JP2000202239A - バイオリアクタ―及びそれを用いた微生物分解方法 - Google Patents

バイオリアクタ―及びそれを用いた微生物分解方法

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JP2000202239A
JP2000202239A JP11006408A JP640899A JP2000202239A JP 2000202239 A JP2000202239 A JP 2000202239A JP 11006408 A JP11006408 A JP 11006408A JP 640899 A JP640899 A JP 640899A JP 2000202239 A JP2000202239 A JP 2000202239A
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filter unit
decomposing
gas
microorganisms
organochlorine compound
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Masanori Sakuranaga
昌徳 桜永
Kinya Kato
欽也 加藤
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Canon Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M25/00Means for supporting, enclosing or fixing the microorganisms, e.g. immunocoatings
    • C12M25/02Membranes; Filters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M29/00Means for introduction, extraction or recirculation of materials, e.g. pumps
    • C12M29/06Nozzles; Sprayers; Spargers; Diffusers

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機塩素化合物の微生物分解に必要とされる
分解酵素発現の誘導物質を用いる際の競合阻害の影響を
最小限にとどめるリアクター装置および、有機塩素化合
物の分解方法を提供する。 【解決手段】 フィルターユニットに分解微生物を保持
させる工程と、該分解微生物を保持したフィルターユニ
ットを、密閉された容器内に配置して、気体導入部と気
体排出部とを該フィルターユニットを介して接続し、か
つ該フィルターユニットに該分解微生物の培養液を供給
した状態で、該気体導入部から該フィルターユニットへ
有機塩素化合物を含む気体を供給して該有機塩素化合物
を該分解微生物と接触させて分解する工程と、を有する
気体中の有機塩素化合物の微生物分解方法。また、該分
解方法に用いられる、該フィルターユニットに該培養液
を供給する送液系と該フィルターユニットからの排液を
回収する手段を備えていることを特徴とするバイオリア
クター装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機塩素化合物の
微生物分解方法に関し、誘導物質の分解等への悪影響を
排除した有機塩素化合物の微生物分解方法及びそれに用
いるのに適した分解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の急速な科学技術の進歩は大量の化
学物質や化成品を生みだしている。これらの多くは環境
中に徐々に蓄積しながら自然を汚染している。環境中の
水、大気が循環していることを考えると環境汚染は地球
レベルと拡大していく深刻な問題である。
【0003】これまでによく知られた汚染物質として
は、トリクロロエチレン(TCE)やテトラクロロエチレ
ン(PCE)、ダイオキシンなどの有機塩素化合物、ある
いはトルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族化合
物、ガソリンなどの燃料などが挙げられる。
【0004】中でもトリクロロエチレンやテトラクロロ
エチレンなどの有機塩素化合物は精密部品の洗浄やドラ
イクリーニングなどにおいてかつて大量に使用され、そ
の漏洩により土壌や地下水の大規模な汚染実態が明らか
になりつつある。
【0005】また、これらの有機塩素化合物は、一般
に、揮発性が高く、場合によっては大気汚染をも引き起
こす。さらに、これら有機塩素化合物の催奇性や発がん
性が指摘され、生物界へも極めて重大な影響を及ぼすこ
とがわかったため、汚染源の遮断はもちろん、すでに汚
染が拡大した土壌や地下水の浄化は早急に解決すべき課
題となっている。
【0006】そこで近年、汚染土壌中の有機塩素化合物
で汚染された空気や地下水を地上に取り出し、分解菌の
充填されたリアクターに導入することで分解処理をする
という方法が試みられてきている。
【0007】例えば特開平6-254537号公報およ
び特開平7-112176号公報では、真空抽出法によ
って汚染空気や地下水を真空抽出し、地上で微生物によ
って浄化する方法が提案されている。また、米国特許5
494574号公報では、汚染空気を効率よく微生物分
解するバイオリアクターの構成が開示されている。
【0008】ところで分解菌が有機塩素化合物を分解す
るためには誘導物質(インデューサー)と呼ばれる化学物
質の存在が必要である。すなわち、誘導物質を分解する
ために発現した酵素によって目的とする有機塩素化合物
を分解することが可能となる。現在知られている誘導物
質としては、フェノール、クレゾール、トルエン等の芳
香族化合物やメタン等が挙げられ、その多くは分解菌を
培養するための栄養源としても利用されうる。
【0009】有機塩素化合物の分解菌のうち、例えばト
リクロロエチレン分解菌として単離されたものとして
は、すべて、トリクロロエチレンを分解するために誘導
物質を必要としている。TCEを分解するバイオリアク
タの例としては特開平7-308693号公報、B.R.
