JP3416262B2 - 気相汚染tce浄化法 - Google Patents

気相汚染tce浄化法

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JP3416262B2 JP12504294A JP12504294A JP3416262B2 JP 3416262 B2 JP3416262 B2 JP 3416262B2 JP 12504294 A JP12504294 A JP 12504294A JP 12504294 A JP12504294 A JP 12504294A JP 3416262 B2 JP3416262 B2 JP 3416262B2
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシロアリ腸内由来微生物
を利用した気相汚染TCE(トリクロロエチレン)の浄
化法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と解決しようとする課題】近年、環境調査
で、有害で難分解性な化学物質が多種類検出されるな
ど、これらによる環境汚染がクローズアップされてきて
おり、生態系に与える影響が懸念されている。したがっ
てその汚染の拡大を防止していくと共に、汚染された環
境を浄化していく技術の確立が強く望まれている。
【0003】特に、TCEは、難分解な有機塩素化合物
であり、発ガン性を有しているといわれ大きな社会問題
になってきている。TCE汚染の代表的なものとして、
半導体製造工場、金属加工工場、化学プラントなどのT
CE系化合物で汚染された空気汚染・土壌汚染などがあ
る。
【0004】TCEの除去手段としては、土壌汚染では
真空抽出法が一般に広く行われている。これは汚染土壌
中に井戸を形成し真空ポンプで吸引し揮発性物質である
TCEを吸引し、除去するものである。しかし吸引され
たTCEは気相部に残ったままであり、土壌中の汚染は
除去されたものの、TCEはあいかわらず気相中に残留
することになりこの処理が必要となる。これは空気汚染
の抱える問題と同じである。空気汚染は先に述べたハイ
テク工場内などで発生した汚染を意味しこの場合も気相
中に存在するTCEを除去することなく大気や環境中に
放出するわけには行かない。現在、気相中に存在するT
CEを除去する手段として液化処理・活性炭への吸着な
どを行っている。しかし活性炭使用の例ではその再生が
問題になるし、液化処理では大規模な装置を必要とする
わりには気相の汚染が低濃度なため回収に莫大な費用が
かかるなど問題が多い。また、これらの例は、単なる除
去であり分解を伴っていないため本質的な解決を先延ば
ししているの感を免れ得ない。このため空気汚染の浄化
についてコスト及び操作性に優れた、本質的な気相汚染
浄化法が必要である。
【0005】環境汚染を分解微生物を用いて浄化するア
プローチがある。特に水処理分野では微生物の利用は古
くから行われている。土壌・大気については歴史は浅く
最近注目され初めた領域である。TCE汚染の微生物処
理について、これの分解能を有する微生物で単離された
報告は少なく、Welchia alkenophil
sero 5(USP 4877736,ATCC
53570),Welchia alkenophil
sero 33(USP 4877736,ATC
C53571),Methylosinus tric
hosporium OB3b(Whittenbur
y R,J.Gen Microbiol 61:20
5−218 1970),Acinetobacter
spG4(Nelson MJK et al,Ap
pl Environ Microbiol Aug:
383−384 1986;Folsom BR et
53617 Appl Environ Microb
iol May:1279−1285 1990;US
P 4925802,ATCC 53617,この菌は
初めPseudomonas cepaciaと分類さ
れていたが、Acinetobacter spに変更
された),Methylomonasspに変更され
た),Methylomonas sp.MM2(He
nrySM et al,Appl Environ
Microbiol Jan:236−244 199
1),Alcaligenes denitrific
ans ssp.xylosoxidsans JE7
5(Ewers J et al,Arch Micr
obiol 154:410−413 1990),
lcaligenes eutrophus JMP1
34 (Harker AR & Kim Y,App
l Environ MicrobiolApr:11
79−1181 1990),Pseudomonas
putida F1(Gibson DT et a
l,Biochem 7:2653−2662 196
8;Wackett LP & Gibson DT,
Appl Environ Microbiol Ju
ly:1703−17081988),Mycobac
terium vaccae JOB5 (Beam
HW & Perry JJ,J Gen Micro
biol 82:163−169 1974;Wack
ett LP et al,Appl Environ
Microbiol Nov:2960−2964
1989,ATCC29678),Nitrosomo
nas europaea (Arciero D e
t al,Biochem Biophys Res
Comm 159:640−643 1989),Ps
eudomonas fluorescens PFL
12(Vandenbergh PA & Kunka
BS,Appl Environ Microbio
l Oct:2578−2579 1988),Lac
tobacillus fuctivorans RE
(Kunkee,Int J Syst Bact
30:313−314 1980;J Appl Ba
ct 34:541−545 1971),Lacto
bacillus vaginalis sp.no
v.(Embley TM et al,Int J.
