JP2000195919A - 搬送装置、搬送方法及び搬送システム - Google Patents

搬送装置、搬送方法及び搬送システム

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JP2000195919A JP37142198A JP37142198A JP2000195919A JP 2000195919 A JP2000195919 A JP 2000195919A JP 37142198 A JP37142198 A JP 37142198A JP 37142198 A JP37142198 A JP 37142198A JP 2000195919 A JP2000195919 A JP 2000195919A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体として効率的な搬送が可能な搬送装置を
提供する。 【解決手段】 処理対象物を搬送する主搬送路と交差す
るように、複数の副搬送路が配置されている。主搬送路
と各副搬送路との交差箇所の各々に対応して、ストッカ
が配置されている。ストッカは、主搬送路及び対応する
副搬送路と、処理対象物の受渡しを行い、かつ処理対象
物を一時的に保管する。各副搬送路に対応して、処理装
置が複数台設置されている。処理装置は、対応する副搬
送路を搬送される処理対象物を受け取り、処理し、対応
する副搬送路に戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、搬送装置に関し、
特に半導体装置や液晶表示装置の生産ラインに適した搬
送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの半導体装置や液晶表示装置の生産
ラインでは、同種の機能を持つ処理装置をまめた装置
群、または装置群を複数合わせたさらに大きな装置群を
一単位として管理するジョブショップ生産形態が採用さ
れている。各装置群に含まれる複数の装置及びそれに付
属するローダ、アンローダが、パーティションで仕切ら
れた小部屋内に配置される。1つの装置群が配置された
小部屋は、ベイと呼ばれる。
【0003】図9(A)は、半導体装置の生産ラインを
構成する従来の搬送装置の平面配置図を示す。搬送装置
が配置される領域のほぼ中央に、図の横方向に延在する
主搬送路100が配置されている。主搬送路100の複
数の所定の位置から、副搬送路101が主搬送路100
から枝分かれするように延びている。複数の副搬送路1
01は、主搬送路100の両側に配置されている。ある
1つの副搬送路101に着目すると、それは、主搬送路
100の片側にのみ配置されている。1つのベイに1つ
の副搬送路が対応する。副搬送路は、ベイ内搬送路とも
呼ばれる。主搬送路100及び副搬送路101は、処理
対象物、例えばウエハカセットを搬送する。
【0004】各副搬送路101に対応してストッカ10
2が配置されている。ストッカ102は、主搬送路10
0と副搬送路102との間で、処理対象物の移送を行う
とともに、処理対象物を一時的に保管する。あるベイか
ら他のベイに処理対象物を移送するときには、処理対象
物が、移送元のベイのストッカ102及び主搬送路10
0を介して移送先のベイのストッカ102まで移送され
る。すなわち、ベイに跨がって処理対象物を移送すると
きに、主搬送路100が用いられる。従って、主搬送路
100は、ベイ間搬送路とも呼ばれる。
【0005】副搬送路101の周囲には、所定の処理装
置103が配置されている。処理装置103は、副搬送
路101を搬送されている処理対象物を受け取り、所定
の処理を行った後、当該副搬送路101に戻す。
【0006】図9(B)は、従来の他の配置例を示す。
図9(B)の例では、主搬送路100の片側にのみ副搬
送路101が配置されている。その他は、図9(A)の
構成と同様である。図9(A)の搬送装置は両側ベイ方
式と呼ばれ、図9(B)の搬送装置は片側ベイ方式と呼
ばれる。
【0007】あるベイ内の処理対象物の移送先を決定す
る場合、その処理対象物の次工程の処理を行う処理装置
群を決め、その処理装置群が収容されているベイのスト
ッカを移送先とする。
【0008】搬送装置内には、段取りの異なる種々の処
理を行うべき複数の処理対象物が存在する。段取りの異
なる処理対象物を処理するには、各処理装置において段
取り替え作業が必要になる。例えば、露光装置の場合に
は、フォトマスクの交換等の作業が必要になる。段取り
替え作業によるロスを少なくするために、同一の段取り
で処理可能な処理対象物を連続して処理するようにスケ
ジューリングすることが好ましい。このために、ストッ
