JP2000192231A - 薄膜パタ―ン形成方法及び有機elディスプレイの製造方法 - Google Patents

薄膜パタ―ン形成方法及び有機elディスプレイの製造方法

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JP2000192231A
JP2000192231A JP10370800A JP37080098A JP2000192231A JP 2000192231 A JP2000192231 A JP 2000192231A JP 10370800 A JP10370800 A JP 10370800A JP 37080098 A JP37080098 A JP 37080098A JP 2000192231 A JP2000192231 A JP 2000192231A
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thin film
substrate
pattern
forming
metal thin
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JP10370800A
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Sukeyuki Fujii
祐行 藤井
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇華性の有機材料等からなる薄膜パターン
を、良好な解像度で、簡易にかつ効率的に形成すること
ができる薄膜パターン形成方法を得る。 【解決手段】 第1の基板1上に金属薄膜2の1次パタ
ーンを形成し、この上に連続薄膜3を形成し、1次パタ
ーンの金属薄膜2と第1の基板1との界面に光ビーム5
aを照射して、表面プラズモン共鳴を励起させ、金属薄
膜2上の連続薄膜の薄膜材料を昇華させ、昇華した薄膜
材料を第2の基板11上に堆積させることにより、金属
薄膜2の1次パターンに対応した薄膜3の2次パターン
を第2の基板11上に形成することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトリソグラフ
ィー技術やシャドウマスクを用いることなく、良好な解
像度で、簡易にかつ効率的に薄膜パターンを形成するこ
とができる方法及び該薄膜パターン形成方法を用いた有
機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレイの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体薄膜などのパターニン
グは、一般にフォトリソグラフィー法によりレジストの
形成とエッチングの組み合わせでなされている。しかし
ながら、有機EL素子の発光層のような有機物質からな
る薄膜をフォトリソグラフィー法でパターニングしよう
とすると、薄膜が劣化したり、十分な解像度が得られな
いなどの問題を生じる。従って、このような発光層等の
パターニングにおいては、従来より、薄膜形成の際に薄
膜を形成しない領域をシャドウマスクで覆い、薄膜形成
時にパターニングする方法が一般に採用されている。
【0003】しかしながら、近年の情報の高密度化及び
多様化に伴い、有機EL素子においても小型化や、RG
B方式によるフルカラーディスプレイが要望されてきて
おり、これに伴い解像度の良好なパターニングが要求さ
れている。
【0004】特開平9−204983号公報では、この
ような問題を解消する方法として、薄膜を積層蒸着した
い陽極以外の陽極部分を加熱することによって、該陽極
上に蒸着されるのを防ぎ、薄膜を積層蒸着したい陽極上
にのみ薄膜を積層蒸着する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報の方法は、基板上に温度差を設け、温度差によってパ
ターニングする方法であるため、蒸着中に熱伝導によっ
て温度が均一化する傾向があり、良好な解像度が得られ
ないという問題がある。また、このような方法で良好な
解像度を得るためには加熱領域を瞬間的に温度上昇させ
る必要があるが、一般的な通電による加熱ではこのよう
な急激な温度上昇は困難である。
【0006】本発明は、昇華性の有機材料等からなる薄
膜のパターンを、良好な解像度で、簡易にかつ効率的に
形成することができる薄膜パターン形成方法及び該薄膜
パターン形成方法を用いた有機ELディスプレイの製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜パターン形
成方法は、第1の基板上に形成した薄膜の所定領域にお
いて表面プラズモン共鳴を励起させて薄膜材料を昇華さ
せることにより、第1の基板に対向させて配置した第2
の基板上に該所定領域に対応した薄膜パターンを形成す
ることを特徴としている。
【0008】本発明によれば、所定領域のみにおいて表
面プラズモン共鳴を励起させ、これによって所定領域の
薄膜材料を昇華させ、対向して配置されている第2の基
板上にこの昇華させた薄膜材料を堆積させて薄膜パター
ンを形成することができる。表面プラズモン共鳴が励起
される領域と励起されない領域は、例えば、金属薄膜を
設けている領域と設けていない領域などにより明確にそ
の境界を形成することができる。従って、良好な解像度
で第2の基板上に薄膜パターンを形成することができ
る。
【0009】また、本発明によれば、第2の基板上に堆
積する薄膜材料だけが昇華し、第1の基板から第2の基