Syst Bacteriol 39:368−370
1989 ATCC49540),Methylos
inus trichosporium (特開平2−
92274,特開平3−292970)などがある。
【0006】これらの菌の多くは、メタン菌であり分解
にはメタン、メタノールを要求するなど、実用上、気相
処理という観点で眺めてみると現在の既知菌種の範囲で
は実用上十分といえず更なる菌種の取得が必要である。
新たな菌種であれば、当然既知菌種と成育条件等が異な
りこれは菌の応用範囲や利用形態が豊富なものとなるこ
とが期待される。例えば、その例として抗生物質耐性、
糖の利用性などがある。また、TCEを含む気相の処理
を想定した場合、処理菌が気相中のTCEに直接作用し
分解する態様は考えにくく、より効率的に分解を進める
には何らかの担体を用いた分解であることが望まれる。
そのためには担体への保持性や環境変化にダメージを受
けにくく劣悪な環境でも成育できるといった実用観点上
の性質が重要になってくる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記観点
からTCEを分解する新たな菌種を探索した結果、シロ
アリ腸内から、高濃度のTCEを分解するにとどまら
ず、抗生物質耐性、糖の利用性、担体への保持性に優れ
た菌を見出し、さらに本菌の性質を利用した気相汚染の
処理方法を見いだし本発明の完成に至った。すなわち、
本願発明は、気相中のTCE(トリクロロエチレン)を、
TCE分解能を有するシロアリ腸内由来の微生物である
シュードモナス・セパシア KK01(FERM BP-4
235号)に接触させて、該TCEを分解する過程を有する
ことを特徴とする気相汚染TCE浄化法に関する。ま
た、本願発明は、タカサゴシロアリのハタラキシロアリ
の腸内容物を液状培地と混合して微生物含有混合物と
し、これに誘導物質を加えた液にTCE含有気体を接触
させることを特徴とする気相汚染TCE浄化法に関す
る。本発明に用いたシロアリは、タカサゴシロアリ(Na
sutitermes takasagoensis)に属し、沖縄・八重山諸島
に分布するものである。
【0008】本発明に用いる菌株の菌学的性質を以下に
示す。 A.形態的性状 (1)グラム染色:陰性 (2)細胞の大きさおよび形:長さ1.0〜2.0μ、
巾0.5μ前後の桿菌 (3)運動性:あり C.生理的性質 (1)好気性、嫌気性の区別 偏性好気性 (2)糖の分解様式 酸化型 (3)オキシダーゼの生成 + (4)硝酸塩の還元 + (5)硫化水素の生成 − (6)インドールの生成 − (7)ウレアーゼの生成 − (8)ゼラチンの液化 − (9)アルギニンの加水分解 − (10)リジンの脱炭酸 + (11)オルニチンの脱炭酸 − (12)クエン酸の利用 + (13)メチルカルビノールアセチル反応(VP反応) − (14)トリプトファンデアミナーゼの検出 − (15)ONPG − (16)炭水化物類の利用性 ブドウ糖 + 果糖 + 麦芽糖 + ガラクトース + キシロース + マンニット ± 白糖 − 乳糖 + エスクリン − イトシット − ソルビット − ラムノース − メリビオース − アミグダリン − L+アラビノース + メリビオース − 以上の諸性質から、本菌株は、シュードモナス属に属し
ていることは明らかであり、シュードモナス・セパシア
に属せしめるのが適当であると認められた。
【0009】シュードモナス・セパシアは、多くの抗生
物質に耐性を示すことで知られている。
【0010】しかしながら、後記する実施例からも明ら
かなように、本菌は、卓越したTCE分解能を有してい
る。このような菌は、従来の既知シュードモナス・セパ
シアには存在しないことから、新菌株と認定して命名し
て工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託した(Ps
eudomonas cepacia KK01;FE
RM BP−4235)。本菌を自然に、もしくは人工
的手段によって変異させて得られる変異株であっても、
