置が、燃焼ガス中の未燃分濃度
と、酸素濃度と水分量のうちの少なくとも一方とごみ焼
却装置の操作量との関係を表わし該未燃分がピーク的に
発生する状態を模擬する燃焼モデルと、ごみ焼却装置の
運転データのうち前記燃焼モデルの入出力に使用する変
数を用いて前記燃焼モデルを同定するモデル同定部と、
該モデル同定部により同定した前記燃焼モデルを利用し
て未燃分の発生量を低減するごみ焼却装置の操作量を決
定する操作量決定部とを含み、前記排ガス分析装置の測
定値を使用して前記燃焼モデルの同定が行われることを
特徴とするごみ焼却システム(請求項9)。
【0015】(10)請求項9記載のごみ焼却システム
において、前記排ガス分析装置により計測される未燃分
がCOと炭化水素類及びダイオキシン前駆物質から選ば
れたいずれか一つであることを特徴とするごみ焼却シス
テム。
【0016】(11)ごみ焼却炉と排ガス処理設備を有
するごみ焼却装置の運転制御方法において、該ごみ焼却
装置の操作量と燃焼ガス中の少なくとも未燃分の濃度と
の関係を表わし、該未燃分がピーク的に発生する状態を
模擬する燃焼モデルを有し、該ごみ焼却装置の運転デー
タのうち、モデルの入出力に使用する変数を用いて前記
燃焼モデルを同定し、該ごみ焼却装置の運転データのう
ち前記未燃分の濃度がある基準値以上となった場合に、
同定した前記燃焼モデルを利用して未燃分の発生量を低
減する該ごみ焼却装置の操作量を決定することを特徴と
するごみ焼却装置の運転制御方法。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。但し、本発明は以下の実施例に限られる
ものではない。
【0018】図1に本発明の一実施例を示す。本実施例
はごみ焼却装置1,排ガス分析装置2,制御装置3から
なる。
【0019】ごみ焼却装置1は、ごみ焼却炉11と排ガ
ス処理装置12とからなる。ごみ焼却炉11では投入し
たごみを乾燥,燃焼させる。その結果、ごみは焼却灰と
排ガスとなる。焼却灰は随時焼却炉から搬出され、排ガ
スはごみ焼却装置1内に設置された排ガス処理装置12
に送られて処理される。また、ごみ焼却装置1には、燃
焼ガス流量,炉内温度などを計測するための各種センサ
ーが取の付けられており、計測した値はデータ収集装置
34に送られる。また、ごみ焼却装置1には炉内の火炎
の状態を撮像するITVが設置されており、撮像された
画像データもデータ収集装置34に送られる。排ガス分
析装置2では、排ガス中に含まれる各種ガス成分が測定
される。ここでは、HCL,NOx,O2 の濃度と、未
燃分としてCO,炭化水素類,クロロベンゼン類,クロ
ロフェノール類を計測した。
【0020】制御装置3は燃焼モデル31,モデル同定
部32,操作量決定部33,データ収集装置34からな
る。燃焼モデル31は少なくともごみ焼却装置の操作量
と未燃分の濃度の関係を表わし、燃焼状態の変動により
未燃分がピーク的に発生する挙動を模擬する動特性モデ
ルである。モデル同定部32はごみ焼却装置1で計測さ
れた状態量および排ガス分析装置2で計測された排ガス
の計測値から燃焼モデル31のモデルパラメータを同定
する。操作量決定部33では、燃焼モデル31にいくつ
かの操作パターンを入力し、出力である未燃分の濃度を
比較し、最も未燃分の発生量が少ない操作パターンを操
作量として選択し、ごみ焼却装置1の操作量とする。デ
ータ収集装置34はごみ焼却装置11で計測された状態
量および排ガス分析装置2で計測された排ガスの計測値
が収録される。また、ごみ焼却装置の操作量も記録され
ている。したがって、ごみ焼却装置1が運転実績を積む
と過去の操作パターンとその際の未燃分の発生量が蓄え
られることになる。これらは、データ収集装置34内の
操作パターンデータベースに蓄えられ、操作量決定部3
3では、それらの情報を活用し、より高速に最適な操作
量を決定することができるようになる。
【0021】次に、本実施例についてより詳細に説明す
る。
【0022】ごみ焼却炉11の概略図を図2に示す。ご
み焼却炉11において、ごみホッパ114に入れられた
ごみは給塵装置110によりストーカ上に運ばれる。ス
トーカは乾燥ストーカ111,燃焼ストーカ112及び
後燃焼ストーカ113の3つに分かれている。乾燥スト
ーカ111では、主に投入ごみの水分を蒸発させる。燃
焼ストーカ112では、乾燥したごみを燃焼させる。後
燃焼ストーカ113では燃焼ストーカ112で燃やし切
れなかったごみを完全に燃焼させる。燃焼後の灰は、灰
ピット(図示せず)に一旦堆積した後、埋め立てまたは
溶融処理される。
【0023】乾燥ストーカ111,燃焼ストーカ11
2、および後燃焼ストーカ113には、下部から、それ
ぞれ乾燥用空気,燃焼用空気,後燃焼用空気が吹き込ま
れる。空気はファン131により送り込まれるが、その
途中で、エアヒーター133を介して燃焼ガスの一部あ
るいは蒸気(図示せず)と熱交換して昇温する。乾燥ス
