JP2000198744A - ベ―タセルリン蛋白質含有製剤 - Google Patents

ベ―タセルリン蛋白質含有製剤

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JP2000198744A
JP2000198744A JP11308303A JP30830399A JP2000198744A JP 2000198744 A JP2000198744 A JP 2000198744A JP 11308303 A JP11308303 A JP 11308303A JP 30830399 A JP30830399 A JP 30830399A JP 2000198744 A JP2000198744 A JP 2000198744A
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Jun Sato
純 佐藤
Yoshihiro Omachi
佳宏 大町
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ベータセルリン蛋白質もしくはそのムテイン又
はその塩を含有する有用な製剤の提供。 【解決手段】ベータセルリン蛋白質もしくはそのムテイ
ン又はその塩を含有する徐放性製剤。 【効果】膵臓機能を改善し、糖尿病等の治療又は予防に
有用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベータセルリン蛋
白質もしくはそのムテイン又はその塩を含有する製剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】ベータセルリン蛋白質(以下、BTC蛋
白質と略記する場合がある)は、トランスジェニックマ
ウス由来膵臓ベータ腫瘍細胞が産生する蛋白性因子で、
その全アミノ酸配列はcDNAの解析から明らかにされ
ている(Shingら;サイエンス(Science)、259:1
604(1993)、Sasadaら;バイオケミカル・アンド
・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ
(Biochemical Biophysical Research Communication
s)、190:1173(1993))。当初、BTC蛋
白質はマウス3T3細胞に対する増殖促進活性をもつ因
子として見出されたが、その後、血管平滑筋細胞、網膜
色素上皮細胞に対しても増殖促進活性を有することが見
出されている(Shingら;サイエンス(Science)、25
9:1604(1993))。また、BTC蛋白質は創
傷、潰瘍や血管奇形の治療、あるいは糖尿病において認
められるアテローム性動脈硬化症、糖尿病性網膜症のよ
うな平滑筋細胞増殖に起因する病気の治療に使用できる
競合剤(例えば抗体、偽ペプチド等)の作成等に用いら
れることが報告されている(特開平4−352800号
公報及び特開平6−87894号公報)。
【0003】一方、糖尿病は、高血糖が持続することに
より様々な合併症が引き起こす疾病であることが知られ
ている。この疾病はインスリン依存型、インスリン非依
存型及びその他に分類され、多様な成因によって起こる
と考えられているが、基本的にはインスリン作用の不足
により発症し、特に、インスリン依存型糖尿病では産生
されるインスリン量の絶対的な不足がその原因となって
いる。小島らは、インスリンを産生する膵臓ベータ細胞
への未分化膵臓幹細胞の分化を促進する作用を有するB
TC蛋白質をアロキサン膵部分灌流糖尿病モデルマウス
に1mg/kg体重/日で8週間連日皮下投与したとこ
ろ、耐糖能が改善され、BTC蛋白質又はそのムテイン
を含有する膵臓機能改善剤が糖尿病等の治療又は予防に
有用であることを報告している(特開平9−18863
0号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】BTC蛋白質もしくは
そのムテイン又はその塩の体内動態は分布容積、体内消
失クリアランスが大きく、血中半減期が20分程度であ
ることから、膵臓機能改善効果を得るためにはBTC蛋
白質もしくはそのムテイン又はその塩を高投与量で長期
間投与することが必要となる。しかしながら、例えばB
TC蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩の水溶液を
皮下投与する場合には、副作用の発現や、治療又は予防
の現実的な投与において患者の不便性や苦痛が懸念され
る。従って、これらの問題を解決できるBTC蛋白質も
しくはそのムテイン又はその塩を含有する有用な製剤の
開発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、BTC蛋白質もしく
はそのムテイン又はその塩を徐放性製剤として投与(特
に局所投与)すると、意外にも、多分化能を有する膵外
分泌腺由来細胞に作用して、これを有効にベータ細胞等
へ分化させるほか、長期間にわたりBTC蛋白質もしく
はそのムテイン又はその塩が徐放され、薬効を得るため
に高投与量を必要としないため副作用の軽減が達成で
き、かつ連日投与することがないため患者の不便性や苦
痛も軽減される等の臨床上の医薬として優れた性質を本
発明の製剤が有していることを見出した。更に、本発明
者らは、BTC蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩
を含有する製剤を膵臓へ局所投与することにより、有効
に膵臓機能が改善されることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0006】即ち本発明は、(1)ベータセルリン蛋白
質もしくはそのムテイン又はその塩を含有する徐放性製
剤、(2)ベータセルリン蛋白質が、配列番号:3、配
列番号:4、配列番号:5及び配列番号:6からなる群
から選ばれる少なくとも1つの配列番号で表わされるア
ミノ酸配列を有する蛋白質である前記(1)記載の徐放
性製剤、(3)ベータセルリン蛋白質が、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質又は配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質である
前記(1)記載の徐放性製剤、(4)ベータセルリン蛋
白質が、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有す
る蛋白質である前記(1)記載の徐放性製剤、(5)ベ
ータセルリン蛋白質のムテインが、配列番号:1もし
くは配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の1ないし
40個程度のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列
番号:1もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列の1ないし40個程度のアミノ酸が他のアミノ酸に置
換したアミノ酸配列、又は配列番号:1もしくは配列
番号:2で表わされるアミノ酸配列に1ないし40個程
度のアミノ酸が付加したアミノ酸配列を有する蛋白質で
ある前記(1)記載の徐放性製剤、(6)ベータセルリ
ン蛋白質のムテインが、配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列のN末端から12個又は30個のアミノ酸が欠
失したアミノ酸配列を有する蛋白質である前記(1)記
載の徐放性製剤、
【0007】(7)ベータセルリン蛋白質もしくはその
ムテイン又はその塩及びキャリアーを含有する前記
(1)記載の徐放性製剤、(8)キャリアーがポリマー
である前記(7)記載の徐放性製剤、(9)ポリマーが
生体内分解性ポリマーである前記(8)記載の徐放性製
剤、(10)生体内分解性ポリマーが脂肪族ポリエステ
ルである前記(9)記載の徐放性製剤、(11)脂肪族
ポリエステルが乳酸−グリコール酸重合体である前記
(10)記載の徐放性製剤、(12)乳酸−グリコール
酸重合体の乳酸/グリコール酸組成比が約100/0な
いし約40/60である前記(11)記載の徐放性製
剤、(13)乳酸−グリコール酸重合体の重量平均分子
量が約3,000ないし約80,000である前記(1
1)記載の徐放性製剤、(14)ポリマーが生体内非分
解性ポリマーである前記(8)記載の徐放性製剤、(1
5)生体内非分解性ポリマーがポリグリセリン脂肪酸エ
ステルである前記(14)記載の徐放性製剤、
【0008】(16)膵臓機能改善剤である前記(1)
記載の徐放性製剤、(17)糖尿病の治療又は予防剤で
ある前記(1)記載の徐放性製剤、(18)非経口投与
剤である前記(1)記載の徐放性製剤、(19)膵臓へ
の局所投与剤である前記(1)記載の徐放性製剤、(2
0)皮下投与剤である前記(1)記載の徐放性製剤、
(21)筋肉内投与剤である前記(1)記載の徐放性製
剤、(22)腹腔内投与剤である前記(1)記載の徐放
性製剤、(23)ベータセルリン蛋白質もしくはそのム
テイン又はその塩を含有する膵臓への局所投与剤、(2
4)徐放性製剤を製造するためのベータセルリン蛋白質
もしくはそのムテイン又はその塩の使用、及び(25)
膵臓への局所投与剤を製造するためのベータセルリン蛋
白質もしくはそのムテイン又はその塩の使用等に関す
る。
【0009】本発明で用いられるBTC蛋白質又はその
ムテインは、BTC様活性、即ち線維芽細胞、血管平滑
筋細胞、網膜色素上皮細胞等の細胞増殖促進作用、より
具体的には未分化膵臓幹細胞から膵臓ベータ細胞への分
化促進作用を有する蛋白質であれば何れのものであって
もよい。また、例えば発酵生産物、合成化合物、合成ペ
プチド等も用いることができる。また、BTC蛋白質と
しては、天然由来のものでもよく、遺伝子工学的手法に
よって製造された組換え型蛋白質でもよい。天然由来の
BTC蛋白質としては、例えばヒト、サル、マントヒ
ヒ、チンパンジー、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、マウ
ス、ラット等のあらゆる哺乳動物由来のBTC蛋白質が
用いられ、中でもヒト、マウス由来のもの等が好まし
く、特にヒト由来のものが好ましい。本発明の製剤をヒ
トに適用する場合は、とりわけヒト由来のBTC蛋白質
を用いるのが好ましい。
【0010】BTC蛋白質としては、具体的には、配列
番号:3、配列番号:4、配列番号:5及び配列番号:
6からなる群から選ばれる少なくとも1つの配列番号で
表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質等が用いられ
る。より具体的にはヒト由来BTC蛋白質として、例え
ば配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白
質(特開平6−87894)等が、マウス由来BTC蛋
白質としては、例えば配列番号:2で表わされるアミノ
酸配列を有する蛋白質(Shingら;サイエンス(Scienc
e),259:1604(1993))等が用いられる。また、これら
