JP2000193030A - 免震装置 - Google Patents
免震装置Info
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- JP2000193030A JP2000193030A JP10368822A JP36882298A JP2000193030A JP 2000193030 A JP2000193030 A JP 2000193030A JP 10368822 A JP10368822 A JP 10368822A JP 36882298 A JP36882298 A JP 36882298A JP 2000193030 A JP2000193030 A JP 2000193030A
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- JP
- Japan
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- slider
- cylindrical member
- curved leaf
- leaf spring
- isolation device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 比較的小規模の建造物において、地震により
建造物が移動しても最初の位置に復帰する機能を有する
免震装置を提供すること。 【解決手段】 有底の円筒部材2の底部内面を自在に活
動する滑り子4の支柱4aに湾曲状板バネ5の片側端部
を固定して、前記湾曲状板バネの湾曲面の一部と円筒部
材内面が接触又は近接するように配置し、地震の揺れに
より前記円筒部材が移動した際に、円筒部材内面が湾曲
状板バネの湾曲面を押圧して、滑り子4を最初の位置に
戻す復元力を蓄える構成とする。有底の円筒部材の上部
には、弾性部材7もしくは複数層の円環板を配置して円
筒部材の内部を封止する。
建造物が移動しても最初の位置に復帰する機能を有する
免震装置を提供すること。 【解決手段】 有底の円筒部材2の底部内面を自在に活
動する滑り子4の支柱4aに湾曲状板バネ5の片側端部
を固定して、前記湾曲状板バネの湾曲面の一部と円筒部
材内面が接触又は近接するように配置し、地震の揺れに
より前記円筒部材が移動した際に、円筒部材内面が湾曲
状板バネの湾曲面を押圧して、滑り子4を最初の位置に
戻す復元力を蓄える構成とする。有底の円筒部材の上部
には、弾性部材7もしくは複数層の円環板を配置して円
筒部材の内部を封止する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小規模住宅に用い
る免震装置に関する。
る免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、国内に於ける地震による甚大な被
害が多数報じられ、地震から建物の倒壊や損傷を少しで
も防止したいとの観点から、免震装置に関する先行技術
は多数の提案がある。地盤の揺れを建造物にできるだけ
伝えないようにするための方法としては、ゴムなどの緩
衝部材を積層して地盤と建造物の間に設置するもの、下
層部材として球体を介在させるもの、鋼材がその弾性を
発揮して地盤の揺れを吸収するもの、建造物の基礎とな
る部分を懸架するか錘を懸架するもの、特別のアクチュ
エータを使用して地震の振幅に対応した動作をさせるも
のなどに大別される。そして、何時発生するか判らない
地震とそのときに確実に作動することが要求され、出来
ることならば外部からのエネルギーの供給を受けずに動
作し得るような構造の免震装置が望まれる。建造物がビ
ルディングのような大型の場合はその重量も大きく手軽
な手段ではとうてい対処できないが、小規模のアパート
や戸建て住宅においては簡便で安価な装置の提供が急務
となっている。本発明に関する先行技術としては、特開
平8−93267号が挙げられるが、転動する球体を地
盤側と建物の基礎部材の間に介在させ、互いが自在に移
動可能に構成し、この球体を円筒部材で囲み、該円筒部
材を多方向に弾性体で引っ張って中心位置へ戻すように
構成している。しかしながら円筒部材が中心位置(最初
の位置)に復帰したとしても建物が元の位置に戻るかは
定かではない。
害が多数報じられ、地震から建物の倒壊や損傷を少しで
も防止したいとの観点から、免震装置に関する先行技術
は多数の提案がある。地盤の揺れを建造物にできるだけ