トーカ111,燃焼ストーカ112及び後燃焼ストーカ
113へ供給される空気量は、空気流量計152により
計測される。これらの空気量は制御装置3から送られる
設定値になるように、ファン131とそれぞれのストー
カへの配分量を調節する空気ダンパ121の開度によっ
て制御されている。ただし、このマイナー制御系は図示
していない。また、それぞれの空気の温度は空気温度セ
ンサー153により計測される。空気温度も制御装置3か
ら送られる設定値になるように図示していないマイナー
制御系により制御される。このマイナー制御系の操作端
はエアヒーターにより加熱された空気と加熱されていな
い空気の配分をかえる温度調節用空気ダンパ124であ
る。
【0024】また、ストーカ上部には二次空気吹き込み
ノズル134が取り付けられている。二次空気吹き込み
ノズル134から供給される二次空気により未燃分を多
く含むガスと高温のガスが混合される。また二次空気か
ら燃焼ガスに酸素が補給される。その結果、ほとんどの
可燃性物質を燃焼できる。二次空気の吹込み量(吹込み
速度)は、二次空気用ファン132と二次空気用ダンパ
129の開度により調節される。燃焼ガスは炉出口付近
では800℃から900℃の高温となっている。燃焼ガ
ス温度および炉壁温度は、炉内温度センサー151によ
り計測される。高温の燃焼ガスから炉壁を保護するた
め、燃焼ガス温度または炉壁温度が基準値以下となるよ
うに、ガス冷却装置(図示せず)で水を噴霧しガス温度
を低下させる場合もある。焼却炉出口にはボイラが設置
されており、ボイラで熱交換され500℃程度まで温度
が下げられる。ごみ焼却炉から排出された排ガスは排ガ
ス処理装置12(図示せず)に送られ、処理される。
【0025】本実施例では、制御装置3より、給塵装置
110,各ストーカ111〜113,空気ダンパ12
1,温度調節用空気ダンパ124,二次空気用ダンパ1
29,ファン131および二次空気用ファン132に制
御信号(設定値)が送られている。この制御信号により
図示していないマイナー制御系が働き、給塵速度,各ス
トーカ速度,各空気温度および各空気流量が制御され
る。
【0026】次に排ガス分析装置2について説明する。
【0027】排ガス分析装置2は、各種ガス分析装置2
1および高精度未燃分計測装置22よりなる。各種ガス
分析装置21では、試料ガスを前処理した後、HCL,
SOx,COなどのガス成分及び排ガス中の水分量を測定す
る。本実施例では、ガス分析装置は排ガス処理装置12
と煙突(図示せず)の間に設置した。したがって、ガス
分析装置に取り込まれた試料ガスは、排ガス処理装置1
2内の集塵装置(図示せず)によりダストの大半が除去
されている。HCL,SOx,COなどのガス成分の測
定には一般的に使用される連続分析計を利用した。
【0028】高精度未燃分計測装置22では、採取した
ガスを安定にかつ一定流量でモニタ部に送り込む必要が
ある。また、途中で分析対象物質が吸着したり凝縮して
損失することがないようにしなければならない。したが
って、その前処理は各種ガス分析装置21とは違ったも
のになる。高精度未燃分計測装置22の構成を図3に示
す。高精度未燃分計測装置は主に3つの部位より成り立
っている。採取された試料ガスを搬送し、前処理するガ
ス前処理部221と、採取した試料ガス中から測定対象
物質を検出するモニタ部222と、検出,取得したデー
タを処理するデータ処理部223である。
【0029】ガス前処理部221は、全体がヒーターに
より100℃〜200℃程度に加熱され、排ガス中の不
純物や非灰を取り除く。モニタ部222は送り込まれた
資料ガス中の分析対象物質を選択的にかつ高い効率でイ
オン化を行い、中間圧力室などを経て質量分析部222
bで質量分析し、分析対象物質を検出(モニタ)する。
本実施例では、炭化水素類,クロロフェノール類等を分
析対象物質とし、大気圧化学イオン源によりイオン化し
た。検出された信号はデータ処理部223に送られ、必
要に応じて検量線から濃度に換算され、制御装置3に送
られる。
【0030】データ処理部223では、モータ部222
からの信号を増幅器223aにより増幅し、さらに必要
であれば演算器223bで演算処理する。
【0031】次に、制御装置3について説明する。制御
装置3は燃焼モデル31,モデル同定部32,操作量決
定部33,データ収集装置34からなる。
【0032】燃焼モデル31の構成を図4に示す。燃焼
モデル31は安定燃焼モデル311、および変動燃焼モ
デル312からなり、この2つのモデルで未燃分がピー
ク的に発生する挙動を模擬する。すなわち、安定燃焼モ
デル311により通常の燃焼状態を模擬し、変動燃焼モ
デル312により未燃分がピーク的に発生する状態を模
擬する。以下に各モデルについて詳細に説明する。
【0033】安定燃焼モデル311は、ストーカ上のご
みを模擬したごみモデル311a,二次燃焼領域を模擬
