JP3786987B2 - 汚染物質除去方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は地盤の優先流路(paths of preferential flow)に沿って地中液体及び地中気体から汚染物質を取出する処理に関する。更に詳細には、本発明は、単一井筒(井戸)を有する地盤の少なくとも二つの異なる優先流路から、高真空技術によって選択的に汚染物質を取出する処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
公知の装置及び処理はある意図された目的には適切であるが、通気性、透水性並びに間隙率が変化する土からの汚染物質の取出を可能にする、地下水及び土から汚染物質を除去する処理及び装置の必要性が残る。更に取出井筒の配置の自由度を増加させる地下水及び土から汚染物質を除去する処理及び装置の必要性がある。既存の真空取出システムを変更することによって実行可能な、地下水及び土から汚染物質を除去する処理及び装置の必要性もある。
【0003】
更に、地盤の地下水から汚染物質及び地盤から土中気体を除去することが必要な場合がある。この地盤はシルト、粘土、砂とシルトと粘土との混合物、塊状粘土等の比較的不透水性の土、又は積層砂岩、けつ岩、泥岩、塊状火成岩及び変成岩等の比較的不透水性の岩を含む。これらの土の透水性は非常に低く、通常毎秒およそ10-6から10-8センチメートルの範囲か又はそれ以下であり、地盤汚染物質を取出す多くの公知の処理が適切でなく又は有効ではない。公知の処理は典型的には少なくとも毎秒およそ10-4センチメートルを下回らない透水性の土に適切である。
【0004】
更に、相対的に低透水性の領域が相対的に高透水性の領域に囲まれている地盤のある一つの領域内では一つ以上の優先流路から選択的に汚染物質を除去することが望ましい。この例では単一の穿孔又は井筒を介して一つ以上の優先流路から選択的に汚染物質を取出可能なことも望ましい。単一の穿孔を介して複数の優先流路から汚染物質を取出すことによって設置コストが減少し、装置が減少及びより簡略化され、汚染物質領域における事業の中断が減少する。更に、一つ以上の優先流路に真空取出を適用し、それと同時に一つ以上の隣接する優先流路に流体(気体及び/又は液体を含む)を導くことも望まれる。更に複数の優先流路に同時に又は所望の順番で真空取出を適用することも望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の利点によって地下水及び土から汚染物質を除去する処理及び装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の(又は本発明の特定の実施例)これらの及び他の目的は第1透水性を有する土を含む地盤の汚染領域から汚染物質を除去する処理によって達成され、前記地盤は複数の優先流路を有し、各経路は第1透水性よりも少なくとも10倍高い透水性を有し、前記処理は、汚染物質領域に少なくとも第1優先流路及び第2優先流路を横切るせん孔を設けることを含み、前記第2優先流路は前記第1優先流路よりも深く配置され、前記第1優先流路内に配置された底部開口部(開口)を有する第1真空取出管及び前記第2優先流路内に配置された底部開口部を有する第2真空取出管をせん孔内に配置し、前記第1優先流路に配置され、底部開口部を有する真空取出管に加えられる真空が前記第2優先流路ではなく前記第1優先流路から気体及び液体を取出し、前記第2優先流路に配置され、底部開口部を有する第2真空取出管に加えられる真空が前記第1優先流路からではなく前記第2優先流路から気体及び液体を取出するように、前記第1優先流路を前記第2優先流路から独立させ、少なくとも一本の真空取出管に真空を加えて少なくとも一つの優先流路から真空取出管へ気体及び液体を引き込み、前記気体及び前記液体の両方を共通の流れとして表面へ搬送し、共通の流れから主に液体である流れ及び主に気体状である流れを形成し、前記液体の流れ及び気体状の流れの少なくとも一方から汚染物質を除去する。本発明の別の実施例は第1透水性を有する土を含む地盤の汚染された領域から汚染物質を除去する装置に向けられ、前記地盤は複数の優先流路を有し、各経路は前記第1透水性よりも少なくとも10倍高い透水性を有し、前記地盤の汚染物質領域は少なくとも第1優先流路及び第2優先流路を横切って土の表面から下方へ延出するせん孔を有し、前記第2優先流路は前記第1優先流路よりも深く配置され、前記装置は少なくとも前記せん孔の内側に配置される第1真空取出管及び第2真空取出管を備え、前記第1真空取出管は前記第1優先流路内に配置された底部開口部を有し、第2真空取出管は前記第2優先流路内に配置された底部開口部を有し、前記第1優先流路に配置された前記底部開口部を有する前記第1真空取出管に加えられる真空は前記第2優先流路ではなく前記第1優先流路から気体及び液体を取出し、前記第2優先流路に配置された前記底部開口部を有する前記第2真空取出管に加えられる真空は前記第1優先流路ではなく前記第2優先流路から気体及び液体を取出するように、前記第1優先流路を前記第2優先流路から独立させ、前記第1真空取出管及び第2真空取出管と流体連通関係(流体が流れ得る状態の関係)にある真空形成装置を有し、せん孔の周りの前記第1及び第2優先流路に減圧ゾーンを形成するために用いられ、気体及び液体は前記第1及び第2優先流路から真空取出管へ送られ、共通の流れとして表面に搬送され、前記真空形成装置及び前記第1且つ第2真空取出管と流体連通関係にある気液分離器を有し、前記気液分離器は共通の流れを気体及び液体の流れに分離し、汚染物質除去システムを有し、前記汚染物質除去システムは前記液体の流れ及び前記気体流の少なくとも一方から汚染物質を除去するために配置されている。
【0007】
本発明の請求項1の態様では、第1透水性を有する土を含む地盤の汚染領域から汚染物質を除去する方法であって、前記地盤は複数の優先流路を有し、各経路は前記第1透水性よりも少なくとも10倍高い透水性を有し、前記方法は、汚染物質領域に少なくとも第1優先流路及び第2優先流路と交差するせん孔を設けることを含み、前記第2優先流路は前記第1優先流路よりも深く配置され、前記第1優先流路内に配置された底部開口を有する第1真空取出管及び前記第2優先流路内に配置された底部開口を有する第2真空取出管をせん孔内に配置し、前記第1優先流路に配置された底部開口を有する真空取出管に加えられる真空が前記第2優先流路ではなく前記第1優先流路から気体及び液体を取出し、前記第2優先流路に配置された底部開口を有する第2真空取出管に加えられる真空が前記第1優先流路からではなく前記第2優先流路から気体及び液体を取出するように、前記第1優先流路を前記第2優先流路から隔離させ、少なくとも一本の真空取出管に真空を加えて少なくとも一つの優先流路から真空取出管へ気体及び液体を送り、前記気体及び前記液体の両方を共通の流れとして表面へ搬送し、共通の流れから主に液体である流れ及び主に気体状である流れを形成し、前記液体流れ及び気体状流れの少なくとも一方から汚染物質を除去する、ことを含む。