伝えないようにするための方法としては、ゴムなどの緩
衝部材を積層して地盤と建造物の間に設置するもの、下
層部材として球体を介在させるもの、鋼材がその弾性を
発揮して地盤の揺れを吸収するもの、建造物の基礎とな
る部分を懸架するか錘を懸架するもの、特別のアクチュ
エータを使用して地震の振幅に対応した動作をさせるも
のなどに大別される。そして、何時発生するか判らない
地震とそのときに確実に作動することが要求され、出来
ることならば外部からのエネルギーの供給を受けずに動
作し得るような構造の免震装置が望まれる。建造物がビ
ルディングのような大型の場合はその重量も大きく手軽
な手段ではとうてい対処できないが、小規模のアパート
や戸建て住宅においては簡便で安価な装置の提供が急務
となっている。本発明に関する先行技術としては、特開
平8−93267号が挙げられるが、転動する球体を地
盤側と建物の基礎部材の間に介在させ、互いが自在に移
動可能に構成し、この球体を円筒部材で囲み、該円筒部
材を多方向に弾性体で引っ張って中心位置へ戻すように
構成している。しかしながら円筒部材が中心位置(最初
の位置)に復帰したとしても建物が元の位置に戻るかは
定かではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、比較的小規模の建造物において、地震により建造物
が移動しても最初の位置に復帰する機能を有する免震装
置を提供することである。
は、比較的小規模の建造物において、地震により建造物
が移動しても最初の位置に復帰する機能を有する免震装
置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、有底の円筒部
材の底部内面を自在に滑動する滑り子の支柱に湾曲状板
バネの片側端部を固定して、前記湾曲状板バネの湾曲面
の一部と円筒部材内面が接触又は近接するように配置
し、地震の揺れにより前記円筒部材が移動した際に、円
筒部材内面が湾曲状板バネを押圧して、滑り子を最初の
位置に戻す復元力を蓄える構成とする。前記湾曲状板バ
ネの湾曲面の一部と前記円筒部材内面とを接触又は近接
位置に配置するので互いに押し合うような力は発生しな
い。従って、相対向する位置にある複数の弾性体の伸張
又は圧縮の均衡状態の釣り合いによる位置決めとは異な
るもので元の位置に復元させる力のみが作用する。
材の底部内面を自在に滑動する滑り子の支柱に湾曲状板
バネの片側端部を固定して、前記湾曲状板バネの湾曲面
の一部と円筒部材内面が接触又は近接するように配置
し、地震の揺れにより前記円筒部材が移動した際に、円
筒部材内面が湾曲状板バネを押圧して、滑り子を最初の
位置に戻す復元力を蓄える構成とする。前記湾曲状板バ
ネの湾曲面の一部と前記円筒部材内面とを接触又は近接
位置に配置するので互いに押し合うような力は発生しな
い。従って、相対向する位置にある複数の弾性体の伸張
又は圧縮の均衡状態の釣り合いによる位置決めとは異な
るもので元の位置に復元させる力のみが作用する。
【0005】また、滑り子の支柱に固定される湾曲状板
バネを複数個配設する。地震の揺れ方向は特定されない
から少なくとも2個以上を配設する。
バネを複数個配設する。地震の揺れ方向は特定されない
から少なくとも2個以上を配設する。
【0006】そして、滑り子の支柱に固定される複数の
湾曲状板バネを、一段もしくは複数段に配設する。湾曲
状板バネが相互に干渉しない位置に置くことから、複数
段にして空間を確保し易くするためである。
湾曲状板バネを、一段もしくは複数段に配設する。湾曲
状板バネが相互に干渉しない位置に置くことから、複数
段にして空間を確保し易くするためである。
【0007】更に、湾曲状板バネの、滑り子の支柱に取
り付ける方向が、同一方向及び/又は異方向に構成す
る。湾曲状板バネを滑り子の支柱に片側を固定するの
で、湾曲状板バネが外力により押圧されたとき、滑り子
の支柱を回転させる分力が発生するのでこれを防止する
ために異なる方向の湾曲状板バネを配設する。
り付ける方向が、同一方向及び/又は異方向に構成す
る。湾曲状板バネを滑り子の支柱に片側を固定するの
で、湾曲状板バネが外力により押圧されたとき、滑り子
の支柱を回転させる分力が発生するのでこれを防止する
ために異なる方向の湾曲状板バネを配設する。
【0008】又、前記の円筒部材の上部を弾性部材もし
くは複数層に円環板を配置して円筒部材の内部を封止す
る。弾性部材は蛇腹状に形成することが好ましい。滑り
