JP2000202480A - 汚染土壌、汚染地下水浄化法 - Google Patents

汚染土壌、汚染地下水浄化法

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JP2000202480A
JP2000202480A JP11006405A JP640599A JP2000202480A JP 2000202480 A JP2000202480 A JP 2000202480A JP 11006405 A JP11006405 A JP 11006405A JP 640599 A JP640599 A JP 640599A JP 2000202480 A JP2000202480 A JP 2000202480A
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soil
cylindrical
inducer
groundwater
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Kinya Kato
欽也 加藤
Shinya Furusaki
眞也 古崎
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    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘導物質の阻害影響を最小限にとどめ、有機
塩素系化合物による汚染土壌、汚染地下水を効果的に処
理する優れた浄化方法を提供する。 【解決手段】 土壌汚染を生じる有機塩素系化学物質を
生物学的に分解して土壌汚染による汚染地下水を浄化す
る方法において、前記生物学的に分解するのに必要な複
数の材料のうち誘導物質を含まない少なくとも1以上の
材料もしくは物質を一体化して透水性の筒状体に形成
し、もしくは透水性の筒状容器に該材料もしくは物質を
収納し、前記筒状体もしくは筒状容器を土壌に設けたボ
ーリング穴に挿入する直前に前記筒状体もしくは筒状容
器を誘導物質に接触させ、汚染地下水を浄化することを
特徴とする土壌汚染による汚染地下水の浄化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化学物質の生物学的
分解を利用した汚染土壌の修復に関する。
【0002】さらに詳しくは、現場処理(In-situ)型の
汚染土壌の修復であり、より正確には、土壌汚染による
汚染地下水の浄化方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】近年、芳香族炭化水素、パラフィン、ナ
フテン等の炭化水素、或いはトリクロロエチレン、テト
ラクロロエチレ、テトラクロロエタン等の有機塩素系化
合物等による環境汚染が問題となっている。これらの多
くは土壌中に浸透し、さらには分解されずに、徐々に地
下水に溶け込み地下水を通じて汚染領域を拡大する。
【0004】これらの深刻な環境汚染の再発を防止する
と共に、既に汚染されてしまった環境を浄化し、もとの
状態に戻していく修復技術の確立が強く望まれている。
この環境修復技術の例としては、汚染された地下水を汲
み上げて揮発性の有機物を分離し、活性炭に吸着させる
曝気処理、汚染土壌を太陽や熱源にさらし、揮発性有機
物を熱により蒸発させる加熱処理、汚染土壌にボーリン
グ穴を設け、真空で汚染物質を吸引する真空抽出、また
汚染土壌を真空釜に入れて加熱し吸引して抽出する真空
釜処理等が行われている。
【0005】特に高濃度で局部的な汚染の場合は、これ
らの物理化学的処理が有効となることもあるが、汚染が
低濃度で広範囲である場合には、処理速度やコストが問
題となる。また活性炭によりこれら有機物を回収できて
も、通常難分解性の物質が多く、これをさらに無害化す
るための処理を必要とする等の問題を有していた。これ
ら物理化学的処理が有する問題を解決できる方法とし
て、近年微生物による生物学的な処理を用いた土壌修復
方法が検討されている。微生物、特に土壌に棲息できる
微生物で汚染物質を分解する方法であれば、自然にエネ
ルギーにより浄化が行われ、投入エネルギーも小さく、
また分解も水や炭酸ガスにまで進められる。
【0006】上記のような土壌汚染を引き起こしている
難分解性化合物、例えば、芳香族炭化水素や有機塩素系
化合物を分解する微生物は数多く知られている。しかし
ながら、実際の汚染土壌に、これらの分解菌をそのまま
散布した場合、通常、菌の増殖や分解活性は十分には得
られない。この理由はすべて明確にされているものでは
ないが、ひとつは菌の分布と汚染物の分布状態の違いで
あり、他のひとつは、菌の生残と活性条件が不十分なた
めである。
