JP2000193370A - 処理装置及び処理方法 - Google Patents

処理装置及び処理方法

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JP2000193370A
JP2000193370A JP10370678A JP37067898A JP2000193370A JP 2000193370 A JP2000193370 A JP 2000193370A JP 10370678 A JP10370678 A JP 10370678A JP 37067898 A JP37067898 A JP 37067898A JP 2000193370 A JP2000193370 A JP 2000193370A
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Japan
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long object
sheet
liquid
processing chamber
processing
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JP10370678A
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English (en)
Inventor
Kunitoshi Sugiyama
邦利 杉山
Yuichi Kawaguchi
雄一 川口
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続したシートや線材等の表面を処理するため
連続したシートや線材等を通す各種容器内の密閉性を高
め、処理液等を効率良く回収する。 【解決手段】長尺シート1を連続して通しながら長尺シ
ート1に対して各種処理を行う処理室3のシート導入口
と長尺シート1との間隙及びシート排出口と長尺シート
1との間隙を液体7で密封し、処理室3内部の雰囲気が
シート導入口やシート排出口から漏れ出すことを防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、樹脂や紙,繊維
質等の長尺シートや線材等に有機溶媒を含む塗工液を塗
布して乾燥したり、有機溶剤等の気相からの含浸処理や
吸着処理して成膜したり洗浄するときの処理装置及び処
理方法、特に処理装置の密閉性の向上と処理液等の回収
性能の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば樹脂フイルムからなる長尺シート
等の基材に各種素材を配合して高分子樹脂などをバイン
ダとし有機溶媒を用いて塗工して乾燥し、基材に塗布膜
を形成することは、例えば、磁気記録媒体や感熱記録媒
体などの記録媒体などを始め様々な製品分野で見られ
る。
【0003】このような製品の塗工工程では有機溶媒を
含んだ塗工液を乾燥させる工程で有機溶媒ガスが発生す
る。有機溶媒ガスは、その量が微量であれば大きな問題
はないが、比較的大量に発生する場合には、適当な処理
を施さなければならない。溶媒ガスの処理方法として
は、燃焼する方法や吸着剤に吸着し補集する方法や液体
に溶解させる補集する方法及び凝縮させ液化して回収す
る方法などがある。このような処理方法の中で有機溶媒
ガスを凝縮させ液化して回収する方法は、回収した溶剤
を価値のある資源として再利用することができ、環境に
も優しいゼロエミッションリサイクルを志向した方法で
ある。
【0004】このような有機溶媒ガスを凝縮させ液化し
て回収する方法は、溶媒を含むガスの爆発を防ぐために
窒素などの不活性環境で行われてきた。したがって、こ
の回収方法を適用するための基本的な構成は、連続シー
トに塗工液を塗布する塗工機と、不活性ガスが供給され
て不活性環境に保たれた乾燥室及び乾燥室から溶媒を含
むガスを導き出して溶媒を凝縮分解し、不活性ガスのみ
を乾燥室に戻す溶媒回収装置によって構成されている。
このような基本構成においては、不活性環境に保たれた
