JP2006088009A - 土壌及び地下水の汚染の浄化方法 - Google Patents

土壌及び地下水の汚染の浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遮水壁の外側からの地下水の流入量を制御することができ、また、汚染物質の漏洩や拡散を防止するために、その周囲を遮水壁で囲み、汚染部の近傍に揚水井戸を設け、地下水を揚水して活性炭などを用いて汚染物質の浄化処理を行うことにより、揚水量を適宜制御しながら土壌及び地下水の汚染を早期に浄化することのできる方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】汚染部1の土壌及び砂質土層12を囲んで構築した矢板2と、前記汚染部1の地下水の上流側及び汚染部近傍の前記矢板2に一部開口矢板15を設け、前記砂質土層12の地下水の流入量を制御する制御装置6を備えるとともに、前記矢板2で囲まれた部分の前記砂質土層12の地下水を揚水する揚水井戸5を設けることにより、前記矢板2で囲まれた領域内の汚染物質を、前記矢板2の外部に漏洩又は拡散することなく処理することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、土壌及び地下水に浸透した汚染物質の漏洩や拡散を防止し、かつ適切に浄化する方法に関する。
従来より、汚染物質により汚染された領域(以下、汚染領域と示す。)を浄化するに際し、更なる汚染領域の拡大(二次汚染)を防ぎながら、少しでも早く土壌や地下水の汚染を浄化することが望まれている。
この種の土壌及び地下水の汚染の浄化方法のとしては、汚染物質が周囲の土壌及び地下水へ拡散することを防止するため、汚染領域の汚染された土壌を囲むように不連続な遮水壁を難透水性の地層に達するまで配置するとともに汚染土壌を覆う「封じ込み工法」や、同様に不連続な遮水壁で汚染土壌の周囲を囲み、その周囲に複数の井戸を設置して汚染領域の地下水を揚水する「バリア井戸工法」などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、この種の土壌及び地下水の汚染の浄化方法には、透水性の地中壁を用いて汚染領域の周囲を囲み、汚染された土壌中に井戸を構築して揚水し、地下水の汲み上げ量を抑えながら汚染物質が拡散することを防止しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−159932号公報 特開2003−3456号公報
このような従来の工法、例えば特許文献1に示す「バリア井戸工法」などでは、汚染領域を囲う遮水壁が不連続であるために、地下水の流入量が多い場合、汚染物質が遮水壁と遮水壁の間から外部へ流出し、拡散するという課題を有していた。
しかも特許文献2に記載されているように、「バリア井戸工法」を用いた場合、地下水を大量に汲み上げるため、場合によっては汚染領域の地盤沈下を招く恐れがある、という課題も有していた。
特に実際の現場では、地中に上下水用の配管やガス用の配管が埋設されていることが多く、不連続な遮水壁でさえ予定した任意の位置に設けることができないため、汚染物質の拡散を防止することは困難を極めているという課題があった。
さらに、従来から行われている工法では、遮水壁を難透水層(不透水層ともいう。)まで打ち込むため、遮水壁が地下水の流れを分断することとなり、この分断された地下水が新たな流れを形成することとなっていた。
従って、地下水の流れが事前に調査した流れから、遮水壁を打ち込んだ後の新たな流れへと変化するため、汚染物質の拡散を防止しながら適切な汚染物質の処理を行うためには、再度地下水の流れを調査しなければならないという課題があった。
そこで本発明は、不連続な遮水壁を用いて汚染領域を囲う浄化方法において、遮水壁で囲った範囲への地下水の流入量を制御することで、遮水壁内部から遮水壁外部への汚染物質の流出を抑制することを目的とするものである。
