JP2000200152A - 磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク装置

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JP2000200152A
JP2000200152A JP11001474A JP147499A JP2000200152A JP 2000200152 A JP2000200152 A JP 2000200152A JP 11001474 A JP11001474 A JP 11001474A JP 147499 A JP147499 A JP 147499A JP 2000200152 A JP2000200152 A JP 2000200152A
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史 猪狩
Yutaka Arakawa
豊 荒川
Hiroshi Suzuki
博 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ホストシステムからのコマンド発行間隔内に、
コマンド実行の終了を保障することにより、常にホスト
システム側の正常動作を実現することにある。 【解決手段】HDC9は、ホストシステム11から発行
されたコマンド制御情報を設定するためのレジスタを有
する。CPU12は、当該レジスタからコマンド制御情
報を読出し、当該コマンド制御情報に基づいてホストシ
ステム11からのコマンドの発行間隔内にコマンド実行
を終了させるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばハードディ
スクドライブなどの磁気ディスク装置に関し、特にリー
ド/ライト動作のコマンド実行制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハードディスクドライブ(HD
D)は、通常ではホストシステム(例えばパーソナルコ
ンピュータ)からのコマンドに応じて、ヘッドによりデ
ィスク記録媒体(以下ディスクと略す)に対してデータ
の読出し動作(リード動作)または書込み動作(ライト
動作)を実行する。HDDは、書込み動作ではエンコー
ダによりデータを磁気記録に適応する記録データに符号
化し、読出し動作ではデコーダにより元のデータに復号
化する。
【0003】HDDは、ホストシステムとの間で、リー
ド/ライトデータ及びコマンドの転送を制御するための
ホストインターフェースを構成するディスクコントロー
ラ(HDC)を備えている。HDCは、セクタバッファ
と呼ぶバッファメモリ(DRAM)を制御し、ディスク
から読出したデータ及びホストシステムから転送された
書込みデータを一時的に格納する。
【0004】読出し動作では、HDCは、ディスクから
読出されたデータが所定のデータ量(通常では1セクタ
分のデータ量)だけセクタバッファに蓄積されると、セ
クタバッファからホストシステムへのデータ転送を開始
する。例えばIDE(intelligent dri
ve electronics)式のインターフェース
を有するHDCは、少なくとも1セクタ分である512
バイトのデータがセクタバッファに蓄積されると、ホス
トシステムへのデータ転送を開始する。HDCは、セク
タカウンタにより、セクタバッファに蓄積されているデ
ータ量(転送可能なセクタ数)を認識する。即ち、ディ
スクから1セクタ分(512バイト)のデータが読出さ
れてセクタバッファに蓄積されると、セクタカウンタは
インクリメントされる。
【0005】ここで、ディスクからのデータをセクタバ
ッファに蓄積するときのデータ転送速度(ディスク転送
速度)と、セクタバッファからホストシステムへのデー
タ転送速度(ホスト転送速度)とを比較すると、通常で
はホスト転送速度の方が高速である。このため、読出し
動作において、ホストシステムに対して、1セクタ分の
データ転送が終了したときに、次に転送すべきデータが
まだセクタバッファに準備されていない事態が発生す
る。この場合、ホストシステム側は、HDDのデータ転
送の準備(セクタバッファへのデータ蓄積)が終了する
まで、待機状態となる。
【0006】近年、HDDは、いわゆるコンピュータデ
ータだけでなく、音声、画像(映像)などのディジタル
データを記録するためのディジタル・メディアとして使
用されつつある。このようなディジタルデータは、映像
ストリームのような連続的データであり、かつ処理単位
のデータ量が大きい大容量データである。このため、H
DDには、特にデータ再生時に、所定の時間内に一定量
のデータをディスクから読出す読出し動作が必要とな
る。ホストシステムは、HDDから転送された例えば映
像データを再生処理して、例えばディスプレイ上に表示
するなどの処理を実行する。このとき、HDDからホス
トシステムへのデータ転送速度に対して、ホストシステ
ムがデータを再生するための処理速度の方が遅い。
【0007】このようなデータ再生動作をHDD側から
想定した場合、図21に示すように、ホストシステムか
ら一定時間毎(間隔T)に発行されるコマンド(発行時
点IS0〜IS3のリードコマンド)に応じて、リード
要求のデータ転送(DT)が実行される。ホストシステ
ムは、HDDからのデータ転送に応じてデータ再生処理
(DR)を実行する。
【0008】このようなデータ再生動作において、HD
D側でリードエラーが発生すると、通常ではエラー発生
したディスク上のセクタに対して、読出し動作が再実行
される(リードリトライ処理)。リードリトライ処理
は、所定の回数(例えば上限回数30回)だけ繰り返し
実行されるため、ある程度の時間を要する。このため、
図22に示すように、コマンドの発行時点(例えばIS
0)からのデータ転送(DT)の処理中に、前記のリー
ドリトライ処理に伴うデータ転送の中断時間220が発
生する。ここでは、エラー発生箇所として2セクタが存
在し、各セクタに対するリードリトライ処理がいずれも
上限回数(30回)で成功した場合を想定している。
【0009】ホストシステムは、図21の場合と同様
に、データ再生時点より直前の再生周期で読出されたデ
ータに対して遅延なく再生できるものとする(DR)。
