JP2000203028A - インクジェットプリンタとインクジェットヘッドとその製造方法 - Google Patents

インクジェットプリンタとインクジェットヘッドとその製造方法

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JP2000203028A
JP2000203028A JP292799A JP292799A JP2000203028A JP 2000203028 A JP2000203028 A JP 2000203028A JP 292799 A JP292799 A JP 292799A JP 292799 A JP292799 A JP 292799A JP 2000203028 A JP2000203028 A JP 2000203028A
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etching
silicon substrate
ink jet
ink
nozzle
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Takahiro Usui
隆寛 臼井
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Seiko Epson Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェットヘッドの微細なノズルを作成す
る方法を提案する。 【解決手段】n-type、面方位(110)のシリコン基
板101上の所定の位置に耐エッチングパターン102
を形成する。エッチングピット103をシリコンの異方
性エッチングにより作成する。シリコン基板101の裏
面に電極膜104を形成する。シリコン基板を電解質溶
液に浸し、逆バイアスをかけエッチングする。エッチン
グが進みエッチング溝105が形成される。電極膜を除
去する。シリコン基板101のエッチング溝105の内
面に耐エッチング膜106を形成する。シリコン基板1
01の裏面側を研削し、貫通した穴を形成する。シリコ
ン基板101の裏面側をエッチングする。突出した形状
のノズル107が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ドの製造方法に関する。更に詳しくは、インク液滴の吐
出部となるノズルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プリンタはパソコンの普及と歩調
を合わせて急激に普及している。ネットワークの発達に
よる電子メール・ホームページに利用者が急増してい
る。また安価なCDロムが製造されるようになり、この
利用者も急増している。これらの画像情報を印刷するプ
リンタの需要も急激に増えている。このようなプリンタ
のなかでもインクジェットプリンタは高速印字、低騒
音、高印字品位、カラー印刷の対応が良好であり、かつ
安価に市場に提供できる等の利点により、他の印字方式
を抑えて、急速に発展している。しかしながらインクジ
ェットプリンタに於いても、カラー印刷に長時間を要す
るという課題が顕在化してきた。これは取り扱う画像情
報量が急激に増えていることによる。パソコンの取り扱
う画像情報は従来のテキストからカラーグラッフィクス
になり、さらに動画も取り扱い、急速な進化を見せてい
る。さらにグラフィックスの表示も、より高解像度に進
化し、画像情報量が飛躍的に増加していることによる。
このような進化はパソコン等で扱う画像情報がより高度
化すると同時に、より高速で取り扱いたいという流にあ
る。このような傾向のなかでプリンタの印刷時間は長く
なってきている。従来のモノクロのキャラクターベース
の印刷時間と、フルカラーのグラフィクスの印刷に要す
る時間を比べると、従来の100倍以上を要してしま
う。
【0003】ここでインクジェットプリンタの構造の一
例をを図6をもとに説明する。図6はインクジェットプ
リンタの斜視図である。図6に於いて、600は本体、
601はインクジェットヘッド、602はトレイ、60
3は用紙、604および605はロール、606は排出
口、607は操作パネル、608は制御回路、609は
インクジェトヘッドの動作方向を示す。インクジェット
プリンタはその本体600内にインクジェットヘッド6
01を内蔵している。トレイ602にセットされた用紙
603は、二本のロール604、605により本体60
0内部に送りこまれ、所定の位置に配置される。インク
ジェットヘッド601は用紙603を横切るように矢印
のインクジェットヘッドの動作方向609にそって移動
し、特定の箇所でインクを吐出し、印刷する。インクジ
ェットヘッド601は制御回路608が接続され、これ
らの動作を制御する。また印刷の様々な設定は操作パネ
ル607でなされる。印刷が終わった用紙は、ロール6
04、605により、排出口606に排出される。
【0004】また代表的なインクジェットヘッドの構造