TCE分解能を有する限りすべて本発明に包含される。
本菌の培養は、通常シュードモナスの培養に用いられる
培地で行なえばよく、炭素源としては、グルコースなど
を適宜用いることができる。また窒素源としては、例え
ば酵母エキス、ペプトンなどを単独でまたは組み合わせ
て用いることができる。その他必要に応じてリン酸水素
第一カリウム、塩化アンモニウムなどを添加することが
できる。またTCE分解にはインデュサーとなる物質を
加えるとよい。培養は、好気条件下で行なうことがで
き、液状でも固状でもよい。培養温度は、30℃近辺を
含む25℃ないし37℃が望ましい。
【0011】以下に主要な利用形態を述べるがこの形態
に限定されることなく、本菌はいかなる気相汚染にも用
いることができ、またシロアリ腸内液をそのまま単離せ
ず気相汚染の処理に用いることができる。
【0012】例えば、培養槽を設けここでシロアリ由来
のTCE分解菌を培養しこの培養槽にTCEに汚染され
た気体を所定のフローレイトで導入し分解させる形態が
ある。気体の導入法についてなんら制限を加えないが、
気体の導入によって培養液が攪拌されエアレーションが
促進される形態が望ましい。気体の導入と排気は連続的
に行っても良いが処理能力によっては間欠的もしくはバ
ッチ的に行ってもよい。このような制御をTCEの残留
濃度に合わせシステム全体を制御し最適化を計るとよ
い。
【0013】また別の利用形態ではシロアリ由来のTC
E分解菌を粒子例えば土壌粒子に付着させ、これを容器
に充填し、この容器内にTCE汚染気体を導入し分解す
る形態である。使用する粒子は土壌粒子に限らず如何な
るものでも良いが微生物の吸着性が高く通気性を損なわ
ないものが望ましい。例えば、微生物の棲息空間を与え
る材料、従来医薬品工業、食品工業、廃水処理システム
等で知られているバイオリアクターで使用されているさ
まざまな微生物担体が用いられる。より具体的には多孔
質ガラス、セラミックス、金属酸化物、活性炭、カオリ
ナイト、ベントナイト、ゼオライト、シリカゲル、アル
ミナ、アンスラサイト等の粒子状担体、デンプン、寒
天、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、アルギ
ン酸、ポリアクリルアミド、カラギーナン、アガロー
ス、ゼラチン等のゲル状担体、イオン交換性セルロー
ズ、イオン交換樹脂、セルローズ誘導体、グルタルアル
デヒド、ポリアクリル酸、ウレタンポリマー等がある。
また天然、もしくは合成の高分子化合物も有効であり、
セルローズを主成分とする綿、麻、パルプ材より作られ
る紙類もしくは天然物を変性した高分子アセテート等で
ある。ポリエステル、ポリウレタンを始めとする合成高
分子からなる布類も使用できる。これらは微生物の付着
性が良く、微細な間隙を有するものが好ましい。本発明
に用いるシロアリ由来菌は担体への吸着能力が高く極め
て有利である。
【0014】菌の増殖材料としては、微生物培養の培地
で使用されているものを使用することができる。例えば
ブイヨン培地、M9培地、L培地、Malt extr
act、MY培地、硝化菌選択培地等が有効であり、液
状のものは、アガロースゲル等ゲル状物質と共に用いる
ことにより固体状もしくは半固体として扱える。
【0015】棲息空間を与える材料と栄養素を兼ねた材
料としては、農林業関係で知られている堆肥材料等にそ
の例を多く見ることができる。即ち、麦わら等の穀物類
のワラやオガクズ、米糠、オカラ、砂糖黍の絞りカス等
の乾燥植物遺体、またカニやエビの殻も微小間隙を有す
ると同時に微生物による分解性栄養素となるものであ
る。
【0016】菌に活性を維持させる材料としては、誘導
物質として知られているものがあるが、天然材料ではこ
れらが混在した状態にあるのが普通であり、また特定で
きないものも多い。特に混合状態の微生物の場合には、
ある微生物の代謝物が別の微生物の誘導物質として機能
する共生系となることが多い。したがって、混合微生物
を使用する場合には種々の物質が共存する天然の有機物
が有効となる。TCE分解菌について特定できる誘導物