【0007】これらを克服するため、従来、菌の散布と
同時に栄養素や酸素を供給する薬品を一緒に散布する方
法や、菌を地中に圧送する等の方法が用いられてきた。
しかし、散布した菌が、既に汚染された有害物質の分布
と同じ分布をすることは期待できない。
【0008】理由は、汚染物質との比重の違いや土壌に
対する化学的親和性の差、汚染物と菌の拡散する時間の
ズレ等があるからである。また分解菌を直接汚染土壌に
散布すると多くの場合、菌はその土壌に適応できないで
死滅する。
【0009】これは菌が必要とする栄養素の不足、水や
酸素の有無、従来から棲息する他の微生物との競合や捕
食、その他pHや温度等物理的条件の不適合があるから
と考えられる。菌と栄養素等菌の増殖・活性維持材料の
複数の材料からなる系についても、これらを一体として
土壌中に広く供給するのは困難である。
【0010】一方汚染された地下水を汲み上げて物理化
学的もしくは微生物的に処理する方法も試みられている
が、この方法は、汲み上げや処理のエネルギーを要し、
浄化のための地上施設を要し、さらに地盤沈下を生じた
り、地下水流の下流側での利用に支障が生じたり、伏流
水の変化による下流生態系への影響等問題が少なくなか
った。
【0011】また、汚染処理の観点から従来生物学的な
処理方法は種々知られている。特にUSP 810,385(Filed
May 12,1987,Sybron Chemicals,Inc.)はソックスに収納
した微生物やその栄養物、代謝物等を保護容器に入れ、
下水汚物の流れに設置するものが明らかにされている。
これは汚水流の中で、バクテリアが広く拡散し、汚水物
質の分解を進めるものである。
【0012】地下水汚染に関しても、汚染物質を分解す
る微生物を担体に固定しこれを汚染された地下水の流れ
に形成したボーリング穴等に挿入し分解・浄化する方式
が提案(特開平7-96289号公報)されている。また、ボー
リング穴を用いないが地下水域のある領域に分解微生物
を導入し微生物は移動させず、導入した分解微生物が存
在する領域を汚染された地下水が移動することにより浄
化される方式についてもいくつか提案(Biotreatment Ne
ws Vol.3,No.9,August 1993 1p,Soil & Groundwater Cl
eanup,December 1995 p36-43)されている。
【0013】これらの方式はバイオバリア等と呼ばれる
実証試験が始まっているが、誘導物質の添加が必要な有
機塩素系化合物による地下水汚染に適用した例は少な
い。これは、有機塩素系化合物の微生物分解に必要な酵
素の発現を促す誘導物質の多くが環境汚染物質であるた
めである。有機塩素系化合物による地下水汚染に適用し
た例は、外部から誘導物質を導入するのではなく、予め
複合汚染の汚染物質として誘導物質が浄化対象領域に存
在していた場合であり、このため微生物による浄化の適
用範囲は、有機塩素系化合物汚染の場合には狭められる
ことになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、誘導物質を
用いて有機塩素系化合物を分解する場合、分解を行う反
応場に誘導物質が存在すると、分解酵素が誘導物質の分
解にばかり使用されてしまい、肝心の有機塩素系化合物
の分解が進まなくなるという、いわゆる競合阻害が生じ
ることがわかっている。
【0015】誘導物質による競合阻害は誘導物質が有機
塩素系化合物と分解酵素を奪い合う形で生じるが、多く
の場合有機塩素系化合物より誘導物質の方が分解酵素と
の親和性が高く、誘導物質濃度がわずか数ppm上昇した
だけで有機塩素系化合物の分解活性が完全に消失する
等、劇的な結果をもたらすことになる。
【0016】また、誘導物質の種類によっては分解微生
物の増殖そのものにも影響を与え、分解活性、および菌
の増殖の両方を阻害してしまうこともある。例えば、フ
ェノールやトルエンといった誘導物質を用いたときに
は、誘導物質によっても分解菌がダメージを受けること
があり、増殖速度の低下さらには菌数の減少を引き起こ
し、結果として分解能力が著しく低下する。
【0017】誘導物質には分解微生物の消費されるタイ
プと、分解されにくい、もしくは分解されないものがあ
り、このようなものは汚染物質を分解した後も例えば地
下水中に流出する危険性が問題となる。また分解される
ものでも完全に分解される前に地下水中に流出すること
が考えられ、誘導物質の多くが環境汚染物質であること
からこのような二次汚染の原因とあるものは極力排除し
なければならない。
【0018】以上のように誘導物質を用いた環境汚染の
浄化には、多くの課題があり特に誘導物質による競合阻
害を防止し、環境への流出を押えることが重要な課題と
