JP2007038175A - 汚染土壌の通水洗浄構造及びそれを用いた通水洗浄方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 土壌内の汚染範囲に分布する汚染物質を確実に回収するとともに、汚染物質の回収効率を向上させる。
【解決手段】本発明に係るに係る汚染土壌の通水洗浄構造1は、汚染物質が分布する汚染領域2を挟み込むように汚染土壌3内に埋設された遮水壁4,4と、該遮水壁に挟み込まれた汚染土壌3の地表面5を覆う気密シート6と、該気密シートに気密状態で貫通設置された揚水井7と、該揚水井に接続された吸引ポンプとしての真空ポンプ8とから構成してある。ここで、遮水壁4は同図(a)に示すように、その下端を汚染領域2より下方であって汚染土壌3内に拡がる非透水層又は難透水層9の上面から離隔させてあり、遮水壁4,4に挟み込まれた汚染土壌3内の洗浄空間10に地下水が流入できるようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、汚染土壌の通水洗浄構造及びそれを用いた通水洗浄方法に関する。
工場跡地の土壌内には、揮発性有機塩素化合物、燃料油や機械油、ダイオキシン類、あるいはカドミウム、鉛、銅、亜鉛、ニッケル、クロムなどの重金属といったさまざまな汚染物質が土壌に混入していることがある。
かかる汚染物質で汚染された汚染土をそのまま放置すると、該土に混入している汚染物質が周囲に拡散し、周辺住民の生活に支障を来すとともに、雨水等によって土粒子から遊離した場合には、地下水等に混入して水質を汚濁させる原因ともなる。そのため、上述した汚染物質で汚染された土については、さまざまな方法を使って浄化しなければならない。
土壌内の汚染物質を原位置で浄化処理する方法としては、従来からさまざまな方法が開発されており、掘削曝気法、揚水曝気法等をはじめ、土壌ガス吸引法、汚染土壌に注水しこれを揚水して地上で処理するいわゆる通水洗浄法、空気を送り込んでその気泡に汚染物質を連行させる、いわゆる気泡連行浄化法、空気圧入を行って有害物質を揮発させるエアスパージング法、土中菌の微生物活性を利用したバイオレメディエーションによる方法、酸化還元反応を利用した薬液注入法など多種多様な方法が知られている。
特開2000−51834
これらの方法のうち、比較的広く使用されている通水洗浄法は、汚染土壌に埋設配置された注水井から水を注入し、かかる水を該注水井から離間された位置にて汚染土壌内に同様に埋設配置された揚水井から揚水することにより、注水井及び揚水井の間に存在している汚染物質を水に連行させる形で揚水井から回収しようとするものであり、汚染範囲や土質性状あるいは地下水位の状況によっては、注水井が省略されることもある。
しかしながら、いずれにしろ、土壌内に注水された水や地下水は、当然ながら透水係数の大きな場所を選んで流れるため、透水係数がほぼ均一な地盤でもない限り、ターゲットである土壌内の汚染範囲に均等に通水させることは難しく、該汚染範囲に滞留している汚染物質を確実に回収することが困難であるという問題を生じていた。
加えて、注水井及び揚水井を使った通水洗浄は、両者の水位差設定が難しい。すなわち、回収効率の面では両者の水位差を大きくするのがよいと考えがちであるが、注水井の水位を上げると、汚染物質を逆に拡散させてしまったり、注水圧が大きくなることで注水井周囲の細粒土が粗粒土の間隙に充填される状態となって目詰まりを生じ、結果としてスムーズな注水を行うことができない。一方、揚水井の水位を下げようとすると、揚水量が過大になって汚染範囲が不飽和状態となったり、揚水可能な深さ範囲(有効ストレーナ長)が深いところに限られてしまい、結果として汚染物質を確実に回収することができないといった事態が生じる。