板に移動する。従って、従来のシャドウマスクを用いた
パターニングのように、シャドウマスクに付着したりチ
ャンバー内に付着したりする薄膜材料がなく、無駄なく
効率的にパターニングを行うことができる。
【0010】本発明に従う第1の局面の薄膜パターン形
成方法は、金属薄膜の1次パターンが形成された第1の
基板の上に、薄膜パターン形成の対象となる薄膜材料の
連続薄膜を形成する工程と、第1の基板に対向させて第
2の基板を配置する工程と、上記1次パターンの金属薄
膜と第1の基板との界面に光エネルギーを供給すること
により表面プラズモン共鳴を励起させて金属薄膜上の連
続薄膜の薄膜材料を昇華させ、昇華した薄膜材料を第2
の基板上に堆積させることにより金属薄膜の1次パター
ンに対応した薄膜の2次パターンを第2の基板上に形成
する工程とを備えている。
【0011】表面プラズモン共鳴は、所定の膜厚の金属
薄膜が形成された領域において励起される。従って、第
1の基板上に形成する金属薄膜の1次パターンは、金属
薄膜の有無によってパターン形成されたものであっても
よいし、金属薄膜の膜厚の差によってパターン形成され
たものであってもよい。いずれの金属薄膜の1次パター
ンにおいても、表面プラズモン共鳴が励起される領域の
金属薄膜の膜厚は、光ビーム照射によって光エネルギー
を供給する場合、光ビームの波長よりも小さくすること
が好ましい。また、金属薄膜の膜厚の差によって1次パ
ターンを形成する場合、金属薄膜の厚い部分と薄い部分
の膜厚の比を2以上にするか、または膜厚差を光ビーム
の波長の1/2よりも大きくすることが好ましく、さら
にはこれら双方の条件を満たすような膜厚差を設けても
よい。
【0012】通常、表面プラズモン共鳴による光エネル
ギーの吸収のみでは薄膜材料を昇華させることが困難で
ある場合が多いので、このような場合には、連続薄膜を
該薄膜材料が雰囲気圧下で昇華する温度よりも低い温度
に加熱した状態で、光エネルギーを供給する。光エネル
ギーの供給は、一般にはレーザービームなどの光を照射
することにより行う。通常、金属薄膜と第1の基板との
界面に対し全反射条件となる角度で光ビームを照射す
る。連続薄膜の加熱温度は、光ビームの照射エネルギー
や表面プラズモン共鳴の条件等により異なるが、一般に
は雰囲気圧下で薄膜材料が昇華する温度よりも、3〜3
0K(ケルビン)程度低い温度となるように加熱する。
【0013】第1の局面によれば、第1の基板とその上
方層との界面の全領域を光ビームで走査するが、表面プ
ラズモン共鳴が励起されるのは、金属薄膜が所定の膜厚
の範囲内で存在する領域においてのみである。従って、
金属薄膜が所定の膜厚の範囲内で存在する領域において
のみ連続薄膜の薄膜材料が昇華し、第2の基板上に堆積
される。従って、金属薄膜の1次パターンに対応した薄
膜の2次パターンを容易に形成することができる。ま
た、金属薄膜の1次パターンは、フォトリソグラフィー
法等を用いて良好な解像度でパターン化できるものであ
るので、複雑なパターン形状であっても薄膜をパターニ
ングすることができる。
【0014】また、第1の基板上に残った薄膜材料は容
易に回収することができる。また、パターニング後の連
続薄膜も、やはりパターニングされているので、この残
された薄膜パターンを種々の用途に利用することも可能
である。
【0015】また、第1の局面において、金属薄膜の1
次パターンが金属薄膜の有無で形成されている場合や、
金属薄膜の膜厚の薄い部分で表面プラズモン共鳴が励起
されず膜厚が厚い部分で表面プラズモン共鳴が励起され
るように設定されている場合、金属薄膜が存在しない領
域や金属薄膜の膜厚が薄い領域の上に絶縁層が形成され
ていてもよい。このような絶縁層を形成することによ
り、連続薄膜が形成される下地を平坦化することがで
き、より良好な解像度を得ることができると共に、第1
の基板上に残存した薄膜材料の回収及び残存した薄膜パ
ターンの利用も容易になる。
【0016】本発明の第2の局面に従う薄膜形成パター
ンは、金属薄膜が形成された第1の基板上に、薄膜パタ
ーン形成の対象になる薄膜材料の連続薄膜を形成する工
程と、第1の基板に対向させて第2の基板を配置する工
程と、金属薄膜と第1の基板との界面の所定領域に光エ
ネルギーを供給することにより表面プラズモン共鳴を励
起させて該所定領域の金属薄膜上の連続薄膜の薄膜材料
を昇華させ、昇華した薄膜材料を第2の基板上に堆積さ
せることにより上記所定領域に対応した薄膜パターンを
第2の基板上に形成する工程とを備えている。
【0017】第2の局面においても、第1の局面と同様
に、連続薄膜を薄膜材料が雰囲気圧下で昇華する温度よ
りも低い温度に加熱した状態で光エネルギーを供給する
ことができる。また、光エネルギーの供給は、光ビーム
を照射することにより行うことができる。第2の局面に
おいては、例えば、金属薄膜と第1の基板の界面の所定
領域にレーザービームなどの光ビームを走査しながら照
射することにより、所定領域のみにおいて表面プラズモ
ン共鳴を励起させることができる。
【0018】第2の局面によれば、光ビームの照射領域
を制御することにより、任意のパターンを形成すること
ができる。従って、多様なパターン形状が要求される用
途において有用である。また、光ビーム照射によりパタ
ーニングすることができるので、光ビームの実質的な直
径(有効径)に応じた緻密なパターニングが可能とな
る。
【0019】第1の局面及び第2の局面においては、薄
膜パターンが形成される第2の基板を、必要に応じて冷
却手段により冷却してもよい。本発明の有機ELディス
