JP2000202425A - 土壌浄化方法 - Google Patents

土壌浄化方法

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JP2000202425A
JP2000202425A JP11005356A JP535699A JP2000202425A JP 2000202425 A JP2000202425 A JP 2000202425A JP 11005356 A JP11005356 A JP 11005356A JP 535699 A JP535699 A JP 535699A JP 2000202425 A JP2000202425 A JP 2000202425A
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JP
Japan
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soil
gas
hollow
suction
volatile harmful
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JP11005356A
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English (en)
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Tatsuo Shimomura
達夫 下村
Naoki Seki
直樹 関
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 揮発性有害物で汚染された土壌を効果的に曝
気すること。 【解決手段】 揮発性有害物で汚染された土壌を攪拌し
て通気性を改善した後に、その土壌から気体等の流体を
吸引する。中空管から気体を吸引してもよいし、吸引井
戸から吸引してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揮発性有害物で汚
染された土壌を浄化する方法に関する。本明細書におい
て、土壌とは土壌中、特に帯水層中の地下水をも含む。
【0002】
【従来の技術】近年、トリクロロエチレン等の揮発性有
害物で土壌が汚染されていることが報告されている。ト
リクロロエチレンは、機械製造、ドライクリーニングか
らの排水等に含まれている場合がある。そして、これら
の排水が地面にしみ込むこと等により、土壌が汚染され
る場合がある。
【0003】このような揮発性有害物は、空気を土壌中
に通気して揮発させることにより、土壌から除去するこ
とができる。
【0004】しかし、一般的には、土壌の通気性は悪
い。特に、土壌中に水が含有している場合、また、土壌
が粘土質等の場合には、通気性が悪くなる。特開平8−
112586号公報には、汚染土壌を掘削した中空ロッ
ド内に生石灰及び空気を導入し、生石灰の脱水作用によ
り通気性を改善することが記載されている。
【0005】また、米国特許第5,006,250号に
は、微生物を培養することにより汚染土壌を浄化するた
めに、帯水層に到達している井戸に微生物の栄養源を導
入することが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、土壌の通
気性を物理的に改善し、土壌を曝気することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の一側面では、軸
と、前記軸の端部に固定された攪拌具とを有する攪拌装
置を用いて、土壌を攪拌する工程と、攪拌された土壌か
ら流体を吸引する工程とを有し、前記軸として、貫通孔
が形成された中空管が用いられ、前記吸引工程におい
て、前記中空管の中空部から流体を吸引することを特徴
とする土壌浄化方法が提供される。
【0008】本発明の他の側面では、軸と、前記軸の端
部に固定された攪拌具とを有する攪拌装置を用いて、土
壌を攪拌する工程と、前記攪拌された土壌中に取り込み
ストレイナーを有する吸引井戸を設ける工程と、前記吸
引井戸から流体を吸引する工程と、を有することを特徴
とする土壌浄化方法が提供される。
【0009】本発明において、前記攪拌された土壌中に
排出ストレイナーを有する気体供給井戸を設ける工程
と、前記気体供給井戸に気体を導入する工程とを更に有
し、前記排出ストレイナーと前記取り込みストレイナー
との間の前記攪拌された土壌を曝気することが好まし
い。
【0010】更にまた、前記排出ストレイナーが帯水層
に配置されていることが好ましい。また、貫通孔が形成
