JP2000204159A - 硬化性組成物及び塗料 - Google Patents

硬化性組成物及び塗料

Info

Publication number
JP2000204159A
JP2000204159A JP11319576A JP31957699A JP2000204159A JP 2000204159 A JP2000204159 A JP 2000204159A JP 11319576 A JP11319576 A JP 11319576A JP 31957699 A JP31957699 A JP 31957699A JP 2000204159 A JP2000204159 A JP 2000204159A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
oxathiolane
curable composition
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11319576A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Urano
哲 浦野
Takashi Nakada
崇 仲田
Yoji Hirasawa
洋治 平沢
Motoki Fujii
基樹 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP11319576A priority Critical patent/JP2000204159A/ja
Publication of JP2000204159A publication Critical patent/JP2000204159A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温環境下でも硬化性に優れ、かつ、可使時
間の長い二液型塗料及び一液型塗料を実現することがで
きる硬化性組成物を提供する。 【解決手段】 分子中に式(1)で表される1,3−オ
キサチオラン−2−チオン基を2個以上含有する化合
物、及び、アミン化合物からなる硬化性組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温、例えば、5
℃以下でも硬化性に優れた硬化性組成物並びに二液型及
び一液型塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂系塗料、ポリウレタン系塗
料等は、コンクリート構造物等の塗装に広く使用されて
いる。また、エポキシ樹脂は、接着力に優れるため、シ
ール材、接着剤等の分野にも広く適用されている。
【0003】しかしながら、通常使用されているエポキ
シ樹脂系塗料は、エポキシ基とアミンとの反応が5℃以
下の低温では非常に遅く、0℃以下ではほとんど反応が
進行せず低温硬化性が極めて悪いので、低温環境下での
使用は困難である。また、エポキシ樹脂系塗料のほとん
どは、主剤と副剤とからなる二液型であり、混合後直ち
に硬化反応が開始するため、二液を混合後に使用可能な
時間(可使時間)が極めて短く、作業性に問題があっ
た。
【0004】一方、特開平7−145164号公報、特
開平7−62190号公報には、ジチオカーボネート誘
導体を用いてアミノ基、イミノ基等の活性水素含有官能
基を有する重合体を架橋する技術が開示されている。ま
た、特開平8−302010号公報、特開平8−302
012号公報、特開平8−302013号公報には、2
官能性ジチオカーボネート誘導体と2官能性のジアミン
との反応系が開示されている。これらの反応系は、比較
的低温でも反応性を発揮し、架橋系を構築した場合、従
来のものに比べて低い温度での架橋反応性が優れてい
る。しかしながら、この架橋系そのものは、反応性が高
いだけに、可使時間の問題や作業性の問題が一層深刻で
あり、また、一液型塗料に応用することはできない。
【0005】特開平9−59324号公報には、5員環
チオカーボネート基を少なくとも1つ含有するコポリマ
ーと、低分子カルボニル化合物で保護されたアミノ基を
有する化合物とからなる樹脂組成物が開示されている。
WO98/24849には、5員環チオカーボネート基
を少なくとも1つ含有する重合体又は化合物と、ケチミ
ン誘導体、エナミン誘導体又はアルジミン誘導体とから
なる組成物が開示されている。これらは、貯蔵安定性に
優れるものであるため、塗料等の用途に使用する場合、
一液型として使用することができるものであるが、低温
環境下における硬化性や硬化後の塗膜物性については満
足できるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、低温環境下でも硬化性に優れ、かつ、可使時間の長
い二液型塗料及び一液型塗料を実現することができる硬
化性組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、分子中に式
(1)で表される1,3−オキサチオラン−2−チオン
基を2個以上含有する化合物、及び、アミン化合物から
なる硬化性組成物である。
【0008】
【化8】
【0009】本発明はまた、分子中に上記式(1)で表
される1,3−オキサチオラン−2−チオン基を2個以
上含有する化合物、アミン化合物、並びに、エポキシ
基、ビニル基及びアルキニル基からなる群から選択され
た少なくとも1種の基を2個以上含有する化合物からな
る硬化性組成物でもある。
【0010】本発明は更に、分子中に上記式(1)で表
される1,3−オキサチオラン−2−チオン基を2個以
上含有する化合物、及び、アミン化合物からなる二液型
塗料又は一液型塗料でもある。
【0011】本発明は更にまた、分子中に上記式(1)
で表される1,3−オキサチオラン−2−チオン基を2
個以上含有する化合物並びにエポキシ基、ビニル基及び
アルキニル基からなる群から選択された少なくとも1種
の基を2個以上含有する化合物からなる第一の成分、並
びに、アミン化合物からなる第二の成分からなる二液型
塗料である。本発明は、更にまた、分子中に上記式
(1)で表される1,3−オキサチオラン−2−チオン
基を2個以上含有する化合物、アミン化合物、並びに、
エポキシ基、ビニル基及びアルキニル基からなる群から
選択された少なくとも1種の基を2個以上含有する化合
物からなる一液型塗料でもある。以下、本発明を詳細に
説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】上記分子中に1,3−オキサチオ
ラン−2−チオン基を2個以上含有する化合物は、2個
以上の1,3−オキサチオラン−2−チオン基を含む有
機残基が、酸素原子で中断された又は中断されていない
炭素鎖により結合されている化合物である。上記化合物
は、数平均分子量が300〜4000のものが好まし
い。数平均分子量が300未満であるものは、原料とな
る低分子量の多官能エポキシ樹脂の入手が困難であり、
4000を超えるとジチオカーボネート誘導体の溶液の
粘度が高くなりすぎるので好ましくない。より好ましく
は300〜2500である。
【0013】上記1,3−オキサチオラン−2−チオン
基を2個以上含有する化合物としては特に限定されず、
例えば、多価アルコール、多価フェノール等と過剰のエ
ピクロルヒドリン又はアルキレンオキサイドとを反応さ
せて得られるエポキシ樹脂のエポキシ基を、1,3−オ
キサチオラン−2−チオン基に変換して得ることができ
るもの等を好適に使用することができる。
【0014】上記エポキシ樹脂における上記多価アルコ
ールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ブチレングリコール、ヘ
キサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグ
リセロール、ソルビトール等を挙げることができる。
【0015】上記多価フェノールとしては特に限定され
ず、例えば、ビスフェノールA〔2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン〕、ハロゲン化ビスフェノ
ールA、ビスフェノールF〔4,4−ジヒドロキシフェ
ニルメタン〕、ビスフェノールS、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ヘキサフルオロイソプロペニル
ビスフェノール;ビスフェノールAの重合体;トリス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、レゾルシン、テ
トラヒドロキシフェニルエタン、ノボラック型多価フェ
ノール、クレゾール型フェノール等を挙げることができ
る。本発明においては、上記多価アルコール及び多価フ
ェノールのなかでも、下記一般式(4)、(5)又は
(6)
【0016】
【化9】
【0017】(式中、Xは、C(CH32 、CH2
SO2 、O又はC(CF32 で表される2価の基を表
す。R5 は、同一又は異なって、4−ヒドロキシフェニ
ル基を表し、フェニル基の4個の水素原子はそれぞれ置
換されていてもよい。)
【0018】
【化10】
【0019】(式中、Yは、C23 又はC35 で表
される3価の基を表す。R5 は、上記と同じである。)
【0020】
【化11】