質としては、フェノール、o、m、pクレゾール等があ
る。
【0017】微生物を粒子に固定化させる場合容器内に
粒子を充填しその後微生物を導入しても良いし、前培養
して導入しても構わない。分解反応をより効率的に行わ
せるため先に記述した栄養素や含水比、酸素濃度などを
所望の条件に保つと良い。また、容器内の粒子と水分量
比は微生物の成育と通気性から、容器の形態は処理する
気体の量・濃度などで適宜選べば良いが気体と微生物が
付着した粒子との接触が促進されるよう配慮し、例えば
カラム、チューブ、タンク、箱形などが考えられる。ま
たこのような形状のものを排気ダクトやフィルタとユニ
ット化しても良いし、能力に合わせ幾つかを直列や並列
に繋ぎ合わせても良い。汚染気体は初め粒子に吸着する
場合もあり短時間では微生物の効果が良く観測されない
例も稀にあるが一定期間を過ぎると粒子に吸着した汚染
物質が分解され始めその分解した粒子表面にまた汚染物
質が吸着するということで、粒子への吸着性が再生され
るようである。このようにしてTCE除去能は飽和する
ことなく常に一定の分解が行われる。
【0018】以下に実施例をもって本発明を詳細に説明
するが、これらは本発明の範囲をなんら限定するもので
はない。
【0019】
【実施例】
(実施例1) シロアリ腸内由来の微生物を利用した、培養液曝気によ
る気相中のTCEの浄化方法 タカサゴシロアリのハタラキシロアリを10匹シャーレ
にとり、95%エタノールをこれに注いでシロアリ表面
の滅菌を行った。次に、M9培地を用いてシロアリ表面
を2回洗浄し、エタノールを除去した。洗浄処理の後
に、シロアリの腸をピンセットで摘出し、それをM9培
地中ですり潰し、腸破砕物を含む液状混合物を得た。
【0020】上記のようにしてシロアリの腸内より摘出
した液状混合物0.1mlを、誘導物質として100p
pmフェノールを含むバイアル瓶中の30mlのM9培
地(0.2%グルタミン酸ナトリウムを含む)に加え
た。これにTCE飽和溶液中で曝気した空気を流量60
ml/分で溶液中に30分間流した後、ブチルゴム栓、
アルミシールで完全密封し、30℃で振盪培養を行っ
た。TCE量は、ヘッドスペース法によりガスクロマト
グラフィーで定量し、経日的にTCE量を測定した。
【0021】対照として、同様の実験系においてシロア
リ腸内抽出物を加えない系でのTCE量の定量も併せて
行い、対照のTCE量に対する残存率を求めた。
【0022】結果を図1に示す。
【0023】(実施例2) シュウドモナス・セパシアKK01株を利用した、培養
液曝気による気相中のTCEの浄化方法 M9寒天平板培地(0.2%グルタミン酸ナトリウムを
含む)に単離されたKK01株のコロニーを、坂口フラ
スコ中の50mlのM9培地に接種し、30℃で24時
間培養を行った。
【0024】この培養菌液0.1mlを、100ppm
フェノールを誘導物質として含むバイアル瓶中の30m
lのM9培地(0.2%グルタミン酸ナトリウムを含
む)に加えた。これにTCE飽和溶液中で曝気した空気
を流量60ml/分で溶液中に30分間流した後、ブチ
ルゴム栓、アルミシールで完全密封し、30℃で振盪培
養を行った。TCE量は、ヘッドスペース法によりガス
クロマトグラフィーで定量し、経日的にTCE量を測定
した。
【0025】対照として、同様の実験系においてKK0
1株を加えない系でのTCE量の定量も併せて行い、対
照のTCE量に対する残存率を求めた。
【0026】結果を図1に示す。
【0027】(実施例3) シロアリ腸内由来の微生物を利用した、土壌通気による
気相中のTCEの浄化方法 実施例1と同様にしてシロアリより抽出した液状混合物
0.1mlを、誘導物質として100ppmフェノール
を含むバイアル瓶中の30mlのM9培地(0.2%グ
ルタミン酸ナトリウムを含む)に加え、さらに滅菌した
褐色森林土を水面まで加えた。ブチルゴム栓で封をして
30℃で終夜放置の後、過剰の培養液をデカントして取
除いた。これにTCE飽和溶液中で曝気した空気を流量
60ml/分で土壌中に30分間流した後、ブチルゴム