子の滑動面や湾曲状板バネなどを塵芥の進入防止と、防
錆のため防錆油を封入するので地震の揺れにより、防錆
油の飛散を防ぐためである。円環板の周縁部には凸部を
設けて、複数の円環板が互いにスライドした場合にも隙
間が生じないようにするとともに、地震の上下方向の揺
れに対して滑り子が円筒部材から逸脱しないようにす
る。
くは複数層に円環板を配置して円筒部材の内部を封止す
る。弾性部材は蛇腹状に形成することが好ましい。滑り
子の滑動面や湾曲状板バネなどを塵芥の進入防止と、防
錆のため防錆油を封入するので地震の揺れにより、防錆
油の飛散を防ぐためである。円環板の周縁部には凸部を
設けて、複数の円環板が互いにスライドした場合にも隙
間が生じないようにするとともに、地震の上下方向の揺
れに対して滑り子が円筒部材から逸脱しないようにす
る。
【0009】更に、前記の円筒部材の底部内面が円錘面
又は球面等、滑り子が最初の位置に戻る力を付勢する斜
面を形成する。地震の揺れにより滑り子が揺動する際、
絶えず最初の位置に戻そうとする力が作用し、位置決め
が容易になるほか、何らかの理由により湾曲した板バネ
の押す力が不足した場合でも最初の位置に復帰させ易
い。この場合は、滑り子の下側面も円筒部材の底部内面
と同様の円錘面又は球面等の斜面を形成する。
又は球面等、滑り子が最初の位置に戻る力を付勢する斜
面を形成する。地震の揺れにより滑り子が揺動する際、
絶えず最初の位置に戻そうとする力が作用し、位置決め
が容易になるほか、何らかの理由により湾曲した板バネ
の押す力が不足した場合でも最初の位置に復帰させ易
い。この場合は、滑り子の下側面も円筒部材の底部内面
と同様の円錘面又は球面等の斜面を形成する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明を実施例に基づき図面を用
いて説明する。図1は、本発明の免震装置の縦断面図で
あり、複数の湾曲状板バネを2段に構成したものであ
る。図2は、図1に示したA−A矢視断面図である。図
3(a)は、湾曲状板バネを配設した1段のみを示した
もので、同図(b)は、地震の揺れにより免震装置が一
方向へ移動した場合の湾曲状板バネの湾曲状態の変化を
示す横断面図である。図4は、湾曲状板バネを異方向に
配設した例を示す横断面図である。図5(a)は別の実
施態様例の正常な状態を示す縦断面図であり、(b)は
免震装置が作動した状態を示す縦断面図である。図6は
滑り子が回転した場合、回転力が建物の基礎部材に伝達
されないようにクラッチを設けた構成の縦断面図であ
る。
いて説明する。図1は、本発明の免震装置の縦断面図で
あり、複数の湾曲状板バネを2段に構成したものであ
る。図2は、図1に示したA−A矢視断面図である。図
3(a)は、湾曲状板バネを配設した1段のみを示した
もので、同図(b)は、地震の揺れにより免震装置が一
方向へ移動した場合の湾曲状板バネの湾曲状態の変化を
示す横断面図である。図4は、湾曲状板バネを異方向に
配設した例を示す横断面図である。図5(a)は別の実
施態様例の正常な状態を示す縦断面図であり、(b)は
免震装置が作動した状態を示す縦断面図である。図6は
滑り子が回転した場合、回転力が建物の基礎部材に伝達
されないようにクラッチを設けた構成の縦断面図であ
る。
【0011】
【実施例1】図1に於いて、1は本発明の免震装置で、
2は円筒部材であり、その底部2aを液密に構成してい
る。底部2aには、鋼球3が複数個同一面内に回動自在
に配置され、滑り子4の下側面4bが鋼球3に接して滑
動する。滑り子4の軸部4aには、湾曲状板バネ5が2
段に配設されており、各段に5a,5b,5c及び5
d,5e,5fを3個ずつ120度の位置に設けてい
て、取り付ける方向は同一方向にしている。湾曲状板バ
ネ5の片側は滑り子の軸部4aにネジ又は溶接など適宜
手段により固定される。円筒部材2の上面には円環状の
蓋6が固定され、湾曲状板バネ5が地震の上下動に対し
て円筒部材から脱落しないようにしている。そして、滑
り子4の上部側面と円筒部材の上面部を樹脂又はゴム製
の蛇腹7により密封する。密封された空間には防錆油8
が封入され長年大気に曝されても動作が確実に出来るよ
うに配慮されている。免震装置1は、滑り子4の上部面
4cが建物の基礎部材に、円筒部材の底部2aの下部面
2cが地盤につながる基礎にそれぞれ固定されて免震作
用を発揮する。図2は、図1のA−A矢視断面の全体を
示しB−B矢視断面が図1である。湾曲状板バネ5a,