そのため、注水井及び揚水井の水位差を一定以下に抑えるしかないが、これでは、動水勾配が小さくなって通水量が小さくなるため、回収効率が悪く汚染物質の回収に多大な時間を要するという大きな問題を生じる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、土壌内の汚染範囲に分布する汚染物質を確実に回収するとともに、汚染物質の回収効率を向上させることが可能な汚染土壌の通水洗浄構造及びそれを用いた通水洗浄方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る汚染土壌の通水洗浄構造は請求項1に記載したように、汚染物質が分布する汚染領域を取り囲むように又は挟み込むように汚染土壌内に埋設された遮水壁と、該遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌の地表面を覆う気密材と、該気密材に気密状態で貫通設置された揚水井と、該揚水井に接続された吸引ポンプとから構成するとともに、前記遮水壁の下端を前記汚染領域より下方であって前記汚染土壌内に拡がる非透水層又は難透水層の上面から離隔させることにより、前記遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌内の洗浄空間に地下水が流入できるよう構成したものである。
また、本発明に係る汚染土壌の通水洗浄構造は請求項2に記載したように、汚染物質が分布する汚染領域を取り囲むように又は挟み込むように汚染土壌内に埋設された遮水壁と、該遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌の地表面を覆う気密材と、該気密材に気密状態で貫通設置された揚水井と、前記揚水井に接続された吸引ポンプと、前記気密材に気密状態で貫通設置され前記汚染領域の下方に拡がる透水層に連通するように前記汚染土壌内に埋設された注水井と、該注水井に接続された注水手段とから構成したものである。
また、本発明に係る汚染土壌の通水洗浄方法は請求項3に記載したように、汚染物質が分布する汚染領域を取り囲むように又は挟み込むように汚染土壌内に遮水壁を構築し、該遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌の地表面を気密材で覆い、該気密材に揚水井を気密状態で貫通設置し、該揚水井に接続された吸引ポンプで前記遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌内の水を揚水する汚染土壌の通水洗浄方法であって、前記遮水壁の下端を前記汚染領域より下方であって前記汚染土壌内に拡がる非透水層又は難透水層の上面から離隔させることにより、前記遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌内の洗浄空間に地下水が流入できるよう構成するとともに、前記汚染土壌内の水を揚水する前に、前記気密材直下の不飽和領域から空気を吸引するものである。
また、本発明に係る汚染土壌の通水洗浄方法は請求項4に記載したように、汚染物質が分布する汚染領域を取り囲むように又は挟み込むように汚染土壌内に遮水壁を構築し、該遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌の地表面を気密材で覆い、該気密材に揚水井及び注水井を気密状態で貫通設置し、該揚水井に接続された吸引ポンプで前記遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌内の水を揚水する汚染土壌の通水洗浄方法であって、前記注水井を前記汚染領域の下方に拡がる透水層に連通するように前記汚染土壌内に埋設するとともに該注水井を介して前記透水層に注水し、前記汚染土壌内の水を揚水する前に、前記気密材直下の不飽和領域から空気を吸引するものである。
本発明に係る汚染土壌の通水洗浄構造及びそれを用いた通水洗浄方法においては、まず、汚染物質が分布する汚染領域を取り囲むように又は挟み込むように汚染土壌内に遮水壁を構築する。
次に、構築された遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた汚染土壌の地表面を気密材で覆い、該気密材に揚水井を気密状態で貫通させて汚染土壌内に埋設し、又は揚水井及び注水井を気密状態で貫通させて汚染土壌内に埋設する。
ここで、遮水壁の下端を汚染領域より下方であって汚染土壌内に拡がる非透水層又は難透水層の上面から離隔させることにより、遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた汚染土壌内の洗浄空間に地下水が流入できるように該遮水壁を構築するか、又は、遮水壁の下端を非透水層又は難透水層の上面から離隔させるか貫入させるかに関わらず、注水井を汚染領域の下方に拡がる透水層に連通させるとともに、該注水井に注水手段を接続する。