【0008】
請求項2に記載の発明に係る、第1透水性を有する土を含む地盤の汚染物質領域から汚染物質を除去する装置は、前記地盤が複数の優先流路を有し、各優先流路は前記第1透水性よりも少なくとも10倍高い透水性を有し、前記地盤の汚染物質領域が少なくとも第1優先流路及び第2優先流路と交差するように地盤の表面から下方へ延出するせん孔を有し、前記第2優先流路は前記第1優先流路よりも深く配置され、前記装置が、前記せん孔の内側に配置される少なくとも第1真空取出管及び第2真空取出管であって、前記第1真空取出管は前記第1優先流路内に配置される底部開口を有し、第2真空取出管は前記第2優先流路内に配置される底部開口を有し、前記第1優先流路に配置された底部開口を有する前記第1真空取出管に加えられる真空は前記第2優先流路ではなく前記第1優先流路から気体及び液体を取出し、前記第2優先流路に配置された底部開口を有する前記第2真空取出管に加えられる真空は前記第1優先流路ではなく前記第2優先流路から気体及び液体を取出するように、前記第1優先流路を前記第2優先流路から隔離する、第1真空取出管及び第2真空取出管と、前記第1真空取出管及び第2真空取出管と流体連通の関係にある真空形成装置であって、この真空形成装置はせん孔の周りの前記第1及び第2優先流路に減圧ゾーンを形成するために用いられ、気体及び液体は前記第1及び第2優先流路から真空取出管へ送られ、共通の流れとして表面に搬送される、真空形成装置と、前記真空形成装置及び前記第1且つ第2真空取出管と流体連通関係にある気液分離装置であって、前記気液分離装置は共通の流れを気体及び液体の流れに分離する、気液分離装置と、汚染物質除去システムであって、前記汚染物質除去システムは前記液体流れ及び前記気体流れの少なくとも一方から汚染物質を除去するために配置されている、汚染物質除去システムと、を有する。
請求項3に記載の発明に係る汚染物質除去方法は、請求項1に記載の方法において、前記第1の透水性が毎秒1×10-4cm以下である。
請求項4に記載の発明に係る汚染物質除去方法は、請求項3に記載の方法において、前記優先経路の透水性が毎秒1×10-3cm以上である。
請求項5に記載の発明に係る汚染物質除去方法は、請求項1に記載の方法において、前記せん孔から離れたところに少なくとも一つの取入プローブを少なくとも一つの優先流路に設けて、前記少なくとも一つの優先流路に流体を誘導することを含む。
請求項6に記載の発明に係る汚染物質除去方法は、請求項1に記載の方法において、前記少なくとも一つの優先流路が前記第1優先流路であり、前記第1真空取出管に真空がかけられる間、取入プローブから前記第1優先流路に流体が誘導されることを特徴とする。
請求項に記載の発明に係る汚染物質除去方法は、請求項5に記載の方法において、前記少なくとも一つの優先流路が前記第2優先流路であり、前記第2真空取出管に真空がかけられる間、取入プローブから前記第2優先流路に流体が誘導されることを特徴とする。
請求項に記載の発明に係る汚染物質除去方法は、請求項5に記載の方法において、前記第1真空取出管及び前記第2真空取出管へ同時に真空がかけられる間、取入プローブから前記第1優先流路及び前記第2優先流路へ同時に流体が誘導されることを特徴とする。
請求項に記載の発明に係る汚染物質除去方法は、請求項1に記載の方法において、前記第2真空取出管に真空がかけられる間、前記第1真空取出管に流体が誘導されることを特徴とする。
請求項10に記載の発明に係る汚染物質除去方法は、請求項1に記載の方法において、前記第1真空取出管に真空がかけられる間、前記第2真空取出管に流体が誘導されることを特徴とする。
請求項11に記載の発明に係る汚染物質除去方法は、請求項1に記載の方法において、前記第1真空取出管及び前記第2真空取出管へ同時に真空がかけられることを特徴とする。
請求項12に記載の発明に係る汚染物質除去方法は、請求項1に記載の方法において、少なくとも一つの真空取出管に真空がかけられるとき、前記複数の優先流路の少なくとも一つの経路から取り出されて真空取出管に入る前記液体が水分を含むことを特徴とする。
【0009】
【実施例】
本発明は優先流路に沿って地下水及び土から汚染物質を除去するための処理及び装置に向けられている。
【0010】
汚染物質はベイドス帯(vadoze zone)及び/又は地下水面の下に存在する。処理水は土に戻されるか従来の方法で処理される。本発明の一つの実施例では、各真空取出管は立て上り管(riser pipe)に囲まれている。各立て上り管は、自然地下水面の下、不飽和(ベイドス帯)ゾーンに位置するか、飽和及び不飽和ゾーンの両方に位置する複数の穿孔(ふるい:screening)を伴って構成されている。ある実施例では、一本の立て上り管は地下水面の上下の両側に複数の穿孔を有する。本発明の別の実施例では、少なくとも一本の立て上り管が地下水面下のみに延出する透孔(ふるい)で構成されている。また別の実施例では、少なくとも一本の立て上り管が地下水面の上のベイドス帯にのみ穿孔を有する。不飽和ゾーンは自然地下水面の上にある自然ベイドス帯であるか、取出井筒を介した地下水のくみ上げが地下水面の局所低下を起こす時に形成される「人工の」ベイドス帯である。そのようなふるいが地下水面下及びベイドス帯の両側に延出するように、ふるいを配置することによって、気相の汚染物質を含む土中気体が真空取出管に接続する真空生成装置の影響下で立て上り管へ取入可能である。気体は液相を伴い、両方の相が真空取出管を介して共通の流れで共に表面に搬送される場合がある。表面では気相と液相とはサイクロンセパレータ、ノックアウト(突き出し)ポット又は他の適切な構成要素等の気液引離装置で分離され、分離の後、気相と液相とは更なる処理工程による汚染物質除去のためにシステムに個々に送られる。汚染物質除去の適切な処理は、濾過、吸着、空気除去(air stripping)、沈降、凝集、析出、洗浄(scrubbing)等を含む。
【0011】
別法として、水の除去が地下水面の局部的な沈降をもたらす状態であってもふるいが常に地下水面の下であるように一本以上の立て上り管が配置されてもよい。そのような配置では、この立て上り管から表面へ搬送された流体は主に液相であるが、真空装置の取入側での乱流及び圧力減少の結果として起こる相変態(転換)を処理するために、表面に気液分離及び個々の相の処理を提供する必要がある。真空取出管を詰まらせ破損させる、シルト、土、又は沈殿物の真空取出管への流入(entrainment)を防ぐために、土が微粒子である場合は各真空取出管を囲むスロット形成された立て上り管が好ましい。周囲土質が岩ならば、スロット形成された立て上り管は必要ない。
