JPH09267082A - 汚染土壌の浄化方法 - Google Patents

汚染土壌の浄化方法

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JPH09267082A
JPH09267082A JP8078963A JP7896396A JPH09267082A JP H09267082 A JPH09267082 A JP H09267082A JP 8078963 A JP8078963 A JP 8078963A JP 7896396 A JP7896396 A JP 7896396A JP H09267082 A JPH09267082 A JP H09267082A
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昌徳 桜永
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祐司 川畑
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正俊 飯尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な工法、操作によってより効率的な揮発
性有機化合物で汚染された土壌の浄化方法を提供するこ
と。 【解決手段】 汚染土壌中に揮発性有機化合物の分解能
を有する微生物を投入して浄化領域を形成し、浄化領域
と汚染領域とを循環する気流を形成して、汚染領域から
浄化領域へ揮発性有機化合物を移動供給して効率よい分
解除去を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は揮発性の有機化合物
で汚染された土壌の微生物の分解作用を利用した浄化方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業活動の急激な膨張は環境に様々な形
の負荷を与え、土壌においても土壌が元来有する浄化能
力を超えた量の物質による汚染や、土壌自体に浄化能力
が備わっていない物質による汚染などで広く汚染が進み
浄化を急がれる例が多くなっている。
【0003】これらのなかでも石油およびその誘導品で
代表される液状で揮発性の有機化合物での汚染は深刻な
状況にあり、浄化技術の確立が強く求められているとこ
ろである。揮発性有機化合物による汚染土壌の浄化方法
は、大きくは汚染土壌域を取り囲むように遮蔽壁を設け
るなどして汚染物質の封じ込めを図る浄化方法と物理
的、化学的あるいは生物学的方法により汚染物質そのも
のを分解除去する方法の2つに分類される。このなかで
も汚染物質そのものを分解除去する方法は根本的な浄化
方法として好ましいものとされている。
【0004】物理的、あるいは化学的な浄化方法として
は、汚染土壌域に空気流を強制的に生じさせ汚染物質の
揮発性を利用して空気流とともに汚染物質を排出後UV
処理装置、活性炭処理装置などガス処理装置に誘導し分
解・除去するいわゆる真空抽出法、掘削により掘り起こ
された汚染土壌を地上のプラントなどにより加熱、UV
照射、酸化処理などなどの手法たより浄化する方法など
が実用化されている。しかし、これらの方法では汚染物
質の濃度が低下した場合に極端に浄化効率が落ちたり、
汚染土壌の立地条件によって適用できないことがあった
り、装置が大がかりになるなど課題をかかえている。
【0005】近年になって微生物の分解作用を利用して
汚染物質を分解除去するいわゆるバイオレメデイエーシ
ヨン(土壌修復)が低濃度汚染土壌の浄化も可能で、浄
化に要するエネルギーコストも低いことなどの特長から
注目を集めている。この土壌修復には汚染土壌中に生息
する、汚染物質を分解する能力を有する微生物群の分解
能力を栄養素の供給、酸素濃度の調整などによって人為
的に向上させて分解浄化させる土着微生物活性化法と、
汚染物質を分解する能力を有する微生物を予め確保して
おき、それを増殖させ汚染土壊域に投入する分解微生物
添加法がある。分解微生物添加法は、浄化対象となる汚
染土壌中に生息する分解微生物の分解能力よりも優れた
分解微生物を適宜選択し汚染土壌域に投入することによ
って効率よく浄化できること、汚染物質を分解する能力
をもつ微生物が汚染土壌中に存在しない場合、すなわち
土着微生物活性化法が適用できない場合であっても別に
増殖させた分解微生物を汚染土壌域に投入することによ
り浄化が可能であることなどの理由から注目を集めてい
る。更に、近年になってトリクロロエチレン、テトラク