された中空管を有する掘削攪拌装置を用いた場合などに
は、通気層又は帯水層の通気性又は通液性を改善するた
めの改質剤(例えば、砂)を掘削攪拌装置の中空管に形
成された中空部から貫通孔を介して土壌中に排出するこ
とが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、まず、軸と、前記軸
の端部に固定された攪拌具とを有する攪拌装置を用い
て、土壌を攪拌する。これにより、土壌がほぐされ、土
壌粒子の間に気体及び液体が通過し易くなる。即ち、土
壌の通気性及び通液性が向上する。また、上記攪拌装置
を用いることにより、土壌を移動させることなく、現場
での浄化が可能になる。
【0012】次いで、攪拌された土壌から流体を吸引す
る。攪拌された土壌では、通気性及び通液性が改善され
ているので、攪拌前よりも容易に流体を吸引することが
でき、これに伴って、攪拌された土壌に含まれている揮
発性有害物も吸引することができる。
【0013】流体としては、主に気体と液体が挙げられ
る。通気層から吸引した場合には、主に気体を吸引する
ことになり、通水層から吸引した場合には主に液体、例
えば、地下水を吸引することになる。
【0014】流体の吸引としては、図1及び図2に示す
中空管から吸引する実施態様、図3〜図5に示す吸引井
戸から吸引する実施態様などが挙げられる。
【0015】以下、図面を参照しつつ、本発明を説明す
る。同一の要素には同一の引用番号を付与して適宜、説
明を省略する。
【0016】図1及び図2は、何れも中空管から吸引す
る実施態様を示す。図1では、主に気体を吸引し、図2
では、主に液体を吸引する。
【0017】図1において、土壌は、地下水面14の上
部の通気層10と、地下水面14の下部の帯水層12と
を有している。図1では、地下水面14は水平に描かれ
ているが、地下水が流れる方向に傾斜していることも多
い。帯水層14の下部には、難透水性層15が位置して
いる。
【0018】通気層10の一部が揮発性有害物で汚染さ
れた土壌16(以下、適宜、汚染土壌ともいう。)であ
り、この汚染土壌16を吸引により浄化することが本発
明の目的の一つである。
【0019】本発明に好適に用いることができる掘削攪
拌装置20は、クローラ21を有し、走行可能であるこ
とが好ましい。掘削攪拌装置20には、中空管22と、
土壌に貫入するために、中空管22の端部に固定されて
いる攪拌具24とを有する。中空管22は、中空管22
を回転させるためのモーター26及びスイベル28とと
もに吊り下げられている。中空管22には、流体を土壌
から吸引するために、中空部が形成されている。中空管
22には貫通孔23が設けられている。貫通孔23は、
地中深くの汚染土壌16を浄化することができるよう
に、中空管22の端部に設けられていることが好まし
い。
【0020】中空管22の軸方向に垂直な平面におい
て、攪拌具24が攪拌する領域の断面積は、中空管22
の断面積よりも大きいことが好ましい。これにより、中
空管22の周囲の汚染土壌16を攪拌して、ほぐすこと
ができる。
【0021】中空管22には、スイベル28及びホース
等の接続部材31を介して、気体を吸引するための真空
ポンプ等の気体吸引装置30が接続されている。真空ポ
ンプ等の気体吸引装置30はホース等の接続部材32を
介して気体処理装置40に接続されている。気体処理装
置40としては、公知の排ガス処理装置を好適に用いる
ことができ、特に、揮発性ガスを吸着するための吸着塔
が好ましく用いられる。例えば、活性炭を吸着物質にし
てもよい。
【0022】図1を参照しつつ、本発明の一実施態様を
更に詳細に説明する。本発明では、掘削攪拌装置20を
用いて、揮発性有害物で汚染された土壌16を掘削しつ
つ中空管22の周囲の土壌を攪拌する。これにより、攪
拌された土壌18の通気性が向上する。
【0023】次いで、真空ポンプ等の気体吸引装置30
を用いて、中空管22の中空部から流体を吸引する。気
体が、矢印62に示すように、攪拌された土壌18の上
部から下部に移動し、更に、中空管22の貫通孔23を
介して中空管22の中空部に吸引される。この過程にお
いて、攪拌された土壌18に含まれている揮発性有害物
も曝気され、中空管22の中空部に吸引される。そし
て、揮発性有害物も含む気体が、中空管22の中空部を
下部から上部に移動し、矢印64に示されるように、ス
イベル28、ホース等の接続部材31を介して真空ポン
プ等の気体吸引装置30に吸い込まれる。揮発性有害物
を含む気体は、更に、ホース等の接続部材32を介して
気体処理装置40に導入され、揮発性有害物が除去され
る。最後に、気体処理装置40から排出ガス66が大気