HDDでは、1回目のリードリトライ処理で失敗する
と、再度のリードリトライ処理を実行するためには、当
該セクタが巡ってくるまでに、ほぼディスクの1回転分
の待機時間を必要とする。ここでは、具体的には、ディ
スクの回転数を4200rpmとし、またホストシステ
ムは50ミリ秒の間隔T毎にコマンドを発行する場合を
想定している。このため、最初のエラー発生セクタに対
するリトライ処理の所用時間は、ほぼ30回分のディス
ク回転時間に相当するため、ホスト転送速度が十分に高
速であれば、当該所用時間は42ms程度となる。この
所用時間は、ホストシステムのコマンド発行間隔Tの時
間内となる。
【0010】しかし、さらに別のエラー発生セクタが存
在する場合には、リードリトライ処理のために、さらに
約42msの時間が必要となるため、ホストシステムが
必要とするアクセスタイミングでは、直前に発行したコ
マンド(発行時点IS0のコマンド)の実行が終了して
いない事態が発生する。即ち、本来の次の発行時点IS
1では、直前のコマンド実行に伴うデータ転送(22
1)が実行中であるため、実際にはコマンドは発行でき
ないことになる。従って、ホストシステム側では、次の
コマンド発行タイミング(IS1)で直前の再生動作
(DR)が完了していないため、コマンドを発行でき
ず、再生動作に中断状態(222,223)が発生して
しまう。即ち、再生動作に必要なデータの不足が発生す
るため、再生データの中にいわゆる途切れ状態が発生す
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、一定
間隔で連続的に発行されるコマンドを実行して、ホスト
システムに対してデータ転送を実行する場合に、途中で
リードエラーが発生すると、当該データ転送は中断状態
となる。このため、ホストシステム側では、データ転送
の中断に伴って、データ再生動作が中断する事態が発生
する。ホストシステム側において、特に映像ストリーム
のような連続データの再生動作では、中断状態が発生す
ると、再生データに跡切れ部分が生ずる事態となる。要
するに、従来のHDDでは正常動作の場合のコマンド実行
時間と、異常発生時(特にリードエラー発生時)のコマ
ンド実行時間とでは大きな時間差がある。このため、H
DD側の異常状況を想定したホストシステム側の動作時
間を見積もることが極めて困難である。
【0012】このような問題を解消する方法として、H
DDからアクセスしたファイル転送処理の実行時間を制
限して、ホストシステム側の処理に与える影響を抑制す
るシステムが提案されている(例えば特開平3−168
846号公報を参照)。この方式では、ホストシステム
側が実行制限時間を設定する。しかしながら、前述のよ
うな映像データのような連続データの再生動作では、H
DD側の単なるコマンド実行時間の制限だけでは、ホス
トシステム側において正常な再生動作を実現することは
できない。
【0013】そこで、本発明の目的は、ホストシステム
からのコマンド発行間隔内に、コマンド実行の終了を保
障することにより、常にホストシステム側の正常動作を
実現することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、ホストシステ
ムから発行されるコマンドに応じて、ディスク記憶媒体
に対するデータの読出し動作または書込み動作を実行す
る磁気ディスク装置に適用し、コマンド実行時間の制限
に関係するコマンド制御情報を設定するための設定手段
と、コマンド制御情報に基づいてホストシステムからの
コマンドの発行間隔内にコマンド実行を終了させるよう
に制御する制御手段とを備えた磁気ディスク装置であ
る。
【0015】具体的には、コマンド制御情報は、コマン
ドの実行に伴うデータ転送量に基づいた平均データ転送
速度を規定する情報である。制御手段は、平均データ転
送速度以下でデータ転送が終了するようにコマンド実行
を制御する。
【0016】また、コマンド制御情報は、コマンドの実
行に伴うデータ転送量に基づいたコマンド実行時間の上
限を規定する情報である。制御手段は、連続して複数の
コマンドを実行するときに、当該各コマンドの実行を上
限以下の時間内に終了するようにコマンド実行を制御す
る。
【0017】さらに、制御手段は、設定されたコマンド
の発行間隔内にコマンド実行を終了できない場合には、
ホストシステムに対するエラー通知を実行する機能を備
えている。
【0018】本発明の別の観点としては、ホストシステ
ムから発行されたリードコマンドに応じてディスクから
データを読出すときに、リードエラーの発生に従ってリ
ードリトライ処理を実行する磁気ディスク装置におい
て、設定されたコマンドの発行間隔内にコマンド実行を
終了できない場合には、当該リードリトライ処理の回数
を制限する手段を備えている。
【0019】本発明によれば、ホストシステムからのコ
マンドの発行間隔内に、ホストシステムへのデータ転送
を伴うコマンド実行を終了させることが可能となる。従
って、ホストシステムは、特に映像データのような連続
データを中断することなく受信し、所定の時間内に要求
されたデータ再生動作を実行することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施の形態を説明する。 (HDDの構成)本実施形態は、図1に示すように、磁
気ディスク装置としてHDDを想定している。HDD
は、大別してデータ記録媒体としてのディスク1と、デ
ータのリード/ライト動作を実行するためのヘッド3
と、リード/ライトデータの信号処理系と、及び制御系
とから構成されている。ディスク1は、スピンドルモー
タ(SPM)2により回転される。ヘッド3は、通常で
はリードヘッドとライトヘッドとが同一スライダ上に実
装されている。本実施形態では、特に断らない限り、ヘ
ッド3はリードヘッドを意味する。ヘッド3は、アクチ
ュエータ4に搭載されて、ディスク1の半径方向に移動
される。アクチュエータ4は、ボイスコイルモータ(V
CM)5を駆動源として、回転駆動するように構成され
ている。SPM2及びVCM5は、後述するCPU12
の制御により、SPM/VCMドライバ6から駆動電流
を供給されて駆動する。SPM/VCMドライバ6は、
通常ではCPU12からゲートアレイ回路14を介して
