JP2000198646A - 動く歩道 - Google Patents

動く歩道

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JP2000198646A
JP2000198646A JP10374325A JP37432598A JP2000198646A JP 2000198646 A JP2000198646 A JP 2000198646A JP 10374325 A JP10374325 A JP 10374325A JP 37432598 A JP37432598 A JP 37432598A JP 2000198646 A JP2000198646 A JP 2000198646A
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  • Escalators And Moving Walkways (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 利用者を対向する2方向へ安全に輸送し得る
動く歩道を提供する。 【解決手段】 紐状部材によって隣接するパレット3を
連結し、搬送部1A,1Bのスクリューロッド16で移
動するパレット3により、後続のパレット3を牽引し且
つ突起部材によって前方側のパレット3を押し出して、
一方の搬送部1Aでのパレット3の移動方向と他方の搬
送部1Bでのパレット3の移動方向を逆向きにし、利用
者を異なる2方向へ同時に輸送する。また、各パレット
3の移動方向前縁部を、当該パレット3に隣接するパレ
ット3の下側に差し込み、連続した歩道面を形成する。
更に、スクリューロッド16により、パレット3の搬送
終点近傍に位置するパレット3を徐々に減速した後、若
干増速し、利用者の前後に適宜の間隔を形成させて、パ
レット3の搬送終点での混雑を緩和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空港や駅構内など
の公共施設に設置される動く歩道に係り、特に対向する
2方向のそれぞれへ利用者を輸送する動く歩道に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、既に実用化されている動く歩道に
は、歩道一端及び歩道他端の左右にスプロケットを枢支
し、歩道左側の各端スプロケット、並びに右側の各端ス
プロケットのそれぞれに無端状チェーンを巻き掛け、利
用者が搭乗可能な多数のパレットの左右端部を無端状チ
ェーンに係止し、スプロケットの回動によって、多数の
パレットを周回させるものがある。
【0003】この動く歩道では、周回経路の上側(キャ
リヤ側)を移動するパレットによって、歩道一端から歩
道他端へ利用者を輸送するが、周回経路の下側(リター
ン側)を移動するパレットは、利用者の輸送には寄与せ
ず、利用者を対向する2方向へ同時に輸送することはで
きない。
【0004】また、動く歩道の他の例には、特公昭56
−257号公報に掲載されているものがある。
【0005】上記の公報に掲載の動く歩道は、図19か
ら図23に示すように、歩道延長方向に延びる収納溝1
01を有するガイドレール102と、上面に歩道延長方
向に延びる走行溝103を有し且つガイドレール102
の上部に収納溝101の左右に位置するように取り付け
られたガイド板104と、利用者が搭乗可能なパレット
105と、走行溝103に沿って転動し得るように球受
け106を介してパレット105下面の左右部分に枢支
された鋼球107と、歩道延長方向に延び且つガイドレ
ール102の収納溝101内に配置されたねじ軸108
とを備えている。
【0006】ねじ軸108は、屈曲性を具備するように
鋼線などを束ねて構成されている。
【0007】ねじ軸108のねじ山109は、ピッチが
小さい部分Sとピッチが大きい部分Lとを有し、ピッチ
が小さい部分Sは、パレット105に対する利用者の乗
降場所付近に設けられ、ピッチが大きい部分Lは、乗降
場所間に設けられている。
【0008】ねじ軸108の一端には、モータ110の
駆動軸が接続され、ねじ軸108の他端は、軸受111
によって枢支されている。
【0009】パレット105の下面の前端寄り部分と後
端寄り部分とのそれぞれには、パレット105移動方向
に延びる長溝112が形成されている。
【0010】この長溝112には、パレット105移動
方向に延びる軸113を介して支持枠114の上部が前
後へ移動し得るように取り付けられている。
【0011】また、各支持枠114の下部前端及び下部
