JP2000192480A - 木材を用いた擁壁構造およびその構成材 - Google Patents

木材を用いた擁壁構造およびその構成材

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JP2000192480A
JP2000192480A JP10376668A JP37666898A JP2000192480A JP 2000192480 A JP2000192480 A JP 2000192480A JP 10376668 A JP10376668 A JP 10376668A JP 37666898 A JP37666898 A JP 37666898A JP 2000192480 A JP2000192480 A JP 2000192480A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木材等を縦横交互に複数段積み重ねてできた
内側空間部に裏込めされる土砂等のパワーショベル等に
よる埋め戻しと鎮圧機械による鎮圧を容易になし得、か
つ施工後木材等の前記積み重ね部分の嵌合部に無理が掛
かり難くした木材等を用いた擁壁構造を提供する。 【解決手段】 擁壁自体の法面に横方向に配置された断
面円形に成形加工された木の丸棒材の横材10と、擁壁
の奥行き方向に配置され成形加工されていない自然丸太
材の縦材12(または加工丸棒材)とを、縦材12の一
端部で交叉させ、かつこれを複数段積み重ね、その内部
空間部に土石類等を裏込め充填して擁壁を構築し、しか
も縦材12の前記交叉部分には横材10に対して縦材1
2が一定範囲回動し得る状態で嵌り得る切欠凹部16を
設けて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は木材等を用いた擁壁
構造に関するものであり、特に丸太材等を複数段積み重
ねて構築するようにした擁壁構造とその構成材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より土木建設工事における擁壁は石
やコンクリートブロックを積み重ねて構築するのが通例
であるが、重量が重く取扱がしにくい上に施工場所によ
っては美感や景観を損なう等の短所があり、これを解決
するために木の丸太材を井桁状に組み、その中央部から
控え材として丸太材を突出させたウッドブロックの使用
が提案されている(特公平2ー3858号公報参照)
が、これも組み付け時多くのボルト締めをしなければな
らず組み付けに手間が掛かってコストが高くなる等の短
所があったので、本願発明者はその解決のために木材等
を縦横に複数列で、かつ複数段積み重ねると共に、積み
重ねた木材等の各交叉部分には、回動不能に嵌り合う切
欠凹部を設けて、ボルト類を使用しないで組み付け得る
ようにした擁壁構造を提案した。特願平9−30938
5号の擁壁がこれである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
擁壁構造は施工時裏込めされた土砂等の鎮圧作業が煩わ
しいという問題点があった。また、施工後もし擁壁法面
の奥行き側の土が沈下したとすれば、それに伴い縦材の
奥行き側も降下して横材を軸とする回転モーメントを生
じ、横材との前記嵌合部分に無理がでることも考えられ
るので、そうならないように施工に当たっては極めて注
意深く作業しなければならないという問題点があった。
そこで本発明者は鋭意研究を続けているうちに同一段に
2列以上あった横材を1列とすることが強度的に可能で
あることを見いだし本願発明に到達するに至ったもので
ある。本発明はこのような事情を背景としてなされたも
のであり、本発明の目的は、施工時の裏込めされた土砂
等の鎮圧を容易になし得る擁壁構造、施工時に高度の注
意力を要求されない擁壁構造とその構成材を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するためになされたものであり、本発明は下記のよう