なっている。
【0019】本発明は上記に鑑みなされたものであっ
て、その目的とするところは、上記課題を克服し誘導物
質の阻害影響を最小限にとどめることができ、有機塩素
系化合物によって汚染された汚染土壌、汚染地下水を効
果的に処理することのできる優れた浄化方法を提供する
ことにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の課題・目的は以下
に示す本発明によって解決・達成される。すなわち本発
明は、土壌汚染を生じる有機塩素系化学物質を生物学的
に分解して土壌汚染による汚染地下水を浄化する方法に
おいて、前記生物学的に分解するのに必要な複数の材料
のうち誘導物質を含まない少なくとも1以上の材料もし
くは物質を一体化して透水性の筒状体に形成し、もしく
は透水性の筒状容器に該材料もしくは物質を収納し、前
記筒状体もしくは筒状容器を土壌に設けたボーリング穴
に挿入する直前に前記筒状体もしくは筒状容器を誘導物
質に接触させ、汚染地下水を浄化することを特徴とする
土壌汚染による汚染地下水の浄化方法を開示するもので
ある。
【0021】そして、本発明の土壌汚染による汚染地下
水の浄化方法は、前記筒状体もしくは筒状容器をボーリ
ング穴より取出して交換可能にしたことを特徴とし、も
しくは、前記ボーリング穴に前記筒状体もしくは筒状容
器を挿入する直前に該筒状体もしくは筒状容器を誘導物
質に接触させた後、該誘導物質との接触を断ち、前記筒
状体もしくは筒状容器を前記ボーリング穴に挿入するこ
とを特徴とし、もしくは、前記ボーリング穴に前記筒状
体もしくは筒状容器を挿入する直前に該筒状体もしくは
筒状容器を誘導物質に接触させた後、誘導物質との接触
を断ち、前記筒状体もしくは筒状容器を前記ボーリング
穴に挿入する行程を繰り返すことを特徴とするものであ
る。
【0022】本発明の浄化方法は、土壌汚染を生じる有
機塩素系化学物質を生物学的に分解する土壌浄化方法に
おいて、該生物学的に分解するのに必要な複数の材料の
うち誘導物質を含まない少なくとも1以上の材料もしく
は物質を一体として透水性の筒状体に形成し、もしくは
透水性の筒状容器に該材料を収納し、前記筒状体もしく
は筒状容器を土壌に設けたボーリング穴に挿入する直前
に前記筒状体もしくは筒状容器を誘導物質に接触させる
ことを特徴とする土壌汚染による汚染地下水の浄化方法
である。
【0023】この方法を用いることにより、有機塩素系
化学物質により汚染された地下水の浄化を、極めて効果
的に達成することができる。すなわち、汚染された地下
水の流路に当たる領域にボーリング穴を形成し、このボ
ーリング穴に、少なくとも汚染物質を分解する能力をも
つ微生物が存在する筒状体もしくは筒状容器を挿入し浄
化を行う浄化方法において、この分解微生物が存在する
筒状体もしくは筒状容器を誘導物質と接触させ、分解微
生物から分解酵素の発現を開始させ、次いで誘導物質と
接触を断った後、この筒状体もしくは筒状容器をボーリ
ング穴に挿入し、有機塩素系化合物で汚染された地下水
域を浄化するものである。
【0024】筒状体もしくは筒状容器をボーリング穴に
挿入したとき、誘導物質は筒状体もしくは筒状容器中に
存在しないが、一度誘導された分解酵素の発現は誘導物
質が存在しなくなっても所定の期間は持続する。地下水
域に挿入した筒状体もしくは筒状容器を、再びボーリン
グ穴から取出し誘導物質と接触させ、また地下水域に挿
入してもよい。また、上記の行程を繰り返してもよい。
【0025】次に具体的な材料を示す。微生物としては
分解化性が確認されている材料が使用されるが、次の属
にあるものから選択される。本発明に用いることのでき
る分解微生物としては、分解能力を持つならいかなるも
のでもよく、単離・同定されたものに限定されることは
全くなく、混合状態の培養液、汚染物質を含む培養液で
集積培養したものでもなんら問題はない。
【0026】具体的なTCE(トリクロロエチレン)分解
菌として単離された報告としては、Welchia alkenophil
a sero 5(USP 4,877,736 ATCC 53570)、Welchia alkeno
phila sero 33(USP 4,877,736 ATCC 53571)、Methylocy
stis sp.strain M(Agric.Biol.Chem.,53,2903(1998))、
Biosci.Biotech.Biochem.,56,486(1992)、同56,736(199
2)、Methylosinus trichosprium OB3b(Am.Chem.Soc.Nat
l.Meet.Dev.Environ.Mictobiol.,29,365(1989))、Appl.