Folsomらの研究例(Applied and Environmental
Microbiology,June 1991,p1602-1608)、G.B.Wickr
amanayaneらの研究例(Biological Processes-Innov
ative Hazardous Waste Technology Series)、
また「地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集
会、第5回講演集」における発表例(p345)など多数あ
る。いずれの場合も誘導物質を用いて分解をおこなって
おり誘導物質を培地に混入させ培養し分解をおこなって
いる。
【0010】一方、誘導物質なしで構成的に分解酵素を
発現し、かつその活性が実用上十分に高い分解菌が変異
操作等によって開発されている。例えばトリクロロエチ
レンを分解する酵素であるオキシゲナーゼを構成的に発
現するJM1株が野生株の突然変異処理によって取得され
ている(特開平8-294387号公報)。
【0011】しかしこのように構成的に分解酵素を発現
している分解菌を連続培養した場合、遺伝的な不安定性
から培養時間の経過とともに分解酵素を発現しない株に
変異してしまい、分解活性が消失してしまうという問題
を抱えている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、気体中の有
機塩素化合物を分解微生物を保持した反応装置内で分解
するには、気体のままでは微生物分解できない。微生物
の存在する液内に汚染ガスを溶存させることが必要であ
る。一方、分解微生物は増殖並びに上記の誘導の工程、
並びに不活性化した菌体のリフレッシュなどを行わなけ
れば連続的に分解浄化をさせることはできない。
【0013】従って、気体中の汚染化合物を分解浄化す
るには、汚染化合物を効率的に溶存させる課題と、活性
の高い微生物を保持する課題を同時に解決しなければな
らない。特に、微生物の分解活性には一定の期間があ
り、活性の高い菌体が増殖あるいは増加供給により常に
ある量確保されることが必要である。
【0014】また、上述のように有機塩素化合物の微生
物分解には常に分解酵素発現の誘導を必要とし、誘導物
質を用いて有機塩素化合物を分解する場合、分解する場
合、分解を行う反応場に誘導物質が存在すると分解酵素
が誘導物質の分解にばかり使用されてしまい、肝心の有
機塩素化合物の分解が進まなくなるという、いわゆる競
合阻害が生じることが分かっている。
【0015】本発明の目的は上記課題を克服し誘導物質
の阻害影響を最小限にとどめるリアクター装置の提供及
び有機塩素化合物の分解方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、気体中の
汚染化合物の分解に、分解微生物の増殖並びに誘導物質
を用いる阻害影響を最小限にとどめる道を見いだすこ
と、及び気体中の汚染化合物の分解菌近傍の溶液内への
効率的な溶存を鋭意研究した結果、工業的にも十分有用
な気体中の有機塩素化合物の分解装置を開発し、本発明
に到達したものである。
【0017】即ち、この発明の要旨は、気体中の有機塩
素化合物の微生物分解をおこなうバイオリアクター装置
において、フィルターユニットを内部に装着して密閉し
得る容器内に、有機塩素化合物を含む気体が導入される
気相導入部と排気のための気体排出部とを、分解微生物
を保持し、着脱自在に装着されたフィルターユニットを
介して接続して設け、更に該フィルターユニットに前記
微生物の培養液を供給する送液系と該フィルターユニッ
トからの排液を回収する手段を備えていることを特徴と
