JPH10249326A - 汚染帯水層の浄化方法および浄化装置 - Google Patents

汚染帯水層の浄化方法および浄化装置

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JPH10249326A
JPH10249326A JP9053586A JP5358697A JPH10249326A JP H10249326 A JPH10249326 A JP H10249326A JP 9053586 A JP9053586 A JP 9053586A JP 5358697 A JP5358697 A JP 5358697A JP H10249326 A JPH10249326 A JP H10249326A
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gas
well
aquifer
pipe
groundwater
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JP9053586A
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Tatsuo Shimomura
達夫 下村
Takeshi Hasegawa
武 長谷川
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Ebara Corp
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Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油、溶剤等によって汚染された帯水層を浄化
すること、特に帯水層中の原位置での浄化処理により効
率的でかつ経済的に処理する方法を提供する。 【解決手段】 汚染された帯水層に井戸を設置し、前記
井戸の前記帯水層の位置にストレーナを配置し、前記井
戸の上部にガス吸引配管を設置しかつ井戸管頭を密閉
し、地下水位以深の井戸内に散気装置を配置し、まずガ
ス吸引配管により井戸内のガスを吸引して井戸内の圧力
を下げ井戸内の水位を上昇させ、ついでガス吸引を停止
した後、井戸内に散気装置よりガス状基質を曝気供給し
て井戸内の地下水に溶解させ、かつ井戸内の圧力を上昇
させることにより井戸内の水位を低下させ、前記ガス吸
引とガス状基質供給の操作を繰り返すことにより、帯水
層の土壌及び地下水を原位置で清浄化することを特徴と
する汚染帯水層の浄化方法、及び浄化装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油、溶剤、金属、
農薬、肥料等によって汚染された帯水層を原位置で浄化
する方法及び汚染の浄化に使用する浄化装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、油、溶剤、金属、農薬、肥料等に
よる地下水や土壌への汚染が深刻な社会問題となってい
る。土壌、地下水の汚染の効果的でかつ効率的な除去・
無害化方法としては、土壌、地下水中の微生物を活性化
させて汚染土壌や地下水を浄化する原位置浄化技術が現
在実用化されつつあり、汚染物質の掘削や抽出のコスト
がかからないことから広範囲の汚染に対して浄化可能な
新技術として期待されている。従来、原位置浄化技術に
より浄化運転を行う場合には、汚染帯水層の下流側で少
量の揚水を行い、揚水した地下水に汚染物質の浄化処理
を施した後に、酸素、メタン等のガス状基質を溶解さ
せ、上流側の不飽和土壌又は帯水層に再注入する方法が
一般的に用いられてきた。
【0003】この方法では揚水した地下水を地下浸透規
制濃度以下に浄化しなければ地下に再注入できないた
め、本来なら不必要である地上での浄化設備を併設しな
ければならず、経費が増大する問題があった。また、注
入する清浄な水によって汚染地下水の流れの迂回が起こ
るなどの現象が生じ、注入した基質と汚染した地下水が
充分に混合しない問題があった。また、基質ガスを直接
井戸に通気し、帯水層内で井戸外へ散気させることによ
り、地下水を曝気する方法も提案されている。しかしな