【0012】
図1(一定の縮尺で描かれていない)は本発明に従った真空取出及び処理のための、一般的には参照番号10で示されるシステムを概略的に例示している。図1に見られるのは、汚染物質ゾーン12であり、その中の中央ゾーン14の汚染物質は周囲ゾーン12より高い汚染濃度である。汚染物質は吸着、溶解又は懸濁されない相及び土における気相の汚染物質である。図1に示されるように、点線16は典型的に下部土20よりも透水性が高い上部土18の境界面を示している。例えば、上部土18は毎秒およそ1×10-7センチメートルの典型的な透水性を有する風化粘土であり、下部土20は毎秒およそ1×10-8センチメートルの典型的な透水性を有する未風化粘土である。ここで、汚染物質ゾーン12が異なる地盤の透水性を有する複数の領域に延在する場合は、本発明の目的として要求されていないため、汚染物質ゾーン12及び14、優先流路22、24、26及び取出井筒(井戸)28の全ては単一透水性の地盤内に配置されるとする。
【0013】
汚染ゾーン12を含む地盤内には優先流路22、24及び26があり、汚染ゾーン12の土は上部土18と下部土20のどちらかよりもかなり透水性が高い。優先流路内の土の透水性は、優先流路を囲む土の透水性よりも少なくとも10倍高い。例えば周囲の土が毎秒およそ1×10-4センチメートル以下の透水性を有するならば、優先流路は毎秒およそ1×10-3センチメートルかそれ以上である。これらの優先流路は自然形成、または汚染物質領域に人工形成される場合がある。例えば、人工優先流路は破砕(裂け目を作る)処理によって形成され、相対的に高透水性流域が、相対的低透水性の地盤内に形成される。例えば、ハイドロフラク(水圧破砕)ケーシング及びランスチップ駆動を含み、前記ケーシング及びランスチップは鋼材等を含むあらゆる適切な資材からなり、地表面に最も近接した破砕部(fracture)の所望の深さまで地盤に埋め込まれる。その後延長ロッドがケーシングの中に駆動されてケーシングの終端部(terminal end)より下の深さまで地盤中にランスチップを駆動する。延長ロッド及びランスチップはその後ケーシングから除去され、ケーシングの終端部の下の露出土の井筒(井戸)を伴う地盤に空のケーシングを残す。そしてノッチがケーシングの終端部より下の土へ切削噴流によって切削され、ノッチは水平方向で且つ垂直ケーシングに直交するように延出する。その後砂が充填されたスラリーがケーシングへ圧力を加えて射出され、ケーシングは、ケーシングの終端部の下のノッチ内の露出土を除く全ての領域におけるスラリーの拡散を防ぎ、圧力によって水平ハイドロフラク(水圧破砕部)はノッチエッジから延出する。このように形成された破砕部は、破砕部の崩壊防止を助ける砂を含み、相対的不透水性の周囲の土において可能なよりも著しく高い割合で気体及び液体が破砕部を透過して流れることを可能にする。その後、より長いケーシング及びランスチップを土の元の穴に挿入しそれらを所望の深さまで駆動させることによって、追加の破砕部が順次より低い位置に形成され、次に新しい破砕部を形成するためにより低い位置に新しいノッチを切削しスラリーを射出する。破砕部はあらゆる所望の間隔で形成されることができ、典型的には少なくとも6インチ(15cm)離間されるが、破砕部同士間の距離は望まれればより短くてもよい。本実施例では破砕部に注入されたスラリーは砂、水及び架橋グアーゴム(guar gum) の混合物を含み、その混合物は粘性が高い。混合物はグアーゴムの交差結合を腐食させる酵素のような化学剤も含むため、一定期間、典型的にはおよそ1〜2日を過ぎるとグアーゴムの交差結合は崩壊し、それによってスラリーの粘性は低下する。従って水がスラリーから流出し破砕部に留まった砂を残す。この目的のための商業的に入手可能で適切な、砂/水スラリーへの添加剤の例は、REVERT(登録商標)のボーリング流体添加剤であり、Johnson Filtration Systems, Inc., St. Paul, MN から入手可能である。この添加剤はグアーゴムを含み、スラリーの初期粘性を向上させるが、グアーゴムの崩壊により数日内にスラリーの粘性を減少させる性質がある。
【0014】
空気取入口プローブ27が一つ以上の優先流路22、24、及び26に任意に提供される。空気取入口プローブによって空気又は他の流体(液体及び/又は気体)が井筒から離間された位置で優先流路に誘導され、前記流体は井筒ボア(井戸穴)を介して取出される。大気と取出井筒間のコミュニケーション(通気)が不十分であるか又は土が十分な空気流を得ることができない場合にこの配置は有利である。詳細が記述される取出井筒28は汚染物質ゾーン12の領域にあり、上部土18を通過して下部土20へ延出している。取出井筒28と関連しているのは真空取出システム32であり、典型的におよそ7から29水銀柱インチ(約2.4×104Paから9.8×104Pa)の高真空状態を生成するように設計されることが好ましい。真空取出システム32によって除去された気体は、受容できる環境限度内なら大気34へ排気され、あるいは焼却されるかコンデンサ(濃縮装置)、活性炭フィルター、又はそのような他の構成要素36を通過することによって更に処理される。構成要素36は取出された気体から汚染物質を除去するのに役立つ。その処理によって取出された水は金属除去、揮発性有機化合物除去又は他の浄化工程のための従来のシステムを通過することによって処理される。処理され浄化された水は、この段階で十分な清浄度を有するなら下水システム38で直接地盤に戻される。汚染物質は時間経過的分解又は更なる処理のためにドラム40に蓄えられる。
【0015】
図2、3、及び4(一定の縮尺で描かれていない)は取出井筒28の実施例を更に詳細に例示している。図2、3、及び4に概略的に例示されているように、本発明の例示されている形態での取出井筒28は細長いボーリング孔42を含み、その中には穿孔(perforation)された立て上り管44a、44b、及び44cが配置されていて、それぞれの管の底部は閉止されている。立て上り管44a、44b、及び44cは地下水面の上下どちらか片側又は地下水面の上下両方で開孔されている。例示の実施例では、立て上り管は開孔されていない上部部分46a、46b、且つ46c及び開孔された(スクリーンまたはふるいが設けられた)下部分48a、48b及び48cを含む。立て上り管44a、44b、及び44cは塩化ビニル樹脂、ステンレススチール、亜鉛メッキ鋼等の金属、テフロン(登録商標)等プラスチックのような、あらゆる適切な材料から形成される。スクリーン(ふるい)形成又は開孔された部分はあらゆる所望の又は適切な形状及び寸法の開孔を有し、例えば、ある実施例では開孔部分は0.010インチ(約2.54×10-4m)のスロットを備える。