JP2000204315A - 被膜形成用共重合ポリエステル樹脂、並びにそれから得られる塗工液 - Google Patents

被膜形成用共重合ポリエステル樹脂、並びにそれから得られる塗工液

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JP2000204315A
JP2000204315A JP11002838A JP283899A JP2000204315A JP 2000204315 A JP2000204315 A JP 2000204315A JP 11002838 A JP11002838 A JP 11002838A JP 283899 A JP283899 A JP 283899A JP 2000204315 A JP2000204315 A JP 2000204315A
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bis
biphenyl
resin
glycol
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English (en)
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Takamasa Owaki
隆正 大脇
Satoshi Matsuura
智 松浦
Mayumi Kamimoto
真弓 神本
Shinya Takagi
伸哉 高木
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のポリアリレート樹脂やポリカーボネー
ト樹脂よりも耐摩耗性に優れ、また熱による硬化工程を
経ず樹脂単独であってもポリエチレンテレフタレート樹
脂と同等の耐摩耗性を有し、かつ、汎用の有機溶剤に可
溶な特定の芳香族グリコール構造単位を含んだ被膜形成
用共重合ポリエステル樹脂、並びに保存安定性に優れた
塗工液を提供する。 【解決手段】 1種類以上のグリコール成分と1種類以
上のジカルボン酸成分とからなる共重合ポリエステル樹
脂であって、特定の芳香族グリコール成分が、全グリコ
ール成分に対して5〜95モル%の範囲にある被膜形成
用共重合ポリエステル樹脂、並びにそれから得られる塗
工液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の芳香族グリ
コール構造単位を含む被膜形成用の共重合ポリエステル
樹脂、並びにこの樹脂を有機溶剤に溶解した塗工液に関
する。
【0002】
【従来の技術】2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロ
パン(以下「ビスフェノールA」という。)等の二価フ
ェノールの残基とテレフタル酸及び/又はイソフタル酸
の残基とからなるポリアリレート樹脂や、ビスフェノー
ルA等の二価フェノールの残基とホスゲンの残基とから
なるポリカーボネート樹脂は、エンジニアリングプラス
チックとして既によく知られている。これらの樹脂は耐
熱性が高く、衝撃強度に代表される機械的強度や寸法安
定性に優れ、加えて非晶性で透明であるため、その成形
品は電気・電子分野、自動車分野、機械分野等の分野に
幅広く利用されている。
【0003】また、二価フェノールとしてビスフェノー
ルAを原料としたポリアリレート樹脂(以下「ビスフェ
ノールAポリアリレート」という。)は、各種溶剤への
良好な溶解性を有していること、電気的特性(絶縁性、
誘電特性等)、耐摩耗特性に優れていることを利用し
て、コンデンサー用フィルム等の電子部品に、また耐摩
耗性と耐擦傷性を利用して液晶表示装置の各種フィルム
やコーティング樹脂のような被膜を形成する用途への応
用が行われている。
【0004】しかしながら、フィルム等の表面光沢を要
求される分野や、コーティング材料等の被膜を形成する
必要がある分野においては、樹脂の電気的特性や耐摩耗
性に対する要求は一層厳しいものになってきており、ビ
スフェノールAポリアリレートでの対応では、これらの
特性が不十分な用途が生じてきている。さらに、ビスフ
ェノールAポリアリレートにおいては、塗工液の粘度が
経時的に上昇するといった品質安定性の面でも問題があ
る。
【0005】一方、ビスフェノールAを原料としたポリ
カーボネート樹脂は、耐摩耗性が低く、耐摩耗性が必要
とされる分野には殆ど使用されていない。これに対し
て、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
や2,2-ビス(3-メチル-4- ヒドロキシフェニル)プロパ
ンを原料としたポリカーボネート樹脂は、前記ポリカー
ボネート樹脂と比較して耐摩耗性は改善されるものの、
ビスフェノールAポリアリレートと同様に電気的特性の
点で十分といえるものではない。
【0006】他方、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)樹脂は、電気的特性や耐摩耗性の点においては、上
記した樹脂に較べると優れており、コンデンサー用フィ
ルム等の電子部品に、また耐摩耗性と耐擦傷性を利用し
て液晶表示装置の各種フィルムやコーティング樹脂のよ
うな被膜を形成する用途への応用が行われている。しか
し、PET樹脂は結晶性の樹脂であり、メチルエチルケ
トンやトルエン等の汎用の有機溶剤には溶解しないた
め、フィルム化は溶融押し出し法が一般的であり、耐熱
性の低い低分子物質のバインダー樹脂としては使用する
ことができないという問題がある。そこで、汎用の有機
溶剤に対する溶解性を満足させるために、PETを構成
する主成分に第3、第4成分を共重合することが盛んに
行われており、塗料やインク、接着剤分野で用いられて
いる。しかし、この共重合ポリエステル樹脂は、PET
樹脂に較べて耐摩耗性や耐擦傷性等が低下するため、塗
膜として利用する場合には、イソシアネート樹脂、メラ
ミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性
樹脂を配合し、熱架橋させることが行われているが、こ
の方法では硬化時にかなりの熱がかかるため、耐熱性の
低い低分子物質のバインダー樹脂としては使用すること
ができないという問題があった。
【0007】このような問題を解決する可能性のある樹
脂として、本発明者らは、2,2-ビス(3-メチル-4- ヒド
ロキシフェニル)プロパンを原料とした特定性能を有す