カ102内に、同一段取りで処理できる処理対象物を複
数個保管しておき、処理装置に、同一段取りで処理され
る処理対象物を連続的に供給できるようにしておく。
【0009】また、複数の処理対象物を同時にバッチ処
理する処理装置には、同一段取りで処理される処理対象
物をまとめて供給する必要がある。このためにも、スト
ッカ102内に、同一段取りで処理できる処理対象物を
複数個保管しておく必要がある。このように、ストッカ
102内には、種々の段取りで処理すべき処理対象物
が、各段取りごとに複数個保管される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図9(A)に示す両側
ベイ方式の搬送装置においては、ストッカ102と、そ
のベイ内の処理装置103との間の平均距離が短いた
め、ベイ内の搬送時間を短くすることができる。また、
主搬送路100の両側に副搬送路101が配置されるた
め、主搬送路100に、副搬送路101との接続点を多
く設けることができる。このため、段階的にベイを増や
していくことが容易である。しかし、ベイの数が増加す
るため、ベイ間搬送を含めた全体の搬送距離が長くなり
やすい。特に、主搬送路100と副搬送路101との間
の受渡し回数が増加しやすい。
【0011】図9(B)に示す片側ベイ方式の搬送装置
においては、ベイ間搬送を含めた全体の搬送距離を短く
し、主搬送路100と副搬送路101との間の受渡し回
数を少なくすることができる。しかし、ベイ内の平均搬
送距離が長くなる。また、主搬送路100に、副搬送路
101との接続点を多く設けることが困難であるため、
段階的にベイを増設したい場合には、本方式は適さな
い。
【0012】また、図9(A)及び(B)に示す搬送装
置では、あるベイで処理を終えた処理対象物を、次の処
理を行うベイに移送したい場合に、移送先のストッカ1
02が満杯であったり故障していると、移送することが
できない。このような場合に対処するために、処理対象
物を仮に保管しておく仮置き用ストッカを定義してお
き、処理対象物を仮置き用ストッカに搬送する方法が採
用される。しかし、この方法では、仮置きのための搬送
が増加してしまう。さらに、仮置きされている処理対象
物でそのストッカが満杯になり、本来保管すべき処理対
象物を保管できなくなるといった問題が生じ得る。
【0013】本発明の目的は、全体として効率的な搬送
が可能な搬送装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点による
と、処理対象物を搬送する第1の主搬送路と、前記第1
の主搬送路と交差するように配置され、処理対象物を搬
送する複数の第1の副搬送路と、前記第1の主搬送路と
各第1の副搬送路との交差箇所の各々に対応して設置さ
れ、前記第1の主搬送路及び対応する第1の副搬送路
と、処理対象物の受渡しを行い、かつ処理対象物を一時
的に保管する第1のストッカと、各第1の副搬送路に対
応して複数台設置され、対応する第1の副搬送路を搬送
される処理対象物を受け取り、処理し、対応する第1の
副搬送路に戻す第1の処理装置とを有する搬送装置が提
供される。
【0015】副搬送路が主搬送路と交差しているため、
副搬送路の端部で主搬送路と処理対象物の受渡しを行う
場合に比べて、副搬送路内の平均搬送距離を短くするこ
とができる。
【0016】本発明の他の観点によると、処理対象物を
搬送する複数の搬送路と、前記複数の搬送路の各々に対
応して設置され、対応する搬送路と処理対象物の受渡し
を行い、かつ処理対象物を一時的に保管するストッカ
と、2つのストッカ間を接続し、両者間で処理対象物の
移送を行う接続路であって、1つのストッカから、該接
続路、前記搬送路、及び前記ストッカのうち1つもしく
は2つ以上を経由して、他のすべてのストッカに辿り着
けるように配置された前記接続路と、前記搬送路の各々
に対応して複数台設置され、対応する搬送路を搬送され
る処理対象物を受け取り、処理し、対応する搬送路に戻
す処理装置とを有する搬送装置が提供される。
【0017】ある1つのストッカに保管されている処理
対象物を、接続路、ストッカ、搬送路のうち1つもしく
は2つ以上を経由して、他のすべてのストッカに移送す
ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施例に
よる搬送装置の平面配置図を示す。搬送装置が配置され
る領域のほぼ中央に、図の横方向に延在する主搬送路1
が配置されている。主搬送路1は、往路1A、それにほ
ぼ平行に配置された復路1B、往路1Aの終端と復路1
Bの開始端とを接続する第1の旋回路1C、及び復路1