ロロエチレンなど自然環境下では分解浄化が困難な化合
物による土壌汚染の例が増えている一方で、トリクロロ
エチレンなどの難分解性の化合物を分解する能力を有す
る微生物がスクリーニング技術、あるいは遺伝子組み換
え技術の進歩などにより入手可能となっていることか
ら、この分解微生物添加法が有力な浄化方法として特に
注目を集めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の分解微生物添加
法においては、土壌という特殊な環境下で、更に効果的
かつ効率的な浄化処理を実現するための種々の検討が盛
んになされている。かかる検討において挙げられている
課題としては、例えば、以下の点を挙げることができ
る。
【0007】分解能を有する微生物(分解微生物)の分
解能は、分解微生物と汚染物質とが接触して初めて発揮
されるものであるが、分解微生物や汚染物質の移動や拡
散が、汚染土壌の一部分に分解微生物を添加するだけで
実用的な分解速度を得るに十分な程度の速さで進行しな
い場合が多い。
【0008】このような問題を解決する方法としては、
分解微生物を汚染土壌域に隈なく必要量注入し、さらに
分解微生物の分解活性を支えるために適宜栄養素の供
給、酸素濃度の調整などを行う試みがなされている。
【0009】例えば、Savery W.らは汚染土壌
中に任意に位置を変えられる注入孔ないし抽出孔をもつ
注入装置および抽出装置を設け分解微生物、栄養素、酸
素などを意図する位置に任意の量を供給することによる
浄化方法を提案している(USP 5,111,88
3)。この方法によって汚染土壌域に隈なく分解微生物
などを供給する技術は大幅に改善されたが、汚染土壌域
に注入する分解微生物などの量は膨大なものとなり実用
化の場合大きな障害となっている。
【0010】また、Weber O.らは汚染土壌層に
設けたボーリング孔を用いた真空抽出法と、汲み上げた
汚染地下水に分解微生物、栄養素、酸素などを添加、必
要に応じ浄化プラントで処理した後、汚染土壌表層近傍
に設けられた戻し管を通じて汚染土壌に循環させる方法
を組み合わせることによって炭化水素で汚染された不飽
和帯水層土壌に好適な浄化方法を提案している(DE3
839093C2)。この方法により不飽和帯水層土壌
での分解微生物の分解活性は向上し、より高速な浄化を
可能にしている。しかしながら、この方法では大量の分
解微生物や栄養素等が必要とされ、また真空抽出された
汚染物質について従来技術と同様何らかの二次処理が必
要であり、設備上も大がかりとなることは免れない。さ
らに多量の分解微生物、栄養素などを浄化期間中繰り返
し供給するため分解微生物を含むこれらの注入物質の環
境中ヘの流出の危険性も高い。
【0011】また、Duane A.G.らは汚染土壌
域ヘ注入管および排出管を設置、供給管より気体状の栄
養素を汚染土壊域に供給し排出管を経て循環させて汚染
土壌域に栄養素の流路を確保、分解微生物の分解能を促
進させることによって高速浄化を達成する方法を提案し
ている(USP 5,178,491)。この方法によ
り、汚染土壌中の分解微生物ヘの栄養素供給は大きく改
善され分解微生物の分解能は向上している。しかし、分
解微生物と汚染物資との接触という視点からはほとんど
改善が期待できず不十分なものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
対して検討を加え、より効率良い浄化処理を達成する上
で、分解速度を早めるには分解微生物と汚染物質の接触
を早めること、更には、これらの接触をより効率的に行
うことが重要であるとの結論を得た。
【0013】そして、そのためには分解微生物などを汚
染土壌域に隈なく添加するのではなく逆に汚染土壌中の
汚染物質を強制的に移動させて分解微生物と接触させる
ことが有効でかつ簡便であることを見い出した。また、
汚染物質を分解微生物の作用を利用して分解させるに
は、従来の地上バイオリアクタではなく汚染土壌域に分
解微生物等を注入などの方法によって分解微生物が存在
する領域(以下浄化領域)を設け、その領域に汚染物質
を含む気体を誘導することにより極めて効率のよい分解
が可能であることを見出し本発明にいたった。
【0014】すなわち、本発明の汚染土壌の浄化方法
は、揮発性有機化合物で汚染された土壌の微生物の分解
作用を利用した浄化方法であって、土壌の汚染領域に前
記微生物による浄化領域を形成しする工程と、汚染領域
と前記浄化領域とを循環する気体流を形成し、該汚染領