【0021】(式中、Zは、C22 又はC34 で表
される4価の基を表す。R5 は、上記と同じである。)
で表される2〜4官能フェノールが好ましい。上記フェ
ニル基の4個の水素原子が置換されていてもよい置換基
としては、炭素数1〜6のアルキル及びハロゲンが挙げ
られる。好ましくは、ハロゲンである。上記Y及びZと
しては、直鎖状又は分岐状であってもよく、R5 が結合
している位置も特に限定されない。
【0022】より好ましくは、ビスフェノールA、ハロ
ゲン化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェ
ノールS、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
ヘキサフルオロイソプロペニルビスフェノール等の上記
一般式(4)で表される化合物である。上記一般式
(4)で表される化合物由来の1,3−オキサチオラン
−2−チオン基含有化合物、即ち、一般式(4)で表さ
れる化合物を過剰のエピクロルヒドリン又はアルキレン
オキサイドとを反応させて得られるエポキシ樹脂のエポ
キシ基を1,3−オキサチオラン−2−チオン基に変換
して得られるものを用いることによって、低温下におけ
る塗装作業性及び硬化性に優れるだけでなく、硬化後の
塗膜硬度、弾性等の塗膜物性に優れた塗膜を得ることが
できる。
【0023】本発明においては、低温環境下で硬化させ
ない場合には、多価アルコール由来の1,3−オキサチ
オラン−2−チオン基含有化合物や、上記一般式
(4)、(5)及び(6)以外の多価フェノール由来の
もの、例えば、ノボラック型多価フェノール由来の1,
3−オキサチオラン−2−チオン基含有化合物も使用す
ることができる。しかしながら、これらは、低温環境下
においては硬化性や塗膜物性に劣る場合があるので、こ
のような環境下で硬化させる場合には、アミノ化合物と
して、ポリエーテルポリアミン又はポリアミドアミンと
カルボニル化合物との反応により得られるものを組み合
わせて使用することが好ましい。
【0024】上記エポキシ樹脂としては、また、1,
2,3−トリス(2,3−エポキシプロポキシ)プロパ
ン、フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタ
ル酸グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸グリシ
ジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル、テトラ
グリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジルイ
ソシアヌレート、ポリアルキレングリコールグリシジル
エーテル等を挙げることができる。更に、N,N−ジグ
リシジルアミノ−1,3−グリシジルフェニルエーテ
ル、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′
−ジアミノジフェニルメタン等の多価グリシジルアミン
系エポキシ樹脂等を挙げることができる。本発明におい
ては、低温下における塗装作業性及び硬化性に優れるだ
けでなく、硬化後の塗膜硬度、弾性等の物性に優れた塗
膜を得ることができる点より、多価グリシジルアミン系
エポキシ樹脂もまた好ましいものである。
【0025】上記分子中に1,3−オキサチオラン−2
−チオン基を2個以上含有する化合物は、上述のエポキ
シ樹脂のエポキシ基を、1,3−オキサチオラン−2−
チオン基に変換して得ることができる。この変換方法は
特に限定されず、例えば、特開平5−247027号公
報に記載されているように、エポキシ基と二硫化炭素と
を非プロトン性極性溶媒中でアルカリ金属等の触媒の存
在下に反応させて実行することができる。
【0026】本発明の硬化性組成物は、アミノ化合物を
含有するものである。上記アミノ化合物としては、一般
式(2)で表される基を有するケチミン化合物、及び、
一般式(3)で表される基を有するエナミン化合物を挙
げることができる。
【0027】
【化12】
【0028】式中、R1 は、水素原子又は1価の飽和若
しくは不飽和の炭化水素基を表す。R 2 は、1価の飽和
又は不飽和の炭化水素基を表す。R3 は、水素原子又は
1価の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を表す。R4
は、2価の飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。
【0029】上記1価の飽和若しくは不飽和の炭化水素
基としては、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基等が挙げられ、直鎖状又は分岐状
のものでもよい。上記R1 及びR2 は同一であっても異
なっていてもよい。上記2価の飽和又は不飽和の炭化水
素基としては、上記1価の飽和若しくは不飽和の炭化水
素基の遊離原子価の出ている炭素原子に結合している水
素原子を1個除いてなる2価の基、例えば、炭素数1〜
10のアルキリデン基、アルケニリデン基、シクロアル
キリデン基等が挙げられ、R3 とR4 は炭素数及び分岐
の有無において同一であっても異なっていてもよい。
【0030】上記一般式(2)において、R1 が水素原
子である場合を一般にアルジミンと称するが、1,3−
オキサチオラン−2−チオン基との反応機構においてか
わるところがないので、本明細書中、ケチミン化合物と
は、この場合をも含めて、上記一般式(2)で表される
基を有する化合物をいうものとする。
【0031】上記ケチミン化合物としては、上記一般式
(2)で示される基を有するものであれば特に限定され
ず、例えば、ポリアミンをケトンでケチミン化して得る
ことができるもの、ビスフェノールAグリシジルエーテ
ル等の多官能エポキシ化合物のエポキシ基にジエチレン
トリアミンとメチルイソブチルケトンとの反応で得られ
るケチミン化合物の2級アミノ基を付加反応させて得ら
れるもの等を好適に使用することができる。上記エナミ
ン化合物としては、上記一般式(3)で示される基を有
するものであれば特に限定されず、上記ケチミン化合物
の互変異性体、2級アミンとケトンとを反応させて得ら
れるもの等を挙げることができる。
【0032】上記ポリアミンとしては、脂肪族のもので
あってもよく、脂環式のものであってもよいが、アミン
当量が、2000以下のものが好ましく、より好ましく
は、30〜1000のものである。上記ポリアミンは、
数平均分子量が5000を超えないものであることが好
ましく、より好ましくは3000を超えないものであ
る。
【0033】上記ポリアミンとしては、例えば、エチレ
ンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン;ポリオキシエチレンジアミン
等のポリエーテルジアミン;メチルペンタメチレンジア
ミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリ
メチルヘキサメチレンジアミン等の分枝鎖ポリメチレン
ジアミン;イミノビスプロピルアミン、トリ(アミノメ
チル)ヘキサン、メチルイミノビスプロピルアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタ
エチレンヘキサミン等の脂肪族ポリアミン;イソホロン
ジアミン、シクロヘキシルプロピルアミン、ノルボルナ
ンジアミン(NBDA)、1,2−ジアミノシクロヘキ
サン、パラアミノジシクロヘキシルアミン、ポリ(シク
ロヘキシル−芳香族)ポリアミン、メンセンジアミン、
ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタ
ン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビ
ス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ(5,5)ウンデカン等の脂環式ポリアミン
等を挙げることができる。上記ポリアミンは、末端に1
級アミノ基が残るように多官能エポキシ化合物や多官能
アクリレート化合物との反応で鎖延長されたものであっ
てもよい。その他、分子末端に少なくとも1個の1級ア
ミノ基を有するポリアミドであってもよい。
【0034】上記ポリアミンとしては、更に、ジェファ
ーミン(テキサコケミカル社製)等の分子量200〜1
0000、好ましくは200〜2000の多官能ポリエ
ーテルポリアミン;ポリアミドアミン等を挙げることが
できるが、これらは、低温下における塗装作業性及び硬
化性に優れるだけでなく、硬化後の塗膜硬度、弾性等の
物性に優れた塗膜を得ることができる点より、本発明に
おいて好ましいものである。より好ましくは、多官能ポ
リエーテルポリアミン、及び、ビスフェノールA骨格を
有するものであってエポキシ付加を行うことにより得ら
れる多官能変性ポリアミドアミンである。上記多官能変
性ポリアミドアミンとしては、1級アミンと2級アミン
とが混合しているものを使用することもできる。
【0035】上記ビスフェノールA骨格を有するもので
あってエポキシ付加を行うことにより得られる多官能変
性ポリアミドアミンは、ビスフェノールA骨格を有する