5b,5cと5d,5e,5fは、それぞれ重ならない
位置に配置されている。
2は円筒部材であり、その底部2aを液密に構成してい
る。底部2aには、鋼球3が複数個同一面内に回動自在
に配置され、滑り子4の下側面4bが鋼球3に接して滑
動する。滑り子4の軸部4aには、湾曲状板バネ5が2
段に配設されており、各段に5a,5b,5c及び5
d,5e,5fを3個ずつ120度の位置に設けてい
て、取り付ける方向は同一方向にしている。湾曲状板バ
ネ5の片側は滑り子の軸部4aにネジ又は溶接など適宜
手段により固定される。円筒部材2の上面には円環状の
蓋6が固定され、湾曲状板バネ5が地震の上下動に対し
て円筒部材から脱落しないようにしている。そして、滑
り子4の上部側面と円筒部材の上面部を樹脂又はゴム製
の蛇腹7により密封する。密封された空間には防錆油8
が封入され長年大気に曝されても動作が確実に出来るよ
うに配慮されている。免震装置1は、滑り子4の上部面
4cが建物の基礎部材に、円筒部材の底部2aの下部面
2cが地盤につながる基礎にそれぞれ固定されて免震作
用を発揮する。図2は、図1のA−A矢視断面の全体を
示しB−B矢視断面が図1である。湾曲状板バネ5a,
5b,5cと5d,5e,5fは、それぞれ重ならない
位置に配置されている。
【0012】図3(a)は、前出の湾曲状板バネ5d,
5e,5fのみを示した横断面図で、同図(b)は、地
震の揺れにより円筒部材が右方向に移動した状態を示
す。湾曲状板バネ5eと5fは円筒部材の内面で押圧さ
れ、滑りながら更に屈曲している。湾曲状板バネ5fと
円筒部材の内面の接点9は図(a)と図(b)では大き
くずれている。一方、湾曲状板バネ5dは円筒部材の内
面から離れて押圧されないので、何等作用は及ぼさな
い。従って、円筒部材を左方向へ押し戻す力のみが蓄え
られる。地震による地盤の揺れは地震がおさまれば元の
位置に戻るから円筒部材の底面が極端に広いものであれ
ば、慣性の法則により建物は最初の位置に留まったまま
であるように思えるが、鋼球3とこれに接する底部2a
及び鋼球3と滑り子4の下側面4bの間では摩擦抵抗が
生じるから、結局建物は何れかの方向へ移動してしまう
ので、前出の湾曲状板バネに蓄えられる力は建物を元の
位置に押し戻すに足りる力が要求される。地震の揺れに
より、板バネ或いはその他の弾性体を変形させる力は、
変位量全般に亘り一定であることが望ましい。限られた
スペースの中で変形量を大きく採るためには弾性体の長
さが長いほど有利であり、湾曲状板バネは同じスペース
に納めても長さをより長く採ることが出来る。
5e,5fのみを示した横断面図で、同図(b)は、地
震の揺れにより円筒部材が右方向に移動した状態を示
す。湾曲状板バネ5eと5fは円筒部材の内面で押圧さ
れ、滑りながら更に屈曲している。湾曲状板バネ5fと
円筒部材の内面の接点9は図(a)と図(b)では大き
くずれている。一方、湾曲状板バネ5dは円筒部材の内
面から離れて押圧されないので、何等作用は及ぼさな
い。従って、円筒部材を左方向へ押し戻す力のみが蓄え
られる。地震による地盤の揺れは地震がおさまれば元の
位置に戻るから円筒部材の底面が極端に広いものであれ
ば、慣性の法則により建物は最初の位置に留まったまま
であるように思えるが、鋼球3とこれに接する底部2a
及び鋼球3と滑り子4の下側面4bの間では摩擦抵抗が
生じるから、結局建物は何れかの方向へ移動してしまう
ので、前出の湾曲状板バネに蓄えられる力は建物を元の
位置に押し戻すに足りる力が要求される。地震の揺れに
より、板バネ或いはその他の弾性体を変形させる力は、
変位量全般に亘り一定であることが望ましい。限られた
スペースの中で変形量を大きく採るためには弾性体の長
さが長いほど有利であり、湾曲状板バネは同じスペース
に納めても長さをより長く採ることが出来る。
【0013】
【実施例2】図4は、図2に示される1段目の湾曲状板
バネ5d,5e,5fをそのままにして、2段目の湾曲
状板バネを異方向に5g,5h,5iとしてそれぞれの
対称な位置に配設したものである。全ての湾曲状板バネ
を同一方向に取り付けた場合、円筒部材2が移動して湾
曲状板バネを押圧したときに生じる滑り子の軸部4aを
回転させる力が生じることは上述した通りであるが、異
方向に湾曲状板バネを取り付けることでほぼ解消するこ
とが出来る。
バネ5d,5e,5fをそのままにして、2段目の湾曲
状板バネを異方向に5g,5h,5iとしてそれぞれの
