JP2000200695A - 熱エネルギ蓄積・伝達アセンブリ - Google Patents

熱エネルギ蓄積・伝達アセンブリ

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JP2000200695A
JP2000200695A JP11338997A JP33899799A JP2000200695A JP 2000200695 A JP2000200695 A JP 2000200695A JP 11338997 A JP11338997 A JP 11338997A JP 33899799 A JP33899799 A JP 33899799A JP 2000200695 A JP2000200695 A JP 2000200695A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射熱エネルギおよび後方散乱電子の運動エ
ネルギからなる残余エネルギが生じる電子ビーム発生デ
バイス用の熱エネルギ蓄積・伝達アセンブリを提供す
る。 【解決手段】 残余エネルギを吸収蓄積して、電子ビー
ム発生デバイス(16)内の他のコンポーネント上にか
かる熱負荷を減少させるため、熱エネルギ蓄積・伝達デ
バイス(88)は、吸収した残余エネルギの量がこのア
センブリに流入する伝達率が、残余エネルギの量が熱蓄
積アセンブリから流出する伝達率を実質的に超えること
を許容するだけの十分な熱容量をもつ本体部(108)
を備えると共に、熱エネルギを外部へ伝達するための循
環する流体で満たした熱交換チャンバ(112)を備え
る。さらに、残余エネルギを吸収するのに適したX線透
過性のフィルタ(106)が、陽極(80)とX線透過
窓(102)の間に配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギ処理シ
ステム、より具体的には電子ビーム発生デバイス内など
での放射熱エネルギおよび電子の運動エネルギを収集す
るための熱エネルギ蓄積・伝達アセンブリに関する。
【0002】
【発明の背景】X線管や電子ビーム式溶接機などの電子
ビーム発生デバイスは、高温の環境下で動作する。たと
えばX線管では、陰極で発生した一次電子ビームは、陽
極ターゲットに対し、ターゲットが動作時に赤熱するほ
どの極めて大きな熱負荷を与える。通常、X線に変換さ
れる一次電子ビームのエネルギは1%未満であって、残
りは熱エネルギに変換される。熱せられたターゲットか
らのこの熱エネルギは、X線管の真空容器内の他のコン
ポーネントに放射されると共に、この真空容器の外面を
覆って循環する冷却用流体によって真空容器から除去さ
れる。さらに、電子の中にはターゲットで後方散乱を起
こし、真空容器内の他のコンポーネントに衝突するもの
もあり、このためX線管はさらに熱せられる。こうした
熱エネルギによって生じた高温のため、X線管の各コン
ポーネントは、X線管の動作や信頼性にとって問題とな
るような大きな熱応力を受ける。
【0003】通常、X線ビーム発生デバイスは、X線管
と呼ばれ、円筒状の真空容器内に封入された対向した電
極を備える。この真空容器は通常、ガラス製であるか、
あるいはステンレス鋼、銅、または銅合金などの金属製
である。上記のように、この電極には、回転する円盤形
をした陽極アセンブリのターゲット軌道からやや離れて
位置した陰極アセンブリが含まれる。この代わりに、工
業用途における場合などで、陽極が静止しているものも
ある。陽極のターゲット軌道、すなわち衝突域は、一般
に大きな原子番号を有するタングステンやタングステン
合金などの耐熱金属製である。さらに、電子を加速する
ため、この陰極アセンブリと陽極アセンブリの間は、通
常60kVから140kVの電位差に維持される。熱せ
られた陰極フィラメントから放出された熱電子が、この
電位差によって加速されて、陽極のターゲット域に高速
で衝突する。この電子の運動エネルギのごく一部が高エ
ネルギ電磁放射線すなわちX線に変換される。残りのエ
ネルギ部分は、後方散乱電子となるか、あるいは熱に変
換される。X線は、焦点から出てあらゆる方向に放出さ
れる。X線には、真空容器から外へ導かれるものがあ
る。たとえば金属製真空容器を有するX線管では、X線
透過用窓が金属製真空容器内にられて、X線ビームを所
望の位置に放出させることができる。真空容器から放出
された後、X線は、医学的な検査・診断手順のため、被
検体たとえば人体の解剖学的部位などを透過する方向に
向けられる。被検体を透過したX線は、検出器によって
捕獲されて、人体内部の解剖学的構造に基づいた画像を
形成する。さらに、たとえば工業用X線管は、金属部品
に対する亀裂の有無の検査や空港における荷物の中身の
検査などに用いることができる。
【0004】上記のように、入射電子の多くはX線に変
換されず、ターゲットから無作為な方向にそらされる。
たとえば、入射した一次電子の最大50パーセントはタ
ングステン陽極ターゲットで後方散乱される。これら後
方散乱電子は陰極と陽極との間の電界中を曲線状経路を
なして移動し、他の構造物に衝突する。これらの電子
は、電界や空間電荷と相互作用して、電子の初期軌道に
複雑で予測できない変化が生じる。これらの電子はX線
管内部のコンポーネントで後方散乱されたり、跳ね返さ
れたりして、そのエネルギが尽きるまで運動エネルギを
付与し続ける。X線管のコンポーネントに熱エネルギを
及ぼすだけでなく、後方散乱電子の衝突によりさらに焦
点外X線が発生する。この焦点外X線放射が発生するこ
とにより、この焦点外X線を真空容器のX線透過窓から
放出されたままにすると画像品質が劣化することにな
る。
【0005】焦点外放射線と後方散乱電子の経路は、X
線管の電位構成に影響されることがある。バイポーラ構
成では、陰極はアースに対して負電位に維持され、また
陽極はアースに対して正電位に維持される。これによっ
て、陰極・陽極間の間隙に全体の電圧降下が生じる。こ
の構成では、陽極を出た当初の後方散乱電子のうちの多
くの部分が静電ポテンシャルによって陽極に引き戻され
る。これに対して、ユニポーラ構成では、陽極および真
空容器は接地され、陰極は高い負電位に維持される。ユ
ニポーラ構成では、後方散乱電子が陽極に引き戻された
り、フレームに引き寄せられたりすることはない。した
がって、ユニポーラ構成では、都合のよいことに、後方
散乱電子のうちの比較的に多くの部分が収集されて、陽
極に戻されない。こうして陽極の熱性能が非常に向上
し、透過窓から放出される焦点外放射線の量は減少す
る。
【0006】医療診断用X線管で発生させるX線は、本
来極めて効率の悪いプロセスにより発生しているため、
X線発生デバイス内のコンポーネントは高温で動作する
ことになる。たとえば、陽極焦点の温度は約2700°
Cといった高温に達し、また陽極のその他の部分では温
度が最高約1800°Cになることがある。さらに、X
線管の各コンポーネントは、かなりの長い持続時間にわ
たって約450°C近くまでの温度で、X線管の高温排
出処理に耐えることができねばならない。
【0007】X線管を冷却するため、X線管の動作中に
発生した熱エネルギを、陽極から真空容器を通して伝達
させて、冷却用流体によって除去しなければならない。
真空容器は通常、たとえば誘電性オイルなどの循環冷却
用流体を満たしたケーシング内に封入されている。この
ケーシングはX線管を支持し且つ保護しており、コンピ
ュータ断層撮影(CT)装置のガントリなどの構造体に
取り付けることができる。また、このケーシングは鉛で
内張りされており、散乱放射線を遮蔽することができ
る。冷却用流体は、多くの場合2つの役割を果たす。す
なわち、真空容器を冷却することと、バイポーラ構成の
場合に陰極・陽極間の接続部の高電圧絶縁を実現するこ
との2つである。しかし、温度が極端に高いと、流体と
真空容器の間、流体と透過窓の間、あるいは流体と真空
容器および透過窓間の界面で沸騰を起こし、冷却用流体
の働きが損なわれることがある。沸騰している流体は、
流体を通して高電圧アークを起こさせるおそれのある気
泡を流体内に発生させ、これにより流体の絶縁能力が下
がることになる。さらにこの気泡は、画像アーチファク
トにもつながり、この結果画像の品質が低下する。この
ように冷却用流体によってX線管から熱を排出させると
いう現在の方法は、十分でない場合がある。
【0008】同様に、過大な温度ではX線管の構造物だ
けでなく透過窓の寿命も短くなるおそれがある。X線透
過窓は、その位置が焦点に極めて近いため、熱放射や後
方散乱電子により非常に大きな熱負荷を受けやすい。透
過窓にこのように大きな熱負荷がかかるため、入念に設
計をし、X線管の耐用期間の全体にわたって透過窓が確
実に正常な機能(とくに真空の維持に関して)を保つよ
うにする必要がある。透過窓は、X線管にとって重要な
ハーメチック・シールの1つである。大きな熱負荷によ
り極めて大きな周期的応力が透過窓に生じ、透過窓やそ
のハーメチック・シールの損傷を早めることにつながり
かねない。さらに、上記のように、冷却用流体に直接接
触しているため、流体が透過窓上を流れる際に沸騰を起
こすおそれがある。また、直接接触している透過窓の温
度が高すぎるため、流体の炭化水素が劣化して、透過窓
の表面上に堆積し、画像品質を低下させるおそれがあ
る。このように、透過窓を冷却するためのこの解決法
も、十分でないことがある。
【0009】後方散乱電子は熱に関する影響の他に、診
断に寄与しない焦点外放射線を発生させて画像品質を低
下させるという影響を与えるおそれがある。また後方散
乱電子が発生させるX線は、診断上有用でなく、患者の
放射線被曝量を増大させるだけの、極めて低いエネルギ
・スペクトル成分を含む。このように、焦点外X線によ
る無用な被曝線量が患者に到達することを防ぐことが望
ましい。
【0010】従来の技術では主に、真空容器に封入され
た構造物内に循環する冷却用流体を用いることによっ
て、熱エネルギを急速に放散させることによってきた。
真空容器内で用いられる冷却用流体は、真空容器の外面
の周りを循環する冷却用流体と異なり、多くの場合特殊
な流体である。他には、電磁気的に後方散乱電子をそら
しX線窓上にあたらないようにする方法が提案されてい
る。しかし、この方式ではエネルギの蓄積・放散のレベ
ルが十分ではない。