次に、気密材直下の不飽和領域から吸引ポンプ、例えば真空ポンプで空気を吸引する。ここで、不飽和領域とは、地表面から地下水位までの深さまでの領域を言う。
このように気密材直下の不飽和領域から空気を吸引すると、大気圧は土粒子にのみ作用し、間隙水には作用しない。そのため、不飽和領域の間隙圧が大気圧よりも低下して、負の間隙圧ともいうべき負圧状態となり、遮水壁の下端から洗浄空間へと流れ込んだ地下水又は注水井を介して透水層に注水された水は、かかる負圧によって概ね鉛直上方に移動し、やがては遮水壁外側の地下水位に対し所定の水頭差Δhを保った状態でバランスする。以下、透水層に注水された水についても、地下水と呼ぶ。
かかる状態になった後、上昇してきた地下水を吸引ポンプで引き続き揚水する。
このようにすると、地下水は、吸引ポンプによる揚水位置(吸引位置)とは関係なく、汚染領域内に分布している汚染物質を連行しながら、概ね鉛直方向に上昇し、かくして汚染領域内の浄化空間を均一に浄化することが可能となる。
加えて、気密材を設けてあるため、揚水によって水位が下がっても、その分だけ負圧が大きくなり、結果として、最初の水頭差Δhがほぼ維持された状態での連続揚水が可能となる。
ここで、地下水は、上述したように不飽和領域に生じた負圧によって鉛直上方に移動するものであって揚水位置(吸引位置)とは無関係である。そのため、揚水量を増大させても、地下水の移動経路は変動することなく鉛直上方への流れを保ち、その結果、浄化空間を短時間でかつ均一に浄化することが可能となる。
また、従来のように揚水量によって地下水の移動経路が変動し、そのために浄化できない領域が生じるといった問題がなくなるため、能力が高い真空ポンプを使ったり、真空ポンプの台数を増やしたり、それに伴って揚水井の本数を増やしたりすることで、揚水量を増やし浄化効率を上げることも可能となる。
また、地下水の移動経路の途中に透水係数が小さな層があったとしても、ほとんどの場合、地層はほぼ水平に堆積しているため、地下水は、透水係数が小さな層を均一に通過し、やはり確実な均一浄化が可能となる。
汚染物質は、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの揮発性有機塩素化合物、油類、ダイオキシン類、あるいはカドミウム、鉛、銅、亜鉛、ニッケル、クロムなどの重金属等を含む。
以下、本発明に係る汚染土壌の通水洗浄構造及びそれを用いた通水洗浄方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1(a)は、本実施形態に係る汚染土壌の通水洗浄構造を示した断面図である。同図でわかるように、本実施形態に係る汚染土壌の通水洗浄構造1は、汚染物質が分布する汚染領域2を挟み込むように汚染土壌3内に埋設された遮水壁4,4と、該遮水壁に挟み込まれた汚染土壌3の地表面5を覆う気密材としての気密シート6と、該気密シートに気密状態で貫通設置された揚水井7と、該揚水井に接続された吸引ポンプとしての真空ポンプ8とから構成してある。
汚染物質としては、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの揮発性有機塩素化合物、油類、ダイオキシン類、あるいはカドミウム、鉛、銅、亜鉛、ニッケル、クロムなどの重金属等が対象となるが、揮発性有機塩素化合物の場合、気密シート6で汚染土壌3の地表面5を覆うように構成してあるため、通水洗浄中に揮発してガス化したとしても大気に拡散するおそれはない。
遮水壁4は、例えば浄化工程後に構築される上部構造物の地下壁を兼ねて地中連続壁で構成してもよいし、地下ダムに採用されているセメント系止水壁などで構成してもよい。
かかる遮水壁4,4は、汚染土壌3内の地下水の流れを配慮し、図1(b)に示すように地下水の流れに直交するように対向配置するのが望ましい。
ここで、遮水壁4は同図(a)に示すように、その下端を汚染領域2より下方であって汚染土壌3内に拡がる非透水層又は難透水層9の上面から離隔させてあり、遮水壁4,4に挟み込まれた汚染土壌3内の洗浄空間10に地下水が流入できるようになっている。