特に、流入する地下水の上流側や汚染部近傍の遮水壁に一部開口部を設けることで地下水の流入量を制御することにより、揚水によって浄化される汚染物質の処理量を適正な量に制御するものである。
また本発明は、遮水壁を難透水層まで達することなく設置することにより、従来から存在する地下水の流れを維持しながら、遮水壁で囲んだ部分の汚染物質を揚水して除去することを目的とするものである。
さらに本発明は、遮水壁の内外に水位を観測する水位観測井戸を設け、各々の井戸の水位差を観測しながら、汚染領域に設けられた揚水井戸の揚水量を制御することで、汚染領域の地盤沈下を招くことなく汚染物質を浄化する適切な処理能力を発揮できるものである。
本発明は上記目的を達成するために、汚染された土壌及び帯水層からなる汚染部を囲むように構築した遮水壁と、この遮水壁の一部であって、汚染部に流入する地下水の汚染部より上流側及び汚染部近傍の遮水壁に開口部を設けたものである。
そして帯水層の地下水の流入量を制御する制御装置を備えるとともに、遮水壁で囲まれた汚染領域部分の帯水層の地下水を揚水する揚水井戸を設けることにより、遮水壁で囲まれた汚染領域内の汚染物質を、遮水壁の外部すなわち非汚染領域に漏洩又は拡散することなく処理できるものである。
この手段により遮水壁で囲まれた汚染領域部分の帯水層への地下水流入量を、遮水壁の一部に開口部を設けることにより制御し、また、遮水壁の内部に設けた揚水井戸に具備した水位計と、遮水壁の外部に設けた観測井戸に具備した水位計の水位の差分値と、地下水流入量との相関で揚水量も制御することにより、汚染された汚染部を安定して揚水することによって、浄化処理を行うことができる。
しかも、汚染物質が遮水壁の外部に漏洩又は拡散することはない。
さらに、本発明は上記目的を達成するために、遮水壁の一部または全部を帯水層の下部の難透水層から離間して、汚染部の土壌及び帯水層を囲むように構築したものである。
これにより帯水層下部の地下水の流れを変えることなく汚染物質を除去することができる。
また汚染領域の地下水を揚水することにより、遮水壁で囲まれた内側、すなわち汚染領域の地下水の圧力が、遮水壁の外側、すなわち非汚染領域よりも低くなるために、一定量の地下水が遮水壁で囲まれた内側に流れ込むため、汚染物質が水位差により生じる地下水の圧力差により、遮水壁に設けた開口部から遮水壁内部に地下水が引き込まれるために、汚染物質が遮水壁の外側に漏洩又は拡散することがなくなり、汚染された土壌及び地下水の浄化をすることができる。
また、本発明は上記目的を達成するために、遮水壁で囲んだ部分、すなわち汚染領域及び遮水壁で囲んだ部分の外側、すなわち非汚染領域に、それぞれ水位を観測する水位観測井戸を設け、各々の水位観測井戸の水位差に応じて揚水井戸からの揚水量を制御するものである。
この揚水制御により、遮水壁で囲んだ内側部分の地下水の水位及び圧力が、遮水壁の外側よりも水位が低く維持され、地下水の圧力も低くなるために、一定量の地下水が遮水壁で囲まれた内側に流れることとなり、汚染物質が遮水壁の外側に漏洩又は拡散することなく、汚染された土壌及び地下水の浄化をすることができる。
また、本発明は上記目的を達成するために、遮水壁の開口部が、上昇又は下降する開口手段を具備する遮水壁としたものである。
この手段により、遮水壁で囲まれた内側である汚染領域への地下水の流入量及び水圧を制御できる。
すなわち、遮水壁の外側よりも地下水の水圧が低くなるように遮水壁の開口部を上昇又は下降させることによって、一定量の地下水が、遮水壁で囲まれた内側(汚染領域)に流れるようにすることができるため、汚染物質が、遮水壁の外側(非汚染領域)に漏洩又は拡散することがなくなり、汚染された土壌及び地下水の浄化をすることができる。
また、本発明の土壌及び地下水の汚染の浄化方法は上記目的を達成するために、遮水壁の開口部が、孔開き鋼板、特に鋼製のパンチングメタルで構成したものである。
この手段を用いて揚水することにより、一定量の地下水が、遮水壁で囲まれた内側(汚染領域)に流れるため、汚染物質が、遮水壁の外側(非汚染領域)に漏洩又は拡散することなく、汚染された土壌及び地下水の浄化をすることができる。