後端部には、鋼球115がそれぞれねじ軸108のねじ
山109に当接するように枢支されている。
【0012】この動く歩道では、モータ110を作動さ
せると、ねじ軸108の回転に伴ってねじ山109の送
り方向へ支持枠114が押し出され、パレット105が
移動する。
【0013】パレット105の移動速度は、乗降場所付
近のねじ山109のピッチが小さい部分Sで低速にな
り、乗降場所間のねじ山109のピッチが大きい部分L
で高速になる。
【0014】パレット105が、ねじ山109のピッチ
が小さい部分Sからピッチが大きい部分Lへパレット1
05が移行する際や、パレット105が、ねじ山109
のピッチが大きい部分Lからピッチが小さい部分Sへ移
行する際には、支持枠114が軸113に沿って前後へ
移動し、パレット105に取り付けられている2つの支
持枠114の間隔がねじ山109のピッチ変化に応じて
調整される。
【0015】また、ねじ軸108が屈曲性を具備してい
るので、パレット105の移動経路を曲線にすることも
できる。
【0016】よって、図23に示すように、ねじ軸10
8を略環状に配置すれば、多数のパレット105を周回
させることが可能になる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、屈曲性
を具備したねじ軸108は、製作が困難であり、実用性
に乏しく、ねじ軸108を略円弧状に配置してパレット
105を周回させることは容易ではない。
【0018】更に、特公昭56−257号公報に掲載さ
れている動く歩道では、移動方向に隣接するパレット1
05が相互に接しておらず、利用者がパレット105に
安全に乗降するための考慮がなされていない。
【0019】本発明は上述した実情に鑑みてなしたもの
で、利用者を対向する2方向へ安全に輸送し得る動く歩
道を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の動く歩道では、2ヶ所の円弧状の旋回部及
び両旋回部を結ぶ搬送部を有し且つ略水平に配置した環
状のレールと、該レールに案内されて一方向へ移動し得
る多数のパレットと、前記の搬送部のパレット移動方向
下流寄り部分に配置され且つ周方向に回動可能なスクリ
ューロッドと、各パレットに設けられ且つスクリューロ
ッドのねじ溝に係合可能な推力伝達部材とを備え、スク
リューロッドのねじ溝のピッチを、パレット移動方向上
流寄り端部から下流側へ向かって徐々に狭まり且つパレ
ット移動方向下流寄り端部でやや拡がるように形成し、
各パレットの下面に、当該パレットの移動方向後方側に
隣接するパレットの前縁が当接可能な突起部材を設け、
各パレットの移動方向前縁部を、当該パレットの移動方
向前方側に隣接するパレットの下側に差し込み、隣接す
るパレットを紐状部材によって連結している。
【0021】本発明の動く歩道においては、紐状部材に
よって隣接するパレットを連結し、搬送部のスクリュー
ロッドで移動するパレットにより、後続のパレットを牽
引し且つ突起部材によって前方側のパレットを押し出し
て、一方の搬送部でのパレットの移動方向と他方の搬送
部でのパレットの移動方向を逆向きにする。
【0022】また、各パレットの移動方向前縁部を、当
該パレットに隣接するパレットの下側に差し込んで、連
続する歩道面を形成する。
【0023】更に、パレット移動方向上流寄り端部から
下流側へ向かって徐々にねじ溝のピッチが狭まり且つパ
レット移動方向下流寄り端部でねじ溝のピッチがやや拡
がるスクリューロッドによって、搬送部のパレット移動
方向下流側寄り部分を進行するパレットの速度を、徐々
に減速した後、若干増速する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例に基づいて説明する。
【0025】図1〜図16は本発明の動く歩道の実施の
形態の一例であり、この動く歩道は、環状に配置された
2本のレール11と、利用者が搭乗し得られ且つレール
11に沿って時計回りに周回可能な多数のパレット3
と、隣接するパレット3を連結するチェーン22及び弾
性緩衝機構25と、前記のパレット3をレール11の延
長方向へ移動させ得るスクリューロッド16,24,3
3と、利用者がパレット3に乗降する位置に設けた可動
ステップ63と、該可動ステップ63をパレット3の上
面に倣って上下に揺動させ得る倣い機構68とを備えて
いる。
【0026】まず、レール11、及びそれに付帯するガ
イドレール12の構成を、図1、図3〜図6、及び図1
1に基づき説明する。