した燃焼ガスモデル311b,ボイラおよび炉壁の伝熱
を模擬した伝熱モデル311cからなる。ごみモデル3
11aは、乾燥ストーカ,燃焼ストーカおよび後燃焼ス
トーカに相当する3つのモデルに分割されている。ごみ
モデル311aは以下の仮定をして、物質収支式および
熱収支式に基づきモデル化した。
【0034】1)ごみは水分,揮発分,チャー(固定炭
素分),灰分の4成分に別れている。 2)各ごみモデル内の温度は同じである。
【0035】3)ごみ中から蒸発した水分および揮発し
た揮発分は、一次空気とともに二次燃焼領域に持ち込ま
れる。
【0036】4)十分な温度に達したチャーはごみモデ
ル内で表面燃焼する。
【0037】5)灰分は熱を加えても温度が上昇するの
みで反応しない。
【0038】以下に各モデルのモデル式の一例を示す。
【0039】
【0040】ただし、添え字i(i=w,b,c,a)
はごみの各成分(w:水分,b:揮発分,c:チャー
(固定炭素分),a:灰分)を表わしている。また、i
n:各ごみモデルへの流入する量,out :流出量,los
s:損失量を表わしている。また、添え字j(j=
2 ,CO2 ,b,w,N)はガスの各成分(O2:酸
素,CO2:二酸化炭素,b:揮発分、w:水分、N:
不活性ガス(N2 等))を表わしている。その他の記号
の意味は以下の通りである。
【0041】G:ごみ移送量[Kg/s],M:ごみ滞
留量[Kg],R:相変化および反応による変化量,
F:一次空気ガス流量[Kg/s],H:エンタルピー
[J/Kg],Cp:比熱[J/KgK],Q1:一次
空気がごみに与えた熱量[J],Q2:二次燃焼領域の
ガス(混合ガスモデル)がごみに与えた熱量[J],Q
3:炉壁がごみに与えた熱量[J],k1 :チャーの燃
焼量から酸素消費量を求めるための係数k2 :チャーの
燃焼量から二酸化炭素発生量を求めるための係数であ
る。
【0042】ここで、ごみの流入量Giinは各ストーカ
の上流から送られてくるごみの量と組成によって決まる
量である。すなわち、乾燥ストーカに対応するごみモデ
ルのごみ流入量は給塵装置から供給されるごみの量と組
成から決まる。また、燃焼ストーカに対応するごみモデ
ルのごみ流入量は、乾燥ストーカに対応するごみモデル
のごみ流出量と組成から決まる。したがって、安定燃焼
分の各ストーカに対応するごみの組成は、給塵装置から
供給されるごみの組成と後段の燃焼状態によって決ま
る。
【0043】また、Riはごみ滞留量Miとごみ温度T
によって決まる量であり、一般にMiが大きいほどRi
は大きく、またごみ温度Tが大きいほどRiは大きい。
【0044】混合ガスモデル(燃焼ガスモデル)は、以
下の仮定をしてモデル化した。
【0045】1)ごみから揮発した揮発分は、二次燃焼
領域(混合ガスモデル内)で燃焼する。
【0046】2)燃焼ガス中の未燃分の濃度は、燃焼ガ
ス中のO2 濃度,ガス温度および二次空気流量によって
決まる。
【0047】したがって、ごみ層を通過した一次空気
(各成分)の流量と温度、および二次空気量からO2
度とガス温度を求めるステップと、O2 濃度とガス温度
および二次空気量から未燃分の濃度を求めるステップの
2つのステップに分けてモデルを構成した。
【0048】ごみ燃焼量とごみ温度および二次空気量か
らO2 濃度とガス温度を求めるステップは、物質収支式
と熱収支式を利用した。その式を以下に示す。
【0049】
【0050】ただし、式中に用いた記号は以下の通り。
F1:ごみ層を通過した一次空気流量[Kg/s],F
2:二次空気流量[Kg/s],Vmix :混合燃焼領域
ガス体積[m3],ρ:密度[Kg/m3],X:ガス濃
度[−],Tmix :二次燃焼領域ガス温度[K]。
【0051】次に、O2 濃度とガス温度から未燃分の濃
度を求めるステップを示す。ここでは統計的手法を利用
した。未燃分としてCOを例に関係式を示す。
【0052】 XCO=AXO2 2+BXO2+Cexp(−Tmix)+DF2in (ただし、A,B,C,Dは回帰係数) 本実施例では統計的手法を用いてモデル化したが、反応
速度式が既知であるものに対しては、反応速度式に基づ
いたモデルを構築してもよい。
【0053】伝熱モデルは、ボイラ(熱交換器)モデル
と炉壁モデルがある。ボイラモデルでは排ガスの持つエ
ンタルピーから蒸気発生量を求める。また、炉壁モデル
ではガス,ごみ,炉壁間の熱の移動を模擬する。モデル
式は以下に示した通りである。
【0054】
【0055】ただし、式中に用いた記号は以下の通り。
添え字st:蒸気,gas :排ガス,m:熱交換器メタル,
wall:炉壁,Q9:排ガスが熱交換器メタルに与えた熱
量,Q10:メタルが蒸気に与えた熱量。
【0056】以上は、物理式をベースに構築したモデル
の一例である。これらの式はより詳細にしても良いし、
また簡略化してもよい。また、ニューロモデルなどの非
線型統計モデルで構築してもよい。あるいは、物理式ベ