プレイの製造方法は、第1の電極と第2の電極の間に有
機電界発光層を設け、該電極間に電圧を印加することに
より発光させる発光素子を配列した有機ELディスプレ
イを製造する方法であり、有機電界発光層のうちの少な
くとも1つの層を上記本発明の薄膜パターン形成方法で
形成することを特徴としている。
【0020】有機電界発光層は、一般に、正孔注入層、
正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、または
これらの層の2以上の層を複合化した複合化層から構成
されている。これらの層のうちの少なくとも1つの層
を、本発明の薄膜パターン形成方法で形成することがで
きる。
【0021】特に、フルカラーの有機ELディスプレイ
においては、R、G、Bに対応する発光層毎にパターニ
ングする必要があるので、このような発光層のパターニ
ングに上記本発明の薄膜パターン形成方法を有利に適用
することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜図3は、本発明の第1の局
面に従う製造工程の一例を示す概略断面図である。
【0023】先ず、図3(a)に示すように、透明なガ
ラス基板などの透光性基板1の上に、金属薄膜2を形成
する。金属薄膜2としては、ほとんどの金属の単体また
は合金を用いることができるが、複素誘電率の実部が負
で、実部の絶対値が大きな値を持つような材料が好まし
い。このようなものとしては、金、銀、銅、亜鉛、アル
ミニウム、カリウム等の単体や、金と銀との合金、銀と
銅との合金、真ちゅう等の合金を例示することができ
る。また、金属薄膜2は、2層以上の積層構造であって
もよい。例えば、基板上にクロムなどの密着性の良好な
材料の薄い層を形成し、その上に金等の望ましい材料の
層を密着性の良好な層よりも厚い膜厚で形成し、2層構
造としてもよい。
【0024】次に、図3(b)に示すように、フォトリ
ソグラフィー等の方法を用いて、金属薄膜2を所定のパ
ターンにパターニングする。これにより金属薄膜の1次
パターンが形成される。
【0025】次に、図3(c)に示すように、薄膜パタ
ーン形成の対象となる薄膜材料の連続薄膜3を、金属薄
膜2及び基板1の上に形成する。薄膜3は、昇華性物質
から形成される。
【0026】次に、図3(d)に示すように、基板1の
下方に、光学プリズム4を基板1に密着させて配置す
る。この状態で、通常真空チャンバー等の容器内に設置
し、減圧排気する。真空チャンバー内の圧力は、薄膜3
の昇華性物質の種類や後述する薄膜3の加熱温度、照射
する光ビームの強度等により適宜設定される。なお、光
学プリズム4は、真空チャンバーの隔壁の一部として設
け、後述する光学窓として作用させてもよい。
【0027】次に、図1に示すように、ヘリウム−ネオ
ンレーザー等の光ビーム光源5を設ける。光ビーム光源
5は、真空チャンバー内に設けられていてもよいし、真
空チャンバーの外に設けて光学窓を介して光ビームを照
射できるように設置されていてもよい。光ビーム光源5
の前方には、光ビーム光源を出射した光ビーム5aを集
束するためのレンズ6が設けられている。光ビーム光源
5は、金属薄膜2の1次パターンと基板1との界面を走
査することができるように設けられている。また、光ビ
ーム5aは金属薄膜2と基板1との界面に対して全反射
する条件で照射される。反射した光ビーム5bを検出で
きる位置に、光検出器8が設けられている。光検出器8
には、集光レンズ7を通った反射ビーム光5bが入射す
る。
【0028】通常は、表面プラズモン共鳴によるエネル
ギーのみで薄膜3を昇華することが困難である場合が多
いので、薄膜3をヒーターによって加熱しておくことが
好ましい。なお、このときの加熱温度は、薄膜3の材料
が真空チャンバー内の圧力下で昇華する温度よりも低い
温度に設定される。例えば、薄膜3の加熱温度は、昇華
温度よりも約5℃程度低い温度に設定する。ヒーターと
しては、例えば輻射式ヒーターなどを用いることができ
る。
【0029】この状態で、基板1に対向するように、薄
膜を形成させる基板11を配置する。基板11の位置
は、解像度を高める観点からは、できるだけ基板1側に
近づけておくことが好ましい。通常、解像度とほぼ同じ
オーダーの距離程度まで近づけておくことが好ましく、
例えば、解像度の1/2程度の距離となるように近づけ
ておくことが好ましい。例えば、解像度が0.1mmの
パターンである場合には、金属薄膜2上に形成された薄
膜3と基板11間の距離は、0.1mm以下であること
が好ましく、より好ましくは0.05mm以下である。
【0030】以上のような状態で、光ビーム光源5から
光ビーム5aを基板1と金属薄膜2の界面に照射し、こ
れを走査する。金属薄膜2が存在する部分では、金属薄
膜2の膜厚は表面プラズモンの共鳴条件を満たす所定の
膜厚で形成されているので、光ビーム5aの照射により
表面プラズモン共鳴が励起され、光エネルギーが吸収さ
れる。この光エネルギーの吸収により、金属薄膜2上の
薄膜3は高いエネルギー状態となり、原子及び/または
分子の振動が激しくなって昇華する。昇華した薄膜の材
料分子は、基板11上に堆積して付着する。金属薄膜2
が存在しない領域では、このような表面プラズモン共鳴
が励起されず、光ビーム5aは反射して反射光5bとな
り光検出器8で検出される。従って、光検出器8で反射
光5bを検出することにより、金属薄膜2と基板1の界
面における表面プラズモン共鳴の状態を観測することが
できる。
【0031】以上のようにして、金属薄膜2の1次パタ