【0027】レール11は、互いに平行に且つ水平に配
置された直線状の2ヶ所の搬送部1A,1Bと、両搬送
部1A,1Bの一端に連なる半円状部の旋回部1Cと、
両搬送部1A,1Bの他端に連なる半円状の旋回部1D
とによって構成されている。
【0028】このレール11の所定部分は、基台14に
立設した架台23上に敷設されている。
【0029】旋回部1C,1Dの半径方向外側のレール
11の外方及び半径方向内側のレール11の内方には、
当該レール11に沿うように半円状に曲がったガイドレ
ール12が配置されている。
【0030】このガイドレール12の所定部分は、それ
ぞれのガイドレール12のレール11の外側に位置する
ように、基台14に立設した支柱13によって上方から
支持されている。
【0031】更に、レール11の旋回部1C,1D、並
びにガイドレール12は、乗降用のプラットホーム2
A,2Bによって上方から全体的に覆われている。
【0032】次に、パレット3、及びそれに付帯する部
材の構成を、図1、及び図5〜図11に基づき説明す
る。
【0033】パレット3は、上面に移動方向の全通する
溝3fを有し、該溝3fの両側の凸条3gの後端部が、
パレット3後方側へ突出する櫛歯3bを構成している。
【0034】櫛歯3bの間には、隣接する他のパレット
3の溝3fに嵌入し得るように下方へ突出する突起3e
が設けられ、櫛歯3bの上部には、後方へ向かって緩や
かな下り勾配を呈する傾斜面3dが形成されている。
【0035】パレット3下面には、平面形状が円形に形
成された突起部材3cが固着され、パレット3の前端部
には、当該前端部が隣接するパレット3の突起部材3c
が嵌合し得る半円形の凹部3aが形成されている。
【0036】また、パレット3下面には、スペーサ4を
介してパレット3の幅方向に延びるビーム5が固着され
ている。
【0037】ビーム5の後端寄り部分下面には、ブラケ
ット7を介して走行用ローラ6が、前記のレール11の
上面を転動し得るように装着されている。
【0038】ビーム5の前端部両側には、パレット移動
方向の前後から見て略L字形状を呈するアーム8の上端
部が固着されており、該アーム8の下端部には、ブラケ
ット9を介して傾斜角補正用ローラ10が、前記のガイ
ドレール12の下面を転動し得るように装着されてい
る。
【0039】ビーム5下面には、2つのアーム15の上
端部が左右の走行用ローラ6の間に位置するように固着
されており、それぞれのアーム15の下端部には、横行
規制用ローラ21が、各レール11の相対する側面を転
動し得るように装着されている。
【0040】上述した多数のパレット3は、走行用ロー
ラ6がレール11の上面に接し且つ横行規制用ローラ2
1がレール11の側面に接するように配置されている。
【0041】各パレット3の前縁は、当該パレット3の
移動方向前方側に隣接する他のパレット3の下側に差し
込まれている。
【0042】これにより、レール11の搬送部1A,1
Bでは、パレット3の突起3eが、当該パレット3の移
動方向後方側に隣接する他のパレット3の溝3fに嵌入
し、移動方向前方側のパレット3の後端部が、移動方向
後方側のパレット3によって支持される。
【0043】レール11の旋回部1C,1Dでは、隣接
するパレット3が接近し且つ傾斜角補正用ローラ10が
ガイドレール12の下面を転動するため、各パレット3
が前傾状態となり、上述したパレット3の突起3eと溝
3fとの嵌合が解除される。
【0044】また、レール11の旋回部1C,1Dにお
いては、各パレット3の突起部材3cに、当該パレット
3に後続する他のパレット3の前縁の凹部3aが嵌合し
ている。
【0045】次に、スクリューロッド16,24,33
の構成を、図1〜図6、及び図11〜図14に基づき説
明する。
【0046】スクリューロッド33は、レール11の搬
送部1Aの旋回部1C寄り部分と、レール11の搬送部
1Bの旋回部1D寄り部分との2ヶ所にも左右のレール
11の間に平行に位置するように配置されている。
【0047】このスクリューロッド33の端部は、先に
述べた架台23に設けた軸受(図示せず)に枢支され、
モータ(図示せず)から回転力が伝達されるようになっ
ている。
【0048】スクリューロッド33のねじ溝33aのピ
ッチは、パレット3移動方向上流寄り端部から下流寄り
端部へ向かって、乗降範囲S1、低速範囲M1、高速範
囲L1の順で徐々に拡がるように設定されている。
【0049】スクリューロッド24は、レール11の搬
送部1Aの中間部分と、レール11の搬送部1Bの中間
部分との2ヶ所に、左右のレール11の間に平行に位置