Environ.Microbiol.,55,3155(1989)、Appl.Biochem.Bio
technol.,28,877(1991)、特開平2-92274号、同3-292970
号、Methylomonas sp.MM2(Appl.Eviron.Microbiol.,57,
236(1991))、Alcaligenes denitrificans ssp.xylosoxi
dans JE75(Arch.Microbiol.,154,410(1990))、Alcalige
nes eutrophus JMP134(Appl.Environ.Microbiol.,56,11
79(1990))、Mycobacterium vaccae JOB5(J.Gen.Microbi
ol.,82,163(1974))、Appl.Environ.Microbiol.,54,2960
(1989)、ATCC 29678、Pseudomonas putida BH(下水道協
会誌24,27(1987))、Acientobactor sp.strain G4(Appl.
Environ.Microbiol.,52,383(1986))、同53,949(1987)、
同54,951(1989)、同56,279(1990)、同57,193(1991)、US
P 4,925,802、ATCC53617(この菌は初めPseudomonas cep
aciaと分類されていたが、Acinetobactor sp.に変更さ
れた)、Pseudomonas medocina KR-1(Bio/Techol.,7,282
(1989))、,Pseudomonas putida F1(Appl.Eviron.Microb
iol.,54,1703(1988))、同54,2578(1988)、Pseudomonas
fluorescens PFL12(Appl.Environ.Microbiol.,54,2578
(1988))、Pseudomonas putida KWI-9(特開平6-70753
号)、Pseudomanas cepacia KK01(特開平6-227769号)、N
itrosomonas europaea(Appl.Environ.Microbiol.,56,11
69(1990))、Lactobacillus vaginalis sp.nov(Int.J.Sy
st.Bacteriol.39,368(1989))、ATCC 49540等が知られて
いる。
【0027】分解微生物を保持する担体、保持法等は特
別なものでなくてもよく、担体としては従来医薬品工
業、食品工場、廃水処理システム等で知られているバイ
オリアクターで使用されている様々な微生物担体が用い
られる。
【0028】例えば、多孔質ガラス、セラミックス、金
属酸化物、活性炭、カオリナイト、ベントナイト、ゼオ
ライト、シリカゲル、アルミナ、アンスラサイト等の粒
子状担体、デンプン、寒天、キチン、キトサン、ポリビ
ニルアルコール、アルギン酸、ポリアクリルアミド、カ
ラギーナン、アガロース、ゼラチン等のゲル状担体、イ
オン交換性セルローズ、イオン交換樹脂、セルローズ誘
導体、グルタルアルデヒド、ポリアクリル酸、ウレタン
ポリマー等がある。
【0029】また天然、もしくは合成の高分子化合物も
有効であり、セルローズを主成分とする綿、麻、パルプ
材より作られる紙類、もしくは天然物を変性した高分子
アセテート等、ポリエステル、ポリウレタンを初めとす
る合成高分子からなる布類も使用することができる。こ
れらは微生物の付着性がよく、微細な間隙を有するもの
が好ましい。
【0030】また誘導物質の例としては、フェノール、
クレゾール、トルエン等の芳香族化合物やメタン、プロ
パン等がある。これらは、分解微生物に分解される、ま
た、分解微生物で分解されることにないものとしてo-xy
lene(J.ohBacteriology,Apr.1994,p2354)や、遺伝子組
換菌を用いる場合等はisopropyl-1-thio-b-D-galactosi
de(IPTG)等がある。
【0031】増殖材料としては、微生物の種類に合わせ
微生物培養の培地で使用されているものから選んで使用
することができる。例えばブイヨンン培地、M9培地、
L培地、Melt extract, MY培地、硝化菌選択培地等が
有効であり、液状のものは、アガロウスゲル等のゲル状
物質と共に用いることにより固体状もしくは半固体とし
て扱うことができる。
【0032】棲息空間を与える材料と栄養素を兼用する
材料としては、農林業関係で知られている堆肥材料等に
その例を多くみることができる。すなわち、麦わら等の
穀物類のワラやオガクズ、米糠、オカラ、砂糖黍の絞り
カス等の乾燥植物遺体、またカニやエビの殻も微小間隙
を有すると同時に微生物による分解性栄養素となるもの