また、本発明は上記目的を達成するために、遮水壁及び、遮水壁で囲んだ部分の外側(非汚染領域)の水位観測井戸の配管の内周を、夫々、半透過性の膜で覆い、水位観測井戸には電極を設置し、遮水壁を陽極、観測井戸の電極を陰極として電流を流すようにしたものである。
この電気分解を利用した手段により、夫々の電極に直流電流を30アンペア〜50アンペア流すことにより陽極電極である遮水壁から水素が発生することになる。
そして、発生した水素は水素供与体となり、土壌及び地下水に含まれる汚染物質、特に有機塩素系化合物の場合、土壌及び地下水に含まれる物質との作用により塩素と水素を置換することを促進して、有機塩素系化合物の低分子化が行われる。
なお、土壌中には通常、土着する微生物、少なくとも嫌気性微生物が存在する。
従って、この土着する嫌気性微生物の働き、つまり、嫌気性微生物の体内代謝の働きにより塩素と水素を置換するという現象を期待できるため、よりいっそう有機塩素系化合物の低分子化が促進される。
さらに揚水により発生した水素が遮水壁から汚染物質がある方向へ移動することにより、有機塩素系化合物で汚染された土壌及び地下水の浄化をすることができる。
発明によれば、汚染された汚染部の土壌及び帯水層を囲んで構築した遮水壁において、地下水の上流側及び汚染部近傍の遮水壁に一部開口部を設け、帯水層の地下水の流入量を制御しながら揚水することにより、流入量及び、揚水量を制御することができるため、安定して有機塩素系化合物で汚染された汚染部を揚水することができ、遮水壁の外部に汚染物質を漏洩又は拡散することなく、汚染物質を浄化できるという効果を得ることができる。
例えば、汚染物質が有機塩素系化合物である場合、よく知られた浄化方法ではあるが、活性炭を用いて吸着処理を行うことにより、有機塩素系化合物で汚染された汚染物質を除去することができるという土壌及び地下水の浄化方法を提供できるものである。
しかも、地下水の流入量や揚水量を制御しながら浄化作業を進めるため、地下水の揚水過多により生じる汚染領域の地盤沈下を発生させることがない。
また、遮水壁の一部または全部を帯水層の下部の難透水層から離間して、汚染部の土壌及び帯水層を囲むように構築することにより、帯水層下部の地下水の流れを変えることなく汚染物質を除去することができる。
さらに地下水を揚水することにより、遮水壁で囲まれた内側の地下水の圧力が、遮水壁の外側よりも低くなるために、一定量の地下水が、遮水壁で囲まれた内側に流れることとなり、汚染物質が遮水壁の外側に漏洩又は拡散することなく浄化できるという土壌及び地下水の浄化を提供できる。
また、遮水壁で囲まれた部分及び遮水壁で囲んだ部分の外側に、夫々に水位観測井戸を設け、それぞれの水位観測井戸の水位差に応じた揚水井戸からの揚水量を制御することにより、遮水壁で囲まれた部分の水位を常に遮水壁で囲んだ部分の外側の水位観測井戸の水位よりも低くしながら、遮水壁で囲まれた部分の水圧を遮水壁で囲んだ部分の外側よりも低圧にすることで、遮水壁で囲んだ部分に常に水量を制御された地下水が流入することにより、汚染物質が、遮水壁の外側に漏洩又は拡散すること防止できるとういう効果を得ることができる。
また、遮水壁の開口部が、上昇又は下降する開口手段を具備する遮水壁としたことにより、地下水の流入量の制御が簡単にできるという効果のある土壌及び地下水の浄化を提供できる。
上記のように、諸所に水位を観測する水位観測井戸を設けたり、遮水壁に設けた開口部を上下させることで地下水の流入量を調整するなどすることで、揚水する量を制御して、浄化装置として有する能力を、例えば、最大状態で運転し続けながらも汚染領域の地盤沈下を発生させない、ということが期待できる。
また、遮水壁の開口部を、孔開き鋼板、特に、鋼製のパンチングメタルで構成したことにより、地下水の流入量を物理的に調整できる。
しかも酸素供与体により孔開き鋼板、特に鋼製のパンチングメタルが酸化するときに鉄イオンが流出するので、この鉄イオンが揚水井戸のある汚染物質の方向へ移動することにより、汚染物質、特に汚染物質が有機塩素系化合物である場合に化学的作用により浄化できるという効果のある土壌及び地下水の浄化を提供できる。