するように配置されている。
【0050】このスクリューロッド24の端部も、スク
リューロッド16と同様に、先に述べた架台23に軸受
(図示せず)を介して枢支され、モータ(図示せず)か
ら回転力が伝達されるようになっている。
【0051】スクリューロッド24のねじ溝24aのピ
ッチは、スクリューロッド16の高速範囲L1における
ねじ溝16aピッチと同等に設定されている。
【0052】スクリューロッド16は、レール11の搬
送部1Aの旋回部1D寄り部分と、レール11の搬送部
1Bの旋回部1C寄り部分との2ヶ所に、左右のレール
11の間に平行に位置するように配置されている。
【0053】このスクリューロッド16の端部は、先に
述べた架台23に設けた軸受20に枢支され、モータ
(図示せず)から回転力が伝達されるようになってい
る。
【0054】スクリューロッド16のねじ溝16aのピ
ッチは、パレット3移動方向上流側寄り端部から下流側
ヘ向かって、高速範囲L1、低速範囲M1、乗降範囲S
1の順で徐々に狭まり且つピッチが一定となる部分を経
てパレット移動方向下流寄り端部でやや拡がるように設
定されている。
【0055】更に、各パレット3に付帯するビーム5下
面中央部に設けた支持台17の下端には、移動用ローラ
(推力伝達部材)18が、先にのべた突起部材3cの直
下に位置するように枢支されている。
【0056】この移動用ローラ18が、ねじ溝16a,
24a,33aに係合した状態でスクリューロッド1
6,24,33を回動させると、該スクリューロッド1
6,24,33の回動に応じた方向へ移動用ローラ18
が送り出され、これにより、パレット3がレール11の
搬送部1A,1Bに沿って移動する。
【0057】また、パレット3の移動速度は、ねじ溝1
6a,24a,33aのピッチに応じて、乗降範囲S
1、低速範囲M1、高速範囲L1の順で高くなる。
【0058】すなわち、スクリューロッド16のねじ溝
16aに移動用ローラ18が係合することにより、搬送
部1A,1Bの旋回部1D,1C寄り部分をプラットホ
ーム2B,2Aへ向かって移動するパレット3の速度
は、図2に示すように、徐々に減速して等速移動後、若
干増速される。
【0059】次に、チェーン22、及び弾性緩衝機構2
5の構成を、図6、図11、及び図15に基づき説明す
る。
【0060】弾性緩衝機構25は、ボルト28に遊嵌し
且つパレット3移動方向に圧縮され得るばね部材29
と、ボルト28の一端寄り部分に軸線方向へ移動可能に
外嵌し且つばね部材29の一端に当接する第1のばね座
27aと、該第1のばね座27aの反ばね部材寄りの端
面に当接するようにボルト28に螺合した第1のナット
28aと、ボルト28の他端寄り部分に軸線方向へ移動
可能に外嵌し且つばね部材29の他端に当接する第2の
ばね座26aと、該第2のばね座26aの反ばね部材寄
りの端面に当接するようにボルト28に螺合した第2の
ナット28bと、該第2のナット28bに当接するよう
にボルト28に螺合した第3のナット28cとによって
構成されている。
【0061】この弾性緩衝機構25は、ボルト28に対
する第2のナット28bの螺合状態を調整すると、第2
のばね座26aからのボルト28の突出長さが変化す
る。
【0062】第1のばね座27aには、ばね部材29の
内方に位置し且つボルト28の中間部分を周方向に取り
囲む内筒27が一体的に設けられ、第2のばね座26a
には、ばね部材29を周方向に取り囲む外筒26が一体
的に設けられている。
【0063】外筒26の反ばね座側の端部には、連結用
のフォーク部30aを有するプラグ30が挿入されてお
り、該プラグ30は、スプリングピン30bによって外
筒26に係止されている。
【0064】また、フォーク部30aには、リンク部材
32の一端がピン32aによって連結されている。
【0065】このリンク部材32の他端は、先に述べた
アーム8に固着したブラケット31の前端部に、略水平
なピン32bを介して連結されている。
【0066】ボルト28の他端部には、連結用のフォー
ク部28dが一体的に形成されている。
【0067】このフォーク部28dには、チェーン22
の後端部が、ピン22aを介して連結され、また、チェ
ーン22の前端部は、略水平なピン22bを介して前記
のブラケット31の後端部に連結されている。
【0068】これにより、各パレット3に付帯するアー
ム8と、当該パレット3に隣接する他のパレット3の付
帯するアーム8とが、ブラケット31、チェーン22、
弾性緩衝機構25、及びブラケット31を介して連結さ
れる。
【0069】次に、可動ステップ63、及び倣い機構6