ディジタルの制御値を入力し、当該制御値に応じて駆動
電流を出力する。
【0021】信号処理系は、ヘッドアンプ回路7及びリ
ード/ライトチャネル8を有する。ヘッドアンプ回路7
は、リードヘッドから読出されたリード信号を増幅して
リード/ライトチャネル8に送出する。また、ヘッドア
ンプ回路7は、リード/ライトチャネル8で処理された
ライト信号(符号化された記録データ)を電流に変換し
てライトヘッドに供給する。リード/ライトチャネル8
は、エンコーダ及びデコーダを有し、ホストシステムか
らの書込みデータをライト信号に変換し、かつディスク
1から読出されたリード信号を元の書込みデータに復号
化するための各種信号処理を実行する。
【0022】制御系は、HDC9と、マイクロコントロ
ーラ(CPU)12と、ゲートアレイ回路14とを有す
る。HDC9は、前述したバッファメモリ(以下セクタ
バッファと呼ぶ)10を制御し、ホストシステム11の
間でのデータ転送を制御する。また、HDC9は、後述
するように、コマンド実行に必要な各種のレジスタを有
する(図2を参照)。CPU12は、HDDのメイン制
御装置であり、本実施形態の主要構成要素である。CP
U12は、ROM13に格納された制御プログラムに従
って、後述する本実施形態のコマンド制御処理及び各種
制御処理(ヘッド位置決め制御など)を実行する。ゲー
トアレイ回路14は、主としてCPU12の制御信号、
及びリード/ライトチャネル8からのサーボデータの入
出力を制御するインターフェース制御回路に相当する。 (本実施形態のコマンド制御処理)以下、本実施形態の
コマンド制御処理を項目別に説明する。 (コマンド実行時間の設定処理)まず、IDEインター
フェース仕様のHDC9は、図2に示すように、コマン
ド実行処理に必要な各種のレジスタ9A〜9Fを有す
る。即ち、コマンドレジスタ9A、シリンダナンバレジ
スタ9B、ドライブ/ヘッドレジスタ9C、セクタナン
バレジスタ9D、セクタカウンタ9E、及びステータス
レジスタ9Fである。ステータスレジスタ9F以外は、
ホストシステム11から書込み可能なレジスタである。
CPU12は、レジスタ9A〜9Fから制御情報を参照
し、かつそれらに対して書込み可能である。ここで、特
にコマンドレジスタ9A及びシリンダナンバレジスタ9
Bに設定される情報を、コマンド制御情報とする。
【0023】ここで、本実施形態では、ホストシステム
11からコマンドレジスタ9Aにコマンドコード(9A
h)が設定されると、コマンドの実行時間(実行制限時
間)を設定する場合を想定する。当該実行時間データ
は、シリンダナンバレジスタ9Bに対してms単位で設
定される。
【0024】以下、図3のフローチャートを参照して、
コマンド制御情報としてコマンドの実行時間の設定処理
を説明する。
【0025】まず、ホストシステム11からコマンドが
発行されると、HDC9のコマンドレジスタ9Aにはコ
マンドコードが設定される。CPU12は、当該コマン
ドレジスタ9Aからコマンドコードを読出し、コマンド
内容を認識する(ステップS1)。ここで、コマンドコ
ードが特定コード(9Ah)であれば、CPU12はコ
マンド制御情報であるコマンドの実行時間データを設定
するためのコマンドであることを認識する(ステップS
2のYES)。
【0026】CPU12は、コマンドコードが通常のコ
マンド(例えばリードコマンド)を意味していれば、当
該コマンドの実行処理に移行する(ステップS2のN
O)。一方、特定コード(9Ah)の場合には、CPU
12は、シリンダナンバレジスタ9Bから実行時間デー
タを読出し、所定のメモリ(図示しないRAMまたはE
EPROM)またはディスク1の所定の記憶領域に格納
する(ステップS3)。その後、ホストシステム11に
対してコマンドの終了を通知するために、CPU12は
ステータスレジスタ9FのBSYビットをリセットし、
また割込みビット信号を必要に応じて駆動する(ステッ
プS4)。この設定処理により、各コマンドの実行時間
の上限が設定されたことになる。 (コマンドの平均データ転送速度の規定値の設定処理)
次に、コマンド制御情報として、平均データ転送速度の
規定値を設定する場合の処理を、図4と図5を参照して
説明する。
【0027】この設定処理では、図4に示すように、ホ
ストシステム11からコマンドレジスタ9Aに特定コー
ド(9Bh)が設定されると、コマンド制御情報とし
て、平均データ転送速度の規定値を設定するコマンドが
指定されることを想定する。平均データ転送速度の規定
値(平均転送速度データ)は、例えば1000ビット/
秒単位で、シリンダナンバレジスタ9Bに設定される。
【0028】CPU12は、図5のフローチャートに示
すように、コマンド制御情報として平均転送速度データ
の設定処理を実行する。即ち、前述の実行時間データの
設定処理と同様であり、CPU12は、当該コマンドレ
ジスタ9Aからコマンドコードを読出し、コマンド内容
を認識する(ステップS11)。コマンドコードが特定
コード(9Bh)であれば、CPU12はシリンダナン
バレジスタ9Bから平均転送速度データを読出し、所定
のメモリに格納する(ステップS13)。その後、ホス
トシステム11に対してコマンドの終了を通知するため
に、CPU12はステータスレジスタ9FのBSYビッ
トをリセットする(ステップS14)。
【0029】この設定処理により、各コマンドの実行に
伴うデータ転送で維持すべき平均転送速度の下限が設定
されたことになる。ここで、設定される平均データ転送
速度とは、このコマンドの発行以後に発行されるリード
/ライトコマンドにおいて、ホストシステムから要求さ
れる転送データ量を、コマンドの発行時点から要求デー
タの最後のデータが転送された後にHDDからコマンド
終了の通知がなされるまでの時間で割った値を意味す
る。 (コマンドの実行終了までの最大時間の計算方法)CP
U12は、前述のように、ホストシステム11から平均
データ転送速度を設定されると、リード/ライトコマン
ドにより要求される転送データ量に基づいて、コマンド
の実行開始から終了まで(ホストシステム11への応答
まで)の最大時間を計算して、その時間以内にコマンド
の動作を完了することが必要となる。その最大時間(コ
マンドの実行の上限時間に相当)の計算方法は以下の通
