JP2002239524A - 汚染土壌の浄化方法及び装置 - Google Patents

汚染土壌の浄化方法及び装置

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JP2002239524A
JP2002239524A JP2001045737A JP2001045737A JP2002239524A JP 2002239524 A JP2002239524 A JP 2002239524A JP 2001045737 A JP2001045737 A JP 2001045737A JP 2001045737 A JP2001045737 A JP 2001045737A JP 2002239524 A JP2002239524 A JP 2002239524A
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air supply
contaminated
air
ground
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JP2001045737A
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Michitaka Okamoto
道孝 岡本
Hiroyuki Yamamoto
博之 山本
Takeshi Sasakura
剛 笹倉
Mikio Azeyanagi
幹雄 畔柳
Junichi Kawabata
淳一 川端
Tatsuji Kawai
達司 河合
Keisaku Yasumoto
敬作 安本
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Kajima Corp
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Kajima Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】直上に構造物がある場合でも揮発性物質の汚染
領域を効率的に浄化できる方法及び装置を提供する。 【解決手段】地盤1中の揮発性物質による汚染領域3を
挟んで対向する透気性又は透水性ケーシングパイプ6製
の水平井戸の対4、5を構築し、井戸対の一方4を負圧
とすると共に井戸対の他方5へ送気することにより地盤
1中の井戸対4、5の間に面状気流7を形成し、面状気
流7と交差する汚染領域3内の揮発性物質を負圧井戸4
から回収する。好ましくは、井戸対の他方5に高温空気
又は蒸気を送り込み、面状気流7と交差する汚染領域3
を加熱する。更に好ましくは、負圧井戸4と送気井戸5
とを適宜切り替え、面状気流7の向きを変化させる。負
圧井戸4及び/又は送気井戸5を複数の水平井戸の群と
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は汚染土壌の浄化方法及び
装置に関し、とくに地盤中の揮発性物質で汚染された領
域を迅速に浄化する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】洗浄剤として使用されるトリクロロエチ
レン、テトラクロロエチレン等の揮発性有機化合物(Vo
latile Organic Compounds、VOCs)や揮発性有機塩素化
合物による地盤や地下水の汚染が社会的な問題となって
いる。これらの揮発性汚染物質は、図7に示すように、
地盤1中の土壌又は地下水中に気相又は液相として存在
している。従来、揮発性物質の汚染地盤1の浄化方法と
して、同図に示すように、下端にストレーナ30を設けた
吸引井戸25を地盤1中の汚染領域3に鉛直に掘削し、井
戸25の頂端開口からストレーナ30まで吊下げた吸引パイ
プ26を介して空気及び/又は地下水を吸引することによ
り、地盤1内の汚染領域3に滞留している揮発性汚染物
質を回収する技術が実施されている。図示例では、吸引
した汚染物質を気液セパレータ27において水と分離し、
分離後の汚染物質を吸着装置28において活性炭等に吸着
して浄化し、分離後の水を水質浄化装置29で処理する。
【0003】また特開平11-057685号公報は、上記従来
技術を用いるにあたり、図8に示すように吸引井戸25の
他に加熱井戸31を掘削し、加熱井戸31の底部に熱源32を