【0011】さらに、これらの方式は、たとえば高速ヘ
リカル・スキャンなどの、従来の方式と比べ膨大なX線
束を必要とするようなX線式コンピュータ断層撮影法に
おける新しい技法と組み合わせようとする際に、さらに
難しい問題が生じる。X線発生の効率が本来的に低いた
め、X線束を増加させるためには、放散しなければなら
ない熱負荷が大幅に増加するという犠牲が伴う。X線管
の出力は増大し続けるにしたがい、冷却剤への熱伝達率
が冷却剤の熱束吸収能力超えるおそれがある。
【0012】またさらに、これらの方法では焦点外放射
線や、陽極上の後方散乱電子による熱負荷が十分には減
少されない。従来のデバイスの中には、焦点外放射線を
コリメートするために陽極用フード構造を利用するもの
がある。このデバイスは、放射冷却に依存しているとい
う重大な欠点を有しており、吸収した後方散乱電子のエ
ネルギを伝達するために通常極めて高温での動作を余儀
なくされる。他の方法では、冷却用流体を真空容器内の
遮蔽体を通過させて循環させるための対流装置を利用す
るものがある。この方法ではさらに、回転する陽極を覆
う流体冷却式の囲い板を設けて、これにより熱を吸収す
る。こうした方式では、熱エネルギを吸収して、このエ
ネルギを循環する流体を通して系の外へ迅速に伝達する
のに、金属の薄壁構造物に依存している。しかしこれら
の方法では、冷却剤が大きな熱束を受けることや、沸騰
につながりかねないので不利である。沸騰による熱伝達
は極めて複雑であり、かつ大幅な流体圧の低下を招くお
それもある。さらに、従来技術による代表的なデバイス
では、入射する熱束が多く、このため薄壁構造物の溶融
やX線管の不良につながるような極端な熱の偏りが生ず
ることがある。このため上記の問題を克服するような熱
エネルギ伝達アセンブリを提供することが望ましい。
【0013】
【本発明の概要】本発明は熱蓄積アセンブリを有し、こ
のアセンブリは、X線発生デバイスの真空容器内で生じ
る残余エネルギを実質的にすべて吸収して蓄積するのに
十分な熱容量をもつ本体部を有する。この残余エネルギ
は、X線発生デバイスの高温の陽極からの放射熱エネル
ギおよびこの陽極からそれた後方散乱電子の運動エネル
ギを含む。また、熱蓄積アセンブリは、X線発生デバイ
スから放出される焦点外放射線の量を減少させる。さら
に、熱蓄積アセンブリは、後方散乱電子の大部分が陽極
に戻るのを防ぎ、これによって放射線撮影検査中に必然
的に生じる冷却待ちにおいて、次の冷却待ちまでのより
長い時間、X線発生デバイスを動作させることができ
る。熱蓄積アセンブリは、好ましくは銅あるいは銅合金
で構成された、ヒートシンクの役割を果たす実質的に中
実な本体部を有する。さらに、熱蓄積アセンブリの熱容
量によって、熱蓄積アセンブリへの熱伝達率が、放射線
撮影検査中に真空容器および熱蓄積アセンブリからの熱
伝達率を大幅に超えることが可能となる。
【0014】動作時には、熱蓄積アセンブリは、この熱
蓄積アセンブリ内の熱交換チャンバ(室)を通り循環す
る誘電オイルなどの冷却用流体を介して冷却される。熱
交換チャンバ内のこの冷却用流体は、真空容器の周りを
循環しX線発生デバイスを冷却するための冷却用流体の
本体の一部であることが好ましい。この熱交換チャンバ
は、熱蓄積アセンブリの周囲に、後方散乱電子および放
射熱エネルギを吸収する熱蓄積アセンブリの内面から離
して形成されることが好ましい。この配置をとることに
より、吸収した熱エネルギが本体部の大きな質量の全体
にわたって拡散することができ、このため冷却用流体界
面での熱束および表面温度を低下させることができる。
熱交換チャンバ内の冷却用流体への熱伝達率、すなわち
冷却率は、熱蓄積アセンブリによる熱の吸収率を大幅に
下回る。吸収した過剰のエネルギは、検査が終了するま
で熱蓄積アセンブリの本体部内に安全に蓄積される。X
線照射中に即時に熱エネルギのすべてを除去する必要が
ある従来技術によるデバイスと対照的に、本デバイスは
熱的に「厚み」があり、X線照射中に後方散乱されたり
放射されたエネルギを蓄積する。これにより、本来的に
危険な沸騰による熱伝達が避けられる。このように、本
発明は、所定の熱束に対する冷却剤界面での熱応力を、
薄壁構造物による場合と比較して大幅に減少させる。
【0015】さらに、本発明は、X線透過窓が受ける熱
エネルギを減少させるためのX線透過性のフィルタを含
む。この透過窓は通常、ハーメチック・シールを形成
し、熱蓄積アセンブリ内あるいは真空容器内に配置され
る。このフィルタは、陽極と透過窓の間に配置され、陽
極から放出される残余エネルギから透過窓を遮蔽する。
透過窓と対照的に、このフィルタの接合部はハーメチッ
ク・シールとする必要はない。このフィルタは、このよ
うに透過窓が熱負荷や熱応力にさらされる量を減少さ
せ、熱蓄積アセンブリの本体部あるいは真空容器への透
過窓の真空封止接合部の信頼性を向上させるので有利で
ある。
【0016】また、本発明は、このフィルタの少なくと
も1つの面に施されるX線透過性のコーティング層を備
える。このコーティング層は、反射性能が高く、入射す
る残余エネルギを反射できる高原子番号の材料を含む。
この高原子番号のコーティング層により、透過窓が吸収
する熱エネルギが減少し、このため熱応力が低下する。
このように、コーティング層により、フィルタの遮蔽効
果がさらに高まり、透過窓の対熱保護が向上する。
【0017】さらに、本発明は、上記の発明を取り込ん
だ、X線管などのX線発生デバイスを含む。同様に、本
発明は、上記の発明を含むX線発生デバイスを有するコ
ンピュータ断層撮影装置などのX線装置を含む。
【0018】
【発明の詳しい説明】本発明は、電子ビームを発生させ
るデバイスで利用できる熱エネルギ処理システムを含
む。本発明は、コンピュータ断層撮影装置のX線管のよ
うなX線発生デバイスに関して記述する。本発明を利用
するX線発生デバイスは、放射線撮影装置、透視装置、
血管造影撮影装置、乳房撮影装置、可搬型X線装置など
他の応用分野でも利用が可能であると共に、歯科用撮影
装置や工業用撮影装置にも利用が可能である。さらに本
発明は、当業者であれば理解されるように、電子ビーム
溶接機など他の電子ビーム発生デバイスにおいても利用
可能である。
【0019】図1を参照すると、「第3世代」のCTス
キャナに典型的なガントリ12を含むコンピュータ断層
撮影(CT)イメージング装置を示してある。ガントリ
12は、ハウジング・ユニット14を備え、これによ
り、たとえばガントリ12の対向面上に位置する検出器
アレイ20に向けてX線ビーム18を照射するX線発生
デバイス16を保持する。検出器アレイ20は検出器素
子22により形成されるチャネルに分割されている。こ
の検出器素子22は一体となって患者24などの撮影対
象を透過後の入射X線を検出する。検出器素子22は各
々、入射したX線の強度を表す電気信号、つまり患者2
4透過によるX線ビームの減衰を表す電気信号を発生す
る。スキャンによりX線投影データを収集する間に、ガ
ントリ12およびガントリ上に装着された構成部品は回
転軸26の周りを回転する。
【0020】ガントリ12の回転およびX線発生デバイ
ス16の動作は、CT装置10の制御機構28により制
御されている。制御機構28は、X線発生デバイス16
に電力およびタイミング信号を供給するX線制御装置3
0と、ガントリ12の回転速度および位置を制御するガ
ントリ・モータ制御装置32を含む。制御機構28内に
はデータ収集システム(DAS)34があり、これによ
って検出器素子22からのアナログ投影データをサンプ
リングして、このアナログ・データを後続の処理のため
にディジタル投影データに変換する。画像再構成装置3
6は、DAS34からサンプリングされディジタル化さ
れたX線投影データをそのメモリ38内で受け取ると共
に、このメモリ内に格納されたプログラム信号の定義内
容に従って高速の画像再構成アルゴリズムを実行するプ
ロセッサ40を含む。再構成された画像はコンピュータ
42に入力として渡され、このコンピュータにより再構
成画像が大容量記憶装置44内に格納される。
【0021】コンピュータ42はまた、キーボードを有
するコンソール46を介して、オペレータからのコマン
ドおよびスキャン・パラメータを受け取る。付属の陰極
線管表示装置48により、オペレータはコンピュータ4
2からの再構成画像その他のデータを観察することがで
きる。コンピュータ42は、オペレータの発したコマン
ドおよびパラメータに基づき、DAS34と、X線制御
装置30と、ガントリ・モータ制御装置32とに対して
制御信号や制御情報を提供する。さらにコンピュータ4
2は、モータ式テーブル52を制御してガントリ12内
での患者24の位置決めするためのテーブル・モータ制
御装置50を操作する。停止/照射スキャンとも呼ばれ
るアキシャル・スキャンでは、テーブル52により患者
24は位置に対応されており、ガントリ12がこの位置
で患者の周りを回転する。ヘリカル・スキャンでは、こ
れと対照的に、テーブル52は、X線発生デバイス16
がガントリ12の周りを1回転する間のZ軸に沿った変
位に等しい、一定のテーブル速度(s)で患者に対して
移動する。
【0022】図2を参照すると、典型的なハウジング・
ユニット14は、オイル・ポンプ54と、陽極側エンド
56と、陰極側エンド58と、陽極側エンドと陰極側エ
ンドとの間に位置していてX線発生デバイスすなわちX
線管16を収容する中央セクション60とを備える。X
線発生デバイス16は、鉛を内張りしたケーシング64
内の流体チャンバ62に封入されている。このチャンバ
62は一般に、誘電オイルなどの流体66で満たされて
いるが、空気など他の流体を利用することもできる。流
体66はハウジング14を循環し、X線発生デバイス1
6を冷却すると共に、ケーシング64をX線発生デバイ
スによる高電圧電位から絶縁する役割を果たす。流体6
6を冷却するためのラジエータ68が中央セクションの
片側に配置され、またこのラジエータは、これに接続さ
れていて、高温のオイルがラジエータを循環する際に、
このラジエータへ冷却用空気の流れを生じさせるファン
70およびファン72を備えていてよい。X線発生デバ
イス16と連絡するための電気的接続は、陽極側レセプ
タクル74および陰極側レセプタクル76を介して実現