りである。
【0030】例えば平均データ転送速度が100キロビ
ット/秒に設定されて、要求セクタ数(要求転送データ
量)が20で、1セクタあたりのデータ量が512バイ
トを想定した場合に、当該最大時間は、「要求転送デー
タ量/平均データ転送速度=(512バイト*20セク
タ)/(100000/8)=819.2ms」とな
る。
【0031】従って、この具体例では、ホストシステム
11から発行されたコマンド(例えばリードコマンド)
に対して、発行時点から最大時間819.2ミリ秒以内
に、CPU12はコマンドの実行を終了しなければなら
ないことになる。即ち、この最大時間以内に、ホストシ
ステム11に対する全ての要求データの転送を完了する
ことができれば、指定の平均転送速度以下でホストシス
テム11への応答ができたことになる。 (コマンド開始から経過時間の監視処理)本実施形態の
HDC9は、コマンド実行時間を計測するためのタイマ
を有し、コマンドの実行開始からの経過時間を監視する
機能を備えている。以下、図6のフローチャートを参照
して、当該監視処理を説明する。
【0032】CPU12は、前述のコマンド制御情報に
基づいて、ホストシステム11からコマンドの実行時間
の設定を確認する(ステップS20)。ここで、設定さ
れていない場合には、経過時間の監視機能を動作させる
必要がないので、そのまま従来の通常処理に移行する
(ステップS21のNO,S26)。
【0033】一方、コマンドの実行時間が設定されてい
る場合には、CPU12はHDC9に設けられたタイマ
を起動する(ステップS22)。タイマは、例えば別に
設けられたクロック手段によるクロック入力に基づいて
一定時間毎にカウンタがインクリメント、あるいはデク
リメントされる機構を備えている。CPU12は、タイ
マからのクロックカウント値に基づいて、コマンド発行
時点からのコマンド実行の経過時間を算出する(ステッ
プS23)。ここで、CPU12は、算出した経過時間
により設定された実行時間内に、コマンドが完了するか
否かを監視する(ステップS24)。この監視処理によ
り、設定された実行時間内に、コマンド実行が完了しな
いことが予測される場合には、CPU12は、HDC9
を介してホストシステム11へエラー通知を実行する
(ステップS25)。
【0034】この監視処理により、CPU12は、コマ
ンドの実行可能な残り時間を算出し、かつ当該残り時間
が設定時間に対して不足する場合には、ホストシステム
11に対してエラー通知を実行する。 (監視処理の具体例)以下図7のフローチャートを参照
して、前記監視処理の具体例を説明する。
【0035】ここでは、リードコマンドの実行中に、実
行残り時間内にコマンドを完了できない場合には、ホス
トシステム11に対してエラー通知を実行すると共に、
リードエラーが発生した場合の処理を想定する。
【0036】まず、CPU12は、前述の監視処理から
コマンドの実行残り時間を算出し、当該残り時間が1回
転時間以下であるか否かを判定する(ステップS30,
S31)。ここで、HDDは、リードコマンドの実行中
(読出し動作中)にリードエラーが発生した場合には、
通常ではリードリトライ処理(読直し動作)を実行する
ことになる(ステップS33,S34)。この場合、リ
ードエラーを検出した後、リードリトライ処理ができる
までには、ほぼディスク1の1回転時間相当の待機時間
を必要とする。例えばディスク1の回転数が4200r
pmであれば、当該待機時間は14.2msである。従
って、この待機時間よりもコマンドの実行残り時間が少
ない場合には、リードリトライ処理が成功しても、コマ
ンドの実行が終了するには、コマンドの実行残り時間以
上が必要となる可能性が高くなる。そこで、CPU12
は、ホストシステム11に対してエラー通知を実行する
(ステップS31のYES,S35のNO,S36)。
また、ヘッドの移動(シーク)を伴う動作の場合にも同
様である。シーク距離に応じてシークに必要とする時間
を算出して、その時間とコマンドの実行残り時間を比較
すれば良い。
【0037】一方、実行残り時間が1回転時間以下でな
い場合には、CPU12は、ホストシステム11の要求
データのリード動作が完了しているか否かを判定する
(ステップS32)。リード完了であれば、CPU12
はリードコマンドの実行終了となる(ステップS32の
YES)。読出し動作が終了していない場合には、CP
U12はリードエラーが発生していたか否かを確認する
(ステップS33)。
【0038】リードエラーが発生している場合には、リ
ードリトライ処理を実行して、リードコマンドの実行を
継続する(ステップS34)。リードエラーが発生して
いない場合には、ホストシステム11が要求する次の領
域に対する読出し動作を継続する(ステップS37)。 (データ補完処理)次に、コマンドの実行可能残り時間
が、設定された規定時間(Tth)に対して少なくなっ
た場合に、リードリトライ処理の変更及びデータ補完処
理を実行する場合を想定する。ホストシステム11側
は、HDDから映像データや音声データのような連続デ
ータを再生する場合には、必ずしも全てのセクタの要求
データが得られなくても、ほぼ正常に再生動作を実行で
きる。この場合には、リードエラーが発生しても、実行
可能時間内でリートリトライ処理を中止して、エラーセ
クタをそのままにして、次のセクタに対する読出し動作
を続行した方が望ましい。以下、図8のフローチャート
を参照して処理内容を説明する。
【0039】ここでは、要求セクタ中の読出し動作時に
リードエラーが発生舌場合を想定する。CPU12は、
コマンドの実行残り時間を算出し、当該残り時間が規定
時間(Tth)以下であるか否かを判定する(ステップ
S40,S41)。規定時間以下ではなく、十分な実行
可能時間が残存している場合には、CPU12は、通常
のリードリトライ処理の準備を実行し、リードリトライ
動作を実行することになる(ステップS44,S4
5)。
【0040】一方、コマンドの実行残り時間が規定時間
以下の場合には、CPU12は、リードリトライ処理を
実行せずに、後述するデータ補完処理を実行し、アクセ
ス対象のアドレスをインクリメント処理して、読出し動
作を継続する(ステップS42,S43)。即ち、エラ