立て上り管44a、44b及び44cの内側に配置されているのは真空取出管30a、30b、及び30cである。真空取出管30a、30b、及び30cは塩化ビニル樹脂、ステンレススチール、亜鉛メッキ鋼又はそれらの類似物のような金属、テフロン(登録商標)等プラスチックのようなあらゆる適切な材料から成る。立て上り管44a、44b及び44cの上部終端部はここではコンクリート床又はデッキと関連して示され、適切な管継ぎ手52が設けられ、立て上り管44a、44b且つ44c及び真空取出管30a、30b、及び30cが真空取出システム32(図2、3、及び4には図示せず)の残りに連結可能とされ、真空取出管30a、30b、及び30cは真空取出システムと流体連通されている。真空取出管30a、30b、及び30cは互いに独立して作動できることが好ましい。従って、ある実施例では、真空は真空取出管30a、30b、及び30cに同時に加えられる。別の実施例では、真空は連続的に管に加えられ、例えば、真空は最初に管30aのみに加えられ、引き続き管30aに真空が加えられたままか加えられずに管30bへ真空が加えられ、引き続き管30a及び/又は30bに真空が加えられたままか加えられずに30cに真空が加えられる。また別の実施例では、例えば一つの真空取出管30aに真空が加えられ、一方気体は別の取出管に誘導され、該管は例えば真空が加えられる30cのような管よりも地盤の深くに配置された開口部を有する。また別の実施例においては、例えば一つの真空取出管30aに真空が加えられ、一方気体は別の取出管へ誘導され、該管は例えば真空が加えられる管30aよりも地盤に浅く配置された開口部を有する。井筒の複数管への適用として、真空、正の圧力、又は圧力を与えない場合のあらゆる組み合わせが可能である。
【0016】
真空取出管30a、30b、及び30cは全て取出井筒28内に底部開口部を有する。各真空取出管はその底部開口部が優先流路内にあるように配置される。例えば、図2に示されるように、真空取出管30aは優先流路26内に配置され、真空取出管30bは優先流路24内に、真空取出管30cは優先流路22内にそれぞれ配置されている。優先流路22、24及び26並びに真空取出管30a、30b、及び30cの底部開口部は相対的不透水性土質又は岩層によって、かつせん孔内で立て上り管44a、44b及び44cの不透水性部分46a、46b及び46cを囲む実質的不透水性密封部によって互いに隔離されている。例えば図2に示されるように、真空取出管30cの底部開口部は、グラウト層54a、54b及びベントナイトセメント層56a、56bによって優先流路22内で隔離されている。真空取出管30bの底部開口部は、グラウト層54b、54c及びベントナイトセメント層56b、56cによって優先流路24内で隔離されている。真空取出管30aの底部開口部は、グラウト層54c、ベントナイトセメント層56c及びせん孔42の底部によって優先流路26内で隔離されている。せん孔42内に配置された砂49はせん孔及び立て上り管内のベントナイトセメント層及びグラウト層を支持する。複数の優先流路を互いに隔離させるために、その他のグラウト、ベントナイト粘土、無収縮エポキシ物質、水硬性セメント、プラスチック、ゴム材等あらゆる他の適切な又は所望の材料が使用可能である。
【0017】
必ずしも必要ではないが、真空取出管30a、30b、及び30cの底部は水平面に平行以外のある角度で終わることが好ましい。管端部を傾斜させることによって開口部の表面領域が広くなり、井筒の始動が容易になる。真空取出管30a、30b、及び30cの底部開口部の好ましい角度は、水平面に対しておよそ10°から80°であり、水平面に対しておよそ45°がより好ましいが、この傾斜角度はこの範囲外の値でもよい。
【0018】
本発明のある実施例においては、地盤表面又はその近くの取出井筒28の端に配置されているのは少なくとも一本の立て上り管と関連する一つ以上の任意の空気取入口31であり、前記任意の取入口31は空気流量計(図示せず)を装備することが好ましく、該流量計によって減圧、大気圧又は増加か強制圧力を含むあらゆる所望の圧力で空気を立て上り管44a、44b及び/又は44cへ誘導することが可能になる。好ましくは別々の接続によって44a、44b及び44cの少なくとも一本への選択的な空気の誘導が可能になる。示されるように取入口31aは立て上り管44aへの空気の誘導を可能にし、取入口31bは立て上り管44bへ、取入口31cは立て上り管44cへの空気の誘導をそれぞれ可能にする。大気圧よりも大きな圧力で空気を追加することが望まれるなら、空気圧は追加のポンプ(図示せず)によって又は真空取出管30a、30b、及び/又は30cと接続する真空ポンプの排気口又は排出口を空気取入口又はその類似物と接続させることによって提供される。空気取入口を介した空気流率はほぼ0から真空取出管30a、30b、及び30cと接続する真空ポンプのCFM(立方フィート/分)定格容量より小さいあらゆる値をとりうる。ある空気流がシステムの始動時に所望されるが、処理が一定期間作動された後、いくつかの例では空気流はゼロに減少されてもよく、空気取入口を介して井筒に誘導される空気は無く、最大真空が地表下土層及び地下水に加えられる。更に空気取入口を介して誘導された空気は、所望の場合ある汚染物質の取出を向上させるために加熱されてもよい。更に空気取入口は他の物質又は化合物を立て上り管及び取出流動へ導入するための入口として使用される理由は、そのように導入された化合物又は物質は取入空気と共に立て上り管を介して底部へ送られ、真空取出管30を介して水と空気の混合物と共に戻され、水と空気の混合物と化学的に又はその他に相互作用する。例えば、酸化剤、界面活性剤又は他の化合物は真空取出管によって除去された水及び蒸気によりもたらされる汚染物質の処理のために導入される。更に、本発明の装置及び処理が生物形質転換処理と連結して用いられる状態では、地盤汚染物質はバクテリアとの相互作用又は他の生物学的な方法によって無害の物質に生物学的に変化され、気体吸込口はセルロース等の生物形質転換のための養分、嫌気的過程を向上させるための窒素又は好気的過程を向上させるための酸素を真空取出管へ誘導するために使用される。これらの物質も真空取出管30a、30bか30c又は一つ以上の空気取入プローブ27を介して追加される。土の汚染物質を処理する生物学的な処理に関する更なる情報は例えば以下の文献に開示されている。ダブリュー.ケー.アラート氏ほかによる 「メチルベンゼン類による汚染地盤の現位置バイオリミジエーション」、エム.エー.フランソン氏の「無鉛ガソリン汚染地下水の現位置バイオリミジエーションについてのコネチカット州プレインフィールドの事例研究」、エム.