域内を通過して該浄化領域へ到達する気流を利用して該
汚染領域中から揮発性有機化合物を抽出して該浄化領域
へ供給する工程と、を有することを特徴とする。
【0015】本発明の汚染土壌の浄化方法は、循環気流
を利用して、土壌中に形成した分解微生物を含む浄化領
域に他の汚染領域から揮発性有機化合物からなる汚染物
質を移動させて供給し、汚染物質の分解浄化を行うもの
で、分解微生物と汚染物質との接触が高速かつ効率的に
行われ、汚染物質の分解浄化を効果的に行うことができ
る。
【0016】浄化領域と汚染領域を循環する気流の組成
は必要に応じで適宜変更でき、例えば、汚染領域からの
気流中に分解を促進する成分、例えば酸素等を追加して
浄化領域に供給することもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の浄化方法は、気流によっ
て汚染物質を移動させるものであり、揮発性有機化合
物、例えばトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン
等の揮発性有機塩素系化合物、軽油、ガソリン等の燃
料、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、キシ
レン等の有機溶剤等に好適に適用し得る。
【0018】本発明の汚染土壌の浄化方法を実施するに
あたっては、まず、初めに汚染状態を正確に把握し汚染
領域を設定する。汚染状態を把握するには一般的な手
段、方法により可能であるが、例えばボーリング孔また
は観測用の井戸を設け、土壌または地下水のサンプルを
採取し汚染物質を測定する方法、ボーリング孔および観
測用の井戸にセンサー類を挿入し土壌層、地下水層にお
ける汚染物質をモニターする方法、ボーリング孔および
観測用の井戸を通じ又は直接土壌層、地下水層にサンプ
リング管を挿入、気体または地下水を吸引しそこに含ま
れる汚染物質を測定する方法などにより可能である。
【0019】これらのデータから汚染領域を設定し、そ
の汚染領域に浄化領域を形成させる。浄化領域は、汚染
物質を分解する能力を有する分解微生物を少なくとも含
む分解微生物材料を汚染領域に供給することにより形成
ることができる。分解微生物材料には、分解微生物の他
に、必要に応じて、分解微生物の増殖に必要な増殖機能
材料、分解微生物による分解活性を発現させる活性維持
機能材料、分解微生物が土壌内で安定に生息できる生殖
機能材料などのなかから適宜選択された材料を含むこと
が好適な分解を進めるうえで好ましい。
【0020】まず、汚染物質を分解する分解微生物とし
ては、例えば分解活性が確認されているサッカロミセス
(Saccharomyces)、ハンセヌラ(Han
senula)、カンジダ(Candida)、ミクロ
コッカス(Micrococcus)、スタフィロコッ
カス(Staphylococcus)、ストレプトコ
ッカス(Streptococcus)、ロイコノスト
ア(Leuconostoa)、ラクトバシルス(La
ctobacillus)、コリネバクテリウム(Co
rynebacterium)、アルスロバクター(A
rthrobacter)、クロストリジウム(Clo
storidium)、バシルス(Bacillu
s)、ナイセリア(Neisseria)、エシェリシ
ア(Escherichia)、エンテロバクター(E
nterobacter)、セラチア(Serrati
a)、アクロモバクター(Achromobacte
r)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、フ
ラボバクテリウム(Flavobacterium)、
アセトバクター(Acetobacter)、ニトロソ
モナス(Nitrosomonas)、ニトロバクター
(Nitrobacter)、チオバシルス(Thio
bacillus)、グルコノバクター(Glucon
obacter)、シュードモナス(Pseudomo
nas)、キサントモナス(Xanthomona
s)、ビブリオ(Vibrio)などの属に含まれる微
生物、これらの突然変異体およびこれらの微生物の遺伝
子組み換え体の1種または2種以上の混合体を用いるこ
とができる。分解微生物は汚染物質の種類により好適な
組み合わせを適宜選択して用いることができる。また、
分解微生物としては、これら分解微生物のほかに分解酵
素そのものを使用することも可能である。
【0021】増殖機能材料とは、分解微生物に対する栄
養素であり、例えば、ブイヨン培地、M9培地、L培