対称な位置に配設したものである。全ての湾曲状板バネ
を同一方向に取り付けた場合、円筒部材2が移動して湾
曲状板バネを押圧したときに生じる滑り子の軸部4aを
回転させる力が生じることは上述した通りであるが、異
方向に湾曲状板バネを取り付けることでほぼ解消するこ
とが出来る。
【0014】
【実施例3】図5は、別の実施態様を示すもので、免震
装置11は、湾曲状板バネを1段に構成し、滑り子の底
面と円筒部材の底部面を面接触と成し、免震装置の全高
を低くしたものである。免震装置11は、円筒部材12
と底部12a及び円筒部材にネジで固定される蓋部12
bと滑り子14と滑り子の支柱部14aに固定される湾
曲状板バネ15から成る。更に防塵と防錆に対処するた
めに、潤滑と防錆を兼ねた防錆油18を注入する。滑り
子の支柱14aには、円環状の板20が湾曲状板バネの
上方位置に固定され、更に円環状の板20の周縁部に凸
部21を設けている。そして、この円環状の板20と前
出の蓋部12bの間に互いに接触してスライドする円環
板22a,22b,22cを設ける。これらの円環板は
それぞれの周縁部に凸部21を備えており、円環板の外
周側凸部は上向きに、内周側凸部は下向きに構成し、円
環板がいずれの方向にスライドしても、これら凸部が当
接して逸脱することはないので、円環板は、円筒部材の
上方を封止し、注入した防錆油は、滑り子が急激に移動
しても溢れ出すことがない。そして、滑り子14が何れ
かの方向に最大限移動したときの状態を図2(b)に示
す。この例では、各円環板の半径方向の幅が同一寸法に
してあるので、一方向に集積され、他の側は最大限スラ
イドして凸部21が互いに当接しているので、防錆油1
8が溢れ出すことはない。又、湾曲状板バネ15aは外
力を受けない状態となり、15bは円筒部材12の内面
に強く押圧されている。
装置11は、湾曲状板バネを1段に構成し、滑り子の底
面と円筒部材の底部面を面接触と成し、免震装置の全高
を低くしたものである。免震装置11は、円筒部材12
と底部12a及び円筒部材にネジで固定される蓋部12
bと滑り子14と滑り子の支柱部14aに固定される湾
曲状板バネ15から成る。更に防塵と防錆に対処するた
めに、潤滑と防錆を兼ねた防錆油18を注入する。滑り
子の支柱14aには、円環状の板20が湾曲状板バネの
上方位置に固定され、更に円環状の板20の周縁部に凸
部21を設けている。そして、この円環状の板20と前
出の蓋部12bの間に互いに接触してスライドする円環
板22a,22b,22cを設ける。これらの円環板は
それぞれの周縁部に凸部21を備えており、円環板の外
周側凸部は上向きに、内周側凸部は下向きに構成し、円
環板がいずれの方向にスライドしても、これら凸部が当
接して逸脱することはないので、円環板は、円筒部材の
上方を封止し、注入した防錆油は、滑り子が急激に移動
しても溢れ出すことがない。そして、滑り子14が何れ
かの方向に最大限移動したときの状態を図2(b)に示
す。この例では、各円環板の半径方向の幅が同一寸法に
してあるので、一方向に集積され、他の側は最大限スラ
イドして凸部21が互いに当接しているので、防錆油1
8が溢れ出すことはない。又、湾曲状板バネ15aは外
力を受けない状態となり、15bは円筒部材12の内面
に強く押圧されている。
【0015】本発明は、地震の揺れにより、滑り子に片
側を固定した湾曲状板バネを円筒部材の内面に押し当て
る構造を採っているので、滑り子を回転させる力が生じ
ることは既に述べた通りであるが、この回転させる力が
建物の基礎に伝達されないようにするために、滑り子の
上面にクラッチを構成した例を図6に示す。クラッチ3
0の構成は滑り子31の上面を摺動面として平滑な面と
しその周縁部を円筒形状にする。建物の基礎側に取り付
ける受け部材32は、前記摺動面及び円筒内面と摺動可
能な構成と成し、各摺動面を封止するための円環板状の
蓋33をネジ等で固定する。摺動面には若干の潤滑油を
注入する。そして、地震の上下動によりクラッチが離間
しないように蓋は頑丈な構造にしている。摺動面は面接
触の他にスラストベアリングを用いれば動作は滑らかに
なる。従って、滑り子31は回転しやすくなるから地震
の揺れがいずれの方向に発生しても湾曲状板バネは力の
均衡する位置へ回転し、湾曲状板バネの何れかが異常に
屈曲することを防止できるから動作が安定する。この様
にすれば湾曲状板バネの固定する方向は一方向で差し支
えない。
側を固定した湾曲状板バネを円筒部材の内面に押し当て