エポキシ樹脂をエチレンジアミン等の多官能アミンと反
応させ、カルボン酸等の酸基を有する多官能飽和脂肪酸
で重合させることによって得られるものである。サンマ
イド(三和化学社製)等の市販品を利用することもでき
る。
【0036】本発明においては、N,N−ジメチルジア
ミノプロパン、N,N−ジメチルジアミノブタン、N,
N−ジメチルジアミノヘキサン、トリスアミノエチルア
ミン等の2級脂肪族アミンも挙げることができる。1級
アミンと2級アミンは、混合して用いることもできる
が、単独で用いる場合には、1級アミンは、2級アミン
よりも反応速度が速い点で好ましい。本発明において、
上記ポリアミンとして、分子中にアミノ基を少なくとも
2個含むもの、すなわち、ケトンと反応してケチミン化
又はエナミン化しうるアミノ基を少なくとも2個含むも
のであることが好ましい。
【0037】上記ケトンとしては特に限定されず、例え
ば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ア
セトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチ
ルアミルケトン等の、分岐した置換基を有していてもよ
い脂肪族又は脂環族ケトン等を挙げることができる。
【0038】本発明においては、上記アミン化合物とし
ては、更に、上記ポリアミンをアセトアルデヒド、ベン
ズアルデヒド等のアルデヒドでアルジミン化して得るこ
とができるものであってもよい。
【0039】上記ポリアミンと上記ケトン又はアルデヒ
ドとの反応は、公知の方法で行うことができる。その
際、ケトン又はアルデヒドが、実質的に、ポリアミン中
に含まれるアミノ基の全てと反応するような反応条件及
び添加量比であることが好ましい。従って、本発明にお
いては、上記アミン化合物は、上記一般式(2)又は一
般式(3)で表される基等を、使用するポリアミンに応
じて、例えば、2〜6個等を含むことができる。
【0040】上記反応の際には、反応を容易に進行させ
るために、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン等の水に難溶性でかつ立体障害の小さいケトンを使用
するか、又は、水溶液のポリアミンの場合には、脱水剤
を使用して反応させることが好ましい。
【0041】本発明の組成物においては、上記アミン化
合物の配合割合は、上記分子中に1,3−オキサチオラ
ン−2−チオン基を2個以上含有する化合物中の1,3
−オキサチオラン−2−チオン基1当量に対して、アミ
ン化合物が加水分解して生じるアミノ基の活性水素量が
0.7〜3.0当量となる割合であることが好ましい。
なお、1級アミノ基の活性水素量を1当量とする。0.
7当量未満であると、硬化性が不充分であり、3.0当
量を超えると、硬化塗膜に粘着性がでる場合があるの
で、好ましくない。より好ましくは0.8〜2.0当量
である。
【0042】本発明の他の態様の組成物は、上記分子中
に式(1)で表される1,3−オキサチオラン−2−チ
オン基を2個以上含有する化合物、及び、上記アミン化
合物に、更に、エポキシ基、ビニル基及びアルキニル基
からなる群から選択された少なくとも1種の基を2個以
上含有する化合物を配合してなる。
【0043】上記エポキシ基、ビニル基及びアルキニル
基からなる群から選択された少なくとも1種の基を2個
以上含有する化合物のうち、例えば、エポキシ基を2個
以上含有する化合物としては特に限定されず、例えば、
上述の多価アルコール、多価フェノール等と過剰のエピ
クロルヒドリン又はアルキレンオキサイドとを反応させ
て得られるエポキシ樹脂や、上記分子中に式(1)で表
される1,3−オキサチオラン−2−チオン基を2個以
上含有する化合物の際に具体的に例示したエポキシ樹脂
等を挙げることができる。
【0044】上記エポキシ基、ビニル基及びアルキニル
基からなる群から選択された少なくとも1種の基を2個
以上含有する化合物のうち、ビニル基又はプロパルギル
基等のアルキニル基を2個以上含有する化合物としては
特に限定されず、例えば、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポ
リヒドロキシ化合物のアクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸エステル;上
記ポリヒドロキシ化合物のビニルエーテル類、プロパル
ギルエーテル類;ジビニルベンゼン;エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、
1,2−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等
のジオール化合物とエピクロルヒドリンとから得られる
ジグリシジルエーテルと上記不飽和カルボン酸との付加
物等を挙げることができる。
【0045】上記ジオール化合物とエピクロルヒドリン
とから得られるジグリシジルエーテルと不飽和カルボン
酸との付加物においては、付加反応が完全に終了したも
のを使用する必要はなく、この場合には、エポキシ基を
も有するものとなる。一般的に、本発明においては、エ
ポキシ基、ビニル基及びアルキニル基からなる群から選
択された少なくとも1種の基を2個以上含有するもので
あれば、その基の組み合わせは限定されない。これらは
単独で、又は、2種以上を併用して使用することができ
る。
【0046】また、上記エポキシ樹脂とともに、粘度調
節のために、反応性希釈剤を併用することができる。上
記反応性希釈剤は、添加による揮散物量の増加を抑制す
ることができ、溶剤添加に通常ともなう揮散物増加の不
都合がない。上記反応性希釈剤としては、1,3−オキ
サチオラン−2−チオン基とアミン化合物との反応性で
生成するSH基と反応することができる単官能のエポキ
シ化合物、ビニル基含有化合物、アルキニル基含有化合
物等の反応性希釈剤を使用することができ、例えば、ブ
チルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジ
ルエーテル、メチルグリシジルエーテル、イソブチルグ
リシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル等のアル
キルグリシジルエーテル;フェノキシ(ポリ)エチレン
オキシドグリシジルエーテル等のアルキレンオキシド基
含有グリシジルエーテル;p−tert−ブチルフェニ
ルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエーテル、
フェニルグリシジルエーテル等の芳香族グリシジルエー
テル;プロピレンオキシド、ブタン酸グリシジルエステ
ル、グリシジルベンゾエート等のグリシジルエステル;
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、フェニルア
クリレート、ベンジルアクリレート、ヒドロキシブチル
アクリレート、メチルメタクリレート、シクロヘキシル
メタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の
(メタ)アクリル酸エステル類;イタコン酸エステル、
マレイン酸エステル等;エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒ
ドロキシエチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
アリルアルコール、プロパルギルアルコール等の不飽和
アルコール類;スチレン、α−メチルスチレン、α−メ
チルスチレンダイマー等のスチレン系モノマー;酢酸ビ
ニル等のビニルエステル類;ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレート等のエステルモノマー;蟻酸、酢酸、安息香
酸のアリルエステル;アクリロニトリル等の不飽和モノ
マー等を挙げることができる。これらは単独で、又は、
2種以上を併用することができる。
【0047】また、上記反応性希釈剤として多官能のも
のを使用することもでき、この場合は、SH基と架橋反
応させることができる。このような多官能反応性希釈剤
としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、グリシ
ジルビニルエーテル、グリシジルメタクリレート、4−
グリシジルオキシブチルアクリレート、プロパルギルグ
リシジルエーテル等のビニル基やプロパルギル基とエポ
キシ基とを併せ持つ化合物;エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル、1,2,3−トリス(2,3−エポキシプロ
ポキシ)プロパン、ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、トリ
メチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパントリグリシジルエーテル、1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオ
ールジグリシジルエーテル等の低分子量多官能グリシジ
ルエーテル;レゾルシノールジグリシジルエーテル、p