気密シート6は、その直下の不飽和領域21を気密に保持するためのものであり、遮水壁4の長さを十分に確保することにより、遮水壁4,4の対向側壁及び汚染土壌3内の地下水の上面とともに不飽和領域21を実質的に気密に保持することができるが、遮水壁4,4の長さが不足したり不飽和領域21の透気係数が大きいために、遮水壁4,4に接合されていない側の気密シート6の縁部10,10において気密性が低下する懸念があるのであれば、該気密シートの縁部10,10を折り曲げて汚染土壌3内に埋設する、気密シート6の縁部10,10に沿って気密性壁体を埋設するとともにその気密性壁体の下端を地下水位以下になるように構成するといった対策を施せばよい。その他、気密シート6の材質や施工方法については、大気圧を圧密荷重として利用することにより軟弱地盤中の水分を排出する大気圧工法を適宜採用すればよい。
本実施形態に係る汚染土壌の通水洗浄構造1を用いて通水洗浄を行うには、まず、汚染物質が分布する汚染領域2を挟み込むように汚染土壌3内に遮水壁4,4を構築する。
次に、構築された遮水壁4,4に挟み込まれた汚染土壌3の地表面5を気密シート6で覆い、該気密シートに揚水井7を気密状態で貫通させて汚染土壌3内に埋設する。
ここで、遮水壁4の下端を汚染領域2より下方であって汚染土壌3内に拡がる非透水層又は難透水層9の上面から離隔させることにより、遮水壁4,4に挟み込まれた汚染土壌3内の洗浄空間10に地下水が流入できるように該遮水壁を構築する。
次に、図2に示すように気密シート6直下の不飽和領域21から真空ポンプ8で空気を吸引する。ここで、不飽和領域21とは、地表面5から地下水位までの深さまでの領域を言う。
このように気密シート6直下の不飽和領域21から空気を吸引すると、大気圧は土粒子にのみ作用し、間隙水には作用しない。
そのため、不飽和領域21の間隙圧が大気圧よりも低下して、負の間隙圧ともいうべき負圧状態となり、同図に示すように遮水壁4の下端から洗浄空間10へと流れ込んだ地下水は、かかる負圧によって概ね鉛直上方に移動し、やがては遮水壁4,4外側の地下水位に対し所定の水頭差Δhを保った状態でバランスする。
かかる状態になった後、上昇してきた地下水を真空ポンプ8で引き続き揚水する。
このようにすると、地下水は、真空ポンプ8による揚水位置(吸引位置)とは関係なく、汚染領域2内に分布している汚染物質を連行しながら、概ね鉛直方向に上昇する。
以上説明したように、本実施形態に係る汚染土壌の通水洗浄構造1及びそれを用いた通水洗浄方法によれば、遮水壁4,4に挟み込まれた汚染土壌3の地表面5を気密シート6で覆い、汚染土壌3内の水を揚水する前に、気密シート6直下の不飽和領域21から空気を吸引するようにしたので、汚染領域3内の浄化空間10を均一に浄化することが可能となる。
すなわち、地下水は、不飽和領域21に生じた負圧によって移動し、揚水位置(吸引位置)には依存しない。そのため、地下水は、浄化空間10を鉛直上方に移動して該浄化空間に均一に通水されることとなり、かくして汚染領域2内に分布する汚染物質を、均一に通水された地下水に連行する形で確実に回収することが可能となる。
加えて、気密シート6を設けてあるため、揚水によって水位が下がっても、その分だけ負圧が大きくなり、結果として、最初の水頭差Δhがほぼ維持された状態での連続揚水が可能となるとともに、揚水量を増大させても、上述した理由で地下水の移動経路は変動することなく鉛直上方への流れを保つため、浄化空間10を短時間でかつ均一に浄化することが可能となる。
これに関連して、従来のように揚水量によって地下水の移動経路が変動し、そのために浄化できない領域が生じるといった問題がなくなるため、能力が高い真空ポンプを使ったり、真空ポンプの台数を増やしたり、それに伴って揚水井の本数を増やしたりすることで、揚水量を増やし浄化効率を上げることも可能となる。
また、地下水の移動経路の途中に透水係数が小さな層があったとしても、ほとんどの場合、地層はほぼ水平に堆積しているため、地下水は、透水係数が小さな層を均一に通過し、やはり確実な均一浄化が可能となる。
本実施形態では、汚染物質が分布する汚染領域2を挟み込むように汚染土壌3内に遮水壁4,4を対向配置したが、これに代えて、汚染領域2を取り囲むように、例えば円筒状あるいは角筒状の遮水壁を汚染土壌3内に埋設するようにしてもよい。