ー発生セクタに対するリードリトライ処理を中止して、
次の要求セクタに対する読出し動作に移行する。
【0041】この処理により、1つのセクタに対する読
直し動作に重点を置いて読出し動作を実行するのではな
く、ある回数でのリードリトライ処理で読直し動作が失
敗した場合には、そのセクタに対する読出し動作をあき
らめて、継続するセクタに対する読出し動作を継続す
る。従って、規定時間内に、ホストシステム11に対し
てより多くのデータを転送できることになる。例えば1
00セクタ分の音声データの再生動作において、2セク
タ目で読直しエラーが発生するような場合、実行時間の
大部分を当該2セクタ目の読直し動作で実行するより
も、予め設定された実行時間内のみで読直し動作を実行
し、それを超過する場合には3セクタ目以降のデータ読
出し動作を継続する。
【0042】以下図9を参照して、データ補完処理の具
体的方法を説明する。
【0043】図9は、セクタバッファ10のデータ格納
状態を示す。ここでは、ディスク1から読出されたセク
タ単位のデータが、アドレスAWsを先頭として格納さ
れている場合を想定する。最初のセクタ格納領域90か
ら、あるセクタ格納領域91がエラー発生セクタに対応
する場合を想定する。このエラー発生セクタが正常に読
出された場合には、この領域91はアドレスAwe(例
えば4000h)から41FFhまでの512バイトの
領域となる。しかし、リードエラーにより全くデータが
読出されない場合には、セクタバッファ10へのデータ
の書込み動作は全く実行されないので、データ書込み位
置は更新されない。即ち、本来は、次のセクタ領域92
は、先頭アドレスAN(4200h)から確保される。
なお、エラー発生セクタに対する512バイトのデータ
読込み動作において、80バイトのみが読込めて以降継
続できなくなった場合には、次のデータ書込み位置はア
ドレスAWn(4050h)となる。
【0044】要するに、CPU12は、エラー発生セク
タに対するリードリトライ処理を中止して、データ補完
処理を実行する場合には、セクタバッファ10の該当す
るセクタ領域91をそのままにして、次のセクタデータ
を書込むための先頭アドレスAN(4200h)を設定
する(書込み位置の更新)。また、前記のような一部抱
け読込めた場合には、例えば次のセクタデータを書込む
ための先頭アドレスをAWn(4050h)に更新す
る。
【0045】ここで、エラー発生セクタ領域91には、
HDC9によるECC処理を経たエラーを含むセクタデ
ータをそのまま格納してもよい。また、CPU12が、
特定データを格納してもよい。この特定データは、予め
ホストシステム11との間で定義しておくことにより、
ホストシステム11は当該セクタのデータがエラーによ
り読み出しが断念されたことを判断することも可能とな
る。
【0046】また、ホストシステム11に対して読出せ
なかったデータを補完して転送することが許容されるよ
うな場合に、読出し動作に多くの時間が必要な部分につ
いては、読出し動作を実行せずにデータ補完処理を実行
してもよい。読出し動作に多くの時間を必要とする代表
的な場合は、エラーセクタに対する代替処理済みの代替
セクタに対するアクセスである。代替処理では当該セク
タには欠陥が存在するため、別の領域に対して代替が行
われているため、当該領域の読出し動作では代替されて
いる領域に対してヘッドを移動させ、読出し動作を行う
必要がある。実行可能残り時間が少なくなった場合に、
代替先への移動を実行しないことにすれば、代替先へ移
動して残り時間を消費するよりも、移動をしないことに
より継続領域のアクセスを優先することができ、結果と
してホストシステムに対してより多くのデータを規定実
行時間内に転送することができる。
【0047】さらに、HDDには、自動代替機能を備え
たものがある。自動代替機能は、読出し動作時には、読
出し動作が成功するまでに、所定回数、あるいは所定方
法による読直し動作が必要であったセクタについて、次
回のアクセス時にもその状況が継続すると仮定して、別
の領域に代替するものである。また、書込み動作時に
は、書き込みが不成功な場合に、自動的に別の領域に対
して代替を行うものである。この代替処理には通常の動
作よりも多くの時間が必要となる。従って、このような
自動代替機能を停止することにより、結果としてホスト
システムに対してより多くのデータを規定実行時間内に
転送することができる。 (エラー発生時のリトライ回数の算出方法)前述したよ
うに、エラーが発生したセクタに対しては、リードリト
ライ処理を実行する。この場合、コマンドの実行残り時
間が所定時間以下となるまでは同一セクタでエラーが発
生している限り、リードリトライ処理が繰り返される。
このため、ホストシステム11のアクセス要求領域内の
偏った部分で再アクセスが実行されることとなり、アク
セス領域内のセクタに対して平等に再アクセスの機会が
与えられているとは言えないことになる。
【0048】そこで、以下のような方法により、アクセ
スの機会を平均化することが望ましい。即ち、1つのセ
クタに対する許容リードリトライ回数をあらかじめ規定
する。そして、リードエラーが発生した場合、要求の先
頭位置、前回エラーが発生した位置、当該トラックの先
頭位置、当該トラック上の前回エラーが発生した位置の
いずれかから、当該セクタに至るまで継続して正常にア
クセスできたセクタ数を算出し、その数値に対して前述
の1つのセクタに対する許容リトライ回数を超えない整
数回を、当該セクタに多するリトライの許容回数として
算出する。
【0049】具体的には、例えば、1つのセクタに対す
る許容リトライ回数が0.5回の場合で、40セクタの
アクセスを要求された場合にはリトライの総許容回数は
20となる。例えば、5セクタ目でエラーが発生した場
合にリトライ回数を算出する場合は、5*0.5=2.5とな
るため、これを切り捨てた2回がリトライ回数となる。
このリトライ動作でリトライに成功しない場合には、ホ
ストシステム11にエラー通知を実行する。 (コマンドの実行残り時間の判定方法)コマンドの実行
残り時間の判定方法の基準値として、前述のディスク1
の1回転時間以外に、前述のリードリトライ処理に要す
る時間、及び目標セクタが存在するトラックへのヘッド
の移動動作時間や、HDDからホストシステム11への