がらこの方法では、通気したガスの全てを地下水に溶解
することは困難であり、通気したガスの大部分が不飽和
土壌から大気中へと拡散して失われる問題があった。ま
た、井戸外へ散気されたガスはほぼ垂直に帯水層内を上
昇してしまうため、垂直型の井戸を使用した場合は水平
方向の影響範囲が限られる問題点があった。このため、
水平井戸を用いて水平方向に対し広範囲で曝気する方法
も提案されているが、井戸の設置費用が増大する問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の前記問題点を取り除き、帯水層中の原位置でのガス
状基質の供給を効率的でかつ経済的に行う方法を提供す
ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、油、溶剤、金属、農薬、肥料等によっ
て汚染された帯水層を浄化する方法において、 (1)汚染された帯水層を浄化する方法において、汚染
された帯水層に井戸を設置し、前記井戸の前記帯水層の
位置にストレーナを配置し、前記井戸の上部にガス吸引
配管を設置しかつ井戸管頭を密閉し、地下水位以深の井
戸内に散気装置を配置し、まずガス吸引配管により井戸
内のガスを吸引して井戸内の圧力を下げ井戸内の水位を
上昇させ、ついでガス吸引を停止した後、井戸内に散気
装置よりガス状基質を曝気供給して井戸内の地下水に溶
解させ、かつ井戸内の圧力を上昇させることにより井戸
内の水位を低下させ、前記ガス吸引とガス状基質供給の
操作を繰り返すことにより、帯水層の土壌及び地下水を
原位置で清浄化することを特徴とする汚染帯水層の浄化
方法としたものである。またこの時、
【0006】(2)前記汚染された帯水層に、前記井戸
を2本以上設け、それぞれの井戸にストレーナ、ガス状
基質を供給する散気装置およびガス吸引配管を設け、一
方の井戸のガス吸引配管により地上に取り出したガスを
他方の井戸に散気装置により地下水中に通気させて曝気
し、その他方の井戸の曝気が終了して一方の井戸のガス
吸引を停止した後、前記他方の井戸からガスを吸引して
地上に取り出したガスを前記一方の井戸にその散気装置
により地下水中にガスを通気することにより、汚染帯水
層の土壌及び地下水を原位置で清浄化することを特徴と
する前記(1)記載の汚染帯水層の浄化方法。
【0007】(3)汚染帯水層について設置された井戸
を有し、前記井戸に下部の帯水層の位置に地下水の通過
を可能にするストレーナを有し、さらに前記井戸の管頭
にガス吸引用のガス配管が設けられ、且つ井戸管頭が密
閉され、前記井戸の内部にガス状基質が供給される散気
装置が設けられ、ガス状基質を貯留するガスボンベを前
記散気装置に連通する連通用ガス配管を設け、ガス吸引
用のガス配管をガス貯留容器に接続して吸引ガスを前記
ガス貯留容器に貯留し、ガスボンベからガス状基質を井
戸の散気装置に供給して井戸内に曝気し、ガス吸引用の
ガス配管から井戸内のガスを吸引することにより汚染帯
水層の土壌及び地下水を原位置で清浄化することを特徴
とする汚染帯水層の浄化装置。
【0008】(4)少なくとも2本の井戸、一方の井戸
のガス吸引用ガス配管を他方の井戸のガス散気装置に連
通するガス連通管、他方の井戸のガス吸引用ガス配管を
一方の井戸のガス散気装置に連通するガス連通管、前記
ガス連通管に設けたガス循環ブロア、前記ガス連通管の
少なくとも一つにガス状基質を貯留するガスボンベを連
通するガス供給管、複数個のガス切替えバルブを設け
て、ガス循環ブロワを作動させたとき、複数の井戸のう
ち一の井戸がガス吸引状態にあり、他の一の井戸ではガ
スボンベからのガス状基質を含むガスと少なくとも前記
ガス吸引状態にある井戸からのガスを散気装置から該井
戸内に曝気する状態とするようにして、前記複数の井戸
に対する各井戸内のガス吸引と井戸へのガス供給をその
時期をずらせて操作し、前記複数の井戸内の水位を変動
させることを特徴とする請求項3記載の汚染帯水層の浄
化装置。
【0009】
【発明の実施の形態】図3に本発明の汚染帯水層の浄化
の単独装置を示し、図3を用いて単独の浄化装置につい
て説明する。図3において、汚染帯水層2について井戸