ースのモデルと非線型統計モデルとが混在していてもよ
い。
【0057】次に、変動燃焼モデルについて説明する。
変動燃焼モデルは燃焼の変動分をモデル化している。す
なわち、安定燃焼分以外に燃焼変動に寄与するごみが存
在し、そのごみが燃焼することで酸素が消費され、未燃
分のピークが発生すると仮定した。したがって、図4に
示したように変動燃焼モデルはごみモデルだけからな
り、ごみモデルの出力は安定燃焼モデルの混合ガスモデ
ルの入力となっている。以下に変動燃焼モデルのモデル
式を示す。
【0058】
【0059】記号「′」は変動燃焼モデルに関する量で
あることを示す記号である。
【0060】上記の式は安定燃焼モデルのごみモデルと
類似しているが、変動燃焼モデルは燃焼に寄与する部分
だけを抽出してモデル化しているため相違点がある。相
違点は以下の通りである。
【0061】1)水分が蒸発した直後と考え、組成は揮
発分およびチャーのみからなると仮定。
【0062】2)ごみの移送により流入,流出する量は
考えていない。
【0063】3)燃焼変動分のごみ量は安定燃焼時は0
である。
【0064】4)燃焼変動が起こった時点(未燃分がピ
ーク的に発生する初期段階)で、あるごみ量を推定す
る。
【0065】5)変動ごみに供給される一次空気量は安
定燃焼ごみ量と変動燃焼ごみ量の比に従って分配され
る。
【0066】このような燃焼変動モデルによると以下の
ようにして未燃分のピーク的な挙動を表現できる。燃焼
変動分のごみの温度が上昇するに従い揮発量,燃焼チャ
ー量が増加し、酸素消費量が増加する。しかし、同時に
燃焼変動分のごみ量が減少するため、揮発量,燃焼チャ
ー量はある値でピークを示し、それ以降は減少に転ず
る。同様に、酸素消費量もある値でピークとなりそれ以
降は減少する。燃焼変動分による酸素消費量がこのよう
な特性を示すと排ガス中の酸素濃度は一時的に減少し、
再び増加する。酸素濃度が減少すると未燃分は増加する
傾向があるため、未燃分はピーク的に発生する挙動を示
す。
【0067】次にモデル同定部32について説明する。
モデル同定部32では、安定燃焼モデルと変動燃焼モデ
ルのモデルパラメータを同定する。まず、安定燃焼時の
モデルの同定方法について説明する。安定燃焼モデルの
チューニングパラメータは、ごみの供給量,ごみの組
成,反応速度乗数等である。これらパラメータは、ごみ
が安定に燃焼している状態で、操作量と未燃分濃度,お
よび蒸発量の関係が実機とできるだけ一致するように調
整する。ただし、ごみの組成は、設計値を基準として調
整し、反応速度の温度依存性を決定するパラメータは物
性値を基準として調整する。
【0068】次に、燃焼変動分の同定について説明す
る。ここでは、安定燃焼モデルと共通のパラメータはチ
ューニングしない。燃焼変動モデルで同定しなければな
らないパラメータは、燃焼変動分のごみの量,組成およ
び温度の初期値である。ただし、組成は安定燃焼モデル
と同じ比率であると仮定した。また、ごみ温度の初期値
は、水分が全て蒸発した温度と仮定し、100℃とし
た。したがって、本実施例では燃焼変動分のごみ量の同
定方法について説明する。ただし、燃焼変動分が燃焼ス
トーカ上で燃焼する場合と乾燥ストーカ上で燃焼する場
合では現象が異なるため、2つの場合にわけて説明す
る。
【0069】燃焼変動分が燃焼ストーカ上で燃焼する場
合、燃焼変動分のごみ量が燃焼ストーカ上に蓄えられ
る。例えば、ごみの水分量が通常より多いごみが供給さ
れた場合がそれにあたる。この場合、ごみは乾燥ストー
カ上で乾燥しきれずに燃焼ストーカ上に供給されるた
め、燃焼ストーカ上にありながら燃焼に寄与しない。こ
のような状況になると一時的にごみの燃焼量が減少し、
それに伴い蒸発量,ガス温度が低下する。また、排ガス
中の水分は通常よりも多くなる。したがって、本実施例
では、これらの状態量の変化から燃焼変動分のごみ量を
推定した。ただし、これらの状態量は空気供給量,スト
ーカ速度等の操作量によっても変化する。したがって、
図5に示したように実機と同じ操作条件を入力した燃焼
モデルの出力である蒸発量と実際の蒸発量を比較し、斜
線で示した面積とごみ量が比例するとしてごみ量を推定
した。斜線で示した面積とごみ量の関係を表わす比例係
数は熱バランスから決定できるが、モデルにはモデル誤
差があるため、蓄えられた実機データから比例係数を決
定することが望ましい。
【0070】次に、燃焼変動分が乾燥ストーカ上で燃焼
する場合について説明する。例えば、乾燥ストーカ上の
ごみの水分が通常よりも少ない場合がそれにあたる。こ
の場合は通常よりも排ガス中の水分が減少する。それに
伴いガス温度も上昇するが、その変化は少ない。したが
って、蒸発量の変化もわずかである。したがって、状態
量として排ガス中の水分を用いて、図5に示した方法と
同様にごみ量を推定する。
【0071】別の同定方法について示す。本同定方法で
は、過去の運転実績データから未燃分のピーク挙動が現