に構成される。 A 擁壁自体の法面に横方向に配置される円柱状の木の
横材と該横材に交叉して擁壁の奥行き方向に配置される
木の縦材とを交互に複数段積み重ねて構築するようにし
た擁壁構造であって、前記横材は断面が円形に加工され
た丸棒材であり、前記縦材は外周部に切削加工を施して
いない自然丸太材であり、かつ縦材が配置されるべき各
段には1つの横材当り2以上の縦材が所定間隔を隔てて
配置され、さらに縦材の一端部寄り部分には上段側と下
段側の横材との各交叉部分に横材の外周部が回動可能に
嵌り得る断面輪郭が円弧状の切欠凹部を設けて嵌り合う
ようにし、しかも各縦材、横材で囲まれた空間部には栗
石、玉石、砕石等の石、土砂その他の充填材の1種また
は2種以上を充填して擁壁を構成するようにした木材等
を用いた擁壁構造。 B 擁壁自体の法面に横方向に配置される円柱状の木の
横材と該横材に交叉して擁壁の奥行き方向に配置される
木の縦材とを交互に複数段積み重ねて構築するようにし
た擁壁構造であって、前記横材は断面が円形に加工され
た丸棒材であり、前記縦材は木の角材であり、かつ縦材
が配置されるべき各段には1つの横材当り2以上の縦材
が所定間隔を隔てて配置されると共に各縦材は断面上の
対角線が上下方向を向くように配置され、さらに縦材の
一端部寄り部分には上段側と下段側の横材との各交叉部
分に横材の外周部が回動可能に嵌り得る断面輪郭が円弧
状の切欠凹部を設けて嵌り合うようにし、しかも各縦
材、横材で囲まれた空間部には栗石、玉石、砕石等の
石、土砂その他の充填材の1種または2種以上を充填し
て擁壁を構成するようにした木材等を用いた擁壁構造。 C 前記A項もしくはB項記載の木材等を用いた擁壁構
造において、縦材の配置されるべき全部の段もしくは一
部の段で縦材自体の上側と下側に設けるべき切欠凹部を
縦材端部からの距離が互いに異なるようにすると共に縦
材の長さを長くしたり短くしたり、あるいは変えないで
擁壁断面の輪郭を変え得るようにした木材等を用いた擁
壁構造。 D 前記A項〜C項のいずれか1項に記載の木材等を用
いた擁壁構造において、前記縦材は自然丸太材もしくは
角材に代えて外周部の一部もしくは全部を断面が円形、
楕円形、多角形、略円形、略楕円形、略多角形等の形状
に成形加工した木の加工棒材を使用し、かつそれと同時
にあるいは単独で前記横材は断面が楕円形、多角形、略
円形、略楕円形、略多角形等に加工された棒材を使用す
るようにした木材等を用いた擁壁構造。 E 前記A項〜D項のいずれか1項に記載の木材等を用
いた擁壁構造において、最上段の横材もしくは縦材は下
側の縦材もしくは横材に対しスクリュウボルトもしくは
ボルトにより締結可能とした木材等を用いた擁壁構造。 F 前記A項〜E項のいずれか1項に記載の木材等を用
いた擁壁構造において、前記横材と縦材に防腐処理を施
すようにした木材等を用いた擁壁構造。 G 前記A項〜F項のいずれか1項に記載の木材等を用
いた擁壁構造において、上側の横材とその下側の横材と
の間に草や木を植栽するようにした木材等を用いた擁壁
構造。 H 前記A項〜G項のいずれか1項に記載の木材等を用
いた擁壁構造において、前記木の横材と縦材に代えて、
鉄筋コンクリート製もしくは耐候性鋼材の横材と縦材と
を使用するようにした木材等を用いた擁壁構造。 I 前記A項〜H項のいずれか1項に記載の木材等を用
いた擁壁構造において、縦材に形成される断面輪郭が円
弧状の前記切欠凹部に代えて断面輪郭がU字状、略円弧
状、略U字状、四角溝状、略四角溝状とされたものであ
る木材等を用いた擁壁構造。 J 前記A項〜I項のいずれか1項に記載の横材と縦材
とからなる擁壁構造の構成材。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を記載した図
面に基づいて、発明の実施の形態を詳細に説明する。図
1において10は横材、12は縦材であり、これらを交
互に複数段積み重ね、その内部の空間部に栗石14や玉