ーンと基板1との間の界面の全領域を光ビーム5aで走
査すると、金属薄膜2が存在している部分では、その上
の薄膜3の薄膜材料が昇華して、上方に配置された基板
11上に堆積する。従って、基板1上の金属薄膜2の1
次パターンに対応したパターンで薄膜3が形成される。
【0032】図2は、このようにして、基板11上に、
金属薄膜2の1次パターンに対応した薄膜3の2次パタ
ーンが形成された状態を示している。従って、金属薄膜
2の1次パターンとして、所望のパターンを形成してお
くことにより、これに対応したパターンで、基板11上
に薄膜3を形成することができる。
【0033】金属薄膜2はフォトリソグラフィー法等に
よりパターニングできるので、微細なパターンを形成す
ることができ、薄膜パターンもこれに対応して微細なパ
ターンで形成することができる。また、基板1側に残っ
た薄膜3は、昇華する温度よりも低い温度で加熱された
だけであるので、純度の低下等がなく、これを回収して
再度薄膜形成に用いることができる。従って、無駄なく
効率的に薄膜形成を行うことができる。
【0034】図4は、絶縁層中に形成された金属薄膜の
1次パターンを製造する工程を示す断面図である。図4
(a)に示すように、基板1上に金属薄膜2をパターニ
ングして形成する。このパターニングはフォトリソグラ
フィー法等により行うことができる。次に、図4(b)
に示すように、基板1上及び金属薄膜2上に絶縁層9を
形成する。このような絶縁層9として、ポリエチレンな
どの樹脂を用いる場合には、樹脂溶液をキャスティング
し、基板1を回転させ、遠心力を利用して塗布すること
ができる。
【0035】次に、図4(c)に示すように、透明電極
2の清浄な表面が現れるまで、酸素雰囲気中で紫外線を
照射する。このような処理により、図4(c)に示すよ
うに、金属薄膜が表面に露出し、かつ表面が平坦な金属
薄膜の1次パターンを得ることができる。図4(d)に
示すように、この表面が平坦な金属薄膜の1次パターン
上に薄膜3を形成することにより、平坦でかつ膜厚の均
一な薄膜3を形成することができる。このような薄膜3
を用いることにより、より良好な解像度で薄膜パターン
を形成することができる。絶縁層9の材料としては、光
学的な屈折率が基板1とできるだけ大きく異なる材料が
好ましく、ポリエチレン(波長589nmのD線に対す
る屈折率1.51程度)の他、ポリメタクリル酸メチル
(同1.49程度)、ポリカーボネート(同1.59程
度)、ポリスチレン(同1.59程度)等を用い得る。
また、絶縁層9の材料及び表面を平坦化する方法につい
ては、特願平10−68568等に記載のものを用いる
ことができる。
【0036】図5は、本発明の第2の局面に従う一実施
例を説明するための概略断面図である。本発明の第2の
局面においては、金属薄膜の1次パターンを形成せず
に、図5に示すように、基板1上の全面に金属薄膜12
を形成する。この金属薄膜12の上に、連続薄膜13を
形成する。
【0037】連続薄膜13を形成した後、上記第1の局
面の実施例と同様に、基板1の下に光学プリズム4を密
着して配置し、基板1の上方に薄膜パターンを形成する
ための基板11を対向して配置する。
【0038】光エネルギー供給源としては、上記と同様
に半導体レーザーや色素レーザー等の光ビーム光源14
を設け、前方にコリメーターレンズ15を配置し、この
光源ユニットを、光源ユニット走査機構16によって走
査する。上記の第1の局面の実施例と同様に、薄膜13
を所定の温度に加熱した状態で光ビーム光源14からの
光ビーム14aを金属薄膜12と基板1の界面に照射す
る。このとき、界面のうちの所定の領域のみを照射する
ように、光源ユニット走査機構16により走査する。
【0039】光ビーム14aが照射された所定領域にお
いてのみ、表面プラズモン共鳴が励起され、このエネル
ギーによって、該所定領域の薄膜13の薄膜材料が昇華
し、対向する基板11上に付着して堆積する。
【0040】図6は、このようにして所定のパターンで
薄膜13を基板11上に付着し堆積させた状態を示して
いる。このように、第2の局面に従えば、光ビームの照
射領域を制御することで任意のパターンを形成すること
ができる。また、光ビームで直接描画することによりパ
ターンを形成するので、光ビームの実質的な直径(有効
径)に応じた微細なパターンの形成が可能である。
【0041】なお、本発明においては、第1の局面と第
2の局面を両方兼ね備えた状態で薄膜パターンの形成を
行ってもよい。すなわち、金属薄膜の1次パターンを用
い、この金属薄膜の1次パターンの所定領域に対しての
み光ビームを照射し、表面プラズモン共鳴を励起させ、
薄膜パターンを形成してもよい。
【0042】以下、本発明の第1の局面に従う薄膜パタ
ーン形成方法により、赤色(R)、緑色(G)、青色
(B)の各原色を発光する有機ELディスプレイを製造
する実施例について説明する。
【0043】図7〜図10は、本発明の有機ELディス
プレイの製造方法の一実施例を示す概略断面図である。
先ず、図7(a)に示すように、透明なガラス基板から
なる基板11の一方面の上に、インジウム錫酸化物(I
TO)等からなる透明陽極21をスパッタリング法等に
より形成する。透明陽極21の平均膜厚は、例えば14
0nmとなるようにする。透明陽極21の平均膜厚は、
一般に90nm〜0.50μmの範囲で変更可能であ
り、好ましくは70nm〜3μmの範囲で変更可能であ
る。
【0044】次に、透明陽極21の上にエッチングレジ
スト22を形成する。このエッチングレジスト22を、