れたデータを切出し、未燃分ピーク波形から逆算される
燃焼変動ごみ量と炉内の燃焼状態に関係するデータとの
関係を求めた。燃焼状態に関係するデータとして選択し
たデータは、炉内温度,蒸発量,ストーカ下温度,スト
ーカ速度,空気流量,空気温度,O2 濃度,排ガス中水
分濃度,微量未燃分濃度である。ここで微量未燃分とは
高精度未燃分計測装置によって計測された各種炭化水
素,クロロフェノール類などのことである。本方法で
は、これらのデータを入力データ,燃焼変動ごみ量を出
力データとして両者の関係をニューラルネットワークで
学習させた。ただし、入力データは必ずしも上記に示し
た全てのデータを利用するわけではない。あらかじめ相
関関係が小さいデータを省いておくことが望ましい。
【0072】次に操作量決定部33について説明する。
操作量決定部33では、ごみ焼却装置運転時の操作量を
決定する。操作量決定部33は、図6に示したように操
作パターン発生部と判定部とから構成される。操作パタ
ーン発生部では、ある一定時間の操作量のパターン(以
下、操作パターンと称する)を発生させる。本実施例で
の操作パターンは、10分間の操作パターンとした。操
作パターン発生部には、例えば以下のような操作パター
ンがいくつか登録されている。
【0073】操作パターンA:操作量一定 操作パターンB:二次空気量10%増加 操作パターンC:一次空気量10%減少 また、これらのパターンから例えば以下のような新しい
パターンを作成する。 操作パターンD:二次空気量10%増加かつ一次空気量
10%減少 操作パターンE:t=0〜t=3の間,二次空気量10
%増加,t=1〜t=4の間,一次空気量減少 これらの操作パターンの候補は燃焼モデル31に入力さ
れる。燃焼モデル31では、それぞれの操作パターン毎
に未燃分の濃度の発生パターンを出力し、操作量決定部
33の判定部に渡す。
【0074】判定部では、未燃分の発生パターンから操
作パターンの善し悪しを判定する。本実施例では、操作
後10分間の未燃分濃度の平均値を評価値とし、評価値
がもっとも小さい操作パターンを最適操作パターンとし
た。ただし、最適な操作パターンの侯補はパターン発生
部で発生した操作パターンのみではない。操作パターン
データベースに過去の運転実績データとして操作パター
ンとそのときの未燃分発生パターンが蓄えられている場
合、操作パターンデータベース中の操作パターンも候補
となる。ただし、ここで選択する操作パターンは、「蒸
発量、O2 濃度など炉内の状態を表わす状態量が現在の
焼却炉の状態量と類似しており、かつ未燃分の濃度を低
減できた操作パターン」という条件を満たすものであ
る。また、操作パターンデータベースに蓄えられている
操作パターンは、その操作をした場合の未燃分の発生パ
ターンも同時に蓄えられているため、燃焼モデル31を
使って未燃分の発生パターンを計算する必要はない。選
択された操作パターンは、ごみ焼却装置1の各操作量の
設定値として、ごみ焼却装置1に送られる。
【0075】以上はオンラインで、燃焼モデルを利用し
て操作量を決定する場合であるが、オフラインでいくつ
かの操作パターンの効果を検討しておいてもよい。ま
た、オフラインでの検討や、オンラインであっても、燃
焼モデルの計算が非常に短時間で終了する場合には、G
A(遺伝アルゴリズム)などの手法を利用して、最適な
操作パターンを求めてもよい。
【0076】次に本発明の第二の実施例について述べ
る。
【0077】第二の実施例が第一の実施例と異なる点
は、未燃分生成モデルのごみモデルと、モデル同定部で
ある。第二の実施例の燃焼モデルを図7に示す。ここで
は、ごみモデルは安定燃焼モデルと燃焼変動モデルに分
割されていない。ごみモデルは各ストーカに対応するよ
うに3つに別れており、さらに各ストーカ内でごみの移
送方向にn段に別れている。各段のごみモデルは第一の
実施例で説明したごみモデルと同様、物質収支式と熱収
支式に基づきモデルが構築されている。
【0078】モデル同定部では、未燃分のピーク的な発
生挙動を模擬するために、ごみモデル内のごみ量,組成
およびごみ温度を燃焼状態に合わせて同定した。特に乾
燥ストーカ後段に相当するごみモデルおよび燃焼ストー
カ前段に相当するごみモデルのごみ量,組成及び温度を
変化させることで燃焼変動を模擬した。
【0079】例えば、乾燥ストーカ上のごみの水分が通
常より少なく、計測される排ガス中の水分が少ない場
合、乾燥ストーカ後段のごみに含まれる水分量を減少さ
せる。特に未燃分のピークが発生した場合には、水分量
を0とする。
【0080】また、燃焼ストーカ上のごみ中の水分が多
く、燃焼ストーカ前段のごみが燃焼していない場合、発
生蒸気量が減少する。したがって、減少した発生蒸気量
から逆算し、燃焼ストーカ前段のごみが燃焼しない状態
に変更する。すなわち、ごみの揮発分,チャー分を増加
させ、ごみ温度を低下させる。