石、砕石等その他土石、土砂等を充填して擁壁が構築さ
れる。横材10と縦材12は防腐処理がされ、耐久性を
有するものである。横材10は図2(イ)に示すように
断面が円形に成形加工された木の丸棒材であり、擁壁の
表面すなわち法面に横方向に配置されている。縦材12
は横材10に比して短尺であるが、図2(ロ)に示すよ
うに外周部には切削等の成形加工を施していない、いわ
ゆる自然丸太材(原木)であり、横材10と交叉して縦
方向、すなわち擁壁の奥行き方向に配置され、かつ横材
10と交叉する先端部寄り部分には、同図に示すように
断面輪郭が円弧状の切欠凹部16が上下に2個所設けら
れ、横材10が回動可能に嵌り得るようにされている。
なお、切欠凹部16は図1(ハ)に示すように横材10
との間に若干の隙間が生じるようにすることが望まし
い。すなわち、横材10の半径より切欠凹部16の曲率
半径を大きくすることが望ましい。その理由については
後述する。縦材12は1本の横材10当り複数本配置さ
れ、横材10に対する控え材の役割をなしている。縦材
12は元口側すなわち根元に近い側(太い側)を擁壁の
奥行き側に向けて配置すれば、縦材12が抜けにくくな
り好都合である。また、縦材12は皮付きの自然丸太材
を使用することも可能であるが、耐久性や防腐処理等の
関係から皮剥ぎした自然丸太材を使用することが望まし
い。横材10、縦材12としては、通常直径10〜28
cm程度のものを使用するので、間伐材の有効利用が可
能である。ここでは、横材10の長さは2〜4m程度、
縦材12の長さは0.7〜2m程度のものを使用する
が、適宜加減することも可能である。
【0006】擁壁の高さは、積上げる横材10、縦材1
2の段数を変えることにより加減できるが、横方向に連
設する横材10の数を加減することにより擁壁の横方向
の長さを加減できる。擁壁の強度は縦材12、横材10
の大きさや長さ、配置の密度(単位幅当りの本数)によ
っても加減できる。なお、最上段の横材10はスクリュ
ウボルト18により下側の縦材12に固定される。もっ
とも、縦材12が最上段となる場合には、下側の横材1
0に固定される。また、ボルト、Uボルト等により下側
の横材もしくは縦材に締結するようにしてもよい。
【0007】上記実施例によれば、横材10と縦材12
とを各段交互に積上げ、かつ切欠凹部16に嵌合させれ
ばよく、ボルト等を使用しなくてもよいので、施工が容
易である。また、横材は各段共擁壁の法面に一列だけ設
けられているので、盛土や埋め戻し、裏込めされた土砂
類の鎮圧を行なう際擁壁の奥行き側に障害となるものが
ないので、パワーショベル等による盛土や埋め戻し、お
よび鎮圧機械による鎮圧が容易である。さらに、施工後
仮りに縦材12が沈下したとしても縦材12は切欠凹部
16で横材10を軸として一定範囲内で回るように動く
ことができるので擁壁構造体に狂いを生じるような影響
を回避でき安心して施工できる。もっとも、縦材12は
1本の横材10に対しては自由に回動できるが、現実に
は1本の縦材12に形成された上下両側の切欠凹部16
で2本の横材10に接しており、縦材12は自由に回動
し難い。しかし、図1(ハ)に示すように切欠凹部16
の側縁と横材10との間には若干の隙間を設けるように
しているので、縦材12は一定範囲内で回動できる。ま
た、縦材12には自然丸太材を使用するので加工材を使
用する場合に比しコスト低減を図ることができる。
【0008】図3は擁壁法面の断面輪郭を変えた例を示
す。図1に示す実施例ではその断面輪郭は直線である
が、図3の場合はカーブ状をなしており、強度および美
感や趣味感に優れている。なお、変更を要しない場合は
同一番号を付して詳しい説明は省略する(以下同様であ
る)。各縦材20、22、24、26、28は上段側に
向かうにつれて傾斜角度が緩くなり最上段では略水平と
され、かつ、長さは上段側程長くされている。しかし、
横材10は図1の場合と同様に各段同径のものが使用さ
れている。もっとも、縦材は各段同一長さとすることも
可能ではあるが、縦材は控え材として作用するので、擁