るポリアリレート樹脂を提案した(特願平10-136324
号)。しかし、このポリアリレート樹脂は、通常の成形
材料用に使用するビスフェノールAポリアリレートより
も分子量が著しく高いことから、樹脂製造時の生産性に
若干の問題点を有していた。また、被膜としてさらに高
い耐摩耗性が必要される分野には適用することが難しい
という問題があった。
【0008】このような事情から、耐摩耗性と電気特性
に優れ、かつ塗工液にしたときに保存安定性に優れた被
膜形成用樹脂が求められてきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような実状に鑑
み、本発明の課題は、従来のポリアリレート樹脂やポリ
カーボネート樹脂よりも耐摩耗性に優れ、樹脂単独であ
ってもPET樹脂と同等の耐摩耗性を有し、かつ、あら
ゆるフィラーの混合を可能にする汎用有機溶剤に可溶な
被膜形成用共重合ポリエステル樹脂、並びにこれを用い
た保存安定性に優れた塗工液の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の芳香族
グリコール構造単位を含む共重合ポリエステル樹脂とす
ることで、この目的が達成できることを見いだし、本発
明に到達した。
【0011】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。 (1) 1種類以上のグリコール成分と1種類以上のジカル
ボン酸成分とからなる共重合ポリエステル樹脂であっ
て、下記式〜
【化2】 〔式中、nは1〜4の整数を表す。R1〜R4は水素原子、
ハロゲン原子、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基もしく
は脂環式炭化水素基を表し、R5、R6は炭素数1〜12の脂
肪族アルキレン基を表す。〕で示されるいずれかの構造
を有する芳香族グリコール成分が、全グリコール成分に
対して5〜95モル%の範囲にあることを特徴とする被膜
形成用共重合ポリエステル樹脂。 (2) 上記(1) 記載の被膜形成用共重合ポリエステル樹脂
とこの樹脂を溶解する有機溶剤とよりなることを特徴と
する塗工液。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0013】本発明の被膜形成用共重合ポリエステル樹
脂(以下「共重合ポリエステル樹脂」という。)は、1
種類以上のグリコール成分と1種類以上のジカルボン酸
成分とから構成され、上記式〜で示されるいずれか
の構造を有する芳香族グリコール成分が、全グリコール
成分に対して5〜95モル%の範囲で共重合されたもので
ある。
【0014】共重合ポリエステル樹脂のグリコール成分
しては、ネオペンチルグリコール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-
プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサ
ンジオール、3-メチル-1,5- ペンタンジオール、ポリテ
トラメチレングリコール等の脂肪族グリコール、ビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノー
ルSのエチレンオキサイド付加物等の芳香族グリコー
ル、1,4-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコー
ル等の脂環族グリコール等が挙げられ、ネオペンチルグ
リコール、エチレングリコールがコストと性能の点で好
ましい。これらのグリコール成分は、必ずしも1種類で
用いる必要はなく、複数種混合して使用することもでき
る。
【0015】共重合ポリエステル樹脂のジカルボン酸成
分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェン
酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライ
ン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、ダイマー酸等の
脂肪族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸
等の脂環族ジカルボン酸等が挙げられ、テレフタル酸、
イソフタル酸がコストと性能の点で好ましい。これらの
ジカルボン酸成分は、前記ジカルボン酸のジアルキルエ
ステル誘導体もしくはジフェニルエステル誘導体を使用
してもよく、必ずしも1種類で用いる必要はなく、複数
種混合して使用することもできる。
【0016】共重合に用いられる式〜で示される芳
香族グリコール成分としては、1,4-ビス(ヒドロキシメ
チル)ベンゼン、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2,3-
ジメチルベンゼン、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2,3
- ジエチルベンゼン、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)-
2,6- ジメチルベンゼン、1,4-ビス(ヒドロキシメチ
ル)-2,3,5,6- テトラメチルベンゼン、1,4-ビス(2-ヒ
ドロキシエチル)ベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエ
チル)-2,3- ジメチルベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキ
シエチル)-2,3- ジエチルベンゼン、1,4-ビス(2-ヒド
ロキシエチル)-2,6- ジメチルベンゼン、1,4-ビス(2-
ヒドロキシエチル)-2,3,5,6- テトラメチルベンゼン、
1,4-ビス(3-ヒドロキシプロピル)ベンゼン、1,4-ビス
(3-ヒドロキシプロピル)-2,3- ジメチルベンゼン、1,
4-ビス(3-ヒドロキシプロピル)-2,3- ジエチルベンゼ
ン、1,4-ビス(3-ヒドロキシプロピル)-2,6- ジメチル
ベンゼン、1,4-ビス(3-ヒドロキシプロピル)-2,3,5,6
- テトラメチルベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシブチ
ル)ベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシブチル)-2,3-
ジメチルベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシブチル)-
2,6- ジメチルベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシブチ
ル)-2,3,5,6- テトラメチルベンゼン、1,4-ビス(5-ヒ
ドロキシペンチル)ベンゼン、1,4-ビス(5-ヒドロキシ
ペンチル)-2,3- ジメチルベンゼン、1,4-ビス(5-ヒド
ロキシペンチル)-2,6- ジメチルベンゼン、1,4-ビス
(5-ヒドロキシペンチル)-2,3,5,6- テトラメチルベン
ゼン、1,4-ビス(6-ヒドロキシヘキシル)ベンゼン、1,
4-ビス(6-ヒドロキシヘキシル)-2,3-ジメチルベンゼ
ン、1,4-ビス(6-ヒドロキシヘキシル)-2,6- ジメチル
ベンゼン、1,4-ビス(6-ヒドロキシヘキシル)-2,3,5,6
- テトラメチルベンゼン、1,4-ビス(7-ヒドロキシヘプ
チル)ベンゼン、1,4-ビス(8-ヒドロキシオクチル)ベ
ンゼン、1,4-ビス(9-ヒドロキシノニル)ベンゼン、1,
4-ビス(10- ヒドロキシデシル)ベンゼン、1,4-ビス
(11- ヒドロキシウンデシル)ベンゼン、1,4-ビス(12
- ヒドロキシドデシル)ベンゼン、1,4-ビス(ヒドロキ
シメチル)-2,3,5,6-テトラクロロベンゼン、1,4-ビス
(ヒドロキシエチル)-2,3,5,6- テトラクロロベンゼ
ン、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2,3,5,6- テトラブ
ロモベンゼン、1,4-ビス(ヒドロキシエチル)-2,3,5,6
- テトラブロモベンゼン、ハイドロキノン、1,4-ジヒド
ロキシ-2,3- ジメチルベンゼン、1,4-ジヒドロキシ-2,6
- ジメチルベンゼン、1,4-ジヒドロキシ-2,3- ジエチル
ベンゼン、1,4-ジヒドロキシ-2,3,5,6- テトラメチルベ
ンゼン、1,4-ジヒドロキシ-2,3,5,6- テトラクロロベン
ゼン、1,4-ジヒドロキシ-2,3,5,6- テトラブロモベンゼ
ン、1,4-ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼン、1,4-ビ
ス(ヒドロキシメトキシ)-2,3- ジメチルベンゼン、1,
4-ビス(ヒドロキシメトキシ)-2,3- ジエチルベンゼ
ン、1,4-ビス(ヒドロキシメトキシ)-2,6- ジメチルベ
ンゼン、1,4-ビス(ヒドロキシメトキシ)-2,3,5,6- テ
トラメチルベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-2,3
- ジメチルベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキ
シ)-2,3- ジエチルベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシ
エトキシ)-2,6- ジメチルベンゼン、1,4-ビス(2-ヒド
ロキシエトキシ)-2,3,5,6- テトラメチルベンゼン、1,
4-ビス(3-ヒドロキシプロポキシ)ベンゼン、1,4-ビス
(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3- ジメチルベンゼン、
1,4-ビス(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3- ジエチルベ
ンゼン、1,4-ビス(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,6- ジ
メチルベンゼン、1,4-ビス(3-ヒドロキシプロポキシ)
-2,3,5,6- テトラメチルベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロ
キシブトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシブト
キシ)-2,3- ジメチルベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキ
シブトキシ)-2,3-ジエチルベンゼン、1,4-ビス(4-ヒ
ドロキシブトキシ)-2,6- ジメチルベンゼン、1,4-ビス
(4-ヒドロキシブトキシ)-2,3,5,6- テトラメチルベン
ゼン、1,4-ビス(5-ヒドロキシペンチロキシ)ベンゼ
ン、1,4-ビス(5-ヒドロキシペンチロキシ)-2,3- ジメ
チルベンゼン、1,4-ビス(5-ヒドロキシペンチロキシ)
-2,3- ジエチルベンゼン、1,4-ビス(5-ヒドロキシペン
チロキシ)-2,6- ジメチルベンゼン、1,4-ビス(5-ヒド
ロキシペンチロキシ)-2,3,5,6- テトラメチルベンゼ
ン、1,4-ビス(6-ヒドロキシヘキシロキシ)ベンゼン、
1,4-ビス(7-ヒドロキシヘプチロキシ)ベンゼン、1,4-
ビス(8-ヒドロキシオクチロキシ)ベンゼン、1,4-ビス
(9-ヒドロキシノニロキシ)ベンゼン、1,4-ビス(10-
ヒドロキシデシロキシ)ベンゼン、1,4-ビス(11- ヒド
ロキシウンデシロキシ)ベンゼン、1,4-ビス(12- ヒド
ロキシドデシロキシ)ベンゼン、1,4-ビス(ヒドロキシ
メトキシ)-2,3,5,6- テトラクロロベンゼン、1,4-ビス
(ヒドロキシメトキシ)-2,3,5,6- テトラブロモベンゼ
ン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-2,3,5,6- テト
ラクロロベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)
-2,3,5,6- テトラブロモベンゼン、4,4'- ビス(ヒドロ
キシメチル)ビフェニル、4,4'- ビス(ヒドロキシメチ
ル)-3,3'-ジメチルビフェニル、4,4'- ビス(ヒドロキ
シメチル)-3,3'-ジエチルビフェニル、4,4'- ビス(ヒ
ドロキシメチル)-3,3',5,5'- テトラメチルビフェニ
ル、4,4'- ビス(2-ヒドロキシエチル)ビフェニル、4,
4'- ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,3'-ジメチルビフェ