される。窓78によってケーシング64からX線を放出
できる。
【0023】図3と図4を参照すると、典型的なX線発
生デバイス16は、容器84の真空内に配置された回転
ターゲット陽極アセンブリ80及び陰極アセンブリ82
を備える。固定子86が、回転ターゲット陽極80の近
傍で、真空容器84を覆うように配置される。熱蓄積ア
センブリ88がターゲット陽極80と陰極82との間に
配置される。陰極アセンブリ82および陽極アセンブリ
80と接続された電気回路が通電されると、電子ストリ
ーム90が中央空洞92内を通り、加速されて陽極アセ
ンブリ80に導かれる。この電子ストリーム90は陽極
アセンブリ80上の焦点94に衝突して、高周波電磁波
96すなわちX線と、残余エネルギを発生させる。この
残余エネルギは、X線発生デバイス16内のコンポーネ
ントによって、熱として吸収される。X線96は、真空
中を熱蓄積アセンブリ88内のアパーチャ100の方向
に導かれる。アパーチャ100は、X線96をコリメー
トし、これにより患者24(図1参照)が受ける放射線
被曝線量を低減できる。
【0024】アパーチャ100内にはX線透過窓102
が配置され、X線96を効率よく通過させる材料で構成
されている。透過窓102は、有用で診断に必要なエネ
ルギ量だけのX線96を透過することが好ましい。たと
えば、コンピュータ断層撮影用に応用する場合、この有
用で診断に必要なX線96のエネルギ範囲は、概ね60
keVから140keVである。しかしながら、当業者
であれば理解されるように、この有用で診断に必要なエ
ネルギ範囲は、応用する対象によって異なる。透過窓1
02は、ジョイント部104において熱蓄積アセンブリ
88に、真空ろう付けや溶接などの方法によりハーメチ
ック・シールされている。シール部104は、真空容器
84内を真空に保つ作用をする。また、フィルタ106
を陽極アセンブリ80と透過窓102との間に配置し、
アパーチャ100内に取り付けられている。透過窓10
2と同様に、フィルタ106は、診断に寄与するX線9
6を通過させることができる。このように、X線発生デ
バイス16は、残余エネルギおよびこのX線発生デバイ
スから出てフィルタ106と窓102を通るように導か
れるX線96を発生させる。
【0025】通常は、X線発生デバイス16の全パワー
の1%未満がX線96に変換される。残余エネルギはパ
ワーの残りの部分で構成され、実際上は熱に変換され
て、X線発生デバイス16内の各コンポーネントによっ
て吸収される。この残余エネルギには、陽極アセンブリ
80からの放射熱エネルギと、この陽極アセンブリから
それた後方散乱電子の運動エネルギとが含まれる。通常
は、X線発生デバイスの全パワーの約70%が放射熱エ
ネルギに変換されて、陽極アセンブリ80で熱として吸
収される。これ以外の全パワーの約30%は後方散乱電
子98の運動エネルギである。この運動エネルギは、真
空容器84内のコンポーネントに衝突し、最終的には熱
エネルギに変換される。このように、X線発生デバイス
16の全パワーのほとんどが、最終的にはこのデバイス
内で熱エネルギになる。
【0026】熱蓄積アセンブリ88は、吸収された後方
散乱電子98によって生ずる残余エネルギ(すなわち熱
エネルギ)と、陽極80から放出される放射熱エネルギ
とを実質的にすべて吸収し蓄積するだけの熱容量を有す
る本体部108を備える。熱蓄積アセンブリによって蓄
積された残余エネルギ量は、X線発生デバイス16の全
パワーの概ね10%から40%を占めることが好まし
い。熱蓄積アセンブリ88は、後方散乱電子98の運動
エネルギの実質的にすべてを吸収し蓄積する。このよう
に、熱蓄積アセンブリ88は、この運動エネルギの最大
で約95%を蓄積する。すなわちX線発生デバイス16
の全パワーの概ね28.5%から38%が蓄積される。
吸収されない5%の運動エネルギは、放射されるか、再
度後方散乱されて陽極アセンブリ80あるいは真空容器
84に戻る。同様に、熱蓄積アセンブリは陽極アセンブ
リ80によって熱として吸収された放射熱エネルギの一
部を吸収し蓄積する。このようにして、熱蓄積アセンブ
リ88は、放射熱エネルギの最大で約10%を蓄積、す
なわち全パワーの最大で約7%を蓄積する。放射熱エネ
ルギの残りの90%は、真空容器84に放射されるか、
あるいは伝導で逃がされる。このように、熱蓄積アセン
ブリはX線発生デバイス16の全パワーの最大で約45
%を吸収し蓄積するだけの十分な熱容量を有している。
【0027】吸収し蓄積された熱エネルギは、実際には
熱交換チャンバ112内を循環する冷却用流体110に
伝達される。冷却用流体110は、吸収し蓄積した熱エ
ネルギを最終的には系の外に伝達する。しかし、この本
体部108の熱容量のために、循環する流体110への
熱エネルギ伝達率が、熱エネルギ蓄積デバイス88への
熱エネルギ伝達率を有意に下回ることが可能であるので
有利である。この熱容量により熱蓄積デバイス88は、
冷却剤界面112aでの流出熱伝達率を大きく超える流
入熱伝達率を、内面において有することが可能となる。
従来技術による典型的な薄壁デバイスでは、流出熱伝達
率によって流入熱伝達率が制限されるため、これを実現
することができない。このように、熱蓄積アセンブリ8
8は、残余エネルギの多くの部分を直ちに吸収し蓄積
し、陽極アセンブリ80の冷却を助ける。これは、吸収
されたエネルギを引き続いてX線発生デバイス16から
外へ伝達させるのに有利である。
【0028】熱蓄積アセンブリ88は、大きな熱拡散率
と熱蓄積容量を有する材料、たとえば銅やGlidCo
p(登録商標)合金など銅合金で製造された構造物で構
成すること好ましい。熱蓄積アセンブリの本体部に用い
られる材料は、真空中で大きな熱束に耐える得るもので
なければならない。熱蓄積アセンブリ88の材料組成に
関する最も重要な制約条件は、熱束を受ける内面が溶融
しないということである。過渡的加熱に関する性能指数
を用いて、異なる材料間の比較をすることができる。融
点Tmをもつ材料でX線パルス照射前の表面温度がT0
とき、限界熱束量q''は次の比例式で表される。
【0029】 q'' ∝ (ρCpk/t)1/2(Tm−T0) (式1) ここで、ρは材料の密度、Cp は比熱、kは熱伝導率、
tは当該部分が熱束にさらされる時間である。過渡的加
熱に関し最大の性能指数を有する材料は、モリブデンや
タングステンなどの耐熱金属である。ある熱束の下での
銅の表面溶融耐力はモリブデンの耐力の約75%であ
り、真空容器84の代表的な材料の1つであるステンレ
ス鋼に比べ3倍優れている。
【0030】材料選択にあたり重要な別の性能指数は、
材料の気化に関するものである。気化した中性原子は、
高電圧用絶縁物の表面に付着した場合に、絶縁破壊を引
き起こすおそれがある。また、気化した中性原子は、透
過窓102上に付着した場合、X線に無用な減衰を生じ
させるおそれがある。一般に、厚さdのプレートが、熱
束q''を片面に受け、反対面で対流式冷却を受けている
場合、このプレートの両側の温度差は次の関係式で決定
される。
【0031】 q'' ∝(T0−Tf)/[(1/h)+(d/k)] (式2) ここで、hは伝熱係数、kは熱伝導率、Tf は冷却用流
体の初期温度である。もしT0 が最大許容表面温度であ
れば、限界熱束量は伝熱係数の関数として算定できる。
極めて大きな伝熱係数に関しては、銅が最高ランクの材
料として挙げられる。単一相対流の場合に典型的な伝熱
係数に関しては、耐熱金属が薄い構造物に対して最良で
あり、厚い構造物(>1cm)に対しては銅が好まし
い。
【0032】大きな熱束を受ける構造物は、結果として
生じる熱応力にも耐えうるものでなければならない。弾
性限界に達するまでの範囲での最大熱束量を示す、過渡
的加熱に対する熱応力の性能指数は、次式で得られる。
【0033】 q'' ∝ [(1−ν)σy (ρCpk)1/2]/(Eα) (式3) ここで、νはポアソン分布の定数、σy は材料の降伏強
さ、ρは密度、Cp は比熱、kは熱伝導率、Eは弾性係
数、αは熱膨張係数である。過渡的加熱に関しては、グ
ラファイトおよびTZMなどのモリブデン合金が性能と
して最良であり、ベリリウム、タングステンおよび銅
は、性能面ではかなり劣る。
【0034】定常加熱に対しては、熱応力の性能指数は
次式で定義できる。
【0035】 q'' ∝ [2(1−ν)kσy]/(Eα) (式4) ここでもまた、グラファイトおよびTZMが最良の材料
であり、銅、アルミニウムおよびベリリウムは中程度で
ある。ステンレス鋼は、定常加熱に関しても過渡的加熱
に関しても、材料として極めて劣る。このように、銅お
よび銅合金は上記の性能指数のすべてに対して比較的に
高得点であり、また真空で利用するのに極めて都合がよ
い材料でもある。
【0036】内面88aでの熱発生率が冷却用流体11
0への熱伝達率を超えることを許容できるという利点が
得られるほどの大きな熱容量を実現するためには、本体
部108が十分な質量すなわち体積を有することが有利
である。十分な熱蓄積容量を得るためには、本体部10
8が、熱蓄積アセンブリ88の全体積のかなりの部分を
占めることが有利である。実質的に中空であり、迅速に
熱伝達する能力を必要とする従来技術によるデバイスと
比較すると、熱蓄積アセンブリ88は、実質的に中実と
言える。本体部108は、熱蓄積アセンブリ88の体積
の約60%を占めることが好ましく、より好ましくは約
70%以上、さらに最も好ましくは約80%以上を占め
るのがよい。この結果、熱蓄積アセンブリ88が、後方
散乱電子98および陽極アセンブリ80からの放射熱エ
ネルギによりX線発生デバイス16内で発生した熱エネ
ルギのヒートシンクの役割を果たす一方、熱エネルギを
冷却用流体110に直ちに伝達する必要がないだけの熱
蓄積容量を提供できるので有益である。このように、本
体部108の体積が大きいので、本体部108から流体
110への熱エネルギ伝達率が、後方散乱電子98およ
び陽極80の放射熱エネルギから本体部108への熱エ
ネルギ伝達率よりも実質的に小さい場合でも許容できる
ほど十分に大きな熱容量を提供できるので有益である。
【0037】上記のように、残余エネルギは、熱せられ
た陽極アセンブリ80からの放射熱エネルギと後方散乱
電子98の運動エネルギよりなる。後方散乱電子98は