地、マルトエキストラクト(Malt Extrac
t)、MY培地、硝化菌培地などを利用できる。
【0022】分解微生物から産生される分解酵素が構成
的に発現される場合は、活性維持機能材料をとくに必要
としないが、活性酵素が特定の誘導物質(インデューサ
ー)により発現される場合は誘導物質が活性維持機能材
料として必要である。誘導物質としてはメタン資化菌、
芳香族資化菌では、トルエン、フエノール、クレゾール
など、また硝化菌ではアンモニウム塩などである。分解
微生物材料として直接分解酵素を使用する場合には酵素
活性を発現維持させるためのエネルギー源やミネラルな
どが活性維持機能材料として要求される。
【0023】生殖機能材料は、分解微生物の浄化領域に
おいて快適な棲息空間を与え、これにより他の微生物や
原生動物などによる捕食を妨害したり、あるいは分解微
生物の浄化領域外ヘの拡散消失を防ぐ目的を有してい
る。生残機能材料としては、医薬品工業や食品工業ある
いは廃水処理システムなどのバイオリアクターで利用さ
れている多くの微生物担体を用いることができる。例え
ば、多孔質ガラス、セラミックス、金属酸化物、活性
炭、カオリナイト、ベントナイト、ゼオライト、シリカ
ゲル、アルミナ、アンスラサイトなどの球状担体、澱
粉、寒天、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、
アルギン酸、ポリアクリルアミド、カラギーナン、アガ
ロース、ゼラチン、セルロース、グルタルアルデヒド、
ポリアクリル酸、ポリウレタンなどのゲル状担体、高分
子樹脂やイオン交換樹脂などである。さらに、例えば、
セルロースを主成分とする綿、麻、パルプ材などよりな
る紙類、ポリエステル、ポリウレタンあるいはポリアセ
テートなどの変性高分子からなる布類も有効である。そ
の他、増殖機能と生残機能を兼ねた材料として堆肥材料
が有用であり、例えば麦藁など穀物類の藁やおが屑、米
糠、おから、砂糖黍の絞りかす、カニやエビの殻などが
挙げられる。
【0024】上述した微生物材料などをを含む浄化領域
を形成させるには、例えば図4に示すように注入口43
を持つ注入パイプ42を汚染領域に挿入し微生物材料を
含む注入液を送液ポンプなどからなる液注入ユニット4
1によって汚染領域に注入する方法、図5に示すように
地盤改良工法に使用される撹拝翼53および注入薬剤供
給系51を有する施工機械を用いて汚染土壌城を掘削し
ながら掘削土壌中に微生物材料を含む注入液を供給する
方法、図6に示すように汚染領域に掘削孔61を設けそ
の中に分解微生物材料を含む土壌を埋め戻す方法など任
意の方法で可能である。そのなかでも汚染物質の揮発に
よる大気中ヘの揮散を防止する観点から、また浄化領域
形成の容易さおよび汚染物質を含む抽出気体の浄化領域
ヘの循環のし易さなどから注入口を持つ注入パイプを汚
染領域に挿入し微生物材料を含む注入液を送液ポンプで
汚染領域に注入する方法が好ましい。
【0025】汚染領域と浄化領域を循環する気体の流れ
における、汚染領域から浄化領域への汚染物質を含む気
体気流の形成には、汚染領域に抽出井を設け汚染領域に
空気流を強制的に生じさせ、空気流とともに揮発性の汚
染物質を排出させる真空抽出法が好適に用いられる。そ
して、抽出された汚染物質を含む気体は、浄化土壌域に
設けられた注人井を通じて浄化領域に注入された後、汚
染領域に循環される。
【0026】抽出された気体の酸素濃度、炭酸ガス濃
度、汚染物質、汚染物質の分解産物などを適宜測定し、
これらの成分を少なくとも1つについて調整の上、浄化
領域を通して汚染領域に循環させることもできる。なか
でも酸素濃度は分解微生物の分解能に大きな影響を及ぼ
すため、抽出気体中の酸素濃度を測定しその結果に応じ
て最適な酸素濃度に調整したうえで浄化領域を通して汚
染領域に循環することが特に好ましい。
【0027】なお、抽出井に空気流を生じさせる吸引要
素、抽出気体中の酸素濃度等を測定する成分測定要素、
成分測定要素の測定結果に応じ酸素濃度等を調整する成
分調整要素、注入井に気体を注入させる気体注入要素
は、汚染土壌あるいは汚染土壌近傍の地上部あるいは地
中部に適宜設けられる。
【0028】本発明を実施するのに好適なシステム例を
図1に示し、それを用いた汚染土壌の浄化フローについ
て以下に説明する。
【0029】先ず、あらかじめ測定し設定された汚染領
域17に分解微生物材料を含む注入液を液注入ユニット
11により、注入口14をもつ注入パイプl3を経由し
て注入し、浄化領域18を設ける。汚染領域17あるい
