JP2022187740A - 免震装置 - Google Patents

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Yasusada Okada
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Abstract

【課題】簡易な構成で効果的に免震機能を発揮でき、装置の耐久性低下も防止できる免震装置等を提供する。【解決手段】免震装置1は、頂部に開口Aを有するケーシング2と、開口Aを通してケーシング2内に挿入され、ケーシング2内の高さ位置に拡幅部31を有する柱体3と、柱体3をケーシング2の内部で滑動させるための滑動部4と、下端部が拡幅部31の上に配置され、上端部がケーシング2に係止された抜出防止機構5と、柱体3を原位置に復帰させるための原位置復帰機構6と、ケーシング2内で少なくとも抜出防止機構5の高さまで充填された充填材8と、を有する。抜出防止機構5は、下段から上段にゆくにつれ内径と外径が大きくなるように、複数段のリング51を柱体3の周囲で上下に積層した形状を有し、下段のリング51の外周部と上段のリング51の内周部が上下に重なり、且つ各リング51が柱体3の滑動に伴って水平方向に移動可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、免震装置に関する。
免震装置として、積層ゴムによるものやすべり支承によるものが良く知られている。ただし、多くの免震装置は、免震装置全体の寸法に対してアイソレータの変位が小さいという課題があった。また構成が複雑で厚さも大きく、設置が困難で建築工程の作業手順に容易に組み込むことができないことが多かった。さらに、地震時の上部構造物の引き抜きに対する抵抗性の面での懸念もあった。
これに対し、特許文献1には、収納部内に配置した渦巻き板バネやリング座を用い、家屋土台等を支持する柱脚部の水平移動と引き抜き(抜け出し)防止を同時に実現し、簡易な構成で効果的に免震機能を発揮させる免震装置が開示されている。
特開2002-364705号公報
ただし、特許文献1の免震装置では渦巻き板バネやリング座が収納部内の空洞に配置されており、渦巻き板バネやリング座が外気に触れて劣化する、柱脚部の水平移動時に渦巻き板バネやリング座が収納部の側壁に衝突する等による耐久性低下の懸念があった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で効果的に免震機能を発揮でき、装置の耐久性低下も防止できる免震装置等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための本発明は、頂部に開口を有するケーシングと、前記開口を通して前記ケーシング内に挿入され、前記ケーシング内の高さ位置に拡幅部を有する柱体と、前記柱体に水平力が加わった際に、前記柱体を前記ケーシングの内部で滑動させるための滑動部と、下端部が前記拡幅部の上に配置され、上端部が前記ケーシングに係止された、前記柱体の前記ケーシングからの抜け出しを防止する抜出防止機構と、前記柱体を原位置に復帰させるための原位置復帰機構と、前記ケーシング内で少なくとも前記抜出防止機構の高さまで充填された充填材と、を有し、前記抜出防止機構は、下段から上段にゆくにつれ内径と外径が大きくなるように、複数段のリングを前記柱体の周囲で上下に積層した形状を有し、下段の前記リングの外周部と上段の前記リングの内周部が上下に重なり、且つ各リングが前記柱体の滑動に伴って水平方向に移動可能であることを特徴とする免震装置である。
本発明の免震装置では、重層したリングによる抜出防止機構の採用により、柱体の抜け出しを確実に防止し、また各リングの水平移動により装置寸法に対して柱体の変位を大きくできる。また、免震装置が簡易な構成となり小型化、薄型化を図ることができ、既存の建築工程の作業手順に容易に組み込むことができる。さらに、柱体は前後左右に自在に動くことができ、水平方向の複雑な振動に対する免震が可能となり、振動後には原位置復帰機構により原位置に確実に復帰することができる。これらに加え、本発明の免震装置では、充填材が抜出防止機構を含む高さまで充填されていることにより、抜出防止機構が外気に触れて劣化するのを抑制でき、抜出防止機構とケーシングの側壁の衝突も充填材により緩衝されるため、装置の耐久性低下を防止できる。
前記原位置復帰機構は、弾性体を用いたものであることが望ましい。前記弾性体は、例えば前記柱体と前記ケーシングの間に配置される。