その後、X線発生デバイス16内のさまざまなコンポー
ネントに衝突する。その際に、陽極80に再度衝突して
焦点外X線を発生させ、また熱エネルギを伝達すること
などが起こる。このように、後方散乱電子98による熱
エネルギおよび陽極の放射エネルギによる熱エネルギ
は、X線発生デバイスの各コンポーネントを高温にし、
また熱応力を与える。
【0038】特に透過窓102は、焦点94のごく近傍
に位置するため、残余エネルギからのこの熱の影響を受
けやすい。透過窓102は、ベリリウム、アルミニウ
ム、ガラス、あるいはチタンなどのかなり低原子番号の
材料の薄いプレートで形成されるのがふつうである。透
過窓102は、通常真空容器84の外面の一部を形成す
るため、ジョイント部104はX線発生デバイス16の
耐用期間の全体を通じて真空気密を保つ必要がある。後
方散乱電子98および高温の陽極による熱放射に起因す
る大きな熱負荷によって、透過窓102は極めて大きな
熱応力を受け、ひいては故障を早めることにつながる。
さらに、真空容器84および透過窓102は、トランス
オイルや誘電オイルなどの流体66によって冷却される
のがふつうである。透過窓102上が高温になると、流
体66が透過窓の表面で沸騰を起こすおそれがあり、こ
の場合結果として画像アーチファクトや流体の劣化を起
こすことがある。
【0039】熱蓄積アセンブリ88は、後方散乱電子9
8および陽極80の放射熱エネルギを捕獲すると共に、
これを吸収し蓄積することによって、これらの熱応力を
減少させる。熱蓄積アセンブリ88は、X線照射の時間
内に吸収した残余エネルギの実質的にすべてに相当する
熱エネルギ量を蓄積できることが好ましい。熱蓄積アセ
ンブリ88により吸収されたエネルギの関係式は次のよ
うに定義される。アセンブリ88によって吸収されたX
線発生デバイスのパワーの総和は残余エネルギに起因
し、これをQと表す。本発明では、熱蓄積アセンブリ8
8を出る熱率伝達容量(heat rate transfer capacity)
t を実質的に超える値をもつ熱率蓄積容量(heat rate
storage capacity)qs を実現できると有利である。本
発明のエネルギ伝達計算式は次式で定義される。
【0040】 Q=qs+qt (式5) ここで、 qs=mCp(dT/dt) (式6) また、 qt=hAsΔT (式7) であり、またmは熱蓄積アセンブリ88の本体部の質量
(単位:キログラム(kg))、Cp は材料の比熱(単
位:J/Kg/°C)、dT/dtは本体部の温度の時
間変化率、hは熱交換チャンバ112の伝熱係数(単
位:W/m2 /°C)(この値はチャンバの寸法および
使用する冷却用流体110の種類により異なる)、As
は冷却剤界面112aの面積(単位:m2 )、そしてΔ
Tは冷却剤界面と流体との間の温度差(単位:°C)で
ある。上記の計算式を動作状況に当てはめるには、変数
m、hおよびAs の値をさまざまに変えることにより課
題の解を得る。熱蓄積アセンブリ88は中実な構造であ
るためヒートシンクの役割を果たし、X線発生デバイス
16を大出力で一過性に動作させる間の熱エネルギを蓄
積しておくことができるので有益である。また、蓄積さ
れたエネルギは、放射線撮影検査と次の撮影検査との間
に、循環させた冷却用流体110によって熱蓄積アセン
ブリ88の本体部108から除去することができ有益で
ある。
【0041】理想的には、熱蓄積アセンブリ88は、通
常のスキャン手順中に内面88a上に入射し吸収された
残余エネルギに起因するパワーQの実質的にすべてを蓄
積できる熱率蓄積容量qs を有する。換言すれば、熱蓄
積アセンブリ88は電子ビーム90からパワーのうち、
X線96に変換されず、かつ放射されるか後方散乱され
て内面88aに到達したパワー量を吸収する。パワー量
すなわち熱蓄積アセンブリにより吸収された残余エネル
ギ量Qは、X線発生デバイス16の全パワーに対して、
約10%から40%の範囲であることが好ましく、15
%から40%の範囲であることがより好ましく、また2
5%から40%の範囲であることが最も好ましい。これ
により、同等なパワー値をもつX線発生デバイス16で
デューティ・サイクルが向上するので有利である。
【0042】このデューティ・サイクルの向上により、
X線発生デバイスをより長い時間稼働状態とすることが
でき、これにより患者スループットおよび検査効率が高
められる。たとえば、本発明により、X線発生デバイス
16は次の全パワーレベルおよび照射時間で稼働でき
る。すなわち、連続稼働では約0から12kW、最大約
5分間の照射では約30kW、最大約30秒間の照射で
は約65kW、最大約10秒間の照射では約78kWの
稼働が可能である。このように本発明では、X線発生デ
バイス16の効率が向上するので有利である。
【0043】ワット単位(W)で計ったX線発生デバイ
ス16の全パワーは、加速用ポテンシャル(kV)と陰
極アセンブリ82からの一次電子ビーム電流(mA)と
の積に等しい。通常は、稼働時の全パワーは約10kW
から78kWの範囲である。この全パワーは、60kV
から140kVの範囲の加速用ポテンシャルすなわち電
位差および、約100mAから600mAの範囲の電流
に基づく。このように、熱蓄積アセンブリ88により吸
収されるパワー量Qは、上記の比率に基づき、約1kW
から31kWの範囲であり、より好ましくは1.5kW
から31kWの範囲であり、最も好ましくは2.5kW
から31kWの範囲である。
【0044】式6のqs =mCp (dT/dt)を用い
て、所定のパワー吸収値Qを処理することが可能である
ような熱蓄積アセンブリの特性を決定できる。当業者で
あれば理解するであろうように、式6の各変数はそれぞ
れに数値範囲をもっており、このため課題に対し所望の
解が得られるように、どの変数も値を置換することがで
きる。たとえば、これに限定するという意味ではなく、
好ましい動作状況では、質量mは約4kgから7kgの
範囲であり、Cp は約385から450J/Kg/°C
の範囲であり、dTは約0°Cから750°Cの範囲で
あり、またdtは約0秒から600秒(sec)の範囲
である。温度によって異なる変数Cp は、熱蓄積アセン
ブリ88の材料によって決まる。同様に変数dTは材料
の温度上昇限界により決まる。また変数dtはX線照射
時間によって決まる。一般に、質量mをさまざまな値と
し、dT/dtの比が過大とならないようにする。この
ように、当業者には明白であるように、式6のパラメー
タは動作条件に適合するように変更できる。
【0045】以下に示すのは式6を利用した具体例であ
り、これにより課題に対する可能な解決法の1つが示さ
れる。これは例であって、限定をしようという意図はな
い。65000ワットの全パワーを有するあるX線発生
デバイスで、その熱蓄積アセンブリが30%収集率を有
するとした場合、この熱蓄積アセンブリは、65000
×(0.3)=19500(W)を処理しなければなら
ない。照射時間が30秒間継続する場合、熱蓄積アセン
ブリの平均温度が300°Cだけ増加する。すなわち、
Q=19500W、dT=300°Cおよびdt=30
sec、また銅の場合Cp =385J/Kg/°Cであ
る。したがって、必要となる熱蓄積アセンブリの本体部
の質量mは、この具体例では約5kgである。
【0046】実際には、熱蓄積アセンブリ88は熱率伝
達容量qt をもつために、5kg未満の値を使用するこ
とができる。冷却用流体110は、この30秒の照射の
間に、この19500Wの何分の1かを除去しているの
で、熱蓄積アセンブリ88は吸収したパワーQのすべて
を蓄積する必要はない。しかし、本発明では熱率蓄積容
量qs を利用して、吸収したパワーQのかなりの量を蓄
積する、これによりq s はqt よりも有意に大きな値に
できる。たとえば、これに限定するという意味ではな
く、qt に対するqs の比は、概ね1:1から5:1以
上の範囲であり、この違いはそのアセンブリの動作条件
および設計に基づく。これによって、吸収したパワーの
すべてを即時に除去することが必要であるようなデバイ
スに関連した問題、たとえば流体の沸騰や起こりうる薄
壁構造物の溶融などの問題を回避することができる。こ
のように、本発明は熱エネルギの伝達先として次の2つ
を備える。すなわち、熱蓄積アセンブリの質量内に一時
的に蓄積するものと、即時に対流によって冷却用流体に
伝達するものである。
【0047】本発明では、X線発生デバイス16がより
長い継続時間動作できるので有益である。また、X線ビ
ームの発生間隔に伴う通常の休止期間を利用して、過剰
の熱エネルギを伝達できるので有利である。このよう
に、熱蓄積アセンブリ88は、冷却用流体110への熱
エネルギの伝達率を上回って熱エネルギを蓄積できるの
で有利である。
【0048】熱蓄積アセンブリ88の外面88bの一部
は、真空容器84の外面の一部を形成することがある。
また別法として、当業者であれば理解するであろうよう
に、熱蓄積アセンブリ88は真空容器84内に完全に封
入されることがある。熱蓄積アセンブリ88は、真空容
器84とジョイント部114で結合され、気密の真空シ
ールを提供することが好ましい。ジョイント部114
は、ステンレス鋼などの真空容器材料を銅や銅合金など
の熱蓄積アセンブリの材料にハーメチックに結合させる
ための、ろう付け、溶接、その他同様で周知の方法によ
って形成されることがある。熱蓄積アセンブリ88に、
真空容器84の外面の一部を形成させることは、多くの
面で有利である。たとえば、本実施例では、熱蓄積アセ
ンブリ88の一部は流体66に直接接触しており、この
ため、熱蓄積アセンブリの表面の流体と接触する面積を
増加させることができる。この結果、熱蓄積アセンブリ
88の熱伝達能力が高まる。
【0049】さらに、熱蓄積アセンブリ88の本実施例
では、たとえば、ろう付け、溶接その他の従来の方法に
よって、透過窓102を熱蓄積アセンブリに直接取り付
けることができるので有益である。透過窓102を熱蓄
積アセンブリ88に取り付けていることにより、真空ジ
ョイントを形成するための優良な界面を提供できるので
有利である。たとえば、代表的な銅製の熱蓄積アセンブ
リ88が、代表的なベリリウム製の透過窓と、信頼性の
高いろう付け真空ジョイントを形成できる。一方、ベリ