かかる構成によれば、汚染物質の拡散を確実に防止しながら短時間に汚染土壌の浄化を行うことが可能となる。また、気密シート6の周縁を遮水壁の上端に接合することで不飽和領域21を確実に気密化させることができる。
また、本実施形態では、遮水壁4,4を構築するにあたり、地下水の上流側と下流側にて対向配置するようにしたが、これは一例にすぎず、本発明において地下水は、不飽和領域21の負圧によって鉛直上方に移動するものであるとともに、その移動を補うようにして周囲から流入することができるようになっていれば足りる。
したがって、地下水の流れ方向と遮水壁4,4の配置状況とは本質的には無関係であるとともに、地下水の流れ速度が小さくあるいはほとんど滞留している場合であっても、本発明を適用することができることは言うまでもない。この点、汚染領域2を取り囲むように、例えば円筒状あるいは角筒状の遮水壁を汚染土壌3内に埋設する場合でも同様である。
また、本実施形態では、通水洗浄に用いる水の供給源を自然の地下水としたが、これに代えて、汚染領域の下方に拡がる透水層に連通するように注水井を別途汚染土壌内に埋設し、該注水井を介して水を注水するようにしてもよい。
図3(a)は、かかる変形例の構造及び作用を示す断面図である。
同図でわかるように、変形例に係る汚染土壌の通水洗浄構造31は、汚染物質が分布する汚染領域2を挟み込むように汚染土壌3内に埋設された遮水壁4,4と、該遮水壁に挟み込まれた汚染土壌3の地表面5を覆う気密シート6と、該気密シートに気密状態で貫通設置された揚水井7と、該揚水井に接続された吸引ポンプとしての真空ポンプ8と、気密シート6に気密状態で貫通設置され汚染領域2の下方に拡がる透水層34に連通するように汚染土壌3内に埋設された注水井32と、該注水井に接続された注水手段としての注水ポンプ33とから構成してある。
ここで、遮水壁4については、その下端を非透水層又は難透水層9の上面から離隔させるか、あるいは貫入させるかは任意であるが、本変形例では上述した実施形態と同様、その下端を非透水層又は難透水層9の上面から離隔させてある。
透水層34は、自然の地層を用いてもよいし、噴射工法等で人工的に構築するようにしてもよい。
本変形例に係る汚染土壌の通水洗浄構造31を用いて通水洗浄を行うには、まず、汚染物質が分布する汚染領域2を挟み込むように汚染土壌3内に遮水壁4,4を構築する。
次に、構築された遮水壁4,4に挟み込まれた汚染土壌3の地表面5を気密シート6で覆い、該気密シートに揚水井7及び注水井32を気密状態で貫通させて汚染土壌3内に埋設する。
ここで、注水井32は、汚染領域2の下方に拡がる透水層34に連通するように汚染土壌3内に埋設してある。
次に、注水ポンプ33を作動させることで注水井32を介して透水層34に注水しつつ、気密シート6直下の不飽和領域21から真空ポンプ8で空気を吸引する。
このように気密シート6直下の不飽和領域21から空気を吸引すると、大気圧は土粒子にのみ作用し、間隙水には作用しない。
以下、通水洗浄のための水の供給源が実施形態では地下水であったのに対し、本変形例では、注水井32から吸水された水である点が異なる以外、本変形例に係る作用効果は上述した実施形態と概ね同様であるので、ここでは詳細な説明を省略するが、本変形例においては、地下水位が低いために自然の地下水を通水洗浄に利用するのが困難な場合に適した工法と云える。
なお、地下水を利用できる場所であっても、地下水の流れ等の関係でその利用が難しい場合や、汚染土壌の透水係数が小さい場合に本変形例を採用すれば、確実な通水洗浄を行うことが可能となる。
ここで、実施形態でいう地下水を、本変形例では注水井32から注水された水と読み替えるものとする。
また、本実施形態では特に言及しなかったが、不飽和領域21を通気性の高い材料、例えば礫材や有孔管で置換するようにしてもよい。このようにすれば、吸引による負圧確保及びそれに続く揚水がさらにスムーズになり、浄化効率が高まる。
図4は、不飽和領域21に分布する土壌の一部を平面格子状に配置された有孔管41で置換した例を示したものであり、該有孔管は、揚水井7に連通接続してある。
かかる構成によれば、不飽和領域21の通気性や吸引効率が向上し、該不飽和領域を確実に負圧状態とすることが可能となる。