Bの終端と往路1Aの開始端とを接続する第2の旋回路
1Dにより構成されている。すなわち、主搬送路1は、
閉じたループ状の搬送路である。
【0019】複数の副搬送路5が、主搬送路1と交差す
るように配置されている。各副搬送路5も、主搬送路1
と同様に閉じたループ状の搬送路である。主搬送路1及
び副搬送路5は、処理対象物を搬送する。半導体装置を
製造する場合には、処理対象物は半導体基板を格納した
カセットであり、液晶表示装置を製造する場合には、処
理対象物はガラス基板を格納したカセットである。
【0020】主搬送路1と各副搬送路5との交差箇所の
各々に対応して、2台のストッカ6が配置されている。
ストッカ6は、主搬送路1及び対応する副搬送路5と、
処理対象物の受け渡しを行う。さらに、処理対象物を一
時的に保管する。なお、副搬送路5の各々に対応して、
3台以上のストッカを配置してもよい。
【0021】各副搬送路5の周囲に、複数の処理装置7
が配置されている。処理装置7は、対応する副搬送路5
を搬送される処理対象物を受け取り、処理し、対応する
副搬送路5に戻す。処理装置7の例として、化学気相成
長(CVD)装置、イオン注入装置、露光装置、熱処理
装置等が挙げられる。
【0022】図2(A)は、第1の実施例による搬送装
置のストッカ6、主搬送路1、及び副搬送路5の正面図
を示し、図2(B)は、その平面図を示す。主搬送路1
は、リニアモータ用レール10及び及びコンテナ11を
含んで構成される。レール10は、往路用レール10A
と復路用レール10Bを含み、搬送装置が配置された部
屋の天井に取り付けられている。コンテナ11は、レー
ル10に案内されて、リニアモータにより移動する。コ
ンテナ11内には、搬送すべき処理対象物8が収容され
る。
【0023】副搬送路5は、仮想軌道16、及び仮想軌
道16に沿って移動する地上搬送無軌道台車15を含ん
で構成される。無軌道台車15は、処理対象物8をその
中に収容して運搬する。
【0024】ストッカ6は、概ね直方体形状の筐体及び
その中に配置されたクレーン61を含んで構成される。
筐体の側壁には、処理対象物を保管する多数の保管棚1
2が設けられている。さらに、レール10に面する側壁
の一部には、入庫口12A及び出庫口12Bが設けら
れ、仮想軌道16に面する側壁の一部には、入庫口12
C及び出庫口12Dが設けられている。
【0025】コンテナ11に収容されて搬送されてきた
処理対象物は、ロボットアーム等によって入庫口12B
に移送される。出庫口12Aに収容されている処理対象
物は、ロボットアーム等によって、空きコンテナ11に
移送される。台車15に収容されて搬送されてきた処理
対象物は、台車15に取り付けられたロボットアームに
より入庫口12Cに移送される。出庫口12Dに保管さ
れている処理処理物は、ロボットアームにより空き台車
15に移送される。クレーン61は、入庫口12A、1
2C、出庫口12B、12D、及び保管棚12の間で、
処理対象物の受渡しを行う。
【0026】図3は、第1の実施例による搬送装置の管
理システムのブロック図を示す。管理システムは、同一
の副搬送路5、すなわち同一のベイに対応する複数のス
トッカ6を、1つのストッカ群IDで管理している。工
程記憶手段30に、処理対象物ごとの処理工程の順番が
記憶されている。工程/ストッカ群ID記憶手段31
に、各工程と、その工程の処理を行うベイに対応するス
トッカ群IDとの対応関係が記憶されている。
【0027】空数記憶手段32が、各ストッカ群に属す
るストッカに保存し得る処理対象物の保存可能数から、
現在保存中の処理対象物の数を引いた空数をストッカ群
ごとに記憶する。仕掛数記憶手段33が、ベイごとに、
そのベイの副搬送路5を搬送中の処置対象物の数と、当
該副搬送路5に接続された処理装置7に取り込まれてい
る処理対象物の数との和である仕掛かり数を記憶する。
【0028】工程管理装置は、工程記憶手段30に記憶
されている情報に基づいて、ある処理対象物の次の工程
を決定する。工程/ストッカ群ID記憶手段31に記憶
されている情報に基づいて、その工程の処理を実行する
ベイのストッカ群IDを求める。求められたストッカ群
IDは、制御装置35に送られる。
【0029】制御装置35は、工程管理装置34から送
られて来た移送先のストッカ群ID、及び空数記憶手段
32に記憶されている情報に基づいて、処理対象物を移
送するか、現ストッカに仮置きしておくかを判断する。
例えば、移送先のストッカ群の空数がある基準値以下の
場合に仮置きする。移送する場合には、移送先のストッ
カ群に属するストッカを特定するストッカIDを付し
て、搬送装置駆動手段36に、搬送指示信号を送信す
る。
【0030】なお、移送先の空数情報のみではなく、仕