設置して井戸内の地下水を加熱することにより、揮発性
汚染物質を効率的に吸引井戸25から回収する土壌浄化方
法を開示する。吸引井戸25からの吸気のみでは通気性の
悪い地盤1中の汚染物質の吸引除去が難しい場合がある
が、地盤1を加熱して揮発性汚染物質のガス化を促進す
ることにより汚染物質の地盤1中での移動を容易にし、
吸引井戸25による汚染物質の吸引効率を高めることがで
きる。更に、加熱井戸31を介して地盤1内に高温空気や
蒸気等を注入することにより地盤1を加熱する工法等も
開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の垂直な
吸引井戸25(以下、鉛直井戸25ということがある。)又
は加熱井戸31(以下、鉛直井戸31ということがある。)
による汚染物質の吸引除去方法は、広範囲な汚染領域3
を効率的に浄化することが難しい問題点がある。揮発性
物質による汚染領域3は一般的に、図10に示すよう
に、地盤1中の難透水性層2上に水平な薄層として広範
囲に亘って存在することが多いと考えられている。これ
に対し鉛直井戸25、31が汚染領域3と接触する部分は、
その全長の極僅かな部分に限られるため、単独の井戸2
5、31では汚染物質を効率的に回収することが難しい。
従って、広範囲の汚染領域3から汚染物質を短期間で回
収するためには、同図に示すように多数の鉛直井戸25、
31を設置しなければならず、ボーリング等を含む土壌浄
化コストが嵩む原因となっている。また、図9のように
操業中の建築物や道路等の構造物18の直下に汚染領域3
が存在する場合は、汚染領域3に多数の井戸25又は31を
ボーリングすることが困難な場合が多く、汚染物質の回
収に多くの時間を要するだけでなく、十分な浄化が難し
い場合が多い。
【0005】そこで本発明の目的は、直上に構造物があ
る場合でも揮発性物質の汚染領域を効率的に浄化できる
方法及び装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1の実施例を参照する
に、本発明の汚染土壌の浄化方法は、地盤1中の揮発性
物質による汚染領域3を挟んで対向する透気性ケーシン
グパイプ6製の水平井戸の対4、5を構築し、井戸対の
一方(以下、負圧井戸ということがある。)4を負圧と
すると共に井戸対の他方(以下、送気井戸ということが
ある。)5へ送気することにより地盤1中の井戸対4、
5の間に面状気流7を形成し、面状気流7と交差する汚
染領域3内の揮発性物質を負圧井戸4から回収してなる
ものである。
【0007】ケーシングパイプ6は、気相及び/又は液
相の汚染物質の透過を許し且つ土砂の透過を阻止する透
水性のものとすることができる。好ましくは、井戸対の
他方5に高温空気又は蒸気を送り込み、面状気流7と交
差する汚染領域3を加熱する。更に好ましくは、負圧井
戸4と送気井戸5とを適宜切り替え、面状気流7の向き
を変化させる。井戸対の一方4及び/又は他方5を複数
の水平井戸の群とすることができ、例えば図4に示すよ
うに、送気井戸5又は井戸群を汚染領域3の周縁部に沿
って構築し、負圧井戸4又は井戸群を汚染領域3の内側
に構築し、汚染領域3に周縁部から内側へ向かう面状気
流7を形成することができる。
【0008】また図1を参照するに、本発明の汚染土壌
の浄化装置は、地盤1中の揮発性物質の汚染領域3を挟
んで対向させて構築した透気性ケーシングパイプ6製の
水平井戸の対4、5、井戸対の一方4に接続した吸気装
置10と汚染物質浄化装置11、及び井戸対の他方5に接続
した送気装置12を備え、送気装置12及び吸気装置10の駆
動により地盤1中の井戸対4、5の間に面状気流7を形
成し、面状気流7と交差する汚染領域3内の揮発性物質
を吸気装置10により浄化装置11へ回収してなるものであ
る。
【0009】好ましくは、送気装置12に空気加熱手段13
を接続し、送気装置12により送気井戸5へ高温空気を送
り込む。更に好ましくは、送気装置12に上記発生手段13
を接続し、送気装置12により送気井戸5へ蒸気を送り込
む。負圧井戸4及び/又は送気井戸5を両端が地表に開
口する水平井戸とし、吸気装置10を負圧井戸4の両端に
接続するか、及び/又は送気装置12を送気井戸5の両端
に接続することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、地盤1中の難透水性層2