リービット氏ほかによる 「現位置バイオリミジエーションシステムのための界面活性剤の適用」以上1992年米国EPA/A&WWA国際シンポジウム(1992年ピッツバーグにおける、大気・廃棄物管理協会による)の論文集「汚染地盤及び汚染水の原位置処理」、及びテキサス州ダラスでの1992年6月21〜24日の地下環境回復会議(1992年テキサス、ヒューストンのライス大学環境、科学及び工学部)である。(W.K.Ahlert et al., "In situ Bioremediation of Soil Contaminated with Methyl Benzene Species", M. A. Franson, "In Situ Bioremediation of Unleaded Gasoline Contaminated Ground Water, Plainfield, Connecticut, A Case Study," M. Leavitt et al., "Implications of Surfactant Augmentation for In Situ Bioremediation Systems", In Situ Treatment of Contaminated Soil and Water, Proceedings of the 1992 U. S. EPA/A&WWA International Symposium, Air and Waste Management Association (Pittsburgh 1992); Subsurface Restoration Conference, June 21-24, 1992, Dallas, Texas(Rice University Dept. of Envi. Sci. & Eng., Houston TX 1992))
【0019】
真空取出管30a、30b及び30cを通して引き上げられた液体は、必ずしも必要ではないが2相形態つまり、スラグ流と対照的に液滴、霧、及び/又は液体に含まれる蒸気であることが好ましい。本システムによる空気流は以下の一つ以上の空気によって提供される。即ち、その空気は不飽和ゾーン(ベイドス帯)からの空気、脱水後の飽和ゾーンからの空気、減圧、大気圧又は強制圧力での一つ以上の任意の空気取入口機構31からの空気、大気圧又は強制圧力での任意の気体取入口41からの空気、一つの優先流路(空気取入口プローブ27又は真空取出管30を介する)を介して導入され、別の一つの優先流路から取出される空気である。従って、空気は取出井筒の付近の地盤から取出される必要は無い。一般的には、高蒸気/空気流速度がシステム中で維持されている。真空取出管内の空気流速度は、空気中の様々な大きさの液滴等の蒸気相の水を運搬又は上昇させるのに十分であるべきである。毎秒およそ1フィートから200フィート(約毎秒0.3mから約毎秒61m)以上の範囲の気流速度値で十分である。
【0020】
各真空取出管30a、30b、及び/又は30cは少なくとも一つの気体取入口41を任意に備える。図2に示されるように、真空取出管30cは単一の任意気体取入口(入口)41を備える。図3に概略的に例示されるように、単純化のために、単一の真空取出管30のみが示され(実際の作動では真空取出管を有する少なくとも二本の立て上り管がせん孔42に配置される)、真空取出管30は三つの任意の気体取入れチューブ41a、41b、及び41cを備える。図4に概略的に例示されるように、真空取出管30は三つの任意の気体取入口41d、41e、及び41fを備え、それらは全て一本の気体取入れチューブ41に連通する。
【0021】
更に詳細には図2に示されるように、任意の気体取入れ口41は真空取出管30の底部開口部から真空取出管30へ入る。あるいは(図示せず)、気体取入れ口41は真空取出管30の側面の開口部を介して真空取出管30に入ることもできる。気体取入れ口41は大気か他の所望の気体である気体供給部及び任意の圧縮装置43と流体連通の関係である。圧縮空気を含んだタンクも気体供給部の働きをする。気体取入れ口41への気体供給は弁45によって制御され、気体取入れ口41の圧力は、所望により、任意の圧力ゲージ47によって監視される。更に所望されれば、弁45をオン及びオフにし、継続時間及び/又は気体取入れ口41から真空取出管30に印加される気体の圧力を制御するための自動制御部が気体取入れ口41の構成に追加される。
【0022】
図3に示されるように、任意の気体取入れ口41a、41b、及び41cは真空取出管30の側面の開口部を介して真空取出管30に入る。気体取入れ口41bは地下水面より上、地下水面、その付近又はその下に配置される(そしてそれに対応してポンプ処理の開始の前に真空取出管30に入った地下水のおよその位置の上、地下水面、その付近又はその下となる)。気体取入れ口41aは通常、自然地下水面より下に配置されるが、ポンプ処理が一定時間作動された後地下水が滴下する位置より上である。気体取入れ口41cはポンプ処理が一定時間作動された後地下水が滴下する位置より下の位置に配置される。気体取入れ口41cが、この例示では、真空取出管30の底部開口部直上の真空取出管30の側壁の開口部を介して真空取出管30に入るように示されているが、気体取入れ口41cも真空取出管30の底部開口部を介して直接か真空取出管30のどちらかの側を介して真空取出管30へ入る。本発明のこの実施例の任意の気体取入れ口の数は2又は3に限定せず、例えば、200フィート(約61m)の深さの井筒ではより多数の気体取入れ口の数が所望される。更に、真空取出管30への任意の気体取入れ口開口部は全て互いに均等に離間される必要は無く、各気体取入れ口の長さは井筒の最適な作動のために所望の変更が可能である。各気体取入れ口41a、41b、及び41cは大気又は他の所望の気体である気体サプライ及び任意のエアコンプレッサ43a、43b及び43cと流体連通の関係である。圧縮空気を備えたタンクも気体供給源としての役割を果たす。気体取入れ口41a、41b、及び41cへの気体供給はバルブ45a、45b、及び45cによって制御され、気体取入れ口41a、41b、及び41c内の圧力は所望により、任意の圧力ゲージ47a、47b、及び47cによって監視される。更に所望により、バルブ45a、45b、及び45cをターンオン及びオフし、継続時間及び/又は気体取入れ口41a、41b、及び41cから真空取出管30に加えられる気体の圧力を制御する自動コントローラが気体取入れ口41a、41b、及び41cの構成に追加される。
【0023】