10が設けられ、その井戸にはその内部に前記帯水層の
位置に施設されたストレーナ12、地下水内に設けた散
気装置14が備えられている。さらに、地下水の水位を
検出する水位センサーH(16)および水位センサーL
(18)が備えられている。井戸10は、実際には図1
にも示されているように現場の地層(不飽和層土壌1、
帯水層2、難透水性層3の三つの地層)の厚みに応じそ
の形態が変わるもので、その下端が難透水性層3にまで
達するように製作されるため、その長さは種々変化す
る。井戸10内に設置するストレーナ12は、帯水層2
の地下水が井戸を通って流過できるように井戸の下部に
設けられている。
【0010】井戸10の上部(「井戸管頭」という)に
は井戸上部の気相のガスを吸引する吸引管25が設けら
れ、また内部の散気装置14への連結管26が貫通して
いる。吸引管25は3方バルブ23及びガスブロワ4を
経てガス貯留容器22に連通している。井戸10の外部
においては、ガスボンベ5(減圧バルブ6を通って)か
ら3方バルブ24を経て、連結管26が内部の散気装置
14に連通できるようになっている。また、前記ガス貯
留容器22はと3方バルブ24を経て散気装置14に連
通できるようになっている。従って、3方バルブ23を
切り換えてガスブロア4を運転するときには、ガス吸引
用ガス管25を通して井戸内のガスを吸引して井戸内の
圧力を下げることにより、ストレーナ12を地下水が通
って入り、井戸内の水位が上昇する。これにより井戸内
に汚染された地下水が多量に入っていることになる。前
記により吸引したガスはガス貯留容器22内に貯留する
ようにすることが好ましい。
【0011】ついで、このガス吸引を停止した後、3方
バルブ24を切り換えてガス状基質を溜めたガスボンベ
5から散気装置14にガス状基質を供給して地下水に曝
気するときには、地下水はガス状基質が溶解し、汚染物
質が浄化される。この際に井戸内の圧力が上昇し、水位
が低下する。この際、3方バルブ24を切り換え、ガス
ブロワ4を運転することによって、吸引、曝気の操作を
繰り返すようにする。その曝気工程においてガスボンベ
からガス状基質を供給して曝気させるのに際して、ガス
貯留容器22内のガスをガスボンベ5からのガス状基質
と合流させるようにすると、散気装置14へ供給される
ガス量が増加して曝気の効果が増大する。
【0012】具体的な装置においては、前記のガス吸引
及び曝気の操作は次のようにして行われるのがよい。3
方バルブ24を閉じ、散気装置14への連結管26につ
いて前記ガス貯留容器22への3方バルブ23を開け、
ガスブロワ4を運転すると、井戸上部の気相のガスが吸
引管25から外部に吸引され、ガス貯留容器22に貯留
される。それと共に井戸10中の地下水の水位が上昇す
る。このガスの吸引は所定の一定時間行われる。しかし
また、上昇した地下水の水位が上部水位センサー(H)
16にまで達した時、井戸管頭からガス貯留容器22に
通じる吸引管25の3方バルブ23を閉る。連結管26
から散気装置14に通じる3方バルブ24を開いて、前
記ガスボンベ5からガス状基質を含むガスが減圧バルブ
6を経て散気装置14により井戸10中の地下水中に曝
気される。同時に前記ガス貯留容器22からのガスが前
記ガス状基質と合流し、散気装置14を経てガス状基質
を含むガスが地下水に吹き込まれる。
【0013】ガス状基質を含むガスが地下水に吹き込ま
れると井戸10中の地下水の水位が下がって下部水位セ
ンサー(L)18の方に近ずく。地下水の水位が下部水
位センサー18の位置にきた時、井戸管頭からのガス吸
引用配管の3方バルブ23が開き、3方バルブ24が閉
じると、元のように井戸10上相のガスが井戸管頭から
吸引されガス貯留容器22に貯留される。このように吸
引工程が行われる。上記した単独の浄化装置の操作で
は、ガス吸引用配管の3方バルブ23及び散気装置14
への3方バルブ24を開閉する際にはガスブロワ4の運
転を止め、切替え操作をする。しかして、上記した操作
を繰り返すことによって、井戸10中の地下水の水位を
上下に変動させると共にガス状基質を地下水中に溶解さ
せることができる。このようにして、地下水中あるいは