のBTC蛋白質は、アミノ酸のみで構成される単純蛋白
質であってもよく、糖蛋白質、リポ蛋白質、ヘム蛋白
質、金属蛋白質、フラビン蛋白質、リン蛋白質等の複合
蛋白質であってもよい。糖蛋白質である場合、糖鎖とし
ては、例えばD-マンノース、D-ガラクトース、L-フルク
トース等の中性糖、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン
等のアミノ糖、及びシアル酸等が挙げられる。
【0011】BTC蛋白質のムテインとしては、例えば
上記BTC蛋白質の少なくも1個の構成アミノ酸が欠失
している欠失型ムテイン、BTC蛋白質の少なくとも1
個の構成アミノ酸が他のアミノ酸に置換している置換型
ムテイン、BTC蛋白質に少なくとも1個のアミノ酸が
付加している付加型ムテイン等が用いられる。アミノ酸
の欠失、置換又は付加の数は、BTC蛋白質の本来有す
る作用を失わない限り何個でもよい。具体的には、配
列番号:1もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸
配列の1ないし40個程度のアミノ酸が欠失したアミノ
酸配列、配列番号:1もしくは配列番号:2で表わさ
れるアミノ酸配列の1ないし40個、好ましくは1ない
し9個程度のアミノ酸が他のアミノ酸配列に置換したア
ミノ酸配列、又は配列番号:1もしくは配列番号:2
で表わされるアミノ酸配列に1ないし40個、好ましく
は1ないし9個程度のアミノ酸が付加したアミノ酸配列
を有する蛋白質等が用いられ、中でも、次の部分アミノ
酸配列、 His Phe Ser Arg Cys Pro Lys Gln Tyr Lys His Ty
r Cys Ile(配列番号:3) Gly Arg Cys Arg Phe Val Val (配列番号:4) Glu Gln Thr Pro Ser Cys (配列番号:5)、及び Gly Ala Arg Cys Glu Arg Val Asp Leu Phe Tyr
(配列番号:6)からなる群から選ばれる少なくとも1つ
のアミノ酸配列を有する蛋白質等が好ましい。 これらのムテインの中でも、欠失型ムテイン等が好まし
く、例えば配列番号:1もしくは配列番号:2で表わさ
れるアミノ酸配列のN末端から1ないし40個程度のア
ミノ酸が欠失したアミノ酸配列を有する蛋白質等が好ま
しい。
【0012】より具体的には、BTC蛋白質の欠失型ム
テインとして、例えば配列番号:1もしくは配列番号:
2で表わされるアミノ酸配列のN末端から12個又は3
0個のアミノ酸を欠失したアミノ酸配列を有するヒトB
TC蛋白質の欠失型ムテイン等が用いられる(Watanabe
ら;ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal
of Biochemistry),269:9966(1994))。特に、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列のN末端から12個又
は30個のアミノ酸を欠失したアミノ酸配列を有するヒ
トBTC蛋白質の欠失型ムテインが好ましい。その他の
BTC蛋白質のムテインとしては、BTC蛋白質のN末
端がアシル化(例、ホルミル、アセチルなどのC2-6
ルカノイルなどのC1-6アシル)されたもの、グリコシ
ル化されたもの、ポリエチレングリコール誘導体等の化
学修飾されたもの等、BTC蛋白質の有する作用を失わ
ない限り何れのものでもよい。また、該BTC蛋白質又
はそのムテインは、C末端のカルボキシル基がアミド化
又はエステル化(例、メチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチルなどのC1-6アルキル−エス
テルなど)されていてもよい。
【0013】BTC蛋白質又はそのムテインは塩を形成
していてもよく、BTC蛋白質又はそのムテインの塩と
しては、とりわけ薬理学的に許容される塩が好ましい。
この様な塩としては、例えば無機酸(例えば塩酸、りん
酸、臭化水素酸、硫酸等)との塩、有機酸(例えば酢
酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハ
ク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、
メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等)との塩、無
機塩基との塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等のア
ルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアル
カリ土類金属塩;アルミニウム塩、アンモニウム塩
等)、有機塩基との塩(例えばトリメチルアミン、トリ
エチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシ
クロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジア
ミン等)等が用いられる。
【0014】本発明に用いられるBTC蛋白質又はその
ムテインのうち、配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有するヒトBTC蛋白質、配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列のN末端から12個又は30個のアミノ
酸が欠失したアミノ酸配列を有する欠失型ヒトBTCム
テイン、及び配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を
有するマウスBTC蛋白質は公知である。また、それら
以外のBTC蛋白質又はそのムテインについては自体公
知の方法あるいはそれに準じる方法に従って製造するこ
とができ、例えば自体公知のペプチドの合成法に従っ
て、あるいは公知のペプチド又は前駆体を適当なペプチ
ターゼで切断することによって製造することができる。
ペプチドの合成方法としては、例えば固相合成法、液相
合成法の何れでもよい。即ち、目的とするペプチドは、
そのペプチド又は前駆体を構成し得る部分ペプチドもし
くはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基
を有する場合は保護基を脱離することにより製造するこ
とができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、
例えば以下のないしに記載された方法が挙げられ
る。 M. Bodanszky 及び M. A. Ondetti,ペプチド シン
セシス(Peptide Synthesis),Interscience Publishe
rs, New York (1966年) Schroeder 及び Luebke,ザ ペプチド(The Peptid
e),Academic Press, New York(1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、丸善
(株)(1975年) 矢島治明及び榊原俊平、生化学実験講座1、ペプチ
ド又は前駆体の化学IV、205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド
合成 広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば溶媒抽出・蒸留・
カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー・
再結晶等を組み合わせて目的とするペプチド又は前駆体
を精製単離することができる。上記方法で得られるペプ
チド又は前駆体は遊離体である場合は、公知の方法によ
って適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得ら
れた場合は、公知の方法によって遊離体に変換すること
ができる。
【0015】本発明のBTC蛋白質もしくはそのムテイ
ン又はその塩を含有する徐放性製剤は、キャリアー(担
体あるいは基剤)を含有しているのが好ましく、キャリ
アーとして例えば蛋白、ポリサッカライド、ポリマー
(生体内分解性ポリマー、生体内非分解性ポリマー)、
リポソーム、無機物等が挙げられる。蛋白としては、例
えばコラーゲン、ゲラチン、フィブリン、血清アルブミ
ン等が挙げられる。ポリサッカライドとしては、例えば
デンプン、ヒアルロン酸、キトサン、キチン、アルギン
酸塩、アガロース、デキストラン、セルロース誘導体等
が挙げられる。生体内分解性ポリマーとしては、例えば
脂肪族ポリエステル、ポロフォスファベンゼン、ポリオ
ルソエステル等が挙げられる。生体内非分解性ポリマー
としては、例えばポリグリセリン脂肪酸エステル、シリ
コン、エチルビニルアセテート共重合体、ポリヒドロキ
シエチルメチルメタアクリレート、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。リポソーム
としては、通常のリポソームに加えて例えばポリサッカ
ライド修飾リポソーム等が挙げられる。無機物として
は、例えばハイドロキシアパタイド、トリカルシュウム
フォスフェイト、カルシュウムカルボネート、カルシュ
ウムサルフェート等が挙げられる。
【0016】本発明の徐放性製剤に用いるキャリアーと
しては、例えばポリマー(例えば生体内分解性ポリマ
ー、生体内非分解性ポリマー等)等が好ましく、特に生
体内分解性ポリマーとして例えば脂肪族ポリエステル
等、生体内非分解性ポリマーとして例えばポリグリセリ
ン脂肪酸エステル等が好ましい。脂肪族ポリエステルと
しては、例えば乳酸−グリコール酸重合体等が用いられ
る。乳酸−グリコール酸重合体の組成比(乳酸/グリコ
ール酸;L/G比)(モル%)は約100/0ないし約
40/60が好ましく、更に好ましくは約100/0な
いし約75/25であり、特に好ましくは100/0
(ポリ乳酸)である。乳酸−グリコール酸重合体の重量
平均分子量は約3,000ないし約80,000が好まし
く、更に好ましくは約5,000ないし約25,000で
あり、特に好ましくは約7,000ないし約20,000
である。乳酸−グリコール酸重合体の分散度(重量平均
分子量/数平均分子量)は、好ましくは約1.2ないし
約4.0、更に好ましくは約1.5ないし約3.5であ
る。
【0017】ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、
例えばテトラグリセロールモノパルミテート(TGM
P)、テトラグリセロールジパルミテート(TGD
P)、テトラグリセロールトリパルミテート(TGT
P)、テトラグリセロールヘキサパルミテート(TGH
P)、テトラグリセロールモノステアレート(TGM
S)、テトラグリセロールジステアレート(TGD
S)、テトラグリセロールトリステアレート(TGT
S)、テトラグリセロールヘキサステアレート(TGH
S)、ヘキサグリセロールペンタステアレート(HGP
S)、テトラグリセロールヘキサパルミテート(TGH