上に広く分布した揮発性物質の汚染領域3に本発明を適
用した一実施例を示す。本発明は、汚染領域3を挟んで
対向する水平井戸の対4、5を構築する。例えば図5
(A)に示すように、汚染領域3を挟んで井戸対4、5
を水平に配置する。また同図(B)に示すように、汚染
領域3の上方に井戸対の一方4を配置すると共に、井戸
対の他方5を汚染領域3の下方に配置してもよい。井戸
対4、5の設置位置は、事前に実施した室内実験や解析
に基づき作成した設計ノモグラム等により決定すること
ができる。
【0011】図6は、水平井戸4又は5の掘削方法の一
例を示す。同図では、先ず地表の所定位置に掘削した縦
穴16から設計ノモグラム等で決定した水平井戸4又は5
の設置位置の一端に向けて、削孔方向を任意に決定でき
る掘削用ビット22を先端部に備えた地盤掘削用ロッド21
を、水平ボーリング押し込み機20により回転させながら
斜め下方に押し込む(同図(A))。掘削用ビット22が
所定設置位置の一端に到達した後、同図(B)に示すよ
うにビット22の削孔方向を水平に転換し、井戸4又は5
の所定設置位置の他端まで水平な削孔を継続する。更に
ビット22が所定設置位置の他端に到達したのち、同図
(C)に示すように、ビット22の削孔方向を斜め上方に
転換して地表の目標位置に掘削した縦穴17まで押し込
み、水平孔を貫通させる。
【0012】続いて、同図(D)に示すように目標位置
の縦穴17に現れた掘削用ビット22を水平孔拡径用リーマ
23に交換し、リーマ23の背面部に透気性ケーシングパイ
プ6の一端を接続したのち、同図(E)に示すように水
平ボーリング押し込み機20により拡径用リーマ23を回転
させながら貫通した水平孔内へ引き込み、リーマ23によ
って水平孔を拡径しつつ拡径した壁面をケーシングパイ
プ6により保持する。同図(F)及び(G)に示すよう
にリーマ23及びケーシングパイプ6を水平孔に沿って掘
削開始位置の縦穴16まで引き込むことにより、透気性ケ
ーシングパイプ6製の水平井戸4又は5を構築する。
【0013】但し、本発明で用いる水平井戸4、5は汚
染領域3を挟んで対向するものであれば足り、図6に示
すように両端が地表に開口するものに限定されない。図
6に示す掘削方法に替えて、従来技術に属する他の水平
ボーリング技術を用いて水平井戸4、5を掘削すること
ができる。
【0014】ケーシングパイプ6は、気相の汚染物質の
透過を比較的高いレベルで確保でき且つ土砂の透過を阻
止できるものであり、例えば側壁に細孔又はスリット等
を設けたものである。透気性ケーシングパイプ6を用い
ることにより、後述するように、井戸5から汚染領域3
への空気や高温空気、蒸気の注入、及び汚染領域3から
井戸4への気相の汚染物質の回収が可能となる。また本
発明は、揮発性物質が気相で存在する汚染領域3だけで
なく、飽和領域のように揮発性物質が液相で存在する汚
染領域3にも適用可能である。液相の汚染物質を回収す
る場合は、ケーシングパイプ6を気相及び液相の汚染物
質の透過を許す透水性のものとすることができる。
【0015】好ましくは、ケーシングパイプ6を、土圧
等に耐える強度と、図6に示すような任意の方向転換に
対応できる柔軟性・可撓性を有する材料にて作成する。
井戸5から高温空気や蒸気を注入する場合は、必要な耐
熱性のケーシングパイプ6を用いる。また、揮発性汚染
物質による腐食のおそれがある場合は、ケーシングパイ
プ6を必要な耐薬品性のものとする。
【0016】図2は、難透水性層2上に広く分布する不
飽和又は飽和の汚染領域3内に、図6に示す方法で構築
した汚染物質吸引用の水平井戸4の一例を示す。図示例
の水平井戸4は、一端に吸気装置10が接続され、他端が
密閉蓋14により密閉されている。吸気装置10の駆動によ
り、ケーシングパイプ6の透気性に抗して井戸4の内部
を地盤1に対して負圧とし、汚染領域3の汚染物質を井
戸4内に吸引することができる。一端の吸気装置10では
十分な負圧が得られない場合は、水平井戸4の両端に吸
気装置10を接続してもよい。なお、吸気装置10は例えば
吸気ポンプである。
【0017】吸気装置10の出口又は入口には、吸気装置
10により回収された汚染物質を浄化する浄化装置11を接
続する。回収された汚染物質が気相である場合は、浄化
装置11を、図7に示すような活性炭等への吸着により汚
染物質を浄化する装置とすることができる。また、気相