なお、有孔管41は、必ずしも揚水井7に連通接続させる必要はなく、通気性の高い材料として単に横置きしておくだけでもかまわない。
本実施形態に係る汚染土壌の通水洗浄構造を示した図であり、(a)は鉛直断面図、(b)はA−A線方向から見た矢視図。 本実施形態に係る汚染土壌の通水洗浄方法の作用を示した図。 変形例に係る汚染土壌の通水洗浄構造を示した図であり、(a)は鉛直断面図、(b)はB−B線方向から見た矢視図。 変形例に係る汚染土壌の通水洗浄構造を示した図であり、(a)は鉛直断面図、(b)はC−C線方向から見た矢視図。
符号の説明
1,31 汚染土壌の通水洗浄構造
2 汚染領域
3 汚染土壌
4 遮水壁
5 汚染土壌の地表面
6 気密シート(気密材)
7 揚水井
8 真空ポンプ(吸引ポンプ)
9 非透水層又は難透水層
10 洗浄空間
32 注水井
33 注水ポンプ(注水手段)
34 透水層

Claims (4)

  1. 汚染物質が分布する汚染領域を取り囲むように又は挟み込むように汚染土壌内に埋設された遮水壁と、該遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌の地表面を覆う気密材と、該気密材に気密状態で貫通設置された揚水井と、該揚水井に接続された吸引ポンプとから構成するとともに、前記遮水壁の下端を前記汚染領域より下方であって前記汚染土壌内に拡がる非透水層又は難透水層の上面から離隔させることにより、前記遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌内の洗浄空間に地下水が流入できるよう構成したことを特徴とする汚染土壌の通水洗浄構造。
  2. 汚染物質が分布する汚染領域を取り囲むように又は挟み込むように汚染土壌内に埋設された遮水壁と、該遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌の地表面を覆う気密材と、該気密材に気密状態で貫通設置された揚水井と、前記揚水井に接続された吸引ポンプと、前記気密材に気密状態で貫通設置され前記汚染領域の下方に拡がる透水層に連通するように前記汚染土壌内に埋設された注水井と、該注水井に接続された注水手段とから構成したことを特徴とする汚染土壌の通水洗浄構造。
  3. 汚染物質が分布する汚染領域を取り囲むように又は挟み込むように汚染土壌内に遮水壁を構築し、該遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌の地表面を気密材で覆い、該気密材に揚水井を気密状態で貫通設置し、該揚水井に接続された吸引ポンプで前記遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌内の水を揚水する汚染土壌の通水洗浄方法であって、前記遮水壁の下端を前記汚染領域より下方であって前記汚染土壌内に拡がる非透水層又は難透水層の上面から離隔させることにより、前記遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌内の洗浄空間に地下水が流入できるよう構成するとともに、前記汚染土壌内の水を揚水する前に、前記気密材直下の不飽和領域から空気を吸引することを特徴とする汚染土壌の通水洗浄方法。
  4. 汚染物質が分布する汚染領域を取り囲むように又は挟み込むように汚染土壌内に遮水壁を構築し、該遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌の地表面を気密材で覆い、該気密材に揚水井及び注水井を気密状態で貫通設置し、該揚水井に接続された吸引ポンプで前記遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた前記汚染土壌内の水を揚水する汚染土壌の通水洗浄方法であって、前記注水井を前記汚染領域の下方に拡がる透水層に連通するように前記汚染土壌内に埋設するとともに該注水井を介して前記透水層に注水し、前記汚染土壌内の水を揚水する前に、前記気密材直下の不飽和領域から空気を吸引することを特徴とする汚染土壌の通水洗浄方法。
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