栓、アルミシールで完全密封し、30℃で振盪培養を行
った。TCE量は、ヘッドスペース法によりガスクロマ
トグラフィーで定量し、経日的にTCE量を測定した。
【0028】対照として、同様の実験系においてシロア
リ腸内抽出物を加えない系でのTCE量の定量も併せて
行い、対照のTCE量に対する残存率を求めた。
【0029】結果を図2に示す。
【0030】(実施例4) シュウドモナス・セパシアKK01株を利用した、土壌
通気による気相中のTCEの浄化方法 M9寒天平板培地(0.2%グルタミン酸ナトリウムを
含む)に単離されたKK01株のコロニーを、坂口フラ
スコ中の50mlのM9培地に接種し、30℃で24時
間培養を行った。
【0031】この培養菌液0.1mlを、100ppm
フェノールを誘導物質として含むバイアル瓶中の30m
lのM9培地(0.2%グルタミン酸ナトリウムを含
む)に加え、さらに滅菌した褐色森林土を水面まで加え
た。ブチルゴム栓で封をして30℃で終夜放置の後、過
剰の培養液をデカントして取除いた。これにTCE飽和
溶液中で曝気した空気を流量60ml/分で土壌中に3
0分間流した後、ブチルゴム栓、アルミシールで完全密
封し、30℃で振盪培養を行った。TCE量は、ヘッド
スペース法によりガスクロマトグラフィーで定量し、経
日的にTCE量を測定した。
【0032】対照として、同様の実験系においてKK0
1株を加えない系でのTCE量の定量も併せて行い、対
照のTCE量に対する残存率を求めた。
【0033】結果を図2に示す。
【0034】(実施例5) シロアリ腸内由来の微生物を利用した、培養液連続曝気
による気相中のTCEの浄化方法 実施例1と同様にしてシロアリより抽出した液状混合物
0.1mlを、誘導物質として100ppmフェノール
を含むバイアル瓶中の30mlのM9培地(0.2%グ
ルタミン酸ナトリウムを含む)に加え、ブチルゴム栓、
アルミシールで完全密封した後に、TCE飽和溶液中で
曝気した空気を流量0.5ml/分で溶液中に連続して
流しながら、30℃で静置培養を行った。TCE量は、
流出してきた空気中のTCE量をガスクロマトグラフィ
ーで定量することにより行い、経日的にTCE量を測定
した。
【0035】対照として、同様の実験系においてシロア
リ腸内抽出物を加えない系でのTCE量の定量も併せて
行い、対照のTCE量に対する残存率を求めた。
【0036】結果を図3に示す。
【0037】(実施例6) シュウドモナス・セパシアKK01株を利用した、培養
液連続曝気による気相中のTCEの浄化方法 M9寒天平板培地(0.2%グルタミン酸ナトリウムを
含む)に単離されたKK01株のコロニーを、坂口フラ
スコ中の50mlのM9培地に接種し、30℃で24時
間培養を行った。
【0038】この培養菌液0.1mlを、100ppm
フェノールを誘導物質として含むバイアル瓶中の30m
lのM9培地(0.2%グルタミン酸ナトリウムを含
む)に加え、ブチルゴム栓、アルミシールで完全密封し
た後に、TCE飽和溶液中で曝気した空気を流量0.5
ml/分で溶液中に連続して流しながら、30℃で静置
培養を行った。TCE量は、流出してきた空気中のTC
E量をガスクロマトグラフィーで定量することにより行
い、経日的にTCE量を測定した。
【0039】対照として、同様の実験系においてKK0
1株を加えない系でのTCE量の定量も併せて行い、対
照のTCE量に対する残存率を求めた。
【0040】結果を図3に示す。
【0041】(実施例7) シロアリ腸内由来の微生物を利用した、土壌連続通気に
よる気相中のTCEの浄化方法 実施例1と同様にしてシロアリより抽出した液状混合物
0.1mlを、誘導物質として100ppmフェノール
を含むバイアル瓶中の30mlのM9培地(0.2%グ
ルタミン酸ナトリウムを含む)に加え、さらに滅菌した
褐色森林土を水面まで加えた。ブチルゴム栓で封をして
30℃で終夜放置の後、過剰の培養液をデカントして取
除いた。これをブチルゴム栓、アルミシールで完全密封
した後に、TCE飽和溶液中で曝気した空気を流量0.