である。
【0033】本発明におけける透水性筒状体は、上記物
質の全部または一部を一体化したものでるが、これら材
料のいずれかが、透水性筒状体として形成可能であれ
ば、それ自体で筒状体を形成し、他の材料をこれに含浸
させることにより得られる。また、各々が粉末状や粒体
のときは結合材を用いて形成する。また、別の方法とし
ては、透水性の容器にこれら材料を収納することも可能
である。容器材料としては透水性構造を付与できて、外
形形状が保てるものであれば、プラスチック、金属、
紙、布等が使用される。
【0034】この場合は筒状体、筒状容器の透水係数は
5×10-6〜1×10-2cm/secの範囲であることが好ま
しく、透水係数がこれより大きいと、汚染水の筒状体、
筒状容器内での滞留時間が短くなり、分解が十分進まな
いという問題が生じる。また、小さい場合は、筒状体、
筒状容器内での滞留時間は長くなるが、処理量が少なく
なり効率が低下する。
【0035】また、透水係数は、周囲の土壌の透水性や
汚染濃度、地下水流の速さ等を考慮した上で適宜決定す
るのがよいが、より好ましくは、1×10-5〜1×10
-3cm/secの範囲である。なお、該透水係数はJIS A
1218「土の透水試験方法・定水位透水試験」により求
められる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様を実施例
により具体的に説明するが、本発明はこれによりなんら
制約されるものでなく、その思想にしたがう限り各種の
形態で実施できることは理解されるべきである。
【0037】[実施例1]図1に、側面に0.1〜5mmの
穴を設けた筒状の容器を示す。この容器内中空部14に
生物学的に汚染物質を分解できる複数の材料を収納し
て、この発明の筒状体として使用する。容器の上蓋12
はネジ13を有し、容器の上部のネジ25を嵌合でき
る。蓋の中央部には複数相互に接続可能となるフック1
1があり、一方容器下方には下に接続するときのフック
17を設けてある。
【0038】使用する微生物は、対象とする汚染化学物
質の分解が確認されている菌であれば、特に限定するも
のではないが、対象とする汚染物質により、分解能の特
定されたこの例では、フェノールを誘導物質としてトリ
クロロエチレン(TCE)を分解する能力を有する菌株KK
01(ブタペスト条約に基づく国際寄託番号:FERM BP-423
5)を用いた例を示す。
【0039】M9培地(酵母エキストラクト0.5%含有)
で培養したKK01株を生残維持材料として3cmに裁断した
稲ワラ1000部とよくまぶし、1cm3当たり108程度
となるようにし、容器の側面に約1mmの穴を多数設けた
直径10cm、長さ50cm、厚さ0.6mmのポリエステル
容器内に充填し、透水性筒状体とした。
【0040】帯水層水面が10m前後で、約14m近辺
に不透水層を有する閉鎖系のモデル地下汚染源の地下水
下流域に、直径14cmのボーリング穴を15m掘削し、
側面に0.1〜2mmの小穴を多数設けた直径12cm、厚
さ5mmの塩化ビニール管を挿入した。
【0041】透水性筒状体をフェノール50ppmの溶液
槽に150分間浸漬し、これを取り出し、フェノール溶
液を自然落下で可能な限り排除した後、この透水性筒状
体を10本連結し、下部に3kgの重りを装着し、ステン
レス製の3mmの撚り線12mに接続し、約10m降ろ
す。
【0042】該モデル地下水を1m/日の流速で地下水
を移動させる。該地下水にトリクロロエチレン(TCE)
を10ppm溶解し、前記管の下流側でTCE濃度測定を
行ったところ、24時間後に管下流の半径50cmで1pp
m以下、管下流10cm内は0.1ppmとなった。またフェ
ノールは観測されなかった。
【0043】[実施例2]KK01株の代わりにJ1株(FERM BP
5102)を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。
前記管の下流側でTCE濃度測定を行ったところ、24
時間後には管下流の半径50cmで2ppm以下、管下流1
0cm内は0.3ppmであった。
【0044】[実施例3]生残維持材料として不織布(タ
フネルEX:三井石油化学工業社製)を用いた以外は実施例
1と同様に実験を行った。前記管の下流側でTCE濃度
測定を行ったところ、24時間後には管下流の半径50
cmで0.7ppm以下、管下流10cm内は0.03ppm以下で
あった。
【0045】[実施例4]生残維持材料として不織布(タ
フネルEX:三井石油化学工業社製)を用いた以外は実施例
1と同様に実験を行った。前記管の下流側でTCE濃度
測定を行ったところ、24時間後には管下流の半径50
cmで0.7ppm以下、管下流10cm内は0.03ppm以下で