また前記滑動部は、前記柱体または前記ケーシングの底部に設けた球体であることも望ましい。
これにより、簡易な構成で原位置復帰機構や滑動部を実現することができ、免震装置の製作を容易に行うことができる。
前記充填材は潤滑剤であることが望ましい。
これにより、抜出防止機構の防錆を行い耐久性を向上させるとともに、柱体の滑動とこれに伴うリングの移動を滑らかに行うことができ、免震装置の作動時の静謐性も高い。
最上段の前記リングの上面が、前記ケーシングから内部に張り出す張出部に当接し、前記張出部の前記ケーシングからの張り出し長さ、各リングの幅、および、前記拡幅部の前記柱体からの張り出し長さが同じであることが望ましい。
これにより、装置寸法に対して柱体の変位を最大化でき、免震装置の小型化に寄与する。
本発明により、簡易な構成で効果的に免震機能を発揮でき、装置の劣化も抑制できる免震装置等を提供することができる。
免震装置1を示す図。 抜出防止機構5を分解して示す図。 原位置復帰機構6を示す図。 柱体3が移動した状態を示す図。 免震装置1a~1cを示す図。 抜出防止機構5b、5cの例。 免震装置1dを示す図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る免震装置1を示す図である。免震装置1は、下部対象物10と上部対象物20に取り付けてこれらの対象物の間に配置される。
下部対象物10と上部対象物20は特に限定されない。例えば下部対象物10を建物基礎とし、上部対象物20を建物躯体等の構造物とすることが可能である。また本実施形態の免震装置1は小型であるため、上部対象物20は例えば各種の架台や展示台、保管ケース、機器類などとすることも可能である。
図1に示すように、免震装置1は、ケーシング2、柱体3、滑動部4、抜出防止機構5、原位置復帰機構6、充填材8等を有する。
ケーシング2は、柱体3等を収納するものである。ケーシング2は、その下面の取付材21により下部対象物10を両側から挟み、取付材21の先端に通した図示しないボルトを下部対象物10に埋設したナットに螺合するなどして下部対象物10に締結できる。取付材21はケーシング2の下面に回転可能に取り付けられ、折り畳み可能となっている。
ケーシング2は、頂部を開口Aとした函状の容器である。ケーシング2の平面形状は特に限定されないが、本実施形態では後述の図3に示すように、ケーシング2の平面を正方形状としている。ただし、ケーシング2の平面を円形としてもよい。
ケーシング2の側壁の頂部には、後述するゴム板(原位置復帰機構6)を固定するための固定板22が設けられる。またケーシング2の側壁の高さ方向の中間部には、当該側壁から内部に張り出す張出部23も設けられる。
柱体3は、上記の開口Aを通してケーシング2内に挿入される。柱体3の下端部はケーシング2内に位置し、当該下端部には拡幅部31が設けられる。柱体3の上端部には雄ネジが設けられ、当該雄ネジを上部対象物20の下面に設けた取付部201の内面の雌ネジに螺合させることで、上部対象物20が柱体3の上端部に取り付けられる。雄ネジの締め込みの調整により、上部対象物20の高さの微調整も可能である。
滑動部4は、地震時等で柱体3に水平力が加わった際に、柱体3をケーシング2の内部で滑動させるためのものである。本実施形態では、滑動部4として、孔あき板41の孔411にコロ(球体)43を配置したものを用い、コロ43の上に柱体3の拡幅部31を載置してコロ43の回転により柱体3を滑動させる。孔あき板41には例えば鋼板が用いられ、コロ43には鋼球が用いられるが、これに限定されない。
抜出防止機構5は、地震時等に柱体3がケーシング2から抜け出すのを防止するためのものであり、複数段のリング51を柱体3の周囲で上下に積層した形状を有する。抜出防止機構5は、下端部が拡幅部31の上に配置され、上端部がケーシング2の張出部23に係止される。リング51は金属板等により形成される。
図2は、抜出防止機構5を分解して示す図である。抜出防止機構5の各リング51は同じ幅Wを有し、下段から上段にゆくにつれ内径と外径が大きくなる。また、下段のリング51の外周部と上段のリング51の内周部は上下に重なり、且つ、各段のリング51は柱体3の滑動に伴って水平方向に移動可能である。リング51の厚さや枚数、上下のリング51の重なり範囲などは載荷重量等に応じて決定する。