ニル、4,4'- ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,3'-ジエチ
ルビフェニル、4,4'- ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,
3',5,5'- テトラメチルビフェニル、4,4'- ビス(3-ヒ
ドロキシプロピル)ビフェニル、4,4'- ビス(3-ヒドロ
キシプロピル)-3,3'-ジメチルビフェニル、4,4'- ビス
(3-ヒドロキシプロピル)-3,3'-ジエチルビフェニル、
4,4'- ビス(3-ヒドロキシプロピル)-3,3',5,5'- テト
ラメチルビフェニル、4,4'- ビス(4-ヒドロキシブチ
ル)ビフェニル、4,4'- ビス(4-ヒドロキシブチル)-
3,3'-ジメチルビフェニル、4,4'- ビス(4-ヒドロキシ
ブチル)-3,3'-ジエチルビフェニル、4,4'- ビス(4-ヒ
ドロキシブチル)-3,3',5,5'- テトラメチルビフェニ
ル、4,4'- ビス(5-ヒドロキシペンチル)ビフェニル、
4,4'- ビス(5-ヒドロキシペンチル)-3,3'-ジメチルビ
フェニル、4,4'- ビス(5-ヒドロキシペンチル)-3,3'-
ジエチルビフェニル、4,4'- ビス(5-ヒドロキシペンチ
ル)-3,3',5,5'- テトラメチルビフェニル、4,4'- ビス
(6-ヒドロキシヘキシル)ビフェニル、4,4'- ビス(7-
ヒドロキシヘプチル)ビフェニル、4,4'- ビス(8-ヒド
ロキシオクチル)ビフェニル、4,4'- ビス(9-ヒドロキ
シノニル)ビフェニル、4,4'- ビス(10- ヒドロキシデ
シル)ビフェニル、4,4'- ビス(11- ヒドロキシウンデ
シル)ビフェニル、4,4'- ビス(12- ヒドロキシドデシ
ル)ビフェニル、2,2'- ビス(ヒドロキシメチル)ビフ
ェニル、2,2'- ビス(2-ヒドロキシエチル)ビフェニ
ル、2,2'- ビス(3-ヒドロキシプロピル)ビフェニル、
2,2'- ビス(4-ヒドロキシブチル)ビフェニル、2,2'-
ビス(5-ヒドロキシペンチル)ビフェニル、2,2'- ビス
(6-ヒドロキシヘキシル)ビフェニル、2,2'- ビス(7-
ヒドロキシヘプチル)ビフェニル、2,2'- ビス(8-ヒド
ロキシオクチル)ビフェニル、2,2'- ビス(9-ヒドロキ
シノニル)ビフェニル、2,2'- ビス(10- ヒドロキシデ
シル)ビフェニル、2,2'- ビス(11- ヒドロキシウンデ
シル)ビフェニル、2,2'- ビス(12- ヒドロキシドデシ
ル)ビフェニル、4,4'- ビフェノール、4,4'- ジヒドロ
キシ-3,3'-ジメチルビフェニル、4,4’− ジヒドロ
キシ-3,3'-ジエチルビフェニル、4,4'- ジヒドロキシ-
3,3',5,5'- テトラメチルビフェニル、2,2'- ビフェノ
ール、4,4'- ビス(ヒドロキシメトキシ)ビフェニル、
4,4'- ビス(ヒドロキシメトキシ)-3,3'-ジメチルビフ
ェニル、4,4'- ビス(ヒドロキシメトキシ)-3,3'-ジエ
チルビフェニル、4,4'- ビス(ヒドロキシメトキシ)-
3,3',5,5'- テトラメチルビフェニル、4,4'- ビス(2
−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、4,4'- ビス(2-ヒ
ドロキシエトキシ)-3,3'-ジメチルビフェニル、4,4'-
ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-3,3'-ジエチルビフェニ
ル、4,4'- ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-3,3',5,5'-
テトラメチルビフェニル、4,4'- ビス(3-ヒドロキシプ
ロポキシ)ビフェニル、4,4'- ビス(3-ヒドロキシプロ
ポキシ)-3,3'-ジメチルビフェニル、4,4'- ビス(3-ヒ
ドロキシプロポキシ)-3,3'-ジエチルビフェニル、4,4'
- ビス(3-ヒドロキシプロポキシ)-3,3',5,5'- テトラ
メチルビフェニル、4,4'- ビス(4-ヒドロキシブトキ
シ)ビフェニル、4,4'- ビス(4-ヒドロキシブトキシ)
-3,3'-ジメチルビフェニル、4,4'- ビス(4-ヒドロキシ
ブトキシ)-3,3'-ジエチルビフェニル、4,4'- ビス(4-
ヒドロキシブトキシ)-3,3',5,5'- テトラメチルビフェ
ニル、4,4'- ビス(5-ヒドロキシペンチロキシ)ビフェ
ニル、4,4'- ビス(5-ヒドロキシペンチロキシ)-3,3'-
ジメチルビフェニル、4,4'- ビス(5-ヒドロキシペンチ
ロキシ)-3,3'-ジエチルビフェニル、4,4'- ビス(5-ヒ
ドロキシペンチロキシ)-3,3',5,5'- テトラメチルビフ
ェニル、4,4'- ビス(6-ヒドロキシヘキシロキシ)ビフ
ェニル、4,4'- ビス(7-ヒドロキシヘプチロキシ)ビフ
ェニル、4,4'- ビス(8-ヒドロキシオクチロキシ)ビフ
ェニル、4,4'- ビス(9-ヒドロキシノニロキシ)ビフェ
ニル、4,4'- ビス(10- ヒドロキシデシロキシ)ビフェ
ニル、4,4'- ビス(11- ヒドロキシウンデシロキシ)ビ
フェニル、4,4'- ビス(12- ヒドロキシドデシロキシ)
ビフェニル、2,2'- ビフェノール、2,2'- ビス(ヒドロ
キシメトキシ)ビフェニル、2,2'- ビス(2-ヒドロキシ
エトキシ)ビフェニル、2,2'- ビス(3-ヒドロキシプロ
ポキシ)ビフェニル、2,2'- ビス(4-ヒドロキシブトキ
シ)ビフェニル、2,2'- ビス(5-ヒドロキシペンチロキ
シ)ビフェニル、2,2'- ビス(6-ヒドロキシヘキシロキ
シ)ビフェニル、2,2'- ビス(7-ヒドロキシヘプチロキ
シ)ビフェニル、2,2'- ビス(8-ヒドロキシオクチロキ
シ)ビフェニル、2,2'- ビス(9-ヒドロキシノニロキ
シ)ビフェニル、2,2'- ビス(10- ヒドロキシデシロキ
シ)ビフェニル、2,2'- ビス(11- ヒドロキシウンデシ
ロキシ)ビフェニル、2,2'-ビス(12- ヒドロキシドデ
シロキシ)ビフェニル、1,2-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)ベンゼン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ベン
ゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ベンゼン、4,
4'- ビス(4-ヒドロキシフェニル)ビフェニル、2,2'-
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ビフェニル、4,4''-ビス
(2-ヒドロキシエトキシ)-1,1';4',1''- ターフェニル
等が挙げられる。これらの芳香族グリコールは必ずしも
1種類で用いる必要はなく、複数種混合して使用するこ
ともできる。
【0017】さらに、共重合ポリエステル樹脂には、上
記した成分の他に、本発明の特性を損なわない範囲で、
トリメリット酸やピロメリット酸等の三価以上のカルボ
ン酸、又はそれらの無水物、ジアルキルエステル、ジフ
ェニルエステル等の多価カルボン酸誘導体、トリメチロ
ールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の
多価アルコール、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラク
トン等のラクトン、p−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロ
キシカルボン酸が共重合されていてもよい。
【0018】本発明の共重合ポリエステル樹脂は、式
〜で示されるいずれかの構造を有する芳香族グリコー
ル成分が、全グリコール成分に対して5〜95モル%の範
囲にあることが必要であり、10〜50モル%の範囲にある
ことが好ましい。この芳香族グリコール成分の割合が5
モル%未満であると、被膜の耐摩耗性が低下するので好
ましくない。一方、芳香族グリコール成分の割合が95モ
ル%を超えると、汎用の有機溶剤に対する溶解性が低下
するだけでなく、共重合ポリエステル樹脂と有機溶剤よ
りなる塗工液の保存安定性に問題が生じるので好ましく
ない。
【0019】本発明の共重合ポリエステル樹脂の分子量
は特に限定されないが、粘度測定溶媒にフェノールと1,
1,2,2-テトラクロロエタンの混合溶媒(体積比 1/1)を
用い、25℃における1g/dl溶液のインヘレント粘度が
0.5以上であることが好ましい。このインヘレント粘度
が 0.5未満であると、被膜の耐摩耗性が低下するので好
ましくない。
【0020】本発明の共重合ポリエステル樹脂は、上記
した1種類以上のグリコール成分、1種類以上のジカル
ボン酸成分及び式〜で示されるいずれかの構造を有
する芳香族グリコール成分を用い、常圧下、温度 200〜
240 ℃で3〜5時間直接エステル化法又はエステル交換
反応を行った後、従来公知の触媒の存在下で、5 hPa以
下の減圧下、220 〜280 ℃の温度で3〜8時間の範囲で
溶融重縮合を行って製造することができる。
【0021】この際、共重合ポリエステル樹脂の分子量
を調節する方法としては、重合時のポリエステル溶融物
の粘度の適当なところで重合を止める方法や、一旦分子
量の高いポリエステルを製造したのち解重合剤(酸又は
アルコール)を添加する方法、さらに1官能のアルコー
ルやカルボン酸を予め添加する方法等が挙げられる。本
発明の共重合ポリエステル樹脂は、前記のいかなる方法
によって分子量を調節してもよいが、重合時のポリエス
テル溶融物の粘度、すなわち撹拌機のトルクで制御する
方法が好適に用いられる。また特定の官能基を増やした
い場合には、一定粘度までポリエステル樹脂の分子量を
増大後、増やしたい官能基を持っている低分子物質にて
解重合する方法が好ましい。
【0022】上記の共重合ポリエステル樹脂を製造する
際に使用する触媒としては、従来公知の金属化合物を用
いることができる。具体的には、酸化リチウム、リチウ
ムメチラート、リチウムエチラート、リチウムグリコレ
ート、酢酸リチウム、ナトリウムメチラート、ナトリウ
ムエチラート、ナトリウムグリコレート、ギ酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属化
合物、酸化亜鉛、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜
鉛、ホウ酸亜鉛、亜鉛グリコレート、安息香酸亜鉛、カ
プロン酸亜鉛、酪酸亜鉛、吉草酸亜鉛、亜アンチモン酸
亜鉛、亜ゲルマン酸亜鉛、ゲルマン酸亜鉛等の亜鉛化合
物、酢酸マンガン、クエン酸マンガン、ホウ酸マンガ
ン、マンガングリコレート、亜アンチモン酸マンガン等
のマンガン化合物、ギ酸コバルト、塩化コバルト、酢酸
コバルト、プロピオン酸コバルト、ヒドロキシ安息香酸
コバルト等のコバルト化合物、安息香酸カルシウム、酢
酸カルシウム、マロン酸カルシウム、アジピン酸カルシ
ウム、酢酸ストリンチウム、酢酸バリウム、酢酸マグネ
シウム等のアルカリ土類金属化合物、チタンイソプロポ
キシド、チタンブトキシド、シュウ酸チタニルアンモニ
ウム、シュウ酸チタニルカリウム、シュウ酸チタニルス
トロンチウム、酒石酸チタニルカリウム、酒石酸チタニ
ルアンモニウム、チタングリコレート、テトラブチルチ
タネート、チタンアセチルアセテート等のチタン化合
物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン
グリコレート、アンチモンアルコラート、酢酸アンチモ
ン、アンチモンフェノレート等のアンチモン化合物、ゲ
ルマニウムアルコレート、ゲルマニウムフェノレート、
ゲルマン酸カリウム、ゲルマン酸ナトリウム、ゲルマン
酸カルシウム、ゲルマン酸カリウム、ゲルマン酸タリウ
ム、二酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、ジメ
チルスズマレエート、ジブチルスズオキサイド、ヒドロ
キシブチルスズオキサイド、モノブチルスズトリス(2-
エチルヘキサノエート)等のスズ化合物等が挙げられ、
これらの中では三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、テトラブ
チルチタネート、二酸化ゲルマニウムが好適に用いられ
る。また、これらの触媒は、単独で用いることもできる
が、複数混合して使用することもできる。
【0023】本発明の被膜形成用共重合ポリエステル樹
脂は、汎用の有機溶剤に対して高い溶解性を有している
ので、容易に塗工液とすることができる。塗工液とする