図4に示されるように、その単純化のために一本の真空取出管30しか示されないが、(実際の作動では少なくとも二本の真空取出管がせん孔42内に配置される)任意の気体取入れ口41d、41e、及び41fは真空取出管30の開口部を介して真空取出管30に入る。気体取入れ口41d、41e、及び41fは全てメイン気体取入れ口41と流体連通の関係である。真空取出管30の頂部に最も近く配置された気体取入れ口41dの直径は気体取入れ口41dと41fの間の気体取入れ口41eの直径よりも小さい。気体取入れ口41eの直径は真空取出管30の底部開口部に最も近くに配置される気体取入れ口41fの直径よりも小さい。気体取入れ口41dは地下水面の位置より上、地下水面、その付近、又はその下に配置される(それに対応してポンプ処理の開始の前に真空取出管30に入る地下水面のおよその位置より上、地下水面、その付近又はその下になりうる)。気体取入れ口41eは、通常、自然地下水面より下に位置するが、ポンプ処理が一定時間作動された後地下水が滴下する位置より上である。気体入口41fはポンピング処理が一定時間作動した後地下水液滴が落下する位置より下の位置に位置する。気体取入れ口41fがこの例示では真空取出管30の底部開口部のすぐ上の真空取出管30の側壁の開口部を介して真空取出管30に入るように示されているが、気体取入れ口41fも真空取出管30の底部開口部を介して直接か真空取出管30のどちらかの側を介して真空取出管30に入ってもよい。本発明のこの実施例の任意の気体取入れ口の数は2又は3に限られないが、例えば、200フィート(約61m)の深さの井筒ではより多数の気体取入れ口が所望される。更に、真空取出管30への気体取入れ口開口部は互いに均等に離間される必要は無く、気体取入れ口同士間の距離は井筒の最適な作動のために所望されるように変化してよい。気体取入れ口41への気体供給は、弁45を介して制御され、気体取入れ口41の圧力はもし所望されれば最適な圧力ゲージ47によって監視される。更に所望されれば、弁45をオン及びオフし、継続時間及び/又は気体取入れ口41から真空取出管30に印加される気体の圧力を制御するための自動制御部が気体取入れ口41の構造に追加される。圧縮空気が気体取入れ口41に加えられたとき圧縮空気が優先的に最初に41dへ、続いて41eへ、さらに続いて41fへ流れ、その結果、真空取出管の頂部、中間部及び底部が連続して始動されるように、気体取入れ口開口部41d、41e、及び41fの相対直径は選択される。井筒の深さ及びシステムを始動させるために必要な取出チューブの長さによる水頭の影響を上回るためには、より圧縮された空気が必要なため、最も小さい直径41dの開口部は頂部に、最も大きい直径の41fの開口部は底部にそれぞれ配置される。
【0024】
作動においては、真空取出管30内で2相流を開始させるために真空が真空取出管に加えられる前、その最中、又はその後のに気体は真空取出管30へ導入される。図2に示されるように真空取出管30が単一の気体取入れ口41を備える実施例においては、真空が真空取出管30に加えられると、真空取出管30内に2相流が確立され、その点で気体取入れ口41を介した気体流が停止するまで気体は気体取入れ口41を介して連続的に加えられる。気体取入れ口41を介した気体の実施の実際の継続時間は井筒の深さ、気体取入れ口41の井筒内の深さ、真空取出管30内に含まれる地下水の深さ、井筒、真空取出管30及び気体取入れ口41の寸法、気体取入れ口41を介して加えられる気体の圧力ほかのような因子(ファクタ)に依存して変化する。直径4インチ(約0.1m)の井筒で、その中で1平方インチ当たりおよそ20から60ポンド(約1.4×105Paから4.1×105Pa)の圧力で気体が導入される典型的な継続時間は、地下水位が15フィート(約4.6m)より少ない深さのときはおよそ15から20秒であり、地下水位がおよそ18から25フィート(約5.5mから約7.6m)の深さのときはおよそ45秒である。気体取入れ口41を介して気体を加える継続時間は5分以上でもよい場合もある。
【0025】
例えば図3に例示されるように真空取出管30a、30b、及び/又は30cが多数の気体取入れ口を備える本発明の実施例においては、真空が真空取出管30に加えられると、真空取出管30内に気体取入れ口41bの深さから2相流が確立されるまで気体は典型的には最初に最上の気体取入れ口41bを介して連続的に加えられる。この点で、図3では気体取入れ口41aである次の深さの取入れ口を介した気体流が開始され、真空取出管30内で気体取入れ口41aの深さから2相流が確立するまで維持される。次に図3では気体取入れ口41cである次の深さの取入れ口を介した気体流が開始され、真空取出管30内で気体取入れ口41cの深さから2相流が確立されるまで維持される。各取入れ口を介した気体流は一度2相流がその深さから確立されてしまうと終了するが、2相流が真空取出管でどんな時にも停止しないことを確実にするために、一つの取入れ口を介した気体流と次の深さの取入れ口を介した気体流の間の少なくともいくらかの重ね合わせを維持することが好ましい。例えば、特定の井筒では、気体は最初に最上部の気体取入れ口41bに約10秒間導入され、その後気体取入れ口41bの深さから真空取出チューブ内に2相流が確立され、引き続いて気体取入れ口41bを介した気体流が維持されると共に気体取入れ口41aを介した約5秒間の気体流が行われ、気体取入れ口41aを介して気体が15秒間流され続けながら気体取入れ口41bを介した気体流が終了し、その後気体取入れ口41aの深さから真空取出チューブ内で2相流が確立され、気体取入れ口41cを介した約5秒間の気体流が行われながら気体取入れ口41aを介した気体流が維持され、気体取入れ口41cを介した気体が20秒間流され続けながら気体取入れ口41aを介した流れが終了し、その後気体取入れ口41cの深さから真空取出チューブ内に2相流が確立され、気体取入れ口41cを介した流れが終了する。各取入れ口を介した流れの継続時間及び2つ以上の取入れ口からの流れの重ね合わせの継続時間は各井筒によって変化する。しかしながら、一つの取入れ口を介した流と別の取入れ口を介した流れの間に重ね合わせ無しで連続的に各取入れ口を介した流を開始させるか、深さを増加することによって連続的に流させる以外のある順序で複数の取入れ口の流を開始させることも可能である。更に多数の気体取入れ口を介した流れが同時に開始可能である。もし所望ならば、各気体取入れ口を介した流れの継続時間は各気体取入れ口41a、41b、及び41cをタイマー制御システムを介して稼動させることによって自動的に制御可能である。
【0026】
一般的に気体取入れ口(単数又は複数)を介した流れは2相真空取出処理がうまく開始されると停止する。しかしながら、取出処理における様々な時点に真空取出管30a、30b、及び/又は30cを介した流は所望の2相流からスラグ流のようなある他の流の形態に変化することもある。この時、気体も気体取入れ口41を介して導入され、真空取出管30の流を所望の2相形態へ変換させる。
【0027】