また、遮水壁及び、遮水壁で囲んだ部分の外側の、水位観測井戸の配管の内周を、夫々、半透過性の膜で覆い、水位観測井戸には電極を設置し、遮水壁を陽極、観測井戸の電極を陰極として電流を流し電気分解をすることにより、陽極電極である遮水壁から水素が発生する。
そして、その水素は水素供与体となり、汚染物質である有機塩素系化合物である土壌及び地下水に含まれる物質との作用により塩素と水素を置換することで、勇気塩素系化合物の低分子化が行われる。
また、土着する嫌気性微生物の働きも加わることによって、いっそう汚染物質である有機塩素系化合物の低分子化が促進され、揚水により発生した水素が遮水壁から汚染物質がある方向へ移動することにより、有機塩素系化合物の浄化ができるという効果のある土壌及び地下水の浄化を提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、汚染物質として有機塩素系化合物、浄化手段として活性炭を用いた組み合わせで説明を行う。
なお、当然のことながら、汚染物質は他の物質でもよく、その場合、浄化手段は汚染物質に応じた手段が用いられることはいうまでもないことであるが、本願発明の主目的とする点とは議論の方向が異なるため、これ以上の説明は割愛する。
本発明の請求項1記載の発明は、有機塩素系化合物で汚染された土壌及び帯水層からなる汚染部を囲むように構築した遮水壁と、前記汚染部に流れる地下水の汚染部より上流側及び汚染部近傍の前記遮水壁に一部開口部を設け、前記帯水層の地下水の流入量を制御する制御装置を備えるとともに、前記遮水壁で囲まれた部分の前記帯水層の地下水を揚水する揚水井戸を設けることにより、前記遮水壁で囲まれた領域内の汚染物質を、前記遮水壁の外部に漏洩又は拡散することなく処理することを特徴とする土壌及び地下水の汚染の浄化方法としたものである。
この方法により、汚染部の土壌及び帯水層を囲んで構築した遮水壁と、その遮水壁については汚染部の地下水の上流側及び汚染部近傍の遮水壁に少なくとも一部又は全部に非汚染領域の地下水を流入するように開口部を設け、遮水壁で囲まれた部分の帯水層の地下水を揚水井戸によって揚水する。
そして、揚水することにより遮水壁に設けた一部開口部から地下水が流入することで、遮水壁で囲まれた領域内の汚染物質を、遮水壁の外部に漏洩又は拡散することなく処理できるという作用を有する。
揚水井戸は浄化状況によって異なるが、単数又は複数合っても良いが、好ましくは、遮水壁で囲まれた領域内の面積が20m2に一箇所を設置することがもっとも好ましく単数より複数のほうが緊急時の対応も迅速にできる。
なお、揚水井戸から揚水された汚染物質である有機塩素化合物を含んだ地下水は、砂ろ過後、活性炭槽に流入してその活性炭により吸着されることにより浄化され放出される。
また、本発明の請求項2記載の発明は、前記遮水壁の一部又は全部を前記帯水層の下部の難透水層から離間して、前記汚染部の土壌及び帯水層を囲むように構築したことを特徴とする、請求項1記載の土壌及び地下水の汚染の浄化方法としたものであり、離間した隙間より地下水が流れ込む構成となっているため、従来から存在する帯水層下部の地下水の流れを変えることはなく、しかも汚染物質である有機塩素系化合物を除去することができるというものである。
この揚水により、遮水壁で囲まれた内側の地下水の圧力が、遮水壁の外側よりも低くなるために、一定量の地下水が、遮水壁で囲まれた内側に流れ込むため、汚染物質である有機塩素系化合物が、遮水壁の外側に漏洩又は拡散することなく、有機塩素系化合物で汚染された土壌及び地下水の浄化をすることができる。難透水層からの離間距離は1cmから10cmが好ましく、地下水量により適宜選択できる。
また、本発明の請求項3記載の発明は、前記遮水壁で囲まれた部分及び前記遮水壁で囲んだ部分の外側に、夫々に水位観測井戸を設け、前記各々の水位井戸の水位差に応じて前記揚水井戸からの揚水量を制御することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の土壌及び地下水の汚染の浄化方法としたものである。