及び液相の二相の汚染物質が回収される場合は、浄化装
置11を双方の汚染物質が浄化できるものとする。
【0018】図3は、汚染領域3を挟んで吸気装置10が
接続された水平井戸(負圧井戸)4と対向する位置に、
図6に示す方法で構築した送気用の水平井戸(送気井
戸)5を示す。図示例の送気井戸5は、一端に送気装置
12が接続され、他端に密閉蓋14が取り付けられている。
密閉蓋14によって注入空気の地表面への抜け出しを防
ぎ、ケーシングパイプ6を介して汚染領域3内へ空気を
送り込む。必要に応じて水平井戸5の他端にも送気装置
12を接続し、井戸5の両端から空気を注入してもよい。
なお、送気装置12は例えば送気ポンプである。
【0019】図1に示すように、送気装置12によって送
気井戸5に空気を送り込むと同時に、吸気装置10によっ
て負圧井戸4から地盤1内に負圧を加えることにより、
汚染領域3を挟んで対向する送気井戸5と負圧井戸4と
間に、汚染領域3と交差する面状気流7を形成する。面
状気流7により、汚染領域3に気相又は液相として存在
する揮発性物質を押し流し、負圧井戸4内へ送り込むこ
とができる。面状気流7は汚染領域3との交差面積を大
きくとることができ、また少なくとも一基ずつの水平井
戸4、5により形成できる。従って本発明によれば、少
数の井戸により広範囲に分布した汚染物質の効率的な回
収が可能となる。負圧井戸4内に取り込んだ汚染物質
は、吸気装置10により浄化装置11へ送られ、浄化され
る。
【0020】本発明は、負圧井戸4と送気井戸5との組
み合わせにより面状気流7を形成するので、速度が大き
い面状気流7を形成でき、広範囲に分布した汚染物質の
短期間での回収が期待できる。また、図2、3に示すよ
うに汚染領域3が操業中の建築物や道路等の構造物18の
直下に存在する場合でも、比較的離れた地表から構造物
18の直下へ水平井戸対4、5を掘削して汚染領域3と交
差する面状気流7を形成できるので、構造物18の運用を
続けたまま浄化作業を実施することができる。
【0021】こうして本発明の目的である「直上に構造
物がある場合でも揮発性物質の汚染領域を効率的に浄化
できる方法及び装置」の提供が達成できる。
【0022】本発明は、汚染領域3内における揮発性物
質の飽和、不飽和を問わず適用可能である。好ましく
は、送気井戸5に送気装置12と共に空気加熱手段又は蒸
気発生手段13を接続し、空気加熱手段又は蒸気発生手段
13で加熱した高温空気又は蒸気を送気井戸5へ送り込
み、井戸対4、5の間に高温空気又は蒸気による面状気
流7を形成する。高温空気又は蒸気の面状気流7を形成
することにより、地盤1を加熱して揮発性物質の揮発を
促し、液相を含む汚染物質の早期回収を可能とし、飽和
汚染領域3に対する本発明の適用の容易化が図れる。な
お、蒸気発生手段13は例えばボイラーである。
【0023】
【実施例】本発明は、負圧井戸4及び送気井戸5を少な
くとも一基ずつ設置するので、負圧井戸4と送気井戸5
とを適宜切り替えることにより、面状気流7の向きを変
化させることができる。面状気流7の向きが一定である
と、いわゆる地盤1内の気流の定常化を招き、地盤1中
に面状気流7と接触しない部分が発生するおそれがあ
る。面状気流7の向きを適宜切り替えることにより、面
状気流7と接触しない部分の発生を避け、面状気流7と
交差する汚染領域3を汚染物質が低濃度になるまで高度
に浄化できる。
【0024】また、負圧井戸4及び/又は送気井戸5を
二基以上設け、負圧井戸4の群及び/又は送気井戸5の
群とすることができる。汚染領域3を挟んで負圧井戸4
の群と送気井戸5の群とを対向させることにより、大き
な断面積の面状気流7を形成し、汚染物質の更なる効率
的で迅速な回収が期待できる。また、汚染領域3を挟ん
で互いに交差する向きに井戸対4、5の複数対を設置し
てもよい。例えば図5(A)のように汚染領域3を挟ん
で水平配置の井戸対4、5と、同図(B)のようにその
汚染領域3を挟んで垂直配置の井戸対4、5とを設置す
ることにより、汚染領域3において複数の面状気流7を
互いに交差させることができる。面状気流7を互いに交
差させることにより、いわゆる気流の定常化を避け、汚
染領域3の高度浄化も期待できる。
【0025】図4は、送気井戸5の群を汚染領域3の周
縁部に沿って構築し、負圧井戸4の群を汚染領域3の内
側に構築し、汚染領域3に周縁部から内側へ向かう面状