データ転送時間がある。 (同実施形態の変形例)以下図10から図20を参照し
て、同実施形態の変形例を説明する。 (直前に実行されたデータ転送を伴うコマンドの平均転
送速度を表示する方法)図10は、データ転送を伴うコ
マンドの平均転送速度を表示する手段として、IDEイン
ターフェース仕様を持つHDC9において、ホストシス
テム11が直前に発行したコマンドの平均転送速度を得
るためのコマンドを設けた場合である。
【0050】この変形例ではシリンダナンバレジスタ9
Bに対して、直前に実行されたコマンドの平均転送速度
を、例えば1000ビット/秒(KB/s)の単位で表
示して、ホストシステム11に対してHDDがどの程度の
転送速度でコマンド実行が可能であるかを示すことが可
能になる。具体的には、コマンドレジスタ9Aには、特
定コードとして「9C」が設定される。 (直前に実行されたデータ転送を伴うコマンドの実行時
間を表示する方法)図11は、データ転送を伴うコマン
ドの実行時間を表示する手段として、IDEインターフェ
ース仕様を持つHDC9において、ホストシステム11
が直前に実行したコマンドの実行時間を得るためのコマ
ンドを設けた場合である。
【0051】この変形例では、シリンダナンバレジスタ
9Bに対して、直前に実行されたコマンドの実行時間
を、例えばミリ秒(ms)の単位で表示して、ホストシ
ステム11に対してHDDがどの程度の実行時間でコマン
ド実行が可能であるかを示すことが可能になる。具体的
には、コマンドレジスタ9Aには、特定コードとして
「9D」が設定される。 (特定の期間内に実行されたデータ転送を伴うコマンド
の平均転送速度を表示する方法)図12は、平均転送速
度を測定したいデータ転送を伴う複数のコマンドに対し
て、それらのコマンドが実行するデータ転送の平均転送
速度を表示する手段として、IDEインターフェース仕様
を持つHDC9において、測定対象となるコマンドの直
前に測定を開始させるためのコマンド(特定コード9
E)を設けた場合である。また、図13は、この開始コ
マンド後には測定対象の複数コマンドが続き、測定対象
の最後のコマンドの後に、測定の終了させるためのコマ
ンド(特定コード9F)を設けた場合をある。この場
合、図18に示すように、これら測定開始と測定終了の
コマンドに挟まれたコマンドの平均転送時間は、前述の
方法(図10を参照)によって表示されて、ホストシス
テム11に対してHDDがどの程度の転送速度で複数のコ
マンド実行が可能であるかを示すことが可能になる。 (特定の期間内に実行されたデータ転送を伴うコマンド
の実行時間を表示する方法)図14は、実行時間を測定
したいデータ転送を伴う複数のコマンドに対して、それ
らのコマンドが実行するデータ転送の実行時間を表示す
る手段として、IDEインターフェース仕様を持つHDDで、
測定対象となるコマンドの直前に測定を開始させるため
のコマンド(特定コードA0)を設けた場合である。ま
た、図15は、この開始コマンド後には測定対象の複数
コマンドが続き、測定対象の最後のコマンドの後に、測
定の終了させるためのコマンド(特定コードA1)を設
けた場合である。この場合、図18に示すように、これ
ら測定開始と測定終了のコマンドに挟まれたコマンドの
実行時間は、前述の方法(図11を参照)によって表示
されて、ホストシステム11に対してHDDがどの程度の
転送速度で複数のコマンド実行が可能であるかを示すこ
とが可能になる。 (データ転送速度を予測するための方法)本変形例は、
データ転送を伴うコマンドの平均転送速度を予測する手
段として、IDEインターフェース仕様を持つHDC9に
おいて、ホストシステム11が予測したいコマンドの平
均転送速度を得るための方法である。この変形例では、
HDDは実際にはホストシステム11に対してデータ転送
を行わないが、ホストシステム11がHDD内部のディス
ク1の正常性と読出し動作を実行した際の平均転送速度
を予想する。従って、アクセス対象セクタを通常のリー
ドコマンドと同様に、シリンダナンバレジスタ、ドライ
ブ/ヘッドレジスタ、セクタナンバレジスタ、セクタカ
ウンタレジスタで指定し、ディスク1の検証を要求する
コマンドコードを指定することで、ホストシステム11
のデータバッファを使用することなく、HDD内部のディ
スク1からの読出し動作を実行する。ホストシステム1
1のデータ転送速度は、ディスク1の読出し速度に比較
して十分に高速であるため、この方法で得た平均転送速
度は実際にデータ転送を行うコマンドを実行した場合の
予測になる。 (実行時間を予測するための方法)本変形例は、データ
転送を伴うコマンドの実行時間を予測する手段として、
IDEインターフェース仕様を持つHDC9において、ホ
ストシステム11が予測したいコマンドの実行時間を得
るための方法である。この変形例では、HDDは実際には
ホストシステム11に対してデータ転送を行わないが、
ホストシステム11がHDD内部のディスク1の正常性と
読出し動作を実行した際の実行時間を予想する。従っ
て、アクセス対象セクタを通常のリードコマンドと同様
に、シリンダナンバレジスタ、ドライブ/ヘッドレジス
タ、セクタナンバレジスタ、セクタカウンタレジスタで
指定し、ディスク1の検証を要求するコマンドコードを
指定することで、ホストシステム11のデータバッファ
を使用することなく、HDD内部のディスク1からの読出
し動作を実行する。ホストシステム11のデータ転送速
度は、ディスク1の読出し速度に比較して十分に高速で
あるため、この方法で得た実行時間は実際にデータ転送
を行うコマンドを実行した場合の予測になる。 (転送レートを保障するリードキャッシュの方法)図1
9は、ホストシステム11が要求する平均転送速度を維
持しつつ、データの先読み処理を実行する手段として、
リードリトライ処理が必要となった場合の変形例であ
る。一般にHDDは、ホストシステム11が要求する読出
し要求に先んじて、今後要求されると予想される記録領
域について内部的に読出し処理を進め、読出したデータ
をHDD内部のセクタバッファ10に保存する(リードキ
ャッシュまたは先読み処理)。本変形例は、ホストシス
テム11が要求する平均転送速度を保障するために、リ
ードキャッシュ中のリトライが必要なエラーセクタ(S