ときに用いる有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族系の溶剤、塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テト
ラクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼ
ン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン等の
塩素系の溶剤、酢酸エチル、イソホロン、γ−ブチロラ
クトン等のエステル系の溶剤、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン系の溶剤、ジエチルエーテル、ブチルセルソル
ブ、エチルセルソルブ、テトラヒドロフラン、1,4-ジオ
キサン等のエーテル系の溶剤、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の
アルコール系の溶剤、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素系の溶
剤、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水
素系の溶剤等が挙げられる。これらは単独で使用するこ
ともできるが、複数種混合して使用することもできる。
【0024】塗工液には、必要に応じて各種添加剤を含
有させ、基材上に塗工し、溶剤を除去して被膜を形成さ
せ、被覆物としてあるいはこれを剥離してフィルムとし
て用いることができる。塗工液とする際には、少なくと
も樹脂を10重量%程度の濃度、好ましくは15〜50重量%
程度の濃度で完溶させることが好ましい。10重量%未満
の濃度では塗工性が低下したり、塗工した際に膜厚が不
均一になったりすることがある。
【0025】本発明のポリエステル樹脂には、その特性
を損なわない範囲で、ヒンダードフェノール系、ヒンダ
ードアミン系、リン系、チオエーテル系等の各種酸化防
止剤を添加することができる。また、各種性能を付与す
るために、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケ
ッチェンブラック、金属粉等の導電性フィラーや、シリ
カ、タルク等の各種フィラーを含有させることができ
る。また、難燃性を付与するために、ハロゲン系、リン
系、アンチモン系、メラミンシアヌレート系等の各種難
燃剤を含有させることもできる。
【0026】さらに、被膜としたときの耐摩耗性や接着
性を向上させるために、塗工液にエポキシ樹脂、イソシ
アネート樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の硬化
剤を含有させ、被膜形成後の後工程で本発明の共重合ポ
リエステル樹脂を硬化させることも可能である。
【0027】本発明の共重合ポリエステル樹脂は、バイ
ンダー用樹脂、フィルム用樹脂、接着剤用樹脂、コーテ
ィング用樹脂、塗料用樹脂等として用いられ、前記のよ
うな塗工液として流延法により、あるいは溶融押し出し
法又はカレンダー法等により、被覆物やフィルムを製造
することができ、モーター、変圧器、発電器等の電気機
器の絶縁材料、電線の被覆材料、フラットケーブル、コ
ンデンサー等の誘電体フィルム材料として用いられ、さ
らには液晶の表示板や各種基板等への応用が可能であ
り、電気・電子材料分野へ広く応用することができる。
さらに、機械分野、食品分野、建築分野、自動車分野の
接着剤、具体的には、PCM塗料、建材、ふすま、食品
や医薬品等の包装材の接着剤用樹脂として好適に利用す
ることができる。
【0028】
【実施例】次に、実施例及び比較例によって本発明を具
体的に説明する。なお、実施例及び比較例において、共
重合ポリエステル樹脂の特性値、塗工液の保存安定性及
びフィルム物性の評価は、以下に示す方法で測定した。
【0029】(a)インヘレント粘度 フェノールと1,1,2,2-テトラクロロエタンの混合溶媒
(体積比 1/1)を用い、温度25℃、濃度1g/dlの条件で
測定した。 (b) 共重合ポリエステル樹脂の組成(mol比)1 NMR装置(日本電子社製、Lamdba 300WB)を用い
て、各成分の mol比を求めた。 (c)塗工液の保存安定性 塗工液を25℃で1ヶ月間放置した後の溶液の状態を目視
にて評価した。 (d) 耐摩耗性 塗工液を用いて、厚み 100μmのキャストフィルムを作
成した。このフィルムについて、テーバー摩耗試験機
(摩耗輪CS-10F)を用い、荷重 250gで10,000サイクル
試験後の重量減少を測定し、耐摩耗性の指標とした。 (e) 誘電率 塗工液を用いて、厚み50μmのキャストフィルムを作成
した。このフィルムを試験片として、ASTM D-150に従っ
て1MHz で測定した。 (f) 絶縁破壊電圧 (e) と同じ厚みのキャストフィルムを用いて、ASTM D-1
49に従って測定した。
【0030】実施例1 テレフタル酸83.0g、イソフタル酸83.0g、1,4-ビス
(ヒドロキシメチル)ベンゼン41.4g、ネオペンチルグ
リコール57.2g及びエチレングリコール34.1gを反応器
に仕込み、系内を窒素に置換した後、30 rpmで撹拌しな
がら反応器を 240℃に加熱して内容物を溶融させ、反応
器内温度が 240℃に到達してから4時間エステル化反応
を行った。次いで、触媒として酢酸亜鉛の2重量%エチ
レングリコール溶液 4.4gを反応器に仕込み、系内の温
度を 280℃に上昇させながら0.5hPaに減圧し、280 ℃で
6時間重縮合反応を行なった。重縮合反応が終了した時
点で、系内に窒素を封入しながら常圧に戻し、溶融状態
のままシート状に払い出し、冷却、固化、粉砕すること
により、共重合ポリエステル樹脂を得た。次に、この共
重合ポリエステル樹脂を、トルエン/メチルエチルケト
ンの混合溶媒(体積比 1/1)もしくは塩化メチレンに、
樹脂濃度が15重量%となるように溶解し、塗工液を調製
した。この塗工液を用いて厚み50μmと 100μmのキャ
ストフィルムを作成し、各種の評価試験を行った。
【0031】実施例2 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン69.0
g、ネオペンチルグリコール52.1g及びエチレングリコ
ール34.1gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で