乾燥室へ連続シートを導入するシート導入口と連続シー
トを排出するシート排出口で内部の不活性ガスが漏れた
り、外部の空気が侵入するという欠点があった。この不
活性ガスの漏れは、乾燥室内部の不活性環境を保つため
に新たな不活性ガスを供給する必要があり、溶媒回収装
置のランニングコストを増大させることにもなる。ま
た、シート導入口とシート排出口から外部の空気が侵入
して不活性環境を損ない、爆発の危険を増すばかりでな
く、侵入する水分により不活性ガスの効率的な回収を阻
害する場合もあった。すなわち、溶媒を含むガスから溶
媒を凝縮させるためガスを冷却する処理がされるが、こ
の冷却温度が氷点下の場合、ガスに含まれていた水分が
氷となり、溶媒回収装置内の配管流路に付着して装置の
安定した運転を妨げる。
【0005】このようなシート導入口とシート排出口に
おける不活性ガスの漏れや、外部空気の侵入を防止する
ため、例えば特開平5−106964号公報に示された
乾燥室41は、図7に示すように、乾燥室41のシート
導入口とシート排出口に、シート42の走行方向に対し
て横断方向に延びたシール板43を、長手方向の先端部
をシート通路に近接して複数枚設け、隣接したシール板
43の間に排気空間44を形成し、シート導入口とシー
ト排出口から外部空気が侵入することを防ぎ、外部に漏
れる不活性ガスの量を低減するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開平5
−106964号公報に示された乾燥室は、複数のシー
ル板が連続シートの通路の上下に近接して配置され、そ
の隙間を連続シートが通過するため、外部空気の侵入や
不活性ガスの漏れを防ぐため上下のシール板間の隙間を
狭くすると、走行する連続シートがシール板の先端部に
接触し、塗工欠陥の原因となることがある。
【0007】このような欠点は連続シートの走行速度が
早くなって乾燥室のシート導入口とシート排出口近傍に
おける連続シートの縦方向のバタツキが発生し易くなる
と、より大きなものとなる。また、連続シートの縦方向
のバタツキの影響を除去するために上下のシール板で形
成した隙間を大きくすると、外部空気の侵入や不活性ガ
スの漏れ防止の効果が減少してしまう。
【0008】さらに、連続シートの走行速度が早くなる
と、走行している連続シート表面近傍の気体はシート表
面に同伴した流れ(同伴流)を形成し、この同伴流によ
り乾燥室内に侵入する外部空気の量が急激に増加する。
【0009】また、不活性ガスを用いた乾燥室で溶媒を
含む塗工液を乾燥する場合、乾燥室内から不活性ガスと
蒸発した溶媒蒸気を含む気体を導き出して回収している
が、塗工液に比較的低沸点の溶媒を用いた場合、塗工機
から乾燥室のシート導入口までの距離がある場合、その
間で大気中に揮散する溶媒量が多く、このため周囲雰囲
気が悪くなることもあった。
【0010】この発明はかかる短所を改善し、連続した
シートや線材等の表面を処理するため連続したシートや
線材等を通す各種容器内の密閉性を高めるととともに処
理液等を効率良く回収することができる処理装置及び処
理方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る処理装置
は、長尺物を連続して通しながら長尺物に対して各種処
理を行う処理室を有する処理装置において、上記処理室
の長尺物導入口と搬送される長尺物との間隙及び長尺物
排出口と搬送される長尺物との間隙のいずれか一方又は
両方を液体で密封することを特徴とする。
【0012】上記処理室の長尺物導入口を形成する壁面
と長尺物排出口を形成する壁面に、搬送される長尺物表
面に液体を供給する液体供給手段を設けると良い。
【0013】また、液体供給手段の液供給口と対向する
位置に搬送される長尺物を支持する案内ローラを設ける
と良い。
【0014】さらに、案内ロールを処理室の壁面に設け
たシール部材に密着させたり、案内ロールと処理室の壁
面の間にシールロールを設けると良い。この案内ロール
とシールロールとの間に微小間隙を設け、シールロール
を案内ロールの回転方向と逆方向に回転させることが望
ましい。