フォトリソグラフィー等の方法により、所定のパターン
となるようにパターニングする。
【0045】次に、図7(b)に示すように、FeCl
3 を含む塩酸水溶液によるウェットエッチング法等によ
り透明陽極21をエッチングして、RGBの各原色に対
応する透明陽極21a,21b,21cを形成する。次
に、図7(c)に示すように、エッチングレジスト22
を除去する。
【0046】次に、図7(d)に示すように、透明陽極
21a〜21cを形成した基板11の上に、正孔注入層
23を形成する。正孔注入層23は、化1に示す芳香族
アミンの誘導体である4,4′,4″−tris(3−
methylphenylphenylamino)t
riphenylamine(通称MTDATA)から
形成する。正孔注入層4は、圧力約0.1mPa以下の
減圧条件下で、真空蒸着法により形成する。本実施例で
は、厚み50nmとなるように形成しているが、5nm
〜160nmの範囲で変更可能であり、好ましくは25
nm〜75nmの範囲で変更可能である。MTDATA
の分子の簡略化した化学式はC5748 4 であり、MT
DATAの分子のモル質量は789.04g/molで
ある。
【0047】
【化1】
【0048】正孔注入層23を形成する際の基板上への
蒸着速度は、0.15nm・s-1に設定したが、0.0
01〜10nm・s-1の範囲で変更可能であり、好まし
くは0.05〜5nm・s-1の範囲で変更可能である。
【0049】正孔注入層23を形成する際の基板11の
温度は、200℃以下の範囲で変更可能であるが、正孔
注入層23を構成する材料のガラス転移温度を超えない
ことが好ましい。従って、MTDATAを用いる場合に
は、基板温度をおよそ100℃以下の範囲に保つように
することが特に好ましい。
【0050】次に、図7(e)に示すように、正孔輸送
層24を、正孔注入層23の上に形成する。正孔輸送層
24は、化2に示す芳香族アミンの誘導体であるN,
N′−diphenyl−N,N′−(3−methy
lphenyl)−1,1′−biphenyl−4,
4′−diamine(通称TPD)から形成する。厚
みは20nmとなるように形成したが、5nm〜120
nmの範囲で変更可能であり、好ましくは11nm〜5
5nmの範囲で変更可能である。
【0051】正孔輸送層24も、正孔注入層23と同様
に、圧力約0.1mPa以下の減圧雰囲気中で真空蒸着
法により形成する。TPDの分子の簡略化した化学式は
38322 であり、TPDの分子のモル質量は51
6.685g/molである。
【0052】
【化2】
【0053】正孔輸送層24を形成する際の基板上への
蒸着速度は、0.15nm・s-1に設定したが、0.0
01〜10nm・s-1の範囲で変更可能であり、好まし
くは0.05〜5nm・s-1の範囲で変更可能である。
【0054】正孔輸送層24を形成する際の基板11の
温度は、200℃以下の範囲で変更可能であるが、正孔
注入層23及び正孔輸送層24を構成する材料のいずれ
のガラス転移温度をも超えないことが好ましい。従っ
て、TPDを用いる場合には、基板温度をおよそ80℃
以下の範囲に保つようにすることが特に好ましい。
【0055】次に、正孔輸送層24の上に、本発明のパ
ターン形成方法に従い、発光機能及び電子輸送機能を有
する電子輸送性の発光層を形成する。図8は、このため
の金属薄膜上に昇華性材料を被着した中間基体を製造す
る工程を示している。
【0056】図8(a)に示すように、透明なガラス基
板からなる基板1の上に金属薄膜2を形成する。この金
属薄膜2の平均膜厚は、例えば50nmとなるようにす
る。しかしながら、金属薄膜2の厚みは1nm〜1μm
の範囲で変更可能であり、好ましくは30nm〜150
nmの範囲で変更可能である。この金属薄膜2の膜厚
は、なるべく均一であることが好ましい。
【0057】具体的には、金等からなる金属薄膜2を電
子ビーム蒸着法やスパッタリング法等により形成する。
次に、フォトリソグラフィー等の方法により、所定の原
色に発光する発光層に対応するパターンで、エッチング
レジスト17を形成する。
【0058】次に、図8(b)に示すように、王水によ
るウェットエッチング法等により、エッチングレジスト
17により、金属薄膜2をエッチングしてパターニング
する。次に、図8(c)に示すように、エッチングレジ
スト17を除去する。
【0059】次に、図8(d)に示すように、金属薄膜
2の1次パターンを形成した基板1の上に、所定の原色
に発光する発光層の材料からなる昇華性材料層25を真
空蒸着法により形成する。真空蒸着は、圧力約0.1m
Pa以下の減圧雰囲気中で行う。昇華性材料層25の平
均膜厚は、発光層の膜厚と同程度に設定すればよく、例
えば40nmとなるようにする。この昇華性材料層25
の膜厚はなるべく均一であることが好ましい。
【0060】次に、図9に示すように、以上のようにし
て得られた基板1を真空チャンバー内に配置する。真空
チャンバー内では、基板1の下方に光学プリズム4を密
着させて配置する。また、基板1の金属薄膜2を形成し
た面に対向するように、透明陽極21a〜21c、正孔
注入層23、及び正孔輸送層24を形成した基板11を
配置する。図9に示すように、光学プリズム4の近傍
に、ハロゲンランプ等の輻射式ヒーター18を配置す
る。また、ヘリウム−ネオンレーザー等の光ビーム光源
5を配置する。光ビーム光源5は、真空チャンバー内に
設けてもよいし、真空チャンバー外に設けて、光学窓を
介して光ビーム5aを照射できるようにしてもよい。光