このように揚水量の制御を遮水壁で囲まれた部分及び遮水壁で囲んだ部分の外側に夫々水位観測井戸を設けて、常に遮水壁で囲まれた部分に設置した水位観測井戸の水位を低位にすることにより、前記遮水壁で囲んだ部分の外側から常に地下水が流入するように揚水することができ、汚染物質である有機塩素系化合物が、遮水壁の外側に漏洩又は拡散することを防止できるという作用を有する。
なお、水位差の指標は特に決まっていないが、揚水井戸の揚水能力及び遮水壁の一部開口部の面積と地質によって決定される。
また、本発明の請求項4記載の発明は、前記遮水壁の開口部が、上昇又は下降する開口手段を具備する遮水壁であることを特徴とする、請求項1記載の土壌及び地下水の汚染の浄化方法としたものである。
遮水壁の開口部がギヤー式などの機械的に上昇又は下降する開口手段や、モーター式などの電気的に上昇又は下降する開口手段を設けることにより、遮水壁で囲んだ部分の水位を常に高位にして、揚水することにより、遮水壁の外側に漏らすことがないため二次汚染を防止できるうえに、遮水壁で囲まれた部分に対して地下水の流入量を制御することができ、水質の安定及び汚染物質である有機塩素系化合物が、遮水壁の外側に漏洩又は拡散することを防止するという作用を有する。
これらの手段を用いることで、汚染領域の地盤沈下を招くことなく、土壌や地下水を浄化することができる。特に、請求項4記載の発明まで含めることで、浄化装置が有する能力を常に最適な状態で動作させることができる。
また、本発明の請求項5、及び6に記載の発明は、遮水壁の開口部が、孔開き鋼鈑、特に鋼製のパンチングメタルで構成されたことを特徴とする、請求項1記載の土壌及び地下水の汚染の浄化方法としたものである。
遮水壁の開口部が、鋼製のパンチングメタルで構成したことにより、地下水の流入量を物理的に調整でき、酸素供与体により鋼製のパンチングメタルが酸化するときに鉄イオンが流出し、揚水井戸のある汚染物質の方向へ移動することで、汚染物質である有機塩素系化合物を化学的に浄化できるという作用を有する。
なお、パンチングメタルの開口の形状は丸の孔抜きが良く、楕円にすれば流入する地下水に対しての抵抗が小さくなるとともに、腐食後の変化が丸の孔抜きに比べ大きい為、持続性に劣る。
また、本発明の請求項7記載の発明は、前記遮水壁及び、前記遮水壁で囲んだ部分の外側の前記水位観測井戸の配管の内周を、夫々、半透過性の膜で覆い、前記水位観測井戸には電極を設置し、前記遮水壁を陽極、前記観測井戸の電極を陰極として電流を流すことを特徴とした請求項1から請求項5に記載の土壌及び地下水の汚染の浄化方法としたものである。
遮水壁及び、遮水壁で囲んだ部分の外側の水位観測井戸の配管の内周を、夫々、半透過性の膜で覆い、水位観測井戸には電極を設置し、遮水壁を陽極、観測井戸の電極を陰極とする。
電源としては直流蓄電装置などの直流電流で30アンペア〜50アンペアの電流を流すことで電気分解により、陽極電極である遮水壁から水素が発生し、その水素は水素供与体となるため、汚染物質である有機塩素系化合物を土壌及び地下水に含まれる物質との作用により塩素と水素を置換することで、有機塩素系化合物を低分子化することができる。
また、土着する嫌気性微生物の働きも加わることによって、いっそう汚染物質である有機塩素系化合物の低分子化が促進され、揚水により発生した水素が遮水壁から汚染物質がある方向へ移動することにより、有機塩素系化合物の低分子化を促進できるという作用を有する。
遮水壁は上部でクリップ等の通電性のある材料でつながっていれば、遮水壁の全周から水素が発生し、揚水井戸のある方向へ周囲から移動して汚染物質に作用して汚染物質である有機塩素系化合物を低分子化して浄化できるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の汚染部を遮水壁で囲んだ状態の平面図である。