の例とその動作を説明する。まずインクジェットの構造
の一例を、図4を用いて説明する。図4はインクジェッ
トヘッドの部分斜視図である。図4に於いて、401は
ノズル、402はノズルプレート、403は壁、404
はキャビテイ、405は振動板、407は圧電素子、4
09はリザーバを示す。410は供給口、411はイン
クタンク口を示す。複数のキャビテイ404が平行に一
定間隔をもって配列している。キャビテイ404の一面
には、それぞれのキャビテイ404に対応する圧電素子
407が配接された振動板405が形成されている。圧
電素子407には図示されていない信号回路より電気信
号が送られ、動作する。振動板405の反対面はノズル
プレート402が形成されている。そこにはそれぞれの
キャビテイ404に対応するノズル401が形成されて
いる。個々のキャビテイ404の配列方向と垂直の位置
にリザーバ409が形成されている。リザーバ409
は、リザーバ409上にある図示されていないインクタ
ンクとインクタンク口411により接続されている。リ
ザーバ409とキャビテイ404は細長いスリット状の
供給口410により接続される。インクタンクのインク
はリザーバ409に供給され、リザーバ409からそれ
ぞれのキャビテイ404に供給される。次にインク滴の
吐出動作を図5をもとに説明する。図5は図4の点線部
A−Bでの断面図である。図5に於いて、501はノズ
ル、503は壁、504はキャビテイ、505は振動
板、507は圧電素子、509はリザーバ、510は供
給口、521インク滴、522はインクの流れ、531
は変形後の振動板、532は変形後の圧電素子を示す。
圧電素子507は、図示されていない信号回路より電気
信号が送られると、収縮する。それにより圧電素子53
2と振動板531は変形する。それぞれ変形後の圧電素
子532、変形後の振動板531の形状に変形する。す
るとキャビテイ504の体積が減少し、圧力が発生す
る。するとキャビテイ504内に満たされたインクは圧
力の低いノズル501と供給口510の側に移動しよう
とする。供給口510側にはリザーバ509があり、イ
ンクに満たされている。そのためノズル501側により
移動していく。結果として、インクはノズル501か
ら、インク滴521となって吐出する。そして電気信号
が解除されると圧電素子は収縮をやめる。もとの圧電素
子は507と振動板505の位置に戻る。これによりキ
ャビテイは負圧になる。リザーバ509に満たされたイ
ンクがキャビテイ504に移動する。キャビテイは常圧
になる。さらにインクタンクからインクがリザーバに充
たされる。この際のインクの流れは、図5のインクの流
れ522の矢印に示すようなものとなる。
【0005】前述したようにインクジェットプリンタの
印刷時間は長くなる傾向にある。そこで印刷速度を早く
する方策が検討されている。インクジェットプリンタの
印刷時間を短くする、すなわち印刷速度を速くする方法
は、以下に述べる二方法がある。
【0006】第一の方法はインクジェットプリンタヘッ
ドの駆動周波数を高くすることである。インクジェット
ヘッドにはインクを充たされキャビテイとそれに圧力を
与える圧力発生素子が配列されている。圧力発生素子は
パソコンからの電気信号により駆動され、電気信号が送
られると動作し、インクを吐出する。この電気信号の駆
動周波数を高くすると、印刷速度も高くできる。しかし
第一の方法は技術的に限界に近づいており、飛躍的な向
上は期待できない。電気信号の周波数を高めることは可
能であるが、インクジェットヘッドのインク滴の形成と
吐出には、一定の時間が必要であり、電気信号をいくら
早くしても、印刷速度はそれに支配されれ、早くできき
ない。第二の方法はインクジェットプリンタのヘッドの
ノズル数を増やすことである。ノズル数を倍に増やせ
ば、印刷速度も倍にできる。この場合には単にノズル数
を増やせばよいのではなく、ノズル密度もあわせて高く
する必要がある。この理由を以下に述べる。
【0007】ノズル密度が低いインクジェットヘッドで
高解像度の印刷をおこなうには、インクジェトヘッド自
体を微細に移動し、この移動とインク滴のの吐出を同期
させることにより行われる。この移動の制御には高い精
度が必要となる。解像度が高くなればなるほど難しくな
る。また高速印字を狙うため、ノズルを増やすとインク
ジェットヘッド自体が大きくなる。大きくなれば、なる
ほどまたその制御も困難になる。さらにフルカラー印刷
をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色でおこ
なうと、それぞれの色に対応するノズルが必要となる。
結果としてインクジェットヘッドが大きくなり、ノズル
列間の位置合わせに高精度を要求され、高価で大きなイ
ンクジェットプリンタになってしまう。例として180
DPI(ドット/インチ)のノズル密度のインクジェッ
トプリンタヘッドで1440DPIのフルカラー印刷を
行おうとすると、ノズル列は1色あたり8列必要とな