【0081】第二の実施例では、ごみモデルのごみ量,
組成およびごみ温度を逐次同定することで、燃焼変動を
模擬し、未燃分がピーク的に発生する挙動を模擬するこ
とができる。
【0082】次に第三の実施例について図8を用いて説
明する。第三の実施例が第一及び第二の実施例と異なる
点は、操作量決定部33である。第三の実施例における
操作量決定部33は、燃焼状態判定部331と安定燃焼
時操作量決定部332と変動燃焼時操作量決定部333
とからなる。本実施例は、燃焼状態により操作量の決定
方法を変更するものである。
【0083】燃焼状態判定部331には、データ収集装
置34を経由して排ガス分析装置2で計測された未燃分
の濃度が入力される。入力された未燃分の濃度が、ある
基準値を超えるか否かで燃焼状態を判定する。未燃分の
濃度が基準値以下であれば安定燃焼、基準値を超えてい
れば変動燃焼と判定する。判定結果は、安定燃焼時操作
量決定部332と変動燃焼時操作量決定部333に渡さ
れる。
【0084】安定燃焼時操作量決定部332は、判定結
果が安定燃焼のときにのみ動作する。本実施例では、操
作量決定のアルゴリズムは「フアジイルール」により構
築した。ルールの例は、たとえば「蒸発量が大ならば、
燃焼空気量を小にする」というものであり、計測される
状態量と操作量の関係を表わしたルールにより構成され
ている。
【0085】変動燃焼時操作量決定部333の動作は、
第一の実施例における操作量決定部33の動作と同じで
ある。すなわち、第三の実施例は、燃焼状態が変動燃焼
状態となり、未燃分がピーク的に発生する場合にのみ燃
焼モデル31を利用して操作量を決定する制御装置を示
している。
【0086】
【発明の効果】以上のように、未燃分のピーク的な発生
挙動を模擬する燃焼モデルを用いて、未燃分の発生をで
きるだけ少なくするように操作量を決定するため、未燃
分の発生をより低レベルに抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示す図。
【図2】ごみ焼却炉の概要を示す図。
【図3】高精度未燃分計測装置の概要を示す図。
【図4】燃焼モデルの構成を示す図。
【図5】モデル同定の方法を示す図。
【図6】操作量決定部の構成を示す図。
【図7】燃焼モデルの別の実施例を示す図。
【図8】操作量決定部の別の例を示す図。
【符号の説明】
1…ごみ焼却装置、2…排ガス分析装置、3…制御装
置、11…ごみ焼却炉、12…排ガス処理装置、21…
各種ガス分析装置、22…高精度未燃分計測装置、31
…燃焼モデル、32…モデル同定部、33…操作量決定
部、34…データ収集装置、221…ガス前処理部、2
22…モニタ部、223…データ処理部、222a…大
気圧化学イオン源、222b…質量分析部、223a…
増幅器、223b…演算器、311…安定燃焼モデル、
312…変動燃焼モデル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 弘 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 野村 政英 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 川部 隆平 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 河野 豪 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 武川 茂樹 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器事業部内 Fターム(参考) 3K062 AA02 AB01 AC01 BA02 DA01 DA16 DA21 DA22 DA23 DA27 DA40

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ごみ焼却炉と排ガス処理設備を有するごみ
    焼却装置の運転制御方法において、 該ごみ焼却装置の操作量と燃焼ガス中の少なくとも未燃
    分の濃度との関係を表わし、該未燃分がピーク的に発生
    する状態を模擬する燃焼モデルを有し、 該ごみ焼却装置の運転データのうち、モデルの入出力に
    使用する変数を用いて前記燃焼モデルを同定し、 同定した前記燃焼モデルを利用して未燃分の発生量を低
    減する該ごみ焼却装置の操作量を決定することを特徴と
    するごみ焼却装置の運転制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のごみ焼却装置の運転制御方
    法において、 前記燃焼モデルが、前記ごみ焼却炉内の安定燃焼状態を
    模擬する安定燃焼モデルと前記ごみ焼却炉内の燃焼状態
    の変動を模擬する燃焼変動モデルとを有することを特徴