−ヒドロキシ安息香酸グリシジルエーテルエステル等の
芳香族多官能アルコール;フェノール類のグリシジルエ
ーテル又はエステル;ビニルシクロヘキセンジオキシド
等の脂環式多官能エポキシ;フタル酸ジグリシジルエス
テル、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、テト
ラヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリ
シジルエステル等の多塩基酸エポキシエステル等を挙げ
ることができる。これらは単独で、又は、2種以上を併
用することができる。
【0048】本発明において、分子中に上記式(1)で
表される1,3−オキサチオラン−2−チオン基を2個
以上含有する化合物とアミン化合物とを配合した組成物
は、低温硬化性に優れており、しかも、一液型塗料又は
二液型塗料に使用しても可使時間が長い。
【0049】すなわち、ケチミン化合物及びエナミン化
合物等のアミノ化合物としては、例えば、上記一般式
(2)及び上記一般式(3)で示されるように、カルボ
ニル化合物及び1級又は2級アミノ基から得られる化合
物が挙げられるが、この化合物は、水分の存在により容
易に加水分解してカルボニル化合物と遊離の1級又は2
級アミノ基になる。従って、このアミン化合物は、空気
中の水分やコンクリート等の被覆されるべき対象物に含
まれる水分が加わることにより加水分解され、その結
果、下記のスキームに示すように、アミノ基含有化合物
を生成し、このアミノ基含有化合物が、上記1,3−オ
キサチオラン−2−チオン基を2個以上含有する化合物
中の1,3−オキサチオラン−2−チオン基と付加反応
する。この反応を架橋に利用することにより、本発明の
組成物は架橋硬化する。下記スキームは、アミン化合物
がケチミン化合物である場合を一例として示したもので
あるが、エナミン化合物である場合も同様の反応が起こ
る。下記スキーム中、波線は、化合物の残余の構造を模
式的に表現したものである。
【0050】
【化13】
【0051】従って、組成物中に水分を含まないように
すれば、本発明の組成物は、架橋反応を開始することが
なく、一液型塗料に使用することも、二液型塗料に使用
することも、充分の可使時間を確保しつつ、可能であ
る。
【0052】しかも、1級又は2級アミノ基と1,3−
オキサチオラン−2−チオン基との付加反応は、エポキ
シ基と1級アミノ基との付加反応に比べて低温反応性が
高く、0℃以下でも進行するので、本発明の組成物及び
塗料は、通常のエポキシ樹脂系塗料では使用困難な温度
領域においても、実用に耐えうる低温硬化性を発揮する
ことができる。かくして、アミン化合物と分子中に上記
1,3−オキサチオラン−2−チオン基を2個以上含有
する化合物とを組み合わせることにより、上記課題を解
決することができる。
【0053】本発明において、分子中に式(1)で表さ
れる1,3−オキサチオラン−2−チオン基を2個以上
含有する化合物とアミン化合物とに加えて更にエポキシ
基、ビニル基及びアルキニル基からなる群から選択され
た少なくとも1種の基を2個以上含有する化合物を含ん
でいる場合、式(1)で表される1,3−オキサチオラ
ン−2−チオン基を2個以上含有する化合物とアミン化
合物とが反応して、例えば上記スキームに示すように、
1,3−オキサチオラン−2−チオン基と第一級アミノ
基との付加反応によりチオールが生成する。この新たに
生成したチオールは、エポキシ基、ビニル基及びアルキ
ニル基からなる群から選択された少なくとも1種の基を
2個以上含有する化合物と反応して、下記のスキームに
示すように、更に架橋反応が進行する。すなわち、式
(1)で表される1,3−オキサチオラン−2−チオン
基を2個以上含有する化合物とアミン化合物との架橋反
応により、更に新たな架橋点が生み出され、この架橋点
と架橋反応し得るエポキシ基、ビニル基、アルキニル基
等を有する化合物を架橋剤として添加することにより、
硬化性能を一段と向上させることができる。下記スキー
ム中、波線は、化合物の残余の構造を模式的に表現した
ものである。
【0054】
【化14】
【0055】従って、本態様の組成物においては、架橋
点として働き得る官能基の組は、アミン化合物の加水分
解で生じたアミノ基と1,3−オキサチオラン−2−チ
オン基との第一の組、並びに、この第一の組の反応によ
り生成するチオールとエポキシ基、ビニル基、アルキニ
ル基等との第二の組が存在し得ることになり、第一の組
の官能基を2組以上有する化合物の組み合わせにより架
橋硬化させることが可能であるとともに、もし、第一の
組の反応によりチオールが充分に生成するならば、架橋
自体が生じなくても、第二の組の官能基を2組以上有す
る化合物の組み合わせにより架橋硬化させることが可能
である。従って、例えば、単官能のアミンから誘導され
たケチミン化合物やエナミン化合物であっても、下記ス
キームに示すように、上記第一の組の反応によりチオー
ルを生成させて、このチオールを架橋点としてエポキシ
基、ビニル基、アルキニル基等を2個以上有する化合物
により架橋することができる。下記スキーム中、波線
は、化合物の残余の構造を模式的に表現したものであ
る。
【0056】
【化15】
【0057】しかも、チオールとエポキシ基との反応
は、アミノ基とエポキシ基との反応と比べて、より反応
性が高く、0℃以下であっても反応性を失わない。この
ように、本発明の組成物は、高い反応性を有する官能基
の組み合わせであるアミノ基と1,3−オキサチオラン
−2−チオン基との反応及びチオールとエポキシ基、ビ
ニル基、アルキニル基等との反応を、アミン化合物の加
水分解を制御することにより、貯蔵安定性との両立をは
かりつつ利用するものである。
【0058】上記のことから、更にエポキシ基、ビニル
基及びアルキニル基からなる群から選択された少なくと
も1種の基を2個以上含有する化合物を含んでいる場合
には、式(1)で表される1,3−オキサチオラン−2
−チオン基を2個以上含有する化合物が多価アルコール
由来1,3−オキサチオラン−2−チオン基含有化合物
である場合や、アミン化合物がポリエーテルポリアミン
及びポリアミドアミン由来のアミン化合物以外のもの
(例えば、脂肪族ポリアミンのケチミン化合物)である
場合であっても、良好な低温硬化性や塗膜物性を示すこ
とができる。
【0059】本発明の組成物の使用可能温度は、少なく
とも−10〜120℃の範囲を含む。従って、常温下で
の使用においては、高い反応性により硬化時間の短縮が
可能であるとともに、−10〜5℃等の低温下での使用
をも可能にする。
【0060】本発明の組成物には、貯蔵安定性を向上さ
せるために脱水剤を使用してもよい。上記脱水剤として
は特に限定されず、例えば、合成シリカ、活性アルミ
ナ、ゼオライト、活性炭等の多孔性粉末金属酸化物又は
炭化物質類;硫酸カルシウム等のカルシウム化合物類;
アルミニウムイソプロポキシド、テトライソプロピルチ
タネート、ジルコニウム−n−ブチレート、テトラエト
キシシラン等の金属アルコキシド類;オルト蟻酸メチ
ル、オルト蟻酸エチル等の有機アルコキシ化合物類等を
挙げることができる。これらは単独でも、又は、2種以
上を併用して用いてもよい。
【0061】本発明の組成物には、溶剤を配合すること
ができる。上記溶剤としては特に限定されず、例えば、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルア
ミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、ジイソブ
チルケトン等のケトン;酢酸ブチル、酢酸イソブチル、
酢酸エチル等のエステル;メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、ブ
チルセロソルブ(商品名)、ブチルジグリコール等のア
ルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル;ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素等の一般に公知の
溶剤が使用できる。
【0062】本発明の組成物には、更に、必要に応じて
着色顔料、体質顔料、防錆顔料等の各種顔料;可塑剤、
充填剤、分散剤等の各種添加剤等を使用してもよい。
【0063】本発明の組成物には、また、必要に応じて
硬化触媒を使用してもよい。上記触媒としては特に限定
されず、例えば、ジメチルベンジルアミン、3−(ジメ
チルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,4−ジアザ
ビシクロ(2,2,2)オクタン、1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン−7等の3級アミンを使
用することができる。
【0064】本発明の組成物を使用して一液型又は二液
型の塗料を製造することができる。二液型塗料は、分子
中に上記式(1)で表される1,3−オキサチオラン−
2−チオン基を2個以上含有する化合物を第一の成分と
し、上記アミン化合物を第二の成分とすればよい。ま
た、分子中に上記式(1)で表される1,3−オキサチ
オラン−2−チオン基を2個以上含有する化合物、並び
に、エポキシ基、ビニル基及びアルキニル基からなる群