P)等が挙げられ、これらを単独であるいは混合して用
いることができる。
【0018】本発明の徐放性製剤は、自体公知の方法に
したがって製造される。本発明の徐放性製剤は、具体的
には、BTC蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩
と、徐放性製剤の製造時に通常用いられるキャリアー
(例えば前記キャリアー)とを混合し、必要に応じて成
形することによって製造される。該キャリアーは、例え
ばBTC蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩の使用
量が、キャリアーに対して約0.01ないし約50%(w
/w)となるように使用される。以下に本発明の徐放性
製剤として、例えばA)生体内非分解性ポリマーである
ポリグリセリン脂肪酸エステルをキャリアーとして用い
たBTC蛋白質含有徐放性製剤、及びB)生体内分解性
ポリマーである乳酸−グリコール酸重合体をキャリアー
として用いたBTC蛋白質含有徐放性製剤の製造法につ
いて例示する。 A)ポリグリセリン脂肪酸エステルをキャリアーとして
用いたBTC蛋白質含有徐放性製剤 ポリグリセリン脂肪酸エステルを加温・融解し、BTC
蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩の粉末を添加し
攪拌等により均等に分散させる。この後冷却し、円盤
状、フィルム状、棒状等に成形する。このようにして所
定量のBTC蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩を
含有するポリグリセリン脂肪酸エステルの徐放性製剤を
得ることができる。加温温度は約50ないし約100
℃、冷却温度は約0ないし約40℃である。BTC蛋白
質もしくはそのムテイン又はその塩の使用量は、BTC
蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩の種類、所望の
薬理効果及び効果の持続期間等により異なるが、ポリグ
リセリン脂肪酸エステルに対して約0.1ないし約50
%(w/w)である。
【0019】B)乳酸−グリコール酸重合体をキャリア
ーとして用いたBTC蛋白質含有徐放性製剤 B−1)棒状成形物等の製造法について詳述する。 B−1−a) 乳酸−グリコール酸重合体を有機溶媒(好ましくはジク
ロルメタン等)で溶解し、BTC蛋白質もしくはそのム
テイン又はその塩の水溶液を添加後乳化する。これを真
空乾燥しBTC蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩
が均等に分散した乳酸−グリコール酸重合体の粉末を得
る。これを加温し、冷却することにより、円盤状、フィ
ルム状、棒状(ロッド状)等に成形する。このようにし
て所定量のBTC蛋白質もしくはそのムテイン又はその
塩を含有する乳酸−グリコール酸重合体の徐放性製剤を
得ることができる。加温温度は約50ないし約100
℃、冷却温度は約0ないし約40℃である。BTC蛋白
質もしくはそのムテイン又はその塩の使用量は、BTC
蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩の種類、所望の
薬理効果及び効果の持続期間等により異なるが、乳酸−
グリコール酸重合体に対して約0.1ないし約30%(w
/w)である。
【0020】B−1−b) 乳酸−グリコール酸重合体を有機溶媒(好ましくはジク
ロルメタン等)で溶解し、BTC蛋白質もしくはそのム
テイン又はその塩の粉末を添加後、均一に分散させる。
得られる分散系を真空乾燥し、BTC蛋白質もしくはそ
のムテイン又はその塩が均等に分散した乳酸−グリコー
ル酸重合体の粉末を得る。これを加温し、冷却すること
により、円盤状、フィルム状、棒状(ロッド状)等に成
形する。このようにして所定量のBTC蛋白質もしくは
そのムテイン又はその塩を含有する乳酸−グリコール酸
重合体の徐放性製剤を得ることができる。加温温度、冷
却温度、およびBTC蛋白質もしくはそのムテイン又は
その塩の使用量は、前記と同様である。
【0021】B−2)マイクロカプセル(マイクロスフ
ェアとも称する)の製造法について詳述する。W/O/
Wエマルション及びO/Wエマルションは、それぞれ
(i)BTC蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩の
水溶液、分散液又は懸濁液を内水相とし、乳酸−グリコ
ール酸重合体の有機溶媒溶液を油相とするW/Oエマル
ションを得るか、又は(ii)BTC蛋白質もしくはその
ムテイン又はその塩を乳酸−グリコール酸重合体の有機
溶媒溶液に溶解あるいは懸濁して油相を得、この(i)
又は(ii)を水(外水相)に添加し、分散、乳化するこ
とによって製造される。上記(i)、即ちBTC蛋白質
もしくはそのムテイン又はその塩の水溶液、分散液又は
懸濁液を内水相とし、乳酸−グリコール酸重合体の有機
溶媒溶液を油相とするW/Oエマルションは、以下のよ
うにして製造される。まず、BTC蛋白質もしくはその
ムテイン又はその塩を水に溶解、分散又は懸濁し、内水
相を製造する。BTC蛋白質もしくはそのムテイン又は
その塩の水溶液、分散液又は懸濁液中の濃度は、例えば
0.001ないし90%(w/w)、好ましくは0.01
ないし80%(w/w)である。上記BTC蛋白質もし
くはそのムテイン又はその塩の使用量は、BTC蛋白質
もしくはそのムテイン又はその塩の種類、所望の薬理効
果及び効果の持続期間等により異なるが、乳酸−グリコ
ール酸重合体に対して、約0.01ないし約50%(w
/w)、好ましくは約0.1ないし約40%(w/
w)、特に好ましくは約1ないし約30%(w/w)で
ある。
【0022】必要であれば、BTC蛋白質もしくはその
ムテイン又はその塩のマイクロカプセルへの取り込みを
あげるために、内水相にゼラチン、寒天、アルギン酸ナ
トリウム、ポリビニールアルコールあるいは塩基性アミ
ノ酸(例えばアルギニン、ヒスチジン、リジン等)等の
薬物保持物質を加えてもよい。薬物保持物質の添加量
は、BTC蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩に対
し、通常約0.01ないし約10重量倍である。内水相
は、一旦凍結乾燥して粉末状態とした後、適当な濃度と
なるように水を添加して溶解して用いてもよい。
【0023】別に、乳酸−グリコール酸重合体を有機溶
媒に溶解し、油相を製造する。前記有機溶媒としては、
ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン、クロロホ
ルム、クロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素
等)、脂肪酸エステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル
等)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン、キ
シレン等)が挙げられ、中でもジクロロメタンが好まし
い。有機溶媒中の乳酸−グリコール酸重合体の濃度は、
該乳酸−グリコール酸重合体の種類、分子量、有機溶媒
の種類により異なるが、[乳酸−グリコール酸重合体の
重量/(有機溶媒の重量+乳酸−グリコール酸重合体の
重量)](×100%)は、通常約0.01ないし約9
0%(w/w)、好ましくは約0.01ないし約70%
(w/w)である。未溶解物がないように溶解するのが
よい。このようにして得られる乳酸−グリコール酸重合
体の有機溶媒溶液(油相)に、上記したBTC蛋白質も
しくはそのムテイン又はその塩の水溶液、分散液又は懸
濁液(内水相)を添加し、ホモミキサー等で分散、乳化
し、W/Oエマルションを製造する。
【0024】一方、上記(ii)、即ちBTC蛋白質もし
くはそのムテイン又はその塩を乳酸−グリコール酸重合
体の有機溶媒溶液に溶解あるいは懸濁して得られる油相
は、以下のようにして製造される。まず、乳酸−グリコ
ール酸重合体の有機溶媒溶液を製造する。該有機溶媒と
しては、上記W/Oエマルションを製造する際に用いた
有機溶媒と同様のものが用いられる。有機溶媒溶液中の
乳酸−グリコール酸重合体の濃度は、該乳酸−グリコー
ル酸重合体の分子量、有機溶媒の種類によって異なる
が、[乳酸−グリコール酸重合体の重量/(有機溶媒の
重量+乳酸−グリコール酸重合体の重量)](×100
%)は、通常約0.01ないし約70%(w/w)、好
ましくは約1ないし約60%(w/w)である。次に、
BTC蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩を乳酸−
グリコール酸重合体の有機溶媒溶液に溶解あるいは懸濁
して油相を製造する。BTC蛋白質もしくはそのムテイ
ン又はその塩の使用量は、該BTC蛋白質もしくはその
ムテイン又はその塩の乳酸−グリコール酸重合体に対す
る割合が上記W/Oエマルション(i)を製造する場合
と同様になるように選択すればよい。
【0025】ついで上記した(i)W/Oエマルション
又は(ii)油相を、外水相に添加し、ホモミキサー等を
用いて分散、乳化し、それぞれW/O/Wエマルション
又はO/Wエマルションを製造する。外水相の使用量
は、通常上記(i)又は(ii)の約1ないし約1000
0容量倍、好ましくは約10ないし約2000容量倍、
特に好ましくは約50ないし約500容量倍である。外
水相中には、通常乳化剤を添加する。該乳化剤として
は、一般的に安定なW/O/Wエマルション又はO/W
エマルションを形成し得るものであればよく、例えばア
ニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリオキ
シエチレンヒマシ油誘導体、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、レ
シチン、ゼラチン、ヒアルロン酸等が挙げられるが、中
でもポリビニルアルコールが好ましい。外水相中の乳化
剤の濃度は、通常約0.001ないし約20%(w/
w)、好ましくは約0.01ないし約10%(w/
w)、特に好ましくは約0.05ないし約5%(w/
w)である。このようにして得られるW/O/Wエマル
ション又はO/Wエマルション(以下、これらを単にエ
マルションと略記する場合がある)を水中乾燥法に付す
ことにより、これらエマルションに含まれる有機溶媒を
除去してマイクロカプセルを製造することができる。
【0026】このようにして得られるマイクロカプセル
は、遠心分離あるいは篩等で回収し、所望により、マイ
クロカプセル同士の凝集を防止するため糖あるいは糖ア
ルコール、無機塩等、好ましくはマンニトール、ソルビ
トール等の凝集防止剤を添加した後、凍結乾燥に付す。
マイクロカプセルと凝集防止剤の混合割合(重量比)
は、約50:1ないし約1:1、好ましくは約20:1
ないし約1:1、更に好ましくは約10:1ないし約
5:1である。凝集防止剤の添加方法は、マイクロカプ
セルと凝集防止剤とが均一に混合される方法であれば特
に限定されないが、例えば凝集防止剤の水溶液にマイク