するバイオリアクター装置である。
【0018】さらに、気体中の有機塩素化合物を微生物
分解する方法において、フィルターユニットに分解微生
物を保持させる工程と、該分解微生物を保持したフィル
ターユニットを、密閉された容器内に配置して、気体導
入部と気体排出部とを該フィルターユニットを介して接
続し、かつ該フィルターユニットに該分解微生物の培養
液を供給した状態で、該気体導入部から該フィルターユ
ニットへ有機塩素化合物を含む気体を供給して該有機塩
素化合物を該分解微生物と接触させて分解する工程と、
を有することを特徴とする気体中の有機塩素化合物の微
生物分解方法である。
【0019】なお、前記バイオリアクター装置並びに前
記微生物分解方法においては、前記保持された分解微生
物は、前記フィルターユニットへの装着の前に予め増殖
及び分解酵素の誘導がなされていることが、誘導物質に
よる競合阻害を防止するという点で望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】この発明の有機塩素化合物の微生
物分解方法によれば、有機塩素化合物を分解する微生物
を微生物担体に保持させこれを誘導物質と所定時間接触
させ分解微生物に誘導をかけ、その後、微生物担体に保
持された分解微生物と誘導物質との接触を断ち、誘導物
質を十分分解菌から取り除いた後、誘導のかかった微生
物が保持された微生物担体に有機塩素化合物を接触させ
ることで有機塩素化合物の分解をおこなうものである。
即ち分解の場では誘導物質が存在しない状況下で有機塩
素化合物の分解をおこなうことを実現したものである。
【0021】例えば、有機塩素化合物を分解する微生物
を微生物担体に保持させこれを誘導物質で満たされた槽
に所定時間浸し、分解微生物に誘導をかける。その後、
分解微生物を保持した微生物担体を誘導物質で満たされ
た槽から引き上げ、誘導物質を分解菌から取り除いた
後、誘導のかかった微生物が保持された微生物担体を分
解槽に移動し、分解槽において気体中の有機塩素化合物
の分解を進行させる。
【0022】即ち、誘導物質は分解槽に持ち込まれるこ
となく、分解の場では誘導物質が存在せず、誘導物質に
よる分解への阻害(競合阻害)は排除される。また誘導物
質分解微生物によって分解されない形式のものでも、こ
の誘導物質が分解槽にほとんど入り込まないため有機塩
素化合物の分解後、特別な処理を施すことなく大気放出
ができる。
【0023】有機塩素化合物を含む気体を導入する方法
としては、発生源からの自然送入でもかまわないが、よ
り積極的な導入法、例えば導入側での圧縮機による加圧
や、排出側を真空ポンプ等で吸い出して減圧すること、
などが好ましい。
【0024】本発明に用いることのできる分解微生物と
しては、分解能力を持てばいかなるものでもよく、単離
・同定されたものに限定されることは全く無く、混合状
態の培養液、汚染物質を含む培養液で集積培養したもの
でもなんら問題はない。
【0025】例えば、以下に示すTCE分解菌の単離株
が報告されており、これらを用いることができる。 Welchia alkenophila sero 5(USP 48777
36,ATCC 53570)、 Welchia alkenophila sero 33(USP 4877
736,ATCC 53571)、 Methylocystis sp.strain M(Agric.Biol.Che
m.,53,2903(1989)、Biosci.Biotech.Bioche.,5
6,486(1992)、同56,736(1992))、 Methylosinus trichosprium OB3b(Am.Chem.