から選択された少なくとも1種の基を2個以上含有する
化合物を第一の成分とし、アミン化合物を第二の成分と
すればよい。例えば、1,3−オキサチオラン−2−チ
オン基を2個以上含有する化合物と、エポキシ基を2個
以上含有する化合物又はビニル基及び/若しくはアルキ
ニル基を2個以上含有する化合物とを第一の成分とし、
アミン化合物を第二の成分とすればよい。
【0065】一液型塗料は、例えば、分子中に式(1)
で表される1,3−オキサチオラン−2−チオン基を2
個以上含有する化合物、及び、アミン化合物を混合すれ
ばよい。また、分子中に式(1)で表される1,3−オ
キサチオラン−2−チオン基を2個以上含有する化合
物、アミン化合物、並びに、エポキシ基、ビニル基及び
アルキニル基からなる群から選択された少なくとも1種
の基を2個以上含有する化合物を混合すればよい。この
場合、水分の混入を排除しておくかぎり、アミン化合物
の加水分解は生じず、従って、上記のスキームの反応は
進行しない。このため、使用時に被塗物等から水分が侵
入するまで、安定に貯蔵することができる。特に、エポ
キシ樹脂を使用する塗料系においては、従来、貯蔵安定
性が悪く可使時間が極めて短いのであったが、本発明に
より一液型エポキシ系塗料が実現可能となった。
【0066】本発明の塗料は、例えば、コンクリート用
塗料、重防食塗料、プライマー、パテ、中塗塗料等の用
途に好適に使用することができる。本発明の塗料は、例
えば、低温環境下においては、こて塗り方法、はけ塗り
方法等を使用することができる。
【0067】本発明により、寒冷地での土木工事等にお
けるコンクリート塗装の可能な条件を大幅に緩和するこ
とができ、従来不可能であった温度条件下においても施
工を可能とするとともに、常温での使用により、例え
ば、従来1週間程度であったコンクリート塗装工期を、
数時間以下に短縮可能となる。
【0068】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は、これら実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0069】製造例1 1,3−オキサチオラン−2−
チオン化化合物の製造 エポキシ樹脂エピコート−828(商品名)〔油化シェ
ルエポキシ社製、2,2−ビス(4−グリシジルオキシ
フェニル)プロパン〕396.5gをテトラヒドロフラ
ン(THF)222mlに溶かし、臭化リチウム4.7
7gを添加した。窒素気流下、室温で攪拌しながら二硫
化炭素166.5gを滴下ロートでゆっくり30分かけ
て滴下した。滴下終了後、反応液を約30分攪拌した。
約2時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮し、1,3−オ
キサチオラン−2−チオン化EP−828を不揮発分8
0.8%の溶液として得た。得られた溶液の粘度は25
00cPであった。
【0070】製造例2〜7 1,3−オキサチオラン−
2−チオン化化合物の製造 エポキシ樹脂、テトラヒドロフラン(THF)、臭化リ
チウム及び二硫化炭素を表1に示す量で使用し、製造例
1と同様にして1,3−オキサチオラン−2−チオン化
化合物を得た。不揮発分80%の溶液の粘度は表1に示
すとおりであった。
【0071】
【表1】
【0072】なお、表1中のエポキシ樹脂ネオペンチル
グリコールジグリシジルエーテルを式(a)にエポトー
トPG−207(商品名)(東都化成社製)を式(b)
に、サントートST−3000(商品名)(東都化成社
製)を式(c)に、エポトートYH−300(商品名)
(東都化成社製)を式(d)に、YDCN701(商品
名)(東都化成社製)を式(e)に、YD013(商品
名)(東都化成社製)を式(f)に、それぞれ、以下示
す。
【0073】
【化16】
【0074】実施例1 製造例1で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化エピコート−828を成分(A)とし、エピキュア
H30(商品名)(油化シェルエポキシ社製、ジエチレ
ントリアミンのメチルイソブチルケトン(MIBK)に
よるケチミン)を成分(B)とした。
【0075】塗膜の形成 成分(A)6.09gと成分(B)4.17gとを−5
℃で混合し、10milアプリケーターでガラス板に塗
布した。その後、−5℃で2時間放置したところ、指紋
が付かない程度に硬化した。
【0076】実施例2 製造例1で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化エピコート−828を6.09g、及び、エピキュ
アH30を4.17g混合し、混合物を一晩放置した
後、10milアプリケーターで−5℃でガラス板に塗
布した。その後、−5℃で2時間放置したところ、指紋
が付かない程度に硬化した。
【0077】実施例3 製造例1で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化エピコート−828を6.09g、及び、エポキシ
樹脂エピコート−828を3.37g混合して成分
(C)とした。エピキュアH30を成分(D)とした。
【0078】塗膜の形成 成分(C)9.46gと成分(D)4.17gとを0℃
で混合し、10milアプリケーターでガラス板に塗布
した。その後、0℃で2時間放置したところ、指紋が付
かない程度に硬化した。
【0079】実施例4 製造例1で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化エピコート−828を6.09g、エピキュアH3
0を4.17g混合し、これにエポキシ樹脂エピコート
−828を3.4g混合し、混合物を一晩放置した後、
10milアプリケーターで−5℃でガラス板に塗布し
た。その後、−5℃で2時間放置したところ、指紋が付
かない程度に硬化した。
【0080】実施例5 製造例2で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル8.
00g、THF27.72g及びケチミンEH−235
R(商品名)(旭電化社製)11.84gを混合した。
10milアプリケーターで−5℃でブリキ板に塗装
し、放置した。1か月後にTHFを溶媒としてゲル分率
を測定したところ、42.5%であった。
【0081】実施例6 製造例3で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化PG−207を8.00g、THFを21.69g
及びケチミンEH−235Rを8.80g混合した。1
0milアプリケーターで−5℃でブリキ板に塗装し、
放置した。1か月後にTHFを溶媒としてゲル分率を測
定したところ、43.49%であった。
【0082】実施例7 製造例1で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化エピコート−828を8.00g、THFを23.
47g及びケチミンEH−235Rを9.70g混合し
た。10milアプリケーターで−5℃でブリキ板に塗
装し、放置した。1か月後にTHFを溶媒としてゲル分
率を測定したところ、82.97%であった。
【0083】実施例8 製造例3で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化PG−207を1.01g、THFを1.78g及
びケチミンH30を0.736g混合した。10mil
アプリケーターで−5℃でブリキ板に塗装し、放置し
た。1か月後にTHFを溶媒としてゲル分率を測定した
ところ、67.25%であった。
【0084】実施例9 製造例2で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルを
1.106g、THFを4.359g及びケチミンH3
0を1.245g、更に、エポキシ樹脂としてネオペン
チルグリコールジグリシジルエーテル0.651g、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
を触媒として0.263g混合した。10milアプリ
ケーターで−5℃でブリキ板に塗装し、放置した。1日
後にTHFを溶媒としてゲル分率を測定したところ7
2.50%であり、7日後にTHFを溶媒としてゲル分
率を測定したところ85.6%であった。
【0085】実施例10 製造例3で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化PG−207を1.177g、THFを4.718
g及びケチミンH30を0.624g、更に、エポキシ
樹脂としてエポトートPG−207を0.948g、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
を触媒として0.128g混合した。10milアプリ
ケーターで−5℃でブリキ板に塗装し、放置した。1日
後にTHFを溶媒としてゲル分率を測定したところ7
4.62%であり、7日後にTHFを溶媒としてゲル分
率を測定したところ77.1%であった。
【0086】実施例11 製造例1で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化エピコート−828を1.403g、THFを5.