る構造を採っているので、滑り子を回転させる力が生じ
ることは既に述べた通りであるが、この回転させる力が
建物の基礎に伝達されないようにするために、滑り子の
上面にクラッチを構成した例を図6に示す。クラッチ3
0の構成は滑り子31の上面を摺動面として平滑な面と
しその周縁部を円筒形状にする。建物の基礎側に取り付
ける受け部材32は、前記摺動面及び円筒内面と摺動可
能な構成と成し、各摺動面を封止するための円環板状の
蓋33をネジ等で固定する。摺動面には若干の潤滑油を
注入する。そして、地震の上下動によりクラッチが離間
しないように蓋は頑丈な構造にしている。摺動面は面接
触の他にスラストベアリングを用いれば動作は滑らかに
なる。従って、滑り子31は回転しやすくなるから地震
の揺れがいずれの方向に発生しても湾曲状板バネは力の
均衡する位置へ回転し、湾曲状板バネの何れかが異常に
屈曲することを防止できるから動作が安定する。この様
にすれば湾曲状板バネの固定する方向は一方向で差し支
えない。
【0016】特に図示しないが、以上述べたところで
は、円筒部材の底部内面とこれに接する滑り子の下側面
は、ほぼ水平な面を移動するのであるが、これらの面を
円錘面又は球面にすることで、最初の位置に滑り子を復
帰させやすくすることができる。地震がない平常時は、
円筒部材の底部内面と滑り子の下側面は面接触である
が、地震の揺れで滑り子が揺動するとき、円錘面の場合
は線接触に、球面の場合は点接触になるので摩擦抵抗は
減少し最初の位置に滑り子を押し戻す力が作用しやすく
なる利点がある。当然のことであるが、斜面を下る方向
は重力も作用して更に安定な位置決めが可能となる。
は、円筒部材の底部内面とこれに接する滑り子の下側面
は、ほぼ水平な面を移動するのであるが、これらの面を
円錘面又は球面にすることで、最初の位置に滑り子を復
帰させやすくすることができる。地震がない平常時は、
円筒部材の底部内面と滑り子の下側面は面接触である
が、地震の揺れで滑り子が揺動するとき、円錘面の場合
は線接触に、球面の場合は点接触になるので摩擦抵抗は
減少し最初の位置に滑り子を押し戻す力が作用しやすく
なる利点がある。当然のことであるが、斜面を下る方向
は重力も作用して更に安定な位置決めが可能となる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の免震装置
によれば、いずれの方向にも移動できる滑り子とこれに
複数個の湾曲状板バネの片側を固定し、地盤につながる
基礎に固定された円筒部材内に配置しているので、地震
の揺れで円筒部材が何れの方向へ移動した場合でも、湾
曲状板バネが更に屈曲して反発力を蓄えるから滑り子を
中心に押し戻す力が生じる。滑り子には建物の基礎部材
が取り付けられるから、地震がおさまった時に円筒部材
は元の位置に静止して、建物が最初の位置から何れの方
向に離れていても、元の位置に向かって戻す力が湾曲状
板バネによりもたらされる。
によれば、いずれの方向にも移動できる滑り子とこれに
複数個の湾曲状板バネの片側を固定し、地盤につながる
基礎に固定された円筒部材内に配置しているので、地震
の揺れで円筒部材が何れの方向へ移動した場合でも、湾
曲状板バネが更に屈曲して反発力を蓄えるから滑り子を
中心に押し戻す力が生じる。滑り子には建物の基礎部材
が取り付けられるから、地震がおさまった時に円筒部材
は元の位置に静止して、建物が最初の位置から何れの方
向に離れていても、元の位置に向かって戻す力が湾曲状
板バネによりもたらされる。
【図1】本発明の免震装置の縦断面図である。
【図2】本発明の免震装置の横断面図である。
【図3】(a)は免震装置の正常な位置における横断面
図であり、(b)は地震により免震装置が作動した状態
の断面図である。
図であり、(b)は地震により免震装置が作動した状態
の断面図である。
【図4】湾曲した板バネを2方向に配列した状態を示す
横断面図である。
横断面図である。
【図5】(a)は別の実施態様で正常な状態の免震装置
を示す縦断面図であり、(b)は地震により作動した状
態の縦断面図である。
を示す縦断面図であり、(b)は地震により作動した状
態の縦断面図である。
【図6】建物の基礎と滑り子の間に設けたクラッチの縦
断面図である。
断面図である。
1 免震装置 2 円筒部材 3 鋼球 4 滑り子 4a 滑り子の支柱 5 湾曲状板バネ 6 円環状の蓋 7 蛇腹 8 防錆油 9 接触点 11 免震装置 12 円筒部材 15 湾曲状板バネ 18 防錆油 20 円環状の板 22 円環板 30 クラッチ 31 滑り子 32 受け部材 33 円環板状の蓋