Soc.Natl.Meet.Dev.Environ.Microbiol.,29,3
65(1989)、Appl.Environ.Microbiol.,55,3155(19
89)、Appl.Biochem.Biotechnol.,28,877(199
1)、特開平2-92274号公報、特開平3-29297
0号公報)、 Methylomonas sp.MM2(Appl.Environ.Microbio
l.,57,236(1991))、Alcaligenes denitrificans
ssp.xylosoxidans JE75(Arch.microbiol.,15
4,410(1990))、 Alcaligenes eutrophus JMP134(Appl.Enviro
n.Microbiol.,56,1179(1990)) Mycobacterium vaccae JOB5(J.Gen.Microbio
l.,82,163(1974)、Appl.Environ.Microbiol.,5
4,2960(1989)、ATTC 29678), Pseudomonas putida BH(下水道協会誌、24,27
(1987))、 G4株(Appl.Environ.Microbiol.,52,383(198
6)、同53,949(1987)、同54,951(1989)、同56,
279(1990)、同57,193(1991)、USP 492580
2,ATCC 53617)、 Pseudomonas mendocina KR-1(Bio/Technol.,
7,282(1989))、 Pseudomonas putida F1(Appl.Environ.Microbi
ol.,54,1703(1988)、同54,2578(1988))、 Pseudomonas fluorescens PFL12(Appl.Envir
on.Microbiol.,54,2578(1988))、 Pseudomonas putida KWI-9(特開平6-7075
3号公報)、 Pseudomonas cepacia KK01(特開平6-2277
69号公報)、 Nitrosomonas europaea(Appl.Environ.Microbio
l.,56,1169(1990))、 Lactobacillus vaginalis sp.nov(Int.J.Syst.Bac
teriol.,39,368(1989)、ATCC 49540) 分解微生物をフィルターユニットに保持するには、フィ
ルターユニットが担体を保持しているか、もしくはフィ
ルターユニット自体が微生物担体となればよい。この場
合天然、もしくは合成の高分子化合物、例えばセルロー
ズを主成分とする綿、麻、パルプ材より作られる紙類も
しくは天然物を変性した高分子アセテート等、ポリエス
テル、ポリウレタンを初めとする合成高分子からなる布
類を使用できる。これらは微生物の付着性が良く、微細
な間隙を有するものが気体状の有機塩素化合物の溶解上
も好ましい。
【0026】また、従来医薬品工業、食品工場、廃水処
理システム等で知られているバイオリアクターで使用さ
れているさまざまな微生物担体を前記繊維系の基材に固
定し、もしくはそれら自体を帯状の固体基材に加工する
などして利用することができる。液体培地を基材中に含
浸させた場合は、基材中で分解微生物は増殖を行うこと
ができる。
【0027】これらの担体としては、例えば多孔質ガラ
ス、セラミックス、金属酸化物、活性炭、カオリナイ
ト、ベントナイト、ゼオライト、シリカゲル、アルミ
ナ、アンスラサイト等の粒子状担体などが挙げられる。
【0028】また、担体としては、下記に示す、ゲル層
を形成するものを用いることもできる。この場合、微生
物はゲル層内部に取り込まれる形で担持される。
【0029】例えば、デンプン、寒天、キチン、キトサ
ン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、ポリアクリル
アミド、カラギーナン、アガロース、ゼラチン等のゲル
状担体、イオン交換樹性セルローズ、イオン交換樹脂、
セルローズ誘導体、グルタルアルデヒド、ポリアクリル
酸、ウレタンポリマー等がある。
【0030】誘導物質との接触を断つ工程では、例えば
誘導物質溶液に浸していた分解微生物を保持した微生物
担体を引き上げてもよいし、分解微生物を保持した微生
物担体への誘導物質溶液または気体の吹き付けを中止す
る方法でもよい。さらにより積極的に培地や蒸留水等で
すすぎ洗浄してもよい。誘導物質との接触を断ち、誘導
物質の分解の場への持ち込みを最小限にするべく、例え
ば、誘導物質溶液からの微生物担体を引き上げ後すぐに
分解の場に移動するのは望ましくなく、少なくとも1分
はその状態を維持するとよい。
【0031】気体中の有機塩素化合物と反応させる装置
に、分解微生物を保持したフィルターユニットを装着さ
せた後には、このフィルターユニットに培養液などを滴
下もしくは散水することによりフィルターユニット全体
を培養液で浸潤することができる。この液は、微生物の
活性を持続させると同時に気体中の有機塩素化合物の溶