573g及びケチミンH30を1.247g、更に、エ
ポキシ樹脂としてビスフェノールAジグリシジルエーテ
ルを0.954g、1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7を触媒として0.260g混合し
た。10milアプリケーターで−5℃でブリキ板に塗
装し、放置した。1日後にTHFを溶媒としてゲル分率
を測定したところ80.14%であり、7日後にTHF
を溶媒としてゲル分率を測定したところ91.3%であ
った。
【0087】比較例1 エポキシ樹脂エピコート−828を3.40gとエピキ
ュアH30を4.17g、−5℃で混合し、10mil
アプリケーターでガラス板に塗布した。その後−5℃で
2時間放置したが、液状のままであった。7日間放置し
ても指紋が付かない程度に硬化しなかった。
【0088】比較例2 エポキシ樹脂とポリアミドアミン硬化剤とからなるコン
クリート用プライマー「タフガードEプライマー(商品
名)」(日本ペイント社製)を、10milアプリケー
ターで室温及び−5℃でブリキ板に塗装して放置した。
室温でのゲル分率は、1日後93.4%、7日後98.
8%を示したが、−5℃では、1日後2.5%、7日後
4.1%であり、殆ど硬化しなかった。
【0089】実施例12 ジェファーミンD230(テキサコケミカル社製、ポリ
エーテルアミン)60gを、メチルイソブチルケトン2
40gに溶かし、窒素気流下120℃まで昇温し、メチ
ルイソブチルケトン還流下、生成する水を除去しなが
ら、3時間反応を行い、溶剤を除去してケチミン化ジェ
ファーミンD230を得た。製造例5で調製した1,3
−オキサチオラン−2−チオン化YH300を5.18
g、ケチミン化ジェファーミンD230を3.76g、
及び、エピコート828を1.70g、触媒として1,
8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7を
0.350gを−5℃で混合し、10milアプリケー
ターでガラス板に塗布して−5℃で放置したところ、1
6時間で強く押しても動かない膜になっていた。
【0090】実施例13 製造例1と同様にして調製した1,3−オキサチオラン
−2−チオン化N,N,N′,N′−テトラグリシジル
−4,4′−ジアミノジフェニルメタン5.50gと実
施例12と同様にして調製したケチミン化サンマイド♯
353N(三和化学社製、変性ポリアミドアミン)1
2.0gを−5℃で混合し、10milアプリケーター
でガラス板に塗布して−5℃で放置したところ、16時
間で強く押しても動かない膜になっていた。
【0091】実施例14 製造例5で調製した1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化YH300を5.18g、実施例12と同様にして
調製したケチミン化サンマイド♯353Nを11.8
g、及び、YH300を1.60g、触媒として1,8
−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7を0.
350gを−5℃で混合し、10milアプリケーター
でガラス板に塗布して−5℃で放置したところ、16時
間で強く押しても動かない膜になっていた。
【0092】実施例15 製造例5で調製した1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化YH300を5.18g、実施例12と同様にして
調製したケチミン化サンマイド♯353Nを11.8
g、及び、YD011(ビスフェノールAタイプ)4.
98g、触媒として1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7を0.350gを−5℃で混合し、
10milアプリケーターでガラス板に塗布して−5℃
で放置したところ、16時間で強く押しても動かない膜
になっていた。
【0093】実施例16 製造例5で調製した1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化YH300を5.18g、実施例12と同様にして
調製したケチミン化NBDA4.01g、及び、エピコ
ート828を1.70g、触媒として1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)ウンデセン−7を0.350gを
−5℃で混合し、10milアプリケーターでガラス板
に塗布して−5℃で放置したところ、16時間で強く押
しても動かない膜になっていた。
【0094】実施例17 製造例3で調製した1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化PG207(ポリプロピレングルコールジグリシジ
ルエーテル)2.26g、実施例12と同様にして調製
したケチミン化サンマイド♯308D−65T(三和化
学社製、変性ポリアミドアミン)9.47g、及び、
N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン1.80g、触媒として1,8
−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7を0.
350gを−5℃で混合し、10milアプリケーター
でガラス板に塗布して−5℃で放置したところ、16時
間で強く押しても動かない膜になっていた。
【0095】実施例18 製造例5で調製した1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化YH300を5.18g、実施例12と同様にして
調製したケチミン化又はエナミン化サンマイド♯305
X−70T(三和化学、ポリアミドアミン、(1級アミ
ン)/(1級アミン+2級アミン)=0.5)9.50
g、及び、エピコート828を1.70g、触媒として
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
を0.350gを−5℃で混合し、10milアプリケ
ーターでガラス板に塗布して−5℃で放置したところ、
16時間で強く押しても動かない膜になっていた。
【0096】実施例19 製造例5で調製した1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化YH300を5.18g、実施例12と同様にして
調製したエナミン化N,N−ジメチルジアミノヘキサン
3.43g、及び、エピコート828を1.70g、触
媒として1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン−7を0.350gを−5℃で混合し、10mil
アプリケーターでガラス板に塗布して−5℃で放置した
ところ、16時間で強く押しても動かない膜になってい
た。
【0097】実施例20 製造例1と同様にして調製した1,3−オキサチオラン
−2−チオン化したテトラグリシジルオキシフェニルエ
タンを2.93g、実施例12と同様にして調製したケ
チミン化したジェファーミンD400(テキサコケミカ
ル社製、ポリエーテルポリアミン)1.88gを−5℃
で混合し、10milアプリケーターでガラス板に塗布
して−5℃で放置したところ、16時間で強く押しても
動かない膜になっていた。
【0098】実施例21 製造例1と同様にして調製した1,3−オキサチオラン
−2−チオン化したトリス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンを3.01g、実施例12と同様にして調製し
たケチミン化したジェファーミンT403(テキサコケ
ミカル社製、ポリエーテルポリアミン)1.68gを−
5℃で混合し、10milアプリケーターでガラス板に
塗布して−5℃で放置したところ、16時間で強く押し
ても動かない膜になっていた。
【0099】実施例22 製造例1で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化エピコート−828を3.40g、実施例12と同
様にして調製したサンマイド♯353N(三和化学社
製、変性ポリアミドアミン)のケチミン化合物3.49
gを−5℃で混合し、10milアプリケーターでガラ
ス板に塗布して−5℃で放置し、下記項目の評価を行っ
た。結果を表2に示した。
【0100】実施例23 製造例1と同様にして調製した1,3−オキサチオラン
−2−チオン化N,N,N′,N′−テトラグリシジル
−4,4′−ジアミノジフェニルメタン3.95gと、
実施例12で調製したケチミン化ジェファーミンD23
0(テキサコケミカル社製、ポリエーテルアミン)3.