掛数記憶手段33に記憶されている移送先のベイの仕掛
かり数をも考慮して、移送するか仮置きするかを判断し
てもよい。仕掛かり数が多いということは、当該ベイ内
の処理装置に余裕が無いということである。移送先のベ
イのストッカ群の空数と仕掛かり数とに基づいて、移送
するか仮置きするかを判断することにより、より適切な
制御を行うことが可能になる。例えば、空数から仕掛か
り数を引いた値と基準値とを比較し、その値が基準値以
下の場合には、仮置きする。
【0031】駆動手段36は、搬送指示信号に基づい
て、主搬送路1、副搬送路5、及びストッカ6を駆動す
る。搬送結果が、制御装置35に返送される。制御装置
35は、搬送結果に基づいて、空数記憶手段32及び仕
掛数記憶手段33の記憶内容を更新する。
【0032】上記第1の実施例では、図1に示すよう
に、副搬送路5が主搬送路1と交差するように配置され
ている。このため、副搬送路5の端部において主搬送路
1と処理対象物の受渡しを行う図9(B)の片側ベイ方
式に比べて、処理対象物を副搬送路5内で搬送すべき平
均距離が短くなる。また、図9(A)に示す両側ベイ方
式の場合に比べて、ベイ間搬送量を少なくすることがで
きる。
【0033】また、第1の実施例では、副搬送路5の各
々に対して、2台のストッカ6が割り当てられている。
このため、1台のストッカが故障等により停止している
場合や満杯の場合にも、処理対象物を他方のスットカに
移送することにより、支障無くベイ間搬送を行うことが
できる。
【0034】図4は、第2の実施例による搬送装置の平
面配置図を示す。図1に示す第1の実施例では、1つの
ストッカ6が、1つの副搬送路5とのみ処理対象物の受
渡しを行う。第2の実施例では、1つのストッカ6が、
2つの副搬送路5と処理対象物の受渡しを行うことがで
きる。例えば、図4において、中央の副搬送路5Bの左
側に配置されている2つのストッカ6C及び6Dは、中
央の副搬送路5Bと処理対象物の受渡しを行うのみでは
なく、その左隣の副搬送路5Aとも処理対象物の受渡し
を行う。また、右端の副搬送路5Cの左側に配置されて
いる2つのストッカ6E及び6Fは、その左隣の副搬送
路5Bとも処理対象物の受渡しを行う。その他の構成
は、第1の実施例の場合と同様である。
【0035】2つの副搬送路と処理対象物の受渡しを行
えるストッカ6は、2つのストッカ群に属することとな
る。例えば、図4において、中央の2つのストッカ6C
及び6Dは、中央の副搬送路5Bに割り当てられたスト
ッカ群と左端の副搬送路5Aに割り当てられたストッカ
群の2つに属する。
【0036】第2の実施例では、1つのベイの仕掛かり
数が増加した場合であっても、そのベイに隣接するベイ
の仕掛かり数が少ない場合には、これら2つのベイに属
するストッカ6の保管棚の多くを、仕掛かり数の増加し
たベイ用に割り当てることができる。このため、保管棚
の利用頻度を平準化することが可能になる。
【0037】また、1つのベイに割り当てられるストッ
カ6の台数が実質的に増加する。このため、1つのスト
ッカ6が故障した場合に、他の1つのストッカへの集中
を緩和することができる。
【0038】さらに、第2の実施例では、1つのベイか
らそれに隣接するベイに、両者と処理対象物の受渡しを
することができるストッカ6を介して、処理対象物を移
送することができる。このため、主搬送路1にかかる負
荷を軽減することが可能になる。
【0039】次に、第2の実施例による搬送装置と従来
の搬送装置とを用いて、同一のある製造工程を実施した
場合の、処理対象物の1時間あたりの搬送回数の予測結
果について説明する。
【0040】図5(A)は、予測に用いた第2の実施例
による搬送装置の平面配置図を示す。ベイの数は5個で
あり、図5(A)の両端のベイには、それぞれ2個のス
トッカ6が割り当てられ、その他のベイには、それぞれ
4個のストッカ6が割り当てられている。
【0041】図5(B)は、予測に用いた従来の両側ベ
イ方式の搬送装置の平面配置図を示す。ベイの数は10
個であり、各ベイに1つずつストッカ6が割り当てられ
ている。
【0042】主搬送路1を経由したベイ間搬送回数は、
第2の実施例の場合に27回であったのに対し、従来の
場合には112回であった。なお、第2の実施例の場合
に、ストッカ6を経由したベイ間の搬送回数は43回で
あった。ストッカ6内のクレーンによる処理対象物の搬
送回数は、第2の実施例の場合に76回であったのに対
し、従来の場合には181回であった。ベイ内の搬送回
数は、第2の実施例の場合に263回であったのに対
し、従来の場合には308回であった。
【0043】このように、第2の実施例では、従来例の