気体取入れ口(単数又は複数)はあらゆる適切な構造でありうるが、適切な構造の2、3の例が概略的に図5、6及び7に示される(必ずしも一定の縮尺で描かれていない)。概略的に図5に示されるように、気体取入れ口41aは真空取出管30の側面の開口部を介して真空取出管30に入り、真空取出管30の壁におよそ直角で終わる。必要ではないが、真空取出管30内の気体53及び液体55の2相流を開始させるために気体取入れ口41aを介して真空取出管30に空気51が導入されるときの摩擦力を最小化するために、気体取入れ口41aの開口部は真空取出管30の内壁に比較的近接して配置されるのが好ましい。
【0028】
図6に概略的に示されているように、気体取入れ口41a’は真空取出管30の側面の開口部を介して真空取出管30に入り、真空取出管30の壁におよそ平行な角度で終わる。必ずしも必要ではないが、真空取出管30内の気体53及び液体55の2相流を開始させるために気体取入れ口41a’を介して真空取出管30に空気51が導入されるときの摩擦力を最小化するために、気体取入れ口41a’の開口部は真空取出管30の内壁に比較的近接して配置されるのが好ましい。
【0029】
図7に概略的に例示されているように、気体取入れ口41cは真空取出管30の底部開口部を介して真空取出管30に入り、真空取出管30の壁におよそ平行な角度で終わる。必ずしも必要ではないが、真空取出管30内に気体53及び液体55の2相流を開始させるために気体取入れ口41cを介して真空取出管30に空気51が導入されるときの摩擦力を最小化するために、気体取入れ口41cの開口部は真空取出管30の内壁に比較的近接して配置されるのが好ましい。
【0030】
任意の気体取入れ口(単数又は複数)41は可撓性又は剛性のどちらでもよく、塩化ビニル樹脂、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロエチレン等を含むポリマー及びプラスチック、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、銅、黄銅等の金属、又はあらゆる適切な材料から成る。真空取出管を介した所望の流量効率を可能にするために、気体取入れ口41はあらゆる所望の又は適切な直径から成り、真空取出管の寸法、井筒の深さ、井筒の周りのパッキングの性質その他等に依存して典型的に変化する。
【0031】
気体取入れ口(単数又は複数)41を介して真空取出管30に導入される気体のためにあらゆる所望の圧力が使用される。典型的な圧力は井筒の外側の大気圧(この場合空気圧縮装置は必要無い)から1平方インチ当たりおよそ100ポンド(約6.9×105Pa)までの範囲で、1平方インチ当たりおよそ20から60ポンド(約1.4×105Paから約4.1×105Pa)が好ましい圧力で、1平方インチ当たりおよそ30から50ポンド(約2.1×105Paから約3.4×105Pa)がより好ましいが、これらの範囲以外の値の場合もある。圧力が大きくなるほど真空取出管30内の2相流をより早く開始させ、水の相対的な深さ(この場合相対的な深さは気体取入れ口と真空取出管内の地下水位の深さの違いによる)が大きくなるとより望ましい。
【0032】
あらゆる所望の気体が任意の気体取入れ口(単数又は複数)を介して真空取出管30へ導入されうる。周囲空気は最も安価な気体として選択されうる。更に気体取入れ口41を介して誘導される空気は幾つかの汚染物質の取出を向上させるために所望されれば加熱される。また気体取入れ口41は他の物質又は化学物質を立て上り管及び取出流動に導入し、水と空気の混合物と化学的に又はその他の方法で相互作用させるために使用されうる。例えば、酸化剤、界面活性剤又は他の化合物は真空取出管によって除去される水又は蒸気をもたらす汚染物質の処理のために導入可能である。更に本発明の装置及び処理が生物形質転換処理と連結して用いられる場合、地盤汚染物質はバクテリアとの相互作用又は他の生物学的方法によって無害の物質に生物学的に変換され、気体取入れ口はセルロースその他等の生物形質転換のための養分、嫌気的過程を向上させるための窒素又は好気的過程を向上させるための酸素を真空取出管へ誘導するために用いられる。
【0033】
図2、3、及び4を参照すると、立て上り管44の上部分46はベントナイトセメント54aのような透水性の低いグラウトで囲まれていて、グラウト54aの下はベントナイト密封部56aによって囲まれている。追加層のグラウト54b及び追加層のベントナイトセメント56bは真空取出管30c及び真空取出管30bの終端部を隔離させ、破砕部22も破砕部24から隔離される。追加層のグラウト54c及び追加層のベントナイトセメント56cは真空取出管30b及び30aの終端部(終端)を隔離させ、破砕部24も破砕部26から隔離される。せん孔及び立て上り管内のグラウト及びベントナイト層を支持するために比較的透水性の低い砂49がグラウトとベントナイトの間のせん孔42及び立て上り管44に配置される。また、砂49は、破砕部の崩壊を防ぐために破砕部22、24、及び26内にも含まれることが好ましい。周囲を取り囲む砂から立て上り管44への気体及び液体の流を容易にするために、立て上り管44のスロット形成された下部分48及びスロット形成された下部分48より上の部分46の部分を囲むせん孔42内の領域は細かく微細にふるいわけされた砂でパックされる。
【0034】
図8(一定の縮尺で描かれていない)は任意の空気取入れ口(入口)プローブ27の例を概略的に示している。空気取入れ口プローブ27は管60を受けるせん孔(ボーリング孔)58を含む。ある機能的な実施例では管60は底部がキャップされた直径4インチのPVC管を備え、該管は0.010インチのスロットのスクリーンを有する。管60はセメントカラー(えり部)又はベントナイト密封部62によって上部分が囲まれていて、土表面64に延出している。空気射出プローブを所望に開閉するために空気取入れ口プローブ27と関連してあらゆる適切なバルブ68が提供されうる。せん孔58内の管60の中間部分70を取り囲むのは、管60とせん孔58の間に気体タイト密封部を提供する気密スラリー72である。管60のスロット形成された下部分74は気体透過性のあるパックされた砂76に取り囲まれている。明らかなように、管60は優先流路への空気の射出を容易にする(優先流路22がこの図面で示されている)。
【0035】
ここに開示された情報を参照して当業者が本発明の他の実施例及び変更を行うことができ、これらの等価物と同様にこれらの実施例及び変更も本発明の範囲内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った地盤汚染物質の領域から汚染物質を真空取出するための一般的な構成を例示した断面の側面図である。
【図2】本発明に適切な取出井筒の側面の断面図である。