また本実施形態では、前記の張出部23が、矩形状の板材の中央部に円形の開口を設けたものとなっており、当該板材の平面寸法がケーシング2の内面の平面寸法に対応する。張出部23は、その外周部をケーシング2の側壁に固定して配置され、抜出防止機構5の最上段のリング51の外周部と、張出部23の開口縁が上下に重なる。また張出部23の張り出し長さ(張り出し長さの最も小さい位置、すなわちケーシング2の平面の各辺の中央部に当たる位置での張り出し長さ)が、各リング51の幅Wと同じである。
また、柱体3の拡幅部31の平面は円形であり、当該拡幅部31の外周部と、抜出防止機構5の最下段のリング51の内周部が上下に重なる。拡幅部31の柱体3からの張り出し長さも、各リング51の幅Wと同じである。
原位置復帰機構6は、滑動した柱体3を原位置に復帰させるためのものである。本実施形態では、柱体3の原位置をケーシング2の平面の中心とし、原位置復帰機構6は、柱体3とケーシング2の側壁の間に設けられる。
本実施形態では、原位置復帰機構6として弾性体であるゴム板を用い、柱体3の滑動時に圧縮されたゴム板の復元力により、柱体3を原位置に復帰させる。ゴム板は、ケーシング2の固定板22と張出部23の間に配置され、柱体3とケーシング2の衝突を緩衝する緩衝材、柱体3の振動を減衰する減衰材としても機能する。固定板22と張出部23はボルト等の連結材7で連結され、ゴム板を固定板22と張出部23により上下に挟み込むことで、ゴム板がケーシング2に固定される。ただし、弾性体はゴム板に限定されず、板バネなどの金属板、あるいはゴムと金属の合成板により構成される場合も含む。
図3(a)はゴム板の平面の一例であり、ケーシング2を上から見たものである。本実施形態では、ゴム板の平面に空隙61を設けることで、ゴム板の圧縮による変形を空隙61により吸収し、柱体3の滑動を妨げないようにする。なお前記の固定板22はケーシング2の平面の四隅に設けられる。
図3(a)の例では複数の空隙61が格子状に縦横に配列されるが、空隙61の位置、形状等は特に限定されない。例えば図3(b)に示すように空隙61を柱体3の原位置から放射状に設けても良く、図3(c)に示すように、対角線上の空隙61に、撓み率の大きい圧縮コイルバネ(弾性体)62を装着してもよい。さらに、図3(d)に示すように空隙61をハニカム状に設けても良い。また図3(e)に示すように、原位置復帰機構6aを、空隙を有するドーナツ状のゴムリング60により構成してもよく、1又は複数のゴムリング60を柱体3の原位置からケーシング2の側壁に向かって配置することでも、前記と同様の効果が得られる。
充填材8は、ケーシング2内で、少なくとも抜出防止機構5の高さまで充填される。図1の例では張出部23の上面に当たる位置まで充填材8が充填される。本実施形態では、充填材8としてオイルなど高粘性の潤滑剤を用いる。これにより、抜出防止機構5のリング51の防錆を行い耐久性を向上させるとともに、上下のリング51間の固着を防止して柱体3の滑動とこれに伴うリング51の移動を滑らかに行うことができ、装置作動時の静謐性も高い。また充填材8は、抜出防止機構5とケーシング2の間の衝突緩衝材としても機能する。
図4に示すように、本実施形態では、地震等で上部対象物20に水平力(慣性力)が作用した際に、当該水平力に応じて柱体3がケーシング2内を滑動する。これにより、地震等の揺れが上部対象物20に伝わらないように縁を切ることができる。なお図4は、柱体3の原位置からの変位が最大となった時の状態であり、柱体3がケーシング2の外周部まで達している。
本実施形態では、柱体3が図1に示す原位置にある時だけでなく、図4に示す最大変位時にも抜出防止機構5の最上段のリングが張出部23に係止されており、柱体3のケーシング2からの抜け出しを防止できる。また抜出防止機構5の各リング51は柱体3の滑動に伴って水平移動するので、リング51が柱体3の滑動を妨げることはない。
加えて、本実施形態では、各リング51の幅と張出部23の張り出し長さ、および拡幅部31の張り出し長さが同じ値W(図2参照)であることにより、ケーシング2内で柱体3の変位を最大化できる。
すなわち、柱体3の滑動は、いずれかのリング51の外周部がケーシング2の側壁に当接するか、柱体3が張出部23に当接するか、柱体3の拡幅部31がケーシング2の側壁に当接するかした際にストップし、これらの事象のうち最も早く生じるものにより柱体3の変位が制限される。
そこで本実施形態では、各リング51の幅と張出部23の張り出し長さ、および拡幅部31の張り出し長さを同じ値Wとすることで、上記の3つの事象を同時に生じさせ、最も早く生じるいずれかの事象により柱体3の変位が制限されるのを防止し、柱体3の変位を最大化できる。