壁の強度を考慮して土質や地形により適切な長さとする
ことが望ましい。
【0009】図4は擁壁法面の断面輪郭をさらに変えた
例を示す。図3に示す場合より上段部が外側に張り出す
ように断面輪郭が湾曲されており、図3の擁壁とは異な
る美感や趣味感を呈している。横材と縦材は、最上段の
横材36、次段の横材34と最上段の縦材32、次段の
30が図3の場合と異なるが、それより下方の各横材、
縦材は図3の場合と同じである。すなわち、横材34、
36は互いに同じ径であるが横材10より太くされてお
り、縦材30、32は径も長さも互いに同じであるが下
方の縦材28より長くされ、かつ図5(イ)、(ロ)に
示すように上側の切欠凹部38、42と下側の切欠凹部
40、44はそれぞれ端部からの距離が異なる位置にず
れて設けられている。そして、縦材30の切欠凹部38
は横材34が嵌り得るように大きくされているが、切欠
凹部40は横材10に嵌り得るように小さくされてい
る。上段側の横材34、36の径を太くし、縦材30、
32の径を太くすると共にに長さを長くしたのは強度上
の安全を考慮したものである。
【0010】また、各縦材の上側と下側に設けるべき両
切欠凹部を端部からの距離が異なるようにずらして位置
させると、図6(イ)、(ロ)に示すように各縦材4
6、……、48、……、を水平に配置しても擁壁法面の
輪郭を湾曲させたり、傾斜させたりすることができる。
【0011】上記各実施例において、自然丸太材に代え
て断面が円形に加工された木の丸棒材を使用することも
できる。種々のサイズのものを規格化して量産でき、同
径の丸太材を揃えるという煩わしさがないという利点が
ある。また、断面が楕円形や略楕円形、多角形、略多角
形、四角の両側に円弧状の膨らみをつけたような形状、
楕円形の両側を平に削除したような形状等に加工された
ものを使用することもできる。
【0012】図7は本発明の他の実施例を示す。前記各
実施例では、縦材として自然丸太材や成形加工した丸棒
材を使用したのに代えて、木の角材を使用するようにし
たものである。角材である縦材50は同図に示すように
断面上の対角線が上下方向を向くように配置され、かつ
図8に示すようにその一端部寄りには上下にそれぞれ断
面輪郭が円弧状の切欠凹部52が設けられ、横材10の
外周部が回動可能に嵌り得るようにされている。縦材5
0は成形加工された角材であり、種々のサイズのものが
量産でき、加工丸棒材の場合と同様に、同一径の丸太材
を揃える煩わしさがないという利点がある。
【0013】各横材間に草や木を植栽するようにしても
よい。その根張りや茎葉等による擁壁表面の被覆により
土砂の流失が防止されると共に擁壁の強度が増し、美感
も向上する。特に施工後年数が経過することにより根張
りにより擁壁の耐久性や強度が増す。緑化木(例えば、
つつじ、さつき等)、草花等を植栽すれば、さらに美感
の向上に役立つ。雑草等の種子を蒔いたり、植え付けた
りしてもよい。経費節減に役立つ。
【0014】前記各実施例では、各横材の継目は、例え
ば図1(イ)に示すように各段上下方向に同一線上に現
れるようにしたが、これに代えて継目が左右に入り込ん
だ状態になるように各段の横材を配置してもよい。ま
た、縦材についても、1段ごとにずらして配置してもよ
い。むしろ強度を考えた場合は、ずらした方がよい。さ
らに、前記実施例では切欠凹部は断面輪郭が円弧状とな
るようにしたが、U字状、略円弧状、略U字状、角溝
状、略角溝状、その他これに類する断面輪郭としてもよ
く、あるいは強度上の問題がない等、場合によっては四
角状としてもよい。また、前記各実施例の横材や縦材は
木材に代えて、鉄筋コンクリートで構成するようにして
もよい。さらに、前記縦材や横材として、耐候性鋼材で
構成してもよい。例えば、横材として耐候性鋼の丸パイ
プを使用し、縦材として耐候性鋼の丸パイプ、角パイ
プ、角棒、H形鋼等を使用してもよい。以上本発明の実
施例について説明したが、本発明はこのような実施例に