【0015】また、液体供給手段より長尺物の搬送方向
の下流側に液除去手段を設けることが望ましい。この液
除去手段は長尺物に塗布された液体を吸引した回収する
と良い。
【0016】また、処理室の長尺物導入口を形成する壁
面に設けた液体供給手段は長尺物に塗工液を供給する塗
工機であり、処理室は長尺物に塗布した塗工液を加熱乾
燥する。この処理室に不活性ガスを供給し、処理室内の
雰囲気ガスを回収して不活性ガスと他の物質を分離し、
分離した不活性ガスを処理室に供給すると良い。
【0017】さらに、上記処理室を塗工液に含まれる溶
媒より分子容量の小さい溶媒蒸気の雰囲気にすると良
い。
【0018】また、上記処理室の壁面と液体供給手段と
の間に処理室と液体供給手段を遮断するチャンバー室を
設けることが望ましい。
【0019】この発明の処理方法は、長尺物を連続して
通しながら長尺物に対して各種処理を行う処理室を有す
る処理方法において、上記処理室の長尺物導入口と搬送
される長尺物との間隙及び長尺物排出口と搬送される長
尺物との間隙のいずれか一方又は両方を液体で密封する
ことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】この発明の処理装置は連続して搬
送される長尺シートの表面に各種処理を施すものであ
り、処理室とダイヘッド及び液体供給装置を有する。処
理室は連続して移動する長尺シートの表面に塗布された
塗工液を乾燥したり、長尺シートの表面に対して有機溶
剤を含浸したり吸着したり、長尺シートを洗浄したりす
る各種の処理に利用されるものであり、一方の側壁にシ
ート導入口が設けられ、他方の側壁にシート排出口が設
けられ、シート導入口とシート排出口の間を移動する長
尺シートの表面に各種処理を行う。ダイヘッドは処理室
の両側壁のシート導入口とシート排出口の上部に取り付
けられ、シート通路側に液供給口を有し、シート導入口
とシート排出口を通過する長尺シートの表面に液体供給
装置から送給された液体を供給する。
【0021】この処理装置で例えば連続して搬送される
長尺シートの表面を洗浄する場合、長尺シートを処理室
のシート導入口から処理室内を貫通させてシート排出口
から導き出して長尺シートを搬送しながらシート導入口
とシート排出口を通過する長尺シートの表面にダイヘッ
ドから液体を供給する。この供給している液体が処理室
のシート導入口とシート排出口を密封する。この状態で
処理室内を移動している長尺シートの表面を洗浄する。
この長尺シートの表面を処理しているときに、処理室の
シート導入口とシート排出口をダイヘッドから供給する
液体で密封しているから、処理室内部の雰囲気がシート
導入口やシート排出口から漏れ出すことを防止すること
ができるとともに外部空気が処理室に侵入することを防
止する。
【0022】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の構成を示す断面
図である。図に示すように、樹脂や紙,繊維質等の長尺
シート1を連続して通しながら長尺シート1の表面に各
種処理を施す処理装置2は処理室3とダイヘッド4及び
液体供給装置5を有する。処理室3は連続して移動する
長尺シート1の表面に塗布された塗工液を乾燥したり、
長尺シート1の表面に対して有機溶剤を含浸したり吸着
したり、長尺シート1を洗浄したりする各種の処理に利
用されるものであり、一方の側壁にシート導入口6が設
けられ、他方の側壁にシート排出口(不図示)が設けら
れ、シート導入口6とシート排出口の間を移動する長尺
シート1の表面に各種処理を行う。ダイヘッド4は、処
理室3の両側壁のシート導入口6とシート排出口の上部
に取り付けられ、シート通路側に液供給口を有し、シー
ト導入口6とシート排出口を通過する長尺シート1の表
面に液体供給装置5から送給された液体7を供給する。
【0023】上記のように構成された処理装置2で例え
ば長尺シート1の表面を洗浄する場合、長尺シート1を
処理室3のシート導入口6から処理室3内を貫通させて
シート排出口から導き出して、長尺シート1を搬送しな
がらシート導入口6とシート排出口を通過する長尺シー