ただし、各リング51の幅と張出部23の張り出し長さ、および拡幅部31の張り出し長さは上記に限ることはなく、柱体3について大きな変位が必要な場合に、ケーシング2の平面寸法を大きくすることで対応することもできる。
以上説明したように、本実施形態では、重層したリング51による抜出防止機構5の採用により、柱体3の抜け出しを確実に防止し、また各リング51の水平移動により装置寸法に対して柱体3の変位を大きくできる。また、免震装置1が簡易な構成となり小型化、薄型化を図ることができ、既存の建築工程の作業手順に容易に組み込むことができる。
さらに、柱体3は前後左右に自在に動くことができ、水平方向の複雑な振動に対する免震が可能となり、振動後には原位置復帰機構6により原位置に確実に復帰することができる。これらに加え、本実施形態の免震装置1では、充填材8が抜出防止機構5を含む高さまで充填されていることにより、抜出防止機構5が外気に触れて劣化するのを抑制でき、抜出防止機構5とケーシング2の側壁の衝突も充填材8により緩衝されるため、装置の耐久性低下を防止できる。
また本実施形態では、原位置復帰機構6としてゴム板等の弾性体を用い、これを柱体3とケーシング2の間に配置し、また滑動部4については、ケーシング2の底部に設けたコロ43を用いることで、簡易な構成で原位置復帰機構6や滑動部4を実現でき、免震装置1の製作を容易に行うことができる。
さらに本実施形態では、充填材8として潤滑剤を用いることで、抜出防止機構5の防錆を行い耐久性を向上させるとともに、柱体3の滑動とこれに伴うリング51の移動を滑らかに行うことができ、免震装置1の作動時の静謐性も高い。
また本実施形態では張出部23のケーシング2からの張り出し長さ、各リング51の幅、および、拡幅部31の柱体3からの張り出し長さを同じ値Wとすることで、装置寸法に対して柱体3の変位を最大化でき、免震装置1の小型化に寄与する。
しかしながら、本発明は上記の実施形態に限定されない。例えば本実施形態では滑動部4としてケーシング2内の底部に孔あき板41とコロ43を配置したが、滑動部の構成はこれに限らない。例えば図5(a)の免震装置1aに示すように、柱体3の拡幅部31の下面に回転自在なコロ45(球体)を設けて滑動部としてもよい。その他、ケーシング2内の底面を滑面(滑動部)とし、その上を柱体3の拡幅部31が滑動する構成とすることも可能である。滑面は、ケーシング2内の底面にグリース等の滑材層を設けたり、キサゲ加工を施すなどして形成できる。
また本実施形態では、原位置復帰機構としてゴム板やゴムリングを用いたが、これに限ることはなく、図5(b)の免震装置1bに示すようにコイルばね(弾性体)を原位置復帰機構6bとして用いることもでき、ゴム板やゴムリング、コイルばねの他、油圧ダンパーなどのダンパー(弾性体)を用いることもできる。原位置復帰機構の取付位置も特に限定されず、ケーシング2内の下部に設けても良いし、ケーシング2に外付けすることも可能である。例えば図5(b)では、ケーシング2内の下部において、柱体3の拡幅部31とケーシング2の側壁との間にバネ(原位置復帰機構6b)が設けられている。また複数の弾性体を併用することも可能であり、例えば前記のゴム板とダンパーを併用することも可能である。ダンパーは外付けすることもでき、ゴム板の空隙61内に配置することも可能である。
さらに、原位置復帰機構は、弾性体を用いるものに限られることもない。例えば図5(c)の免震装置1cは、滑動部として前記のコロ45を柱体3に設けるとともに、原位置復帰機構として、ケーシング2内の底面を、平面中心に向けてすり鉢状に傾斜する傾斜面としたものである。この場合も、滑動後の柱体3は傾斜面に沿ってケーシング2の平面中心に戻ることとなり、確実に原位置に復帰させることができる。
図5(c)の例では、柱体3が外側に滑動すると拡幅部31の位置が若干上昇し、張出部23と拡幅部31の上下間隔が狭まる。そこで、図5(c)の例では、抜出防止機構5aの上下段のリング51の間にドーナツ状の緩衝材52を配置して張出部23と拡幅部31の上下間隔の増減を吸収する。緩衝材52としては例えばゴムなどの弾性体を用いることができ、係る弾性体はその復元力により柱体3の原位置復帰機構としても機能する。その他の原位置復帰機構、例えば前記のコイルばね等を傾斜面の構成と併用することも可能である。