8の構成を、図3、図5、図10、及び図16に基づき
説明する。
【0070】可動ステップ63は、乗降用のプラットホ
ーム2A,2Bからレール11の搬送部1A,1Bの端
部付近に位置しているパレット3の上方へ延びる固定ス
テップ64のそれぞれに対して配置されている。
【0071】可動ステップ63の先端部には、パレット
3の上面の溝3fに嵌入し得る櫛歯65が設けられ、可
動ステップ63の基端部には、略水平に左右へ突出する
回転軸66が一体的に設けられている。
【0072】この回転軸66は、固定ステップ64の先
端部近傍に設けた軸受67に、可動ステップ63の基端
部上面と固定ステップ64の先端部上面との間に大きな
間隙や段差が形成されないように、枢支されている。
【0073】倣い機構68は、基端部が回転軸66に固
着され且つ先端部が可動ステップ63側方に位置する上
部アーム69と、基端部が可動ステップ63の先端近傍
に設置したブラケット70にピン71を介して枢支され
且つ先端部が回転軸66よりもレール11の旋回部1
C,1D側に位置するように上部アーム69の下方に配
置された下部アーム72と、固定ステップ64の直下を
通過するパレット3の上面を転動し得るように下部アー
ム72の先端部に枢支された倣いローラ73と、一端が
上部アーム69の先端部にピン74を介して枢支され且
つ他端が下部アーム72の中間部にピン75を介して枢
支された連結材76とによって、構成されている。
【0074】可動ステップ63の櫛歯65から倣いロー
ラ73の回転中心までの距離は、可動ステップ63及び
固定ステップ64の直下を通過しようとする隣接した2
つのパレット3の間隔と略等しく設定されている。
【0075】また、ピン74,75の中心間隔は、可動
ステップ63の直下を通過するパレット3の溝3fに櫛
歯65が嵌入し且つ該櫛歯65の下面が溝3fの底部に
接しないように設定されている。
【0076】なお、図5において、77S,77M,7
7Lは、ゴム系素材によって形成された手摺を示してい
る。
【0077】以下、図1〜図16に示す動く歩道の作動
を説明する。
【0078】スクリューロッド16,24,33を、モ
ータ(図示せず)によって回転させると、ねじ溝16
a,24a,33aに係合している移動用ローラ18
が、スクリューロッド16,24,33の回動に応じた
方向へ送り出され、これにより、パレット3がレール1
1の搬送部1A,1Bに沿って移動する。
【0079】このとき、レール11の搬送部1Aと搬送
部1Bとでは、パレット3の移動方向が逆向きとなり、
1基の動く歩道によって、利用者を対向する2方向へ同
時に輸送することができる。
【0080】レール11の搬送部1A,1Bに位置する
パレット3のうち、移動用ローラ18がねじ溝16a,
24a,33aに係合していないものは、当該パレット
3の移動方向前方において、スクリューロッド16,2
4,33の回転に伴って移動するパレット3に、弾性緩
衝機構25及びチェーン22を介して牽引される。
【0081】これにより、レール11の搬送部1A,1
Bでは、各パレット3の突起3eが、当該パレット3の
移動方向後方側に隣接するパレット3の溝3fに嵌入し
た状態で移動する。
【0082】このとき、隣接するパレット3の前後端部
は重なり合った状態となり、多数の利用者を安全に輸送
することができる。
【0083】パレット3の移動速度は、移動用ローラ1
8がねじ溝33aの乗降範囲S1、低速範囲M1,高速
範囲L1へ遷移するのに従って高くなり、移動用ローラ
18がねじ溝16aの高速範囲L1、低速範囲M1、乗
降範囲S1へ遷移するのに従って低くなる。
【0084】よって、レール11の搬送部1A,1Bの
両端部分では、パレット3が低速で移動して、利用者が
パレット3に容易に乗降することができ、レール11の
搬送部1A,1Bの中間部分では、利用者が搭乗してい
るパレット3を高速移動させることができる。
【0085】パレット3が、当該パレット3に先行して
移動するパレット3に牽引されはじめるときには、弾性
緩衝機構25がチェーン22へ付与される過大な張力を
緩衝する。
【0086】これにより、過大な張力が繰り返し付与さ
れることに起因したチェーン22の変形が抑制され、パ
レット3に搭乗している利用者への衝撃が緩和される。
【0087】また、スクリューロッド16,33に加え
て、レール11の搬送部1A,1Bの中間部分に他のス
クリューロッド24を配置しているので、各チェーン2
2に作用する張力の軽減を図ることができ、よって、レ