リウム製の透過窓をステンレス鋼製の真空容器と結合さ
せると、ベリリウムとステンレス鋼との熱特性の不整合
による問題が起こるおそれがある。この場合には、熱応
力のためにジョイント部の不具合につながる。このよう
に、真空容器84の外面の一部を形成させた熱蓄積アセ
ンブリ88を提供しているため、本発明では熱伝達およ
び信頼性が向上する。
【0050】さらに、熱蓄積アセンブリ88は広い面積
にわたって熱エネルギを吸収させるように形成されると
有益である。これによって内面88aの面積全体にわた
って平均熱束数を少なくできる。この点では、中央空洞
92により内面88aの表面積が大きくなり、焦点94
に対し直接露出する、したがって後方散乱電子98およ
び陽極の放射熱エネルギに対しても露出した状態とな
る。さらに、従来の技術に比べ、熱蓄積アセンブリ88
の内面88aと焦点94との間隔が比較的広いため、後
方散乱電子98は捕獲されるまでにより大きな拡散を起
こすことができ、内面88a上の局所的な熱束の大きさ
を大幅に減少させることができる。本発明では、内面8
8aの位置で算定される熱束は、X線発生デバイス16
の電流100mAあたり概ね0.7W/mm2 である。
たとえば、570mAの電流を有するX線発生デバイス
では、熱蓄積アセンブリ88の内面88aに対する熱束
は、概ね4W/mm2 である。同様に100mAと30
0mAでは、熱蓄積アセンブリ88の内面88aに対す
る熱束は、概ねそれぞれ0.7W/mm2 および2.1
W/mm2 である。この値は、従来技術による代表的な
設計値よりはるかに小さい。本発明であっても、収集す
る熱エネルギは、従来技術とほとんど同じ量であるが、
熱の収集方法および収集箇所に関して創意工夫をし、設
計の複雑性を大幅に減免している。このように、内面8
8aの表面積が大きいため、即時に熱伝達をしなければ
ならない従来技術のデバイスに比べ、内面88aでの平
均熱束量をかなり低減できる。
【0051】また、熱蓄積アセンブリ88は陽極アセン
ブリ80と同じ電気的ポテンシャルとし、後方散乱電子
98が熱蓄積アセンブリから反跳せず、これにより熱蓄
積アセンブリで収集される後方散乱電子の量が最大にで
きることが好ましい。さらに、熱蓄積アセンブリ88は
導電率が高いため、電荷は急速にアースに排出され、こ
のためX線発生デバイス16に蓄積される電荷は軽減さ
れる。
【0052】熱蓄積アセンブリ88の内面88aは、円
筒形で平滑であることが好ましく、これによりすぐれた
高電圧安定性が得られる。内面88aが平滑であるた
め、陰極アセンブリ82から本体部108への無用な放
電の原因となりかねない細かな欠陥すなわち凹凸を避け
ることができる。さらに、内面88aと高電位である陰
極アセンブリ82との間隔が十分に取られているため、
熱蓄積アセンブリ88への高電圧の絶縁破壊を防ぐこと
ができる。
【0053】さらに、熱蓄積アセンブリ88は、実質的
にX線を透過させない材料を含むことと、アパーチャ1
00を設けることにより、透過窓102を透過するX線
96をコリメートする役割を果たす。通常は、焦点94
で発生したX線96だけがX線発生デバイス16から出
てくることが望ましい。陽極アセンブリ80の焦点94
の部分以外の領域など、デバイス16内のコンポーネン
トに後方散乱電子98が衝突することにより、焦点外X
線が発生することがある。この焦点外X線には、透過窓
102の方向に向かうものがある。また、この散乱する
焦点外X線は、画像品質を劣化させ、また無用な熱負荷
を陽極80および透過窓102に与えることになる。熱
蓄積アセンブリ88は、X線をコリメートする役割を果
たすアパーチャ100を設けることにより、この焦点外
X線がデバイス16から出てくるのを防いでいる。放射
線を制限する、すなわちコリメートするのに適し、X線
ビーム96を実質的に焦点94を起点とさせるものであ
れば、アパーチャ100はいかなる形状および寸法でも
よい。さらにアパーチャ100は、陽極80から透過窓
102へのX線96の経路に沿って本体部108に配置
された狭い経路を設けることにより、透過窓102を熱
から遮蔽している。このように、アパーチャ100によ
り、透過窓102および真空容器84の透過窓に連なる
部分が、有害な後方散乱電子98や陽極80からの放射
熱エネルギにさらされるのを劇的に制限している。
【0054】上記のように、本体部108は、熱交換チ
ャンバ112を通って循環する冷却用流体110に熱エ
ネルギを伝達する。熱交換チャンバ112は、熱蓄積ア
センブリ88の周辺で、後方散乱電子98や陽極アセン
ブリ80からの放射熱エネルギを吸収している熱蓄積ア
センブリの内面88aから離れた位置に形成されること
が好ましい。熱交換チャンバ112は、熱蓄積アセンブ
リ88の体積に対して約40%未満であることが好まし
く、30%未満であることがより好ましく、20%未満
であることが最も好ましい。こうした配置により、吸収
した熱エネルギが本体部108の大きな質量の全体に拡
散し、これにより熱交換チャンバ112の表面で冷却用
流体110と本体部108がつくる界面112aにおけ
る熱束および表面温度が低下する。たとえば、あらかじ
め内面88aに4/mm2 の熱束が与えられていると、
これに対応する冷却剤界面112aでの熱束は、概ね
1.2W/mm2 となる。換言すると、熱蓄積デバイス
88の熱容量を活用するこの例では、冷却剤界面112
aでの熱束は、内面88aでの熱束の約30%に過ぎな
い。したがって、本発明により、内面88aでの熱束は
冷却剤界面112aでの熱束を大幅に超えることができ
る。たとえば、流入する熱束が、流出する熱束の100
%から333%の範囲とすることができる。一方、従来
技術による代表的なデバイスでは、流入熱束と流出熱束
の間の関係が概ね100%未満の最高値を提供するに過
ぎない。これは、従来技術による代表的なデバイスは、
熱蓄積容量が極めて不十分なためである。熱蓄積アセン
ブリ88の熱蓄積容量によって、冷却剤界面112aで
の熱束を低く抑えることができるので有利である。冷却
剤界面112aでの熱束が低いほど、冷却用流体が沸騰
することがないので有利である。流体110が沸騰する
と、さまざまな悪影響を及ぼすおそれがある。たとえ
ば、好ましくない流体圧の大幅な低下、冷却剤の劣化の
おそれ、溶融による熱蓄積アセンブリ88の突発的障害
などである。さらに本発明では、内面88aにおいて熱
エネルギのより多くの部分を吸収できるため、流体11
0の熱伝達容量のために熱伝達アセンブリ88が吸収で
きる残余エネルギの量が制限されることが避けられる。
このように、本発明では、内面88aに所定の熱束が与
えられたときの冷却剤界面112aでの熱応力を、薄壁
構造物の場合に比べ大幅に減少させている。
【0055】本発明では、熱交換チャンバ112内の冷
却用流体110を、ポンプ54(図2参照)によって真
空容器フレームの周りを循環する、たとえば誘電オイル
などの冷却用流体66の本体の一部とすることがある。
流体112および流体66として同一の流体を利用する
ことによって、別の冷却系統や特別な流体を備える必要
がない。これらを必要とする点で従来技術は不利であ
る。循環流体66はラジエータ68(図2参照)を出る
と、2つの流体循環系統に分かれる。第1の系統によ
り、真空容器84とケーシング64(図2参照)の間に
流体66を循環させる。一方、第2の系統により、熱蓄
積アセンブリ88の熱交換チャンバ112を通り、流体
110を循環させる。好ましい実施態様では、流体66
の本体の一部が、流入口チューブ116を通って熱蓄積
アセンブリ88の熱交換チャンバ112に導かれる流体
110を形成する。熱交換チャンバ112を通って循環
した後、流体110は流体出口118で熱蓄積アセンブ
リ88から出て、再循環するために流体66と混合され
る。流入口チューブ116はラジエータ68から熱蓄積
アセンブリ88まで通っており冷却用流体110の流れ
の信頼性が保証されることが好ましい。他の接続に関し
ては当業者であれば明白であろう。このように、本発明
は、同じ流体を利用するという利点をもつ循環冷却系
で、別々に2系統を備えるという点で有利である。
【0056】さらに、フィルタ106は、後方散乱電子
98を吸収し、かつ高温の陽極80から吸収した熱エネ
ルギを熱蓄積アセンブリ88に伝達することによって、
診断に有用なX線96を透過させながら、熱の影響を受
けやすい透過窓102を保護する。フィルタ106は、
その表面に衝突する後方散乱電子98のほとんどを捕獲
する、熱伝導性のよい材料でできた薄いプレートを含
み、これにより後方散乱電子が陽極80に戻ったり、あ
るいは透過窓102に衝突するのを防ぐ。さらにフィル
タ106の材料は導電性のものであるため、フィルタに
電荷が蓄積することがない。また、フィルタ106は、
真空容器の高温環境内でも物理的および化学的に安定な
材料からなる。したがって、フィルタ106は、たとえ
ば原子番号が概ね22以下である材料などの低原子番号
の材料からなるのが好ましい。こうすると診断に有用な
X線の透過が可能である。たとえば、フィルタ106と
してはベリリウム、一般グラファイト、パイロリティッ
ク・グラファイト、チタン、炭素、アルミニウムなどが
ある。一般グラファイトは、比較的高温特性に優れてい
るため有利である。同様にパイロリティック・グラファ
イトは熱伝導率が高いので有利である。このように、フ
ィルタ106は、透過窓102が残余エネルギにさらさ
れる量を低下させ、これにより透過窓内の熱応力が減少
するので有利である。
【0057】フィルタ106を取り付けるための方法
は、フィルタ本体からの熱伝達の抵抗が低くなるように
選択すべきである。しかしフィルタ106は、構造上は
真空容器84の一部分ではないため、フィルタから熱エ
ネルギを効率よく逃がすのに適当な方法で真空容器に取
り付ける。たとえば、フィルタ106は片側だけで固定
的に取り付けることがあり、あるいは動きばめを用いて
取り付けられることがある。フィルタ106は、熱蓄積
アセンブリ88のアパーチャ100内に取り付けられる
ことが好ましいが、多くの周知の方法のいずれかにより
真空容器84内に独立に取り付けることもできることは
当業者であれば理解するであろう。取り付け方法として
は、溶接など他の同様な方法を利用することも可能であ