場合に比べて、処理対象物の搬送回数が少なくなる。
【0044】図5(B)に示す両側ベイ方式の搬送装置
に代えて、片側ベイ方式の搬送装置を用いると、ベイ間
搬送回数が少なくなる。しかし、ベイ内搬送の平均搬送
距離が、第2の実施例の場合に比べて約1.5倍にな
る。このため、平均搬送時間も約1.5倍になってしま
う。副搬送路5に無軌道台車を用いる場合には、台車の
数を増やす必要がある。発明者らの予測では、第2の実
施例による搬送装置に必要な台車が23台であるとき、
同等の片側ベイ方式の搬送装置では46台の台車が必要
になる。ベイ内の平均搬送距離が1.5倍であるのに対
して、必要な台車の数が2倍になっているのは、平均搬
送距離が長くなると、台車間の相互干渉により台車の利
用効率が低下する為である。
【0045】図6(A)は、第3の実施例による搬送装
置の概略正面図を示す。複数のフロア(階)を有する建
屋20の、第1のフロアに、主搬送路1及び複数のベイ
9A〜9Cを含んで構成される第1の搬送装置が設置さ
れている。第2のフロアに、主搬送路21及び複数のベ
イ28A〜28Cを含んで構成される第2の搬送装置が
設置されている。各ベイ9A〜9C及び28A〜28C
は、図1に示す第1の実施例の副搬送路5、ストッカ
6、及び処理装置7を含んで構成されている。
【0046】主搬送路1及び21は、両端を有する仮想
的な線に沿って配置されている。第1のフロア間搬送路
22が、主搬送路1の一端に最も近い位置に配置された
ベイ9Cに割り付けられたストッカ内の処理対象物を、
主搬送路21の一端に最も近い位置に配置されたベイ2
8Cに割り付けられたストッカまで搬送する。第2のフ
ロア間搬送路23が、主搬送路21の他端に最も近い位
置に配置されたベイ28Aに割りつけられたストッカ内
の処理対象物を、主搬送路1の他端に最も近い位置に配
置されたベイ9Aに割りつけられたストッカまで搬送す
る。
【0047】第1のフロアのベイ9Aから9Cまでは、
ある装置の製造工程の順番に従って配置されている。さ
らに、第2のフロアのベイ28Cから28Aまでは、ベ
イ9Cの次の工程から工程の順番に従って配置されてい
る。ベイ9A及び9Bで順番に処理され、ベイ9Cにお
ける処理を終えた処理対象物は、第1のフロア間搬送路
22を経由してベイ28Cに移送される。ベイ28Cに
移送された処理対象物は、ベイ28B及び28Aで順番
に処理される。ベイ28Aにおける処理を終えた処理対
象物は、第2のフロア間搬送路23を経由してベイ9A
に移送される。
【0048】例えば、ベイ9A〜9C、28C〜28A
は、それぞれ洗浄、成膜、フォトリソグラフィ、エッチ
ング、レジスト剥離、検査の工程を実施する。ベイ9A
における処理を開始して、ベイ9B、9C、28C〜2
8Aを経由することによって、1層分の薄膜形成を行う
ことができる。
【0049】このように、複数のベイを、複数フロア
に、かつ工程の順番に配置することにより、全工程を終
了するまでの処理対象物の移動距離を短くすることが可
能になる。
【0050】図6(B)は、第3の実施例の変形例によ
る搬送装置の概略正面図を示す。図6(B)に示す搬送
装置では、図6(A)に示す第1及び第2のフロア間搬
送路22及び23の代わりに、それぞれ第1及び第2の
フロア間ストッカ26及び27が設置されている。第1
のフロア間ストッカ26は、ベイ9Cの副搬送路及びベ
イ28Cの副搬送路と、処理対象物の受渡しを行う。第
2のフロア間ストッカ27は、ベイ9Aの副搬送路及び
ベイ28Aの副搬送路と、処理対象物の受渡しを行う。
さらに、第1及び第2のフロア間ストッカ26及び27
は、処理対象物を一時的に保管する。
【0051】第1及び第2のフロア間ストッカ26及び
27は、処理対象物を、フロアに跨がって移送すること
ができる。このため、図6(B)に示す搬送装置も、図
6(A)の搬送装置と同様に、処理対象物の移動距離を
短くすることができる。
【0052】図7は、第4の実施例による搬送装置の平
面配置図を示す。図7の縦方向に延在する複数の搬送路
60が、図7の横方向に延在する仮想的な直線70と交
差するように配置されている。各搬送路60が、1つの
ベイに対応する。搬送路60の各々に対応するように少
なくとも2つのストッカ61が配置されている。
【0053】1つの搬送路60に対応する2つのストッ
カ61は、仮想的な直線70の両側に配置されている。
ストッカ61は、対応する搬送路60と処理対象物の受
渡しを行うとともに、処理対象物を一時的に保管する。
なお、図4に示す第2の実施例のように、各ストッカ6
1が、対応する搬送路60に隣り合う他の搬送路60と
処理対象物の受渡しを行えるようにしてもよい。各搬送