【図3】本発明に適切な別の取出井筒の断面の側面図である。
【図4】本発明に適切なまた別の取出井筒の断面の側面図である。
【図5】本発明の取出井筒における真空取出管の任意の気体取入れ口の三つの適切な構造の断面の側面図である。
【図6】本発明の取出井筒における真空取出管の任意の気体取入れ口の三つの適切な構造の断面の側面図である。
【図7】本発明の取出井筒における真空取出管の任意の気体取入れ口の三つの適切な構造の断面の側面図である。
【図8】本発明の使用に適切な空気取入れ井筒の側面の断面図である。
【符号の説明】
12、14 汚染物質ゾーン
22、24、26 優先フロー経路
28 抽出ウェル
30a、b、c 真空抽出パイプ
31a、b、c 空気取り入れ口
32 真空抽出システム
41a、b、c、d、e、f ガス取り入れ口
42 せん孔
53 ガス
55 液体
58 せん孔

Claims (12)

  1. 第1透水性を有する土を含む地盤(18、20)の汚染領域(12、14)から汚染物質を除去する方法であって、前記地盤は複数の優先流路(22、24、26)を有し、各経路は前記第1透水性よりも少なくとも10倍高い透水性を有し、前記方法が、
    汚染物質領域に少なくとも第1優先流路(22)及び第2優先流路(24)と交差するせん孔(42)を設けること、
    前記第2優先流路(24)は前記第1優先流路(22)よりも深く配置され、前記第1優先流路(22)内に配置された底部開口を有する第1真空取出管(30c)及び前記第2優先流路(24)内に配置された底部開口を有する第2真空取出管(30b)をせん孔(42)内に配置し、前記第1優先流路(22)に配置された底部開口を有する真空取出管に加えられる真空が前記第2優先流路ではなく前記第1優先流路(22)から気体及び液体を取出し、前記第2優先流路(24)に配置された底部開口を有する第2真空取出管に加えられる真空が前記第1優先流路からではなく前記第2優先流路(24)から気体及び液体を取出するように、前記第1優先流路(22)を前記第2優先流路(24)から隔離させること、
    少なくとも一本の真空取出管に真空を加えて少なくとも一つの優先流路から真空取出管へ気体及び液体を送ること、
    前記気体及び前記液体の両方を共通の流れとして表面へ搬送し、共通の流れから主に液体である流れ及び主に気体状である流れを形成すること、
    前記液体流れ及び気体状流れの少なくとも一方から汚染物質を除去すること、
    とを有する、汚染物質除去方法。
  2. 第1透水性を有する土を含む地盤(18、20)の汚染物質領域(12、14)から汚染物質を除去する装置(10)であって、前記地盤が複数の優先流路(22、24、26)を有し、各優先流路は前記第1透水性よりも少なくとも10倍高い透水性を有し、前記地盤の汚染物質領域が少なくとも第1優先流路(22)及び第2優先流路(24)と交差するように地盤の表面から下方へ延出するせん孔(42)を有し、前記第2優先流路(24)は前記第1優先流路(22)よりも深く配置され、前記装置が、
    前記せん孔(42)の内側に配置される少なくとも第1真空取出管(30c)及び第2真空取出管(30b)であって、前記第1真空取出管(30c)は前記第1優先流路(22)内に配置される底部開口を有し、第2真空取出管(30b)は前記第2優先流路(24)内に配置される底部開口を有し、前記第1優先流路(22)に配置された底部開口を有する前記第1真空取出管(30c)に加えられる真空は前記第2優先流路(24)ではなく前記第1優先流路(22)から気体及び液体を取出し、前記第2優先流路(24)に配置された底部開口を有する前記第2真空取出管(30b)に加えられる真空は前記第1優先流路(22)ではなく前記第2優先流路(24)から気体及び液体を取出するように、前記第1優先流路(22)を前記第2優先流路(24)から隔離する、第1真空取出管(30c)及び第2真空取出管(30b)と、
    前記第1真空取出管(30c)及び第2真空取出管(30b)と流体連通の関係にある真空形成装置(32)であって、この真空形成装置(32)はせん孔(42)の周りの前記第1(22)及び第2優先流路(24)に減圧ゾーンを形成するために用いられ、気体及び液体は前記第1(22)及び第2優先流路から真空取出管へ送られ、共通の流れとして表面に搬送される、真空形成装置(32)と、
    前記真空形成装置及び前記第1(30c)且つ第2真空取出管(30b)と流体連通関係にある気液分離装置(32)であって、前記気液分離装置は共通の流れを気体及び液体の流れに分離する、気液分離装置(32)と、
    汚染物質除去システム(36)であって、前記汚染物質除去システムは前記液体流れ及び前記気体流れの少なくとも一方から汚染物質を除去するために配置されている、汚染物質除去システム(36)と、
    とを有する、汚染物質除去装置。
  3. 前記第1の透水性が毎秒1×10-4cm以下である、請求項1に記載の汚染物質除去方法。
  4. 前記優先経路の透水性が毎秒1×10-3cm以上である、請求項3に記載の汚染物質除去方法。
  5. 前記せん孔から離れたところに少なくとも一つの取入プローブ(27)を少なくとも一つの優先流路に設けて、前記少なくとも一つの優先流路に流体を誘導することを含む、請求項1に記載の汚染物質除去方法。
  6. 前記少なくとも一つの優先流路が前記第1優先流路であり、前記第1真空取出管(30c)に真空がかけられる間、取入プローブ(27)から前記第1優先流路に流体が誘導される、請求項5に記載の汚染物質除去方法。
  7. 前記少なくとも一つの優先流路が前記第2優先流路であり、前記第2真空取出管(30b)に真空がかけられる間、取入プローブ(27)から前記第2優先流路に流体が誘導される、請求項5に記載の汚染物質除去方法。
  8. 前記第1真空取出管(30c)及び前記第2真空取出管(30b)へ同時に真空がかけられる間、取入プローブ(27)から前記第1優先流路及び前記第2優先流路へ同時に流体が誘導される、請求項5に記載の汚染物質除去方法。
  9. 前記第2真空取出管に真空がかけられる間、前記第1真空取出管に流体が誘導される、請求項1に記載の汚染物質除去方法。
  10. 前記第1真空取出管に真空がかけられる間、前記第2真空取出管に流体が誘導される、請求項1に記載の汚染物質除去方法。
  11. 前記第1真空取出管及び前記第2真空取出管へ同時に真空がかけられる、請求項1に記載の汚染物質除去方法。
  12. 少なくとも一つの真空取出管に真空がかけられるとき、前記複数の優先流路の少なくとも一つの経路から取り出されて真空取出管に入る前記液体が水分を含む、請求項1に記載の汚染物質除去方法。
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