また、図2は、本発明の汚染部を遮水壁で囲んだ状態の断面概略図である。
図1および図2に示すように、有機塩素化合物で汚染された汚染部1を鋼製の遮水壁2で囲い、汚染部1の領域内に水位観測井戸(A)3及び揚水井戸5を設置する。
汚染部1を囲んだ遮水壁(例えば、矢板、鋼板等)2は、地下水の上流部及び汚染部の近傍に対して一部開口を設けて、外部から積極的に地下水を流入させ、汚染部1を遮水壁2の外側に漏洩又は拡散すること防止している。地下水の流入量は水位観測井戸(A)3、と遮水壁2の外側に設けた水位観測井戸(B)4の水位差と、揚水井戸5の揚水量及び遮水壁2に一部開口部を設けた開口面積により決定されるが、特に地下の状況に応じて適宜決定できる。(「例えば、」として、水位差(高低)と揚水量(多少)の関係の一例を記載した方がよい)
例えば、水位観測井戸(A)3の水位が高く、水位観測井戸(B)4の水位が低い場合は、揚水量を多くする。
また、水位観測井戸(A)3の水位が低く、水位観測井戸(B)4の水位が高い場合は、揚水量を少なくして、遮水壁(例えば、矢板、鋼板など)2の内側に地下水を取り入れる。
水位観測井戸(A)3、と遮水壁2の外側に設けた水位観測井戸(B)4の水位差と揚水井戸5の揚水量は、制御装置6により制御され、常に水位観測井戸(A)3、の水位が水位観測井戸(B)4の水位よりも低位になるようになっている。これにより、汚染部1を遮水壁2の外側に漏洩又は拡散することを防止している。
また、揚水井戸5の有機塩素化合物で汚染された地下水は砂ろ過器7を通過して小石や砂等を除去した後、揚水ポンプ8によって活性炭槽9に入り活性炭と接触することにより、有機塩素化合物を吸着して地下水を浄化することができる。
活性炭は特に粒径等は指定しないが、表面積の大きな多孔性のものが有機塩素化合物を吸着しやすい。
また、土壌の地下の層は表土10、上部シルト層11、砂質土層12(透水層)、下部シルト層13(難透水層、不透水層)となっていることが多く、稀に上部シルト層11がない地層がみられる。汚染物質である有機塩素化合物は、徐々に下部の地層に染み込んで前記砂質土層12(透水層)の地下水によって汚染領域を拡大してしまうことがしばしば見受けられ二次公害を引き起こしている。
そこで本発明は、この2次公害である汚染部1を遮水壁2の外側に漏洩又は拡散することを極力防止するために、汚染部1を遮水壁2の外側に漏洩又は拡散することなく、原位置において揚水して汚染部1を除去することと、前記砂質土層12(透水層)の地下水の流れを極力変えることなく、自然の流れの中で浄化することを第一義においている。
すなわち、砂質土層12(透水層)の地下水の流れを極力変えないようにするため、遮水壁2を下部シルト層13(難透水層、不透水層)に打ち込むのではなく、下部シルト層13から3cmの離間距離をもって設置している。
これにより、遮水壁2で囲んだ領域の水質を悪化させることなく、二次公害をも防止できる。
図3は、本発明の遮水壁の開口部を表わす斜視図である。
図3に示すように、地下水の上流部及び汚染部の近傍に対して開口遮水壁15を設けている。
開口遮水壁15をギヤー式等の機械的または、モーター駆動等の電気式で上下動させることにより、開口遮水壁15の外側から積極的に地下水を流入させ、汚染部1を遮水壁2の外側に漏洩又は拡散することを極力防止している。
なお、開口遮水壁15を電気的に上下動させる場合には漏電の対策も考えなければならないため、その一例として、絶縁板16を介して開口遮水壁15を上下動させる為のハンドル17が具備されている。
図4は、本発明の汚染部を遮水壁で囲んで電流を流した場合の概略平面図である。
図4に示すように遮水壁2及び水位観測井戸(B)4に設けた電極18を半透過性膜19で覆い、電源14から直流電流を30アンペア流れるように設置すると、遮水壁2が陽極側となり水素を発生することとなる。発生した水素は地中において塩素置換する物質と反応することにより、汚染部1の有機塩素化合物を低分子化させることができる。