気流7を形成した本発明の一実施例の断面図を示す。面
状気流7を汚染領域3の周縁部から内側へ向けることに
より、気流7による揮発性汚染物質の不所望な拡散を避
けることができる。面状気流7による汚染物質の拡散の
おそれがある場合は、図1に示すように汚染領域3の周
囲に汚染領域3を周囲地盤から仕切るシートパイル、地
中連続壁等により止水壁9を打設し、止水壁9の内側に
井戸対4、5を構築することが望ましい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の汚染土壌
の浄化方法及び装置は、地盤中の揮発性物質による汚染
領域を挟んで透気性ケーシングパイプ製の水平井戸の対
を対向させて構築し、井戸対の一方を負圧とすると共に
他方へ送気することにより井戸対間に面状気流を形成
し、面状気流と交差する汚染領域の揮発性物質を負圧井
戸から回収するので、次の顕著な効果を奏することがで
きる。
【0027】(イ)垂直井戸に比し汚染領域との対向面
積を大きくとることができるので、吸引・注入の効果を
より効率的に汚染領域に伝達し、少数の井戸により広範
囲に分布した汚染物質を効率的に回収することができ
る。 (ロ)速度が大きい面状気流を形成できるので、広範囲
に分布した汚染物質を迅速に回収し、浄化作業期間の短
縮が期待できる。 (ハ)浄化対象の汚染領域が操業中の建築物や道路等の
構造物の直下に存在する場合でも、操業を妨げることな
く浄化作業を実施できる。 (ニ)負圧井戸と送気井戸とを適宜切り替えることによ
り、地盤内に発生する空気の流れの定常化を避け、汚染
領域の高度浄化が可能となる。 (ホ)気相及び液相の双方の汚染物質に対応できるた
め、汚染領域における揮発性物質の飽和、不飽和を問わ
ずに適用できる。 (ヘ)送気井戸に高温空気又は蒸気を送り込むことによ
り、高温空気又は蒸気の面状気流により地盤を加熱して
揮発性物質の揮発を促し、液相を含む汚染物質の早期回
収を図ることができる。 (ト)負圧井戸や送気井戸を二基以上設けることによ
り、大きな断面積の面状気流を形成し、汚染物質の更な
る効率的で迅速な回収が可能である。 (チ)送気井戸を汚染領域の周縁部に沿って構築し、負
圧井戸を汚染領域の内側に構築し、汚染領域に周縁部か
ら内側へ向かう面状気流を形成することにより、揮発性
汚染物質の不所望な拡散を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の一実施例の説明図である。
【図2】は、本発明で用いる負圧井戸の説明図である。
【図3】は、本発明で用いる送風井戸の説明図である。
【図4】は、本発明の他の実施例の断面図である。
【図5】は、本発明における井戸対の配置の説明図であ
る。
【図6】は、本発明における水平井戸の構築方法の一例
の説明図である。
【図7】は、従来の汚染土壌浄化方法の一例の説明図で
ある。
【図8】は、従来の汚染土壌浄化方法の他の一例の説明
図である。
【図9】は、従来の構造物直下の汚染土壌洗浄方法の一
例の説明図である。
【図10】は、従来の広域汚染領域の浄化方法の一例の
説明図である。
【符号の説明】
1…地盤 2…難透水性層 3…汚染領域 4…負圧井戸 5…送気井戸 6…ケーシングパイプ 7…面状気流 9…止水壁 10…吸気装置 11…浄化装置 12…送気装置 13…空気加熱手段又は蒸気発生手段 14…密閉蓋 16…縦穴 17…縦穴 18…構造物 20…水平ボーリング押込み機 21…地盤掘削孔用ロッド 22…掘削用ビット 23…拡孔リーマ 25…吸引井戸 26…吸引パイプ 27…気液セパレータ 28…汚染物質吸着装置 29…水質浄化装置 30…ストレーナ 31…加熱井戸 32…熱源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹倉 剛 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 畔柳 幹雄 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 川端 淳一 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 河合 達司 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 安本 敬作 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA41 AB06 AC07 CA22 CA47 CB36