5ml/分で土壌中に連続して流しながら、30℃で静
置培養を行った。TCE量は、流出してきた空気中のT
CE量をガスクロマトグラフィーで定量することにより
行い、経日的にTCE量を測定した。
【0042】対照として、同様の実験系においてシロア
リ腸内抽出物を加えない系でのTCE量の定量も併せて
行い、対照のTCE量に対する残存率を求めた。
【0043】結果を図4に示す。
【0044】(実施例8) シュウドモナス・セパシアKK01株を利用した、土壌
連続通気による気相中のTCEの浄化方法 M9寒天平板培地(0.2%グルタミン酸ナトリウムを
含む)に単離されたKK01株のコロニーを、坂口フラ
スコ中の50mlのM9培地に接種し、30℃で24時
間培養を行った。
【0045】この培養菌液0.1mlを、100ppm
フェノールを誘導物質として含むバイアル瓶中の30m
lのM9培地(0.2%グルタミン酸ナトリウムを含
む)に加え、さらに滅菌した褐色森林土を水面まで加え
た。ブチルゴム栓で封をして30℃で終夜放置の後、過
剰の培養液をデカントして取除いた。これをブチルゴム
栓、アルミシールで完全密封した後に、TCE飽和溶液
中で曝気した空気を流量0.5ml/分で土壌中に連続
して流しながら、30℃で静置培養を行った。TCE量
は、流出してきた空気中のTCE量をガスクロマトグラ
フィーで定量することにより行い、経日的にTCE量を
測定した。
【0046】対照として、同様の実験系においてKK0
1株を加えない系でのTCE量の定量も併せて行い、対
照のTCE量に対する残存率を求めた。
【0047】結果を図4に示す。
【0048】
【発明の効果】本発明によって、従来不可能だったTC
Eによる気相汚染の浄化が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び2におけるTCEの対照に対する
残存率の経日変化を示す図
【図2】実施例3及び4におけるTCEの対照に対する
残存率の経日変化を示す図
【図3】実施例5及び6におけるTCEの対照に対する
残存率の経日変化を示す図
【図4】実施例7及び8におけるTCEの対照に対する
残存率の経日変化を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/34 - 53/85

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相中のTCE(トリクロロエチレン)
    を、TCE分解能を有するシロアリ腸内由来の微生物
    あるシュードモナス・セパシア KK01(FERM B
    P-4235号)に接触させて、該TCEを分解する過程を有
    することを特徴とする気相汚染TCE浄化法。
  2. 【請求項2】 シロアリが、タカサゴシロアリ(Nasuti
    termes takasagoensis)である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 接触は該微生物の培養液中にTCEを含
    む気体を導入することであることを特徴とする請求項
    または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 接触は該微生物を粒子に付着させ培養を
    行い、TCEを含む気体を該粒子群に導入することであ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 タカサゴシロアリのハタラキシロアリの
    腸内容物を液状培地と混合して微生物含有混合物とし、
    これに誘導物質を加えた液にTCE含有気体を接触させ
    ることを特徴とする気相汚染TCE浄化法。
  6. 【請求項6】 微生物が、シュードモナス・セパシア
    KK01であることを特徴とする請求項に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 液状培地がグルタミン酸ナトリウムを含
    むM9培地であることを特徴とする請求項5または6
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 誘導物質がフェノールであることを特徴
    とする請求項乃至7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 接触を土壌の存在下に行うことを特徴と
    する請求項5乃至8のいずれかに記載の方法。
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