路60の周囲に、複数の処理装置62が配置されてい
る。処理装置62は、図1の処理装置7と同様の機能を
有する。
【0054】複数のストッカ61のうち、任意の一対の
ストッカ間を、接続路65が接続している。接続路65
は、それが接続されている2つのストッカ60の間で処
理対象物を移送する。また、接続路65は、1つのスト
ッカ61から、接続路65、搬送路60、及びストッカ
61のうち1つもしくは2つ以上を経由して、他のすべ
てのストッカ61に辿り着けるように配置されている。
このため、あるストッカ61内に保管されている処理対
象物を、接続路65、搬送路60、及びストッカ61の
いずれかを経由して、他の任意のストッカ61まで移送
することができる。
【0055】例えば、ストッカ61は、搬送路60の各
々に対応して、第1の仮想的な線70の両側に1つずつ
配置されている。接続路65が、第1の仮想的な線70
の一方の側に配置されたストッカ61を直列に接続し、
他方の側に配置されたストッカ61を直列に接続する。
さらに、1つの搬送路60に対応する2つのストッカ6
1の間を、第1の仮想的な線70を跨いで接続する。す
なわち、接続路65により、梯子状の搬送路が構成され
ている。搬送路の形状を梯子状にすることにより、一部
のストッカ61もしくは一部の接続路65が故障した場
合に、迂回路を構成することが可能になる。
【0056】図8は、図7の接続路65の断面図を示
す。2つのストッカ61が、搬送路60の両側に配置さ
れている。各ストッカ61内には、図2(A)及び
(B)のストッカ6と同様の保管棚が設けられている。
搬送路60に面した側壁に、出庫口66A及び入庫口6
6Bが設けられている。出庫口66Aと、それに対向す
るストッカ61の入庫口66Bとが、接続路65で相互
に接続されている。ストッカ61内のクレーンが処理対
象物8を出庫口66Aに載置すると、処理対象物8が、
接続路65内を移動するベルトコンベアにより、対向す
るストッカ61の入庫口66Bまで移送される。
【0057】接続路65内は、密閉空間とされている。
各ストッカ61には、空気清浄器67が取り付けられ
て、ストッカ61内の空間が清浄化される。接続路65
が密閉構造とされているため、接続路65内の空間は、
ストッカ61内の空間とほぼ同程度の清浄度に維持され
る。処理対象物は、ストッカ61及び接続路65の内部
空間のみを経由して搬送される。このため、外部の空間
の清浄度を、ストッカ61内の空間の清浄度よりも低く
設定しておくことができる。
【0058】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の副搬送路を主搬送路と交差させて配置することに
より、副搬送路の端部において主搬送路と処理対象物の
受渡しを行う場合に比べて、処理対象物を副搬送路内で
搬送すべき平均距離を短くすることができる。
【0060】また、1つのベイに対応する副搬送路に複
数台のストッカを割り当てることにより、1台のストッ
カが故障等により停止している場合や満杯の場合にも、
支障無くベイ間搬送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による搬送装置の平面配
置図である。
【図2】第1の実施例による搬送装置の概略正面図及び
概略平面図である。
【図3】第1の実施例による搬送装置を用いた生産管理
の方法を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施例による搬送装置の平面配
置図である。
【図5】図5(A)は、第2の実施例による搬送装置の
平面配置図であり、図5(B)は、従来の両側ベイ方式
の搬送装置の平面配置図である。
【図6】第3の実施例及びその変形例による搬送装置の
概略正面図である。
【図7】本発明の第4の実施例による搬送装置の平面配
置図である。
【図8】第4の実施例の搬送装置の接続路の概略断面図
である。
【図9】従来の例による搬送装置の平面配置図である。
【符号の説明】
1 主搬送路 1A 往路 1B 復路 1C、1D 旋回路 5 副搬送路 6 ストッカ 7 処理装置 8 処理対象物 9A〜9C、28A〜28C ベイ 10 レール 11 コンテナ 12 保管棚 15 台車 16 仮想軌道 20 建屋 21 主搬送路 22、23 フロア間搬送路 26、27 フロア間ストッカ 30 工程記憶手段 31 工程/エミッタ群ID記憶手段 32 空数記憶手段 33 仕掛数記憶手段 34 工程管理装置 35 制御装置 36 駆動手段 60 搬送路 61 ストッカ 62 処理装置 65 接続路 67 空気清浄器