ビーム光源5の前方にはレンズ6が設けられており、基
板1と金属薄膜2の界面に入射した光ビーム5aの反射
光5bを検出できる位置に光検出器8が設けられてお
り、その光路の途中にはレンズ7が設けられている。
【0061】真空チャンバー内を圧力が約0.1mPa
以下となるように減圧し、輻射式ヒーター18によって
基板1及び昇華性材料層25を所定の温度Tsrc となる
ように加熱する。Tsrc は、このときの真空度におい
て、昇華性材料層25の昇華が実質的に起こる温度T
vap よりも所定の温度dTだけ低くなるように設定及び
/または制御する(Tvap >Tsrc ;dT=Tvap −T
src )。温度差dTは、光ビーム5aによって励起され
る表面プラズモン共鳴の強度を推定して決定するが、例
えば5℃程度にする。
【0062】また、基板11の温度Tsubst は、Tvap
よりも低くなるように設定及び/または制御する(T
vap >Tsubst )。次に、基体1と金属薄膜2の1次パ
ターンとの界面領域を走査するように、光ビーム光源5
から光ビーム5aを照射し、昇華性材料層25が形成さ
れた金属薄膜2で表面プラズモン共鳴が起こるようにす
ると、金属薄膜2のパターン上の昇華性材料のみが、表
面プラズモンから金属薄膜2を介してエネルギーの供給
を受けるようになり高エネルギー状態となる。高エネル
ギー状態となった昇華性材料は、構成する原子及び/ま
たは分子の振動が激しくなって昇華する。
【0063】一方、金属薄膜2のパターンが形成されて
おらず、基板1の上に直接昇華性材料層25が設けられ
ている領域では、光ビーム5aが照射されても、表面プ
ラズモン共鳴は起こらず、光ビーム5aの昇華性材料層
25による直接の吸収によって供給されるエネルギーは
小さく、高エネルギー状態とはならないので、昇華は起
こらない。
【0064】このようにして、金属薄膜2の1次パター
ンに対応する領域のみで昇華性材料層25の昇華が起こ
り、昇華した材料は対向する基板11上に付着し堆積す
る。従って、図10に示すように、透明陽極21aの下
方の所定領域の正孔輸送層24の上に、昇華した材料が
堆積し発光層26となる。
【0065】その他の陽極電極21b及び21cの下方
の所定領域にも、他の原色に対応する発光層を、各原色
に対応する昇華性材料層を用いて上記と同様の工程によ
り、形成することができる。このようにして、有機EL
ディスプレイの各発光層を形成することができる。
【0066】各発光層の材料及び膜厚等の構成について
は、発光色によって異なるので、発光色別に後述する。
次に、以上のようにして発光層を形成した(必要に応じ
て、後述する電子注入輸送層をさらに形成した)基板上
に、陰極を真空蒸着法により形成する。真空蒸着は、所
定のパターンの開口部が形成されたステンレススチール
製のシャドウマスクを用いて、圧力約0.1mPa以下
の減圧雰囲気中で行う。
【0067】陰極としては、MgとInを重量比で9:
1の比率で共蒸着した合金を用い、厚み200nmで形
成する。Inの含有量は、重量比で0.1%〜99%の
範囲で変更可能であり、好ましくは1%〜75%の範囲
で変更可能であり、さらに好ましくは5%〜25%の範
囲で変更可能である。また、厚みも、50nm〜500
nmの範囲で変更可能である。なお、陰極の材質として
は、これに限定されるものではなく、Mgなどのアルカ
リ土類金属元素を含む銀の合金や、Liなどのアルカリ
金属元素を含むアルミニウムなどの合金を用いることが
できる。以上のようにして、有機ELディスプレイパネ
ルを形成することができる。以下、各発光層の材料及び
膜厚等の構成について説明する。
【0068】(緑色発光画素の構成)緑色発光画素を形
成する場合、発光層の材料及び膜厚等の構成として以下
のものを例示することができる。
【0069】発光層としては、化3に示す典型金属錯体
であるbis(10−hydroxybenzo[h]
quinolinate)beryllium(通称B
ebq)から形成することができる。本実施例では膜厚
を40nmと設定するが、5nm〜160nmの範囲で
変更可能であり、好ましくは25nm〜70nmの範囲
で変更可能である。また、この発光層に接して陰極を形
成するようにする。Bebqの分子の簡略化した化学式
はC26162 2 Beであり、Bebqの分子のモル
質量は397.44g/molである。
【0070】
【化3】
【0071】また、緑色発光層の他の例として、特開平
5−70773号公報、特開平9−176630号公報
等に記載のキナクリドン化合物を含む発光層を用いても
よい。
【0072】(赤色発光画素の構成)赤色発光画素を形
成する場合、発光層の材料及び膜厚等の構成として以下
のものを例示することができる。
【0073】発光層は、化4に示す典型金属錯体である
Aluminum tris(quinoline−8
−olate)(通称AlqまたはAlq3 )を主成分
(いわゆるホスト)として、化5に示す芳香族性の複素
環式化合物である5,10,15,20−tetrap
henyl−21H、23H−porphine(通称
TPP)を蛍光性のドーパントとして混合した混合物か
ら形成することができる。本実施例では蛍光性ドーパン
トの混合割合として、重量比で4.0%としているが、
0.1%〜15%の範囲で変更可能であり、好ましくは
1.0%〜7%の範囲で変更可能であり、さらに好まし
くは2%〜6%の範囲で変更可能である。本実施例では
厚みを40nmとしているが、5nm〜120nmの範
囲で変更可能であり、好ましくは15nm〜60nmの