に排出される。
【0024】図1では、掘削攪拌装置20が通気層10
を掘削、攪拌するが、帯水層12まで掘削されていな
い。これに伴って、この実施態様では、中空管22から
主に気体を吸引している。
【0025】これに対して、図2では、通気攪拌装置2
0が通気層10及びその下の帯水層12を掘削、攪拌
し、中空管22の貫通孔23が帯水層12に位置してい
る。これに伴って、この実施態様では、中空管22から
主に液体、典型的には、地下水を吸引している。
【0026】図2を参照しつつ、本発明の一実施態様を
更に詳細に説明する。図2では、揮発性有害物で汚染さ
れた土壌16は地表に曝されておらず、主に帯水層12
に分布している。言い換えれば、地下水を含む土壌が揮
発性有害物で汚染されているともいえる。本明細書にお
いて、「土壌が揮発性有害物で汚染されている」という
ときには、このように地下水を含む土壌が揮発性有害物
で汚染されている場合も含まれる。図2では、矢印13
に示すように、地下水が若干左側から右側に流れている
ことから、揮発性有害物で汚染された土壌16が右側に
ひずんだ形状で分布している。
【0027】掘削攪拌装置20を用いて、揮発性有害物
で汚染された土壌16に到達するまで掘削しつつ中空管
22の周囲の土壌を攪拌する。これにより、帯水層12
中で攪拌された土壌19の通液性が向上する。
【0028】次いで、揚水ポンプ等の液体吸引装置34
を用いて、中空管22の中空部から流体を吸引する。帯
水層12中の揮発性有害物を含有する地下水が、矢印7
2に示すように、帯水層12の内部の攪拌土壌19の上
部から下部に移動し、更に、中空管22の貫通孔23を
介して中空管22の中空部に吸引される。そして、揮発
性有害物を含む地下水が、中空管22の中空部を下部か
ら上部に移動し、矢印74に示されるように、スイベル
28、ホース等の接続部材41を介して揚水ポンプ等の
液体吸引装置34に吸引される。揮発性有害物を含む地
下水は、更に、ホース等の接続部材42を介して水処理
装置50に導入され、揮発性有害物が除去される。水処
理装置50の排水出口52から排水が放出される。一
方、水処理装置50から揮発性有害物を含む気体が排出
され、矢印68に示すように、接触部材43を介して気
体処理装置40に導入され、揮発性有害物が除去され
る。気体処理装置40から排出ガス66が大気に排出さ
れる。
【0029】排水処理装置50としては、公知の排水処
理装置を好適に用いることができ、特に、エアストリッ
ピング塔が好ましく用いられる。
【0030】図3〜図5では、吸引井戸80から流体、
特に気体を吸引する実施態様を示す。図3では、気体供
給井戸90が設けられていない。これに対して、図4及
び図5では、気体供給井戸90が設けられている。
【0031】図3〜図5の実施態様では、中空管22を
有する掘削攪拌装置20を好適に用いることができ、図
3〜図5では、説明の便宜上、上記した掘削攪拌装置2
0を用いている。しかし、中空管22の代わりに、中空
部が実質的に設けられていないロッドを用いてもよい。
図3〜図5の実施態様では、土壌を攪拌することができ
ればよく、中空部を介して流体を吸引しなくてもよいか
らである。
【0032】本発明の一実施態様を図3を参照しつつ説
明する。まず、掘削攪拌装置20を用いて、揮発性有害
物で汚染された土壌を攪拌し、汚染土壌を広範囲に攪拌
することが好ましい。例えば、掘削攪拌装置20を用い
て、土壌18aを攪拌し、次いで、掘削攪拌装置20を
走行させ、土壌18aに隣接する土壌18bを攪拌す
る。このように、攪拌及び走行を繰り返して、土壌18
c〜18eも順次攪拌することにより、土壌18a〜1
8eという連続した広範囲の土壌の通気性を向上するこ
とができる。
【0033】次いで、攪拌された土壌18a〜18e中
に少なくとも一つの吸引井戸80を設ける。吸引井戸8
0は、流体を通過させるための取り込みストレイナー8
2を有することが好ましい。取り込みストレイナー82
が、通気層に配置されている場合には、主に気体を吸引
することになる。一方、取り込みストレイナー82が、
帯水層に配置されている場合には、主に液体、即ち、地
下水を吸引することになる。図3は、取り込みストレイ
ナー82が、通気層に配置されている場合を示す。
【0034】その後、真空ポンプ等の気体吸引装置30
を用いて、吸引井戸80から気体を吸引する。気体が、
矢印88に示すように、攪拌された土壌18a〜18e
から取り込みストレイナー82を介して吸引井戸80の
中空部に吸引される。この過程において、攪拌された土
壌18a〜18eに含まれている揮発性有害物も曝気さ
れ、吸引井戸80の中空部に吸引される。そして、揮発