解を行わせるためのものである。浸潤液は、ドレインか
ら装置外に排出される。
【0032】微生物の分解活性が低下すれば、フィルタ
ーユニットを取り出し、新たに準備したフィルターユニ
ットに交換するだけで短期の中断だけで分解工程を継続
することができる。
【0033】以下、図を用いてより具体的に説明する。
【0034】図1は、本発明の基本構成に相当するをバ
イオリアクタ装置を示す概略構成図である。(a)に外見
上の概略を、(b)に装置断面を示す。
【0035】本基本構成は、気相の有機塩素化合物を微
生物分解する槽1、11に、汚染ガスの吸入口3、13と
分解処理後の排気口4、14と微生物を担持する着脱可
能なフィルターユニット18を着脱する口2、12、装着
時のフィルターユニットに浸潤液を供給する送液口5、
15、その浸潤液をフィルターユニットに供給する散水
系17、および浸潤後の廃液を回収する回収手段である
ドレイン口6、16からなっている。また、槽1、11内
部はフィルターユニット18の装着部と、該装着部をは
さんで吸入口3、13側の(気体)導入部19と、排気口
4、14側の(気体)排出部20の、3つの部分に分けら
れる。
【0036】次に、この基本構成によって得られる作用
を説明する。
【0037】分解微生物を担持したフィルターユニット
18を、培養液並びに誘導物質を供給し、また誘導物質
の供給を中止するなどにより、誘導物質を含まない状態
で準備する。これを着脱口2、12からリアクターに装
着し、フィルター上部から分解菌の培養液を散水系1
5、17により供給し、常にフィルターユニットを浸潤
する。この後に、吸入口から有機塩素化合物を含む気体
を送り、排気口よりフィルターユニットを通過したガス
を除去する。フィルターユニットの微生物の活性持続時
間は微生物や汚染濃度、吸気量等に依存しているが、一
定時間で活性は低下するので、その場合には吸気を中断
してフィルターユニットの交換をする。なお、フィルタ
ーユニットの交換を自動化したり、フィルターユニット
を多段にして分解能力を向上させてもよい。
【0038】
【実施例】次に実施例を示して、本発明を更に具体的に
説明する。
【0039】[実施例1]不織布(三井石油化学工業株式
会社製、タフネルEX)を5mm四方に切り担体として
用いた。この担体とTCE分解菌であるシュードモナス
・セパシア(Pseudomonas cepacia)KK01株(通商産
業省工業技術院生命工学工業技術研究所、FERM B
P-4235、受託日:平成4年3月11日)を坂口フラ
スコの中でいっしょに培養した。培養液の組成は以下の
通り。
【0040】 培地組成 ・Na2HPO4 6.2 g/L ・KH2PO4 3.0 g/L ・NaCl 0.5 g/L ・NH4Cl 1.0 g/L ・イーストイクストラクト 1.0 g/L 24時間培養した後坂口フラスコから担体を取り出しよ
く菌液を切った後50ppmフェノール溶液に150分間
浸した。担体をフェノール溶液から引き上げ自然にフェ
ノール溶液が落下させた。このようにして準備した不織
布を、直径が10cmの円筒状のステンレススチールネッ
トに詰めフィルターユニットとする。
【0041】図2に断面図で示す実験用のリアクターを
ガラスで作製した。図2(a)において21は直径10cmの
円筒状で25はキャップを介して吸入口とし、26はフ
ランジである。22はフィルターユニットを格納する円
筒状のガラスで、31のキャップを介して培養液を供給
系30から散水板32に接続され、また底部にキャップ
28を介してドレイン29を接続してある。このフィル
ター格納部の両端はフランジを設け、吸入部21、排気
部23と接続できる。
【0042】このフィルター格納部に用意したフィルタ
ーユニットをいれ、両端を円形のステンレススチールネ
ットではさみ、フランジ26と27の間で固定し接続
し、最終的には、図2(b)に示すように組み立てた。
【0043】上記の培養液を30から滴下し、底部に溜
まる培養液を除去する。リザーバーにトリクロロエチレ
ン(TCE)飽和水を作り、これをバブリングして汚染ガ
スをつくり、24から加圧注入する。注入時の気相のT
CE及び排気部のガスをサンプリングし、TCE濃度を
ガスクロマトグラフィー(島津製作所(株)製、FID検出
器付きGC-14B、カラムはJ&W製DB-624)で測定
した。また、この気相TCE濃度よりガラスバイアルビ
ンの中のすべてのTCEがすべて水に溶解したときのT
CE濃度を経時的に求めると、吸気時に約10ppmであ
ったが、排気部では0.45ppmと減少していた。
【0044】[実施例2]前記KK01株の代わりにJM1
株(通産省生命工学工業技術研究所受託番号:FERM
BP-5352、受託日:平成7年1月10日)を用いて実
施例1と同様の実験をおこなった。以下の組成の培地を
使用した。
【0045】 培地組成 ・Na2HPO4 6.2 g/L ・KH2PO4 3.0 g/L ・NaCl 0.5 g/L ・NH4Cl 1.0 g/L ・L-グルタミン酸ナトリウム 5.0 g/L その結果、TCE濃度は吸気部で10ppm、排気部で0.