はその近傍に埋設され、気体循環ユニット12(吸引要
素、成分測定要素、成分調整要素、気体注入要素を含
む)に接続された吸引口16をもつ抽出パイプl5を経
て汚染領域中の汚染物質を含む気体を抽出する。抽出気
体は適宜成分測定要素により気体成分組成を測定し、必
要に応じて成分調整要素により気体成分を調整後、再び
注入パイプ13を経由して浄化領域18に循環させる。
【0030】なお、気体抽出から再注入・循環の一連の
操作は連続的あるいは間欠的いずれの操作も可能である
が浄化効果を効率的に進める上では連続的な操作をとる
ことが好ましい。また、注入口14より汚染領域中の汚
染物質を含む気体を吸引・抽出し、気体循環ユニット1
2、吸引口16を経て浄化領域に循環させてもよい。
【0031】
【実施例】以下実施例によって本発明を詳説する。 実施例1 (試験土壌槽の作成)図2に示す、中心部の300mm
の深さに注入口26をもつ注入パイプ25、壁面近傍に
4本の抽出パイプ27(各々5ケ所のストレーナー付き
吸引口を有する)および土壌層21中のガスをサンプリ
ングするためのステンレス管(不図示)を設けた容量が
200リットルのドラム缶に、まず下層としての砂礫層
22(層厚40mm)を設け、その上にトリクロロエチ
レン10ppmを含有する細砂とシルトの試験土壌層2
1(層厚750mm)を、さらにその上層に砂礫層23
(層厚40mm)を積層し、最後にポリウレタンよりな
るシール層24(層厚40mm)を設けて試験土壌槽と
した。
【0032】(浄化領域の形成)リンゴ酸ナトリウム
0.5重量%を含むM9寒天培地上のJM1株[ERM
BP−142727;通商産業省工業技術院生命工学工
業技術研究所(茨城県つくば市東1丁目1番3号)に平
成7年1月10日に国内寄託(FERM P−1472
7)し、平成7年12月22日にブダペスト条約下での
国際寄託に移管]のコロニーを、坂口フラスコ中に調製
したリンゴ酸ナトリウム10重量%を含む以下の組成の
M9培地(3リットル)に接種し、25℃で24時間振
盪培養を行った。リンゴ酸ナトリウム3重量%を含む2
倍濃度のM9培地(5リットル)と上記培養液3リット
ルを混合し、注入液とした。注入液を上記試験土壌槽の
注入パイプ25を通じて注入ポンプ(不図示)によって
注入半径約200mmの球状の浄化領域29を形成し
た。 M9培地の組成(培地1リットル中:pH7.0); Na2HPO4:6.2g KH2PO4:3.0g NaCl:0.5g NH4Cl:1.0g なお、JM1株は、芳香族化合物及び有機塩素化合物を
オキシゲナーゼで酸化するJ1株(FERM BP−5
102;寄託日:平成6年5月25日(FERM P−
14332から平成7年5月17日に国際寄託へ移管)
を変異させて得たもので、誘導物質なしでオキシゲナー
ゼを構成的に発現する変異株であり、J1株及びJM1
株の菌学的性質は以下のとおりである。 J1株及びJM1株の菌学的特性; グラム染色性及び形態:グラム陰性桿菌 各培地における生育 BHIA:生育良好 MacConkey:生育可能 コロニーの色:クリーム色 至適温度:25℃>30℃>35℃ 運動性:陰性(半流動培地) TSI(slant/butt):アルカリ/アルカ
リ、H2S(−) オキシダーゼ:陽性(弱) カタラーゼ:陽性 糖の発酵 グルコース:陰性 シュクロース:陰性 ラフィノース:陰性 ガラクトース:陰性 マルトース:陰性 ウレアーゼ:陽性 エスクリン加水分解(β−グルコシダーゼ):陽性 硝酸還元:陰性 インドール産生:陰性 グルコース酸性化:陰性 アルギニンジヒドロラーゼ:陰性 ゼラチン加水分解(プロテアーゼ):陰性 β−ガラクトシダーゼ:陰性 各化合物の同化: グルコース:陰性 L−アラビノース:陰性 D−マンノース:陰性 D−マンニトール:陰性 N−アセチル−D−グルコサミン:陰性 マルトース:陰性 グルコン酸カリウム:陰性 n−カプリン酸:陽性 アジピン酸:陰性 dl−リンゴ酸:陽性 クエン酸ナトリウム:陽性 酢酸フェニル:陰性 従って、寄託時にはこれらはコリネバクテリウム・スピ
ーシズ(Corynebacterium sp.)に
仮分類されたが、その後、寄託菌株の識別表示をJ1及
びJM1株に変更した。
【0033】(気体の抽出、循環浄化)浄化領域形成後
直ちに抽出パイプ27を通じてエアーポンプ27により
試験土壌槽21中のガスを吸引(5リットル/分)し、
同時に吸引したガスを注人パイプ25を経て浄化領域2
8に注入・循環させた。循環開始後1時間毎に試験土壌
槽21の上部(試験土壌層上端より約70mm)、注入