ロカプセルを分散する方法等が挙げられる。BTC蛋白
質もしくはそのムテイン又はその塩の徐放性マイクロカ
プセルの製造法においては、水中乾燥法によりマイクロ
カプセル化するのが好適である場合が多い。このように
して得られたマイクロカプセルは、必要があれば減圧下
加温乾燥しマイクロカプセル中の水分及び溶媒の除去を
より完全に行う。
【0027】また、前記したW/O/Wエマルション又
はO/Wエマルションを用いる方法の他に、BTC蛋白
質もしくはそのムテイン又はその塩の粉末(S相)を、
乳酸−グリコール酸重合体を溶解した有機溶媒液(O
相)に分散させた、S/O型分散液から溶媒を除去する
ことによるS/O/W法により製造することもできる。
本法は、まず乳酸−グリコール酸重合体を有機溶媒に溶
解し、この有機溶媒液中にBTC蛋白質もしくはそのム
テイン又はその塩の粉末(S相)を添加し分散させる。
この際、BTC蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩
と乳酸−グリコール酸重合体との混合割合(重量比)
は、例えば約1:1000ないし約1:1、好ましくは
約1:200ないし約1:5、更に好ましくは約1:1
00ないし約1:5である。また、BTC蛋白質もしく
はそのムテイン又はその塩の粉末を有機溶媒液中に均一
に分散させるため、外部物理的エネルギーを加えること
が好ましい。その方法としては例えば超音波照射、ター
ビン型撹拌器、ホモジナイザー等が用いられる。
【0028】次いでこのようにして調製された有機溶媒
分散液(S/O型分散液)を、更に水性溶媒(W相)中
に添加して、上記と同様の外部物理的エネルギー、例え
ば超音波照射、タービン型撹拌器、あるいはホモジナイ
ザー等によりS/O/W型エマルションを形成させる。
以後、油相溶媒を蒸発させマイクロカプセルを製造す
る。この際の水相体積は、一般的には油相体積の約1倍
ないし約10,000倍から選ばれる。更に好ましくは
約2倍ないし約5,000倍、特に好ましくは約5倍な
いし約2,000倍から選ばれる。上記外水相中には、
乳化剤を加えてもよい。該乳化剤としては、一般的に安
定なS/O/Wエマルションを形成できるものであれば
何れでもよい。乳化剤としては、例えばアニオン性界面
活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンヒ
マシ油誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール、カルボキシメチルセルロース、レシチン、ゼラ
チン、ヒアルロン酸等が挙げられる。これらは適宜組み
合わせて使用してもよい。外水相中の乳化剤の濃度は、
好ましくは約0.001%ないし約20%(w/w)で
ある。更に好ましくは約0.01%ないし約10%(w
/w)、特に好ましくは約0.05%ないし約5%(w
/w)である。
【0029】このようにして得られたマイクロカプセル
は、遠心分離あるいは濾過操作により分取した後、マイ
クロカプセルの表面に付着している乳化剤等を蒸留水に
よる洗浄で除去し、再び蒸留水等に分散して凍結乾燥す
る。その後必要であれば、加温してマイクロカプセル中
の水分及び有機溶媒を更に除去する。減圧下に加温して
もよい。加温条件としては、用いた乳酸−グリコール酸
重合体のガラス転移温度以上で、マイクロカプセルの各
粒子が互いに付着しない程度の温度で加熱乾燥する。好
ましくは、乳酸−グリコール酸重合体のガラス転移温度
からガラス転移温度より約30℃高い温度の範囲で加熱
乾燥する。ここでガラス転移温度とは、示差走査熱量計
を用い、加温速度毎分10ないし20℃で昇温した際に
得られる中間点を云う。このようにして得られるマイク
ロカプセルは、粒子同士の凝集を防ぐために凝集防止剤
を加えてもよい。該凝集防止剤としては、例えばマンニ
トール、ラクトース、ブドウ糖、デンプン類(例えばコ
ーンスターチ等)、ヒアルロン酸あるいはこのアルカリ
金属塩等の水溶性多糖、グリシン、フィブリン、コラー
ゲン等の蛋白質、塩化ナトリウム、リン酸水素ナトリウ
ム等の無機塩類等が適宜用いられる。
【0030】また、マイクロカプセルは、前記B−1−
a)の場合と同様に、加温後、冷却することにより、円
盤状、フィルム状、棒状(ロッド状)等に成形すること
もできる。
【0031】前記した各種製造法において、有機溶媒に
乳酸−グリコール酸重合体を溶解する際に、該有機溶媒
に酸化亜鉛を添加してもよい。酸化亜鉛の使用量は、乳
酸−グリコール酸重合体1重量部に対し、例えば約0.
1〜約100重量部、好ましくは約1〜約20重量部で
ある。また、酸化亜鉛の粒子径は、通常約0.001〜
約10μm、好ましくは約0.005〜約1μmであ
る。このように、酸化亜鉛を使用して得られる徐放性製
剤は、「薬物取り込み率が高い」、「生体内投与時の薬
物初期過剰放出が小さい」、「長期にわたって持続的に
薬物を放出できる」等の優れた性質を有する。
【0032】本発明の徐放性製剤を製造する際に、BT
C蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩を、酢酸アン
モニウム水溶液に溶解し、凍結乾燥して用いてもよい。
このように酢酸アンモニウムで処理して得られるBTC
蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩は、粒子径が小
さく、優れた操作性を有するので、徐放性製剤を製造す
る際に有利である。
【0033】こうして得られる本発明の徐放性製剤は、
そのままあるいは所望により製剤学的に許容される添加
剤(例えば安定化剤、保存剤、無痛化剤等)を用いて種
々の剤形に製造して投与することができる。このような
製剤としては、例えば非経口剤(例えば注射剤、埋め込
み剤、坐剤等)、経口投与剤(例えばカプセル剤、錠
剤、顆粒剤、散剤等の固形製剤、シロップ剤、乳剤、懸
濁剤等の液剤等)等が挙げられる。製剤学的に許容され
る添加剤としての安定剤としては、例えばヒト血清アル
ブミン、ポリエチレングリコール等、保存剤としては、
例えばベンジルアルコール、フェノール等、無痛化剤と
しては、例えば塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン
等が挙げられる。本発明の製剤におけるBTC蛋白質も
しくはそのムテイン又はその塩の含有量は、製剤全体に
対して通常約0.01ないし約100%(w/w)の範
囲から適宜選択することができる。
【0034】本発明の徐放性製剤は、BTC蛋白質もし
くはそのムテイン又はその塩を、水性溶剤(例、蒸留
水、生理的食塩水、リンゲル液等)または油性溶剤
(例、オリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油等の植物
油;プロピレングリコール等)に溶解、懸濁または乳化
した後、市販の徐放性製剤用容器[例、デュロス(商品
名、アルザ社製)]に封入することによっても製造され
る。
【0035】本発明の製剤の投与方法は、経口、非経口
のいずれでよいが、非経口剤とするのが好ましく、なか
でも皮下投与剤、腹腔内投与剤及び筋肉内投与剤等の全
身性投与剤、又は臓器等への局所投与剤とすることが好
ましく、特に膵臓への局所投与剤とする場合が好まし
い。本発明において、BTC蛋白質もしくはそのムテイ
ン又はその塩を含有する膵臓への局所投与剤としては、
BTC蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩をそのま
ま、あるいは公知の製剤学的製造法に準じ、所望により
製剤学的に許容される担体を用いて種々の剤形に製造さ
れたBTC蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩を含
有する製剤であればよいが、BTC蛋白質もしくはその
ムテイン又はその塩を含有する徐放性製剤であることが
好ましい。膵臓への局所投与剤は、具体的には、BTC
徐放性製剤を内視鏡手術等を応用して直接膵臓またはそ
の周辺へ投与する、ステント技術を用いて製剤を膵臓支
配動脈に投与する、経口的内視鏡を用いて膵管経由で製
剤を膵臓に投与する等の方法により用いられる。
【0036】本発明の製剤の剤型としては、前記BTC
蛋白質含有徐放性製剤の製造法の説明において例示した
円盤状成形物、フィルム状成形物、棒状成形物、マイク
ロカプセルなどが挙げられるが、BTC蛋白質もしくは
そのムテイン又はその塩を膵臓において局所的にかつ長
期にわたって供給するためには、円盤状成形物、フィル
ム状成形物、棒状成形物が好ましい。さらに、製剤の製
造工程が簡便であることから、棒状成形物が特に好まし
い。
【0037】本発明の製剤は低毒性であるので、哺乳動
物(例えばヒト、サル、マントヒヒ、チンパンジー、ブ
タ、ウシ、ヒツジ、ウマ、マウス、ラット等)の膵臓機
能障害や膵臓機能低下に対して安全な製剤として使用す
ることができる。具体的には、本発明の製剤は、細胞分
化促進剤として膵臓ベータ細胞の分化を促進する作用を
有する。即ち、本発明の製剤は、未分化膵臓幹細胞に作
用して、これを膵臓ベータ細胞へと分化させることがで
き、このようにして分化誘導されて生じた膵臓ベータ細
胞は、インスリンを分泌・産生することができる。ま
た、本発明の製剤は、未分化膵臓幹細胞を膵臓の他の細
胞、例えばパンクレアティックペプチド(以下、PPと
略称する場合がある)を産生するF細胞へと分化誘導さ
せる作用も有する。更には、本発明の製剤はin vivoに
おける耐糖能改善作用を有する。従って、本発明の製剤
は、例えば糖尿病(例えばインスリン依存性糖尿病)、
糖尿病における膵臓機能障害、老人性のインスリン分泌
低下に伴う膵臓機能低下症、糖尿病性合併症(例えば神
経障害、腎症、網膜症、白内障、大血管障害、骨減少症
等)、未分化型膵ガン等の疾患の治療又は予防に有効に
用いることができる。本発明の製剤の投与量は、主薬で
あるBTC蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩の種
類と含有量、剤形、持続期間、投与対象、投与ルート、
投与目的、対象疾患、症状等に応じて適宜選択すること
ができるが、例えば糖尿病の成人患者(体重約60k
g)の治療に注射剤(例えば約2ないし約3ヶ月徐放
剤)として投与する場合、1回あたり、BTC蛋白質も
しくはそのムテイン又はその塩として約30ないし約6
00mg/kg体重である。
【0038】また、本発明の製剤は、糖尿病治療剤、糖
尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満
剤、利尿剤、化学療法剤、免疫療法剤等の薬剤(以下、
併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができ
る。この際、本発明の製剤及び併用薬剤の投与時期は限
定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与しても
よいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬剤の投