り、4色で32列必要となる。ノズル列の間隔が5mm
であれば、ノズル列の総長さは5*31=155mm以
上をようする。したがって高解像度の印刷を高速にかつ
精度よくおこなおうとすると、ノズル密度を高くしてノ
ズル列を少なくする必要がある。
【0008】ノズル密度を高くするには、インクジェッ
トプリンタヘッドのキャビテイとノズルを微小にしなけ
ればならない。例をあげると、ノズル密度90DPIで
は隣接するキャビテイおよびノズルの間隔は282μm
である。これの半分がキャビテイの幅とすると141μ
mとなる。ノズル密度720DPIでは隣接するキャビ
テイおよびノズルの間隔は35μmである。同じくこれ
の半分がキャビテイの幅とすると17.5μmとなる。
ノズルの大きさも同程度になる。
【0009】また解像度を高めると、吐出したインク滴
が印刷紙上に形成するインクドットも小さくなる。解像
度が高いということは、微小なインクドットで画像を表
現するといえる。したがってインク滴の大きさも解像度
が高くなればなるほど小さくなる。インク滴を小さくす
るのはそれに合わせてキャビテイとノズルも小さくな
る。
【0010】また、高印字品位を確保する上で、インク
ジェットヘッドのノズル面の状態が非常に重要である。
すなわちノズル面にインク、紙粉等が付着すると、ノズ
ルからインク滴を吐出する際に、インク滴がこれらに引
かれて、本来の吐出方向でない方向に吐出される。甚だ
しくなると、インク滴が形成されないということが判明
してきた。さらにこれらの除去は困難であった。
【0011】そこでノズル面に撥インク性を付与するこ
とにより、インク、紙粉等の付着を少なくでき、付着し
ても容易に除去できる技術が開発された。この撥インク
性を付与する技術として、ノズル面にシリコン系の化合
物あるいは、フッ素系の化合物を塗布あるいはメッキに
より形成する方法が提案されている。
【0012】撥インク性を付与したインクジェトヘッド
を、図7をもとに説明する。図7はインクジェットヘッ
ドの断面図である。図7に於いて、701は圧電素子、
702は振動板、703はキャビテイ、704はノズル
プレート、705はノズル、706は壁、707は撥水
膜、708はインクのメニスカスを示す。
【0013】キャビテイは圧電素子を配接した振動板と
これに対抗するノズルを設けられたノズルプレートと壁
により形成されている。ノズルプレートの表面には撥イ
ンク膜が形成されている。これによりキャビテイ内に満
たされたインクはノズルからしみださないで、ノズル内
部にインクのメニスカスを形成する。
【0014】したがって、高速な印字を行うには、微小
なノズルを高い密度、言い換えると狭い間隔で形成し、
その表面に撥インク膜を形成する必要がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来のインクジェットヘッドには以下に述べる問題点を
有していた。
【0016】塗布あるいはメッキによる撥インク膜の形
成は微細なノズルの内面まで撥インク膜を形成してしま
い、インクの吐出特性が変化する。これはノズルの内面
まで撥インク膜が形成されないように、充填物をいれ、
撥インク膜を形成し、充填物を除去していた。この充填
とその除去が困難になり、撥インク膜を精度よく形成で
きない。インク滴の吐出方向が変化し、その速度も変化
する。また撥インク膜が形成されない部分ができるとイ
ンクが濡れ、吐出しなくなるさらにノズルの間隔が狭く
なれば、なるほどこの傾向は顕著になる。
【0017】そこで本発明は、微細なノズルを高密度で
配列し、インク滴を精度よく吐出できるインクジェット
ヘッドを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のインクジ
ェットヘッドはノズルが突出した形状であることを特徴
とする。
【0019】上記構成によれば、インク滴の吐出特性が
安定するという優れた効果がある。
【0020】請求項2記載のインクジェットヘッドの製
造方法は以下の工程1〜7からなることを特徴とする。
【0021】(工程1)シリコン基板の表面上に耐エッ
チングパターンを形成する工程。
【0022】(工程2)シリコン基板の裏面に電極膜を
形成する工程。
【0023】(工程3)エッチングピットを形成する工
程。
【0024】(工程4)シリコン基板を電解質溶液に浸
し、逆バイアスをかける工程。
【0025】(工程5)耐エッチング膜を形成する工
程。
【0026】(工程6)シリコン基板の裏面を研削する
工程。
【0027】(工程7)シリコン基板の裏面をエッチン
グする工程。
【0028】上記構成によれば、インク滴の吐出特性が
安定したインクジェットヘッドが製造できるという優れ
た効果がある。
【0029】請求項3記載のインクジェットヘッドの製
造方法は請求項1の工程5の耐エッチング膜を熱酸化法
により二酸化シリコンを形成することを特徴とする。
【0030】上記構成によれば、容易に請求項1記載の
耐エッチング膜を形成できるという優れた効果がある。