7)が検出された場合には、その後に続く同一トラック
上のセクタの読込み処理を先に実行する方法である。
【0052】以下図20のフローチャートを参照して、
本変形例を具体的に説明する。今仮に、図19に示すよ
うに、ホストシステム11の要求セクタ分とは別に、リ
ードキャッシュ分として、セクタ(S5〜S9)に対す
る先読み処理を開始することを想定する(ステップS5
0)。リードエラーが発生しない場合には、順次連続す
るセクタに対する先読み処理が継続されて、ホストシス
テム11から割込み(通常のコマンド発行)があるまで
続行される(ステップS51のNO,S58,S59,
S60)。
【0053】ここで、エラー発生セクタ(S7)が検出
された場合には、CPU12は、同一トラック上の次の
セクタ(S8)に対する読出し動作を実行し、最終セク
タ(ここではS9)まで先読み処理を継続する(ステッ
プS52,S53)。その後に、ディスク1が1回転し
て、再びエラーセクタ(S7)が巡ってきた際に当該セ
クタのリードリトライ処理を実行する(ステップS5
4)。このリードリトライ処理は、特に指示の無い場合
には処理が継続されるが、ホストシステム11からリー
ドコマンドの発行などの割り込みが発生すると、中止と
なる(ステップS55,S56)。CPU12は、ホス
トシステム11からのコマンドに応じて、通常のリード
/ライト処理に行こうする(ステップS57)。
【0054】本変形例のリードキャッシュ方法として
は、図16に示すようなコマンド(特定コードA2)を
設定し、エラー発生セクタに対するリードリトライ処理
を実行可能な限り実行して、ホストシステム11に対し
ては正常なデータ転送を行うことを優先する。この方法
に対して、図17に示すようなコマンド(特定コードA
3)を設定し、エラー発生セクタに対するリードリトラ
イ処理を中止して、当該エラー発生セクタから読出した
データ(エラーを含む)を転送して、ホストシステム1
1に対してデータ転送レートの維持を優先する。
【0055】このようなコマンドの設定に応じて優先内
容を切替える機能により、ホストシステム11に対し
て、正常なデータ転送の優先またはデータ転送レートの
維持の優先を選択的に設定することが可能となる。な
お、データ転送レートの維持を優先する場合に、エラー
データの転送以外に、特定データの転送または前述のデ
ータ補完処理を実行してもよい。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、第
1にホストシステムからのコマンド発行間隔内に、コマ
ンド実行の終了を保障することにより、常にホストシス
テム側の正常動作を実現することができる。第2に、コ
マンド制御情報の設定に応じて、リードリトライ処理、
エラーデータ転送処理におけるデータ補完処理、リード
キャッシュ処理、エラー通知処理などの各種処理の内容
を変更することが可能となるため、ホストシステム側の
データ動作特性に合わせたコマンド実行を実現すること
が可能となる。具体的には、映像データのような連続デ
ータの再生動作では、単なるコマンド実行時間の制限だ
けでは無く、ホストシステム側の要求する再生動作に合
わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に関係するHDDの要部を示
すブロック図。
【図2】同実施形態に関係するコマンドの実行時間の設
定処理を説明するための各レジスタの格納内容を示す概
念図。
【図3】同設定処理を説明するためのフローチャート。
【図4】同実施形態に関係するコマンドの平均データ転
送速度の設定処理を説明するための各レジスタの格納内
容を示す概念図。
【図5】同設定処理を説明するためのフローチャート。
【図6】同実施形態に関係するコマンド実行の経過時間
の監視処理を説明するためのフローチャート。
【図7】同監視処理の具体例を説明するためのフローチ
ャート。
【図8】同実施形態に関係するデータ補完処理を説明す
るためのフローチャート。
【図9】同データ補完処理を説明するための概念図。
【図10】同実施形態の変形例に関係するレジスタの設
定内容を示す概念図。
【図11】同実施形態の変形例に関係するレジスタの設
定内容を示す概念図。
【図12】同実施形態の変形例に関係するレジスタの設
定内容を示す概念図。
【図13】同実施形態の変形例に関係するレジスタの設
定内容を示す概念図。
【図14】同実施形態の変形例に関係するレジスタの設
定内容を示す概念図。
【図15】同実施形態の変形例に関係するレジスタの設
定内容を示す概念図。
【図16】同実施形態の変形例に関係するレジスタの設
定内容を示す概念図。
【図17】同実施形態の変形例に関係するレジスタの設
定内容を示す概念図。
【図18】同実施形態の変形例に関係する概念図。
【図19】同実施形態の変形例に関係する概念図。
【図20】同実施形態の変形例に関係するフローチャー
ト。
【図21】従来のHDDのコマンド実行処理を説明する
ためのタイミングチャート。
【図22】従来のHDDのコマンド実行機能の問題点を
説明するためのタイミングチャート。
【符号の説明】
1…ディスク 2…スピンドルモータ(SPM) 3…ヘッド 4…アクチュエータ 5…ボイスコイルモータ(VCM) 6…SPM/VCMドライバ 7…ヘッドアンプ回路 8…リード/ライトチャネル 9…ディスクコントローラ(HDC) 10…バッファメモリ(セクタバッファ) 11…ホストシステム 12…CPU 13…ROM 14…ゲートアレイ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 博 東京都青梅市末広町2丁目9番地 株式会 社東芝青梅工場内 Fターム(参考) 5B065 BA01 CA15 CE02 5D044 BC01 CC04 GK11 HH07 HL01 HL11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホストシステムから発行されるコマンド
    に応じて、ディスク記憶媒体に対するデータの読出し動
    作または書込み動作を実行する磁気ディスク装置であっ
    て、 前記ホストシステムとの間で前記データの転送が終了す
    るまでのコマンド実行時間において、当該コマンド実行