Claims (6)
- 【請求項1】 有底の円筒部材の底部内面を自在に滑動
する滑り子の支柱に湾曲状板バネの片側端部を固定し
て、前記湾曲状板バネの湾曲面の一部と円筒部材内面が
接触又は近接するように配置し、地震の揺れにより前記
円筒部材が移動した際に、円筒部材内面が湾曲状板バネ
を押圧して、滑り子を最初の位置に戻す復元力を蓄える
構成の免震装置。 - 【請求項2】 前記の滑り子の支柱に固定される湾曲状
板バネを複数個配設した請求項1に記載の免震装置。 - 【請求項3】 前記の滑り子の支柱に固定される複数の
湾曲状板バネを、一段もしくは複数段に配設した請求項
1又は2に記載の免震装置。 - 【請求項4】 前記の滑り子の支柱に取り付ける湾曲状
板バネの方向が、同一方向及び/又は異方向に構成され
た請求項1,2,3に記載の免震装置。 - 【請求項5】 前記の円筒部材の上部を弾性部材もしく
は複数層に円環板を配置して円筒部材の内部を封止した
請求項1,2,3,4に記載の免震装置。 - 【請求項6】 請求項1に記載の円筒部材の底部内面が
円錘面又は球面等、滑り子が最初の位置に戻る力を付勢
する斜面を形成することを特徴とする請求項1,2,
3,4,5に記載の免震装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10368822A JP2000193030A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 免震装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10368822A JP2000193030A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 免震装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000193030A true JP2000193030A (ja) | 2000-07-14 |
Family
ID=18492851
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10368822A Pending JP2000193030A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 免震装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000193030A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009069569A1 (ja) * | 2007-11-27 | 2009-06-04 | Seiko Instruments Inc. | 駆動モジュールおよびそれを備える電子機器 |
WO2014097431A1 (ja) * | 2012-12-19 | 2014-06-26 | Hino Eisaku | 転がり免震支持装置を有する免震構造物及び転がり免震支持装置 |
-
1998
- 1998-12-25 JP JP10368822A patent/JP2000193030A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009069569A1 (ja) * | 2007-11-27 | 2009-06-04 | Seiko Instruments Inc. | 駆動モジュールおよびそれを備える電子機器 |
WO2014097431A1 (ja) * | 2012-12-19 | 2014-06-26 | Hino Eisaku | 転がり免震支持装置を有する免震構造物及び転がり免震支持装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051125 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080314 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080318 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080715 |