るが、フィルタ106を熱蓄積アセンブリ88に真空ろ
う付けする方法を含むことが好ましい。またフィルタ1
06が一般グラファイトまたはパイロリティック・グラ
ファイトを含む場合には、ろう付けを容易にするため、
ベリリウム製キャリアの内部に封入することがある。た
とえば、ベリリウム製プレートをフライス加工し、グラ
ファイトを挿入し、次に別のベリリウム製プレートをこ
のグラファイトにかぶせてろう付けし封入する。最後
に、透過窓102の場合と異なり、フィルタ106は熱
蓄積アセンブリ88とハーメチック・シールを形成する
必要はない、しかし本体部108に接触するように取り
付け、フィルタが捕獲した熱エネルギを伝達させるため
の熱伝導経路を設けておくことだけは必要である。この
ように、フィルタ106は、透過窓102およびジョイ
ント部104内の熱応力を減少させるのに役立つ。
【0058】透過窓102を熱応力からさらに保護する
ために、反射性が高く、高原子番号を有する薄層を備え
るコーティング層119を、フィルタ106の陽極側表
面にもたせることがある。コーティング層119に適す
る材料としては、たとえば金、白金、タンタルなど70
を超える原子番号を有する材料がある。コーティング層
119の材料が高原子番号の特性をもつため、陽極アセ
ンブリ80から放出されコーティング層に衝突した後方
散乱電子98の多くの部分を、再度散乱させるのに役立
つ。表面で後方散乱を受ける電子の割合は、材料の原子
番号の増加に伴って増大し、70を超える原子番号に対
しては概ね50%に達する。たとえば、フィルタ106
がむき出しのベリリウムあるいは炭素であった場合、フ
ィルタが吸収する入射電子のエネルギすなわちパワーは
90%を超える。これに対し、フィルタ106が、たと
えば金(原子番号=79)などのコーティング層119
を陽極側表面に備える場合には、入射パワーの概ね50
%を吸収するに過ぎず、残りは再度散乱させてしまう。
白金やタンタルでも同様の結果が得られる。コーティン
グ層119は、フィルタ106上に入射する後方散乱電
子98を再度散乱させるだけの厚さを有する一方、診断
上有用なX線96を過度に減衰させることなく透過させ
るだけの十分な薄さとすることが好ましい。たとえば、
高原子番号のコーティング層119の厚さは、ほんの数
マイクロメートルであり、6マイクロメートル未満であ
ることがほとんどである。高原子番号のコーティングの
別な利点として、(被曝の原因となる)低エネルギのX
線を減衰させるということがある。低エネルギX線が含
むX線のエネルギは、診断に寄与せず、また有用でな
い。上記のように、通常のコンピュータ断層撮影法に応
用する場合、診断上有用なX線のエネルギ・レベルは、
約60keVから140keVの範囲である。このよう
に、コーティング層119により、透過窓102が陽極
アセンブリ80で発生した残余エネルギにさらされる量
が低下すると共に、真空容器84およびX線発生デバイ
ス16を出る不要X線量が低減されるので有利である。
【0059】さらに、コーティング層119は高温の陽
極アセンブリ80によって放出され入射する熱放射のほ
とんどすべてを反射する役割を果たす。たとえば、金を
含むコーティング層119を有するフィルタ106は入
射してくる熱放射の99%を超える部分を反射する。こ
うして結果として、陽極側の高原子番号のコーティング
層119により、フィルタ106による透過窓102に
対する後方散乱電子98および高温の陽極アセンブリ8
0による熱エネルギからの遮蔽が向上するので有益であ
る。
【0060】本発明に関する様々な実施の形態について
以下に述べる。各図の全体を通じて、同じ要素には同じ
参照番号を付与してあることに留意されたい。
【0061】図5を参照すると、本発明の実施の別の一
形態では、熱蓄積アセンブリ120は、内面122a上
に配置された、所望の放射率を得るためのコーティング
層124を有する本体部122を備える。コーティング
層124は、本体部の材料よりも原子番号が小さく、ま
た高温性能に優れ、電子の後方散乱が少ない材料を含
む。この種のコーティング層124に適する材料とし
て、ベリリウムや炭素含有材料などがある。コーティン
グ層124の原子番号が小さいほど、このコーティング
層によって、本体部122の内面120aがむき出しの
場合よりも入射する後方散乱電子のエネルギのうちのよ
り多くの割合を吸収することができる。一方、コーティ
ング層124は、本体部122の材料と比べ、より原子
番号が大きい材料を含むことがある。コーティング層1
24は金やタングステンなど概ね70を超える原子番号
をもつ材料であることが好ましい。コーティング層12
4の原子番号が大きいほど、2次的後方散乱が多くな
り、結果として本体部122内の熱束の吸収が少なくな
る。同様に、内面のコーティング層124はまた、本体
部122の材料と比べ、より高い放射率を有すると有益
である。コーティング層124の放射率が高いほど、高
温の陽極80などからの放射熱エネルギをそれだけ多く
吸収することができる。放射率が高いコーティング層1
24を得るために適した材料としては、炭素、酸化鉄、
Rene80、その他多数の例があることは、当業者で
あれば明白であろう。コーティング層124は、溶射
法、化学蒸着法(CVD)、スパッタリング法などの周
知の処理法を用いて、内面122aに塗布できる。この
ように、コーティング層124を利用することによっ
て、内面上に収集される熱束の大きさを設計に反映させ
ることが可能となる。
【0062】図6を参照すると、本発明に関する実施の
別の一形態によれば、熱蓄積アセンブリ130は、さら
にスリーブ部材132を含み、X線をさらに減衰させて
いる。スリーブ部材132は、真空ろう付け法や焼ばめ
法によって本体部134の内面134aに取り付けられ
る。スリーブ部材132は、原子番号が70を超える材
料(好ましくはタングステン)で製造し、大きなX線の
減衰を得ることが好ましい。スリーブ部材132は、X
線96の発生起点の近くに位置しており、局所的にX線
放射を遮蔽する。スリーブ部材132を含め、熱蓄積ア
センブリ130の位置決めは、X線96および陽極80
からさまざまな方向に放出される後方散乱電子98の有
意な部分を捕獲できるようにすると有益である。これに
よって、真空容器84(図示せず)内の散乱放射が減少
する。この結果、通常ケーシング64(図1参照)の内
面に施す厚い鉛コーティングを薄くすることができる
か、あるいはコーティングが不要になる。鉛コーティン
グを薄くできるか、あるいは不要とすることができる
と、結果的として重量を飛躍的に軽くできる。当業者で
あれば理解するであろうように、スリーブ部材132
は、本体部134の内面134aあるいは外面134b
に隣接して配置される。しかし、スリーブ部材132を
内面134aに隣接して配置する利点の1つは、この配
置によってスリーブ132の内側が、後方散乱電子98
からの入射電子エネルギおよび高温の陽極80からの放
射熱エネルギを直接吸収し、この熱エネルギを本体部1
34に伝達し、冷却用流体110(図示せず)を介して
系外に排出できることである。
【0063】図7を参照すると、本発明に関する実施の
別の一形態によれば、熱蓄積アセンブリ140は、本体
部144の内面144a上に形成された、アスペクト比
が大きな複数のスロット142を備える。アスペクト比
が大きなスロット142は、任意の角度とすることがで
きるが、陰極アセンブリ82から陽極アセンブリ80へ
向かって中央空洞92に進入する電子ストリーム90の
経路と平行とするか(図示せず)、あるいは垂直とする
ことが好ましい。アスペクト比が大きなスロット142
は、機械加工、鋳造その他の周知の製造方法によって形
成することができる。
【0064】図8を参照すると、アスペクト比が大きな
スロット142は、内面144aの表面積を増加させて
いる。この増加に応じて、後方散乱電子98および陽極
80からの放射熱エネルギの吸収も増加する一方、内面
全体を横切る平均熱束数は減少する。図8では、後方散
乱電子98は、スロット142に接近し、表面142a
に衝突し、ここで吸収されるか、熱に変換されるか、ま
たは後方散乱される。後方散乱された場合、散乱電子は
表面142bに衝突し、またここで吸収されるか、ある
いは後方散乱される。ここで再び、後方散乱された場
合、表面142cに衝突する。電子98は散乱されるに
つれて、そのエネルギの一部を後方散乱面に与える熱と
して失う。スロット142があるため、起こりうる後方
散乱事象の回数が平滑面の場合より増加し、これにより
表面への熱の付与量が増加する。さらに、起こりうる後
方散乱事象の全体の回数は、スロットの横の長さL2に
対するスロットの縦の長さL1の比を大きくすることに
よって増加させることができる。このアスペクト比が大
きなスロット142は、入射電子のエネルギを捕捉する
と共に、表面積を増加させることにより、平滑な面の場
合と比較して、熱エネルギ伝達に関する実効熱放射率を
高めることができる。また別に、内面144aの熱放射
率を高めるためのより安価な方法として、表面をサンド
・ブラスト処理あるいはグリット・ブラスト処理し、表
面に凸凹を付けるものがある。以上の説明は電子に関す
るものであるが、類似の過程が、スロット142に接近
する放射熱エネルギ(光子)についても起こることは、
当業者であれば理解するであろう。
【0065】要約すると、本発明の態様の1つは、後方
散乱電子と放射熱エネルギを選択的に吸収し蓄積するこ
とにより、熱性能およびデューティ・サイクルを改善さ
せたX線発生デバイスである。本発明の別の態様は、焦
点外放射線をコリメートし減少させることによる、焦点
外放射線および診断に寄与しない患者への被曝線量の大
幅な減少である。本発明のまた別の態様は、後方散乱電
子および放射熱エネルギからの熱束を減少させ、X線透
過窓の無用な加熱を減少させたことである。本発明のさ
らに別の態様は、熱の蓄積・除去能力が高いことによ
り、放射線撮影検査中の冷却待ちを不要としたことであ
る。
【0066】これらの好ましい実施の形態を参照しなが
ら本発明を説明してきたが、別の実施の形態によっても
同様な結果を得ることが可能である。本発明に関する様
々な変更や修正については当業者には明らかであり、本
発明の請求項はこれらの修正その他のすべてを包含する