ト1の表面にダイヘッド4で液体供給装置5から送給さ
れた液体7を供給する。この供給している液体7が処理
室3のシート導入口6とシート排出口を密封する。この
状態で処理室3内を移動している長尺シート1の表面を
洗浄する。この長尺シート1の表面を処理しているとき
に、処理室3のシート導入口6とシート排出口をダイヘ
ッド4から供給する液体7で密封しているから、処理室
3内部の雰囲気がシート導入口6やシート排出口から漏
れ出すことを防止することができる。また、連続して搬
送されている長尺シート1のシート表面に同伴する外部
空気をダイヘッド4から長尺シート1の表面に供給され
る液体で堰き止めることにより、外部空気が処理室3に
侵入することを確実に防止することができる。
【0024】上記実施例は長尺シート1の一方の表面に
ダイヘッド4から液体7を供給する場合について説明し
たが、長尺シート1の両面に液体7を供給するようにし
ても良い。
【0025】また、ダイヘッド4から長尺シート1の表
面に供給される液体が塗工液のように長尺シート1に塗
布されるものでない場合は、長尺シート1の表面に供給
された液体7をダイヘッド4の下流側で除去すれば良
い。例えば図2,図3の断面図に示すように、処理室3
a,3bが隔壁8を介して設けられ、各処理室3a,3
bで異なる処理をする場合、図2に示すように、ダイヘ
ッド4の下流側に液体除去ノズル9を設けたり、図3に
示すように、ダイヘッド4の下流側でバックアップロー
ル10と対向する位置に発泡樹脂や多孔質のセラミック
ス等の吸引ロール11を設け、液体除去ノズル9や吸引
ローラ11を真空ポンプを有する吸引装置12に連結
し、ダイヘッド4から長尺シート1の表面に供給し、長
尺シート1の表面に付着している液体7を液体除去ノズ
ル9や吸引ロール11で吸引して除去して回収する。こ
のようにして各処理室3a,3bを通る長尺シート1か
らシール用の液体7を確実に除去することができ、長尺
シート1の表面に各種の処理を行うことができる。ま
た、長尺シート1の表面に付着している液体7を真空ポ
ンプを有する吸引装置12で吸引して除去するから、液
体7を効率良く除去できるとともに回収した液体7を再
利用することができる。
【0026】上記各実施例は長尺シート1の表面に付着
しているシール用の液体7を液体除去ノズル9や吸引ロ
ール11により吸引して除去する場合について説明した
が、各処理室3a,3bの処理内容によって液体7が付
着した長尺シート1の表面に高速気流を吹き当てて長尺
シート1の表面から液体7を吹き飛ばしたり、スクレパ
ーなどで長尺シート1の表面から液体7を掻き落した
り、乾燥して除去するようにしても良い。
【0027】次ぎに長尺シート1に塗工機で有機溶媒を
含む塗工液を塗布して乾燥装置で乾燥する塗工装置の実
施例について説明する。
【0028】塗工装置20は、図4に示すように塗工機
21と乾燥装置22を有する。塗工機21は塗工液を供
給する塗工液供給装置23と、長尺シート1に塗工液2
4を塗布するダイヘッド4aとバックアップロール10
を有する。乾燥装置22は乾燥室3cとシート出口シー
ル部25と不活性ガス供給装置26と回収装置27及び
分離装置28を有する。乾燥室3cは内部にドライヤノ
ズル29とノズルチャンバ30が長尺シート1の通路に
沿って配設され、シート導入口とシート排出口の下部側
壁にはシール部材31,32が設けられている。この乾
燥室3cのシート導入口側の側壁のシート導入口の上部
に塗工機21のダイヘッド4aが取り付けられ、ダイヘ
ッド4aの液供給口と対向する位置にバックアップロー
ル10がシール部材31と接触して設けられている。こ
のようにダイヘッド4aに対向して設けたバックアップ
ロール10は、塗膜の均一性を確保するために円筒度と
振れと面精度などの高い加工精度が要求される。このよ
うなバックアップロール10と乾燥室3cの側壁間に形
成される隙間から乾燥室3c内部の気体が流出したり外
部空気が侵入することを防止するため乾燥室3cの側壁
に柔軟な材料のシール部材31を設け、バックアップロ
ール10をシール部材31に密着させて、バックアップ