性有害物も含む気体が、吸引井戸80の中空部を下部か
ら上部に移動し、ホース等の接続部材31を介して真空
ポンプ等の気体吸引装置30に吸引される。揮発性有害
物を含む気体は、更に、ホース等の接続部材32を介し
て気体処理装置40に導入され、揮発性有害物が除去さ
れる。最後に、気体処理装置40から排出ガス66が大
気に排出される。
【0035】なお、取り込みストレイナー82が帯水層
に配置されている場合には、図2に示すように、揚水ポ
ンプ等の液体吸引装置34、水処理装置50及び気体処
理装置40を用いて、揮発性有害物を含む地下水を汲み
上げ、次いで、浄化することができる。
【0036】図4及び図5の実施態様では、攪拌された
土壌中に気体供給井戸90が設けられている。図4で
は、気体供給井戸90a、90bの排出ストレイナー9
2a、92bが帯水層12に配置されている。これに対
して、図5では、気体供給井戸90a、90bの排出ス
トレイナー92a、92bが、通気層10に配置されて
いる。
【0037】まず、掘削攪拌装置20を用いて、揮発性
有害物で汚染された土壌を攪拌する。図4では、掘削攪
拌装置20を用いて、土壌18a〜18jを順次攪拌す
ることにより、土壌18a〜18jという連続した広範
囲の土壌の通気性を向上させている。
【0038】次いで、攪拌された土壌18a〜18j中
に少なくとも一つの吸引井戸80と、少なくとも一つの
気体供給井戸90a、90bとを設ける。図4の実施態
様では、吸引井戸80は、通気層12に配置され、か
つ、気体を通過させるための取り込みストレイナー82
を有することが好ましい。気体供給井戸90a、90b
は、帯水層12にまで到達して、排出ストレイナー92
a、92bが帯水層12に配置されていることが好まし
い。
【0039】その後、曝気ブロワ等の気体送出装置98
を用いて、気体供給井戸90a、90bの排出ストレイ
ナー92a、92bを介して、帯水層12に気体を供給
する。帯水層12中の地下水を含む土壌が曝気され、地
下水中に含まれる揮発性有害物を気化させることができ
る。
【0040】一方、真空ポンプ等の気体吸引装置30を
用いて、吸引井戸80から気体を吸引する。これによ
り、通気性が向上した土壌18a〜18j中で、気体供
給井戸90a、90bの排出ストレイナー92a、92
bから吸引井戸80の取り込みストレイナー82に渡っ
て気体を強制的に流すことができるので、排出ストレイ
ナー92a、92bと取り込みストレイナー82との間
の広範囲の土壌(地下水を含む)が曝気され、揮発性有
害物を除去することができる。
【0041】揮発性有害物も含む気体が、吸引井戸80
の中空部を下部から上部に移動し、ホース等の接続部材
31を介して真空ポンプ等の気体吸引装置30に吸い込
まれる。揮発性有害物を含む気体は、更に、ホース等の
接続部材32を介して気体処理装置40に導入され、揮
発性有害物が除去される。最後に、気体処理装置40か
ら排出ガス66が大気に排出される。
【0042】図5では、気体供給井戸90a、90bの
排出ストレイナー92a、92bは、通気層10に配置
されている。この場合には、気体供給井戸は、帯水層1
2に到達していてもよいし、帯水層12に到達していな
くてもよい。
【0043】曝気ブロワ等の気体送出装置98を用い
て、気体供給井戸90a、90bの排出ストレイナー9
2a、92bを介して、通気層12に気体を供給する。
一方、真空ポンプ等の気体吸引装置30を用いて、吸引
井戸80から気体を吸引する。これにより、通気性が向
上した土壌18a〜18j中で、気体供給井戸90a、
90bの排出ストレイナー92a、92bから吸引井戸
80の取り込みストレイナー82に気体を強制的に流す
ことができるので、排出ストレイナー92a、92bと
取り込みストレイナー82との間の広範囲の土壌が曝気
され、揮発性有害物を除去することができる。その後に
ついては、図4と同様である。
【0044】図1〜図5の何れの実施態様においても、
貫通孔23が形成された中空管22を有する掘削攪拌装
置20を用いた場合などには、通気層10又は帯水層1
2の通気性又は通液性を改善するための改質剤(例え
ば、砂)を掘削攪拌装置20の中空管22に形成された
中空部から貫通孔23を介して土壌中に排出することが
好ましい。
【0045】図6では、供給装置100は、圧送ポンプ
102と砂供給ホッパ104とを有する。圧送ポンプ1
02は、ホース等の接続部材105を介して掘削攪拌装
置20のスイベル28に接続している。
【0046】砂供給ホッパ104が砂を供給し、圧送ポ
ンプ102が接続部材105及びスイベル28を介し