土壌中にガス状基質を溶解させ、元来地下水中あるいは
土壌中に生息していた微生物を活性化させることによっ
て地下水中あるいは土壌中の汚染物質を分解して浄化す
るのが本発明の原位置浄化技術の骨子である。
【0014】前記単独の浄化装置で行う浄化方法では、
ガス吸引配管により井戸内の地下水位以浅の部分のガス
を吸引して井戸内のガス圧力を下げる際、吸引したガス
をそのまま外部に放出するようにすると、その中に含ま
れるガス状基質は無駄になっていまう。このことを避け
るために、地上にガス貯留容器22を設置し、ガス吸引
時には一旦このガス貯留容器22に吸引したガスを貯留
し、曝気運転を行う際に散気装置への連結管にこのガス
を戻すという操作を行う。
【0015】より効率的な方法としては、汚染帯水層に
井戸を2本以上設置し、ガス吸引と曝気を交互に行う以
下に述べるような方法が適当である。すなわち、本発明
の井戸を汚染帯水層に井戸を例えば2本設置し、片方の
井戸のガス吸引管により地上に採取し一旦このガスをガ
ス貯留容器に貯留し、次に貯留ししたガスをもう片方の
井戸の散気装置により地下水中に通気し、逆に片方の井
戸の曝気運転時にはもう片方の井戸のガス吸引配管によ
り地上に採取したガスを散気装置の配管へ戻す。このこ
とにより一定容量のガスは2本の井戸の間を往復するこ
とになり、地下水への溶解により減少した容量分のガス
は、別途にガス状基質を貯留してあるガスボンベから前
記ガスを補充することにより、供給したガスを無駄なく
地下水に溶解させることができる。さらに、片方の井戸
でガス吸引を行う際にもう片方の井戸で曝気を行うこと
により、2本の井戸間で地下間で地下水流が生じ、ガス
状基質を溶解した地下水とまだ溶解していない地下水と
の交換が効率的に行われる効果が期待できる。前記ガス
状基質としては、例えば酸素、メタンなどの地下水を処
理して有効な作用するガス状の物質をいう。
【0016】この2本の井戸を使用して行う連続的帯水
層汚染の浄化方法について、図1を参照しながら以下に
さらに詳しく説明する。本発明では、図1において、前
記汚染された帯水層2に1対の井戸10及び11を設置
し、帯水層2の位置にストレーナ12及び13を配置
し、井戸上部にガス吸引配管を設置してかつ井戸管頭を
密閉し、地下水位以深の井戸内に散気装置14及び15
を配置する。まず一方の井戸(図1の場合は井戸10)
のガス吸引配管により井戸内のガスを吸引して井戸内の
圧力を下げ井戸内の水位を上昇させる。ついでガス吸引
を停止し、他方の井戸(図1の場合は井戸11)の散気
装置15によりガスボンベ4からガス状基質を曝気供給
して井戸内の地下水に溶解させ、かつ井戸内の圧力を上
昇させることにより井戸内の水位を低下させる操作を行
い、井戸10および井戸11に対してその操作を切り換
えるようにし、この切り換えによる処理を繰り返すこと
により、効率的に井戸内の地下水を交換して大量の地下
水にガス状基質を溶解させて帯水層2中に送り込み、帯
水層2中の汚染物質分解微生物を増殖、活性化させて帯
水層2の土壌及び地下水を原位置で清浄化することがで
きる。
【0017】同様の効果は3本の井戸を設けた場合も同
じであり、2本以上の井戸を用いて効率的かつ経済的に
ガスの地下水への溶解・供給を行うことができる。井戸
10に設けるストレーナ12は、加圧時に曝気したガス
状基質が不飽和層中に漏出しないように地下水位以深に
設置する必要がある。ただし、ストレーナの深度方向の
長さをあまりにも短くすると地下水の交換が特定の狭い
深度に限られ、地下水の交換が行いにくくなる恐れがあ
るので少なくとも1m以上の深度幅は設けることが望ま
しい。
【0018】井戸10の内部に設ける散気装置14は、
井戸10の外部に設置され、ガス状基質を含んだガスを
貯留しているガスボンベ4からガス状基質を供給して曝
気し、井戸内の地下水に溶解させる装置である。該散気
装置14を設置する深度は、ガス状基質が井戸外へ気泡
のまま散逸することを完全に防ぐためにはストレーナ深
度よりも上とすることが考えられるが、通常の井戸では
ストレーナを通過するためにはある程度の圧力損失が発
生するため、大部分の散気ガスはストレーナを通過せず
井戸の上部気相へ移行する。従って必ずしも設置深度