与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選
択することができる。また、本発明の製剤と併用薬剤の
配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組
み合わせ等に応じて適宜選択することができる。
【0039】糖尿病治療剤としては、インスリン製剤
(例えばウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリ
ン製剤;大腸菌、イーストを用い、遺伝子工学的に合成
したヒトインスリン製剤等)、インスリン感受性増強剤
(例えば塩酸ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロシグ
リタゾン(またはそのマレイン酸塩)、JTT−50
1、MCC−555、R−119702等)、α−グル
コシダーゼ阻害剤(例えばボグリボース、アカルボー
ス、ミグリトール等)、ビグアナイド剤(例えばフェン
ホルミン、メトホルミン、ブホルミン等)、あるいはス
ルホニルウレア剤(例えばトルブタミド、グリベンクラ
ミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、
アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド
等)やその他のインスリン分泌促進剤(例えばレパグリ
ニド、セナグリニド、ミツグリニド、GLP−1等)等
が挙げられる。糖尿病性合併症治療剤としては、アルド
ース還元酵素阻害剤(例えばトルレスタット、エパルレ
スタット、ゼナレスタット、SK−860、CT−11
2等)、神経栄養因子(例えばNGF、NT−3等)、
活性酸素消去薬(例えばチオクト酸等)、脳血管拡張剤
(例えばチオプリド、メキシレチン等)が挙げられる。
【0040】抗高脂血症剤としては、コレステロール合
成阻害剤であるスタチン系化合物(例えばセリバスタチ
ン、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、
アトロバスタチン、フルバスタチン等)、スクアレン合
成酵素阻害剤あるいはトリグリセリド低下作用を有する
フィブラート系化合物(例えばベザフィブラート、クロ
フィブラート、シムフィブラート、クリノフィブラート
等)等が挙げられる。降圧剤としては、アンジオテンシ
ン変換酵素阻害剤(例えばカプトプリル、エナラプリ
ル、デラプリル等)、アンジオテンシンII拮抗剤(例え
ばカンデサルタンシレキセチル、ロサルタン等)、カル
シウム拮抗剤(例えばニカルジピン、ニフェジピン、ジ
ルチアゼム、マニジピン等)等が挙げられる。抗肥満剤
としては、例えば中枢性抗肥満薬(例えばデキスフェン
フルアミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブ
トラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マ
ジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾ
レックス等)、膵リパーゼ阻害薬(例えばオルリスタッ
ト等)、β3アゴニスト(例えばCL−316243、
SR−58611−A、UL−TG−307、AJ−9
677等)、ペプチド性食欲抑制薬(例えばレプチン
等)、コレシストキニンアゴニスト(例えばリンチトリ
プト、FPL−15849等)等が挙げられる。
【0041】利尿剤としては、例えばキサンチン誘導体
(例えばサリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル
酸カルシウムテオブロミン等)、チアジド系製剤(例え
ばエチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチア
ジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、
ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリ
チアジド、メチクロチアジド等)、抗アルドステロン製
剤(例えばスピロノラクトン、トリアムテレン等)、炭
酸脱水酵素阻害剤(例えばアセタゾラミド等)、クロル
ベンゼンスルホンアミド系製剤(例えばクロルタリド
ン、メフルシド、インダパミド等)、アゾセミド、イソ
ソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フ
ロセミド等が挙げられる。
【0042】化学療法剤としては、例えばアルキル化剤
(例えばサイクロフォスファミド、イフォスファミド
等)、代謝拮抗剤(例えばメソトレキセート、5−フル
オロウラシル等)、抗癌性抗生物質(例えばマイトマイ
シン、アドリアマイシン等)、植物由来抗癌剤(例えば
ビンクリスチン、ビンデシン、タキソール等)、シスプ
ラチン、カルボプラチン、エトポキシド等が挙げられ
る。中でも5−フルオロウラシル誘導体であるフルツロ
ンあるいはネオフルツロン等が好ましい。免疫療法剤と
しては、例えば微生物又は細菌成分(例えばムラミルジ
ペプチド誘導体、ピシバニール等)、免疫増強活性のあ
る多糖類(例えばレンチナン、シゾフィラン、クレスチ
ン等)、遺伝子工学的手法で得られるサイトカイン(例
えばインターフェロン、インターロイキン(IL)
等)、コロニー刺激因子(例えば顆粒球コロニー刺激因
子、エリスロポエチン等)等が挙げられ、中でもIL−
1、IL−2、IL−12等が好ましい。
【0043】更に、動物モデルや臨床で悪液質改善作用
が認められている薬剤、即ち、シクロオキシゲナーゼ阻
害剤(例えばインドメタシン等)〔キャンサー・リサー
チ(Cancer Reseach)、第49巻、5935ないし59
39頁、1989年〕、プロゲステロン誘導体(例えば
メゲステロールアセテート)〔ジャーナル・オブ・クリ
ニカル・オンコロジー(Journal of Clinical Oncolog
y)、第12巻、213ないし225頁、1994
年〕、糖質ステロイド(例えばデキサメサゾン等)、メ
トクロプラミド系薬剤、テトラヒドロカンナビノール系
薬剤(文献は何れも上記と同様)、脂肪代謝改善剤(例
えばエイコサペンタエン酸等)〔ブリティシュ・ジャー
ナル・オブ・キャンサー(British Journal of Cance
r)、第68巻、314ないし318頁、1993
年〕、成長ホルモン、IGF−1、あるいは悪液質を誘
導する因子であるTNF−α、LIF、IL−6、オン
コスタチンMに対する抗体等も本発明製剤と併用するこ
とができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施例及び実験
例を示して更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれ
らに限定されるものではない。本明細書および図面にお
いて、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IU
PAC−IUB Commision on Bioch
emical Nomenclatureによる略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン
【0045】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕ヒト由来BTC蛋白質のアミノ酸配列
を示す。 〔配列番号:2〕マウス由来BTC蛋白質のアミノ酸配
列を示す。 〔配列番号:3〕配列番号:1および配列番号:2で表
されるアミノ酸配列の第36番目から第47番目の部分
アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:4〕配列番号:1および配列番号:2で表
されるアミノ酸配列の第49番目から第55番目の部分
アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:5〕配列番号:1および配列番号:2で表
されるアミノ酸配列の第57番目から第62番目の部分
アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:6〕配列番号:1および配列番号:2で表
されるアミノ酸配列の第70番目から第80番目の部分
アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:7〕配列番号:1で表されるヒト由来BT
C蛋白質のアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするD
NAの塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕配列番号:2で表されるマウス由来B
TC蛋白質のアミノ酸配列を有する蛋白質をコードする
DNAの塩基配列を示す。
【0046】
【実施例】実施例1 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるテトラグリ
セロールモノパルミテート(TetraGlycerol MonoPalmit
ate,TGMP)760mgを60ないし75℃で加熱融解
後、rhBTC(リコンビナントヒトベータセルリン蛋
白質)凍結乾燥粉末20mgを添加し攪拌混合後、14G
留置針に約30mg吸引し室温にて冷却固化した。固化し
たrhBTC含有TGMPを取り出すため留置針を55
℃で約1分間加熱し押し出し成形した。得られた円柱の
ペレットを長さ20mmに切断し、長径約1.2mm、長さ
約20mmの徐放性rhBTC含有TGMP製剤を得た。
製剤中の薬物(rhBTC)含量は仕込み量で2.5%
であった。
【0047】実施例2 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるテトラグリ
セロールジパルミテート(TetraGlycerol DiPalmitate,
TGDP)760mgを60ないし75℃で加熱融解後、
rhBTC凍結乾燥粉末20mgを添加し攪拌混合後、1
4G留置針に約30mg吸引し室温にて冷却固化した。固
化したrhBTC含有TGDPを取り出すため留置針を
55℃で約1分間加熱し押し出し成形した。得られた円
柱のペレットを長さ20mmに切断し、長径約1.2mm、
長さ約20mmの徐放性rhBTC含有TGDP製剤を得
た。製剤中の薬物含量は仕込み量で2.5%であった。
【0048】実施例3 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるテトラグリ
セロールトリパルミテート(TetraGlycerol TriPalmita
te,TGTP)760mgを60ないし75℃で加熱融解
後、rhBTC凍結乾燥粉末20mgを添加し攪拌混合
後、14G留置針に約30mg吸引し室温にて冷却固化し
た。固化したrhBTC含有TGTPを取り出すため留
置針を55℃で約1分間加熱し押し出し成形した。得ら
れた円柱のペレットを長さ20mmに切断し、長径約1.