74gを−5℃で混合し、実施例22と同様にして、ガ
ラス板に塗布して−5℃で放置し、下記項目の評価を行
った。結果を表2に示した。
【0101】実施例24 製造例5で調製した1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化YH300を2.21g、実施例12と同様にして
調製したケチミン化サンマイド♯308D−65Tを
3.57gを−5℃で混合し、実施例22と同様にし
て、ガラス板に塗布して−5℃で放置し、下記項目の評
価を行った。結果を表2に示した。
【0102】実施例25 実施例7で調製した1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化YD013を9.26g、実施例12と同様にして
調製したサンマイド♯305X−70Tを2.08gを
−5℃で混合し、実施例22と同様にして、ガラス板に
塗布して−5℃で放置し、下記項目の評価を行った。結
果を表2に示した。
【0103】実施例26 製造例1で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化エピコート−828を3.40g、実施例12と同
様にして調製したエナミン化N,N−ジメチルジアミノ
ヘキサン1.42gを−5℃で混合し、実施例22と同
様にして、ガラス板に塗布して−5℃で放置し、下記項
目の評価を行った。結果を表2に示した。
【0104】実施例27 製造例2で調製した1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化ネオペンチルグリコールを1.70g、実施例12
と同様にして調製したエナミン化N,N−ジメチルジア
ミノヘキサン1.42gを−5℃で混合し、実施例22
と同様にして、ガラス板に塗布して−5℃で放置し、下
記項目の評価を行った。結果を表2に示した。
【0105】実施例28 製造例1で得られた1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化エピコート−828を3.40g、実施例12と同
様にして調製したサンマイド♯353Nのケチミン化合
物3.49g、更に、エポキシ樹脂としてエピコート8
28を0.940g、触媒として1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7を0.150gを、−
5℃で混合し、実施例22と同様にして、ガラス板に塗
布して−5℃で放置し、下記項目の評価を行った。結果
を表2に示した。
【0106】実施例29 製造例1と同様にして調製した1,3−オキサチオラン
−2−チオン化N,N,N′,N′−テトラグリシジル
−4,4′−ジアミノジフェニルメタン3.95gと、
実施例12で調製したケチミン化ジェファーミンD23
0を1.56g、更に、アクリルモノマーとしてプロピ
レングリコールジメタクリレート1.01g、触媒して
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
を0.150gを、−5℃で混合し、実施例22と同様
にして、ガラス板に塗布して−5℃で放置し、下記項目
の評価を行った。結果を表2に示した。
【0107】実施例30 製造例5で調製した1,3−オキサチオラン−2−チオ
ン化YH300を2.21g、実施例12と同様にして
調製したサンマイド♯308D−65Tのケチミン化合
物を3.57g、更に、エポキシ樹脂としてエピコート
828を0.940g、触媒して1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7を0.150gを、−
5℃で混合し、実施例22と同様にして、ガラス板に塗
布して−5℃で放置し、下記項目の評価を行った。結果
を表2に示した。
【0108】評価方法 1.−5℃における塗装作業性 ○:作業性良好、△:やや困難、×:作業性悪く塗装不
可 2.−5℃で塗布後、2時間経過後の指触乾燥性 塗膜を指先で軽く触れた時の塗膜の状態を観察した。 ○:指紋付かない程度に硬化、△:跡が付く、×:硬化
しない(液状) 3.−5℃で塗布後、16時間経過後の硬化乾燥性 塗膜を指先で強く押した時の塗膜の状態を観察した。 ○:指紋付かず塗膜は動かない △:指紋付くが塗膜は動かない ×:塗膜が動く、又は、剥がれる 4.−5℃で塗布後、16時間経過後の耐溶剤性 キシロールを主成分としたシンナーで湿潤させた布を塗
膜面に密着させ、力を強く加えて20回往復させたとき
の塗膜の状態を観察した。 ○:異常なし、△:少し傷が付く、×:剥がれる 5.−5℃で塗布し、16時間後25℃に昇温し、更に
1時間経過後の鉛筆硬度(最低6B)
【0109】
【表2】
【0110】実施例から、本発明の塗料は、−5℃にお
いても充分使用可能な硬化性を発揮することが確認され
た。特に、一般式(4)で表される多価フェノール由来
の1,3−オキサチオラン−2−チオン基含有化合物又
は多価グリシジルアミン系エポキシ樹脂由来1,3−オ
キサチオラン−2−チオン基含有化合物と、アミン化合
物として、ポリエーテルポリアミン又はポリアミドアミ
ンを組み合わせた塗料は、−5℃における塗装作業性、
硬化性及び塗膜硬化後の塗膜物性において良好な結果が
得られた(実施例22及び23)。これらに、エポキシ
基、ビニル基及びアルキニル基からなる群から選択され
た少なくとも1種の基を2個以上含有する化合物を加え
た塗料は、更に優れた結果となった(実施例28及び2
9)。
【0111】多価アルコール由来1,3−オキサチオラ
ン−2−チオン基含有化合物、ノボラック系多価フェノ
ール由来の1,3−オキサチオラン−2−チオン基含有
化合物は、脂肪族ポリアミンのケチミン化合物と組み合
わせた場合(実施例27)よりも、ポリエーテルポリア
ミン又はポリアミドアミンのケチミン化合物と組み合わ
せた場合の方が、−5℃における硬化性及び塗膜物性に
おいて優れた結果を示した(実施例24及び25)。こ
れらに、更に、エポキシ基、ビニル基及びアルキニル基
からなる群から選択された少なくとも1種の基を2個以
上含有する化合物を加えた塗料は、更に優れた結果が得
られた(実施例30)。
【0112】
【発明の効果】本発明により、低温環境下でも硬化性に
優れ、かつ、可使時間の長い二液型及び一液型塗料を実
現することができる硬化性樹脂組成物を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平沢 洋治 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 藤井 基樹 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に式(1)で表される1,3−オ
    キサチオラン−2−チオン基を2個以上含有する化合
    物、及び、アミン化合物からなることを特徴とする硬化
    性組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 アミン化合物は、一般式(2)で表され
    る基を有するケチミン化合物、又は、一般式(3)で表
    される基を有するエナミン化合物である請求項1記載の
    硬化性組成物。 【化2】 式中、R1 は、水素原子又は1価の飽和若しくは不飽和
    の炭化水素基を表す。R 2 は、1価の飽和又は不飽和の
    炭化水素基を表す。R3 は、水素原子又は1価の飽和若
    しくは不飽和の炭化水素基を表す。R4 は、2価の飽和
    又は不飽和の炭化水素基を表す。
  3. 【請求項3】 ケチミン化合物又はエナミン化合物は、
    それぞれ一般式(2)又は一般式(3)で表される基を
    少なくとも2個有するものである請求項2記載の硬化性
    組成物。
  4. 【請求項4】 分子中に式(1)で表される1,3−オ
    キサチオラン−2−チオン基を2個以上含有する化合物
    は、エポキシ樹脂のエポキシ基を1,3−オキサチオラ
    ン−2−チオン基に変換して得たものである請求項1、
    2又は3記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 分子中に式(1)で表される1,3−オ
    キサチオラン−2−チオン基を2個以上含有する化合物
    は、下記一般式(4)、(5)若しくは(6)で表され
    る多価フェノール由来の1,3−オキサチオラン−2−
    チオン基含有化合物、又は、多価グリシジルアミン系エ
    ポキシ樹脂由来1,3−オキサチオラン−2−チオン基
    含有化合物である請求項1、2、3又は4記載の硬化性
    組成物。 【化3】 式中、Xは、C(CH32 、CH2 、SO2 、O又は
    C(CF32 で表される2価の基を表す。R5 は、同
    一又は異なって、4−ヒドロキシフェニル基を表し、フ
    ェニル基の4個の水素原子はそれぞれ置換されていても
    よい。 【化4】 式中、Yは、C23 又はC35 で表される3価の基
    を表す。R5 は、上記と同じである。 【化5】 式中、Zは、C22 又はC34 で表される4価の基
    を表す。R5 は、上記と同じである。
  6. 【請求項6】 分子中に式(1)で表される1,3−オ
    キサチオラン−2−チオン基を2個以上含有する化合物
    は、多価アルコール由来1,3−オキサチオラン−2−
    チオン基含有化合物である請求項1、2、3又は4記載
    の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 アミン化合物は、ポリエーテルポリアミ
    ン又はポリアミドアミンとカルボニル化合物との反応に
    より得られるものである請求項1、2、3、4、5又は
    6記載の硬化性組成物。
  8. 【請求項8】 ポリアミドアミンは、ビスフェノールA
    骨格を有するものであって、エポキシ付加を行うことに
    より得られる多官能変性ポリアミドアミンである請求項
    7記載の硬化性組成物。
  9. 【請求項9】 分子中に式(1)で表される1,3−オ