ロール10に傷が付いたり偏心することを防いでいる。
【0029】シート出口シール部25はシール用の液体
7を供給する液体供給装置5と、乾燥室3cのシート排
出口側の側壁のシート排出口の上部に取り付けられ、液
体供給装置5から供給された液体7を長尺シートに供給
するダイヘッド4と、ダイヘッド4の液供給口と対向す
る位置にシール部材32と接触して設けられたバックア
ップロール10とダイヘッド4の下流に設けられた発泡
樹脂や多孔質のセラミックス等の吸引ロール11及び吸
引ロール11に接続された吸引装置12とを有する。不
活性ガス供給装置26は乾燥室3cに窒素やアルゴン等
の不活性ガスを供給する。回収装置27は乾燥室3cか
ら塗工液24の有機溶媒等が含まれる不活性ガスを回収
する。分離装置28は回収装置27で回収したガスを不
活性ガスと溶媒等とに分離し、分離した不活性ガスを不
活性ガス供給装置26に送る。
【0030】上記のように構成された塗工装置20で長
尺シート1に塗工液24を塗布して乾燥するとき、長尺
シート1を乾燥室3cのシート導入口とシート排出口を
通して搬送しながら、塗工機21の塗工液供給装置23
からダイヘッド4aに塗工液24を送る。ダイヘッド4
aは送られた塗工液24を長尺シート1に供給し長尺シ
ート1の表面に塗布して乾燥室3cに送る。このように
ダイヘッド4aから塗工液24が供給されて塗布された
長尺シート1が直ちに乾燥室3cに送られるから、塗工
液24の溶媒が大気中に揮散する量を極めて少なくする
ことができ、周囲雰囲気を汚染することを防ぐことがで
きる。
【0031】乾燥室3cに送られた長尺シート1表面の
塗工液24はドライヤノズル29から供給される高温乾
燥空気により乾燥する。この塗工液24を乾燥するとき
に、塗工液24から蒸発した溶媒を含むガスによる爆発
を防ぐために、乾燥室3cには不活性ガス供給装置26
から窒素やアルゴン等の不活性ガスを供給し、乾燥室3
cの不活性ガスと溶媒等が含まれる雰囲気ガスを回収装
置27で回収する。この回収したガスを分離装置28で
不活性ガスと溶媒等とに分離し、分離した不活性ガスを
不活性ガス供給装置26に送る。乾燥室3cで塗工液2
4が乾燥して塗工液皮膜24aが形成された長尺シート
1は乾燥室3cのシート排出口を通るときに、液体供給
装置5から送られたシール用の液体7がダイヘッド4か
ら供給される。このダイヘッド4から供給され長尺シー
ト1の塗工液皮膜24aの表面に塗布されたシール用の
液体7は吸引ロール11を通るときに吸引装置12によ
り吸引されて除去される。
【0032】このように長尺シート1が乾燥室3cを通
るときに、乾燥室3cのシート導入口はダイヘッド4a
から供給される塗工液24とバックアップロール10で
シールされ、乾燥室3cのシート排出口はダイヘッド4
から供給されるシール用液体7とバックアップロール1
0でシールされているから、乾燥室3cに外部空気が侵
入したり、乾燥室3cに供給されている不活性ガスや塗
工液24から蒸発した溶媒を含む雰囲気ガスが乾燥室3
cの外部に漏れ出すことを防ぐことができる。したがっ
て回収装置27で回収するガスには水分を有する外部空
気は含まれず乾燥空気だけが含まれるから、回収したガ
スを分離装置28で効率良く不活性ガスと溶媒等に分離
することができ、不活性ガスを有効に利用することがで
きる。
【0033】ここで塗工機21はファウンテンコータ,
ディップコータ,ブレードコータ,バーコータ,ロール
コータ,ダイコータなどいずれの方式を使用して良い。
特に図4に示すようなダイコータ方式は長尺シート1の
幅方向を長手としたスリット状の液体供給口から塗工液
24を供給して長尺シート1の表面に均一な液膜を形成
するから、供給された塗工液24で乾燥室3cのシート
導入口を確実にシールすることができる。
【0034】このような長尺シート1に皮膜を形成する
場合の溶媒除去促進方法が例えば文献J.App.Po
ly Sci,30,4499(1985)において、
ブレンタス(Vrentas)らにより提案されてい
る。この溶媒除去促進方法は塗膜中の溶媒の除去を促進
するために第2の溶媒を導入し、高分子樹脂中に微少量