【0031】請求項4の記載のインクジェットプリンタ
は請求項1記載のインクジェットヘッドを印刷装置とし
て搭載したことを特徴とする。
【0032】上記構成によれば、高速かつ高印字品位の
インクジェットプリンタを提供できるという優れた効果
がある。
【0033】請求項5記載のインクジェットヘッドはノ
ズルが突出した形状であり、それに隣接する隆起したプ
ロテクターを有することを特徴とする。
【0034】上記構成によれば、インク滴の吐出特性が
安定し、かつ耐衝撃性に優れるインクジェットヘッドを
提供できるという優れた効果がある。
【0035】請求項6記載のインクジェットヘッドの製
造方法は請求項5の記載のインクジェトヘッドのノズル
を以下の工程で形成することを特徴とする。
【0036】(工程1)シリコン基板の表面上に耐エッ
チングパターンを形成する工程。
【0037】(工程2)シリコン基板の裏面に電極膜を
形成する工程。
【0038】(工程3)エッチングピットを形成する工
程。
【0039】(工程4)シリコン基板を電解質溶液に浸
し、逆バイアスをかける工程。
【0040】(工程5)耐エッチング膜を形成する工
程。
【0041】(工程6)シリコン基板の裏面を研削する
工程。
【0042】(工程7)シリコン基板の裏面側に耐エッ
チングパターンを形成する工程 (工程8)シリコン基板の裏面をエッチングする工程。
【0043】上記構成によれば、インク滴の吐出特性が
安定し、耐衝撃性に優れるインクジェットヘッドを製造
できるという優れた効果がある。
【0044】請求項7記載のインクジェットヘッドの製
造方法は請求項6の耐エッチング膜を容易に形成できる
という優れた効果がある。
【0045】請求項8記載のインクジェットプリンタは
請求項5の記載のインクジェットヘッドを印刷装置とし
て搭載したことを特徴とする。
【0046】上記構成によれば、高速、高印字品位でか
つ、耐衝撃性に優れたインクジェットプリンタを提供で
きるという優れた効果がある。 〔発明の詳細な説明〕
【0047】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ドの製造方法に関する。更に詳しくは、インク液滴の吐
出部となるノズルの製造方法に関する。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0049】(実施例1)請求項1、2、3、4記載の
発明を、図1をもとに説明する。図1は模式化した製造
工程の断面図である。(1)から(8)の順に工製造程
が進む。図1に於いて、101はシリコン基板、102
は耐エッチングパターン、103はエッチングピット、
104は電極膜、105はエッチング溝、106は耐エ
ッチング膜、107はノズルを示す。
【0050】(1)n-type、面方位(110)の厚さ
100μmのシリコン基板101を準備する。
【0051】(2)シリコン基板101上の所定の位置
に耐エッチング性をもつ径15μmの耐エッチングパタ
ーン102を形成する。耐エッチングパターン102に
は窒化シリコン、二酸化シリコン等が用いられる。
【0052】(3)エッチングピット103をシリコン
の異方性エッチングにより作成する。エッチングピット
103は微小の溝であればよく、シリコンの異方性エッ
チング以外の方法で作成してもよい。
【0053】(4)シリコン基板101の裏面に電極膜
104を、アルミの蒸着法により、形成する。電極膜の
材質はアルミに限定され物ではなく、また電極膜104
の形成方法も蒸着法に限定されるものではない。
【0054】(5)シリコンの電気化学的トレンチエッ
チングを行い、エッチング溝105を80μmの深さま
で作成する。シリコンの電気化学的トレンチエッチング
とは、シリコン基板101を電解質溶液に浸し、逆バイ
アスをかけエッチングする方法である。以下にこれを説
明する。シリコンの電気化学エッチングのメカニズムは
次の式で表される。
【0055】 Si + 2HF + e → SiF+ 2H 2SiF→ Si + SiF グSiF + 2HF → HSiF 上式から分かるようにSiのエッチングには正孔が必要
である。したがってシリコン基板101に何らかの方法
で正孔を供給し、それを制御すれば、正孔の存在する部
分のみエッチングできる。
【0056】ここで、エッチングの装置の例を図2をも
とに説明する。図2はエッチング装置の模式化した断面
図である。図2に於いて、200はシリコン基板、20
1はエッチング槽、202は電解質溶液、203は電
極、204は電源コントローラ、205ランプ、206
ランプコントローラ、207は光を示す。
【0057】シリコン基板200は中空のエッチング槽
201の底面に貼り付けられる。この中に電解質溶液2
02を満たす。これによりシリコン基板200の一面の
みが電解質溶液202に接する。電解質溶液202の中
に電極203を配置する。電極203とシリコン基板2
00に電源コントローラ204を接続する。シリコン基
板200には電極膜が形成されている。シリコン基板2