共重合ポリエステル樹脂を得た。また、実施例1と同様
にして塗工液を調製し、この塗工液を用いて厚み50μm
と 100μmのキャストフィルムを作成し、各種の評価試
験を行った。
【0032】実施例3 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン96.6
g、ネオペンチルグリコール31.2g及びエチレングリコ
ール31.0gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で
共重合ポリエステル樹脂を得た。また、実施例1と同様
にして塗工液を調製し、この塗工液を用いて厚み50μm
と 100μmのキャストフィルムを作成し、各種の評価試
験を行った。
【0033】実施例4 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g、1,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)ベンゼン49.8
g、ネオペンチルグリコール57.2g及びエチレングリコ
ール34.1gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で
共重合ポリエステル樹脂を得た。また、実施例1と同様
にして塗工液を調製し、この塗工液を用いて厚み50μm
と 100μmのキャストフィルムを作成し、各種の評価試
験を行った。
【0034】実施例5 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g、1,4-ビス(4-ヒドロキシブチル)ベンゼン66.0
g、ネオペンチルグリコール57.2g及びエチレングリコ
ール34.1gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で
共重合ポリエステル樹脂を得た。また、実施例1と同様
にして塗工液を調製し、この塗工液を用いて厚み50μm
と 100μmのキャストフィルムを作成し、各種の評価試
験を行った。
【0035】実施例6 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g、1,4-ビス(10-ヒドロキシデシル)ベンゼン 11
7.0g、ネオペンチルグリコール57.2g及びエチレング
リコール34.1gに変更した以外は、実施例1と同様の方
法で共重合ポリエステル樹脂を得た。また、実施例1と
同様にして塗工液を調製し、この塗工液を用いて厚み50
μmと 100μmのキャストフィルムを作成し、各種の評
価試験を行った。
【0036】実施例7 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン59.
4g、ネオペンチルグリコール57.2g及びエチレングリ
コール34.1gに変更した以外は、実施例1と同様の方法
で共重合ポリエステル樹脂を得た。また、実施例1と同
様にして塗工液を調製し、この塗工液を用いて厚み50μ
mと 100μmのキャストフィルムを作成し、各種の評価
試験を行った。
【0037】実施例8 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g、1,4-ビス(4-ヒドロキシブトキシ)ベンゼン75.
6g、ネオペンチルグリコール57.2g及びエチレングリ
コール34.1gに変更した以外は、実施例1と同様の方法
で共重合ポリエステル樹脂を得た。また、実施例1と同
様にして塗工液を調製し、この塗工液を用いて厚み50μ
mと 100μmのキャストフィルムを作成し、各種の評価
試験を行った。
【0038】実施例9 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g、4,4'- ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ビフェニ
ル82.2g、ネオペンチルグリコール57.2g及びエチレン
グリコール34.1gに変更した以外は、実施例1と同様の
方法で共重合ポリエステル樹脂を得た。また、実施例1
と同様にして塗工液を調製し、この塗工液を用いて厚み
50μmと 100μmのキャストフィルムを作成し、各種の
評価試験を行った。
【0039】実施例10 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g、4,4'- ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ビフェニ
ル 137.0g、ネオペンチルグリコール52.1g及びエチレ
ングリコール34.1gに変更した以外は、実施例1と同様
の方法で共重合ポリエステル樹脂を得た。また、実施例
1と同様にして塗工液を調製し、この塗工液を用いて厚
み50μmと 100μmのキャストフィルムを作成し、各種
の評価試験を行った。
【0040】実施例11 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g、4,4'- ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ビフェニ
ル 191.8g、ネオペンチルグリコール31.2g及びエチレ
ングリコール31.0gに変更した以外は、実施例1と同様
の方法で共重合ポリエステル樹脂を得た。また、実施例
1と同様にして塗工液を調製し、この塗工液を用いて厚
み50μmと 100μmのキャストフィルムを作成し、各種
の評価試験を行った。
【0041】実施例12 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g、4,4''-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-1,1';4',
1''- ターフェニル 104.4g、ネオペンチルグリコール5
2.1g及びエチレングリコール34.1gに変更した以外
は、実施例1と同様の方法で共重合ポリエステル樹脂を
得た。また、実施例1と同様にして塗工液を調製し、こ
の塗工液を用いて厚み50μmと 100μmのキャストフィ
ルムを作成し、各種の評価試験を行った。
【0042】比較例1 ビスフェノールAとホスゲンから得られるポリカーボネ
ート(帝人化成社製、パンライト)を使用し、実施例1