残留した高沸点溶媒などの除去を比較的低温で行うよう
にしている。高分子樹脂中に残留した高沸点溶媒などの
除去を困難にしている主な要因は、高分子樹脂中に残留
する溶媒量が少なくなるほど高分子樹脂中の溶媒の拡散
係数が急激に小さくなることと、高分子樹脂中の溶媒の
拡散係数はその溶媒分子自身の大きさ(分子容積)が大
きいほど小さくなり、高沸点溶媒は比較的分子が大きい
ため拡散係数が小さいことの2点である。そこで第1の
溶媒である高沸点溶媒が微少量残留した高分子樹脂膜
を、高沸点溶媒よりも分子容積の小さな第2の溶媒蒸気
中にさらして加熱して高沸点溶媒内に第2の溶媒を導入
し、高分子樹脂膜内の第1の溶媒と第2の溶媒の両者の
溶媒の拡散係数を大きくして除去が困難な第1の溶媒を
除去する。次ぎに高分子樹脂膜を第2の溶媒蒸気雰囲気
から取り出して加熱し、高分子樹脂膜中に残った第2の
溶媒を除去する。この方法により2種類の溶媒を除去す
る全所要時間は、高分子樹脂膜中にはじめから残留して
いる第1の溶媒を単純に加熱して除去するのに要する時
間よりも短くなる。
【0035】この溶媒除去促進方法は実質的に溶媒蒸気
中で高分子樹脂膜を加熱する操作であり、加熱空気中の
溶媒蒸気組成を制御する必要があるが、この制御に対す
る外乱要素として、外部の空気の侵入や溶媒蒸気の外部
への漏れがある。これに対して上記実施例に示すように
乾燥室3cは外部空気の侵入や内部雰囲気の漏れを最小
限に制限するから、この溶媒除去促進方法にも適用する
ことができる。
【0036】上記実施例は乾燥室3cのシート導入口を
ダイヘッド4aから供給される塗工液24とバックアッ
プロール10でシールし、シート排出口をダイヘッド4
から供給されるシール用液体7とバックアップロール1
0でシールする場合について説明したが、図5に示すよ
うに、バックアップロール10の下流側に微小距離隔て
て配置され、乾燥室3cの側壁に設けたシール部材31
と密着し、バックアップロール10の回転方向と反対方
向に回転するシール用ローラ33を乾燥室3cのシート
導入口とシート排出口に設けても良い。このようにシー
ル用ロール33を設けることにより、精度の必要なバッ
クアップロール10をシール部材31で傷付けることを
防ぎながらシール用ロール33により確実にシールする
ことができる。また、シール用ロール33をバックアッ
プロール10の回転方向と逆方向に回転するから、バッ
クアップロール10の回転に伴ってバックアップロール
10の外周面近傍に生じる空気流とシール用ロール33
の回転に伴ってシール用ロール33の外周面近傍に生じ
る空気流により、長尺シート1の搬送速度に応じて回転
しているバックアップロール10の回転に伴って生じ、
乾燥室3c内に入り込もうとする外部空気の流れを外部
に排出するとともにバックアップロール10とシール用
ロール33との微小間隙から外部空気が流れ込むことを
防ぐことができ、乾燥室3cのシート入口とシート出口
を高気密にシールすることができる。
【0037】ここでバックアップロール10とシール用
ロール33の間隙は1mm以下で30μm以上とできる
だけ小さいことが望ましい。また、乾燥室3cと外気の
間に圧力差がある場合、バックアップロール10に近接
して設置したシール用ロール33の回転数を適当に制御
することによりバックアップロール10とシール用ロー
ル33の間隙を通る気体の流動を制御できる。
【0038】また、上記実施例は乾燥室3cの側壁に塗
工機21のダイヘッド4aを取り付けた場合について説
明したが、図6に示すように、乾燥室3cのシート入口
の側壁にチャンバー室34を設け、チャンバー室34の
シート入口の側壁に塗工機21のダイヘッド4aとバッ
クアップロール10を取り付けても良い。このように塗
工機21のダイヘッド4aをチャンバー室34の側壁に
取付けることにより、ダイヘッド4aとバックアップロ
ール10を乾燥室3c内の高温雰囲気から離すことがで
き、ダイヘッド4aとバックアップロール10の温度に
よる変形やダイヘッド4aから供給する塗工液24の溶
媒が凝縮することを防ぐことができ、塗工液24を安定