00の裏面側にはランプが配置されている。ランプ20
5はランプコントローラ206と接続し、光電流を制御
されている。
【0058】シリコン基板200に光207を照射して
正孔を供給する。シリコン基板200と電解質溶液20
2間に逆バイアスをかけると、シリコン基板200側に
空乏層ができる。空乏層に生成された正孔は電界が集中
するエッチピット引き寄せられる。これによりエッチピ
ットでエッチングが進む。
【0059】(6)シリコン基板101のエッチング溝
105の内面に耐エッチング膜106を形成する。シリ
コン基板101を熱酸化することにより、エッチング溝
105の内面に二酸化シリコンの膜を厚さ1μm形成す
る。
【0060】(7)シリコン基板101の裏面側を30
μm研削する。エッチング溝105が貫通した穴を形成
する。
【0061】(8)シリコン基板101の裏面側を20
μmエッチングする。耐エッチング膜106はエッチン
グされなく、突出した形状のノズル107が形成され
る。ノズルの高さは20μmである。
【0062】(9)形成されたノズル部品とキャビテ
イ、振動板等の他部品を組み立てて、図4に示すような
インクジェットヘッドを作成した。
【0063】(10)作成したインクジェットヘッドを
図6に示すインクジェットプリンタに組み込み、印刷し
た。奇麗な印字を得られた。インクジェットヘッドのノ
ズルを観察すると、飛び散ったインクはノズルにかかっ
ていなかった。飛び散ったインクはノズルの横にたま
り、突出したノズルが壁となっている。
【0064】(実施例2)請求項5、6、7、8記載の
発明を、図3をもとに説明する。図3は模式化した製造
工程の断面図である。(1)から(8)の順に工製造程
が進む。図3に於いて、301はシリコン基板、302
は耐エッチングパターン、303はエッチングピット、
304は電極膜、305はエッチング溝、306は耐エ
ッチング膜、307はノズル、308はプロテクターを
示す。
【0065】(1)n-type、面方位(110)の厚さ
100μmのシリコン基板301を準備する。
【0066】(2)シリコン基板301上の所定の位置
に耐エッチング性をもつ径10μmの耐エッチングパタ
ーン302を形成する。耐エッチングパターン302に
は窒化シリコン、二酸化シリコン等が用いられる。
【0067】(3)エッチングピット303をシリコン
の異方性エッチングにより作成する。エッチングピット
303は微小の溝であればよく、シリコンの異方性エッ
チング以外の方法で作成してもよい。
【0068】(4)シリコン基板301の裏面に電極膜
304を、アルミの蒸着法により、形成する。電極膜の
材質はアルミに限定され物ではなく、また電極膜304
の形成方法も蒸着法に限定されるものではない。
【0069】(5)シリコンの電気化学的トレンチエッ
チングを行い、エッチング溝305を作成する。
【0070】(6)シリコン基板301のエッチング溝
305の内面に耐エッチング膜306を形成する。シリ
コン基板301を熱酸化することにより、エッチング溝
305の内面に二酸化シリコンの膜を形成できる。
【0071】(7)シリコン基板301の裏面側をエッ
チングし、エッチング溝306とプロテクター308を
形成する。
【0072】(8)耐エッチング膜306とプロテクタ
ー308の先端を削り、貫通穴となるノズル307を作
成する。
【0073】(9)形成されたノズル部品とキャビテ
イ、振動板等の他部品を組み立てて、図4に示すような
インクジェットヘッドを作成した。
【0074】(10)作成したインクジェットヘッドを
図6に示すインクジェットプリンタに組み込み、印刷し
た。奇麗な印字を得られた。インクジェットヘッドのノ
ズルを観察すると、飛び散ったインクはノズルにかかっ
ていなかった。飛び散ったインクはノズルの横にたま
り、突出したノズルが壁となっている。また印刷紙でノ
ズル面を擦っても、その性能は変化しなかった。プロテ
クターを設けることで、インクジェットヘッドに紙等が
接触しても、ノズルが破壊されない。
【0075】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、安
定したインク吐出できる微細なインクジェットヘッドの
ノズルを容易に製造できる。これにより高解像度かつ高
速の印刷をするインクジェットヘッドおよびインクジェ
ットプリンタを提供できる事が出来る
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1を説明する模式化した工程の
断面図。
【図2】電解エッチング装置の一例を説明する模式化し
た工程の断面図。
【図3】本発明の請求項4を説明する模式化した工程の
断面図。
【図4】インクジェットヘッドの構造を説明する断面
図。
【図5】インクジェットヘッドの動作を説明する断面
図。
【図6】インクジェットプリンタの構造を説明する斜視
図。
【図7】従来のインクジェットヘッドの撥インク処理を
を説明する断面図。
【符号の説明】