何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲において種々なる態様で実施し得ることはもちろ
んである。
【0015】
【発明の効果】本発明は上述の通り構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。横材や縦材として木の
丸棒材や角材、自然丸太材を使用し、かつ一定間隔で積
み重ねて擁壁を構築するようにされているので、美感や
趣味感に優れているという利点がある。また、縦材の一
端部寄りの上下には横材が嵌り得る切欠凹部が設けられ
ているが、両切欠凹部の縦材端部からの距離位置を互い
にずらして設けることによって、擁壁断面を傾斜させた
り、湾曲させたり、あるいは張り出させたり等容易にで
き、美感や趣味感をさらに向上させることができる。さ
らに、横方向の丸棒材と縦方向の自然丸太材や加工丸棒
材、角材を各段交互に積上げるだけで、従来のウッドブ
ロック等のようなボルト締め作業を必要とせずに擁壁の
骨格が簡単にでき、その内側の空間部には土石類を充填
すればよいので、擁壁の施工が容易である。特にブロッ
ク擁壁や従来のウッドブロック等に比し、施工がはるか
に容易であるから工期の大幅な短縮が可能である。さら
にまた、同一段に配置される横材は擁壁法面に一列設け
られているだけであるから、施工時裏込めさめた土石等
の鎮圧作業等を行なう際擁壁奥行き側に障害となるもの
がなくパワーショベル等による裏込め土石の投入および
転圧機械による鎮圧が容易であり、作業能率が向上す
る。また、施工後もし縦材が沈下したとしても、縦材は
切欠凹部で横材に対して一定範囲で回動可能に嵌り合う
ようにされており、縦材は横材を軸として回るように動
くことができるので、縦材の回転によるモーメントが横
材に伝わらないため、縦材と横材との嵌合部に無理を生
じるような影響を回避でき安心して施工できる。さら
に、構成材として成形加工した丸棒材や角材を使用する
ようにすれば、同一サイズのものを多数取り揃えること
が容易である。さらにまた、最上段の横材や縦材をスク
リュウボルト等で下側の縦材や横材に締結し得るように
すれば構造が安定する。横材や縦材に防腐処理を施こす
ことによって擁壁構造の寿命が向上する。また、横材や
縦材を鉄筋コンクリートや耐候性鋼材で構成するように
すれば、それ自体の強度が向上し、その結果擁壁構造の
強度が増し、寿命がさらに向上する。さらにまた、横材
と横材との間に草や木を植栽すれば、自然環境を人工的
に整備することができ、将来材が腐朽するようなことが
あっても草や木の根により壁が安定する構造となり、よ
り自然に近づく。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)、(ロ)、(ハ)は、本発明の擁壁の一
実施例を示す正面図、断面図およまび部分拡大断面図で
ある。
【図2】(イ)、(ロ))は、擁壁の同実施例の構成材
それぞれの側面図と正面図である。
【図3】本発明の擁壁の他の実施例を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の擁壁のさらに他の実施例を示す断面図
である。
【図5】(イ)、(ロ))は、擁壁の同実施例の構成材
それぞれの側面図と正面図である。
【図6】(イ)、(ロ)は前記実施例の別々の変形例を
示す説明図である。
【図7】(イ)、(ロ)は本発明の擁壁のさらに異なる
実施例を示す正面図と断面図である。
【図8】同実施例の一構成材の側面図と正面図である。
【符号の説明】
10 横材 12 縦材 16 切欠凹部 18 スクリュウボルト 20 縦材 24 縦材 26 縦材 28 縦材 30 縦材 32 縦材 34 横材 36 横材 38 切欠凹部 40 切欠凹部 42 切欠凹部 44 切欠凹部 46 縦材 48 縦材 50 縦材 52 切欠凹部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月29日(1999.10.