範囲で変更可能である。この発光層は陰極と接するよう
に形成する。
【0074】
【化4】
【0075】
【化5】
【0076】発光層の主成分であるAlq3 の分子のモ
ル質量は459.44g/molである。蛍光性のドー
パントであるTPPの分子の簡略化した化学式はC44
30 4 であり、TPPの分子のモル質量は614.74
g/molである。本実施例では、ドーパントと主成分
のモル質量の比は1.338となり、ドーパントと主成
分のモル質量は約34%しか違わないように材料が設定
されている。
【0077】(青色発光画素の構成)青色発光画素を形
成する場合、発光層の材料及び膜厚等の構成として以下
のものを例示することができる。
【0078】発光層は、化6に示す典型金属錯体である
(N,N′−disalicylidene−1,6−
hexanediaminato)zinc(II)
(通称1AZM−Hex)を主成分(いわゆるホスト)
として、化7に示す縮合芳香族炭化水素化合物であるペ
リレンを蛍光性のドーパントとして混合した混合物から
形成することができる。
【0079】
【化6】
【0080】
【化7】
【0081】蛍光性のドーパントの混合割合は、質量比
で2.0%としているが、0.1%〜15%の範囲で変
更可能であり、好ましくは0.5%〜7%の範囲で変更
可能であり、さらに好ましくは1%〜3.5%の範囲で
変更可能である。
【0082】膜厚は30nmとしているが、5nm〜1
20nmの範囲で変更可能であり、好ましくは15nm
〜60nmの範囲で変更可能である。この発光層につい
ては、発光層と陰極との間に、Bebqからなる電子注
入輸送層を設けることが好ましい。電子注入輸送層の膜
厚としては30nmを例示することができるが、5nm
〜160nmの範囲で変更可能であり、好ましくは20
nm〜50nmの範囲で変更可能である。
【0083】発光層の主成分である1AZM−Hexの
分子の簡略化した化学式はC20222 2 Znであ
り、1AZM−Hexの分子のモル質量は387.80
g/molである。また、発光層の蛍光性ドーパントで
あるペリレンの分子の簡略化した化学式はC2012であ
り、ペリレンの分子のモル質量は252.32g/mo
lである。本実施例では、発光層におけるドーパントと
主成分のモル質量の比は1.537となり、ドーパント
と主成分のモル質量は約54%しか違わないように材料
が選定されている。
【0084】本発明のパターン形成方法において昇華さ
れる各分子は、各分子の蒸発源である金属薄膜の1パタ
ーン上に形成された昇華性材料層において、表面プラズ
モンから供給されたエネルギーと各分子のモル質量によ
って物理法則に基づいて決定される自由行程に従って飛
行することができる。従って、昇華される各分子の真空
中、すなわち気体相中での振る舞いは、分子のモル質量
によってほとんど支配されることが理解される。本実施
例では、ドーパントと主成分のモル質量は2倍未満であ
り、ドーパントと主成分は気体相中で大きな差がなく振
る舞い、気体相中でほぼ完全に混合された分子ビームを
形成しながら基板に到達して固体相に変化するので、ド
ーパントと主成分とがほぼ理想的に混合された発光層が
形成されると考えられる。
【0085】一方、ドーパントと主成分のモル質量が大
きく異なる場合には、モル質量のより小さい分子は相対
的により速い線速度で飛行するので、微視的に見ると気
体相中ではモル質量のより小さい分子の分子ビームと、
モル質量のより大きい分子の分子ビームとが分離されて
いると考えられ、基板に到達して固体相に変化した各分
子はそれぞれ独立した微細な集合体を形成する傾向があ
ると考えられる。従って、ドーパントと主成分のモル質
量が大きく異なる場合、例えば3倍以上異なる場合に
は、ドーパントと主成分とが理想的に混合された発光層
は形成され難い傾向があると考えられる。
【0086】(各画素の発光特性)以上のようにして作
製された赤色発光画素は、直流電圧17Vを印加する
と、TPPの励起状態からの発光と考えられるCIE色
度座標が(x=0.66,y=0.33)の赤色発光が
得られ、発光輝度は64cd/m2 であり、電流密度は
670mA/cm2 であった。
【0087】また、青色発光画素は、直流電圧5Vを印
加すると、ペリレンの励起状態からの発光と考えられる
CIE色度座標が(x=0.13,y=0.19)の青
色発光が得られ、発光輝度は139cd/m2 であり、
電流密度は6.3mA/cm 2 であった。
【0088】また、緑色発光画素は、直流電圧6Vを印
加すると、Bebqの励起状態からの発光と考えられる
発光極大波長が516nmの緑色発光が得られ、発光輝
度は700cd/m2 であり、電流密度は10mA/c
2 であった。
【0089】本発明の有機ELディスプレイの製造方法
において有機電界発光層を形成する昇華性物質として
は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、Ch
ing W.Tang らによる米国特許5,294,869に記
載されたポルフィリン化合物、フタロシアニン化合物、
芳香族アミン類、金属キレート化合物、蛍光性色素等の
昇華性物質(特に第15欄〜第35欄に記載のもの)、
特開平2−261889号公報に開示されている縮合多
環型芳香族色素、レーザー色素等の昇華性物質(特に第
1表に記載のもの)、特開昭63−264692号公報
に開示されているホスト物質及び蛍光物質等の昇華性物
質等を用いることができる。
【0090】また、本発明の薄膜パターン形成方法は、