して長尺シート1に供給することができる。また、乾燥
室3cと外気の間に圧力差がある場合、チャンバー室3
4の圧力を適当に制御することにより、乾燥室3cと外
気の間の圧力差を維持することができる。
【0039】上記各実施例は、長尺シート1に対して各
種処理を行う場合について説明したが、連続して送られ
る板状の物や糸状の物に対しても同様に適用することが
できる。
【0040】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、長尺物
を連続して通しながら長尺物に対して各種処理を行う処
理室の長尺物導入口と搬送される長尺物との間隙及び長
尺物排出口と搬送される長尺物との間隙を液体で密封す
るから、処理室内部の雰囲気がシート導入口やシート排
出口から漏れ出すことを防止することができ、外部雰囲
気等を汚染しないですむ。また、外部空気が処理室に侵
入することを防止することができ、安定した処理を行う
ことができる。
【0041】上記処理室の長尺物導入口を形成する壁面
と長尺物排出口を形成する壁面に、搬送される長尺物表
面に液体を供給する液体供給手段を設けることにより、
長尺物表面にシール用の液体を安定して供給することが
でき、気密性を高めることができる。
【0042】また、液体供給手段の液供給口と対向する
位置に搬送される長尺物を支持する案内ローラを設ける
ことにより、長尺物表面にシール用の液体を均一に塗布
することができ、シート導入口やシート排出口の密封度
を高めることができる。
【0043】さらに、案内ロールを処理室の壁面に設け
たシール部材に密着させることにより、シート導入口や
シート排出口の密封度をより高めることができる。
【0044】また、案内ローラと処理室の壁面の間にシ
ールロールを設けることにより、精度が必要な案内ロー
ルを傷付けることを防ぎながらシールロールにより確実
に気密性を高めることができる。
【0045】また、案内ロールとシールロールとの間に
微小間隙を設け、シールロールを案内ロールの回転方向
と逆方向に回転させることにより、より気密性を高める
ことができる。
【0046】さらに、液体供給手段より長尺物の搬送方
向の下流側に液除去手段を設けることにより、各種処理
に対応することができる。また、液除去手段で長尺物に
塗布された液体を吸引して回収することにより、長尺物
に塗布された液体を確実に徐行することができるととも
に回収した液体を再利用することができ、運転費用を低
減できる。
【0047】また、処理室の長尺物導入口を形成する壁
面に設けた液体供給手段から長尺物表面形成する塗膜の
塗工液を供給し、処理室で加熱乾燥することにより、気
密性を高めるとともに塗工液の溶媒が大気中に拡散する
ことを防ぐことができる。
【0048】この気密性を保った処理室に不活性ガスを
供給し、処理室内の雰囲気ガスを回収して不活性ガスと
他の物質を分離し、分離した不活性ガスを処理室に供給
することにより、不活性ガスを有効に利用することがで
きる。
【0049】さらに、気密性を保った処理室を塗工液に
含まれる溶媒より分子容量の小さい溶媒蒸気の雰囲気と
することにより、塗工液に含まれる溶媒を効率良く除去
して乾燥することができる。
【0050】また、処理室の壁面と液体供給手段との間
に処理室と液体供給手段を遮断するチャンバー室を設け
ることにより、処理室と外気の間の圧力差を維持するこ
とができ、処理室で各種処理を安定して行うことができ
る。また、処理室内が高温雰囲気であっても、液体供給
手段や案内ロールを処理室から離すことができ、液体供
給手段や案内ロールの温度による変形や供給する液体が
凝縮することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の構成を示す断面図である。
【図2】第2の実施例の構成を示す断面図である。
【図3】第3の実施例の構成を示す断面図である。
【図4】第4の実施例の構成を示す断面図である。
【図5】第5の実施例の構成を示す断面図である。
【図6】第6の実施例の構成を示す断面図である。