2mm、長さ約20mmの徐放性rhBTC含有TGTP製
剤を得た。製剤中の薬物含量は仕込み量で2.5%であ
った。
【0049】実施例4 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるテトラグリ
セロールヘキサパルミテート(TetraGlycerol HexaPalm
itate,TGHP)760mgを60ないし75℃で加熱融
解後、rhBTC凍結乾燥粉末20mgを添加し攪拌混合
後、14G留置針に約30mg吸引し室温にて冷却固化し
た。固化したrhBTC含有TGHPを取り出すため留
置針を55℃で約1分間加熱し押し出し成形した。得ら
れた円柱のペレットを長さ20mmに切断し、長径約1.
2mm、長さ約20mmの徐放性rhBTC含有TGHP製
剤を得た。製剤中の薬物含量は仕込み量で2.5%であ
った。
【0050】実施例5 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるテトラグリ
セロールモノステアレート(TetraGlycerol MonoSteara
te,TGMS)760mgを60ないし75℃で加熱融解
後、rhBTC凍結乾燥粉末20mgを添加し攪拌混合
後、14G留置針に約30mg吸引し室温にて冷却固化し
た。固化したrhBTC含有TGMSを取り出すため留
置針を55℃で約1分間加熱し押し出し成形した。得ら
れた円柱のペレットを長さ20mmに切断し、長径約1.
2mm、長さ約20mmの徐放性rhBTC含有TGMS製
剤を得た。製剤中の薬物含量は仕込み量で2.5%であ
った。
【0051】実施例6 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるテトラグリ
セロールジステアレート(TetraGlycerol DiStearate,
TGDS)760mgを60ないし75℃で加熱融解後、
rhBTC凍結乾燥粉末20mgを添加し攪拌混合後、1
4G留置針に約30mg吸引し室温にて冷却固化した。固
化したrhBTC含有TGDSを取り出すため留置針を
55℃で約1分間加熱し押し出し成形した。得られた円
柱のペレットを長さ20mmに切断し、長径約1.2mm、
長さ約20mmの徐放性rhBTC含有TGDS製剤を得
た。製剤中の薬物含量は仕込み量で2.5%であった。
【0052】実施例7 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるテトラグリ
セロールトリステアレート(TetraGlycerol TriStearat
e,TGTS)760mgを60ないし75℃で加熱融解
後、rhBTC凍結乾燥粉末20mgを添加し攪拌混合
後、14G留置針に約30mg吸引し室温にて冷却固化し
た。固化したrhBTC含有TGTSを取り出すため留
置針を55℃で約1分間加熱し押し出し成形した。得ら
れた円柱のペレットを長さ20mmに切断し、長径約1.
2mm、長さ約20mmの徐放性rhBTC含有TGTS製
剤を得た。製剤中の薬物含量は仕込み量で2.5%であ
った。
【0053】実施例8 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるテトラグリ
セロールヘキサステアレート(TetraGlycerol HexaStea
rate,TGHS)760mgを60ないし75℃で加熱融
解後、rhBTC凍結乾燥粉末20mgを添加し攪拌混合
後、14G留置針に約30mg吸引し室温にて冷却固化し
た。固化したrhBTC含有TGHSを取り出すため留
置針を55℃で約1分間加熱し押し出し成形した。得ら
れた円柱のペレットを長さ20mmに切断し、長径約1.
2mm、長さ約20mmの徐放性rhBTC含有TGHS製
剤を得た。製剤中の薬物含量は仕込み量で2.5%であ
った。
【0054】実施例9 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるヘキサグリ
セロールペンタステアレート(HexaGlycerol PentaStea
rate,HGPS)760mgを60ないし75℃で加熱融
解後、rhBTC凍結乾燥粉末20mgを添加し攪拌混合
後、14G留置針に約30mg吸引し室温にて冷却固化し
た。固化したrhBTC含有HGPSを取り出すため留
置針を55℃で約1分間加熱し押し出し成形した。得ら
れた円柱のペレットを長さ20mmに切断し、長径約1.
2mm、長さ約20mmの徐放性rhBTC含有HGPS製
剤を得た。製剤中の薬物含量は仕込み量で2.5%であ
った。
【0055】実施例10 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるテトラグリ
セロールヘキサパルミテート(TetraGlycerol HexaPalm
itate,TGHP)1560mgを70℃で加熱して融解
後、rhBTC凍結乾燥粉末40mgを添加し攪拌混合
後、内径1.5mmの移植針に吸引し室温にて冷却固化し
た。固化したrhBTC含有TGHPを取り出すため移
植針を60℃で1ないし3分間加熱し押し出し成形し
た。得られた円柱ペレットを長さ10mmに切断し、長径
1.5mm、長さ10mmの徐放性rhBTC含有TGHP
製剤を得た。製剤中の薬物含量は仕込み量で2.5%で
あった。
【0056】実施例11 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるテトラグリ
セロールヘキサパルミテート(TetraGlycerol HexaPalm
itate,TGHP)1560mgを70℃で加熱して融解
後、rhBTC凍結乾燥粉末40mgを添加し攪拌混合
後、内径2.0mmの移植針に吸引し室温にて冷却固化し
た。固化したrhBTC含有TGHPを取り出すため移
植針を60℃で1ないし3分間加熱し押し出し成形し
た。得られた円柱ペレットを長さ10mmに切断し、長径
2.0mm、長さ10mmの徐放性rhBTC含有TGHP
製剤を得た。製剤中の薬物含量は仕込み量で2.5%で
あった。
【0057】実施例12 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるヘキサグリ
セロールペンタステアレート(HexaGlycerol PentaStea
rate,HGPS)1560mgを70℃で加熱して融解
後、rhBTC凍結乾燥粉末40mgを添加し攪拌混合
後、内径1.5mmの移植針に吸引し室温にて冷却固化し
た。固化したrhBTC含有HGPSを取り出すため移
植針を60℃で1ないし3分間加熱し押し出し成形し
た。得られた円柱ペレットを長さ10mmに切断し、長径
1.5mm、長さ10mmの徐放性rhBTC含有HGPS
製剤を得た。製剤中の薬物含量は仕込み量で2.5%で
あった。
【0058】実施例13 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるヘキサグリ
セロールペンタステアレート(HexaGlycerol PentaStea
rate,HGPS)1560mgを70℃で加熱して融解
後、rhBTC凍結乾燥粉末40mgを添加し攪拌混合
後、内径2.0mmの移植針に吸引し室温にて冷却固化し
た。固化したrhBTC含有HGPSを取り出すため移
植針を60℃で1ないし3分間加熱し押し出し成形し
た。得られた円柱ペレットを長さ10mmに切断し、長径
2.0mm、長さ10mmの徐放性rhBTC含有HGPS
製剤を得た。製剤中の薬物含量は仕込み量で2.5%で
あった
【0059】実施例14 L/G比75/25、分子量12700の乳酸−グリコ
ール酸重合体(PLGA)4gを3.3mlジクロルメタン
に溶解し、氷冷下で50mg/ml濃度のrhBTC水溶液
を0.8ml添加し、ポリトロンで20000rpm、20秒
間乳化した。乳化液を0.1%PVA水溶液800ml中
に攪拌しながら注入しプロペラ攪拌機で攪拌しながら3
時間水中乾燥した。125μmメッシュで分級後遠心洗
浄後凍結乾燥し、薬物含量1%の徐放性rhBTC含有
マイクロカプセルを得た。
【0060】実施例15 L/G比75/25、分子量12700の乳酸−グリコ
ール酸重合体4gを3.3mlジクロルメタンに溶解し、氷
冷下で150mg/ml濃度のrhBTC水溶液を0.8ml添
加し、ポリトロンで20000rpm、20秒間乳化し
た。乳化液を0.1%PVA水溶液800ml中に攪拌し
ながら注入しプロペラ攪拌機で攪拌しながら3時間水中
乾燥した。125μmメッシュで分級後遠心洗浄後凍結
乾燥し、薬物含量3%の徐放性rhBTC含有マイクロ
カプセルを得た。
【0061】実施例16 L/G比75/25、分子量12700の乳酸−グリコ
ール酸重合体4gを3.3mlジクロルメタンに溶解し、氷
冷下で250mg/ml濃度のrhBTC水溶液を0.8ml添
加し、ポリトロンで20000rpm、20秒間乳化し
た。乳化液を0.1%PVA水溶液800ml中に攪拌し
ながら注入しプロペラ攪拌機で攪拌しながら3時間水中
乾燥した。125μmメッシュで分級後遠心洗浄後凍結
乾燥し、薬物含量5%の徐放性rhBTC含有マイクロ
カプセルを得た。
【0062】実施例17 L/G比100/0、分子量18000の乳酸−グリコ
ール酸重合体(ポリ乳酸)10gを8.3mlジクロルメタ
ンに溶解し、氷冷下で273mg/ml濃度のrhBTC水
溶液を2.08ml添加し、ポリトロンで24000rpm、
30秒間乳化した。乳化液を0.1%PVA水溶液16
00ml中に攪拌しながら注入しプロペラ攪拌機で攪拌し
ながら2時間水中乾燥した。125μmメッシュで分級
後遠心洗浄後凍結乾燥し、薬物含量5.2%の徐放性r
hBTC含有マイクロカプセルを得た。
【0063】実施例18 L/G比100/0、分子量18000の乳酸−グリコ
ール酸重合体(ポリ乳酸;PLA)8gを6.7mlジクロ
ルメタンに溶解し、氷冷下で265mg/ml濃度のrhB
TC水溶液を1.67ml添加し、ポリトロンで2400
0rpm、30秒間乳化した。乳化液を一晩真空乾燥しr
hBTC含有PLA粉末を得た。これを内径2.0mmの
テフロンチューブに46mg充填し、60℃で15分間加
熱した。加熱後棒で圧縮し冷却し成形した。長径2.0m
m、長さ1cmの棒状製剤を得た。
【0064】実施例19 分子量18000のポリ乳酸(PLA)8.0gをジク
ロルメタン6.7mlに溶解し、264.72mg/m
l濃度のrhBTC水溶液1.67mlを添加し、氷冷
下ポリトロンで24000rpm、30秒間乳化した。
乳化液を一昼夜真空乾燥し、rhBTC/PLA粉末
8.09gを得た。この粉末約46mgを内径2.0m
mのテフロンチューブに充填し、60℃で15分間加熱
した。加熱後長径2.0mmの棒で圧縮し、冷却後成形
した。rhBTC5.16%含有ロッド状製剤を得た。
【0065】実施例20 分子量12000のポリ乳酸(PLA)7.0gをジク
ロルメタン5.8mlに溶解し、368mg/ml濃度
のrhBTC 水溶液 1.46mlを添加し、ポリトロ
ンで25000rmp、30秒間乳化した。乳化液を
0.1%PVA水溶液1170mlにホモミキサー(7
000rpm)で攪拌しながら注入し、プロペラ攪拌機
で攪拌しながら2時間水中乾燥した。125μmメッシ
ュで分級後、遠心洗浄操作後凍結乾燥し、薬物含量5.