29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 木材を用いた擁壁構造およびその構成
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような目的
を解決するためになされたものであり、本発明は次のよ
うに構成される。 A 擁壁自体の法面に横方向に配置される円柱状の木の
横材と該横材に交叉して擁壁の奥行き方向に配置される
木の縦材とを交互に複数段積み重ねて構築するようにし
た擁壁構造であって、前記横材は断面が円形に加工され
た丸棒材であり、前記縦材は外周部に切削加工を施して
いない自然丸太材であり、かつ縦材が配置されるべき各
段には1つの横材当り2以上の縦材が所定間隔を隔てて
配置され、さらに縦材の一端部寄り部分には上段側と下
段側の横材との各交叉部分に横材の外周部が回動可能に
嵌り得る断面輪郭が円弧状の切欠凹部を設けて嵌り合う
ようにし、しかも各縦材、横材で囲まれた空間部には栗
石、玉石、砕石等の石、土砂その他の充填材の1種また
は2種以上を充填して擁壁を構成するようにした木材を
用いた擁壁構造。 B 擁壁自体の法面に横方向に配置される円柱状の木の
横材と該横材に交叉して擁壁の奥行き方向に配置される
木の縦材とを交互に複数段積み重ねて構築するようにし
た擁壁構造であって、前記横材は断面が円形に加工され
た丸棒材であり、前記縦材は木の角材であり、かつ縦材
が配置されるべき各段には1つの横材当り2以上の縦材
が所定間隔を隔てて配置されると共に各縦材は断面上の
対角線が上下方向を向くように配置され、さらに縦材の
一端部寄り部分には上段側と下段側の横材との各交叉部
分に横材の外周部が回動可能に嵌り得る断面輪郭が円弧
状の切欠凹部を設けて嵌り合うようにし、しかも各縦
材、横材で囲まれた空間部には栗石、玉石、砕石等の
石、土砂その他の充填材の1種または2種以上を充填し
て擁壁を構成するようにした木材を用いた擁壁構造。 C 前記A項もしくはB項記載の木材を用いた擁壁構造
において、縦材の配置されるべき全部の段もしくは一部
の段で縦材自体の上側と下側に設けるべき切欠凹部を縦
材端部からの距離が互いに異なるようにすると共に縦材
の長さを長くしたり短くしたり、あるいは変えないで擁
壁断面の輪郭を変え得るようにした木材を用いた擁壁構
造。 D 前記A項〜C項のいずれか1項に記載の木材を用い
た擁壁構造において、前記縦材は自然丸太材もしくは角
材に代えて外周部の一部もしくは全部を断面が円形、楕
円形、多角形、略円形、略楕円形、略多角形等の形状に
成形加工した木の加工棒材を使用し、かつそれと同時に
あるいは単独で前記横材は断面が楕円形、多角形、略円
形、略楕円形、略多角形等に加工された棒材を使用する
ようにした木材を用いた擁壁構造。 E 前記A項〜D項のいずれか1項に記載の木材を用い
た擁壁構造において、最上段の横材もしくは縦材は下側
の縦材もしくは横材に対しスクリュウボルトもしくはボ
ルトにより締結可能とした木材を用いた擁壁構造。 F 前記A項〜E項のいずれか1項に記載の木材を用い
た擁壁構造において、前記横材と縦材に防腐処理を施す
ようにした木材を用いた擁壁構造。 G 前記A項〜F項のいずれか1項に記載の木材を用い
た擁壁構造において、上側の横材とその下側の横材との
間に草や木を植栽するようにした木材を用いた擁壁構
造。 H 前記A項〜G項のいずれか1項に記載の木材を用い
た擁壁構造において、縦材に形成される断面輪郭が円弧
状の前記切欠凹部に代えて断面輪郭がU字状、略円弧
状、略U字状、四角溝状、略四角溝状とされたものであ
る木材を用いた擁壁構造。 I 前記A項〜H項のいずれか1項に記載の横材と縦材
とからなる擁壁構造の構成材
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】前記各実施例では、各横材の継目は、例え
ば図1(イ)に示すように各段上下方向に同一線上に現
れるようにしたが、これに代えて継目が左右に入り込ん
だ状態になるように各段の横材を配置してもよい。ま
た、縦材についても、1段ごとにずらして配置してもよ
い。むしろ強度を考えた場合は、ずらした方がよい。さ