    時間の制限に関係するコマンド制御情報を設定するため
    の設定手段と、 前記コマンド制御情報に基づいて、前記ホストシステム
    からのコマンドの発行間隔内にコマンド実行を終了させ
    るように制御する制御手段とを具備したことを特徴とす
    る磁気ディスク装置。
  2. 【請求項2】 前記コマンド制御情報は、コマンドの実
    行に伴うデータ転送量に基づいた平均データ転送速度を
    規定する情報であり、 前記制御手段は、前記平均データ転送速度以下でデータ
    転送が終了するようにコマンド実行を制御することを特
    徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置。
  3. 【請求項3】 前記コマンド制御情報は、コマンドの実
    行に伴うデータ転送量に基づいたコマンド実行時間の上
    限を規定する情報であり、 前記制御手段は、連続して複数のコマンドを実行すると
    きに、当該各コマンドの実行を前記上限以下の時間内に
    終了するようにコマンド実行を制御することを特徴とす
    る請求項1記載の磁気ディスク装置。
  4. 【請求項4】 前記コマンド制御情報において、前記ホ
    ストシステムによるコマンド発行時点から、コマンドの
    実行に伴うデータ転送が正常に完了するまでの時間を、
    転送データ量を予め設定された平均データ転送速度値で
    除算した時間データとして処理する特徴とする請求項1
    記載の磁気ディスク装置。
  5. 【請求項5】 ホストシステムから発行されるコマンド
    に応じて、ディスク記憶媒体に対するデータの読出し動
    作または書込み動作を実行する磁気ディスク装置であっ
    て、 前記ホストシステムとの間で前記データの転送が終了す
    るまでのコマンド実行時間において、当該コマンド実行
    時間の制限に関係するコマンド制御情報を設定するため
    の設定手段と、 前記ホストシステムからコマンドが発行された時点から
    コマンド実行の経過時間を監視する手段と、 前記コマンド制御情報及び前記経過時間に基づいて、コ
    マンド実行を制御する制御手段とを具備したことを特徴
    とする磁気ディスク装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記コマンド制御情報
    及び前記経過時間に基づいてコマンドの実行可能な残り
    時間を算出し、当該残り時間内に実行不可能な処理を含
    む場合には前記ホストシステムに対してエラー通知処理
    を実行する手段を有することを特徴とする請求項5記載
    の磁気ディスク装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記コマンド制御情報
    及び前記経過時間に基づいてコマンドの実行可能な残り
    時間を算出し、当該残り時間内に実行不可能なリードリ
    トライ処理を中止する手段を有することを特徴とする請
    求項5記載の磁気ディスク装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記コマンド制御情報
    及び前記経過時間に基づいてコマンドの実行可能な残り
    時間を算出し、当該残り時間が規定時間以下の場合でリ
    ードエラーが発生している場合には、当該エラーデータ
    に対する所定のデータ補完処理を実行する手段を有する
    ことを特徴とする請求項5記載の磁気ディスク装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、前記コマンド制御情報
    及び前記経過時間に基づいてコマンドの実行可能な残り
    時間を算出し、当該残り時間が規定時間以下の場合でリ
    ードエラーが発生している場合には、リードリトライ処
    理の回数を制限する手段を有することを特徴とする請求
    項5記載の磁気ディスク装置。
  10. 【請求項10】 前記データ補完処理は、リードエラー
    が発生したエラーデータの転送を中止して、前記ホスト
    システムに対して当該エラーデータを除く要求データを
    規定時間内に転送する処理であることを特徴とする請求
    項8記載の磁気ディスク装置。
  11. 【請求項11】 ホストシステムから発行されるコマン
    ドに応じて、ディスク記憶媒体に対するデータの読出し
    動作または書込み動作を実行する磁気ディスク装置であ
    って、 前記ホストシステムの間でのデータ転送に関係するコマ
    ンド制御情報を設定するための設定手段と、 前記コマンド制御情報に基づいて、前記ホストシステム
    からのコマンドの発行時点から所定の規定時間内でのコ
    マンド実行を制御する制御手段とを具備したことを特徴
    とする磁気ディスク装置。
  12. 【請求項12】 前記制御手段は、前記コマンド制御情
    報に含まれるデータ転送レートを保障するコマンド実行
    を制御する手段を有することを特徴とする請求項11記
    載の磁気ディスク装置。
  13. 【請求項13】 前記制御手段は、前記コマンド制御情
    報に含まれるコマンド実行時間内に、リードエラー発生
    に対するリードリトライ処理を実行して、前記ホストシ
    ステムから要求された最大限のデータを転送するように
    コマンド実行を制御する手段を有することを特徴とする
    請求項11記載の磁気ディスク装置。
  14. 【請求項14】 前記データ読出し動作には、前記ホス
    トシステムから要求されたデータ以外のデータを前記デ
    ィスク記録媒体から先読み処理してバッファメモリに保
    存し、 前記ホストシステムからのコマンドに応じて前記バッフ
    ァメモリに先読み処理により保存されたデータを前記ホ
    ストシステムに転送するリードキャッシュ動作を含むこ
    とを特徴とする請求項1、請求項5、請求項11のいず
    れか記載の磁気ディスク装置。
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