    とするごみ焼却装置の運転制御方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のごみ焼却装置の運転制御方
    法において、 前記ごみ焼却炉がストーカ式ごみ焼却炉であり、 前記燃焼モデルが、ストーカ上のごみの状態を模擬した
    ごみモデルとごみ焼却炉内の燃焼ガスの状態を模擬した
    燃焼ガスモデルとを有し、 前記ごみモデルが各ストーカ毎に複数の要素に分割さ
    れ、各要素毎にごみの成分のうち少なくとも水分と可燃
    分の量をモデルパラメータとして持ち、少なくともごみ
    の温度と可燃分の揮発量を計算し、 前記燃焼ガスモデルが、少なくとも前記ごみモデルで計
    算した可燃分の揮発量から燃焼ガス温度を計算し、 ごみ焼却装置の運転データのうち、前記燃焼モデルの入
    出力変数を使用して該燃焼モデルのパラメータを同定す
    ることを特徴とするごみ焼却装置の運転制御方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載のごみ焼却装置の運転制御方
    法において、 前記燃焼モデルのモデル出力が少なくとも蒸気発生量,
    燃焼ガス温度,燃焼ガス中の水分量の1つであり、前記
    同定を該モデル出力と実機データとを比較して行うこと
    を特徴とするごみ焼却装置の運転制御方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載のごみ焼却装置の運転制御方
    法において、 前記同定を、未燃分のピーク発生前の運転データと未燃
    分のピーク発生時の運転データとから行い、 未燃分のピーク発生前の運転データが、炉内温度,蒸発
    量,ストーカ下温度,ストーカ速度,空気流量,空気温
    度,燃焼ガス中のO2 濃度,燃焼ガス中水分濃度,燃焼
    ガス中の各種炭化水素類の濃度,燃焼ガス中のクロロフ
    ェノール類の少なくとも1つであり、 未燃分ピーク発生時の運転データが、未燃分濃度のピー
    ク波形,O2 濃度の波形,蒸発量の波形の少なくとも1
    つであることを特徴とするごみ焼却装置の運転制御方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1記載のごみ焼却装置の運転制御方
    法において、 前記燃焼モデルにごみ焼却装置の操作量の候補を複数入
    力して、出力される未燃分濃度から未燃分濃度が最も低
    い操作量を選択し、得られた操作量と過去の運転データ
    から求めた未燃分濃度を低くできる操作量とを比較し
    て、未燃分濃度が低い方の操作量をごみ焼却装置の操作
    量として決定することを特徴とするごみ焼却装置の運転
    制御方法。
  7. 【請求項7】ごみ焼却炉と排ガス処理設備を有するごみ
    焼却装置の運転制御装置において、 少なくともごみ焼却装置の操作量と燃焼ガス中の未燃分
    の濃度との関係を表わし、該未燃分がピーク的に発生す
    る状態を模擬する燃焼モデルと、 ごみ焼却装置の運転データのうち前記燃焼モデルの入出
    力に使用する変数を用いて前記燃焼モデルを同定するモ
    デル同定部と、 該モデル同定部により同定した前記燃焼モデルを利用し
    て未燃分の発生量を低減するごみ焼却装置の操作量を決
    定する操作量決定部とを有することを特徴とするごみ焼
    却装置の運転制御装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載のごみ焼却装置の運転制御装
    置において、 前記燃焼モデルが、前記ごみ焼却炉内の安定燃焼状態で
    の燃焼状態を模擬する安定燃焼モデルと、前記ごみ焼却
    炉内の燃焼状態の変動を模擬する燃焼変動モデルを含む
    ことを特徴とするごみ焼却装置の運転制御装置。
  9. 【請求項9】ごみ焼却炉と排ガス処理設備とを有するご
    み焼却装置の運転制御装置と、排ガス中の未燃分濃度
    と、酸素濃度及び水分量のうちの少なくとも一方とを分
    析する排ガス分析装置とを備えたごみ焼却システムにお
    いて、 前記運転制御装置が、燃焼ガス中の未燃分濃度と、酸素
    濃度と水分量のうちの少なくとも一方とごみ焼却装置の
    操作量との関係を表わし該未燃分がピーク的に発生する
    状態を模擬する燃焼モデルと、ごみ焼却装置の運転デー
    タのうち前記燃焼モデルの入出力に使用する変数を用い
    て前記燃焼モデルを同定するモデル同定部と、該モデル
    同定部により同定した前記燃焼モデルを利用して未燃分
    の発生量を低減するごみ焼却装置の操作量を決定する操
    作量決定部とを含み、 前記排ガス分析装置の測定値を使用して前記燃焼モデル
    の同定が行われることを特徴とするごみ焼却システム。
  10. 【請求項10】請求項9記載のごみ焼却システムにおい