あった。しかし2日目以降、TCE濃度が上昇し始め
た。
【0046】このため連結された透水性筒状体を10本
すべてを引き上げ、フェノール50ppmの溶液槽に15
0分浸漬し、これを取り出し、フェノール溶液を自然落
下で可能な限り排除した後、この透水性筒状体を再度降
ろした。再度降ろした後の24時間後のTCE濃度は管
下流の半径50cmで0.7ppm以下、管下流10cm内は
0.05ppm以下であった。
【0047】
【発明の効果】本発明の汚染土壌・汚染地下水の浄化方
法は、有機塩素化合物を生物学的に分解するのに必要な
材料のうち誘導物質を除く材料を一体化して透水性の筒
状体とし、もしくは筒状容器に収納し、これを汚染源の
下流、上流または周囲に配置する直前に誘導物質と接触
させたのち誘導物質を排除して、汚染源の下流、上流ま
たは周囲に配置するものである。
【0048】この浄化方法により、土壌汚染により生じ
た地下水汚染を、実質的に浄化することができる。競合
阻害が生じることなく効率的に分解・浄化が進み、誘導
物質が地下水域に流出する危険性もない。そして地上で
の管理を確実にし、しかも経済的に実行でき、その効果
を継続的に発揮することができる。また、浄化が十分に
完了したとき、菌体を含むすべての材料や装置の回収が
容易で、二次汚染のない修復を達成することができる等
の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における透水性筒状容器の概要を示す
摸式図。
【符号の説明】
1 管状容器 11,17 フック 12 上蓋 13,15 ネジ(上蓋、本体) 14 中空部 16 空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B029 AA03 AA05 AA08 AA09 AA21 BB02 BB06 CC02 CC07 CC10 CC13 GA02 GB09 GB10 HA10 4B065 AA01X AA57X AC20 BB01 BC01 BC31 BC41 CA56 4D003 AA01 BA07 DA01 DA30 EA01 EA06 EA10 EA15 EA18 EA19 EA21 EA22 EA23 EA24 EA25 EA30 FA01 FA04 FA06 4D040 DD03 DD11 DD31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌汚染を生じる有機塩素系化学物質を
    生物学的に分解して土壌汚染による汚染地下水を浄化す
    る方法において、前記生物学的に分解するのに必要な複
    数の材料のうち誘導物質を含まない少なくとも1以上の
    材料もしくは物質を一体化して透水性の筒状体に形成
    し、もしくは透水性の筒状容器に該材料もしくは物質を
    収納し、前記筒状体もしくは筒状容器を土壌に設けたボ
    ーリング穴に挿入する直前に前記筒状体もしくは筒状容
    器を誘導物質に接触させ、汚染地下水を浄化することを
    特徴とする土壌汚染による汚染地下水の浄化方法。
  2. 【請求項2】 前記筒状体もしくは筒状容器をボーリン
    グ穴より取出して交換可能にした請求項1記載の土壌汚
    染による汚染地下水の浄化方法。
  3. 【請求項3】 前記ボーリング穴に前記筒状体もしくは
    筒状容器を挿入する直前に該筒状体もしくは筒状容器を
    誘導物質に接触させた後、該誘導物質との接触を断ち、
    前記筒状体もしくは筒状容器を前記ボーリング穴に挿入
    することを特徴とする請求項1記載の土壌汚染による汚
    染地下水の浄化方法。
  4. 【請求項4】 前記ボーリング穴に前記筒状体もしくは
    筒状容器を挿入する直前に該筒状体もしくは筒状容器を
    誘導物質に接触させた後、誘導物質との接触を断ち、前
    記筒状体もしくは筒状容器を前記ボーリング穴に挿入す
    る行程を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の土壌
    汚染による汚染地下水の浄化方法。
JP11006405A 1999-01-13 1999-01-13 汚染土壌、汚染地下水浄化法 Pending JP2000202480A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002177989A (ja) * 2000-12-14 2002-06-25 Atsushi Nakaya 屎尿処理装置
JP4565118B2 (ja) * 2000-12-14 2010-10-20 中家 明美 屎尿処理装置

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