ール11の搬送部1A,1Bをより長大化することもで
きる。
【0088】パレット3が、レール11の搬送部1Aの
旋回部1D寄り部分、あるいは、レール11の搬送部1
Bの旋回部1C寄り部分に接近すると、パレット3の移
動速度は徐々に低下して等速になり且つ隣接するパレッ
ト3の前後端部の重なり合う量が多くなるため、各パレ
ット3に搭乗している利用者は、他の利用者との干渉を
さけて、前後の間隔をとるようになる。
【0089】更に、パレット3がスクリューロッド16
の旋回部1D,1C寄り端部に達すると、ねじ溝16a
のピッチがやや拡がることにより、パレット3が若干増
速され、前後に適宜の間隔をとった状態の利用者を、順
次パレット3から安全に降機させることができ、パレッ
ト3の搬送終点での混雑の緩和が図られる。
【0090】パレット3が、可動ステップ63の直下を
経てレール11の旋回部1C,1Dへ進入する際には、
該可動ステップ63の先端部の櫛歯65がパレット3の
溝3fに嵌入し、溝3fに挟まった異物を除去する。
【0091】このとき、倣い機構68が、溝3fに櫛歯
65が嵌入しているパレット3に先行する他のパレット
3の上面に倣って可動ステップ63を上下へ揺動させ、
溝3fの底部に櫛歯65の下面が接しないようにするの
で、櫛歯65の摩耗を防止することができる。
【0092】また、パレット3が、レール11の旋回部
1C,1Dから可動ステップ63の直下を経て搬送部1
A,1Bに進入する際には、倣い機構68が、溝3fに
櫛歯65が嵌入しているパレット3に後続する他のパレ
ット3の上面に倣って可動ステップ63を上下へ揺動さ
せ、櫛歯65の摩耗を防止する。
【0093】パレット3が、レール11の旋回部1C,
1Dに進入すると、隣接するパレット3が近接し且つ傾
斜角補正用ローラ10がガイドレール12の下面を転動
するため、各パレット3が前傾状態となり、上述したパ
レット3の突起3eと溝3fとの嵌合が解除される。
【0094】また、各パレット3の突起部材3cに、当
該パレット3に後続するパレット3の前縁の凹部3aが
嵌合し、旋回部1C,1Dに位置するパレット3は、搬
送部1B,1Aからスクリューロッド16により送り込
まれる後続のパレット3によって、搬送部1A,1Bへ
向かって順次移動する。
【0095】更に、パレット3が、レール11の旋回部
1C,1Dの中間部分から搬送部1A,1Bへ移動する
際には、隣接するパレット3が離反し且つガイドレール
12の下面に対する傾斜角補正用ローラ10の当接が解
除されるため、各パレット3の前傾状態が解消され、各
パレット3の突起3eが当該パレット3に後続の他のパ
レット3の溝3fに嵌合する。
【0096】このように、図1〜図16に示す動く歩道
では、利用者を対向する2方向へ安全に輸送することが
でき、これに加えて、パレット3の搬送終点における混
雑の緩和を図ることが可能になる。
【0097】なお、本発明の動く歩道は上述した実施例
のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲において変更を加え得ることは勿論である。
【0098】たとえば、レール11の搬送部1A,1B
が長大である場合には、各搬送部1A,1Bの中間部分
にスクリューロッド24を複数設置して、チェーン22
に付与される張力を緩和することもできる。
【0099】また、ばね部材29に替えて、ガス圧、あ
るいは液体粘性抵抗を利用した弾性緩衝機構25を適用
することもできる。
【0100】更に、パレット3に搭乗する利用者の挙動
に応じて、スクリューロッド16のねじ溝16aに、ピ
ッチが一定となる部分を2ヶ所設定すれば、図17に示
すように、パレット3が2度にわたって等速移動させる
ことができ、あるいは、ねじ溝16aのピッチが一定と
なる部分を、よりパレット移動方向上流側に設定すれ
ば、図18に示すように、減速移動中のパレット3を一
旦等速移動させた後、再度減速することができる。
【0101】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の動く歩道に
よれば、下記のような種々の優れた効果を奏しえる。
【0102】(1)紐状部材によって隣接するパレット
を連結し、搬送部のスクリューロッドで移動するパレッ
トにより、後続のパレットを牽引し且つ突起部材によっ
て前方側のパレットを押し出して、一方の搬送部でのパ
レットの移動方向と他方の搬送部でのパレットの移動方
向を逆向きにするので、利用者を異なる2方向へ同時に
輸送することが可能になる。
【0103】(2)また、各パレットの移動方向前縁部