有機ELディスプレイの発光層等の薄膜パターンの形成
に限定されるものではなく、その他の種々の用途におけ
る薄膜パターンの形成に適用することができる。例え
ば、その一例を挙げるとすれば、特許第2783928
号公報に開示された圧電型ガスセンサにおけるガス吸着
材の線状のパターンの形成にも用いることができる。
【0091】
【発明の効果】本発明の薄膜パターンの形成方法によれ
ば、昇華性の有機材料等からなる薄膜パターンを、良好
な解像度で、簡易にかつ効率的に形成することができ
る。
【0092】本発明の有機ELディスプレイの製造方法
によれば、上記本発明の薄膜パターン形成方法により発
光層等を形成することができるので、良好な解像度で、
簡易にかつ効率的に発光層等を形成することができ、高
精細でフルカラー表示可能な有機ELディスプレイを製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の局面に従う一実施例を示す概略
断面図。
【図2】本発明の第1の局面に従う一実施例を示す概略
断面図。
【図3】本発明の第1の局面に従う一実施例を示す概略
断面図。
【図4】本発明の第1の局面において、絶縁層中に形成
された金属薄膜の1次パターンの製造工程を示す断面
図。
【図5】本発明の第2の局面に従う一実施例を示す概略
断面図。
【図6】本発明の第2の局面に従う一実施例を示す概略
断面図。
【図7】本発明の有機ELディスプレイの製造方法の一
実施例の製造工程を示す概略断面図。
【図8】本発明の有機ELディスプレイの製造方法の一
実施例の製造工程を示す概略断面図。
【図9】本発明の有機ELディスプレイの製造方法の一
実施例の製造工程を示す概略断面図。
【図10】本発明の有機ELディスプレイの製造方法の
一実施例の製造工程を示す概略断面図。
【符号の説明】
1…基板 2…金属薄膜 3…連続薄膜 4…光学プリズム 5…光ビーム光源 6,7…レンズ 8…光検出器 9…絶縁層 11…基板 12…金属薄膜 13…連続薄膜 21a,21b,21c…透明陽極 23…正孔注入層 24…正孔輸送層 25…昇華性材料層 26…発光層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板上に形成した薄膜の所定領域
    において表面プラズモン共鳴を励起させて薄膜材料を昇
    華させることにより、第1の基板に対向させて配置した
    第2の基板上に前記所定領域に対応した薄膜パターンを
    形成することを特徴とする薄膜パターン形成方法。
  2. 【請求項2】 金属薄膜の1次パターンが形成された第
    1の基板上に、薄膜パターン形成の対象となる薄膜材料
    の連続薄膜を形成する工程と、 前記第1の基板に対向させて第2の基板を配置する工程
    と、 前記1次パターンの金属薄膜と前記第1の基板との界面
    に光エネルギーを供給することにより表面プラズモン共
    鳴を励起させて金属薄膜上の前記連続薄膜の薄膜材料を
    昇華させ、昇華した薄膜材料を前記第2の基板上に堆積
    させることにより前記金属薄膜の1次パターンに対応し
    た薄膜の2次パターンを前記第2の基板上に形成する工
    程とを備える薄膜パターンの形成方法。
  3. 【請求項3】 前記金属薄膜の1次パターンの金属薄膜
    が存在しない領域に絶縁層が形成されている請求項2に
    記載の薄膜パターンの形成方法。
  4. 【請求項4】 金属薄膜が形成された第1の基板上に、
    薄膜パターン形成の対象となる薄膜材料の連続薄膜を形
    成する工程と、 前記第1の基板に対向させて第2の基板を配置する工程
    と、 前記金属薄膜と前記第1の基板との界面の所定領域に光
    エネルギーを供給することにより表面プラズモン共鳴を
    励起させて前記所定領域の金属薄膜上の前記連続薄膜の
    薄膜材料を昇華させ、昇華した薄膜材料を前記第2の基
    板上に堆積させることにより、前記所定領域に対応した
    薄膜パターンを前記第2の基板上に形成する工程とを備
    える薄膜パターン形成方法。
  5. 【請求項5】 前記連続薄膜を該薄膜材料が雰囲気圧下
    で昇華する温度よりも低い温度に加熱した状態で、前記
    光エネルギーを供給する請求項2〜4のいずれか1項に
    記載の薄膜パターン形成方法。
  6. 【請求項6】 前記金属薄膜と前記第1の基板との界面
    に光ビームを照射することにより前記光エネルギーを供
    給する請求項2〜5のいずれか1項に記載の薄膜パター
    ン形成方法。
  7. 【請求項7】 第1電極と第2電極の間に有機電界発光
    層を設け、該電極間に電圧を印加することにより発光さ
    せる発光素子を配列した有機ELディスプレイを製造す
    る方法であって、 前記有機電界発光層のうちの少なくとも1つの層を請求
    項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜パターン形成方法
    で形成することを特徴とする有機ELディスプレイの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 発光物質を含む発光層を前記薄膜パター
    ン形成方法で形成することを特徴とする請求項7に記載
    の有機ELディスプレイの製造方法。
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