101.シリコン基板 102.耐エッチングパターン 103.エッチングピット 104.電極膜 105.エッチング溝、 106.耐エッチング膜、 107.ノズル 200.シリコン基板 201.エッチング槽 202.電解質溶液 203.電極 204.電源コントローラ 205.ランプ 206.ランプコントローラ 207.光 301.はシリコン基板 302.耐エッチングパターン、 303.エッチングピット、 304.電極膜、 305.エッチング溝 306.耐エッチング膜、 307.ノズル、 308.プロテクター 401.ノズル 402.ノズルプレート 403.壁 404.キャビテイ 405.振動板 407.圧電素子 409.リザーバ 410.供給口 411.インクタンク口 501.ノズル 503.壁 504.キャビテイ 505.振動板 507.圧電素子 509.リザーバ 510.供給口 521.インク滴 522.インクの流れ 531.変形後の振動板 532.変形後の圧電素子 600.本体 601.インクジェットヘッド 602.トレイ 603.用紙 604.ロール 605.ロール 606.排出口 607.操作パネル 608.制御回路 609.インクジェトヘッドの動作方向 701.圧電素子 702.振動板 703.キャビテイ 704.ノズルプレート 705.ノズル 706.壁 707.撥水膜 708.インクのメニスカス

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャビテイの一面に配接されたノズルから
    インクを吐出するインクジェットヘッドに於て、前記ノ
    ズルが突出した形状であることを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  2. 【請求項2】請求項1の記載のインクジェトヘッドのノ
    ズルを以下の工程で形成することを特徴とするインクジ
    ェットヘッドの製造方法。(工程1)シリコン基板の表
    面上に耐エッチングパターンを形成する工程。 (工程2)シリコン基板の裏面に電極膜を形成する工
    程。 (工程3)エッチングピットを形成する工程。 (工程4)シリコン基板を電解質溶液に浸し、逆バイア
    スをかける工程。 (工程5)耐エッチング膜を形成する工程。 (工程6)シリコン基板の裏面を研削する工程。 (工程7)シリコン基板の裏面をエッチングする工程。
  3. 【請求項3】請求項2の工程5の耐エッチング膜を熱酸
    化法により二酸化シリコンを形成することを特徴とする
    インクジェットヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1の記載のインクジェットヘッドを
    印刷装置として搭載したことを特徴とするインクジェッ
    トプリンタ。
  5. 【請求項5】キャビテイの一面に配接されたノズルから
    インクを吐出するインクジェットヘッドに於て、前記ノ
    ズルが突出した形状であり、それに隣接する隆起したプ
    ロテクターを有することを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  6. 【請求項6】請求項5の記載のインクジェトヘッドのノ
    ズルを以下の工程で形成することを特徴とするインクジ
    ェットヘッドの製造方法。(工程1)シリコン基板の表
    面上に耐エッチングパターンを形成する工程。 (工程2)シリコン基板の裏面に電極膜を形成する工
    程。 (工程3)エッチングピットを形成する工程。 (工程4)シリコン基板を電解質溶液に浸し、逆バイア
    スをかける工程。 (工程5)耐エッチング膜を形成する工程。 (工程6)シリコン基板の裏面を研削する工程。 (工程7)シリコン基板の裏面側に耐エッチングパター
    ンを形成する工程 (工程8)シリコン基板の裏面をエッチングする工程。
  7. 【請求項7】請求項6の工程5の耐エッチング膜を熱酸
    化法により二酸化シリコンを形成することを特徴とする
    インクジェットヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】請求項5の記載のインクジェットヘッドを
    印刷装置として搭載したことを特徴とするインクジェッ
    トプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20130058400A (ko) * 2011-11-25 2013-06-04 삼성전자주식회사 잉크젯 프린팅 장치 및 노즐 형성 방법
JP2017105203A (ja) * 2011-09-08 2017-06-15 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. プリンティング装置

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