と同様にして塗工液を調製したが、トルエン/メチルエ
チルケトンの混合溶媒には不溶であった。そこで、塩化
メチレンを用いて塗工液を調製し、厚み50μmと 100μ
mのキャストフィルムを作成し、各種の評価試験を行っ
た。
【0043】比較例2 PETの溶融押し出しフィルム(厚み50μm、 100μ
m)をそのまま測定試料とした。
【0044】比較例3 攪拌装置を備えた反応容器中に、2,2-ビス(3-メチル-4
- ヒドロキシフェニル)プロパン 100g、p-tert- ブチ
ルフェノール1.17g、水酸化ナトリウム41.1g及び重合
触媒であるトリ-n- ブチルベンジルアンモニウムクロラ
イド0.82gを仕込み、水2720gに溶解した(水相)。こ
れとは別に塩化メチレン2020gに、テレフタル酸クロラ
イド/イソフタル酸クロライド=1/1混合物80.0gを
溶解した(有機相)。この有機相を先に調製した水相中
に強攪拌下で添加し、20℃で3時間重合反応を行った。
この後、酢酸を15g添加して反応を停止し、水相と有機
相とを分離した。1回の洗浄に対し有機相の2倍容のイ
オン交換水で洗浄と分離を繰り返した。さらに50℃でホ
モミキサーを装着した温水中に洗浄後の有機相を投入し
て塩化メチレンを蒸発させ、粉末状の樹脂を得た。この
後、脱水・乾燥してポリアリレート樹脂を得た。また、
実施例1と同様にして塗工液を調製し、この塗工液を用
いて厚み50μmと 100μmのキャストフィルムを作成
し、各種の評価試験を行った。
【0045】比較例4 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g、ネオペンチルグリコール60.4g及びエチレング
リコール47.7gに変更した以外は、実施例1と同様の方
法で共重合ポリエステル樹脂を得た。また、実施例1と
同様にして塗工液を調製し、この塗工液を用いて厚み50
μmと 100μmのキャストフィルムを作成し、各種の評
価試験を行った。
【0046】比較例5 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g及び1,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン 138.
0g及びエチレングリコール24.0gに変更した以外は、
実施例1と同様の方法で共重合ポリエステル樹脂を得
た。また、実施例1と同様にして塗工液を調製しようと
したが、トルエン/メチルエチルケトンの混合溶媒、塩
化メチレンのいずれにも不溶であったため、キャストフ
ィルムを作成できなかった。
【0047】比較例6 原料の仕込みを、テレフタル酸83.0g、イソフタル酸8
3.0g及び 4,4'-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ビフェ
ニル 274.0g及びエチレングリコール24.0gに変更した
以外は、実施例1と同様の方法で共重合ポリエステル樹
脂を得た。また、実施例1と同様にして塗工液を調製し
ようとしたが、トルエン/メチルエチルケトンの混合溶
媒、塩化メチレンのいずれにも不溶であったため、キャ
ストフィルムを作成できなかった。
【0048】実施例1〜12及び比較例1〜6における
共重合ポリエステル樹脂の特性値、塗工液の保存安定性
及びフィルム物性の評価結果を表1にまとめて示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明の共重合ポリエステル樹脂は、特
定の芳香族グリコール構造単位を分子内に含み、電気特
性と耐摩耗性に優れたものであり、汎用の有機溶剤に可
溶で保存安定性に優れた塗工液とすることができる。従
って、これを汎用の有機溶剤に溶解して塗工液とし、基
板上に塗工後、溶媒を留去して被膜を形成させることが
できる。この被膜は、被服物、コーティング物、被膜を
剥離しフィルムとして、各種電気電子分野の材料とし
て、接着剤、塗料として応用が可能である。
フロントページの続き (72)発明者 高木 伸哉 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内 Fターム(参考) 4J029 AA03 AC02 AE11 BA02 BA03 BA08 BA09 BA10 BB05A BB06A BB18 BF20 BG04X BG06X BG07X BG08X BG09X CA02 CA03 CA04 CA06 CB06A CB10A CC06A CD03 HA01 HB01 4J038 DD051 DD121 KA06 MA07 MA09 NA21 PB04 PB05 PB06 PB09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種類以上のグリコール成分と1種類以
    上のジカルボン酸成分とからなる共重合ポリエステル樹
    脂であって、下記式〜 【化1】 〔式中、nは1〜4の整数を表す。R1〜R4は水素原子、
    ハロゲン原子、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基もしく
    は脂環式炭化水素基を表し、R5、R6は炭素数1〜12の脂
    肪族アルキレン基を表す。〕で示されるいずれかの構造
    を有する芳香族グリコール成分が、全グリコール成分に
    対して5〜95モル%の範囲にあることを特徴とする被膜
    形成用共重合ポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の被膜形成用共重合ポリエ
    ステル樹脂とこの樹脂を溶解する有機溶剤とよりなるこ
    とを特徴とする塗工液。
JP11002838A 1999-01-08 1999-01-08 被膜形成用共重合ポリエステル樹脂、並びにそれから得られる塗工液 Pending JP2000204315A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013023622A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Teijin Dupont Films Japan Ltd 芳香族ポリエステルの樹脂組成物および配向ポリエステルフィルム

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