て、砂を中空管22の中空部に移送する。砂は中空管2
2の中空部を落下し、貫通孔23を介して土壌に排出さ
れる。モーター26が中空管22を回転させるので、貫
通孔23から砂108が回転しながらその周囲に頒布さ
れる。土壌中に頒布された砂はその間に間隙があるの
で、通気性又は通液性が向上する。
【0047】井戸は、周知の工法で作成することがで
き、例えば、下記のように作成することができる。
【0048】まず、ボーリング機械で掘削し、深い穴を
形成する。掘削完了後、ボーリング機械を穴から引き抜
く。
【0049】次いで、穴の中に、底が閉じているパイプ
を挿入する。パイプは例えば、ステンレス鋼からなる。
パイプの端部には、ストレイナーが形成されている。ス
トレイナーでは、例えば、パイプの壁部を貫通する多数
の貫通孔が形成されている。例えば、ストレイナーで
は、開口率が10〜50%になっており、特に、20〜
40%になっている。
【0050】パイプのストレイナー部には、井戸の内部
に砂等の侵入を防止するために金網が巻かれていること
が好ましい。一方、パイプのストレイナー部以外には、
パッカが巻かれていることが好ましい。パッカは、水の
存在下、膨張することができる材料で形成されている。
【0051】パイプの挿入後、パイプの回りの隙間にケ
イ砂等を入れて、隙間を埋める。次いで、水を添加し、
パッカを膨張させる。地面の近傍のパイプの回りについ
ては、セメントを埋め込んで固める。
【0052】揮発性有害物としては、例えば、1気圧で
沸点が150℃以下の化合物が挙げられ、特に、沸点が
30℃以上、150℃以下の化合物が挙げられる。揮発
性有害物としては、トリクロロエチレン、テトラクロロ
エチレン等のハロゲン化有機化合物が挙げられる。ハロ
ゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子が含まれ、特に、塩素原子及び臭素原子をいう。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。しかし、
本発明は、下記実施例に限定されているものではない。 実施例1 A化学工場跡地の土壌を浄化した。
【0054】この土壌は、シルト質土壌であり、テトラ
クロロエチレンで汚染されていた。汚染土壌は、地表か
ら2m〜8mの範囲に分布しており、この範囲は通気層
であった。
【0055】テトラクロロエチレン濃度が約5mg/k
gと類似している2地点を使用し、本発明に係る施工a
と、従来例に係る施工bとを比較した。 施工a 縦横10m、深度8mまで図3のごとく掘削、攪拌し
た。
【0056】この中心に気体を吸引するための吸引井戸
80(直径50mm)を設置した。深度4〜8mの位置
にストレーナを設けた。
【0057】吸引井戸80内が−50mmHgの減圧条
件となるように、真空ポンプで24時間吸引した。この
際のガス風量及びテトラクロロエチレン濃度を経時測定
し、テトラクロロエチレンの積算回収量を計算した。
【0058】350時間運転後に4箇所でボーリングを
行い、土壌汚染濃度を測定した。 施工b 掘削は行なわず、施工aと同様に吸引井戸を設置した。
深度4〜8mの位置にストレーナを設けた。
【0059】施工aと同様に気体吸引を行ない、テトラ
クロロエチレンの積算回収量を計算した。
【0060】350時間運転後に4箇所でボーリングを
行い、土壌汚染濃度を測定した。結果を下記に示す。 施工a:吸引時には、0.8m3/minの吸引風量が
得られ、350時間の運転で1.7kgのテトラクロロ
エチレンを回収した。
【0061】その後、掘削攪拌した領域から任意に4箇
所、深度2〜8mにボーリングした。その平均汚染濃度
は0.007mg/kgに低下した。 施工b:吸引時には、0.03m3/minの吸引風量
が得られ、350時間の運転で50gのテトラクロロエ
チレンを回収した。
【0062】その後、任意に4箇所、深度2〜8mにボ
ーリングした。その平均汚染濃度は4.7mg/kgで
あり、汚染濃度はさほど低下しなかった。 実施例2 B化学工場跡地の土壌を浄化した。
【0063】この土壌は、粘土質であり、トリクロロエ
チレンで汚染されていた。汚染土壌は、地表から2m〜
7mの範囲であった。ただし、地表から4〜7mは帯水
層であった。
【0064】トリクロロエチレン汚染濃度が約2mg/
kgと類似している2地点を使用し、本発明に係る施工
cと、本発明に係る施工dとを比較した。 施工c 縦横10m、深度7mまで図4のごとく掘削、攪拌し
た。
【0065】中心に気体を吸引するための吸引井戸80
を設置した。吸引井戸80の深度3〜4mの位置にスト
レーナを設けた。そのまわり4地点に気体供給井戸を設