を、ストレーナ深度よりも上にする必要はなく、ガスの
溶解効率から考えて散気装置はなるべく深い深度に設置
することが望ましい。このようにしてガス状基質を地下
で溶解し、そのまま地下水中へ拡散させることにより、
揚水の地上での浄化設備が不要となる。また、地下水を
地上に取り去らないため揚水による地盤沈下の影響を考
慮する必要がなく、吸引・放出速度を従来法に比べ加速
して処理効率を挙げることが可能である。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の理解を深めるために具体的
実施例を示すが、本発明は以下に示す具体的実施例によ
って限定されないことはいうまでもない。図1および図
2は本発明の処理方法を示す概略図である。図1および
図2において、現場の地層は不飽和層土壌1、帯水層
2、難透水性層3の三つの地層より成り立っており、そ
の内帯水層2が汚染されている。図1に示す状態は、井
戸10にてガス吸引を、井戸11にて曝気を行っている
状態である。井戸10の帯水層2にストレーナ12を設
置し、井戸管頭を密閉して井戸上部ガス相20のガスを
循環ブロワ4により吸引する。同じ構造の井戸11にこ
のガスを導き、ガス散気管15より地下水中へ曝気を行
う。地下水へ溶解することにより減少するガス状基質は
ガスボンベ5から補充を行うが、減圧バルブ6を設け
て、配管内の圧力が減圧バルブ6に設定した陰圧以下に
低下した時のみガス供給が行われることになっている。
【0020】回路配管に図1に示すように、3方バルブ
(A)7及び3方バルブ(B)8を設けてガス流路の切
替えを行う。ガス流路の切替えは、例えば井戸11のガ
ス曝気状態からガス吸引状態への切替えは、水位センサ
(L)19により、ガス曝気により井戸11内の水位が
水位センサ(L)19の下端の水位に達した時点で行
う。流路を切替え、井戸11にてガス吸引を、井戸10
にて曝気を行っている状態を図2に示す。 図1に示す
ガス吸引、ガス曝気の操作と図2に示すガス吸引、ガス
曝気の操作を繰り返し行うことにより、地下水中に効率
的にガス状基質を溶解、分散させ、帯水層中の汚染物質
分解菌を増殖させることにより帯水層中の汚染物質を分
解浄化することができる。
【0021】実施例1 図1および図2示した浄化処理の操作方法に基づいて行
ったガソリン汚染帯水層の浄化処理の運転条件を以下に
示す。 −運転条件− ・現場の地層と汚染状況:表層から7mが段丘堆積層、
7mから14mまでが砂層であり、14m以深は難透水
性の粘土質層となっている。帯水層は7mから14mの
間を占めている。現場の帯水層はガソリンに汚染されて
おり、地下水中の平均汚染濃度は12mg/リットルに
達していた。また、地下水面にガソリンの原液が滞留し
ている箇所があると推定された。 ・対策井戸の構成:直径10cmの井戸2本を地下1
4.2mまで挿入した。2本の井戸は地下水の流れ方向
に対し直角に並ぶように配置し、2本の井戸間の距離は
5mとした。それぞれの井戸の地下11.5mから地下
14mの範囲にストレーナを設置し、散気管を深度13
mに設置した。井戸管頭は密閉し、図1に示した配管施
工を行った。
【0022】・ガス状基質の供給:容量7m3 の酸素ガ
スボンベを使用した。ガスボンベの減圧弁の作動圧力の
設定は、2次圧が−0.5kg/cm2 になるよう調節
し、ガス吸引配管が−0.5kg/cm2 の陰圧になっ
た時に酸素ガスを補充するように設定した。 ・浄化処理の運転条件の設定:循環ブロワによるガス吸
引、通気速度は0.38m3 /hrに設定した。循環ブ
ロアには定流量弁を設置し、圧力変動により流量が変化
しないようにした。水位センサHは深度3mに、水位セ
ンサLは深度11mに設置し、水位センサL以深に井戸
内の水位が低下した信号により3方バルブを切替え、井
戸の曝気と吸引を交換するよう設定した。水位センサH
は井戸内の水位が異常に上昇した場合に3方バルブ切り
換える信号を発するよう設定し、平常の運転では、予め
設定した時間吸引した後3方バルブを切替え、井戸の曝
気と吸引を交換することとしした。1日のうち日中の8
時間、上記の条件で運転を行い、夜間は信号を停止し