    て、前記排ガス分析装置により計測される未燃分がCO
    と炭化水素類及びダイオキシン前駆物質から選ばれたい
    ずれか1つであることを特徴とするごみ焼却システム。
  11. 【請求項11】ごみ焼却炉と排ガス処理設備を有するご
    み焼却装置の運転制御方法において、 該ごみ焼却装置の操作量と燃焼ガス中の少なくとも未燃
    分の濃度との関係を表わし、該未燃分がピーク的に発生
    する状態を模擬する燃焼モデルを有し、 該ごみ焼却装置の運転データのうち、モデルの入出力に
    使用する変数を用いて前記燃焼モデルを同定し、 該ごみ焼却装置の運転データのうち前記未燃分の濃度が
    ある基準値以上となった場合に、同定した前記燃焼モデ
    ルを利用して未燃分の発生量を低減する該ごみ焼却装置
    の操作量を決定することを特徴とするごみ焼却装置の運
    転制御方法。
JP11010162A 1999-01-19 1999-01-19 ごみ焼却装置の運転制御方法及び運転制御装置 Pending JP2000205542A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11010162A JP2000205542A (ja) 1999-01-19 1999-01-19 ごみ焼却装置の運転制御方法及び運転制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11010162A JP2000205542A (ja) 1999-01-19 1999-01-19 ごみ焼却装置の運転制御方法及び運転制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000205542A true JP2000205542A (ja) 2000-07-25

Family

ID=11742596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11010162A Pending JP2000205542A (ja) 1999-01-19 1999-01-19 ごみ焼却装置の運転制御方法及び運転制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000205542A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3319327B2 (ja) ごみ焼却炉の燃焼制御方法およびその装置
WO2017085941A1 (ja) 廃棄物の燃焼制御方法およびこれを適用した燃焼制御装置
JPH04309714A (ja) 石炭燃焼炉の灰中未燃分推定装置
JPH1068514A (ja) ごみ焼却炉の燃焼制御方法
JPH1194227A (ja) ごみ焼却炉の燃焼ごみ低位発熱量推定方法及び燃焼ごみ可燃分発熱量推定方法
JP3712329B2 (ja) プロセスの制御装置
JP5452906B2 (ja) 燃焼炉の燃焼制御システムおよびその燃焼制御方法
JP2000097422A (ja) 廃棄物焼却プラント及びその制御装置並びに制御方法と廃棄物焼却炉のガス組成分布予測方法
JP3668405B2 (ja) ごみ焼却炉の制御方法及び装置
JP2000018549A (ja) 焼却プラント運転制御方法及び運転制御装置
JP2000205542A (ja) ごみ焼却装置の運転制御方法及び運転制御装置
JP2006226674A (ja) ボイラ設備を持たないごみ焼却炉の燃焼制御方式
JPH0240410A (ja) 都市ごみ焼却炉の自動燃焼制御方法
Stanisławski et al. Reduction of the CO emission from wood pellet small-scale boiler using model-based control
JP2008249214A (ja) 焼却炉の制御方法および装置、並びにプログラム
JP4230925B2 (ja) 発熱量推定装置及び発熱量推定方法並びに燃焼制御装置
JP2002106821A (ja) ごみ焼却プラントの燃焼制御方法及び装置
JP4486628B2 (ja) 焼却炉の制御方法及び装置、並びにプログラム
JP7075021B1 (ja) ごみ焼却処理施設の燃焼制御装置及び燃焼制御方法
JP3844333B2 (ja) ボイラ設備を持たないごみ焼却炉の燃焼制御方式
JP2000213724A (ja) ごみ焼却炉の制御方法及び装置
JP2000028123A (ja) ゴミ焼却炉の二次燃焼制御装置
JP3668010B2 (ja) ごみ焼却設備及びその制御方法
JP2004353944A (ja) ごみ処理設備等における燃焼制御方法およびごみ処理設備
JP2000213723A (ja) 廃棄物処理プラントの運転制御方法及び運転制御装置