フロントページの続き (72)発明者 北野 勝 鳥取県米子市石州府字大塚ノ弐650番地 株式会社米子富士通内 (72)発明者 太田 雄一郎 鳥取県米子市石州府字大塚ノ弐650番地 株式会社米子富士通内 (72)発明者 石井 英夫 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5F031 CA02 CA05 MA09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理対象物を搬送する第1の主搬送路
    と、 前記第1の主搬送路と交差するように配置され、処理対
    象物を搬送する複数の第1の副搬送路と、 前記第1の主搬送路と各第1の副搬送路との交差箇所の
    各々に対応して設置され、前記第1の主搬送路及び対応
    する第1の副搬送路と、処理対象物の受渡しを行い、か
    つ処理対象物を一時的に保管する第1のストッカと、 各第1の副搬送路に対応して複数台設置され、対応する
    第1の副搬送路を搬送される処理対象物を受け取り、処
    理し、対応する第1の副搬送路に戻す第1の処理装置と
    を有する搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のストッカが、前記第1の主搬
    送路と各第1の副搬送路との交差箇所の各々に対応して
    複数台設置されている請求項1に記載の搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のストッカのうち少なくとも一
    部の第1のストッカが、対応する第1の副搬送路に隣り
    合う他の第1の副搬送路と、処理対象物の受渡しを行う
    請求項1または2に記載の搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の主搬送路が、往路、該往路に
    平行に配置された復路、該往路の終端と該復路の開始端
    とを接続する第1の旋回路、及び該復路の終端と該往路
    の開始端とを接続する第2の旋回路を含む閉じた搬送路
    である請求項1〜3のいずれかに記載の搬送装置。
  5. 【請求項5】 処理対象物を搬送する第1の主搬送路、 前記第1の主搬送路と交差するように配置され、処理対
    象物を搬送する複数の第1の副搬送路、 前記第1の主搬送路と各第1の副搬送路との交差箇所の
    各々に対応して設置され、前記第1の主搬送路及び対応
    する第1の副搬送路と処理対象物の受渡しを行い、かつ
    処理対象物を一時的に保管する第1のストッカ、 各第1の副搬送路に対応して複数台設置され、対応する
    第1の副搬送路を搬送される処理対象物を受け取り、処
    理し、対応する第1の副搬送路に戻す第1の処理装置と
    を有する搬送装置を用いた搬送方法であって、 前記第1のストッカのうち、同一の第1の副搬送路に対
    応する1つもしくは複数の第1のストッカを1つの第1
    のストッカ群として管理し、各第1のストッカ群に属す
    る第1のストッカに保存し得る処理対象物の保存可能数
    から、現在保存中の処理対象物の数を引いた空数を記憶
    する工程と、 記憶されている前記空数に基づいて、あるストッカ群か
    ら他のストッカ群への処理対象物の搬送の可否を決定す
    る工程とを有する搬送方法。
  6. 【請求項6】 さらに、各第1の副搬送路を搬送中の処
    置対象物の数と当該第1の副搬送路に接続された第1の
    処理装置に取り込まれている処理対象物の数との和であ
    る仕掛かり数を記憶する工程と、 前記空数及び前記仕掛かり数に基づいて、あるストッカ
    群から他のストッカ群への処理対象物の搬送の可否を決
    定する工程とを含む請求項5に記載の搬送方法。
  7. 【請求項7】 さらに、前記第1のストッカ内のある処
    理対象物の次の移送先の第1のストッカ群の空数に基づ
    いて、当該処理対象物の搬送を開始するか、現第1のス
    トッカ内に引き続き保管するかを決定する工程を含む請
    求項5または6に記載の搬送方法。
  8. 【請求項8】 処理対象物を搬送する第1の主搬送路
    と、 前記第1の主搬送路と交差するように配置され、処理対
    象物を搬送する複数の第1の副搬送路と、 前記第1の主搬送路と各第1の副搬送路との交差箇所の
    各々に対応して設置され、前記第1の主搬送路及び対応
    する第1の副搬送路と、処理対象物の受渡しを行い、か
    つ処理対象物を一時的に保管する第1のストッカと、 各第1の副搬送路に対応して複数台設置され、対応する