た。
【0023】上記の運転条件で、3ヶ月間の処理を行っ
た結果を図4に示す。2本の井戸間の下流の地点に観測
用の井戸を設け地下11mの地下水の総石油系炭化水素
(TPH)濃度と溶存酸素(DO)濃度をモニタリング
したところ、運転開始直後よりTPH濃度は徐々に低下
し、60日後以降は安定して0.1mg/リットル以下
となった。またDO濃度は運転開始前には0.0mg/
lであったが、運転開始直後より2.0mg/リットル
程度に増加し、さらに50日以降急激に増加して60日
以降は10mg/リットルとなった。3方コックの切替
えは平均して20分に1回の頻度で行われた。また水位
センサHは運転期間中作動することはなかった。
【0024】実施例2 図1および図2に示す処理方法に基づいて以下の運転条
件で行ったトリクロロエチレン汚染帯水層の浄化実験例
を示す。 −運転条件− ・現場の地層と汚染状況:表層から5mが盛り土、5m
から15mまでが砂層であり、14m以深は難透水性の
粘土土質層となっている。帯水層は6mから15mの間
を占めている。現場の帯水層はトリクロロエチレン(T
CE)に汚染されており、地下水中の平均汚染濃度は平
均1mg/リットルであった。 ・対策井戸の構成:直径10cmの井戸2本を地下1
5.2mまで挿入した。2本の井戸は地下水の流れ方向
に対し直角に並ぶように配置し、2本の井戸間の距離は
5mとした。それぞれの井戸の地下11.5mから地下
14mの範囲にストレーナを設置し、散気管を深度13
mに設置した。井戸管頭は密閉し、図1に示した配管施
工を行った。
【0025】・ガス状基質の供給:容量7m3 の酸素ガ
スボンベを使用した。ガスボンベの減圧弁は2次圧が−
0.4kg/cm2 になるよう調節し、ガス吸引配管が
−0.4kg/cm2 の陰圧になった時に酸素ガスを補
充するように設定した。 ・浄化処理の運転条件の設定:循環ブロワによるガス吸
引、通気速度は0.2m3 /hrに設定した。循環ブロ
アには定流量弁を設置し、圧力変動により流量が変化し
ないようにした。水位センサHは深度1.5mに、水位
センサLは深度10.5mに設置し、水位センサL以深
に井戸内の水位が低下した信号により3方バルブを切替
え、井戸の曝気と吸引を交換するよう設定した。水位セ
ンサHは井戸内の水位が異常に上昇した場合に3方バル
ブ切り換える信号を発するよう設定し、平常の運転で
は、予め設定した時間吸引した後3方バルブを切替え、
井戸の曝気と吸引を交換することとしした。
【0026】最初の4回の運転においては吸引したガス
を大気に開放し、曝気側の井戸にはメタンガスを通気す
ることにより、井戸内のガスをメタンガスに置換した。
その後は図1および図2に示した運転方法に切替え、1
時間運転して3時間停止するサイクルを繰り返す間欠運
転を行った。上記の運転条件で、2ヶ月間の処理を行っ
た結果を図5に示す。2本の井戸間の下流3mの地点に
観測用の井戸を設け地下13mの地下水中のTEC濃度
をモニタリングしたところ、運転開始15日後よりTE
C濃度は徐々に低下し、40日後以降は安定して0.0
5mg/リットル以下となった。3方コックの切替えは
平均して30分に1回の頻度で行われた。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
地下水中への原位置でのガス状基質の供給が効率的かつ
経済的に行い得るので、汚染された帯水層の原位置浄化
が可能である。このため、油、溶剤、金属、農薬、肥料
等による地下水や土壌の汚染の浄化方法として本発明は
広く利用され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚染処理の1態様を説明する概略図で
ある。
【図2】本発明の汚染処理の切替えた態様を説明する概
略図である。
【図3】単独の浄化装置による本発明の汚染処理の1態
様を説明する概略図である。
【図4】本発明によるガソリン汚染の処理実績を示すグ
ラフである。
【図5】本発明によるトリクロロエチレン汚染の処理実
績を示すグラフである。
【符号の説明】