置した。気体供給井戸の深度6〜7mの位置にストレー
ナを設けた。
【0066】吸引井戸80の内部が−50mmHgの減
圧条件となるよう真空ポンプで24時間吸引しつつ、気
体供給井戸より0.1m3/min/井戸の速度で空気
を供給した。
【0067】この際のガス風量及びトリクロロエチレン
濃度を経時測定し、トリクロロエチレンの積算回収量を
計算した。500時間運転後に任意の2箇所でボーリン
グを行い、土壌汚染濃度を測定した。 施工d 縦横10m、深度7mまで図4のごとく掘削、攪拌し
た。
【0068】中心に気体を吸引するための吸引井戸を設
置した。吸引井戸の深度3〜4mにストレーナを設け
た。しかし、気体供給井戸は設けなかった。
【0069】気体吸引井戸の内部が−50mmHgの減
圧条件となるよう真空ポンプで24時間吸引した。
【0070】この際の回収したガス風量及びトリクロロ
エチレン濃度を経時測定し、トリクロロエチレンの積算
回収量を計算した。500時間運転後に2箇所でボーリ
ングを行い、土壌汚染濃度を測定した。
【0071】結果を下記に示す。 施工c:0.3m3/minの吸引風量が得られ、50
0時間の運転で0.6kgのトリクロロエチレンを回収
した。2箇所のボ一リングによる深度2〜7mの平均汚
染濃度は0.012mg/kgに低下した。 施工d:0.3m3/minの吸引風量が得られ、50
0時間の運転で0.26kgのトリクロロエチレンを回
収した。2箇所のボーリングによる深度2〜4mの平均
汚染濃度は0.008mg/kgに低下したが、帯水層
である深度4〜7mの平均汚染濃度は1.9mg/kg
と、有意な低下を示さなかった。
【0072】
【発明の効果】本発明では、揮発性有害物で汚染された
土壌を攪拌し、次いで、吸引することにより、揮発性有
害物を汚染土壌から効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様の説明断面図である。
【図2】本発明の他の実施態様の説明断面図である。
【図3】本発明の他の実施態様の説明断面図である。
【図4】本発明の他の実施態様の説明断面図である。
【図5】本発明の他の実施態様の説明断面図である。
【図6】本発明に使用することができる掘削攪拌装置等
の説明断面図である。
【符号の説明】
10…通気層、12…帯水層、14…地下水面、16…
汚染土壌、18、18a、18b、18c、18d、1
8e、18f…攪拌された土壌、20…掘削攪拌装置、
21…クローラ、22…中空管、23…貫通孔、24…
攪拌具、26…モーター、28…スイベル、30…気体
吸引装置、31…接続部材、32…接続部材、34…液
体吸引装置、40…気体処理装置、41、42、43…
接続部材、48…ガス出口、50…水処理装置、52…
排水出口、58…曝気ブロワ、62、64、68…気体
流れ、66…排出ガス、72、74…水流れ、76…排
水、80…気体吸引井戸、82…取り込みストレイナ
ー、84a、84b、86a、86b、88…気体流
れ、90a、90b…気体供給井戸、92a、92b…
排出ストレイナー、94a、94b…接続部剤、98…
曝気ブロワ、100…砂供給装置、102…圧送ポン
プ、104…砂供給ホッパ、105…接続部材、10
6、107…砂流れ、108…砂

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸と、前記軸の端部に固定された攪拌具
    とを有する攪拌装置を用いて、土壌を攪拌する工程と、 攪拌された土壌から流体を吸引する工程とを有し、 前記軸として、貫通孔が形成された中空管が用いられ、
    前記吸引工程において、前記中空管の中空部から流体を
    吸引することを特徴とする土壌浄化方法。
  2. 【請求項2】 軸と、前記軸の端部に固定された攪拌具
    とを有する攪拌装置を用いて、土壌を攪拌する工程と、 前記攪拌された土壌中に取り込みストレイナーを有する
    吸引井戸を設ける工程と、 前記吸引井戸から流体を吸引する工程と、を有すること
    を特徴とする土壌浄化方法。
  3. 【請求項3】 前記攪拌された土壌中に排出ストレイナ
    ーを有する気体供給井戸を設ける工程と、 前記気体供給井戸に気体を導入する工程とを更に有し、 前記排出ストレイナーと前記取り込みストレイナーとの
    間の前記攪拌された土壌を曝気する請求項2に記載の土
    壌浄化方法。
  4. 【請求項4】 前記排出ストレイナーが帯水層に配置さ
    れている請求項3に記載の土壌浄化方法。
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