また本実施形態では独立した複数のリング51を上下段に重ねて抜出防止機構5を構成しているが、抜出防止機構は複数のリング51を上下段に積層するものであればよく、図6(a)の抜出防止機構5bに示すように、上下段のリング51がスパイラル状に連続してもよい。リング51を弾性を有する金属製とすることで、抜出防止機構5bを板バネとし、その復元力により原位置復帰機構として機能させることもできる。
またリング51の断面も特に限定されず、例えば図6(b)の抜出防止機構5cに示すように、柱体3の滑動時に上下段のリング51が連動して動くよう、リング51の一方の面(図6(b)の例では上面)に突起部54を設け、他方の面にはリング51の幅方向の両側にストッパー53を設けて、下段のリング51の突起部54が上段のリング51のストッパー53の間に配置されるようにしてもよい。柱体3の滑動時には、下段のリング51の突起部54が上段のリング51のいずれかのストッパー53に当接することで、上下段のリング51が連動して移動する。
さらに、本実施形態では拡幅部31を柱体3の下端部に設けたが、拡幅部31はケーシング2内の高さ位置にあればよく、図7の免震装置1dに示すように、柱体3の高さ方向の途中に拡幅部31を設けることも可能である。なお図7の例では柱体3の下端部に図5(a)と同様のコロ45を設けて滑動部としている。
また、充填材8も前記の潤滑剤に限ることはなく、例えば砂や小径の鋼球などの粒状体を用いることも可能であり、抜出防止機構5とケーシング2の衝突を緩衝するなどして装置の耐久性低下を防止できる。さらに、ケーシング2の頂部の開口Aを蓋体で塞ぎ、防塵や充填材8の漏出防止等を行うことも可能である。蓋体は例えばゴムなどの伸縮可能なものとし、柱体3の滑動を妨げないようにしておく。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、1b、1c、1d:免震装置
2:ケーシング
3:柱体
4:滑動部
5、5a、5b、5c:抜出防止機構
6、6a、6b:原位置復帰機構
7:連結材
8:充填材
10:下部対象物
20:上部対象物
21:取付材
22:固定板
23:張出部
31:拡幅部
41:孔あき板
43、45:コロ
51:リング
52:緩衝材
60:ゴムリング
61:空隙
201:取付部
411:孔

Claims (6)

  1. 頂部に開口を有するケーシングと、
    前記開口を通して前記ケーシング内に挿入され、前記ケーシング内の高さ位置に拡幅部を有する柱体と、
    前記柱体に水平力が加わった際に、前記柱体を前記ケーシングの内部で滑動させるための滑動部と、
    下端部が前記拡幅部の上に配置され、上端部が前記ケーシングに係止された、前記柱体の前記ケーシングからの抜け出しを防止する抜出防止機構と、
    前記柱体を原位置に復帰させるための原位置復帰機構と、
    前記ケーシング内で少なくとも前記抜出防止機構の高さまで充填された充填材と、
    を有し、
    前記抜出防止機構は、下段から上段にゆくにつれ内径と外径が大きくなるように、複数段のリングを前記柱体の周囲で上下に積層した形状を有し、下段の前記リングの外周部と上段の前記リングの内周部が上下に重なり、且つ各リングが前記柱体の滑動に伴って水平方向に移動可能であることを特徴とする免震装置。
  2. 前記原位置復帰機構は、弾性体を用いたものであることを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  3. 前記柱体と前記ケーシングの間に前記弾性体が配置されることを特徴とする請求項2記載の免震装置。
  4. 前記滑動部は、前記柱体または前記ケーシングの底部に設けた球体であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の免震装置。
  5. 前記充填材は潤滑剤であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の免震装置。
  6. 最上段の前記リングの上面が、前記ケーシングから内部に張り出す張出部に当接し、
    前記張出部の前記ケーシングからの張り出し長さ、各リングの幅、および、前記拡幅部の前記柱体からの張り出し長さが同じであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の免震装置。
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