75%のマイクロカプセルを得た。これを内径2.0m
mのテフロンチューブに充填し、60℃で15分間加熱
した。加熱後長径2.0mmの棒で圧縮し、冷却後成形
した。rhBTC5.75%含有ロッド状製剤を得た。
【0066】実施例21 分子量12000のポリ乳酸(PLA)7.0gおよび
酸化亜鉛33.6mgをジクロルメタン5.8mlに溶
解し、368mg/ml濃度のrhBTC水溶液1.4
1mlを添加し、ポリトロンで25000rmp、30
秒間乳化した。乳化液を0.1%PVA水溶液1170
mlにホモミキサー(7000rpm)で攪拌しながら
注入し、プロペラ攪拌機で攪拌しながら2時間水中乾燥
した。125μmメッシュで分級後、遠心洗浄操作後凍
結乾燥し、薬物含量6.55%のマイクロカプセルを得
た。これを内径2.0mmのテフロンチューブに充填
し、60℃で15分間加熱した。加熱後長径2.0mm
の棒で圧縮し、冷却後成形した。rhBTC6.55%
含有ロッド状製剤を得た。
【0067】実施例22 L/G比75/25、分子量12700の乳酸−グリコ
ール酸重合体(PLGA)2.4gをジクロルメタン
2.0mlに溶解し、439.03mg/ml濃度のr
hBTC水溶液1.58mlを添加し、ポリトロンで2
5000rmp、30秒間乳化した。乳化液を0.1%
PVA水溶液400mlにホモミキサー(7000rp
m)で攪拌しながら注入し、プロペラ攪拌機で攪拌しな
がら2時間水中乾燥した。125μmメッシュで分級
後、遠心洗浄操作後凍結乾燥し、マイクロカプセルを得
た。これを内径2.0mmのテフロンチューブに充填
し、60℃で15分間加熱した。加熱後長径2.0mm
の棒で圧縮し、冷却後成形した。rhBTC10.46
%含有ロッド状製剤を得た。
【0068】実施例23 L/G比75/25、分子量12700の乳酸−グリコ
ール酸重合体(PLGA)3.5gをジクロルメタンに
溶解し、rhBTCバルク粉末384mgを添加し、ポ
リトロン(20000rpm、30秒)で分散させ、s
/o分散系を得た。これを一昼夜真空乾燥し、内径2.
0mmのテフロンチューブに充填し、60℃で15分間
加熱した。加熱後長径2.0mmの棒で圧縮し、冷却後
成形した。rhBTC8.14%含有ロッド状製剤を得
た。
【0069】実施例24 L/G比75/25、分子量12700の乳酸−グリコ
ール酸重合体(PLGA)2.4gおよび酸化亜鉛2
4.03mgをジクロルメタン2.0mlに溶解した。
得られる溶液に、rhBTC 282.87mgを蒸留
水500mgに溶解した溶液を添加し、ポリトロンで2
5000rmp、30秒間乳化した。乳化液を0.1%
PVA水溶液400mlにホモミキサー(7000rp
m)で攪拌しながら注入し、プロペラ攪拌機で攪拌しな
がら2時間水中乾燥した。125μmメッシュで分級
後、遠心洗浄操作後凍結乾燥し、マイクロカプセルを得
た。これを内径2.0mmのテフロンチューブに充填
し、60℃で15分間加熱した。加熱後長径2.0mm
の棒で圧縮し、冷却後成形した。rhBTC9.19%
含有ロッド状製剤を得た。
【0070】実施例25 L/G比75/25、分子量12700の乳酸−グリコ
ール酸重合体(PLGA)2.4gおよび酸化亜鉛2
3.95mgをジクロルメタン2.0mlに溶解し、r
hBTC 269.72mgを添加し、ポリトロンで2
5000rmp、30秒間乳化した。乳化液を0.1%
PVA水溶液1170mlにホモミキサー(7000r
pm)で攪拌しながら注入し、プロペラ攪拌機で攪拌し
ながら2時間水中乾燥した。125μmメッシュで分級
後、遠心洗浄操作後凍結乾燥し、薬物含量6.55%の
マイクロカプセルを得た。これを内径2.0mmのテフ
ロンチューブに充填し、60℃で15分間加熱した。加
熱後長径2.0mmの棒で圧縮し、冷却後成形した。r
hBTC8.72%含有ロッド状製剤を得た。
【0071】実施例26 rhBTCバルクを4.39mM酢酸アンモニウム水溶
液で2mg/mlとなるように溶解し、急速凍結後、真
空乾燥した。分子量12000のポリ乳酸(PLA)
3.5gと酸化亜鉛35.5mgをジクロルメタン3.
5mlに溶解し、これに急速凍結乾燥したrhBTC3
99mgを添加し、ポリトロンで分散した。得られるs
/o分散系を、一昼夜真空乾燥し、内径2.0mmのテ
フロンチューブに充填し、60℃で15分間加熱した。
加熱後長径2.0mmの棒で圧縮し、冷却後成形した。
rhBTC10.11%含有ロッド状製剤を得た。
【0072】実施例27 rhBTCバルクを4.39mM酢酸アンモニウム水溶
液で2mg/mlとなるように溶解し、急速凍結後、真
空乾燥した。L/G比75/25、分子量12700の
乳酸−グリコール酸重合体(PLGA)4.5gと酸化
亜鉛45.3mgをジクロルメタン4.5mlに溶解
し、これに急速凍結乾燥したrhBTC515mgを添
加し、ポリトロンで分散した。得られるs/o分散系
を、一昼夜真空乾燥し、内径2.0mmのテフロンチュ
ーブに充填し、60℃で15分間加熱した。加熱後長径
2.0mmの棒で圧縮し、冷却後成形した。rhBTC
10.02%含有ロッド状製剤を得た。
【0073】実験例1 実施例14、15及び16で調製した徐放性rhBTC
含有PLGAマイクロカプセルをラット皮下にrhBT
C量として3.2mg/kg、5.9mg/kg及び10.0mg/k
gとなるようにそれぞれ投与し、投与部位の残存rhB
TC及び血中rhBTC濃度の経時変化を1ヶ月にわた
り測定した。各製剤において、図1で示されるようにr
hBTCは1ヶ月にわたり残存し、また図2で示される
ように血中rhBTC濃度は1ヶ月にわたり検出され
た。これより本発明の徐放性製剤が優れた徐放性を有す
ることは明らかである。
【0074】実験例2 実施例13で調製した徐放性rhBTC含有HGPS製
剤をラット皮下にrhBTC量として4.1mg/kgとな
るように投与し、残存rhBTCの経時変化を1ヶ月に
わたり測定した。図3で示されるように、rhBTCは
1ヶ月にわたり残存した。これより本発明の徐放性製剤
が優れた徐放性を有することは明らかである。
【0075】実験例3 実施例13で調製し、実験例2で徐放性を確認した徐放
性rhBTC含有HGPS製剤をSTZ糖尿病モデルラ
ットに皮下又は膵臓局所にrhBTC量として45mg/k
g投与し、8週後に血中グルコース濃度及び血中インス
リン濃度を測定した。図4で示されるように、無処置糖
尿病ラット群と比較して皮下投与群及び膵臓局所投与群
では血糖降下作用(血中グルコース濃度の低下)が見ら
れ、耐糖能が改善した。また、図5で示されるように、
膵臓局所投与群ではインスリンの分泌が確認された。こ
れより、本発明の製剤が膵臓機能を改善させ、糖尿病の
治療又は予防に有用なことは明らかである。
【0076】
【発明の効果】BTC蛋白質又はそのムテイン又は塩を
含有する本発明の製剤は、膵臓機能を改善させ、糖尿病
等の治療又は予防に有用である。
【0077】
【配列表】 [SEQUENCE LISTING] <110> Takeda Chemical Industries, Lt
d. <120> Betacellulin Protein−containin
g Preparation <130> A99238 <150> JP 10−310343 <151> 1998−10−30 <160> 8 <210> 1 <211> 80 <212> PRT <213> Human <400> 1 Asp Gly Asn Ser Thr Arg Ser Pro Glu
Thr Asn Gly Leu Leu Cys Gly 1 5
10 15 Asp Pro Glu Glu Asn Cys Ala Ala Thr
Thr Thr Gln Ser Lys Arg Lys 20 25
30 Gly His Phe Ser Arg Cys Pro Lys Gln
Tyr Lys His Tyr Cys Ile Lys 35 40
45 Gly Arg Cys Arg Phe Val Val Ala Glu
Gln Thr Pro Ser Cys Val Cys 50 55
60 Asp Glu Gly Tyr Ile Gly Ala Arg Cys
Glu Arg Val Asp Leu Phe Tyr 65 70
75 80 <210> 2 <211> 80 <212> PRT <213> Mouse <400> 2 Asp Gly Asn Thr Thr Arg Thr Pro Glu
Thr Asn Gly Ser Leu Cys Gly 1 5
10 15 Ala Pro Gly Glu Asn Cys Thr Gly Thr
Thr Pro Arg Gln Lys Val Lys 20 25
30 Thr His Phe Ser Arg Cys Pro Lys Gln
Tyr Lys His Tyr Cys Ile His 35 40
45 Gly Arg Cys Arg Phe Val Val Asp Glu