1 不飽和層土壌 2 帯水層 3 難透水性層 4 循環ブロア 5 ガスボンベ 6 減圧バルブ 7 3方バルブA 8 3方バルブB 10 井戸 11 井戸 12 ストレーナ 13 ストレーナ 14 散気装置 15 散気装置 16 水位センサH 17 水位センサH 18 水位センサL 19 水位センサL 20 井戸上部ガス相 21 井戸上部ガス相 22 ガス貯留容器 23 3方バルブ 24 3方バルブ 25 吸引管 26 連結管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚染された帯水層を浄化する方法におい
    て、汚染された帯水層に井戸を設置し、前記井戸の前記
    帯水層の位置にストレーナを配置し、前記井戸の上部に
    ガス吸引配管を設置しかつ井戸管頭を密閉し、地下水位
    以深の井戸内に散気装置を配置し、まずガス吸引配管に
    より井戸内のガスを吸引して井戸内の圧力を下げ井戸内
    の水位を上昇させ、ついでガス吸引を停止した後、井戸
    内に散気装置よりガス状基質を曝気供給して井戸内の地
    下水に溶解させ、かつ井戸内の圧力を上昇させることに
    より井戸内の水位を低下させ、前記ガス吸引とガス状基
    質供給の操作を繰り返すことにより、帯水層の土壌及び
    地下水を原位置で清浄化することを特徴とする汚染帯水
    層の浄化方法。
  2. 【請求項2】 前記汚染された帯水層に、前記井戸を2
    本以上設け、それぞれの井戸にストレーナ、ガス状基質
    を供給する散気装置およびガス吸引配管を設け、一方の
    井戸のガス吸引配管により地上に取り出したガスを他方
    の井戸に散気装置により地下水中に通気させて曝気し、
    その他方の井戸の曝気が終了して一方の井戸のガス吸引
    を停止した後、前記他方の井戸からガスを吸引して地上
    に取り出したガスを一方の井戸にその散気装置により地
    下水中にガスを通気することにより、汚染帯水層の土壌
    及び地下水を原位置で清浄化することを特徴とする請求
    項1記載の汚染帯水層の浄化方法。
  3. 【請求項3】 汚染帯水層について設置された井戸を有
    し、前記井戸に下部の帯水層の位置に地下水の通過を可
    能にするストレーナを有し、さらに前記井戸の管頭にガ
    ス吸引用のガス配管が設けられ、前記井戸の内部にガス
    状基質が供給される散気装置が設けられ、且つ井戸管頭
    が密閉され、ガス状基質を貯留するガスボンベを前記散
    気装置に連通する連通用ガス配管を設け、ガス吸引用の
    ガス配管をガス貯留容器に接続して吸引ガスを前記ガス
    貯留容器に貯留し、ガスボンベからガス状基質を井戸の
    散気装置に供給して井戸内に曝気し、ガス吸引用のガス
    配管から井戸内のガスを吸引することにより汚染帯水層
    の土壌及び地下水を原位置で清浄化することを特徴とす
    る汚染帯水層の浄化装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも2本の井戸、一方の井戸のガ
    ス吸引用ガス配管を他方の井戸のガス散気装置に連通す
    るガス連通管、他方の井戸のガス吸引用ガス配管を一方
    の井戸のガス散気装置に連通するガス連通管、前記ガス
    連通管に設けたガス循環ブロア、前記ガス連通管の少な
    くとも一つにガス状基質を貯留するガスボンベを連通す
    るガス供給管、複数個のガス切替えバルブを設けて、ガ
    ス循環ブロワを作動させたとき、複数の井戸のうち一の
    井戸がガス吸引状態にあり、他の一の井戸ではガスボン
    ベからのガス状基質を含むガスと少なくとも前記ガス吸
    引状態にある井戸からのガスを散気装置から該井戸内に
    曝気する状態とするようにして、前記複数の井戸に対す
    る各井戸内のガス吸引と井戸へのガス供給をその時期を
    ずらせて操作し、前記複数の井戸内の水位を変動させる
    ことを特徴とする請求項3記載の汚染帯水層の浄化装
    置。
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