よう意図している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱蓄積アセンブリを有するX線発
生デバイスを備えるコンピュータ断層撮影装置を表す概
略図である。
【図2】X線発生デバイス(すなわち、X線管)を内部
に位置させるためのハウジングを表す斜視図である。
【図3】本発明による熱蓄積アセンブリを取り付けたX
線発生デバイスの陽極アセンブリの一部を表すように固
定子を破断して描いた部分断面斜視図である。
【図4】熱蓄積アセンブリを取り付けたX線発生デバイ
スの一実施態様の部分断面斜視図である。
【図5】内面上にコーティング層を有する本発明による
熱蓄積アセンブリを取り付けたX線発生デバイスの別の
実施態様の部分断面斜視図である。
【図6】内面上にスリーブを有する本発明による熱蓄積
アセンブリを取り付けたX線発生デバイスのさらに別の
実施態様の部分断面斜視図である。
【図7】内面上にアスペクト比の大きなスロットを含む
熱蓄積アセンブリを有するX線発生デバイスのさらに別
の実施態様の部分断面斜視図である。
【図8】熱蓄積アセンブリ内にあって、後方散乱電子を
受け取るためのアスペクト比の大きなスロットの詳細図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チャールズ・ビー・ケンダル アメリカ合衆国、ウィスコンシン州、ブル ックフィールド、ウィロウ・リッジ・レー ン、16825番 (72)発明者 ダグラス・ジェイ・スナイダー アメリカ合衆国、ウィスコンシン州、ブル ックフィールド、エル・ランチョ・ドライ ブ、2685番 (72)発明者 ブライアン・ダグラス・ラウンズベリー アメリカ合衆国、ウィスコンシン州、シー ンズヴィレ、イースト・フライシュタッ ド・ロード、207番

Claims (58)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング・ユニットと、前記ハウジン
    グ・ユニット内に配置されたX線発生デバイスとを備え
    るX線装置であって、前記X線発生デバイスが、 電子ストリームを発生させる陰極と、 前記電子を受け取って、X線および残余エネルギを発生
    させる陽極であって、前記残余エネルギが前記陽極から
    の放射熱エネルギと前記陽極から後方散乱される前記電
    子の運動エネルギとを含んでいる、陽極と、 前記陰極と前記陽極との間に配置されて、前記残余エネ
    ルギを吸収するための熱蓄積アセンブリであって、当該
    熱蓄積アセンブリへ吸収される前記残余エネルギの伝達
    率が、前記熱蓄積アセンブリから出る前記残余エネルギ
    の伝達率を実質的に超えることを許容するだけの十分な
    熱容量をもつ本体部を有する熱蓄積アセンブリと、を備
    えていること、を特徴とするX線装置。
  2. 【請求項2】 前記熱伝達アセンブリが内面と界面とを
    さらに備え、前記内面が前記界面での対応する流出熱束
    よりも実質的に多くの流入熱束を受ける請求項1に記載
    のX線装置。
  3. 【請求項3】 吸収される前記残余エネルギの量に対応
    する前記熱蓄積アセンブリによって吸収されるパワーを
    Qとしたとき、Qの値が全パワーの約10%から40%
    の範囲であるような全パワーを前記X線発生デバイスが
    有する請求項2に記載のX線装置。
  4. 【請求項4】 前記流入熱束の平均値が100mAあた
    り概ね0.7W/mm2 を超えない請求項3に記載のX
    線装置。
  5. 【請求項5】 qs を前記熱蓄積アセンブリの熱率蓄積
    容量とし、qt を前記熱蓄積アセンブリの熱率伝達容量
    としたとき、Q=qs +qt であり、かつq s がqt
    実質的に超えることができる請求項3に記載のX線装
    置。
  6. 【請求項6】 qs のqt に対する比が、概ね1.0
    5:1から3:1の範囲である請求項5に記載のX線装
    置。
  7. 【請求項7】 前記熱蓄積アセンブリが実質的に中実で
    ある請求項1に記載のX線装置。
  8. 【請求項8】 前記本体部が占める体積が、前記熱蓄積
    アセンブリの体積の約60%を超える、請求項1に記載
    のX線装置。
  9. 【請求項9】 前記X線発生デバイスがさらに前記陽極
    及び前記陰極を収容する真空容器を備え、前記本体部が
    さらに前記真空容器内に配置された内面と、少なくとも
    その一部が前記真空容器の外部に配置される外面とを備
    えている請求項1に記載のX線装置。
  10. 【請求項10】 前記本体部の前記外面の少なくとも一
    部が、前記真空容器の外面の一部を形成している請求項
    8に記載のX線装置。
  11. 【請求項11】 前記陽極が前記電子を焦点において受
    けとり、前記焦点に対して前記本体部の前記内面の全体
    が実質的に露出している請求項1に記載のX線装置。
  12. 【請求項12】 前記熱蓄積アセンブリがさらに、 熱交換チャンバと、 前記熱交換チャンバ内に配置され、前記真空容器から出
    る前記残余エネルギを伝達するための第1の流体と、を
    備えている請求項1に記載のX線装置。
  13. 【請求項13】 さらに、前記X線発生デバイスから出
    る前記残余エネルギの一部を伝達するために前記真空容
    器の周りを循環する第2の流体を備え、かつ前記第1の
    流体及び前記第2の流体が同一の流体本体の一部をなす
    請求項12に記載のX線装置。
  14. 【請求項14】 前記流体本体が誘電オイル出構成され
    ている請求項13に記載のX線装置。
  15. 【請求項15】 前記熱蓄積アセンブリが、前記X線に
    対し前記X線発生デバイスを出るための通路を提供する
    アパーチャであって、前記X線をコリメートするよう設
    計されたアパーチャを前記陽極の近傍にさらに備えてい
    る請求項1に記載のX線装置。
  16. 【請求項16】 前記熱蓄積アセンブリが銅出構成され
    ている請求項1に記載のX線装置。
  17. 【請求項17】 前記X線装置が、コンピュータ断層撮
    影装置、放射線撮影装置、透視装置、血管撮影装置、乳
    房撮影装置、可搬型X線撮影装置、歯科用X線撮影装
    置、および工業用X線装置により構成されるグループの
    中から選択される請求項1に記載のX線装置。
  18. 【請求項18】電子ストリームを発生させる陰極と、 前記電子を受け取って、X線および残余エネルギを発生
    させる陽極であって、前記残余エネルギが前記陽極から
    の放射熱エネルギと前記陽極から後方散乱される前記電
    子の運動エネルギとを含んでいる陽極と、 前記陰極と前記陽極との間に配置されて、前記残余エネ
    ルギを吸収するための熱蓄積アセンブリであって、前記
    熱蓄積アセンブリへ吸収される前記残余エネルギの伝達
    率が、前記熱蓄積アセンブリから出る前記残余エネルギ
    の伝達率を実質的に超えることを許容するだけの十分な
    熱容量をもつ本体部を有する熱蓄積アセンブリと、を備
    えていること、を特徴とするX線発生デバイス。
  19. 【請求項19】 前記熱蓄積アセンブリへの前記残余エ
    ネルギの前記伝達率が、前記熱蓄積アセンブリから出る
    前記残余エネルギの前記伝達率の105%から333%
    である請求項18に記載のX線発生デバイス。
  20. 【請求項20】 吸収される前記残余エネルギの量に対
    応する前記熱蓄積アセンブリによって吸収されるパワー
    をQとしたとき、Qの値が前記X線発生デバイスの全パ
    ワーの約10%から40%の範囲であるような全パワー
    を前記X線発生デバイスが有する請求項18に記載のX
    線発生デバイス。
  21. 【請求項21】 前記本体部が占める体積が、前記熱蓄
    積アセンブリの体積の約60%を超える請求項18に記
    載のX線発生デバイス。
  22. 【請求項22】 さらに前記陽極及び前記陰極を収容す
    る真空容器を備え、前記本体部がさらに、内面と、少な
    くともその一部が該真空容器の外部に配置される外面と
    を備えている請求項18に記載のX線発生デバイス。
  23. 【請求項23】 残余エネルギを生成するX線発生デバ
    イス内で使用される熱蓄積アセンブリであって、前記残
    余エネルギを吸収するための本体部を備え、 前記本体部が、内面及び外面を有し、かつ該熱蓄積アセ
    ンブリへの吸収される前記残余エネルギの伝達率が、前
    記熱蓄積アセンブリから出る前記残余エネルギの伝達率
    を実質的に超えることを許容するだけの十分な熱容量を
    有していること、を特徴とする熱蓄積アセンブリ。
  24. 【請求項24】 前記熱蓄積アセンブリへの前記残余エ
    ネルギの前記伝達率が、前記熱蓄積アセンブリから出る
    前記残余エネルギの前記伝達率の105%から333%
    である請求項23に記載の熱蓄積アセンブリ。
  25. 【請求項25】 吸収される前記残余エネルギの量に対
    応する前記熱蓄積アセンブリによって吸収されるパワー
    をQとしたとき、Qの値が全パワーの約10%から40
    %の範囲であるような全パワーを前記X線発生デバイス
    が有する請求項23に記載の熱蓄積アセンブリ。
  26. 【請求項26】 前記本体部が占める体積が、前記熱蓄
    積アセンブリの体積の約60%を超える請求項23に記
    載の熱蓄積アセンブリ。
  27. 【請求項27】 前記熱蓄積アセンブリが、前記運動エ
    ネルギの実質的にすべてを吸収する請求項23に記載の
    熱蓄積アセンブリ。
  28. 【請求項28】 さらに前記内面上に配置され、かつ前
    記本体部の材料に比べ前記残余エネルギのより多くの部
    分を吸収する材料を含むコーティング層をさらに備える
    請求項23に記載の熱蓄積アセンブリ。
  29. 【請求項29】 前記コーティング層が、前記本体部の
    材料に比べてより小さい原子番号の材料で構成されてい