Gln Thr Pro Ser Cys Ile Cys 50 55
60 Glu Lys Gly Tyr Phe Gly Ala Arg Cys
Glu Arg Val Asp Leu Phe Tyr 65 70
75 80 <210> 3 <211> 14 <212> PRT <213> Human <400> 3 His Phe Ser Arg Cys Pro Lys Gln Tyr
Lys His Tyr Cys Ile 1 5
10 <210> 4 <211> 7 <212> PRT <213> Human <400> 4 Gly Arg Cys Arg Phe Val Val 1 5 <210> 5 <211> 6 <212> PRT <213> Human <400> 5 Glu Gln Thr Pro Ser Cys 1 5 <210> 6 <211> 11 <212> PRT <213> Human <400> 6 Gly Ala Arg Cys Glu Arg Val Asp Leu
Phe Tyr 1 5
10 <210> 7 <211> 240 <212> DNA <213> Human <400> 7 GATGGGAATT CCACCAGAAG TCCTGAAACT AAT
GGCCTCC TCTGTGGAGA CCCTGAGGAA 60 AACTGTGCAG CTACCACCAC ACAATCAAAG CGG
AAAGGCC ACTTCTCTAG GTGCCCCAAG 120 CAATACAAGC ATTACTGCAT CAAAGGGAGA TGC
CGCTTCG TGGTGGCCGA GCAGACGCCC 180 TCCTGTGTCT GTGATGAAGG CTACATTGGA GCA
AGGTGTG AGAGAGTTGA CTTGTTTTAC 240 <210> 8 <211> 240 <212> DNA <213> Mouse <400> 8 GATGGGAACA CAACCAGAAC ACCAGAAACC AAT
GGCTCTC TTTGTGGAGC TCCTGGGGAA 60 AACTGCACAG GTACCACCCC TAGACAGAAA GTG
AAAACCC ACTTCTCTCG GTGCCCCAAG 120 CAGTACAAGC ATTACTGCAT CCATGGGAGA TGC
CGCTTCG TGGTGGACGA GCAAACTCCC 180 TCCTGCATCT GTGAGAAAGG CTACTTTGGG GCT
CGGTGTG AGCGAGTGGA CCTGTTTTAC 240
【0078】
【図面の簡単な説明】
【図1】ラットにおける徐放性rhBTC含有PLGA
マイクロカプセル皮下投与後の残存rhBTC(%)の
経時変化を示すグラフである。●は投与量3.2mg/kg、
○は5.9mg/kg、▲は10.0mg/kgを示す。
【図2】ラットにおける徐放性rhBTC含有PLGA
マイクロカプセル皮下投与後の血中rhBTC濃度(pg
/ml)の経時変化を示すグラフである。●は投与量3.2
mg/kg、○は5.9mg/kg、▲は10.0mg/kgを示す。
【図3】ラットにおける徐放性rhBTC含有HGPS
製剤を皮下投与後の残存rhBTC(%)の経時変化を示
すグラフである。投与量は4.1mg/kgを示す。
【図4】STZ糖尿病モデルラットにおける徐放性rh
BTC含有HGPS製剤の投与8週間後の血中グルコー
ス濃度(mg/dl)を示すグラフである。●は無処置糖尿病
ラット群、○は正常ラット群、▼は膵臓局所投与群(投
与量45mg/kg)、▽は皮下投与群(投与量45mg/kg)
を示す。
【図5】STZ糖尿病モデルラットにおける徐放性rh
BTC含有HGPS製剤投与後、8週後の血中インスリ
ン濃度(μU/ml)の経時変化を示すグラフである。●は
無処置糖尿病ラット群、○は正常ラット群、▼は膵臓局
所投与群(投与量45mg/kg)、▽は皮下投与群(投与
量45mg/kg)を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/18 A61P 1/18 3/10 3/10 5/48 5/48 C07K 7/06 C07K 7/06 7/08 7/08 14/47 14/47 // C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベータセルリン蛋白質もしくはそのムテイ
    ン又はその塩を含有する徐放性製剤。
  2. 【請求項2】ベータセルリン蛋白質が、配列番号:3、
    配列番号:4、配列番号:5及び配列番号:6からなる
    群から選ばれる少なくとも1つの配列番号で表わされる
    アミノ酸配列を有する蛋白質である請求項1記載の徐放
    性製剤。
  3. 【請求項3】ベータセルリン蛋白質が、配列番号:1で
    表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質又は配列番号:
    2で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質である請求
    項1記載の徐放性製剤。
  4. 【請求項4】ベータセルリン蛋白質が、配列番号:1で
    表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質である請求項1
    記載の徐放性製剤。
  5. 【請求項5】ベータセルリン蛋白質のムテインが、配
    列番号:1もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸
    配列の1ないし40個程度のアミノ酸が欠失したアミノ
    酸配列、配列番号:1もしくは配列番号:2で表わさ
    れるアミノ酸配列の1ないし40個程度のアミノ酸が他
    のアミノ酸に置換したアミノ酸配列、又は配列番号:
    1もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸配列に1
    ないし40個程度のアミノ酸が付加したアミノ酸配列を
    有する蛋白質である請求項1記載の徐放性製剤。
  6. 【請求項6】ベータセルリン蛋白質のムテインが、配列
    番号:1で表わされるアミノ酸配列のN末端から12個
    又は30個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列を有する
    蛋白質である請求項1記載の徐放性製剤。
  7. 【請求項7】ベータセルリン蛋白質もしくはそのムテイ
    ン又はその塩及びキャリアーを含有する請求項1記載の
    徐放性製剤。
  8. 【請求項8】キャリアーがポリマーである請求項7記載
    の徐放性製剤。
  9. 【請求項9】ポリマーが生体内分解性ポリマーである請
    求項8記載の徐放性製剤。
  10. 【請求項10】生体内分解性ポリマーが脂肪族ポリエス
    テルである請求項9記載の徐放性製剤。
  11. 【請求項11】脂肪族ポリエステルが乳酸−グリコール
    酸重合体である請求項10記載の徐放性製剤。
  12. 【請求項12】乳酸−グリコール酸重合体の乳酸/グリ
    コール酸組成比が約100/0ないし約40/60であ
    る請求項11記載の徐放性製剤。
  13. 【請求項13】乳酸−グリコール酸重合体の重量平均分
    子量が約3,000ないし約80,000である請求項1
    1記載の徐放性製剤。
  14. 【請求項14】ポリマーが生体内非分解性ポリマーであ
    る請求項8記載の徐放性製剤。
  15. 【請求項15】生体内非分解性ポリマーがポリグリセリ
    ン脂肪酸エステルである請求項14記載の徐放性製剤。
  16. 【請求項16】膵臓機能改善剤である請求項1記載の徐
    放性製剤。
  17. 【請求項17】糖尿病の治療又は予防剤である請求項1
    記載の徐放性製剤。
  18. 【請求項18】非経口投与剤である請求項1記載の徐放
    性製剤。
  19. 【請求項19】膵臓への局所投与剤である請求項1記載
    の徐放性製剤。
  20. 【請求項20】皮下投与剤である請求項1記載の徐放性
    製剤。
  21. 【請求項21】筋肉内投与剤である請求項1記載の徐放
    性製剤。
  22. 【請求項22】腹腔内投与剤である請求項1記載の徐放
    性製剤。
  23. 【請求項23】ベータセルリン蛋白質もしくはそのムテ
    イン又はその塩を含有する膵臓への局所投与剤。
  24. 【請求項24】徐放性製剤を製造するためのベータセル
    リン蛋白質又はそのムテイン又は塩の使用。
  25. 【請求項25】膵臓への局所投与剤を製造するためのベ
    ータセルリン蛋白質もしくはそのムテイン又はその塩の
    使用。
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