らに、前記実施例では切欠凹部は断面輪郭が円弧状とな
るようにしたが、U字状、略円弧状、略U字状、角溝
状、略角溝状、その他これに類する断面輪郭としてもよ
く、あるいは強度上の問題がない等、場合によっては四
角状としてもよい。以上本発明の実施例について説明し
たが、本発明はこのような実施例に何ら限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
なる態様で実施し得ることはもちろんである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、次の効果を奏する。横材や縦材として木の丸棒材や
角材、自然丸太材を使用し、かつ一定間隔で積み重ねて
擁壁を構築するようにされているので、美観や趣味感に
優れているという利点がある。また、縦材の一端部寄り
の上下には横材が嵌り得る切欠凹部が設けられている
が、両切欠凹部の縦材端部からの距離位置を互いにずら
して設けることによって、擁壁断面を傾斜させたり、湾
曲させたり、あるいは張り出させたり等容易にでき、美
観や趣味感をさらに向上させることができる。さらに、
横方向の丸棒材と縦方向の自然丸太材や加工丸棒材、角
材を各段交互に積上げるだけで、従来のウッドブロック
等のようなボルト締め作業を必要とせずに擁壁の骨格が
簡単にでき、その内側の空間部には土石類を充填すれば
よいので、擁壁の施工が容易である。特にブロック擁壁
や従来のウッドブロック等に比し 、施工がはるかに容
易であるから工期の大幅な短縮が可能である。さらにま
た、同一段に配置される横材は擁壁法面に一列設けられ
ているだけであるから、施工時裏込めされた土石類の鎮
圧作業等を行なう際擁壁奥行き側に障害となるものがな
くパワーショベル等による裏込め土石の投入および転圧
機械による鎮圧が容易であり、作業能率が向上する。ま
た、施工後もし縦材が沈下したとしても、縦材は切欠凹
部で横材に対して一定範囲で回動可能に嵌り合うように
されており、縦材は横材を軸として回るように動くこと
ができるので、縦材の回転によるモーメントが横材に伝
わらないため、縦材と横材との嵌合部に無理を生じるよ
うな影響を回避でき安心して施工できる。さらに、構成
材として成形加工した丸棒材や角材を使用するようにす
れば、同一サイズのものを多数取り揃えることが容易で
ある。さらにまた、最上段の横材や縦材をスクリュウボ
ルト等で下側の縦材や横材に締結し得るようにすれば構
造が安定する。横材や縦材に防腐処理を施すことによっ
て擁壁構造の寿命が向上する。さらにまた、横材と縦材
との間に草や木を植栽すれば、自然環境を人工的に整備
することができ、将来材が腐朽するようなことがあって
も草や木の根により壁が安定する構造となり、より自然
に近づく。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 擁壁自体の法面に横方向に配置される円
    柱状の木の横材と該横材に交叉して擁壁の奥行き方向に
    配置される木の縦材とを交互に複数段積み重ねて構築す
    るようにした擁壁構造であって、前記横材は断面が円形
    に加工された丸棒材であり、前記縦材は外周部に切削加
    工を施していない自然丸太材であり、かつ縦材が配置さ
    れるべき各段には1つの横材当り2以上の縦材が所定間
    隔を隔てて配置され、さらに縦材の一端部寄り部分には
    上段側と下段側の横材との各交叉部分に横材の外周部が
    回動可能に嵌り得る断面輪郭が円弧状の切欠凹部を設け
    て嵌り合うようにし、しかも各縦材、横材で囲まれた空
    間部には栗石、玉石、砕石等の石、土砂その他の充填材
    の1種または2種以上を充填して擁壁を構成するように
    した木材等を用いた擁壁構造。
  2. 【請求項2】 擁壁自体の法面に横方向に配置される円
    柱状の木の横材と該横材に交叉して擁壁の奥行き方向に
    配置される木の縦材とを交互に複数段積み重ねて構築す
    るようにした擁壁構造であって、前記横材は断面が円形
    に加工された丸棒材であり、前記縦材は木の角材であ