    る請求項28に記載の熱蓄積アセンブリ。
  30. 【請求項30】 前記コーティング層が、ベリリウムお
    よび炭素からなるグループから選択される材料で構成さ
    れている請求項29に記載の熱蓄積アセンブリ。
  31. 【請求項31】 前記内面上に配置され、かつ前記本体
    部の材料に比べ前記残余エネルギのより少ない部分を吸
    収する材料を含むコーティング層をさらに備える請求項
    23に記載の熱蓄積アセンブリ。
  32. 【請求項32】 前記コーティング層が、前記本体部の
    材料に比べてより大きい原子番号を有する材料を含んで
    いる請求項31に記載の熱蓄積アセンブリ。
  33. 【請求項33】 前記コーティング層が、金およびタン
    グステンからなるグループから選択される材料を含んで
    いる請求項32に記載の熱蓄積アセンブリ。
  34. 【請求項34】 前記内面上に配置され、かつ前記本体
    部の材料に比べ前記残余エネルギのより大きい放射率を
    有するコーティング層をさらに備える請求項23に記載
    の熱蓄積アセンブリ。
  35. 【請求項35】 前記コーティング層が、炭素、酸化鉄
    およびRene80よりなるグループから選択される材
    料を含んでいる請求項34に記載の熱蓄積アセンブリ。
  36. 【請求項36】 前記本体部に隣接して配置され、かつ
    前記本体部のX線減衰係数を超えるX線減衰係数を有す
    るスリーブ部材をさらに備える請求項23に記載の熱蓄
    積アセンブリ。
  37. 【請求項37】 前記スリーブ部材が、概ね70を超え
    る原子番号を有する材料を含んでいる請求項36に記載
    の熱蓄積アセンブリ。
  38. 【請求項38】 前記内面が、アスペクト比が大きな複
    数のスロットをさらに備えている請求項23に記載の熱
    蓄積アセンブリ。
  39. 【請求項39】 ハウジング・ユニットと、該ハウジン
    グ・ユニット内に配置されたX線発生デバイスとを備え
    るX線装置であって、前記X線発生デバイスが、 電子ストリームを発生させる陰極と、 前記電子を受け取って、X線および残余エネルギを発生
    させる陽極であって、前記残余エネルギが前記陽極から
    の放射熱エネルギと前記陽極から後方散乱される前記電
    子の運動エネルギとを含んでいる陽極と、 前記陽極及び前記陰極を収容する真空容器と、 前記真空容器内に配置され、かつ前記X線が前記真空容
    器を出るためのX線透過窓と、 前記陽極と前記窓との間に配置され、かつ前記窓が前記
    残余エネルギにさらされる量を減少させるX線透過材料
    を含むフィルタと、を備えていること、を特徴とするX
    線装置。
  40. 【請求項40】 前記X線装置が、コンピュータ断層撮
    影装置、放射線撮影装置、透視装置、血管撮影装置、乳
    房撮影装置、可搬型X線撮影装置、歯科用X線撮影装
    置、および工業用X線装置により構成されるグループの
    中から選択される請求項39に記載のX線装置。
  41. 【請求項41】電子ストリームを発生させる設計とした
    陰極と、 前記電子を受け取って、X線および残余エネルギを発生
    させる陽極であって、前記残余エネルギが前記陽極から
    の放射熱エネルギと前記陽極から後方散乱される前記電
    子の運動エネルギとを含んでいる陽極と、 前記陽極及び前記陰極を収容する真空容器と、 前記真空容器内に配置され、かつ前記X線が前記真空容
    器を出るための窓であって、X線透過材料で構成されて
    いる窓と、 前記陽極と前記窓との間に配置され、かつ前記窓が前記
    残余エネルギにさらされる量を減少させるX線透過材料
    を含むフィルタと、を備えているX線発生デバイス。
  42. 【請求項42】 前記フィルタが、概ね22以下の原子
    番号を有する材料で構成されている請求項41に記載の
    X線発生デバイス。
  43. 【請求項43】 前記フィルタが、ベリリウム、一般グ
    ラファイト、パイロリティック・グラファイト、チタ
    ン、炭素およびアルミニウムにより構成されるグループ
    から選択される材料で構成されている請求項42に記載
    のX線発生デバイス。
  44. 【請求項44】 前記フィルタが、ベリリウム製キャリ
    アの内部に封入されたグラファイトで構成されている請
    求項43に記載のX線発生デバイス。
  45. 【請求項45】 前記陰極と前記陽極との間に配置され
    て、前記残余エネルギを吸収するための熱蓄積アセンブ
    リであって、前記熱蓄積アセンブリへの吸収される前記
    残余エネルギの伝達率が、前記熱蓄積アセンブリから出
    る前記残余エネルギの伝達率を実質的に超えることを許
    容するだけの十分な熱容量をもつ本体部を有する熱蓄積
    アセンブリをさらに備えている請求項41に記載のX線
    発生デバイス。
  46. 【請求項46】 前記熱蓄積アセンブリが、前記X線に
    対し前記X線発生デバイスを出るための通路を提供する
    アパーチャであって、前記X線をコリメートするよう設
    計されたアパーチャを前記陽極の近傍にさらに備えてい
    る請求項45に記載のX線発生デバイス。
  47. 【請求項47】 前記窓が前記熱蓄積アセンブリに前記
    アパーチャ内でハーメチック・シールされ、かつ前記熱
    蓄積アセンブリが前記真空容器にハーメチック・シール
    されている請求項46に記載のX線発生デバイス。
  48. 【請求項48】 前記フィルタが前記アパーチャ内に、
    前記フィルタと前記熱蓄積アセンブリとの間に有効な熱
    伝導を提供するように取り付けられている請求項47に
    記載のX線発生デバイス。
  49. 【請求項49】 ハウジング・ユニットと、前記ハウジ
    ング・ユニット内に配置されたX線発生デバイスとを備
    えるX線装置であって、前記X線発生デバイスが、 電子ストリームを発生させる陰極と、 前記電子を受け取って、X線および残余エネルギを発生
    させる陽極であって、前記残余エネルギが前記陽極から
    の放射熱エネルギと前記陽極から後方散乱される前記電
    子の運動エネルギとを含んでいる陽極と、 前記陽極及び前記陰極を収容する真空容器と、 前記真空容器内に配置され、かつ前記X線が前記真空容
    器を出るための窓であって、X線透過材料出構成されて
    いる窓と、 前記陽極と前記窓との間に配置され、X線透過材料で構
    成されているフィルタと、 前記フィルタ上に配置されるX線透過性のコーティング
    層であって、吸収する前記残余エネルギが前記フィルタ
    の材料より少ない材料で構成されているコーティング層
    と、を備えていること、を特徴とするX線装置。
  50. 【請求項50】 前記X線装置が、コンピュータ断層撮
    影装置、放射線撮影装置、透視装置、血管撮影装置、乳
    房撮影装置、可搬型X線撮影装置、歯科用X線撮影装
    置、および工業用X線装置により構成されるグループの
    中から選択されている請求項49に記載のX線装置。
  51. 【請求項51】電子ストリームを発生させる陰極と、 前記電子を受け取って、X線および残余エネルギを発生
    させる陽極であって、前記残余エネルギが前記陽極から
    の放射熱エネルギと前記陽極から後方散乱される前記電
    子の運動エネルギとを含んでいる陽極と、 前記陽極及び前記陰極を収容する真空容器と、 前記真空容器内に配置され、かつ前記X線が前記真空容
    器を出るための窓であって、前記真空容器にハーメチッ
    ク・シールされたX線透過材料で構成されている窓と、 前記陽極と前記窓との間に配置され、X線透過材料で構
    成されているフィルタと、 前記フィルタ上に配置されるX線透過性のコーティング
    層であって、吸収する前記残余エネルギが前記フィルタ
    の材料より少ない材料で構成されているコーティング層
    と、を備えているX線発生デバイス。
  52. 【請求項52】 前記コーティング層が、概ね70を超
    える原子番号を有する材料で構成されている請求項51
    に記載のX線発生デバイス。
  53. 【請求項53】 前記コーティング層が、金、白金、お
    よびタンタルからなるグループから選択される材料で構
    成されている請求項52に記載のX線発生デバイス。
  54. 【請求項54】 前記コーティング層が、診断上不要な
    エネルギ量を有する前記X線を減衰させる請求項51に
    記載のX線発生デバイス。
  55. 【請求項55】 前記陽極と前記陰極との間に配置さ
    れ、前記残余エネルギを吸収するための熱蓄積アセンブ
    リであって、前記熱蓄積アセンブリへの吸収される前記
    残余エネルギの伝達率が、前記熱蓄積アセンブリから出
    る前記残余エネルギの伝達率を実質的に超えることを許
    容するだけの十分な熱容量をもつ本体部を有する熱蓄積
    アセンブリをさらに備えている請求項51に記載のX線
    発生デバイス。
  56. 【請求項56】 前記熱蓄積アセンブリが、前記X線に
    対し前記X線発生デバイスを出るための通路を提供する
    アパーチャであって、前記X線をコリメートするよう設
    計されたアパーチャを前記陽極の近傍にさらに備えてい
    る請求項55に記載のX線発生デバイス。
  57. 【請求項57】 前記窓が前記熱蓄積アセンブリに前記
    アパーチャ内でハーメチック・シールされ、かつ前記熱
    蓄積アセンブリが前記真空容器にハーメチック・シール
    されている請求項56に記載のX線発生デバイス。
  58. 【請求項58】 前記フィルタが前記アパーチャ内に、
    前記フィルタと前記熱蓄積アセンブリとの間に有効な熱
    伝導を提供するように取り付けられている請求項57に
    記載のX線発生デバイス。
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