口近傍および試験土壌槽下部(試験土壌層の下端より約
70mm)各々に挿入したステンレス管(不図示)から
土壌槽内のガスをサンプリングし、ガス中に含まれるト
リクロロエチレン濃度をガスクロマトグラフィー(FI
D検出器)で測定した。ステンレス管からサンプリング
したガス(計3点)に含まれるトリクロロエチレン濃度
の平均の経時変化を図3に示す。
【0034】比較例1 実施例1と同様の試験土壌槽を作成し、実施例1と同様
の浄化領域を形成した。ガス循環時の注入口の位置を、
注入パイプを下方に延長し試験土壌槽下部(汚染土壌層
下端より約100mm)に設置したことを除き実施例1
と同様の方法でガス循環させて、実施例1と同様ガス中
に含まれるトリクロロエチレン濃度をガスクロマトグラ
フィー(FID検出器)で測定した。平均濃度の経時変
化を図3に示す。
【0035】比較例2 実施例1と同様の試験土壌槽を作成し、実施例1と同様
の浄化領域を形成した。浄化領域形成後、実施例1とは
異なりガスの注入・循環はせずに静置し、実施例1と同
様1時間毎にステンレス管から土壌槽内のガスをサンプ
リングし、ガス中に含まれるトリクロロエチレン濃度を
ガスクロマトグラフィー(FID検出器)で測定した。
平均濃度の経時変化を図3に示す。
【0036】
【発明の効果】本発明の浄化方法により、簡便な工法、
操作によってより効率的な揮発性有機化合物による汚染
土壌の浄化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施し得るシステムの一例を示
す概念図である。
【図2】(A)及び(B)は実施例1および比較例2に
用いた試験土壊槽の断面および上面からみた略図であ
る。
【図3】実施例1および比較例1、2で得られた試験土
壌中に含まれるトロクロロエチレンの濃度変化を示すグ
ラフである。
【図4】注入パイプを用いて浄化領域を形成させる方法
を示す概念図である。
【図5】(A)及び(B)は地盤改良に用いられる施工
機械を使用して浄化領域を形成させる方法を示す概念図
である。
【図6】(A)及び(B)は掘削孔を設けて浄化領域を
形成させる方法を示す概念図である。
【符号の説明】
11 液注入ユニット 12 気体循環ユニット 13 注入パイプ 14 注入口 15 抽出パイプ 16 吸引口 17 汚染領域 18 浄化領域 21 試験土壌層 22 砂標層(下層) 23 砂蝶層(上層) 24 シール層 25 注入パイプ 26 注入口 27 抽出パイプ 28 浄化領域 29 エアーポンプ 41 液注入ユニット 42 注入パイプ 43 注入口 44 汚染領域 45 浄化領域 51 注入薬剤供給系 52 撹件動力 53 撹拝翼 54 汚染領域 55 浄化領域 61 掘削孔 62 浄化領域 63 汚染領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川畑 祐司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 飯尾 正俊 東京都千代田区九段北4丁目2番35号 ラ イト工業株式会社内 (72)発明者 千秋 由里 東京都千代田区九段北4丁目2番35号 ラ イト工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性有機化合物で汚染された土壌の微
    生物の分解作用を利用した浄化方法であって、土壌の汚
    染領域に前記微生物による浄化領域を形成しする工程
    と、汚染領域と前記浄化領域とを循環する気体流を形成
    し、該汚染領域内を通過して該浄化領域へ到達する気流
    を利用して該汚染領域中から揮発性有機化合物を抽出し
    て該浄化領域へ供給する工程と、を有することを特徴と
    する汚染土壌の浄化方法。
  2. 【請求項2】 揮発性有機化合物が揮発性有機塩素系化
    合物である請求項1記載の汚染土壌の浄化方法。
  3. 【請求項3】 揮発性有機塩素系化合物がトリクロロエ
    チレンである請求項2記載の汚染土壌の浄化方法。
  4. 【請求項4】 前記汚染領域から該浄化領域への揮発性
    有機化合物を抽出供給工程において、気流成分を調整す
    る請求項1〜3に記載の汚染土壌の浄化方法。
  5. 【請求項5】 前記気流成分の調整が、酸素ガスの調製
    である請求項4に記載の汚染土壌の浄化方法。
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