5ppmとなった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、高濃度の気相有機塩素
化合物を連続的に分解することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】バイオリアクターの基本構成 (a)外見図、(b)断面図
【図2】実験装置の構成 (a)3部分の断面図、(b)フィルター格納時の断面図
【符号の説明】 1、11 (有機塩素化合物)微生物分解槽 2、12 フィルターユニット着脱口 3、13 汚染ガス吸入口 4、14 (分解処理後の)排気口 5、15 浸潤液送液口 6、16 ドレイン口 17 散水系 18 フィルターユニット 19 気体導入部 20 気体排出部 21 吸入部円筒 22 フィルターユニット格納部円筒 23 排気部 24 吸入口 25 吸入部キャップ 26 (吸入部側)フランジ 27 (格納部側)フランジ 28 ドレインキャップ 29 ドレイン 30 供給系 31 供給系キャップ 32 散水板 40 フィルターユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 11/02 C12N 11/02 // C12N 1/20 C12N 1/20 A F (C12N 1/00 C12R 1:38) (C12N 11/02 C12R 1:38) Fターム(参考) 2E191 BA12 BA15 BB00 BC05 BD20 4B029 AA02 AA05 BB02 CC10 DA06 DG06 4B033 NA01 NA12 NB12 NB22 NB32 NB65 NC04 NC06 ND04 4B065 AA41X AC20 BC41 CA56 4D002 AA21 BA17 CA07 DA59 DA70 EA06 GA01 GA02 GB02 GB04 GB20 HA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体中の有機塩素化合物の微生物分解を
    おこなうバイオリアクター装置において、 フィルターユニットを内部に装着して密閉し得る容器内
    に、有機塩素化合物を含む気体が導入される気体導入部
    と排気のための気体排出部とを、分解微生物を保持し、
    着脱自在に装着されたフィルターユニットを介して接続
    して設け、更に該フィルターユニットに前記微生物の培
    養液を供給する送液系と該フィルターユニットからの排
    液を回収する手段を備えていることを特徴とするバイオ
    リアクター装置。
  2. 【請求項2】 前記有機塩素化合物がトリクロロエチレ
    ンである、請求項1に記載のバイオリアクター装置。
  3. 【請求項3】 前記分解微生物が、前記フィルターユニ
    ットへの装着の前に予め増殖及び分解酵素の誘導がなさ
    れている、請求項1または2に記載のバイオリアクター
    装置。
  4. 【請求項4】 気体中の有機塩素化合物を微生物分解す
    る方法において、 フィルターユニットに分解微生物を保持させる工程と、 該分解微生物を保持したフィルターユニットを、密閉さ
    れた容器内に配置して、気体導入部と気体排出部とを該
    フィルターユニットを介して接続し、かつ該フィルター
    ユニットに該分解微生物の培養液を供給した状態で、該
    気体導入部から該フィルターユニットへ有機塩素化合物
    を含む気体を供給して該有機塩素化合物を該分解微生物
    と接触させて分解する工程と、 を有することを特徴とする気体中の有機塩素化合物の微
    生物分解方法。
  5. 【請求項5】 前記有機塩素化合物がトリクロロエチレ
    ンである、請求項4に記載の微生物分解方法。
  6. 【請求項6】 前記保持された分解微生物が、前記フィ
    ルターユニットへの装着の前に予め増殖及び分解酵素の
    誘導がなされている、請求項4または5に記載の微生物
    分解方法。
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