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地盤中の揮発性物質による汚染領域を挟ん
    で対向する透気性ケーシングパイプ製の水平井戸の対を
    構築し、前記井戸対の一方を負圧とすると共に前記井戸
    対の他方へ送気することにより前記地盤中の井戸対間に
    面状気流を形成し、前記面状気流と交差する汚染領域内
    の揮発性物質を前記負圧井戸から回収してなる汚染土壌
    の浄化方法。
  2. 【請求項2】請求項1の浄化方法において、前記ケーシ
    ングパイプを、気相及び液相の前記汚染物質の透過を許
    し且つ土砂の透過を阻止する透水性のものとしてなる汚
    染土壌の浄化方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の浄化方法において、前記
    送気井戸に高温空気又は蒸気を送り込み、前記面状気流
    と交差する汚染領域を加熱してなる汚染土壌の浄化方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1から3の何れかの浄化方法におい
    て、前記負圧井戸と送気井戸とを適宜切り替え、前記気
    流の向きを変化させてなる汚染土壌の浄化方法。
  5. 【請求項5】請求項1から4の何れかの浄化方法におい
    て、前記負圧井戸及び/又は送気井戸を複数の水平井戸
    の群としてなる汚染土壌の浄化方法。
  6. 【請求項6】請求項5の浄化方法において、前記送気井
    戸又は井戸群を前記汚染領域の周縁部に沿って構築し、
    前記負圧井戸又は井戸群を前記汚染領域の内側に構築
    し、前記汚染領域に周縁部から内側へ向かう面状気流を
    形成してなる汚染土壌の浄化方法。
  7. 【請求項7】請求項1から6の何れかの浄化方法におい
    て、前記汚染領域の周囲に該汚染領域を周囲地盤から仕
    切る止水壁を打設し、前記止水壁の内側に前記井戸対を
    構築してなる汚染土壌の浄化方法。
  8. 【請求項8】地盤中の揮発性物質の汚染領域を挟んで対
    向させて構築した透気性ケーシングパイプ製の水平井戸
    の対、前記井戸対の一方に接続した吸気装置と汚染物質
    浄化装置、及び前記井戸対の他方に接続した送気装置を
    備え、前記送気装置及び吸気装置の駆動により前記地盤
    中の井戸対間に面状気流を形成し、前記面状気流と交差
    する汚染領域内の揮発性物質を前記吸気装置により前記
    浄化装置へ回収してなる汚染土壌の浄化装置。
  9. 【請求項9】請求項8の浄化装置において、前記ケーシ
    ングパイプを、気相及び液相の前記汚染物質の透過を許
    し且つ土砂の透過を阻止する透水性のものとしてなる汚
    染土壌の浄化装置。
  10. 【請求項10】請求項8又は9の浄化装置において、前
    記負圧井戸及び/又は送気井戸を両端が地表に開口する
    水平井戸とし、前記吸気装置を負圧井戸の両端に接続し
    及び/又は前記送気装置を送気井戸の両端に接続してな
    る汚染土壌の浄化装置。
  11. 【請求項11】請求項8から10の何れらの浄化装置に
    おいて、前記送気装置に空気加熱手段を接続し、前記送
    気装置により前記送気井戸へ高温空気を送り込んでなる
    汚染土壌の浄化装置。
  12. 【請求項12】請求項11の浄化装置において、前記送
    気装置に蒸気発生手段を接続し、前記送気装置により前
    記送気井戸へ蒸気を送り込んでなる汚染土壌の浄化装
    置。
  13. 【請求項13】請求項8から12の何れかの浄化装置に
    おいて、前記井戸対の一方及び/又は他方を複数の水平
    井戸の群としてなる汚染土壌の浄化装置。
  14. 【請求項14】請求項8から13の何れかの浄化装置に
    おいて、前記汚染領域の周囲に該汚染領域を周囲地盤か
    ら仕切る止水壁を設けてなる汚染土壌の浄化装置。
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