を、当該パレットに隣接するパレットの下側に差し込
み、連続する歩道面を形成するので、多数の利用者を安
全に輸送することができる。
【0104】(3)更に、パレット移動方向上流寄り端
部から下流側へ向かって徐々にねじ溝のピッチが狭まり
且つパレット移動方向下流寄り端部でねじ溝のピッチが
やや拡がるスクリューロッドによって、搬送部のパレッ
ト移動方向下流側寄り部分を進行するパレットの速度
を、徐々に減速した後、若干増速するので、各利用者の
前後に適宜の間隔がとられ、パレットの搬送終点におけ
る混雑を緩和することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動く歩道の実施の形態の一例を示す部
分平面図である。
【図2】パレットの移動速度の変化の第1の例を示すグ
ラフである。
【図3】図1の全体平面図である。
【図4】図1におけるレール及びガイドレールを示す部
分平面図である。
【図5】図1の部分側面図である。
【図6】図1のレールの搬送部におけるパレットの状態
を示す側面図である。
【図7】図1のレールの旋回部におけるパレットの状態
を示す側面図である。
【図8】図1のレールの旋回部におけるパレットの状態
を示す平面図である。
【図9】図1のパレットの後端部を示す部分斜視図であ
る。
【図10】図3のパレット及び可動ステップを示す斜視
図である。
【図11】図1のレールの搬送部と旋回部との遷移部分
におけるパレットの状態を示す正面図である。
【図12】図1のスクリューロッドを示す部分側面図で
ある。
【図13】図1のスクリューロッドを示す部分側面図で
ある。
【図14】図1のスクリューロッドを示す部分側面図で
ある。
【図15】図6の弾性緩衝機構を示す部分切断側面図で
ある。
【図16】図3の可動ステップ及びパレットを示す側面
図である。
【図17】パレットの移動速度の変化の第2の例を示す
グラフである。
【図18】パレットの移動速度の変化の第3の例を示す
グラフである。
【図19】特公昭56−257号公報に掲載された動く
歩道のパレットとねじ軸との係合状態を示す部分切断側
面図である。
【図20】図19の正面図である。
【図21】図19におけるパレットに対する支持枠の取
付状態を示す部分切断側面図である。
【図22】図19におけるねじ軸の全体を示す側面図で
ある。
【図23】図19におけるねじ軸を略環状に配置した状
態を示す平面図である。
【符号の説明】
1A 搬送部 1B 搬送部 1C 旋回部 1D 旋回部 3 パレット 3c 突起部材 11 レール 16 スクリューロッド 16a ねじ溝 18 移動用ローラ(推力伝達部材) 22 チェーン(紐状部材) 24 スクリューロッド

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2ヶ所の円弧状の旋回部及び両旋回部を
    結ぶ搬送部を有し且つ略水平に配置した環状のレール
    と、該レールに案内されて一方向へ移動し得る多数のパ
    レットと、前記の搬送部のパレット移動方向下流寄り部
    分に配置され且つ周方向に回動可能なスクリューロッド
    と、各パレットに設けられ且つスクリューロッドのねじ
    溝に係合可能な推力伝達部材とを備え、スクリューロッ
    ドのねじ溝のピッチを、パレット移動方向上流寄り端部
    から下流側へ向かって徐々に狭まり且つパレット移動方
    向下流寄り端部でやや拡がるように形成し、各パレット
    の下面に、当該パレットの移動方向後方側に隣接するパ
    レットの前縁が当接可能な突起部材を設け、各パレット
    の移動方向前縁部を、当該パレットの移動方向前方側に
    隣接するパレットの下側に差し込み、隣接するパレット
    を紐状部材によって連結したことを特徴とする動く歩
    道。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106081837A (zh) * 2016-08-13 2016-11-09 南通亨特电器有限公司 一种办公楼用环形电梯
CN107877130A (zh) * 2017-12-13 2018-04-06 杭州西奥电梯有限公司 一种基于流水线形式装配人行道梯级与链条的装配系统和装配方法
CN110255456A (zh) * 2019-07-24 2019-09-20 黄山鼎奇链传动有限公司 一种可爬坡和转弯的代步机

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