    り、かつ縦材が配置されるべき各段には1つの横材当り
    2以上の縦材が所定間隔を隔てて配置されると共に各縦
    材は断面上の対角線が上下方向を向くように配置され、
    さらに縦材の一端部寄り部分には上段側と下段側の横材
    との各交叉部分に横材の外周部が回動可能に嵌り得る断
    面輪郭が円弧状の切欠凹部を設けて嵌り合うようにし、
    しかも各縦材、横材で囲まれた空間部には栗石、玉石、
    砕石等の石、土砂その他の充填材の1種または2種以上
    を充填して擁壁を構成するようにした木材等を用いた擁
    壁構造。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2記載の木材等
    を用いた擁壁構造において、縦材の配置されるべき全部
    の段もしくは一部の段で縦材自体の上側と下側に設ける
    べき切欠凹部を縦材端部からの距離が互いに異なるよう
    にすると共に縦材の長さを長くしたり短くしたり、ある
    いは変えないで擁壁断面の輪郭を変え得るようにした木
    材等を用いた擁壁構造。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記
    載の木材等を用いた擁壁構造において、前記縦材は自然
    丸太材もしくは角材に代えて外周部の一部もしくは全部
    を断面が円形、楕円形、多角形、略円形、略楕円形、略
    多角形等の形状に成形加工した木の加工棒材を使用し、
    かつそれと同時にあるいは単独で前記横材は断面が楕円
    形、多角形、略円形、略楕円形、略多角形等に加工され
    た棒材を使用するようにした木材等を用いた擁壁構造。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
    載の木材等を用いた擁壁構造において、最上段の横材も
    しくは縦材は下側の縦材もしくは横材に対しスクリュウ
    ボルトもしくはボルトにより締結可能とした木材等を用
    いた擁壁構造。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記
    載の木材等を用いた擁壁構造において、前記横材と縦材
    に防腐処理を施すようにした木材等を用いた擁壁構造。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記
    載の木材等を用いた擁壁構造において、上側の横材とそ
    の下側の横材との間に草や木を植栽するようにした木材
    等を用いた擁壁構造。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記
    載の木材等を用いた擁壁構造において、前記木の横材と
    縦材に代えて、鉄筋コンクリート製もしくは耐候性鋼材
    の横材と縦材とを使用するようにした木材等を用いた擁
    壁構造。
  9. 【請求項9】請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載
    の木材等を用いた擁壁構造において、縦材に形成される
    断面輪郭が円弧状の前記切欠凹部に代えて断面輪郭がU
    字状、略円弧状、略U字状、四角溝状、略四角溝状とさ
    れたものである木材等を用いた擁壁構造。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項9のいずれか1項に
    記載の横材と縦材とからなる擁壁構造の構成材。 【0001】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100771844B1 (ko) 2007-07-26 2007-10-31 동아에스텍 주식회사 목재틀 옹벽.
KR100917594B1 (ko) * 2007-09-14 2009-09-15 주식회사 에코밸리 목재를 이용한 옹벽구조물 및 그 시공방법

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