    第1の副搬送路を搬送される処理対象物を受け取り、処
    理し、対応する第1の副搬送路に戻す第1の処理装置
    と、 前記第1の主搬送路、複数の第1の副搬送路、複数の第
    1のストッカ、及び複数の第1の処理装置を、第1のフ
    ロアに収容し、該第1のフロアの外に第2のフロアを有
    する建屋と、 前記第2のフロアに収容された第2の主搬送路、複数の
    第2の副搬送路、複数の第2のストッカ、及び複数の第
    2の処理装置であって、前記第2の副搬送路の各々が、
    前記第2の主搬送路と交差するように配置され、前記複
    数の第2のストッカの各々が、前記第2の主搬送路と各
    第2の副搬送路との交差箇所の各々に対応して配置さ
    れ、第2の主搬送路と、対応する第2の副搬送路との間
    で処理対象物の受渡しを行い、前記複数の第2の処理装
    置の各々が、前記第2の副搬送路のいずれかに対応して
    配置され、対応する第2の副搬送路を搬送されている処
    理対象物を受け取り、処理し、対応する第2の副搬送路
    に戻す前記第2の主搬送路、複数の第2の副搬送路、複
    数の第2のストッカ、及び複数の第2の処理装置と、 前記第1の主搬送路、複数の第1の副搬送路、複数の第
    1のストッカのいずれか1つと、前記第2の主搬送路、
    複数の第2の副搬送路、複数の第2のストッカのいずれ
    か1つとの間で処理対象物を移送する第1のフロア間移
    送手段とを有する搬送システム。
  9. 【請求項9】 前記第1の主搬送路が、両端を有する第
    1の仮想的な線に沿って配置され、 前記第2の主搬送路が、両端を有する第2の仮想的な線
    に沿って配置され、前記第1のフロア間移送手段が、前
    記第1の主搬送路の一端に最も近い位置に配置された第
    1の副搬送路もしくはその第1の副搬送路に割り当てら
    れた第1のストッカと処理対象物の受渡しを行い、かつ
    前記第2の主搬送路の一端に最も近い位置に配置された
    第2の副搬送路もしくはその第2の副搬送路に割り当て
    られた第2のストッカと処理対象物の受渡しを行い、 さらに、前記第1の主搬送路の他端に最も近い位置に配
    置された第1の副搬送路もしくはその第1の副搬送路に
    割り当てられた第1のストッカと処理対象物の受渡しを
    行い、かつ前記第2の主搬送路の他端に最も近い位置に
    配置された第2の副搬送路もしくはその第2の副搬送路
    に割り当てられた第2のストッカと処理対象物の受渡し
    を行う第2のフロア間移送手段を有する請求項8に記載
    の搬送システム。
  10. 【請求項10】 処理対象物を搬送する複数の搬送路
    と、 前記複数の搬送路の各々に対応して設置され、対応する
    搬送路と処理対象物の受渡しを行い、かつ処理対象物を
    一時的に保管するストッカと、 2つのストッカ間を接続し、両者間で処理対象物の移送
    を行う接続路であって、1つのストッカから、該接続
    路、前記搬送路、及び前記ストッカのうち1つもしくは
    2つ以上を経由して、他のすべてのストッカに辿り着け
    るように配置された前記接続路と、 前記搬送路の各々に対応して複数台設置され、対応する
    搬送路を搬送される処理対象物を受け取り、処理し、対
    応する搬送路に戻す処理装置とを有する搬送装置。
  11. 【請求項11】 前記複数の搬送路の各々が、両端を有
    する第1の仮想的な線と異なる点で交差するように配置
    され、 前記ストッカが、対応する搬送路に隣り合う他の搬送路
    とも、処理対象物の受渡しを行うことができる請求項1
    0に記載の搬送装置。
  12. 【請求項12】 前記ストッカが、前記搬送路の各々に
    対応して、前記第1の仮想的な線の両側に少なくとも1
    つずつ配置され、 前記接続路が、前記第1の仮想的な線の一方の側に配置
    されたストッカを直列に接続し、他方の側に配置された
    ストッカを直列に接続し、かつ1つの搬送路に対応する
    2つの前記ストッカの間を、前記第1の仮想的な線を跨
    いで接続する請求項11に記載の搬送装置。
  13. 【請求項13】 さらに、前記ストッカ内を、その外部
    よりも清浄に保つ清浄化手段を有し、 前記接続路の内部が密閉空間とされ、当該接続路に接続
    される前記ストッカ内の空間以外の空間と隔離されてい
    る請求項10または11に記載の搬送装置。
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