また、水位観測井戸(A)3、と遮水壁2の外側に設けた水位観測井戸(B)4の水位差と揚水井戸5の揚水量は、制御装置6により制御され、常に水位観測井戸(A)3、の水位が水位観測井戸(B)4の水位よりも低位になるようになっている。
これにより、汚染部1を遮水壁2の外側に漏洩又は拡散すること防止している。
さらに、前記揚水井戸5の揚水により水素が揚水井戸5のほうに移動することとなり、汚染部1の領域において水素と塩素の置換が促進され、汚染物質である有機塩素化合物が低分子化することになる。
有機塩素化合物にはテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、PCB等が挙げられる。このようにして、遮水壁2で囲んだ汚染部1を遮水壁2の外側に漏洩又は拡散することを極力防止しながら、汚染の原位置において土壌及び地下水を浄化することが可能となる。
なお、本実施の形態は揚水井戸を設けて揚水により汚染物質である有機塩素化合物を除去することについて記載したが、他の工法(バイオレメディエーション、鉄粉注入)を組み合わせて用いることは現場の状況に応じて適宜対応することが最も適切な浄化方法となることはいうまでもない。
本発明の土壌及び地下水の汚染の浄化方法は、例えば、電子部品工場、金属製品工場、ドライクリーニング場およびゴミ焼却場など、汚染物質となり得る物質を使用又は排出する場所周辺において、前記汚染物質によって汚染された土壌及び地下水を浄化する方法として、極めて有用である。
本発明の汚染部を遮水壁で囲んだ状態の平面図 本発明の汚染部を遮水壁で囲んだ状態の断面概略図 本発明の遮水壁の開口部を表わす斜視図 本発明の汚染部を遮水壁で囲んで電流を流した概略平面図
符号の説明
1 汚染部
2 遮水壁
3 水位観測井戸(A)
4 水位観測井戸(B)
5 揚水井戸
6 制御装置
7 砂ろ過器
8 揚水ポンプ
9 活性炭槽
10 表土
11 上部シルト層
12 砂質土層
13 下部シルト層
14 電源
15 開口遮水壁
16 絶縁板
17 ハンドル
18 電極
19 半透過性膜

Claims (7)

  1. 汚染された汚染部の土壌及び帯水層を囲んで構築した遮水壁と、前記汚染部の地下水の上流側及び汚染部近傍の前記遮水壁に一部開口部を設け、前記帯水層の地下水の流入量を制御する制御装置を備えるとともに、前記遮水壁で囲まれた部分の前記帯水層の地下水を揚水する揚水井戸を設けることにより、前記遮水壁で囲まれた領域内の汚染物質を、前記遮水壁の外部に漏洩又は拡散することなく処理することを特徴とする土壌及び地下水の汚染の浄化方法。
  2. 前記遮水壁の一部又は全部を前記帯水層の下部の難透水層から離間して、前記汚染部の土壌及び帯水層を囲むように構築したことを特徴とする請求項1記載の土壌及び地下水の汚染の浄化方法。
  3. 前記遮水壁で囲まれた部分及び前記遮水壁で囲んだ部分の外側に、夫々に水位観測井戸を設け、前記水位観測井戸の水位差により前記揚水井戸からの揚水量を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の土壌及び地下水の汚染の浄化方法。
  4. 前記遮水壁の開口部が、上昇又は下降する開口手段を具備することを特徴とする請求項1記載の土壌及び地下水の汚染の浄化方法。
  5. 前記遮水壁の開口部に孔を有する孔開き鋼板で構成したことを特徴とする請求項1記載の土壌及び地下水の汚染の浄化方法。
  6. 孔開き鋼板が、鋼製のパンチングメタルで構成されたことを特徴とする請求項5記載の土壌及び地下水の汚染の浄化方法。
  7. 前記遮水壁及び、前記遮水壁で囲んだ部分の外側の前記水位観測井戸の配管の内周を、夫々、半透過性の膜で覆い、前記水位観測井戸には電極を設置し、前記遮水壁を陽極、前記観測井戸の電極を陰極として電流を流すことを特徴とした請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の土壌及び地下水の汚染の浄化方法。

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