    キサチオラン−2−チオン基を2個以上含有する化合
    物、アミン化合物、並びに、エポキシ基、ビニル基及び
    アルキニル基からなる群から選択された少なくとも1種
    の基を2個以上含有する化合物からなることを特徴とす
    る硬化性組成物。 【化6】
  10. 【請求項10】 アミン化合物は、一般式(2)で表さ
    れる基を有するケチミン化合物、又は、一般式(3)で
    表される基を有するエナミン化合物である請求項9記載
    の硬化性組成物。 【化7】 式中、R1 は、水素原子又は1価の飽和若しくは不飽和
    の炭化水素基を表す。R 2 は、1価の飽和又は不飽和の
    炭化水素基を表す。R3 は、水素原子又は1価の飽和若
    しくは不飽和の炭化水素基を表す。R4 は、2価の飽和
    又は不飽和の炭化水素基を表す。
  11. 【請求項11】 ケチミン化合物又はエナミン化合物
    は、それぞれ一般式(2)又は一般式(3)で表される
    基を少なくとも2個有するものである請求項10記載の
    硬化性組成物。
  12. 【請求項12】 ケチミン化合物又はエナミン化合物
    は、それぞれ一般式(2)又は一般式(3)で表される
    基を1個有するものである請求項10記載の硬化性組成
    物。
  13. 【請求項13】 分子中に式(1)で表される1,3−
    オキサチオラン−2−チオン基を2個以上含有する化合
    物は、エポキシ樹脂のエポキシ基を1,3−オキサチオ
    ラン−2−チオン基に変換して得たものである請求項
    9、10、11又は12記載の硬化性組成物。
  14. 【請求項14】 エポキシ基、ビニル基及びアルキニル
    基からなる群から選択された少なくとも1種の基を2個
    以上含有する化合物は、エポキシ基を2個以上含有する
    化合物である請求項9、10、11、12又は13記載
    の硬化性組成物。
  15. 【請求項15】 エポキシ基、ビニル基及びアルキニル
    基からなる群から選択された少なくとも1種の基を2個
    以上含有する化合物は、ビニル基及びアルキニル基から
    なる群から選択される少なくとも1種の基を2個以上含
    有する化合物である請求項9、10、11、12又は1
    3記載の硬化性組成物。
  16. 【請求項16】 請求項1、2、3、4、5、6、7又
    は8記載の硬化性組成物からなる二液型塗料であって、
    分子中に式(1)で表される1,3−オキサチオラン−
    2−チオン基を2個以上含有する化合物を第一の成分と
    し、アミン化合物を第二の成分としてなることを特徴と
    する二液型塗料。
  17. 【請求項17】 請求項1、2、3、4、5、6、7又
    は8記載の硬化性組成物からなることを特徴とする一液
    型塗料。
  18. 【請求項18】 請求項9、10、11、12、13、
    14又は15記載の硬化性組成物からなる二液型塗料で
    あって、分子中に式(1)で表される1,3−オキサチ
    オラン−2−チオン基を2個以上含有する化合物、並び
    に、エポキシ基、ビニル基及びアルキニル基からなる群
    から選択された少なくとも1種の基を2個以上含有する
    化合物からなる第一の成分、並びに、アミン化合物から
    なる第二の成分からなることを特徴とする二液型塗料。
  19. 【請求項19】 請求項9、10、11、12、13、
    14又は15記載の硬化性組成物からなることを特徴と
    する一液型塗料。
JP11319576A 1998-11-10 1999-11-10 硬化性組成物及び塗料 Pending JP2000204159A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11319576A JP2000204159A (ja) 1998-11-10 1999-11-10 硬化性組成物及び塗料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-318945 1998-11-10
JP31894598 1998-11-10
JP11319576A JP2000204159A (ja) 1998-11-10 1999-11-10 硬化性組成物及び塗料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000204159A true JP2000204159A (ja) 2000-07-25

Family

ID=26569551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11319576A Pending JP2000204159A (ja) 1998-11-10 1999-11-10 硬化性組成物及び塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000204159A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001146568A (ja) * 1999-09-10 2001-05-29 Sanyo Chem Ind Ltd コンクリ−トプライマ−
JP2006028498A (ja) * 2004-06-18 2006-02-02 Sanyo Chem Ind Ltd 硬化性組成物
JP2006152279A (ja) * 2004-11-01 2006-06-15 Sanyo Chem Ind Ltd 硬化性組成物
EP2468791A1 (de) * 2010-12-22 2012-06-27 Sika Technology AG Verwendung von Thiocarbonaten in Epoxidharzformulierungen zur Oberflächenverbesserung

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001146568A (ja) * 1999-09-10 2001-05-29 Sanyo Chem Ind Ltd コンクリ−トプライマ−
JP2006028498A (ja) * 2004-06-18 2006-02-02 Sanyo Chem Ind Ltd 硬化性組成物
JP2006152279A (ja) * 2004-11-01 2006-06-15 Sanyo Chem Ind Ltd 硬化性組成物
EP2468791A1 (de) * 2010-12-22 2012-06-27 Sika Technology AG Verwendung von Thiocarbonaten in Epoxidharzformulierungen zur Oberflächenverbesserung
WO2012085120A3 (de) * 2010-12-22 2012-11-22 Sika Technology Ag Verwendung von thiocarbonaten in epoxidharzformulierungen zur oberflächenverbesserung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5789498A (en) Curing catalyst for use in epoxy resin and heat curing coating composition containing the same
TWI481660B (zh) A curable resin composition
JPS6072965A (ja) 低温硬化性被覆組成物
US6485787B2 (en) Painting roadway with composition of epoxy, urethane polyacrylate and polyamine
JP5672484B2 (ja) アミン系硬化剤、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
EP3625282B1 (en) Compositions
JP4547060B2 (ja) 一液型エポキシ樹脂塗料組成物
US20040048954A1 (en) Pigment stabilizer for epoxy coatings and method of pigment stabilization
JP2000204159A (ja) 硬化性組成物及び塗料
JP2000309625A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP6453638B2 (ja) 2液型下塗り塗料組成物
JP5229763B2 (ja) 一液型下塗塗料組成物及び塗装方法
CN1608092A (zh) 粘合剂组合物
JP2007204532A (ja) エポキシ樹脂用硬化剤組成物及び該エポキシ樹脂用硬化剤組成物を含有してなる硬化性エポキシ樹脂組成物
CN106414544B (zh) 固化性树脂组合物
US8772375B2 (en) Composition of polyacrylate, epoxy and polyamine
JP4124341B2 (ja) エポキシ樹脂用硬化剤組成物
JP2002088300A (ja) 一液型エポキシ樹脂塗料組成物
JP2001198521A (ja) 亜鉛めっき鋼構造物の塗装方法
JPH10182938A (ja) 硬化性樹脂組成物および樹脂組成物
JP2003105060A (ja) 制振性を有する熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた接着剤
JPH027331B2 (ja)
EP2797979A2 (en) Low temperature curable epoxy system
JP2004196945A (ja) 硬化性エポキシ樹脂組成物
CN117730127A (zh) 涂料体系中的环氧底漆

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040318