【図7】従来例の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 長尺シート 2 処理装置 3 処理室 4 ダイヘッド 5 液体供給装置 7 液体 9 吸引ノズル 10 バックアップロール 11 吸引ロール 12 吸引装置 20 塗工装置 21 塗工機 22 乾燥装置 23 塗工液供給装置 24 塗工液 25 シート出口シール部 26 不活性ガス供給装置 27 回収装置 28 分離装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3F103 AA01 AA07 BA01 EA15 3L113 AA02 AB02 AC28 AC48 BA26 DA01 DA24 4F040 AA22 AC01 CA07 CA17 CA20 DA04 DA20 DB06 DB18 DB24 DB27 DB30

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺物を連続して通しながら長尺物に対
    して各種処理を行う処理室を有する処理装置において、 上記処理室の長尺物導入口と搬送される長尺物との間隙
    及び長尺物排出口と搬送される長尺物との間隙のいずれ
    か一方又は両方を液体で密封することを特徴とする処理
    装置。
  2. 【請求項2】 上記処理室の長尺物導入口を形成する壁
    面と長尺物排出口を形成する壁面に、搬送される長尺物
    表面に液体を供給する液体供給手段を設けた請求項1記
    載の処理装置。
  3. 【請求項3】 上記液体供給手段の液供給口と対向する
    位置に搬送される長尺物を支持する案内ロールを設けた
    請求項2記載の処理装置。
  4. 【請求項4】 上記案内ロールを処理室の壁面に設けた
    シール部材に密着させた請求項3記載の処理装置。
  5. 【請求項5】 上記案内ロールと処理室の壁面の間にシ
    ールロールを設けた請求項3記載の処理装置。
  6. 【請求項6】 上記案内ロールとシールロールとの間に
    微小間隙を設け、シールロールを案内ロールの回転方向
    と逆方向に回転させる請求項5記載の処理装置。
  7. 【請求項7】 上記液体供給手段より長尺物の搬送方向
    の下流側に液除去手段を設けた請求項2乃至6のいずれ
    かに記載の処理装置。
  8. 【請求項8】 上記液除去手段は長尺物に塗布された液
    体を吸引した回収する請求項7記載の処理装置。
  9. 【請求項9】 上記処理室の長尺物導入口を形成する壁
    面に設けた液体供給手段は長尺物に塗工液を供給する塗
    工機であり、処理室は長尺物に塗布した塗工液を加熱乾
    燥する請求項2乃至8記載の処理装置。
  10. 【請求項10】 上記処理室に不活性ガスを供給し、処
    理室内の雰囲気ガスを回収して不活性ガスと他の物質を
    分離し、分離した不活性ガスを処理室に供給する請求項
    9記載の処理装置。
  11. 【請求項11】 上記処理室を塗工液に含まれる溶媒よ
    り分子容量の小さい溶媒蒸気の雰囲気とした請求項9記
    載の処理装置。
  12. 【請求項12】 上記処理室の壁面と液体供給手段との
    間に処理室と液体供給手段を遮断するチャンバー室を設
    けた請求項9記載の処理装置。
  13. 【請求項13】 長尺物を連続して通しながら長尺物に
    対して各種処理を行う処理室を有する処理方法におい
    て、 上記処理室の長尺物導入口と搬送される長尺物との間隙
    及び長尺物排出口と搬送される長尺物との間隙のいずれ
    か一方又は両方を液体で密封することを特徴とする処理
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008536076A (ja) * 2005-02-18 2008-09-04 コダック グラフィック コミュニケーションズ カナダ カンパニー 物体を加熱する方法および装置

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